(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079445
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】非空気圧タイヤ
(51)【国際特許分類】
B60C 7/00 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
B60C7/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192927
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕介
【テーマコード(参考)】
3D131
【Fターム(参考)】
3D131BB19
3D131BC31
3D131CC03
(57)【要約】
【課題】耐久性の向上を効果的に図ることができる非空気圧タイヤを提供する。
【解決手段】内側環状部20と、外側環状部30と、内側環状部20と外側環状部30とを連結する複数のスポーク40と、トレッド50と、を備え、スポーク40は、タイヤ軸方向に対して傾斜して延びる第1の直線部410と、第1の内側接続部411と、第1の外側接続部412と、を有し、第1の内側接続部411は、第1の直線部410と内側環状部20とがなす角度が鋭角となる側の第1の内側移行部411bと、第1の直線部410と内側環状部20とがなす角度が鈍角となる側の第2の内側移行部411aと、を有し、第1の内側移行部411bは、内側環状部20に対して円弧状に連なる第1の内側R部411Rを含み、第1の内側R部411Rの曲率半径をr、第1の直線部410の長さをLとした場合、r/Lが0.17以上0.24以下である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側環状部と、
前記内側環状部の外周側に同軸に配置される外側環状部と、
前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って配列される複数のスポークと、
前記外側環状部の外周面に設けられるトレッドと、を備え、
前記スポークは、タイヤ軸方向に対して傾斜して延びる直線部と、前記直線部と前記内側環状部とを接続する内側接続部と、前記直線部と前記外側環状部とを接続する外側接続部と、を有し、
前記内側接続部は、前記直線部と前記内側環状部とがなす角度が鋭角となる側の第1の内側移行部と、前記直線部と前記内側環状部とがなす角度が鈍角となる側の第2の内側移行部と、を有し、
前記第1の内側移行部は、前記内側環状部に対して円弧状に連なるR部を含み、
前記R部の曲率半径をr、前記直線部の長さをLとした場合、r/Lが0.17以上0.24以下である、非空気圧タイヤ。
【請求項2】
前記曲率半径rは、7.3mm以上9.0mm以下である、請求項1に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項3】
前記直線部の長さLは、39.4mm以上41.2mm以下である、請求項1または2に記載の非空気圧タイヤ。
【請求項4】
前記スポークは、
前記直線部がタイヤ軸方向の一方側へ傾斜する第1のスポークと、
前記直線部が前記第1のスポークとは反対側に傾斜する第2のスポークと、を含み、
前記第1のスポークと前記第2のスポークとが、タイヤ周方向に交互に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の非空気圧タイヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非空気圧タイヤに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パンクの発生等の問題が起こらず、空気圧調整も不要な非空気圧タイヤが開発されている。一般に、非空気圧タイヤは、同軸に配置される内周側環状部及び外周側環状部が、複数のスポークによって連結された構造を有する。複数のスポークはタイヤ周方向に間隔をおいて放射状に配列される。外側環状部の外周面には、路面と接地するトレッドが設けられる。
【0003】
例えば、特許文献1には、板厚方向がタイヤ周方向に沿った板状であって、タイヤ軸方向に対して傾斜するスポークを備えた非空気圧タイヤが開示されている。そのスポークには、耐久性を高める補強部が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の非空気圧タイヤは、スポークにかかる荷重の割合が高い。タイヤ軸方向に対して傾斜したスポークは、内側環状部に対して鋭角的に交差する部分に応力が集中しやすく耐久性の低下を招来する。しかし、この点については、上記特許文献1では考慮されていない。
【0006】
そこで本発明は、タイヤ軸方向に対して傾斜するスポークを備えた非空気圧タイヤにおいて、耐久性の向上を効果的に図ることができる非空気圧タイヤを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の非空気圧タイヤは、内側環状部と、前記内側環状部の外周側に当該内側環状部と同軸に配置される外側環状部と、前記内側環状部と前記外側環状部とを連結し、タイヤ周方向に沿って配列される複数のスポークと、前記外側環状部の外周面に設けられるトレッドと、を備え、前記スポークは、タイヤ軸方向に対して傾斜して延びる直線部と、前記直線部と前記内側環状部とを接続する内側接続部と、前記直線部と前記外側環状部とを接続する外側接続部と、を有し、前記内側接続部は、前記直線部と前記内側環状部とがなす角度が鋭角となる側の第1の内側移行部と、前記直線部と前記内側環状部とがなす角度が鈍角となる側の第2の内側移行部と、を有し、前記第1の内側移行部は、前記内側環状部に対して円弧状に連なるR部を含み、前記R部の曲率半径をr、前記直線部の長さをLとした場合、r/Lが0.17以上0.24以下である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、タイヤ軸方向に対して傾斜するスポークを備えた非空気圧タイヤにおいて、耐久性の向上を効果的に図ることができる非空気圧タイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態の非空気圧タイヤを示す側面図である。
【
図3】
図2に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤの一部斜視図である。
【
図4】解析モデルによる試験例の測定結果を示すグラフである。
【
図5】縦荷重を受けた解析モデルの変形の遷移を模式的に示す図であって、本発明の実施例を示す図である。
【
図6】縦荷重を受けた解析モデルの変形の遷移を模式的に示す図であって、本発明外の比較例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態の非空気圧タイヤ1をタイヤ回転軸(タイヤ子午線)と平行な方向、すなわち
図1で紙面表裏方向に沿う方向から側面視した側面図である。
図1に示す非空気圧タイヤ1は、無荷重状態である。
図2は、
図1のII-II断面図である。
図3は、
図2に示す部分を斜めから見た非空気圧タイヤ1の一部斜視図である。
【0011】
図1及び
図3において、矢印Cはタイヤ周方向を示している。
図1~
図3において、矢印Xはタイヤ径方向を示している。
図2及び
図3において、矢印Yはタイヤ幅方向を示している。
図1においてのタイヤ幅方向Yは、紙面表裏方向である。
図2の符号Eは、タイヤ赤道面である。
図2においてのタイヤ周方向Cは、紙面表裏方向である。
【0012】
タイヤ周方向Cは、タイヤ回転軸周りの方向であって非空気圧タイヤ1が回転する方向と同一の方向である。タイヤ径方向Xは、タイヤ回転軸に垂直な方向である。タイヤ幅方向Yは、タイヤ回転軸と平行な方向である。
図2及び
図3においては、タイヤ幅方向Yの一方側をY1として示し、タイヤ幅方向Yの他方側をY2として示している。
図2に示すタイヤ赤道面Eは、タイヤ回転軸に直交する面で、かつ、タイヤ幅方向Yの中心に位置する面である。
【0013】
本実施形態の非空気圧タイヤ1は、内側環状部20と、外側環状部30と、複数のスポーク40と、トレッド50と、を備える。
【0014】
なお、以下において、内側環状部20及び外側環状部30の厚みとは、タイヤ径方向Xに沿った方向の寸法である。内側環状部20及び外側環状部30の幅とは、
図2に示すタイヤ幅方向Yに沿った方向の寸法である。
【0015】
内側環状部20は、非空気圧タイヤ1の内周部を構成するタイヤ周方向Cに沿った環状の部分である。内側環状部20の厚み及び幅は、ユニフォミティを向上させるために一定に設定される。内側環状部20の内周側の空間に、図示しないタイヤホイールが配置される。そのタイヤホイールのリムの外周部に、内側環状部20の内周部が嵌合して装着される。内側環状部20がリムに装着されて、非空気圧タイヤ1は当該タイヤホイールに装着される。内側環状部20の内周面には、当該リムとの嵌合のために、凸部や溝等で構成される嵌合部が設けられる場合がある。
【0016】
内側環状部20は、例えば、弾性を有する樹脂材料によって形成することができるが、材料は樹脂に限定されない。
【0017】
内側環状部20は、上記タイヤホイールの回転をスポーク40及び外側環状部30に伝達する。内側環状部20の厚みは、スポーク40に回転力を十分に伝達する機能を満たしつつ、軽量化及び耐久性も得られる観点から決定される。内側環状部20の厚みは特に限定されないが、例えば、
図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、3%以上6%以下であることがより好ましい。
【0018】
内側環状部20の内径は、非空気圧タイヤ1が装着されるタイヤホイールのリムの寸法や車両の用途等に応じて決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部20の内径は、例えば、250mm以上500mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
【0019】
内側環状部20の幅は、非空気圧タイヤ1が装着される車両の用途や車軸の長さ等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、内側環状部20の幅は、100mm以上300mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
【0020】
外側環状部30は、非空気圧タイヤ1の外周部を構成するタイヤ周方向Cに沿った環状の部分である。外側環状部30は、内側環状部20の外周側に、内側環状部20と同軸に配置される。外側環状部30の厚み及び幅は、ユニフォミティを向上させるために一定に設定される。
【0021】
外側環状部30は、例えば、弾性を有する樹脂材料によって形成することができるが、材料は樹脂に限定されない。
【0022】
外側環状部30は、内側環状部20及びスポーク40の回転を、トレッド50を介して路面に伝達する。外側環状部30の厚みは、スポーク40から路面に回転力を十分に伝達する機能を満たしつつ、軽量化及び耐久性も得られる観点から決定される。外側環状部30の厚みは特に限定されないが、例えば、
図2に示すタイヤ断面高さHの2%以上7%以下であることが好ましく、2%以上5%以下であることがより好ましい。
【0023】
外側環状部30の内径は、非空気圧タイヤ1が装着されるタイヤホイールのリムの寸法や車両の用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部30の内径は、420mm以上750mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
【0024】
外側環状部30の幅は、非空気圧タイヤ1が装着される車両の用途等に応じて適宜決定される。例えば、一般の空気入りタイヤの代替を想定した場合、外側環状部30の幅は、100mm以上300mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
【0025】
複数のスポーク40は、内側環状部20と外側環状部30とを連結する。複数のスポーク40で連結された内側環状部20と外側環状部30とは、互いに同軸に配置される。複数のスポーク40のそれぞれは、タイヤ周方向Cに沿って各々独立して配列される。
図1に示すように、複数のスポーク40は、非空気圧タイヤ1が無荷重状態では、側面視した場合においてタイヤ径方向Xと略平行でラジアル方向に直線状に延びている。複数のスポーク40は、タイヤ周方向Cに等間隔に配列されている。
【0026】
図2及び
図3に示すように、本実施形態の複数のスポーク40は、複数の第1のスポーク41と、複数の第2のスポーク42と、を含む。第1のスポーク41及び第2のスポーク42のいずれも、その延在方向は、タイヤ周方向Cに沿った方向で見た場合において、タイヤ径方向Xとは平行ではない。第1のスポーク41は、タイヤ軸方向すなわちタイヤ幅方向Yの一方側へ傾斜している。第2のスポーク42は、第1のスポーク41とは反対側へ傾斜している。第1のスポーク41と第2のスポーク42とは、タイヤ周方向Cに交互に配置されている。
【0027】
図2及び
図3に示すように、第1のスポーク41は、全体的に、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの一方側であるY1側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Yの他方側であるY2側へ向かって傾斜して延びている。第2のスポーク42は、全体的に、外側環状部30のタイヤ幅方向Yの他方側であるY2側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Yの一方側であるY1側へ向かって傾斜して延びている。
【0028】
第1のスポーク41及び第2のスポーク42の傾斜角度は同じである。このため、タイヤ周方向Cに隣接する第1のスポーク41と第2のスポーク42とは、タイヤ周方向Cに沿う方向から見た場合、略X字状に配置されている。
図2に示すように、第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、タイヤ幅方向Yに対して角度θで傾斜しており、その角度θは、例えば39°以上49°以下が好ましい。
【0029】
図2に示すように、タイヤ周方向Cに沿う方向から見た状態での第1のスポーク41及び第2のスポーク42のそれぞれは、タイヤ赤道面Eに対して対称な同一形状である。したがって、以下においては、第1のスポーク41及び第2のスポーク42を区別する必要がなく、まとめて説明できる場合には、第1のスポーク41及び第2のスポーク42を、スポーク40と総称する。
【0030】
スポーク40は板状であって、内側環状部20から外側環状部30に向けて、上記のように角度θの角度で斜めに延びている。
図3示すように、スポーク40は、タイヤ周方向に沿った板厚tが、板幅wよりも小さく、板厚tの方向がタイヤ周方向Cに沿っている。すなわち、スポーク40は、タイヤ径方向X及びタイヤ幅方向Yの面内に沿って延びる板状に形成されている。なお、ここでいう板幅wは、後述する第1の直線部410及び第2の直線部420の幅であって、
図2にも示すように、スポーク40をタイヤ周方向Cに沿う方向から見た場合での、スポーク40が延在する傾斜方向に直交する方向の寸法である。本実施形態においては、全てのスポーク40の板厚tは同じである。また、全てのスポーク40の板幅wは同じである。
【0031】
スポーク40は長尺板状であるため、板厚tを薄くしても、板幅wを広く設定することによってスポーク40の耐久性を向上させることができる。さらに、板厚tを薄くしてスポーク40の数を増やすことにより、非空気圧タイヤ1全体の剛性を維持しつつ、タイヤ周方向Cに隣接するスポーク40の間の間隔を小さくできる。これによって、スポーク40によるタイヤ転動時の接地圧が分散し、接地圧を小さくできる。
【0032】
なお、本実施形態のスポーク40は側面視においてタイヤ径方向Xと平行であるが、スポーク40は側面視においてタイヤ径方向Xと交差するようにタイヤ径方向Xに対し斜めに配置されてもよい。
【0033】
以下、
図2及び
図3を参照して、第1のスポーク41及び第2のスポーク42を詳述する。
【0034】
第1のスポーク41は、第1の直線部410と、第1の直線部410と内側環状部20とを接続する第1の内側接続部411と、第1の直線部410と外側環状部30とを接続する第1の外側接続部412と、を有する。第1の直線部410は、本実施形態におけるスポーク40の直線部の一例である。第1の内側接続部411は、本実施形態におけるスポーク40の内側接続部の一例である。第1の外側接続部412は、本実施形態におけるスポーク40の外側接続部の一例である。第1の内側接続部411は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側の半分の領域に設けられている。第1の外側接続部412は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側の半分の領域に設けられている。
【0035】
第1の直線部410は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側に向かって傾斜して延びている。すなわち第1の直線部410は、第1のスポーク41の傾斜方向に一致する。
【0036】
第1の内側接続部411は、タイヤ幅方向Yの内側に配置されて第1の直線部410から内側環状部20に移行する第1の内側移行部411bと、タイヤ幅方向Yの外側に配置されて第1の直線部410から内側環状部20に移行する第2の内側移行部411aと、を有する。第1の内側移行部411bは、第1の直線部410と内側環状部20とがなす角度が鋭角となる側に配置される移行部分である。第2の内側移行部411aは、第1の直線部410と内側環状部20とがなす角度が鈍角となる側に配置される移行部分である。
【0037】
第1の内側移行部411bは、タイヤ幅方向Y1側(タイヤ赤道面E側)に配置されている。第1の内側移行部411bは、第1の直線部410から内側環状部20のタイヤ赤道面Eの位置まで、タイヤ幅方向Y1側に向かって凹状の円弧状に連なる第1の内側R部411Rを含んでいる。第1の内側R部411Rは、曲率半径rで円弧状に形成されている。第1の内側R部411Rは、本実施形態における第1の内側移行部411bが含む部分であって、内側環状部20に対して円弧状に連なるR部の一例である。
【0038】
第2の内側移行部411aは、タイヤ幅方向Y2側に配置されている。第2の内側移行部411aは、内側環状部20のタイヤ幅方向Y2側の端部20bまでなだらかに湾曲しながら延びている。
【0039】
第1の内側移行部411b及び第2の内側移行部411aにより、第1の内側接続部411は、内側環状部20に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。
【0040】
第1の外側接続部412は、タイヤ幅方向Yの内側に配置されて第1の直線部410から外側環状部30に移行する第1の外側移行部412bと、タイヤ幅方向Yの外側に配置されて第1の直線部410から外側環状部30に移行する第2の外側移行部412aと、を有する。第1の外側移行部412bは、第1の直線部410と外側環状部30とがなす角度が鋭角となる側に配置される移行部分である。第2の外側移行部412aは、第1の直線部410と外側環状部30とがなす角度が鈍角となる側に配置される移行部分である。
【0041】
第1の外側移行部412bは、タイヤ幅方向Y2側(タイヤ赤道面E側)に配置されている。第1の外側移行部412bは、第1の直線部410から外側環状部30のタイヤ赤道面Eの位置まで、タイヤ幅方向Y2側に向かって凹状の円弧状に連なる第1の外側R部412Rを含んでいる。第1の外側R部412Rは、第1の内側R部411Rと同様に、曲率半径rで円弧状に形成されている。
【0042】
第2の外側移行部412aは、タイヤ幅方向Y1側に配置されている。第2の外側移行部412aは、外側環状部30のタイヤ幅方向Y1側の端部30aまでなだらかに湾曲しながら延びている。
【0043】
第1の外側移行部412b及び第2の外側移行部412aにより、第1の外側接続部412は、外側環状部30に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。
【0044】
第1のスポーク41における第1の直線部410は、タイヤ幅方向Yに面する両側面が直線状である部分を有するタイヤ径方向の領域をいう。すなわち第1の直線部410は、第1の内側接続部411の第1の内側移行部411bと、第1の外側接続部412の第2の外側移行部412aと、の間の直線状の側面、及び第1の内側接続部411の第2の内側移行部411aと、第1の外側接続部412の第1の外側移行部412bと、の間の直線状側面の双方を含む部分である。
【0045】
第2のスポーク42は、第1のスポーク41と同一形状であって、タイヤ赤道面Eにして第1のスポーク41と対称形状である。
【0046】
図2及び
図3に示すように、第2のスポーク42は、第2の直線部420と、第2の直線部420と内側環状部20とを接続する第2の内側接続部421と、第2の直線部420と外側環状部30とを接続する第2の外側接続部422と、を有する。第2の直線部420は、本実施形態におけるスポーク40の直線部の一例である。第2の内側接続部421は、本実施形態におけるスポーク40の内側接続部の一例である。第2の外側接続部422は、本実施形態におけるスポーク40の外側接続部の一例である。第2の内側接続部421は、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側の半分の領域に設けられている。第2の外側接続部422は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側の半分の領域に設けられている。
【0047】
第2の直線部420は、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側から、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側に向かって傾斜して延びている。すなわち第2の直線部420は、第2のスポーク42の傾斜方向に一致する。
【0048】
第2の内側接続部421は、タイヤ幅方向Yの内側に配置されて第2の直線部420から内側環状部20に移行する第1の内側移行部421bと、タイヤ幅方向Yの外側に配置されて第2の直線部420から内側環状部20に移行する第2の内側移行部421aと、を有する。第1の内側移行部421bは、第2の直線部420と内側環状部20とがなす角度が鋭角となる側に配置される移行部分である。第2の内側移行部421aは、第2の直線部420と内側環状部20とがなす角度が鈍角となる側に配置される移行部分である。
【0049】
第1の内側移行部421bは、タイヤ幅方向Y2側(タイヤ赤道面E側)に配置されている。第1の内側移行部421bは、第2の直線部420から内側環状部20のタイヤ赤道面Eの位置まで、タイヤ幅方向Y2側に向かって凹状の円弧状に連なる第2の内側R部421Rを含んでいる。第2の内側R部421Rは、曲率半径rで円弧状に形成されている。第2の内側R部421Rは、本実施形態における第1の内側移行部421bが含む部分であって、内側環状部20に対して円弧状に連なるR部の一例である。
【0050】
第2の内側移行部421aは、タイヤ幅方向Y1側に配置されている。第2の内側移行部421aは、内側環状部20のタイヤ幅方向Y1側の端部20aまでなだらかに湾曲しながら延びている。
【0051】
第1の内側移行部421b及び第2の内側移行部421aにより、第2の内側接続部421は、内側環状部20に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。
【0052】
第2の外側接続部422は、タイヤ幅方向Yの内側に配置されて第2の直線部420から外側環状部30に移行する第1の外側移行部422bと、タイヤ幅方向Yの外側に配置されて第2の直線部420から外側環状部30に移行する第2の外側移行部422aと、を有する。第1の外側移行部422bは、第2の直線部420と外側環状部30とがなす角度が鋭角となる側に配置される移行部分である。第2の外側移行部422aは、第2の直線部420と外側環状部30とがなす角度が鈍角となる側に配置される移行部分である。
【0053】
第1の外側移行部422bは、タイヤ幅方向Y1側(タイヤ赤道面E側)に配置されている。第1の外側移行部422bは、第2の直線部420から外側環状部30のタイヤ赤道面Eの位置まで、タイヤ幅方向Y1側に向かって凹状の円弧状に連なる第2の外側R部422Rを含んでいる。第2の外側R部422Rは、第2の内側R部421Rと同様に、曲率半径rで円弧状に形成されている。
【0054】
第2の外側移行部422aは、タイヤ幅方向Y2側に配置されている。第2の外側移行部422aは、外側環状部30のタイヤ幅方向Y2側の端部30bまでなだらかに湾曲しながら延びている。
【0055】
第1の外側移行部422b及び第2の外側移行部422aにより、第2の外側接続部422は、外側環状部30に近付くにつれてタイヤ幅方向Yに沿って広がる形状を有している。
【0056】
第2のスポーク42における第2の直線部420は、タイヤ幅方向Yに面する両側面が直線状である部分を有するタイヤ径方向の領域をいう。すなわち第2の直線部420は、第2の内側接続部421の第1の内側移行部421bと、第2の外側接続部422の第2の外側移行部422aとの間の直線状の側面、及び第2の内側接続部421の第2の内側移行部421aと、第2の外側接続部422の第1の外側移行部422bとの間の直線状側面の双方を含む部分である。
【0057】
第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rのそれぞれの曲率半径rは、互いに等しい。また、第1のスポーク41の第1の直線部410及び第2のスポーク42の第2の直線部420のそれぞれの長さLも、互いに等しい。第1の直線部410及び第2の直線部420の長さLは、第1の直線部410及び第2の直線部420において板幅wの幅方向中心を通る直線の長さをいう。
【0058】
本実施形態では、rとLとの比であるr/Lが、0.17以上0.24以下であることが好ましく、0.192以上0.207以下であればより好ましい。
【0059】
本実施形態では、第1の内側R部411R及び第2の内側R部421Rのそれぞれの曲率半径rは、7.3mm以上9.0mm以下であることが好ましく、7.8mm以上8.3mm以下であればより好ましい。
本実施形態では、第1の直線部410及び第2の直線部420の長さLは、39.4mm以上41.2mm以下であることが好ましく、40.0mm以上40.6mm以下であればより好ましい。
【0060】
上述したように、本実施形態の全てのスポーク40の板厚tは同じである。板厚tの寸法は特に限定されないが、スポーク40が内側環状部20及び外側環状部30からの回転力を十分受けつつ、荷重を受けた際には適度に撓み変形が可能なようにする上で、1mm以上30mm以下であることが好ましく、5mm以上25mm以下であることがより好ましい。
【0061】
上述したように、本実施形態の全てのスポーク40の板幅wは同じである。スポーク40の板幅wは、第1の直線部410及び第2の直線部420の幅である。スポーク40の板幅wは特に限定されないが、内側環状部20及び外側環状部30からの回転力を十分受けつつ、荷重を受けた際には適度に撓み変形が可能なようにする上で、5mm以上25mm以下であることが好ましく、10mm以上20mm以下であることがより好ましい。また、板幅wは、耐久性を向上させつつ接地圧を分散させ得る観点から、板厚tの110%以上であることが好ましく、115%以上であることがより好ましい。
【0062】
図2に示すように、スポーク40の、内側環状部20及び外側環状部30への接続端部の、タイヤ幅方向Yに沿った幅w2は同じであって、30mm以上140mm以下が好ましく、70mm以上140mm以下であることがより好ましい。本実施形態では、内側環状部20及び外側環状部30のタイヤ幅方向Yの寸法の半分である。
【0063】
スポーク40の数としては、車両からの荷重を十分支持しつつ、軽量化が可能で、動力伝達性及び耐久性の向上をともに図ることを可能とする観点から、80個以上300個以下であることが好ましく、100個以上200個以下であることがより好ましい。
【0064】
複数のスポーク40のタイヤ周方向Cの間隔は、例えば、1.0mm以上4.1mm以下で設定されることが好ましい。なお、本実施形態では、複数のスポーク40のタイヤ周方向Cの間隔は等しいが、不等間隔であってもよい。
【0065】
スポーク40のタイヤ径方向Xの寸法は、45mm以上75mm以下といった寸法が挙げられるが、これに限定されない。
【0066】
スポーク40は、下記に挙げる弾性材料によって形成することができる。まず、その弾性材料の特性としては、十分な耐久性を確保しながら、適度な剛性を付与する観点から、JIS K7312に準じて引張試験を行い、10%伸び時の引張応力から算出した引張
モジュラスが、3MPa以上12MPa以下が好ましい。
【0067】
スポーク40において、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが3MPaを下回る場合、十分な剛性が得られず、タイヤ周方向Cに隣接するスポーク40どうしが接触する可能性がある。一方、10%伸び時の引張応力から算出した引張モジュラスが12MPaを上回る場合、過度に剛性が高くなり、乗り心地が悪化する。
【0068】
スポーク40の母材として用いられる弾性材料としては、熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂が挙げられる。
【0069】
熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステルエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリスチレンエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマー、ポリウレタンエラストマー等が例示される。
【0070】
架橋ゴムを構成するゴム材料としては、天然ゴム及び合成ゴムのいずれを使用することもできる。合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、イソプレンゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(水添NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、フッ素ゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム等が例示される。これらのゴム材料は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
【0071】
その他の樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等が挙げられる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
【0072】
スポーク40には、上記の弾性材料のうち、成形、加工性及びコストの観点から、ポリウレタン樹脂が好ましく用いられる。なお、弾性材料としては、発泡材料を使用することもできる。すなわち、上記の熱可塑性エラストマー、架橋ゴム、その他の樹脂を発泡させたものを使用することができる。
【0073】
なお、スポーク40の母材として用いられる弾性材料は、補強繊維により補強されていてもよい。補強繊維としては、長繊維、短繊維、織布、不織布等が挙げられる。補強繊維の種類としては、レーヨンコード、ナイロン-6,6等のポリアミドコード、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルコード、アラミドコード、ガラス繊維コード、カーボンファイバー、スチールコード等が挙げられる。
【0074】
なお、弾性材料の補強は、補強繊維による補強に限らない。例えば、粒状フィラーの添加による補強が行われてもよい。添加される粒状フィラーとしては、カーボンブラック、シリカ、アルミナ等のセラミックス、その他の無機材料のフィラー等が挙げられる。
【0075】
ところで、上述した内側環状部20及び外側環状部30は、スポーク40と同じ樹脂材料で形成されると好ましく、その場合には、例えば注型成形法によって、内側環状部20、外側環状部30及びスポーク40を一体成形することができる。
【0076】
トレッド50は、外側環状部30の外周面に設けられている。
トレッド50は、非空気圧タイヤ1の最外周部分を構成する。トレッド50は、トレッドゴム51を含む。トレッドゴム51は、路面に接地する踏面51aを外周面に有する。トレッドゴム51のゴム材料としては、特にその種類に制限はなく、車両用タイヤのトレッドを構成するゴムとしての一般的な加硫ゴム等を使用することができる。トレッドゴム51の踏面51aには、従来の空気入りタイヤと同様にして、複数の溝及び陸部で形成されるトレッドパターンが設けられる。
なお、トレッドゴム51は、成分や特性が異なる複数のゴム層が積層された構成(例えば、2層あるいは3層)でもよい。また、トレッド50は、樹脂で形成されてもよい。
【0077】
なお、本実施形態の非空気圧タイヤ1は、さらに不図示の補強層を備えていてもよい。補強層は、外側環状部30に埋設されていてもよい。あるいは、補強層は、外側環状部30とトレッド50との間に設けられていてもよい。補強層は、タイヤ周方向Cに沿って延びる円筒状の層である。
【0078】
補強層は、外側環状部30がタイヤ幅方向Yの中央部でタイヤ径方向Xに撓む座屈の発生を抑制するために、タイヤ全周にわたって均等に配置される。補強層は、例えば、スチール製のコードがタイヤ幅方向Yと概ね平行になるように配置されて構成される。補強層として、円筒状の金属製リング、高モジュラス樹脂製リング等が用いられてもよい。例えば、補強層として、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の繊維強化プラスチック(FRP)製リングが用いられてもよい。
補強層が設けられることにより、非空気圧タイヤ1の剛性が確保され、路面に対するトレッド50の接地性が向上する。
【実施例0079】
図1~
図3と同様の構成を備えたFEMによる解析モデルのスポークに縦荷重を与えたときの応力分布を調べたところ、圧縮変形する内側R部(第1の内側R部411Rまたは第2の内側R部421R)の応力値が最も高いことが判明した。なお、縦荷重は、路面に接地する部分におけるスポークが、上方から下方に向けて略長さ方向に沿った方向に受ける荷重である。そこで、解析モデルを用いて、スポークの内側R部に応力がかかって圧縮する際の応力値と、スポークの縦剛性とをシミュレーションにより測定した。表1に、解析モデルである試験例1~11の内側R部の曲率半径r及びスポーク40の直線部の長さLと、r/Lを示す。また、測定結果を表1に併記するとともに、
図4に示すようにグラフ化した。なお、試験例1~11のそれぞれにおいては、内側R部及び外側R部は同じ曲率半径とした。また、試験例1~11のスポークのタイヤ断面高さH、板厚t及び板幅wは共通とした。
【0080】
なお、内側R部に生じる応力値は、圧縮による応力集中の度合いを示し、耐久性の面から低いほど好ましい。したがって表1の「応力値/目標応力値」は、低いほど好ましい。また、縦剛性は、路面に接地する部分におけるスポークが、上方から下方に向けて略長さ方向に沿った縦荷重を受けたときの剛性の度合いを示し、乗り心地の面から低いほど好ましい。したがって表1の「縦剛性/目標縦剛性」は、低いほど好ましい。
【0081】
【0082】
表1及び
図4によれば、r/Lが0.17を上回る試験例3~11は、内側R部の応力値が目標値を下回り、内側R部への応力集中が低減する。一方、縦剛性はr/Lが0.23を超えると目標値を上回り、乗り心地の低下が懸念される。
図4で明らかなように、r/Lが0.192以上0.207以下の範囲では、この範囲の下側及び上側よりも応力値が部分的に一旦低下する傾向にあり、r/Lがこの範囲にあると、応力値及び縦剛性の双方を低い値で両立させることができる。
【0083】
図5は、試験例6の解析モデルの第2のスポーク42であって、左側が縦荷重を受ける前の第2のスポーク42を示し、右側が縦荷重を受けている状態の第2のスポーク42を示している。
図6は、試験例1の解析モデルの第2のスポーク42であって、左側が縦荷重を受ける前の第2のスポーク42を示し、右側が縦荷重を受けている状態の第2のスポーク42を示している。
【0084】
図6に示す試験例1では、
図5に示す試験例6と比べて第2の内側R部421Rの応力値が高い。これは、第2の内側R部421Rの圧縮変形の領域の一部と、第2の直線部420の略S字状になる変形の領域の一部とが重なるため、第2の内側R部421Rに応力が集中しやすく、その結果として第2の内側R部421Rの応力値が高くなることが推測される。これに対し、試験例6は、r/Lが規定値内であるため、第2のスポーク42の変形が第2の内側R部421Rまで到達せず、第2の内側R部421Rの圧縮変形の度合いが低くなって応力値も低くなることが推測される。
【0085】
実施例の結果より、上記実施形態においては、r/Lが0.17以上0.24以下であるため、縦剛性が確保されつつ、第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rにかかる応力集中が低減する。これにより、タイヤの耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0086】
本実施形態の非空気圧タイヤ1によれば、以下の効果を奏する。
【0087】
(1)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1は、内側環状部20と、内側環状部20の外周側に当該内側環状部20と同軸に配置される外側環状部30と、内側環状部20と外側環状部30とを連結し、タイヤ周方向Cに沿って配列される複数のスポーク40としての第1のスポーク41及び第2のスポーク42と、外側環状部30の外周面に設けられるトレッド50と、を備え、スポーク40は、タイヤ軸方向に対して傾斜して延びる直線部としての第1の直線部410または第2の直線部420と、直線部と内側環状部20とを接続する内側接続部としての第1の内側接続部411または第2の内側接続部421と、直線部と外側環状部とを接続する外側接続部としての第1の外側接続部412または第2の外側接続部422と、を有し、内側接続部は、直線部と内側環状部20とがなす角度が鋭角となる側の第1の内側移行部411bまたは第1の内側移行部421bと、直線部と内側環状部20とがなす角度が鈍角となる側の第2の内側移行部411aまたは第2の内側移行部421aと、を有し、第1の内側移行部411b及び第1の内側移行部421bのそれぞれは、内側環状部20に対して円弧状に連なる第1の内側R部411R及び第2の内側R部421Rを含み、第1の内側R部411R及び第2の内側R部421Rのそれぞれ曲率半径をr、第1の直線部410及び第2の直線部420のそれぞれの長さをLとした場合、r/Lが0.17以上0.24以下である。
【0088】
これにより、第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rにかかる応力集中を低減して、タイヤの耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0089】
(2)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1において、第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rのそれぞれの曲率半径rは、7.3mm以上9.0mm以下であることが好ましい。
【0090】
これにより、r/Lを0.17以上0.24以下に設定しやすい。このため、第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rにかかる応力集中を低減して、タイヤの耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0091】
(3)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1において、第1のスポーク41の第1の直線部410及び第2のスポーク42の第2の直線部420のそれぞれの長さLは、39.4mm以上41.2mm以下であることが好ましい。
【0092】
これにより、r/Lを0.17以上0.24以下に設定しやすい。このため、第1のスポーク41の第1の内側R部411R及び第2のスポーク42の第2の内側R部421Rにかかる応力集中を低減して、タイヤの耐久性の向上を効果的に図ることができる。
【0093】
(4)本実施形態に係る非空気圧タイヤ1において、スポーク40は、第1の直線部410がタイヤ軸方向の一方側へ傾斜する第1のスポーク41と、第2の直線部420が第1のスポーク41とは反対側に傾斜する第2のスポーク42と、を含み、第1のスポーク41と第2のスポーク42とが、タイヤ周方向Cに交互に配置されていることが好ましい。
【0094】
これにより、第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、タイヤ周方向Cに沿った方向から見た場合に略X字状に配置される。第1のスポーク41及び第2のスポーク42は、それぞれがタイヤ軸方向に傾斜しているため過度に剛性が高くなることが抑えられ、乗り心地の向上が図られる。
【0095】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲で変形、改良などを行っても、本発明の範囲に含まれる。
例えば、実施形態のスポーク40は、タイヤ周方向Cに沿う方向から見て略X字状に交差する第1のスポーク41及び第2のスポーク42を含むが、スポーク40はこれに限らず、タイヤ径方向Xに真っ直ぐ延びる板状の部分で構成されてよい。