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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079472
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】高周波焼入システム
(51)【国際特許分類】
   C21D 1/10 20060101AFI20230601BHJP
   C21D 1/667 20060101ALI20230601BHJP
   C21D 1/18 20060101ALI20230601BHJP
   C21D 1/60 20060101ALN20230601BHJP
【FI】
C21D1/10 J
C21D1/667
C21D1/18 U
C21D1/18 K
C21D1/60 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192962
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】390026088
【氏名又は名称】富士電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 弘子
(72)【発明者】
【氏名】中井 靖文
(72)【発明者】
【氏名】小林 貞則
(57)【要約】
【課題】本開示は、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液の発生を抑制することができる。
【解決手段】本開示に係る高周波焼入システムは、冷却水タンクを有する高周波焼入装置と、本体タンクと、濃縮液タンクとを有する減圧濃縮装置とを備え、ワークに焼入れ処理を行う際、冷却水タンクの濃度が所定の濃度より低い場合、冷却水タンクの冷却水の一部を本体タンクに供給し、供給された冷却水を本体タンクで減圧して所定の濃度になるように濃縮し、濃縮された冷却水を本体タンクから濃縮液タンクに供給し、冷却水タンクの冷却水が所定の濃度になるように、濃縮液タンクから冷却水タンクに濃縮された冷却水を供給して、冷却水タンクの冷却水の濃度を高くする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波焼入装置と減圧濃縮装置とを備えた高周波焼入システムであって、
高周波焼入装置は、水に水溶性焼入剤を添加した冷却水を貯留する冷却水タンクと、加熱コイルと、冷却ジャケットとを有し、
高周波焼入装置は、ワークを加熱コイルと対向する位置に配置し、加熱コイルでワークを加熱し、加熱されたワークと冷却ジャケットから噴射された冷却水とを接触させてワークを冷却して、ワークに焼入れ処理を行い、冷却ジャケットから噴射された冷却水を冷却水タンクに戻すことが可能であって、
減圧濃縮装置は、高周波焼入装置から供給された冷却水を、減圧して所定の濃度になるように濃縮する本体タンクと、本体タンクで濃縮された冷却水が供給される濃縮液タンクとを有し、
ワークに焼入れ処理を行う際、冷却水タンクの濃度が所定の濃度より低い場合、濃縮液タンクから冷却水タンクに濃縮された冷却水を供給して、冷却水タンクの冷却水の濃度を高くすることを特徴とする高周波焼入システム。
【請求項2】
冷却水タンクの冷却水の一部を本体タンクに供給し、供給された一部の冷却水を本体タンクで減圧して所定の濃度になるように濃縮し、濃縮された冷却水を本体タンクから濃縮液タンクに供給し、本体タンクから濃縮液タンクに供給された濃縮された冷却液を濃縮液タンクから冷却水タンクに供給する動作を含むことを特徴とする請求項1に記載の高周波焼入システム。
【請求項3】
濃縮液タンクから冷却水タンクに濃縮された冷却水を供給し、冷却水タンクの冷却水の濃度を高くした後、ワークに焼入れ処理を行う動作を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の高周波焼入システム。
【請求項4】
減圧濃縮装置は、さらに、本体タンクで高周波焼入装置から供給された冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮する際、本体タンクの冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として貯留する蒸留水タンクを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高周波焼入システム。
【請求項5】
高周波焼入装置と減圧濃縮装置とを備えた高周波焼入システムであって、
高周波焼入装置は、水に水溶性焼入剤を添加した冷却水を貯留する冷却水タンクと、加熱コイルと、冷却ジャケットとを有し、
高周波焼入装置は、ワークを加熱コイルと対向する位置に配置し、加熱コイルでワークを加熱し、加熱されたワークと冷却ジャケットから噴射された冷却水とを接触させてワークを冷却して、ワークに焼入れ処理を行い、冷却ジャケットから噴射された冷却水を冷却水タンクに戻すことが可能であって、
減圧濃縮装置は、高周波焼入装置から供給された冷却水を、減圧して所定の濃度になるように濃縮する本体タンクと、本体タンクで冷却水を濃縮する際、冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として貯留する蒸留水タンクとを有し、
ワークに焼入れ処理を行う際、冷却水タンクの濃度が所定の濃度より高い場合、蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給して、冷却水タンクの冷却水の濃度を低くすることを特徴とする高周波焼入システム。
【請求項6】
冷却水タンクの冷却水の一部を本体タンクに供給し、本体タンクで供給された一部の冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮すると共に、供給された一部の冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として蒸留水タンクに貯留し、蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給する動作を含むことを特徴とする請求項5に記載の高周波焼入システム。
【請求項7】
蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給し、冷却水タンクの冷却水の濃度を低くした後、ワークに焼入れ処理を行う動作を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の高周波焼入システム。
【請求項8】
減圧濃縮装置は、さらに、本体タンクで冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮する際、本体タンクの冷却水を蒸留水として蒸発させると共に、本体タンクの冷却水を濃縮し、濃縮された冷却水が本体タンクから供給される濃縮液タンクを有することを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の高周波焼入システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、各種機械部品・自動部品等の鋼機械部品、鍛造品を、水溶性焼入剤を用いて焼入れする高周波焼入システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、焼入れ時のワークの歪みを防止するために、鍛造品等を焼入れするときは、溶媒の水に、溶質である水溶性焼入剤(水溶性有機溶質)を5~10%加えた溶液である冷却水を、液温を常温下に保って、ワークに噴射することが知られている。
しかし、水溶性焼入剤が添加された冷却水を使用しても、品質、性能が良好な場合においても焼割れの発生する場合がある。
その原因は、(1)高温状態の金属に水が接触すると水の蒸発時に急激に大量の蒸発潜熱が奪われて急冷しすぎるためである。(2)また、金属表面の水のある部分は泡、蒸気などと場所ごとに状態が異なるために烈しい熱ムラが発生するためである。(3)また、鍛造品は特に、内部に大きなストレスが溜っており、複雑な熱ムラに伴って一層亀裂が生じやすくなっているためである。
特許文献1は、冷却水全体に対する水溶性焼入剤の濃度(以後、単に、冷却水の濃度と言う)を15%~20%とすることで、ワークの焼割れまたは亀裂の発生を防止している。
【0003】
図8は、従来技術の高周波焼入装置10の概略構成図である。図8を用いて、従来技術の高周波焼入装置10について説明する。
高周波焼入装置10は、本体容器11と、冷却水タンク12とを備えている。本体容器11は、冷却ジャケット14と、加熱コイル15と、上部に開口部19とを有する。冷却水タンク12と冷却ジャケット14とは、連通管13で接続されている。本体容器11の下部には、冷却水が溜まっている。加熱コイル15は、本体容器11の内部に配置され、ワーク16の表面より外側で、冷却ジャケット14より内側に配置されている。
配管である経路1(25)は、本体容器11の下部と冷却水タンク12の上部とを連通している。経路1(25)上には、本体容器11の下部に近い側から、第1のポンプ51、第1の仕切弁41の順番で、第1のポンプ51と、第1の仕切弁41とが配置されている。
冷却水タンク12には、冷却水の濃度を計測する濃度センサー20が配置され、冷却水の濃度が表示装置21で表示される。
【0004】
従来技術の高周波焼入装置10の主な動作について説明する。
まず、ワーク16が本体容器11に挿入され、冷却ジャケット14に対向する位置で停止される。
次に、高周波誘導加熱方式により、加熱コイル15でワーク16が加熱される。
次に、ワーク16が所定の温度に加熱されると、加熱コイル15の電力の供給が停止される。第2の仕切弁42が開かれ、冷却水タンク12から冷却ジャケット14に冷却水が供給され、冷却ジャケット14から冷却水がワーク16に噴射される。そして、冷却水がワーク16に噴射されると、ワーク16は冷却される。
冷却水がワーク16に噴射されている時、第1の仕切弁41が開かれ、第1のポンプ51が駆動され、経路1(25)を介して、冷却ジャケット14から噴射された冷却水が冷却水タンク12に戻される。
ワーク16の焼入れが完了すると、ワーク16が本体容器11から取り出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開昭62-170415号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
試作品などのワーク16の焼入れは、試作品によって、冷却水の濃度が異なる。
従来技術の高周波焼入装置10において、冷却水の濃度が違う冷却水を用いて、複数のワーク16を連続して高周波焼入れを行う場合、以下の課題を有する。
【0007】
(冷却水の濃度を高くする場合)
例えば、1回目のワーク16の焼入れは、冷却水の濃度が10%で行い、2回目のワーク16の焼入れは、冷却水の濃度が15%で行う場合を考える。
その場合、2回目のワーク16の焼入れは、冷却水タンク12の冷却水の濃度を10%から15%に高くする必要がある。冷却水タンク12において、冷却水は、通常、常に満タン状態である。
【0008】
冷却水の濃度を10%から15%に高くするには、冷却水タンク12から10%の濃度の冷却水の一部を取り出し、冷却水の濃度が15%となるように、水溶性焼入剤の原液を加える。取り出された10%の濃度の冷却水は、廃液として処理される。廃液処理には、手間とコストがかかるという課題を有していた。
【0009】
(冷却水の濃度を低くする場合)
例えば、1回目のワーク16の焼入れは、冷却水の濃度が10%で行い、2回目のワーク16の焼入れは、冷却水の濃度が5%で行う場合を考える。
その場合、2回目のワーク16の焼入れは、冷却水タンク12の冷却水の濃度を10%から5%に低くする必要がある。冷却水タンク12において、冷却水は、通常、常に満タン状態である。
【0010】
従って、冷却水の濃度を10%から5%に低くするには、冷却水タンク12から10%の濃度の冷却水の一部を取り出し、冷却水の濃度が5%となるように、水を加える。取り出された10%の濃度の冷却水は、廃液として処理される。廃液処理には、手間とコストがかかるという課題を有していた。
【0011】
以上、従来技術の高周波焼入装置10において、冷却水の濃度が違う冷却水を用いて、複数のワーク16を連続して高周波焼入れを行う場合、廃液が発生し、そのため手間とコストがかかるという問題を有していた。
本開示は、上記課題に鑑み、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う高周波焼入システムにおいて、廃液の発生が抑制された高周波焼入システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の一態様に係る高周波焼入システムは、高周波焼入装置と減圧濃縮装置とを備えた高周波焼入システムであって、高周波焼入装置は、水に水溶性焼入剤を添加した冷却水を貯留する冷却水タンクと、加熱コイルと、冷却ジャケットとを有し、高周波焼入装置は、ワークを加熱コイルと対向する位置に配置し、加熱コイルでワークを加熱し、加熱されたワークと冷却ジャケットから噴射された冷却水とを接触させてワークを冷却して、ワークに焼入れ処理を行い、冷却ジャケットから噴射された冷却水を冷却水タンクに戻すことが可能であって、減圧濃縮装置は、高周波焼入装置から供給された冷却水を、減圧して所定の濃度になるように濃縮する本体タンクと、本体タンクで濃縮された冷却水が供給される濃縮液タンクとを有し、ワークに焼入れ処理を行う際、冷却水タンクの濃度が所定の濃度より低い場合、濃縮液タンクから冷却水タンクに濃縮された冷却水を供給して、冷却水タンクの冷却水の濃度を高くするものである。
上記態様によれば、減圧濃縮装置を用いて、100℃未満の低い温度(例えば、60℃以下)で、冷却水の水を蒸発させて冷却水を濃縮するので、水溶性焼入剤が変質せず、長期に渡って冷却水を使用できる。また、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0013】
好ましい態様は、冷却水タンクの冷却水の一部を本体タンクに供給し、供給された一部の冷却水を本体タンクで減圧して所定の濃度になるように濃縮し、濃縮された冷却水を本体タンクから濃縮液タンクに供給し、本体タンクから濃縮液タンクに供給された濃縮された冷却水を濃縮液タンクから冷却水タンクに供給する動作を含む高周波焼入システムである。
上記態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0014】
さらに好ましい態様は、濃縮液タンクから冷却水タンクに濃縮された冷却水を供給し、冷却水タンクの冷却水の濃度を高くした後、ワークに焼入れ処理を行う動作を含む高周波焼入システムである。
上記態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0015】
さらに好ましい態様は、減圧濃縮装置は、さらに、本体タンクで高周波焼入装置から供給された冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮する際、本体タンクの冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として貯留する蒸留水タンクを有する高周波焼入システムである。
上記態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、蒸留水タンクの水を利用できるので、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0016】
本開示の一態様に係る別の高周波焼入システムは、高周波焼入装置と減圧濃縮装置とを備えた高周波焼入システムであって、高周波焼入装置は、水に水溶性焼入剤を添加した冷却水を貯留する冷却水タンクと、加熱コイルと、冷却ジャケットとを有し、高周波焼入装置は、ワークを加熱コイルと対向する位置に配置し、加熱コイルでワークを加熱し、加熱されたワークと冷却ジャケットから噴射された冷却水とを接触させてワークを冷却して、ワークに焼入れ処理を行い、冷却ジャケットから噴射された冷却水を冷却水タンクに戻すことが可能であって、減圧濃縮装置は、高周波焼入装置から供給された冷却水を、減圧して所定の濃度になるように濃縮する本体タンクと、本体タンクで冷却水を濃縮する際、冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として貯留する蒸留水タンクとを有し、ワークに焼入れ処理を行う際、冷却水タンクの濃度が所定の濃度より高い場合、蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給して、冷却水タンクの冷却水の濃度を低くするものである。
上記態様によれば、減圧濃縮装置を用いて、100℃未満の低い温度(例えば、60℃以下)で、冷却水の水を蒸発させて冷却水を濃縮するので、水溶性焼入剤が変質せず、長期に渡って濃縮された冷却水を保存できる。また、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0017】
好ましい態様は、冷却水タンクの冷却水の一部を本体タンクに供給し、本体タンクで供給された一部の冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮すると共に、供給された一部の冷却水を蒸留水として蒸発させ、蒸発させた蒸留水を水として蒸留水タンクに貯留し、蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給する動作を含む高周波焼入システムである。
上記態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0018】
さらに好ましい態様は、蒸留水タンクから冷却水タンクに水を供給し、冷却水タンクの冷却水の濃度を低くした後、ワークに焼入れ処理を行う動作を含む高周波焼入システムである。
上記態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、蒸留水タンクの水を利用するので、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0019】
さらに好ましい態様は、減圧濃縮装置は、さらに、本体タンクで冷却水を減圧して所定の濃度になるように濃縮する際、本体タンクの冷却水を蒸留水として蒸発させると共に、本体タンクの冷却水を濃縮し、濃縮された冷却水が本体タンクから供給される濃縮液タンクを有する高周波焼入システムである。
上記態様によれば、濃縮液タンクで濃縮された冷却水を保存できる。
【発明の効果】
【0020】
本開示の一態様によれば、高周波焼入システムにおいて、複数のワークを連続して焼入れ処理を行う際、廃液の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一態様である実施形態1における高周波焼入システムの概略の構成図である。
図2】本開示の一態様である実施形態1において、冷却水の濃度を高くする高周波焼入システムの概略の動作を示すフローチャートである。
図3】本開示の一態様である実施形態1において、冷却水の濃度を低くする高周波焼入システムの概略の動作を示すフローチャートである。
図4】本開示の別の態様である実施形態2における高周波焼入システムの概略の構成図である。
図5】実施形態2において、ワークが移動した場合の高周波焼入システムの概略の構成図である。
図6】本開示の別の態様である実施形態3における高周波焼入システムの概略の構成図である。
図7】本開示の別の態様である実施形態4における高周波焼入システムの概略の構成図である。
図8】従来技術の高周波焼入装置の概略の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本開示のより具体的な実施形態を説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者らは、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。以下の説明において、同一または類似する構成要素については、同じ参照符号を付している。
【0023】
(実施形態1)
以下、本開示の一態様を示す高周波焼入システム1について図面を用いて説明する。
【0024】
図1は、本開示の一態様を示す高周波焼入システム1の概略の構成図である。
図1に示す様に、高周波焼入システム1は、高周波焼入装置10と減圧濃縮装置30とを備える。
高周波焼入装置10は、ワーク16に焼入れを行う装置で、本体容器11と、冷却水タンク12とを有する。本体容器11は、冷却ジャケット14と、加熱コイル15と、上部に開口部19とを有する。冷却水タンク12と冷却ジャケット14とは、連通管13で接続され、連通管13には、仕切弁42が配置されている。冷却水タンク12の冷却水は、通常、常に満タン状態である。
本体容器11の下部は、冷却水が溜まっている。加熱コイル15は、本体容器11の内部に配置され、ワーク16の表面より外側で、冷却ジャケット14より内側に配置されている。
【0025】
配管である経路1(25)は、本体容器11の下部と冷却水タンク12の上部とを連通している。経路1(25)上には、本体容器11の下部に近い側から、第1のポンプ51、第1の仕切弁41の順番で、第1のポンプ51と、第1の仕切弁41とが配置されている。
配管である経路2(26)は、冷却水タンク12の下部と、後述する減圧濃縮装置30本体タンク31の上部とを連通している。経路2(26)上には、冷却水タンク12の下部に近い側から、第2のポンプ52、第3の仕切弁43の順番で、第2のポンプ52と、第3の仕切弁43とが配置されている。
冷却水タンク12には、冷却水の濃度を計測する濃度センサー20が配置され、冷却水の濃度が表示装置21で表示される。
【0026】
ここで、冷却水について説明する。冷却水は溶液であり、冷却水の溶媒は水である。冷却水の溶質である水溶性焼入剤は、ポリアルキレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール等の水溶性有機溶質である。
冷却水の濃度は、例えば、1%~30%で、好ましくは、5%~20%である。冷却水の温度は、例えば、20℃~40℃で、好ましくは、29℃~35℃である。
【0027】
減圧濃縮装置30は、本体タンク31と、濃縮液タンク32と、蒸留水タンク33とを有する。減圧濃縮装置30は、本体タンク31を減圧し、本体タンク31に貯蔵する溶液である冷却水を100℃未満の温度で沸騰させ、冷却水を濃縮液と蒸留水とに分離するものである。減圧濃縮装置30は、減圧蒸留濃縮装置、又はエバポレータとも呼ばれる。
濃縮液タンク32は、分離して濃度が高くなった冷却水(濃縮液)を貯留しておくものである。蒸留水タンク33は、分離した蒸留水が供給され、水として貯留しておくものである。
【0028】
本体タンク31と濃縮液タンク32とは、配管の経路3(27)で連結されている。
経路3(27)上には、本体タンク31の下部に近い側から、第3のポンプ53、第4の仕切弁44の順番で、第3のポンプ53と、第4の仕切弁44とが配置されている。
濃縮液タンク32と冷却水タンク12とは、配管の経路4(28)で連結されている。
経路4(28)上には、濃縮液タンク32の下部に近い側から、第4のポンプ54、第5の仕切弁45の順番で、第4のポンプ54と、第5の仕切弁45とが配置されている。
蒸留水タンク33と冷却水タンク12とは、配管の経路5(29)で連結されている。
経路5(29)上には、蒸留水タンク33の下部に近い側から、第5のポンプ55、第6の仕切弁46の順番で、第5のポンプ55と、第6の仕切弁46とが配置されている。
【0029】
図2は、高周波焼入システム1の概略の動作を示すフローチャートである。図2を用いて、高周波焼入システム1の主な動作について、説明する。
1回目の焼入れ動作については、図8の従来技術と同様であるので、説明を省略する。
1回目の焼入れ動作の完了時は、冷却水タンク12には、ほぼ満タンの冷却水が貯留している。そして、第2の仕切弁42、第1の仕切弁41、第3の仕切弁43は、閉じている。
【0030】
2回目の焼入れ動作について説明する。
【0031】
(冷却水の濃度を高くする場合)
1回目の焼入れ動作の冷却水の濃度が、例えば、10%の冷却水を使用し、2回目の焼入れ動作の冷却水の濃度が、例えば、15%の冷却水を使用する場合を考える。
2回目の焼入れ動作で使用する冷却水の濃度は、1回目の焼入れ動作の冷却水の濃度より高いので、1回目の焼入れ動作終了後、1回目の冷却水タンク12の冷却水の濃度を高める必要がある。
【0032】
図2のS101において、高周波焼入装置10の冷却水タンク12から減圧濃縮措置30の本体タンク31に、冷却水タンク12の冷却水の一部(所定量)を移動する。つまり、冷却水タンク12の冷却水を減らす。
具体的には、第3の仕切弁43を開き、第2のポンプ52を駆動し、冷却水タンク12から本体タンク31に、経路2(26)を介して、所定量の冷却水を移動する。所定量の冷却水の移動が終わったら、第3の仕切弁43を閉め、第2のポンプ52の駆動を停止する。
【0033】
S102において、本体タンク31に供給された冷却水を所定の濃度になるように、冷却水を濃縮する。具体的には、本体タンク31の圧力を減圧し、100℃未満の低い温度で、冷却水の水を蒸発させて、冷却水を所定の濃度に濃縮する。蒸発させた水蒸気は、蒸留水タンク33に供給され、水として貯蔵される。
【0034】
S103において、所定の濃度に濃縮された冷却水を本体タンク31から濃縮液タンク32に供給する。具体的には、第4の仕切弁44を開き、第3のポンプ53を駆動し、本体タンク31から濃縮液タンク32に、経路3(27)を介して、濃縮された冷却水を供給する。濃縮された冷却水の供給が終わったら、第4の仕切弁44を閉め、第3のポンプ53の駆動を停止する。ここで、所定の濃度に濃縮された冷却水を冷却水1と呼ぶ。尚、濃縮液タンク32の濃縮された冷却水を別のタンクに移動させて、保存してもよい。
【0035】
S104において、所定の濃度に濃縮された冷却水(冷却水1)を濃縮液タンク32から冷却水タンク12に供給し、冷却水タンク12の冷却水が、所定の濃度(ここでは、15%。この冷却水を冷却水2と呼ぶ。)になるように、冷却水1を供給する。冷却水1の濃度は、冷却水2の濃度より高くなるように濃縮している。
具体的には、第5の仕切弁45を開き、第4のポンプ54を駆動させ、濃縮液タンク32から冷却水タンク12に、経路4(28)を介して、冷却水1を供給する。供給が完了すると、第5の仕切弁45を閉じ、第4のポンプ54の駆動を停止させる。
【0036】
S105において、高周波誘導加熱方式により、加熱コイル15でワーク16が加熱される。
【0037】
S106において、第2の仕切弁42を開いて、冷却水タンク12から冷却ジャケット14に冷却水を供給する。
【0038】
S107において、冷却ジャケット14から冷却水を噴射させ、加熱されたワーク16と冷却ジャケット14から噴射された冷却水とを接触させてワーク16を冷却して、ワーク16は焼入れされる。
【0039】
S108において、噴射された冷却水を冷却水タンク12に戻す。具体的には、冷却ジャケット14から冷却水が噴射されると、第1の仕切弁41を開き、第1のポンプ51を駆動させ、本体容器11から冷却水タンク12に冷却水を戻す。焼入れが完了するまで、この循環を継続する。
【0040】
焼入れが完了したら、第1の仕切弁41、第2の仕切弁42を閉じ、第1のポンプ51の駆動を停止させて、一連の動作を終了させる。
【0041】
上記態様によれば、減圧濃縮装置30を用いて、100℃未満の低い温度で、冷却水の水を蒸発させて冷却水を濃縮するので、水溶性焼入剤が変質せず、長期に渡って冷却水を使用できる。また、高周波焼入システム1において、複数のワーク16を連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。
【0042】
(冷却水の濃度を低くする場合)
1回目の焼入れ動作の冷却水の濃度が、例えば、10%の冷却水を使用し、2回目の焼入れ動作の冷却水の濃度が、例えば、5%の冷却水を使用する場合を考える。
2回目の焼入れ動作で使用する冷却水の濃度は、1回目の焼入れ動作の冷却水の濃度より低いので、1回目の焼入れ動作終了後、1回目の冷却水タンク12の冷却水の濃度を低くする必要がある。
1回目の焼入れ動作の完了時は、冷却水タンク12には、ほぼ満タンの冷却水が貯留している。そして、第2の仕切弁42、第1の仕切弁41、第3の仕切弁43は、閉じている。
【0043】
図3は、冷却水の濃度を低くする高周波焼入システム1の概略の動作を示すフローチャートである。図3を用いて、高周波焼入システム1の概略の動作について説明する。
【0044】
図3のS201において、冷却水タンク12の冷却水を所定の濃度(ここでは、10%から5%)になるように、冷却水タンク12から本体タンク31に、冷却水タンク12の冷却水の一部(所定量)を移動させる。つまり、冷却水タンク12の冷却水を減らす。
【0045】
S202において、本体タンク31の冷却水を所定の濃度になるように冷却水を濃縮し、蒸留水を水として、蒸留水タンク33に貯留する。具体的には、本体タンク31の圧力を減圧し、100℃未満の低い温度で、冷却水の水を蒸発させて、冷却水を濃縮する。蒸発した水蒸気は、蒸留水タンク33に供給され、水として貯蔵される。
【0046】
S203において、所定の濃度に濃縮された冷却水を本体タンク31から濃縮液タンク32に供給し、濃縮された冷却水を貯留する。具体的には、第4の仕切弁44を開けて、第3のポンプ53を駆動させ、本体タンク31から濃縮液タンク32に、濃縮された冷却水を供給する。冷却水の供給が終わると、第4の仕切弁44を閉じて、第3のポンプ53の駆動を停止させる。尚、濃縮液タンク32の濃縮された冷却水を別のタンクに移動させて、保存してもよい。
【0047】
S204において、冷却水タンク12の冷却水の濃度が、所定の濃度(ここでは、表示装置21の表示が5%)になるように、蒸留水タンク33から冷却水タンク12に水を供給し、冷却水を薄める。具体的には、第6の仕切弁46を開いて、第5のポンプ55を駆動し、蒸留水タンク33から冷却水タンク12に水を供給する。水を供給が終わると、第6の仕切弁46を閉じて、第5のポンプ55の駆動を停止させる。
【0048】
S205において、高周波誘導加熱方式により、加熱コイル15でワーク16が加熱される。
【0049】
S206において、第2の仕切弁42を開いて、冷却水タンク12から冷却ジャケット14に冷却水を供給する。
【0050】
S207において、冷却ジャケット14から冷却水を噴射させ、加熱されたワーク16と冷却ジャケット14から噴射された冷却水とを接触させてワーク16を冷却して、ワーク16は焼入れされる。
【0051】
S208において、本体容器11で噴射された冷却水を冷却水タンク12に戻す。具体的には、冷却ジャケット14から冷却水が噴射されると、第1の仕切弁41を開き、第1のポンプ51を駆動させ、本体容器11から冷却水タンク12に冷却水を戻す。焼入れが完了するまで、この循環を継続する。
【0052】
焼入れが完了したら、第1の仕切弁41、第2の仕切弁42を閉じ、第1のポンプ51の駆動を停止させて終了である。
【0053】
上記態様によれば、減圧濃縮装置30を用いて、100℃未満の低い温度で、冷却水の水を蒸発させて冷却水を濃縮するので、水溶性焼入剤が変質せず、長期に渡って濃縮された冷却水を保存できる。また、高周波焼入システム1において、複数のワーク16を連続して焼入れ処理を行う際、廃液が出ず、廃液の発生を抑制することができる。

(実施形態2)
【0054】
以下、本開示の別の態様を示す高周波焼入システム1である実施形態2について、図面を用いて説明する。
図4は、実施形態2における高周波焼入システムの概略の構成図である。冷却水は、本体容器11の下部に、ワーク16の高さ以上に貯留している(図5参照)。
実施形態2は、本体容器11の下部に貯留している冷却水の中に、ワーク16の全体が浸漬する点が、実施形態1と異なる。
【0055】
実施形態1の図2のS101からS104までと、図3のS201からS204までとは、同じ動作である。
高周波誘導加熱方式により、加熱コイル15でワーク16が加熱される工程(S105とS205)以降の工程について、説明する。
【0056】
図4に示す様に、加熱コイル15でワーク16を加熱する。ワーク16が加熱されると、ワーク16は所定の温度に達する。ワーク16が所定の温度で、所定の時間経過すると、ワーク16の加熱を停止する。
そして、図5に示す様に、本体容器11の下部に貯留している冷却水の中に、ワーク16全体を浸漬する。ワーク16全体を浸漬することで、ワーク16を冷却し、ワーク16に焼入れ処理を行う。貯留している冷却水の温度は、ワーク16により上昇するので、冷却ジャケット14により冷却水を噴射し、貯留している冷却水の温度を低下させる。最後に、実施形態1と同様に、冷却ジャケット14により噴射された冷却水を冷却水タンク12に戻す。
上記態様によれば、熱容量の大きいワーク16を冷却することができる。

(実施形態3)
【0057】
以下、本開示の別の態様を示す高周波焼入システム1である実施形態3について、図面を用いて説明する。
実施形態3は、ワーク16は内部が空洞になっている円筒形状で、ワーク16の内部から加熱し冷却する点が、実施形態1と異なる。
【0058】
図6は、実施形態3における高周波焼入システム1の概略の構成図である。図6において、ワーク16は、内部が空洞になっている円筒形状である。
加熱コイル15が、ワーク16の内部に配置され、加熱コイル15の内部に、冷却ジャケット14が配置されている。
加熱コイル15により、ワーク16の内部からワーク16を加熱する。ワーク16が加熱されると、ワーク16は所定の温度に達する。ワーク16が所定の温度で、所定の時間経過すると、ワーク16の加熱を停止する。
そして、冷却ジャケット14により、ワーク16の内部から冷却水を噴射し、ワーク16を冷却し、ワーク16に焼入れ処理を行う。
他の動作は、実施形態1と同様である。
上記態様によれば、円筒形状のワーク16の内部の焼入れ処理を行うことができる。

(実施形態4)
【0059】
以下、本開示の別の態様を示す高周波焼入システム1である実施形態4について、図面を用いて説明する。
実施形態4は、本体容器11の替りに、噴射された冷却水を、高さの低い受け皿60、又は床に落下させ、落下させた冷却水を冷却水タンク12に戻す点が、実施形態1と異なる。
【0060】
図7は、実施形態4における高周波焼入システム1の概略の構成図である。図7に示す様に、高さの低い受け皿60、又は床で、冷却ジャケット14からの冷却水を受ける。そして、高さの低い受け皿60、又は床から冷却水タンク12に冷却水を戻す。
他の動作は、実施形態1と同様である。
上記態様によれば、ワーク16に大量の冷却水を噴射するので、冷却能力の高い焼入れ処理を行うことができる。
【0061】
尚、図2において、冷却水タンク12から本体タンク31に冷却水を移動させて(S101)、本体タンク31で冷却水を濃縮し(S102)、濃縮された冷却水を濃縮液タンク32から冷却水タンク12に供給した(S103)。しかし、焼入れ処理を行う前、つまり、図2のスタート前に、工程S101からS103の工程を行い、予め、濃縮液タンク32に濃縮された冷却水を残しておき、S101からS103の工程を経ないで、濃縮液タンク32から冷却水タンク12に、濃縮された冷却水を直接、供給してもよい。
【0062】
尚、図3において、冷却水タンク12から本体タンク31に冷却水を移動させて(S201)、本体タンク31で冷却水を濃縮し(S202)、濃縮された冷却水を濃縮液タンク32から冷却水タンク12に供給し(S203)、蒸留水タンク33から冷却水タンク12に水を供給した(S204)。しかし、焼入れ処理を行う前、つまり、図3のスタート前に、工程S201からS203の工程を行い、予め、蒸留水タンク33に水を残しておき、S201からS203の工程を経ないで、蒸留水タンク33から冷却水タンク12に、水を直接、供給してもよい。
【0063】
尚、図3のS202及びS203において、S202の工程を行った後、S203の工程を実施したが、S202及びS203を並行して実施してもよい。
【0064】
尚、実施形態1~4において、ワーク16の全体を加熱コイル15で加熱し、冷却水を接触させ、ワーク16を冷却したが、ワーク16を移動させながら、加熱コイル15でワーク16を部分的に加熱し、部分的に加熱された個所と冷却水とを接触させて、部分的に加熱された個所を冷却してもよい。
【0065】
尚、実施形態1~4に係る発明は、矛盾が生じない限り、置き換えたり、組合せたりすることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 高周波焼入システム
10 高周波焼入装置
11 本体容器
12 冷却水タンク
14 冷却ジャケット
15 加熱コイル
16 ワーク
20 濃度センサー
21 表示装置
30 減圧濃縮装置
31 本体タンク
32 濃縮液タンク
33 蒸留水タンク
41 第1の仕切弁
42 第2の仕切弁
43 第3の仕切弁
44 第4の仕切弁
45 第5の仕切弁
46 第6の仕切弁
51 第1のポンプ
52 第2のポンプ
53 第3のポンプ
54 第4のポンプ
55 第5のポンプ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8