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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079474
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】フィルタ取付具
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/10 20060101AFI20230601BHJP
   F24F 13/28 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
F24F7/10 101D
F24F13/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192964
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(72)【発明者】
【氏名】足立 将司
(72)【発明者】
【氏名】山岸 拓人
(57)【要約】
【課題】換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なタイプのフィルタ全般の取り付け作業に利用可能な、かつその作業を容易に行うことが可能な、フィルタ取付具を提供すること。
【解決手段】上面に換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なフィルタを載せることが可能な保持面11を有し、その下面に連結部12を有する、ヘッド10と、ヘッド10の連結部12にジョイント30を介して連結される柄20とを備える、フィルタ取付具1を構成する。保持面11に粘着加工が施された面が上側になるようにしてフィルタを載せ、柄20を握ってヘッド10を操作し、フィルタを載せた保持面11を換気扇や吸排気口に押し付ける。フィルタを高所にある換気扇や吸排気口に取り付けることが容易に可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その上面に換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なフィルタを載せることが可能な保持面を有し、その下面に柄を連結可能な連結部を有する、ヘッドを少なくとも備え、
前記保持面に前記フィルタを載せ、前記連結部に前記柄を連結した状態で、前記柄を握って前記ヘッドを操作し、前記フィルタを載せた保持面を換気扇や吸排気口に押し付けることで、前記フィルタを換気扇や吸排気口に取り付けることが可能なフィルタ取付具。
【請求項2】
前記ヘッドの連結部に連結された柄をさらに備える、請求項1に記載のフィルタ取付具。
【請求項3】
前記ヘッドと前記柄とは着脱可能となっている、請求項2に記載のフィルタ取付具。
【請求項4】
前記ヘッドの保持面は、
前記フィルタを支持する周縁の平坦部と、
壁面から突出する前記換気扇や吸排気口に前記ヘッドを押し付けた際にその突出部分がはまり込む中央の凹部と、からなる請求項1から3のいずれかに記載のフィルタ取付具。
【請求項5】
前記ヘッドは、前記保持面の外縁から起立し、前記保持面に載せられたフィルタが横ずれするのを防止するストッパを有する、請求項1から4のいずれかに記載のフィルタ取付具。
【請求項6】
前記ヘッドは、前記ストッパの先端に外向きに屈曲して連設され、前記換気扇や吸排気口に取り付けられた前記フィルタに引っ掛けることが可能な爪を有する、請求項5に記載のフィルタ取付具。
【請求項7】
前記爪は、その外面に前記フィルタの繊維に絡まり合うことが可能な面ファスナ部を有する請求項6に記載のフィルタ取付具。
【請求項8】
前記ヘッドは、前記ストッパと前記爪の間にかけ渡される三角状のリブを有する請求項6または7に記載のフィルタ取付具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気扇や吸排気口にフィルタを取り付ける際に用いられるフィルタ取付具に関する。
【背景技術】
【0002】
部屋に備え付けられた換気扇や吸排気口が汚れないように、これらの表面にフィルタを貼り付け等の適宜手段で取り付けることがよく行われているが、そのような換気扇や吸排気口が部屋の天井などの高所に存在する場合には、取り付け作業がし難かった。
【0003】
すなわち、背の低い人にとっては、その高所に手を届かせることが容易でないし、椅子などを踏み台にして作業をおこなうのも危険が伴なった。
とくに高齢者などは、足場の不安定な状態で、フィルタを換気扇等に一定の力で押し付け、不足なく貼り付ける作業をおこなうのは困難だった。
【0004】
このため、特許文献1のように、枠体付きフィルタの取付具として、長尺の柄の先端に前記枠体に係合可能な掛け部を設け、この柄を握って操作することで、フィルタ掛け部に係合された枠体付きのフィルタを換気扇に接近させて取り付け作業をおこなうものも発案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003-343905号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、このようなフィルタ取付具では、枠体が付属するタイプのフィルタしか取り付けることができないため、汎用性に劣り、枠体が付属しないタイプのフィルタには利用することができない。特に近年は、換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能な、枠体が付属しないタイプのフィルタが多く用いられている。
また、フィルタの枠体と、天井などの高所に設置された換気扇の枠等とをはめ合わせる必要があり、それを床面上から柄を操作して遠隔的におこなうのは、作業に相応の困難を伴った。
【0007】
そこで本発明は、換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なタイプのフィルタ全般の取り付け作業に利用可能な、かつその作業を容易に行うことが可能な、フィルタ取付具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するため、発明にかかるフィルタ取付具を、その上面に換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なフィルタを載せることが可能な保持面を有し、その下面に柄を連結可能な連結部を有する、ヘッドを少なくとも備えるものとしたのである。
そして、ヘッドの保持面にフィルタを載せ、連結部に柄を連結した状態で、柄を握ってヘッドを操作し、フィルタを載せた保持面を換気扇や吸排気口に押し付けることで、フィルタを換気扇や吸排気口に取り付けることが可能な構成としたのである。
【0009】
このような構成にすると、ヘッドの保持面にフィルタを載せて保持する方式のため、枠体のないタイプのフィルタを、高所の換気扇や吸排気口に取り付けることが可能となる。
また、床面上から柄を操作するに当たっても、ヘッドの保持面を天井などに設置された換気扇や吸排気口に押し付けるだけでフィルタの取り付けが完了するため、フィルタの枠体と換気扇等とをはめ合わせる場合と異なり、作業が容易でもある。
【0010】
発明にかかるフィルタ取付具において、ヘッドの連結部に連結された柄をさらに備える構成を採用することができる。
【0011】
ここで、柄がヘッドの連結部に連結されているとは、別体の柄とヘッドとを連結する態様のみならず、予め柄とヘッドとが連結されている態様も含む。
また、柄とヘッドとが分離可能な態様のみならず、柄とヘッドとが一体成型などにより分離不能な態様も含まれるものとする。
なお、フィルタ取付具のヘッドは、単体で流通し各家庭等で既存の柄と連結することもできるし、柄とセットの状態で流通させることもできる。
【0012】
発明にかかるフィルタ取付具において、ヘッドと柄とは着脱可能となっている構成を採用することが好ましい。
【0013】
このように構成すると、家庭での保管時や店頭での陳列時などに、ヘッドと柄とを分離させて嵩張らないようにできる。また、ヘッドが傷んだ場合に、ヘッドのみを交換し、柄はそのまま再利用することが可能となる。
【0014】
発明にかかるフィルタ取付具において、ヘッドの保持面は、フィルタを支持する周縁の平坦部と、壁面から突出する換気扇や吸排気口にヘッドを押し付けた際にその突出部分がはまり込む中央の凹部と、からなる構成を採用することが好ましい。
【0015】
このように構成すると、壁面から突出するタイプの換気扇や吸排気口にも、ヘッドを密着させることが可能となり、フィルタを換気扇等から浮き上がることなく取り付けることができる。
フィルタは保持面の平坦部に支持されているため、壁面から突出しないタイプ(壁面と面一をなすタイプ)の換気扇や吸排気口にも、フィルタを取り付けることができる。
【0016】
発明にかかるフィルタ取付具において、ヘッドは、保持面の外縁から起立し、保持面に載せられたフィルタが横ずれするのを防止するストッパを有する構成を採用することが好ましい。
【0017】
フィルタは保持面に載せられているだけであるから、換気扇や吸排気口への取り付け作業中に横ずれしやすく、ヘッドから落下してしまうおそれがある。
このようにストッパを有する構成にすることで、横ずれしかけたフィルタがストッパに当たってずれ止めされるため、ヘッドからの落下が防止される。したがって、フィルタの取り付け作業が一層確実におこなわれる。
【0018】
発明にかかるフィルタ取付具において、ヘッドは、ストッパの先端に外向きに屈曲して連設され、換気扇や吸排気口に取り付けられたフィルタに引っ掛けることが可能な爪を有する構成を採用することが好ましい。
【0019】
換気扇や吸排気口が天井などの高所にある場合、フィルタの取付作業のみならず取り外し作業も困難になる。
このように爪を有する構成にすることで、床面上から柄を操作して、爪をフィルタに引っ掛けて剥がすことができる。したがって、フィルタの取り外し作業が容易におこなわれる。
【0020】
発明にかかるフィルタ取付具において、前記爪は、その外面に前記フィルタの繊維に絡まり合うことが可能な面ファスナ部を有する構成を採用することが好ましい。
【0021】
このように構成すると、面ファスナ部の作用で爪がフィルタに引っかかりやすくなるため、フィルタを換気扇や吸排気口から剥がしやすく、フィルタの取り外し作業が一層容易におこなわれる。
【0022】
発明にかかるフィルタ取付具において、前記ヘッドは、前記ストッパと前記爪の間に三角状のリブを有する構成を採用することが好ましい。
【0023】
このように構成すると、リブが爪を補強することで、爪をフィルタに引っ掛ける作業の際に、爪がストッパから折れたりして破損することが防止される。
また、ヘッドを一体成型した場合に、素材の収縮などに伴なって、成型後に爪が反ったり倒れたりする(ストッパに対する屈曲角度が意図したものと異なる角度へと変形する)現象が生じる恐れがあるが、リブの保形作用によりこのように爪が反ったり倒れたりすることが防止される。したがって、爪をフィルタの取り外し作業に適正な屈曲角度に維持することができる。
さらに、爪をフィルタに引っ掛けて剥がしていく際に、三角状のリブの斜辺がガイドとなって、フィルタの剥がれた箇所が下方に方向づけられるため、フィルタの取り外し作業をスムーズにおこなうことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明を以上のように構成したので、換気扇や吸排気口に押し付けることで取り付け可能なタイプのフィルタ全般の取り付け作業に利用可能な、そして、その作業を容易に行うことが可能な、フィルタ取付具が提供されることになった。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】実施形態のフィルタ取付具の分解斜視図
図2】ヘッドの(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図
図3】実施形態のフィルタ取付具のフィルタ取り付け作業を示す(a)は要部拡大斜視図、(b)は全体側面図
図4】実施形態のフィルタ取付具のフィルタ取り外し作業を示す斜視図
図5】実施形態のフィルタ取付具のフィルタ取り外し作業を示す要部拡大側面図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1および図2に示す実施形態のフィルタ取付具1は、図3のように、換気扇Vに押し付けることで取り付け可能なタイプのフィルタFの当該換気扇への取り付けの際に使用される。
実施形態のフィルタ取付具1の利用により、当該換気扇Vが天井などの高所に備え付けられている場合に、その取り付け作業が容易になる。
また、実施形態のフィルタ取付具1は、図4および図5のように、換気扇VからフィルタFを取り外す際にも使用され、これにより取り外し作業が容易になる。
【0027】
図1のように、実施形態のフィルタ取付具1は、ヘッド10と、柄20とからなり、ヘッド10と柄20とは、ジョイント30を介して連結されている。
【0028】
図1および図2のように、ヘッド10は、全体が平面視で略正方形をなしており、かつ扁平で概ね板状をなしている。
ヘッド10は、その上面の全体がフィルタFを載置することが可能な保持面11となっており、その下面にジョイント30を介して柄20と連結可能な連結部12が設けられている。
【0029】
保持面11の寸法は特に限定されないが、換気扇Vに取り付けるタイプのフィルタFの一般的な寸法に対応する寸法であることが好ましく、150~250mm四方であることが例示できる。
保持面11が250mmを上回ると、ヘッド10が大型化してしまい扱いづらくなり、150mmを下回ると、一般的な寸法のフィルタFを載せることが困難となる。
ここでは、フィルタFとして、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂繊維からなる不織布から構成され、片面に粘着加工が施されており、換気扇Vの表面に貼り付け可能なものを主に想定している。
【0030】
保持面11は、周縁の平坦部11aと、中央の凹部11bとからなる。
平坦部11aは、概ねフラットに形成されており、保持面11に載せられたフィルタFは、ここに支持されているようになっている。
平坦部11aの寸法は、フィルタFを支持可能な限りにおいて特に限定されないが、幅が5~10cmであることが例示できる。
また、凹部11bはヘッド10の下面に向けて正方形状に窪んでいる。平坦部11aとの境界は斜面になっており、窪みの底は平坦面となっている。
【0031】
ヘッド10を換気扇Vに近づけてその保持面11を押し付けた際に、換気扇Vの壁面からの突出分が凹部11bにはまり込むため、保持面11は換気扇Vにほぼ密着することになる。
したがって、保持面11に載せられたフィルタFがほぼ不足なく換気扇Vの表面に貼り付けられ、一部が換気扇Vから浮き上がる事態が防止される。
ここで凹部11bの窪みの深さは特に限定されないが、天井などの高所に設置された一般的な換気扇Vが、その壁面から突出する突出量に対応する深さとして、3~10mmが例示でき、4~7mmが好ましい。
凹部11bの深さが10mmを上回ると、これに伴なってヘッド10の厚みが増して大型化し扱いづらくなり、深さが3mmを下回ると、換気扇Vの突出分を吸収することができず、保持面11を換気扇Vに対して密着しがたくなる。
【0032】
図1および図2のように、保持面11の左右縁からは、それぞれ矩形のストッパ13が起立している。図示では、ストッパ13は、左右縁それぞれに沿って、3列に並列しており、各列のストッパ13がそれぞれ左右方向に対向している。
保持面11に載せられたフィルタFが取付作業中に横ずれしそうになると、ストッパ13に当たるため、当初の位置に維持され、フィルタFがヘッド10から落下する等の事態が防止される。
【0033】
ストッパ13の高さは特に限定されないが、一般的な換気扇Vの壁面からの突出量よりも同じであるか小さく、2~5mmであることが好ましい。
高さが5mmを上回ると、高すぎてフィルタFの取り付け作業の際に、換気扇Vの周囲の壁面とストッパ13が干渉し、保持面11を換気扇Vに十分に押し付けることができなくなってしまうおそれがあり、2mmを下回ると、低すぎてフィルタFが横ずれした際に乗り越えてしまい、フィルタFの位置を維持する機能が発揮できない恐れがある。
【0034】
図1および図2のように、左右縁のストッパ13のうち、一方縁の各ストッパ13には、爪14がそれぞれ連設されている。爪14はストッパ13の先端からほぼ垂直に屈曲し、保持面11上から外方へと延出している。
また、図示のように、ストッパ13と爪14の間には、三角形状のリブ15がかけ渡されていることで補強されている。
ここで、爪14の上面は小さな平坦面となっており、ここには雌雄のうちの雄の面ファスナが取り付けられることで、面ファスナ部14aが形成されている。
換気扇Vに取り付けられたフィルタFを取り外す際には、この爪14が用いられ、後述のように、フィルタFの縁から5mm程度幅で粘着加工が施されていない箇所(引っ掛け部)に、爪14を引っ掛けるなどして、引きはがす作業をおこなうことによる。
【0035】
図1および図2のように、ヘッド10の下面の中央部には連結部12が設けられている。連結部12の内部は、ヘッド10の上面にかけて貫通する円孔の貫通孔12aとなっており、その孔縁には円筒形のフランジ12bが設けられている。
【0036】
ヘッド10の材質は特に限定されず、合成樹脂製、金属製が例示できるが、軽量であり変形しにくくかつ破損しにくいものとして、ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体)などの硬質の合成樹脂製であることが例示できる。
またヘッド10の製造態様も特に限定されず、その本体と、ストッパ13,爪14等とを個別に作製した後に結合することもできるが、全体を一体成型することが製造が容易であるため好ましい。
一体成型する場合には、素材が収縮した場合でも、三角リブ15の存在により、爪14のストッパ13に対する屈曲角度が保持され、成型後に爪14が意図せぬ方向に反ったり倒れたりする事態が防止されるようになっている。
ヘッド10の表面性状は特に限定されないが、凹凸の微少なシボ加工が施されているなどしてもよい。シボ加工によりヘッドの保持面11からフィルタがよりずれ難くなる。
【0037】
図1のように、柄20は長尺の棒状物であり、ジョイント30を介してヘッド10の連結部12に連結される。
柄20は中空でも中実でもよく、その長さは特に限定されないが、これを握って操作する際に、ヘッド10が室内の天井に設置された換気扇に届く長さであることが好ましく、60~120cmであることが例示できる。
柄20の材質も特に限定されず、合成樹脂製、金属製、木製が例示できるが、軽量であり変形しにくくかつ破損しにくいものとして、ABSなどの硬質の合成樹脂製であることが例示できる。かかる柄20としては、既存の棒状物を転用可能である。
【0038】
図1のように、ジョイント30は上端部が閉塞された円筒形をしており、この上端部近傍の外周には、縦リブ31が周方向に並列して設けられている。
ジョイント30の上端部がヘッド10の連結部12に差し込まれ、ジョイント30の開口する下端部に柄20の上端部が差し込まれることで、ジョイント30を介してヘッド10と柄20が連結されている。
ここで、縦リブ31により、ヘッド10とジョイント30との嵌め合いの強度が調整されている。
ジョイント30の材質は特に限定されず、合成樹脂製が例示できるが、複数の径の柄20に対応可能な弾性変形するものとして、エラストマーなどの軟質の合成樹脂製であることが好ましい。
【0039】
実施形態のフィルタ取付具1の構成は以上のようであり、つぎにその使用方法について説明する。
【0040】
まず、フィルタFを換気扇Vに取り付ける際には、図3(a)のように、ヘッド10の保持面11を上に向けた状態で、ここにフィルタFをその粘着加工が施された面が上側になるように載せる。
そして、図3(b)のように、柄20を握って操作し、ヘッド10の向きを維持したままで、これを高く掲げて天井に設置された換気扇Vへと接近させ、フィルタFが載せられたその保持面11を換気扇Vに押し付ける。
【0041】
図示では換気扇Vが天井の壁面から若干突出しているが、保持面11の中央には凹部11bが設けられているため、その突出箇所がこの凹部11bにはまり込むまたは沿うことで、保持面11と換気扇Vの表面とが密着できるようになっている。なお、突出箇所が凹部11bよりも大きい場合にはその突出箇所がこの凹部11bにはまり込まなくても平坦部11aにより換気扇Vの表面へ密着させることができる。
保持面11を換気扇Vに押し付けると、フィルタFはその粘着加工が施された面の作用により、換気扇Vの表面へと貼り付く。
ここで、貼り付きが十分でない場合には、ヘッド10を少し傾けて、フィルタFが換気扇Vから浮き上がった箇所に押し当てるなどの、ヘッド10によるフィルタFの押し付け作業を補助的におこなう。
こうしたフィルタFの遠隔的な取り付け作業が完了すると、柄20を操作してヘッド10を下降させる。保持面11に新しいフィルタFを載せると、再びフィルタFの取り付け作業をすることが可能となる。
【0042】
また、フィルタFを換気扇Vから取り外す際には、柄20を握って操作し、ヘッド10を高く掲げて天井に設置されフィルタFが取り付けられた換気扇Vに接近させる。
そして、図4のように、フィルタFの周縁部から5mm程度の幅で粘着加工が施されていない箇所と換気扇Vの表面との間に、ヘッド10の爪14を差し込む。
【0043】
すると、図5(a)のように、三角リブ15の作用でフィルタFの周縁部はめくれ上がって下方へと案内され、この周縁部の繊維が爪14の面ファスナ部14aと絡まり合うことで、フィルタFは爪14に捕捉される。
そのまま図5(b)から(c)のようにヘッド10を移動させてゆくと、フィルタFは換気扇Vから引きはがされ、遠隔的な取り外し作業が完了する。
柄20を操作してヘッド10を下降させ、爪14からフィルタFを剥がすと、再びフィルタFの取り外し作業をすることが可能となる。
【0044】
作業が終了すると、ヘッド10の連結部12からジョイント30を抜き取り、柄20の先端からジョイント30を取り外して、フィルタ取付具1を分解し、嵩張らない状態にしたうえで保管等する。
【0045】
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものでない。
本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、その範囲内およびこれと均等の意味での、すべての修正と変更を含むものとする。
【0046】
たとえば、実施形態ではフィルタ取付具1の使用例として、換気扇VへのフィルタFの取り付けを挙げているが、これに限定されず、吸気口、排気口、通気口などを含む吸排気口全般へのフィルタFの取り付けに使用することもできる。
【0047】
また、実施形態ではフィルタFとして、片面に粘着加工が施されたフィルタFを例示しているが、換気扇等に押し付けることで取り付け可能な限りにおいて、フィルタの種類はこれに限定されない。たとえば、面ファスナの係合力や磁石の吸引力などを用いて取り付けるフィルタであってもよい。
また、実施形態ではフィルタFの周縁部から5mm程度の幅で粘着加工が施されていない箇所(引っ掛け部)を設けていたが、この幅は5mmに限定されるものではなく、1mm~10mmの範囲で、より好ましくは3mm~7mmの範囲で設定すればよい。また、粘着加工が施されていない箇所はフィルタFの周縁部の全周あるいは一部にあればよい。
また、粘着加工が施されていない箇所は無くてもよい。この場合、フィルタ取付具1の爪14に面ファスナ部14aを備えていれば、フィルタFを換気扇Vから取り外す際にはフィルタFの下からフィルタ取付具1の爪14の面ファスナ部14aを押し当てることでフィルタFの繊維と面ファスナ部14aの鉤部とが絡み合い、そしてフィルタ取付具1を下に引くことでフィルタFの繊維が面ファスナ部14aの鉤部とが絡み合った状態のままでフィルタFを取り外すこともできる。フィルタFに引っ掛け部が形成されている場合でも同様の取り外し方法を採用することもできる。
【0048】
実施形態では、ヘッド10の全体形状を平面視で正方形としているが、フィルタFを保持面11に載せて換気扇等に取り付け可能な限りにおいて形状はこれに限定されない。たとえば平面視で円形としたり矩形としたりすることもできる。
実施形態では、ヘッド10の上面全体を保持面11としているが、これに限定されず、ヘッド10の全体形状が平面視で円形であり、保持面11の形状が正方形であるというように、ヘッド10の上面の一部を保持面11としてもよい。
また、保持面11の形状も実施形態の正方形に限定されず、換気扇Vが円形であり、これに円形のフィルタFを取り付ける場合などは、これに合わせて円形の保持面とすることもできる。
保持面11の凹部11bの形状も実施形態の正方形に限定されず、上記のように換気扇Vが円形であり、これに円形のフィルタFを取り付ける場合などは、これに合わせて平面視で円形の窪みとすることもできる。
換気扇等が壁面から突出していないタイプの場合には、保持面11の凹部11bを省略し、全体を平坦部11aとすることもできる。
【0049】
実施形態では、ヘッド10のストッパ13を左右三列としているが、これに限定されず、数を減らして、二列としたり、単列としたりすることもでき、数を増やして、四列以上としたりすることもできる。また、保持面11の側面全面に幅広のストッパ13を設けることもできる。
また実施形態では、ヘッド10の左右縁の両側にストッパ13を設けているが、片側のみとすることもできる。
ストッパ13の形状も実施形態に限定されず、ヘッド10の左右縁に沿って長く連続するものであってもよい。また、半円形や三角形に突出するものであってもよい。
保持面11の摩擦係数が高いなどして、そのフィルタFの保持力が十分な場合には、ストッパ13は省略することもできる。
【0050】
実施形態では、ヘッド10の左右縁の片側のストッパ13のみに爪14を連設しているが、両側のストッパ13に爪14を連設することもできる。また、3列のストッパ13のうち、一部のストッパ13のみに爪14を連設することもできる。
実施形態では、爪14をストッパ13に連設させているが、たとえば、ヘッド10の左右縁に沿って、爪14とストッパ13とが交互に並列するなど、ストッパ13とは異なる箇所に爪14を設けることもできる。
実施形態では、爪14のストッパ13に対する屈曲角度を約90度としているが、屈曲角度はこれに限定されない。
また、使用するフィルタ自身の性状や換気扇等の表面性状により、フィルタFが換気扇Vから剥がれやすい場合には、爪14を省略することもできるし、材質などにより爪14を補強等する必要がない場合には、三角リブ15を省略することもできる。
【0051】
実施形態では、爪14に面ファスナ部14aを付属させているが、爪14自体のフィルタFを引きはがす力ないし捕捉する力が十分な場合には、面ファスナ部14aを省略することもできる。
実施形態では、面ファスナ部14aとして、市販の雄の面ファスナを用いているが、これに限定されず、これと同等にフィルタに絡みつく作用を有するものも、ここに言う面ファスナ部に含まれるものとする。
実施形態では、爪14の上面に面ファスナ部14aを設けているが、面ファスナ部14aの位置や範囲はこれに限定されず、爪14の全周に設けたり、爪14の先端に設けたりすることもできる。
【0052】
実施形態では、ヘッド10と柄20とをジョイント30を介して連結しているが、直接連結することもできる。
また、ヘッド10と柄20との連結態様および連結部12の構成は実施形態に限定されず、たとえばヒンジで連結したり、ねじ止め接着等の適宜手段で固定することもできる。ヘッド10と柄20とは、一体成型することもできる。
柄20の形状も実施形態に限定されず、ハンドル状のものであったりしてもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 実施形態のフィルタ取付具
10 ヘッド
11 保持面
11a 平坦部
11b 凹部
12 連結部
12a 貫通孔
12b フランジ
13 ストッパ
14 爪
14a 面ファスナ部
15 三角リブ
20 柄
30 ジョイント
31 縦リブ
F フィルタ
V 換気扇
図1
図2
図3
図4
図5