(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079471
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】無線電力伝送システム、送電機および無線電力伝送方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/20 20160101AFI20230601BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H02J50/20
H02J7/00 301D
H02J7/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192960
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池田 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】谷 博之
(72)【発明者】
【氏名】五閑 学
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA04
5G503BB01
5G503CA08
5G503CC02
5G503DA17
5G503DA19
5G503GB09
5G503GD04
(57)【要約】
【課題】人体防護指針を満足するための送電電力の制御を容易にしつつ、システム構成を簡易にする。
【解決手段】本無線電力伝送システムは、電磁波3を送信することにより、受電機21に電力を送電する送電機1を備える。送電機1は、電磁波3を放出する送電アンテナ11と、送電アンテナ11のアンテナ特性に基づいて、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する送電回路12とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁波により電力を送電する無線電力伝送システムであって、
前記電磁波を送信することにより、受電機に電力を送電する送電機を備え、
前記送電機は、
前記電磁波を放出する送電アンテナと、
前記送電アンテナのアンテナ特性に基づいて、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御する送電回路とを備える、無線電力伝送システム。
【請求項2】
前記送電機は、定常状態にある、前記送電アンテナの前記アンテナ特性と、現在の前記送電アンテナの前記アンテナ特性とを比較して、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御する、請求項1に記載の無線電力伝送システム。
【請求項3】
前記送電機は、所定時間変化しない状態にある、前記送電アンテナの前記アンテナ特性を、前記定常状態にある、前記送電アンテナの前記アンテナ特性として設定する、請求項2に記載の無線電力伝送システム。
【請求項4】
前記電磁波を受信することにより、電力を受電する前記受電機をさらに備える、請求項1~3のいずれか1項に記載の無線電力伝送システム。
【請求項5】
前記受電機は、前記送電機から受電した電力を充電する充電池を備えるとともに、前記充電池の電力量を前記送電機に送信し、
前記送電回路は、受信した前記充電池の電力量に応じて、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御する、請求項4に記載の無線電力伝送システム。
【請求項6】
電磁波により電力を送電する無線電力送電システムに用いられる送電機であって、
当該送電機は、前記電磁波を送信することにより、受電機に電力を送電し、
当該送電機は、
前記電磁波を放出する送電アンテナと、
前記送電アンテナのアンテナ特性に基づいて、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御する送電回路とを備える、無線電力伝送システム。
【請求項7】
電磁波により電力を送電する無線電力送電方法であって、
前記電磁波を送信することにより、受電機に電力を送電する送電機が、
前記電磁波を放出するステップと、
前記送電アンテナのアンテナ特性に基づいて、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御するステップとを備える、無線電力伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線電力伝送システム、送電機および無線電力伝送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、センサや電子機器などの情報端末に通信機能を備え、相互に情報交換を可能とするIoT(Internet of Things)化が進んでいる。例えば、室内に多数の情報端末を設置して、室内の様々な情報を収集することが求められている。
【0003】
ここで、室内に設けられた各情報端末に電力を供給する方法として、マイクロ波により電力を送電する方法が検討されている。しかし、人体が近接するような場所にマイクロ波を放出するような送電機を設置した場合、電波防護指針の基準値を満たさないようなマイクロ波を人体が浴びる可能性がある。このような事態を防止するために、特許文献1では、熱撮像カメラを用いて人体の検出を行うことにより、電力波(マイクロ波)の出力を制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、情報端末に電力を供給するために、送電気および受電機の他にも、熱撮像カメラが必要となり、無線電力送電システムの構成が複雑となる。また、熱撮像カメラの見通しを遮る物理的障害が存在する場合、人体防護指針を満足するための電力波(送電電力)の制御が困難となる。
【0006】
そこで、本開示は、人体防護指針を満足するための送電電力の制御を容易にしつつ、システム構成を簡易にした無線電力伝送システム、送電機および無線電力伝送方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本開示の一実施形態に係る無線電力伝送システムは、電磁波により電力を送電する無線電力伝送システムであって、前記電磁波を送信することにより、受電機に電力を送電する送電機を備え、前記送電機は、前記電磁波を放出する送電アンテナと、前記送電アンテナのアンテナ特性に基づいて、前記送電アンテナが放出する前記電磁波の強さを制御する送電回路とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によると、人体防護指針を満足するための送電電力の制御を容易にしつつ、システム構成を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る無線電力伝送システムの概念図。
【
図2】第1実施形態に係る無線電力伝送システムのブロック図。
【
図3】第1実施形態に係る無線電力伝送システムの動作を示すフローチャート。
【
図4】第2実施形態に係る無線電力伝送システムの概念図。
【
図5】第2実施形態に係る無線電力伝送システムのブロック図。
【
図6】第2実施形態に係る無線電力伝送システムの動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0011】
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る無線電力伝送システムの概念図であり、
図2は第1実施形態に係る無線電力伝送システムのブロック図である。
図2に示すように、本無線電力伝送システムは、送電機1と、電子機器2とを備える。
【0012】
(送電機について)
送電機1は、電磁波3を外部に放出することにより、電子機器2の蓄電池22を充電(蓄電)する。具体的に、送電機1は、送電アンテナ11と、送電回路12と、アンテナ特性検出部13とを備える。
【0013】
送電アンテナ11は、送電回路12から入力される電力を基に、電磁波3を外部に放出(出力)するアンテナである。電磁波3は、例えば、900MHz帯、2.45GHz帯、5.8GHz帯などのマイクロ波である。送電アンテナ11が放出する電磁波3は、マイクロ波であれば、どのような周波数帯でもよく、電力を送電する距離、送電機1のサイズに応じて選択可能である。
【0014】
また、送電アンテナ11は、自己を中心として電磁波3が放射されるように構成されている。送電アンテナ11が自己を中心として電磁波3が放射されるように構成されていれば、送電アンテナ11はどのようなものであってもよい。例えば、送電アンテナ11は、指向性のないアンテナ(例えば、棒状アンテナなど)であってもよいし、指向性があるアンテナ(例えば、パラボラアンテナなど)であってもよい。
【0015】
送電回路12は、図略の電力源(例えば、商用電源)と接続されており、送電アンテナ11に、電磁波3を放出するための電力を供給する電気回路である。送電回路12は、アンテナ特性検出部13の検出結果に従って、送電アンテナ11に供給する電力を制御する。これにより、送電アンテナ11から放出される電磁波3の強さが変化する。
【0016】
アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11の反射係数や共振周波数などのアンテナ特性の変化を検出する、例えば、電気回路などである。具体的には、アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11が送信した電磁波3と、送電アンテナ11が受信した電磁波3とに基づいて、送電アンテナ11のインピーダンスを測定する。アンテナ特性検出部13は、測定したインピーダンスから送電アンテナ11のアンテナ特性(反射係数や共振周波数など)を求める。
【0017】
送電アンテナ11は、電磁波3を放出(送信)するとともに、送電機1の周囲の物体(
図1では、人体4や机5など)に反射された電磁波3を受信する。ここで、送電機1に誘電体である人体4が近づいてくると、送電アンテナ11のアンテナ特性が変化する。このアンテナ特性の変化をアンテナ特性検出部13が検出した場合、送電回路12は、送電アンテナ11の出力を制御する。具体的には、送電回路12は、送電アンテナ11が出力する電磁波3の強さを弱くする。
【0018】
また、アンテナ特性検出部13は、定常状態(所定時間変化しない状態)にある、送電アンテナ11のアンテナ特性を基準値として、送電アンテナ11のアンテナ特性の変化を検出する。例えば、
図1に示すように、送電機1は机5の上に置かれることがある。机5を含む、送電機1の周囲に存在する物体は、人体4を除き、一般的に自動的に移動することはない。このため、人体4が送電機1の周囲に存在しない場合、送電アンテナ11のアンテナ特性が変化しない。したがって、アンテナ特性検出部13は、定常状態にある、送電アンテナ11のアンテナ特性を基準値として用いる。
【0019】
(電子機器について)
電子機器2は、例えば、各種のセンサ、ウェアラブル端末、ビーコンタグなど、低電力で稼働可能な電子機器である。
図2に示すように、電子機器2は、受電機21と蓄電池22とを備える。
【0020】
受電機21は、送電アンテナ11から送信された電磁波3を受け、蓄電池22に電力を蓄電する(蓄電池22を充電する)。受電機21は、受信アンテナ211と、受電回路212とを備える。
【0021】
受信アンテナ211は、送電アンテナ11から送信された電磁波3を受けるためのアンテナである。受信アンテナ211は、受信した電磁波3を高周波電力に変換する。受信アンテナ211は、電磁波3を受信して、電磁波3を高周波電力に変換できれば、どのようなアンテナであってもよい。
【0022】
受電回路212は、受信アンテナ211が変換した高周波電力を、直流電力に変換する整流回路である。受電回路212は、図略のコンデンサを備えており、このコンデンサに変換した直流電力を供給し、電力を蓄電する。
【0023】
電子機器2は、受電回路212のコンデンサに蓄電された電力により駆動する。このため、電子機器2は、商用電源や他の電子機器などから電力供給を受けずに、駆動することができる。なお、電子機器2に、蓄電池を備え、受電回路212が変換した直流電力を蓄電池に蓄電してもよい。この場合、電子機器2は、蓄電池の電力を使用して駆動する。
【0024】
(無線電力伝送システムの動作について)
図3は第1実施形態に係る無線電力伝送システムの動作を示すフローチャートである。具体的には、
図3は送電機1の動作を示している。
【0025】
送電機1のアンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11のアンテナ特性の基準値を算出する(ステップS1)。具体的には、アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11が送信した電磁波3と、送電アンテナ11が受信した電磁波3とに基づいて、送電アンテナ11のアンテナ特性(共振周波数やインピーダンスなど)を求める。そして、アンテナ特性検出部13は、定常状態(所定時間変化しない状態)にある、送電アンテナ11のアンテナ特性を、送電アンテナ11のアンテナ特性の基準値に設定する。なお、ステップS1は、送電機1の設置時に行われてもよいし、所定時間経過ごとに実行されてもよい。
【0026】
アンテナ特性検出部13は、現在の送電アンテナ11のアンテナ特性を算出する(ステップS2)。
【0027】
アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11のアンテナ特性と、現在の送電アンテナ11のアンテナ特性とを比較して、送電アンテナ11のアンテナ特性の変化が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS3)。
【0028】
アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11のアンテナ特性の変化が所定値未満である場合(ステップS3のNo)、人体4が送電機1の周囲に存在しないと判定する。この場合、送電回路12は、送電アンテナ11が出力する電磁波3の強さを維持する(ステップS4)。
【0029】
一方、アンテナ特性検出部13は、送電アンテナ11のアンテナ特性の変化が所定値以上である場合(ステップS3のYes)、人体4が送電機1の周囲に存在すると判定する。この場合、送電回路12は、送電アンテナ11が出力する電磁波3の強さを制御、すなわち、弱くする(ステップS5)。
【0030】
以上に説明したように、第1実施形態に係る無線電力伝送システムは、電磁波3を送信することにより、受電機21に電力を送電する送電機1を備える。送電機1は、電磁波3を放出する送電アンテナ11と、送電アンテナ11のアンテナ特性に基づいて、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する送電回路12とを備える。上述したように、送電アンテナ11のアンテナ特性は、誘導体である人体4が送電機1に近づくことにより変化する。すなわち、送電アンテナ11のアンテナ特性が変化したか否かによって、人体4が送電機1の周囲に存在するか否かを判定することができる。よって、送電アンテナ11のアンテナ特性に基づいて、電磁波3の強さを制御することにより、人体防護指針を満足することが可能となる。また、送電アンテナ11のアンテナ特性を用いて、人体4が送電機1の周囲に存在するか否かを判定することができるため、人体4が送電機1の周囲に存在するか否かを判定するための装置を設ける必要がなくなり、無線電力伝送システムの構成を簡易化することができる。したがって、上記構成により、人体防護指針を満足するための送電電力の制御を容易にしつつ、システム構成を簡易にすることができる。
【0031】
また、アンテナ特性検出部13(送電機)は、定常状態(所定時間変化しない状態)にある、送電アンテナ11のアンテナ特性と、現在の送電アンテナ11のアンテナ特性とを比較して、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する。上述したように、机5を含む、送電機1の周囲に存在する物体は、人体4を除き、一般的に自動的に移動することはない。このため、定常状態にある、送電アンテナ11のアンテナ特性を基準値とすることにより、送電機1の周囲の環境の影響を排除しつつ、人体4のみを検出することが可能となる。
【0032】
(第2実施形態)
図4は第2実施形態に係る無線電力伝送システムの概念図である。
図4に示すように、第2実施形態係る無線電力伝送システムは、一般的な住宅やオフィスなどの部屋6に設けられる。部屋6の壁面は、木や石膏、コンクリート、金属などの、電磁波3をある程度反射する材質で構成されている。これにより、部屋6の内部のエネルギー密度を高めることができる。
【0033】
図5は第2実施形態に係る無線電力伝送システムのブロック図である。
図5に示すように、第2実施形態では、送電機1に蓄電量受信部14が備えられており、電子機器2に、蓄電池22、センサ部23および蓄電量検出部24が備えられている。
【0034】
センサ部23は、例えば、部屋6内における、温湿度や気圧、照度、空気質、ガス濃度などを検出するセンサである。センサ部23は、検出結果を図略の通信手段(無線通信など)を介して、外部装置に送信する。センサ部23から送信された検出結果は、例えば、外部装置が、部屋6内の状態を分析するために用いられる。すなわち、第2実施形態に係る電子機器2は、部屋6内の各種の情報を取得するためのセンサとして機能する。
【0035】
また、センサ部23は、蓄電池22に蓄電(充電)された電力を用いて駆動する。
【0036】
蓄電量検出部24は、蓄電池22に蓄電されている電力量を検出することができる。蓄電量検出部24は、図略の通信手段(無線通信など)を介して、検出した蓄電池22の電力量を、送電機1に送信する。
【0037】
蓄電量受信部14は、蓄電量検出部24から送信された蓄電池22の電力量を受信する。送電回路12は、蓄電量受信部14が受信した蓄電池22の電力量に応じて、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する。具体的には、送電回路12は、受信した蓄電池22の電力量が多い(充電池の電力量が所定値以上である)場合には、電磁波3の強さを弱くする。一方、送電回路12は、蓄電池22の電力量が少ない(充電池の電力量が所定値未満である)場合には、電磁波3の強さを維持する。
【0038】
(無線電力伝送システムの動作について)
図6は第2実施形態に係る無線電力伝送システムの動作を示すフローチャートである。具体的には、
図6は送電機1の動作を示している。
図6では、ステップS3の後に、ステップS11,S12が実行される。
【0039】
アンテナ特性検出部13が、送電アンテナ11のアンテナ特性の変化が所定値未満であり、人体4が送電機1の周囲に存在しないと判定した後(ステップS3のNo)、蓄電量受信部14が、蓄電量検出部24から送信された蓄電池22の電力量を受信したとする(ステップS11)。この場合、送電回路12は、蓄電量受信部14が受信した蓄電池22の電力量が所定値以上であるか否かを判定する(ステップS12)。
【0040】
具体的には、送電回路12は、受信した蓄電池22の電力量が所定値以下である場合(ステップS12のYes)、電磁波3の強さ(出力)を維持する(ステップS4)。すなわち、送電回路12は、送電アンテナ11に供給する電力量を変化させない。一方、送電回路12は、充電池の電力量が所定値未満である場合(ステップS12のNo)、電磁波3の強さ(出力)を制御、すなわち弱くする(ステップS5)。すなわち、送電回路12は、送電アンテナ11に供給する電力量を減少させる。
【0041】
以上に説明したように、受電機21は、送電機1から受電した電力を充電する蓄電池22を備える。受電機21の蓄電量検出部24は、蓄電池22の電力量を送電機1に送信する。送電回路12は、受信した蓄電池22の電力量に応じて、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する。これにより、送電回路12が、蓄電池22の電力量に応じて、電磁波3の強さを制御するため、電磁波3の送信による電力消費量を抑えることができる。
【0042】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。
【0043】
なお、上記各実施形態において、送電回路12は、送電アンテナ11のアンテナ特性の基準値と、現在の送電アンテナ11のアンテナ特性とを比較して、変化量に応じて、送電アンテナ11が出力する電磁波3の強さを決定してもよい。例えば、送電回路12は、前記変化量が大きい場合には、電磁波3の強さをより制御(弱く)する一方、前記変化量が小さい場合には、電磁波3の強さをわずかに制御(弱く)する、としてもよい。
【0044】
また、上記各実施形態において、送電回路12は、電磁波3の強さを制御(弱く)した後、現在の送電アンテナ11のアンテナ特性が送電アンテナ11のアンテナ特性の基準値に戻った場合、電磁波3の強さを元の強さに戻してもよい。
【0045】
また、第2実施形態において、ステップS11は、ステップS3の前に行われていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本開示の無線電力伝送システムは、アンテナ特性に応じて、送電機から放出される電磁波の強さが制御されるため、電波防護指針を満足することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 送電機
11 送電アンテナ
12 送電回路
13 アンテナ特性検出部
14 蓄電量受信部
2 電子機器
21 送電機
211 受信アンテナ
212 受電回路
22 蓄電池
23 センサ部
24 蓄電量検知部
3 電磁波
4 人体
5 机
6 部屋
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
ここで、室内に設けられた各情報端末に電力を供給する方法として、マイクロ波により電力を送電する方法が検討されている。しかし、人体が近接するような場所にマイクロ波を放出するような送電機を設置した場合、電波防護指針の基準値を超えてマイクロ波を人体が浴びる可能性がある。このような事態を防止するために、特許文献1では、熱撮像カメラを用いて人体の検出を行うことにより、電力波(マイクロ波)の出力を制御している。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0040】
具体的には、送電回路12は、受信した蓄電池22の電力量が所定値未満である場合(ステップS12のNo)、電磁波3の強さ(出力)を維持する(ステップS4)。すなわち、送電回路12は、送電アンテナ11に供給する電力量を変化させない。一方、送電回路12は、充電池の電力量が所定値以上である場合(ステップS12のYes)、電磁波3の強さ(出力)を制御、すなわち弱くする(ステップS5)。すなわち、送電回路12は、送電アンテナ11に供給する電力量を減少させる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
以上に説明したように、受電機21は、送電機1から受電した電力を充電する蓄電池22を備える。電子機器2の蓄電量検出部24は、蓄電池22の電力量を送電機1に送信する。送電回路12は、受信した蓄電池22の電力量に応じて、送電アンテナ11が放出する電磁波3の強さを制御する。これにより、送電回路12が、蓄電池22の電力量に応じて、電磁波3の強さを制御するため、電磁波3の送信による電力消費量を抑えることができる。