(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079492
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】硬表面用洗浄剤組成物、抗菌/抗ウイルス処理方法
(51)【国際特許分類】
C11D 1/62 20060101AFI20230601BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20230601BHJP
C11D 3/48 20060101ALI20230601BHJP
C11D 1/835 20060101ALI20230601BHJP
A01P 1/00 20060101ALI20230601BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230601BHJP
A01N 33/12 20060101ALI20230601BHJP
B08B 3/04 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
C11D1/62
C11D3/37
C11D3/48
C11D1/835
A01P1/00
A01P3/00
A01N33/12 101
B08B3/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021192990
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】安藤 博明
【テーマコード(参考)】
3B201
4H003
4H011
【Fターム(参考)】
3B201AA31
3B201AA46
3B201AB52
3B201BA08
3B201BB21
3B201BB92
3B201CC01
4H003AC08
4H003AE05
4H003BA12
4H003BA21
4H003DA01
4H003DA05
4H003DA12
4H003DA17
4H003DB02
4H003DC02
4H003EB04
4H003EB08
4H003EB16
4H003EB28
4H003EB30
4H003EB37
4H003ED02
4H003ED28
4H003FA04
4H003FA17
4H003FA18
4H003FA28
4H003FA34
4H011AA01
4H011AA03
4H011AA04
4H011BB04
4H011BC03
4H011BC19
4H011DH02
(57)【要約】
【課題】処理対象となる面の全体に簡便に抗菌/抗ウイルス機能を付与することができるとともに、水洗後も機能を維持することができる硬表面用洗浄剤組成物、および硬表面用洗浄剤組成物を用いた抗菌/抗ウイルス処理方法を提供する。
【解決手段】(A)成分:炭素数10~18のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤と、(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、(C)成分:水溶性共重合体と、を含有し、前記(C)成分が、(C-1)第3級アミンの構造を有するビニル単量体とアニオン性ビニル単量体からなる共重合体、(C-2)第4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体とスルホン酸の構造を有するビニル単量体を含む共重合体、および(C-3)トリシラノール基を含有するベタイン系共重合体から選ばれる少なくとも1種である、硬表面用洗浄剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)成分:炭素数10~18のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤と、
(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
(C)成分:水溶性共重合体と、
を含有し、
前記(C)成分が、(C-1)第3級アミンの構造を有するビニル単量体とアニオン性ビニル単量体からなる共重合体、(C-2)第4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体とスルホン酸の構造を有するビニル単量体を含む共重合体、および(C-3)トリシラノール基を含有するベタイン系共重合体から選ばれる少なくとも1種である、硬表面用洗浄剤組成物。
【請求項2】
前記(A)成分の含有量が全組成物中の0.05~2.0質量%であり、
(A)/(B)比が質量比で0.5~50であり、
(A)/(C)比が質量比で2.0~100である、請求項1に記載の硬表面用洗浄剤組成物。
【請求項3】
請求項1または2に記載の硬表面用洗浄剤組成物を用いて、対象面に、前記硬表面用洗浄剤組成物からなる泡を滞留させて抗菌/抗ウイルス処理を行う、抗菌/抗ウイルス処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬表面用洗浄剤組成物、抗菌/抗ウイルス処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的な背景から、トイレに対する衛生意識が高まっており、簡単な掃除で菌やウイルス等の目に見えない汚れに対する不安から解放されることが求められている。そのためには、トイレ内の手やブラシが届かない部分も日頃の掃除で処理できることが重要である。
しかしながら、従来の洗剤では、簡便な処理によって、トイレ内の手やブラシが届かない部分も含めて、持続的に抗菌または抗ウイルス効果が得られなかった。
【0003】
例えば、トイレ等の硬質表面に付着した汚れを除去するために用いられる硬表面用洗浄剤組成物としては、例えば、(a)ベタイン基を有する特定の構成単位(a1)、及びカチオン基を有する特定の構成単位(a2)を含み、構成単位(a1)と構成単位(a2)のモル比である構成単位(a1)/構成単位(a2)が30/70以上99.9/0.1以下である共重合体、(b)カチオン界面活性剤、および(c)キレート剤を含有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、硬表面用洗浄剤組成物としては、例えば、成分(A)のカチオン系界面活性剤と、成分(B)のHLBが12~14であるポリオキシエチレンアルキルエーテル型のノニオン系界面活性剤とを含有するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-199769号公報
【特許文献2】特開2018-95718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の硬表面用洗浄剤組成物は、除菌性能の持続を可能としているが、起泡性および泡滞留性が得られず、手やブラシが届かない部分において、十分な抗菌/抗ウイルス機能が得られないという課題があった。また、特許文献2の硬表面用洗浄剤組成物は、トイレのフチ裏等の手の届かないところに対する掃除を行う際の水洗行動が想定されておらず、水洗後に機能を維持できず、十分な抗菌/抗ウイルス機能が得られないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、処理対象となる面の全体に簡便に抗菌/抗ウイルス機能を付与することができるとともに、水洗後も機能を維持することができる硬表面用洗浄剤組成物、および硬表面用洗浄剤組成物を用いた抗菌/抗ウイルス処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1](A)成分:炭素数10~18のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤と、
(B)成分:ノニオン性界面活性剤と、
(C)成分:水溶性共重合体と、
を含有し、
前記(C)成分が、(C-1)第3級アミンの構造を有するビニル単量体とアニオン性ビニル単量体からなる共重合体、(C-2)第4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体とスルホン酸の構造を有するビニル単量体を含む共重合体、および(C-3)トリシラノール基を含有するベタイン系共重合体から選ばれる少なくとも1種である、硬表面用洗浄剤組成物。
[2]前記(A)成分の含有量が全組成物中の0.05~2.0質量%であり、
(A)/(B)比が質量比で0.5~50であり、
(A)/(C)比が質量比で2.0~100である、[1]に記載の硬表面用洗浄剤組成物。
[3][1]または[2]に記載の硬表面用洗浄剤組成物を用いて、対象面に、前記硬表面用洗浄剤組成物からなる泡を滞留させて抗菌/抗ウイルス処理を行う、抗菌/抗ウイルス処理方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、処理対象となる面の全体に簡便に抗菌/抗ウイルス機能を付与することができるとともに、水洗後も機能を維持することができる硬表面用洗浄剤組成物、および硬表面用洗浄剤組成物を用いた抗菌/抗ウイルス処理方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、以下に示す(A)成分と、(B)成分と、(C)成分とを含有する組成物である。
【0011】
<(A)成分>
(A)成分は、炭素数10~18のアルキル基を1つまたは2つ有する4級アンモニウム塩を含有するカチオン性界面活性剤である。
前記4級アンモニウム塩は、モノアルキルトリメチル型のアンモニウム塩、ジアルキルジメチル型のアンモニウム塩等のアルキルアンモニウム塩であり、炭素数は、12~18が好ましい。
4級アンモニウム塩としては、例えば、塩化物イオンや臭化物イオン等のハロゲンイオン、硫酸塩イオン等が挙げられ、塩化物イオン、硫酸塩イオンが好ましい。4級アンモニウム塩の具体例としては、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化デシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウムサルフェート、ドデシルトリメチルアンモニウムサルフェート等が挙げられ、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウム、トリメチルステアリルアンモニウムサルフェート、ドデシルトリメチルアンモニウムサルフェートが好ましく、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ドデシルトリメチルアンモニウムが特に好ましい。
【0012】
(A)成分の含有量は、硬表面用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.05~2.0質量%が好ましく、0.08~1.0質量%がより好ましく、0.1~0.5質量%がさらに好ましい。
(A)成分の含有量が上記下限値以上であると、抗菌/抗ウイルス性および起泡性を向上しやすい。(A)成分の含有量が上記上限値以下であると、滞留性を向上しやすい。
【0013】
<(B)成分>
(B)成分は、ノニオン性界面活性剤である。
(B)成分としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキル(またはアルケニル)フェニルエーテル、長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキサイドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン硬化ヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、炭素数6~22、好ましくは炭素数8~18の脂肪族アルコールに、炭素数2~4のアルキレンオサイドを平均3~30モル付加したものが挙げられる。合成に用いられる脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールや、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。
(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよく、滞留性の向上の観点から、分岐の炭素数12~18、エチレンオキサイドの炭素数2の平均付加モル数5~9のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、例えば、平均付加モル数5のポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(HLB=8)が挙げられる。
【0014】
(B)成分のHLBは、6~14が好ましい。
(B)成分のHLBが上記範囲内であると、滞留性を向上やすい。
なお、HLB(Hydrophilic-Lipophilic Balance)とは、界面活性剤の水と油(水に不溶性の有機化合物)への親和性の程度を表す値である。
【0015】
(B)成分の含有量は、硬表面用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01~1.0質量%が好ましく、0.03~0.5質量%がより好ましく、0.03~0.2質量%がさらに好ましい。
(B)成分の含有量が上記下限値以上であると、滞留性を向上しやすい。(B)成分の含有量が上記上限値以下であると、抗菌/抗ウイルス性を向上しやすい。
【0016】
<(C)成分>
(C)成分は、水溶性共重合体である。水溶性共重合体とは、25℃の水1Lに0.1g以上を透明に溶解する高分子である。
(C)成分は、(C-1)第3級アミンの構造を有するビニル単量体とアニオン性ビニル単量体からなる共重合体、(C-2)第4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体とスルホン酸の構造を有するビニル単量体を含む共重合体、および(C-3)トリシラノール基を含有するベタイン系共重合体から選ばれる少なくとも1種である。
【0017】
第3級アミンの構造を有するビニル単量体としては、例えば、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルアミノプロピルアクリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、ジメチルアミノブチルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノブチルアクリルアミド、ジメチルアミノブチルメタクリルアミド、ジエチルアミノエチルアクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられる。
【0018】
アニオン性ビニル単量体は、例えば、酸性を示すアニオン性の官能基を備えたビニル単量体またはその塩であり、例えば、スルホン酸基を備えたビニル単量体またはその塩等が挙げられる。
スルホン酸基を備えたビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸(MAA)、アクリルアミドメタンスルホン酸、メタクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドエタンスルホン酸、メタクリルアミドエタンスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタクリルアミドプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタンスルホン酸アクリレート、メタンスルホン酸メタクリレート、エタンスルホン酸アクリレート、エタンスルホン酸メタクリレート、プロパンスルホン酸アクリレート、プロパンスルホン酸メタクリレート等、およびこれらの塩が挙げられる。なかでも、抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸塩、アクリルアミドメタンスルホン酸、アクリルアミドメタンスルホン酸塩、メタクリルアミドメタンスルホン酸、メタクリルアミドメタンスルホン酸塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩、メタンスルホン酸アクリレート、メタンスルホン酸メタクリレートが好ましく、アクリル酸、アクリル酸塩、メタクリル酸(MAA)、メタクリル酸塩、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸塩がより好ましい。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0019】
第4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体としては、第4級アンモニウム塩が挙げられる。第4級アンモニウム塩の具体例としては、塩化トリメチルアミノエチルアクリレート、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルアクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリレート、塩化トリメチルアミノブチルアクリレート、塩化トリメチルアミノブチルメタクリレート、塩化トリエチルアミノエチルアクリレート、塩化トリエチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノエチルアクリルアミド、塩化トリメチルアミノエチルメタクリルアミド、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド(MAPTAC)、塩化トリメチルアミノブチルアクリルアミド、塩化トリメチルアミノブチルメタクリルアミド、塩化トリエチルアミノエチルアクリルアミド、塩化トリエチルアミノエチルメタクリルアミド等が挙げられる。なかでも、抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、塩化トリメチルアミノエチルメタクリレート、塩化トリメチルアミノプロピルメタクリルアミド(MAPTAC)、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)が好ましい。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0020】
スルホン酸の構造を有するビニル単量体としては、上記スルホン酸基を備えたビニル単量体が挙げられる。
【0021】
トリシラノール基を含有するベタイン系共重合体は、ベタイン基を有する単量体と炭化水素鎖の単量体からなる主鎖、末端にトリシラノール基を有するベタイン基含有親水性ポリマーである。例えば、トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-スルホベタイン共重合体、トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-カルボベタイン共重合体等が挙げられ、商品名「LAMBIC-771W」、「LAMBIC-1000W」(大阪有機化学工業株式会社)等の市販されているものが挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【0022】
抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、アニオン性ビニル単量体と第3級アミンまたは、スルホン酸の構造を有するビニル単量体と4級アンモニウムの構造を有するビニル単量体とのモル比の範囲は、70/30~30/70が好ましく、60/40~40/60がより好ましく、60/40~55/45が特に好ましい。
【0023】
上記水溶性共重合体は、疎水性ビニル単量体を含んでいてもよい。
疎水性ビニル単量体としては、例えば、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレート、オクチルアクリレート、オクチルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラウリルメタクリレート、プロピルアクリルアミド、プロピルメタクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ブチルメタクリルアミド、t-ブチルアクリルアミド、t-ブチルメタクリルアミド、ヘキシルアクリルアミド、ヘキシルメタクリルアミド、オクチルアクリルアミド、オクチルメタクリルアミド、ラウリルアクリルアミド、ラウリルメタクリルアミド等が挙げられる。なかでも、抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘキシルメタクリレート、2-エチルヘキシルアクリレート、2-エチルヘキシルメタクリレートが好ましく、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、t-ブチルアクリレート、t-ブチルメタクリレートがより好ましい。
【0024】
(C)成分の具体例としては、メタクリル酸(MAA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)(=60/40(モル比))の共重合体、塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)/メタクリル酸(MAA)/t-ブチルメタクリレート(t-BMA)(=48/43/6/3(モル比))の共重合体、トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-スルホベタイン共重合体、トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-カルボベタイン共重合体等が挙げられ、抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、(塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸/メタクリル酸/t-ブチルメタクリレート)、メタクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレートが好ましく、メタクリル酸/ジメチルアミノエチルメタクリレートがより好ましい。さらに、(C)成分の具体例としては、DMAEMA、MAPTACおよびメタクリル酸を含み、それらからなる水溶性高分子、具体的には、市販品であるMIRAPOL SURF S-110、MIRAPOL SURF S-210(ソルベイ日華株式会社製)等が挙げられる。
【0025】
(C)成分の含有量は、硬表面用洗浄剤組成物の総質量に対し、0.01~0.1質量%が好ましく、0.025~0.05質量%がより好ましい。
(C)成分の含有量が上記下限値以上であると、抗菌/抗ウイルス性を向上しやすい。(C)成分の含有量が上記上限値以下であると、起泡性を向上しやすい。
【0026】
(A)成分/(B)成分で表される質量比(以下、(A)/(B)比ともいう)は、0.5~50であり、1~30が好ましく、2~10がより好ましい。
(A)/(B)比が上記下限値以上であると、抗菌/抗ウイルス性を向上しやすい。(A)/(B)比が上記上限値以下であると、滞留性を向上しやすい。
【0027】
(A)成分/(C)成分で表される質量比(以下、(A)/(C)比ともいう)は、2.0~100であり、2.2~50が好ましく、2.5~20がより好ましい。
(A)/(C)比が上記下限値以上であると、起泡性を向上しやすい。(A)/(C)比が上記上限値以下であると、抗菌/抗ウイルス機能の持続性を向上しやすい。
【0028】
<任意成分>
任意成分としては、(A)成分、(B)成分、(C)成分以外のpH調整剤、粘度調整剤等が挙げられる。
【0029】
pH調整剤としては、クエン酸および水酸化ナトリウムの少なくとも一方が好ましく用いられる。pH調整剤を含むことにより、本発明の硬表面用洗浄剤組成物が手に触れても、皮膚が損傷することなく、安全性を向上することができる。
【0030】
本発明の硬表面用洗浄剤組成物のpHは、5.0~9.0が好ましく、6.0~8.0がより好ましく、6.5~7.5がさらに好ましい。
【0031】
本発明において、硬表面用洗浄剤組成物のpH(25℃)は、JIS Z 8802:1984「pH測定方法」に準拠した方法により測定される値を示す。
【0032】
粘度調整剤としては、例えば、キサンタンガム、グァーガム等が挙げられる。
【0033】
<硬表面用洗浄剤組成物の製造方法>
硬表面用洗浄剤組成物は、(A)成分、(B)成分および(C)成分と、必要に応じて任意成分とを混合することにより得られる。
【0034】
<硬表面用洗浄剤組成物の使用方法>
本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、容器に収容されて使用される。本発明の硬表面用洗浄剤組成物を収容する容器としては、対象面に対して、トリガー式スプレーヤーにより吐出する方式の容器、泡状もしくは霧状のエアゾールより噴霧する方式の容器、ボトル口より洗浄剤組成物を吐出する方式の容器等が挙げられる。これらのなかでも、起泡性、滞留性および抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、トリガー式スプレーヤーが特に好ましい。トリガー式スプレーヤーとしては、蓄圧式トリガースプレイヤーまたは直圧式トリガースプレイヤーが挙げられる。これらのなかでも、起泡性、滞留性および抗菌/抗ウイルス機能の持続性の観点から、蓄圧式トリガースプレイヤーが特に好ましい。蓄圧式トリガースプレイヤーとしては、例えば、特開2017-214464号公報に記載されているトリガー式のスプレー容器、特開2012-131951号公報に記載されているトリガースプレー式フォーマー容器、特開2018-199771に記載されているトリガー式のスプレー容器等が挙げられる。
【0035】
<作用効果>
以上説明した本発明の硬表面用洗浄剤組成物は、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを含有するため、処理対象となる面(対象面)の全体に簡便に抗菌/抗ウイルス機能を付与することができるとともに、水洗後も機能を維持することができる。
【0036】
[抗菌/抗ウイルス処理方法]
本発明の抗菌/抗ウイルス処理方法は、本発明の硬表面用洗浄剤組成物を用いて、対象面に、硬表面用洗浄剤組成物からなる泡を滞留させて抗菌/抗ウイルス処理を行う、硬質表面の抗菌/抗ウイルス処理方法である。
【0037】
硬質表面は、特に制限はなく、ガラス、陶器、磁器、琺瑯、タイル、セラミックス;アルミニウム、ステンレス、真鍮等の金属;ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、FRP等の合成樹脂;木綿、絹、羊毛等の天然繊維;ポリエステル、ナイロン、レーヨン等の合成繊維等の固体の硬質表面が挙げられる。繊維は、本発明の硬表面用洗浄剤組成物による処理に適した形状や強度を有する繊維製品となっているものが好適である。
本発明の硬表面用洗浄剤組成物および抗菌/抗ウイルス処理方法を適用し得る硬質表面としては、親水性硬質表面が好ましい。ここで、硬質表面についての「親水性」とは、水に対する静止接触角が70°未満であることを意味する。なお、この静止接触角は、実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明で好適な硬質表面は、ガラス、陶器、磁器、プラスチック、ステンレスおよびシリコンウエハーから選ばれる1種または2種以上の硬質表面が挙げられる。
本発明の対象は、硬質表面、具体的には、硬質表面を有する物品である。硬質表面を有する物品としては、便器、浴槽、台所のシンク、窓ガラス、鏡、蛇口等が挙げられる。
【0038】
本発明の硬表面用洗浄剤組成物による硬質表面の処理は、硬表面用洗浄剤組成物からなる泡と硬質表面とを接触させることで行うことができる。
本発明では、抗菌/抗ウイルス性および持続性の観点から、トリガーを引く速度を6g/s以上18g/s以下としてスプレーしたときの泡の1分後の泡比容が、15mL/g以上、好ましくは25mL/g以上であり、そして、経済性、使用性(消泡のし易さ)の観点から、好ましくは60mL/g以下、より好ましくは55mL/g以下、さらに好ましくは50mL/g以下、さらに好ましくは45mL/g以下の泡を、硬質表面と接触させることが好ましい。なお、泡比容とは、容器から吐出した直後の泡体積と吐出した組成物の質量から算出される単位量当たりの泡体積のことである。
硬質表面にスプレー等で泡を吐出させた後、乾燥する方法が好ましい。必要に応じて、吐出した後、水ですすいでもよい。また、吐出した後、スポンジ等を用いて薄く塗りのばしてもよい。
硬質表面に接触させる泡の量は、例えば、10cm2あたり、好ましくは10mL以上160mL以下、より好ましくは20mL以上120mL以下である。
【0039】
硬質表面を処理する際の温度は、抗菌/抗ウイルス性を高める観点、処理方法の容易性の観点から、好ましくは0℃以上、より好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上であり、そして、好ましくは45℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは35℃以下である。
また、本発明の硬表面用洗浄剤組成物により処理された硬質表面は、抗菌/抗ウイルス性等を高める観点から、均一に処理されていることが好ましい。表面処理の均一性は、処理後の硬質表面を目視で観察することにより判断できる。
【実施例0040】
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
【0041】
「使用原料」
(A)成分(カチオン性界面活性剤)として、以下に示す化合物を用いた。
・A1-1:塩化ドデシルトリメチルアンモニウム(商品名:リポカード12-37w、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)
・A1-2:塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(商品名:リポカードT-800、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)
・A2-1:塩化ベンザルコニウム(商品名:カチオンG-50、三洋化成工業株式会社)
・A2-2:塩化ジデシルジメチルアンモニウム(商品名:リポカード210-80E、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社)
【0042】
(B)成分(ノニオン性界面活性剤)として、以下に示す化合物を用いた。
・B1-1:ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数5、商品名:エマレックス1805、日本エマルジョン社製)
【0043】
(C)成分(アニオン基とカチオン基を含有する水溶性重合体)として、以下に示す化合物を用いた。
・C1-1:メタクリル酸(MAA)/ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)=60/40(モル比)
・C1-2:塩化トリメチルアミノプロピルアクリルアミド(AAPTAC)/アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(AMPS)/メタクリル酸(MAA)/t-ブチルメタクリレート(t-BMA)=48/43/6/3(モル比)
・C1-3:トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-スルホベタイン共重合体(商品名:LAMBIC-771W、大阪有機化学工業社製)
・C1-4:トリシラノール基含有アルキル/N,N-ジメチルアンモニウムアルキル-α-カルボベタイン共重合体(商品名:LAMBIC-1000W、大阪有機化学工業社製)
・C2-1:アクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体(商品名:ARISTFLEX AVC、マツモト公商)
・C2-2:ポリエチレンイミン(商品名:SP-200、日本触媒社製)
・C2-3:ポリビニルアルコール(商品名:PVA-117、クラレ社製)
【0044】
<C1-1の合成>
攪拌機、温度計、環流冷却器、窒素導入管、モノマー用滴下口および開始剤用滴下口を備えた1Lのフラスコに、イオン交換水280質量部を入れて攪拌し、窒素気流下90℃まで加熱して、重合溶媒を調製した。次に、500mL容ビーカーに、MAA/DMAEMAのモル比が60/40となるように各モノマーおよびイオン交換水を加え、硫酸を用いてpHを5.0に調整し攪拌を続けて、モノマー混合溶液を調製した。また、200mL容ビーカーに、開始剤としての過硫酸ナトリウムをモノマーに対して1.5モル質量%およびイオン交換水100質量部を加え均一溶液とし、開始剤溶液を調製した。重合溶媒の温度を90℃に維持しながら、開始剤溶液全部、モノマー混合溶液全部を連続的に3時間かけて滴下し、さらに5時間加熱攪拌を続け高分子共重合体(C1-1)を得た。得られたポリマー水溶液の残存モノマーを化粧品種別配合成分規格一般試験法アクリル残存モノマー試験法第2法で分析した結果、いずれの場合もモノマーの転化率は99%以上であった。また、高分子共重合体(C1-1)の平均分子量は、サイズ排除クロマトグラフィ(SEC)を用いて測定したところ、23600であった。
【0045】
<C1-2の合成>
冷却還流管、温度計、窒素導入管および攪拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、AAPTAC25.0g、AMPS22.5g、MAA1.25g、t-BMA1.25g、過硫酸ナトリウム0.69gおよびイオン交換水200gを仕込み、窒素を吹き込みながら、室温(約20℃)で30分攪拌した。次いで、反応系を85℃に昇温し、6時間反応を行った。そして、生成物をセパラブルフラスコから取り出し、ヘキサンで再沈澱させることにより高分子共重合体(C1-2)の固体39gを得た。得られた高分子共重合体(C1-2)の質量平均分子量は、SECを用いて測定したところ、60000であった。
【0046】
<任意成分>
・pH調整剤:クエン酸(関東化学株式会社)、水酸化ナトリウム:苛性ソーダ(扶桑化学工業株式会社)
・エタノール(日本アルコール販売)、アミノカルボン酸系キレート剤:EDTA(アクゾノーベル株式会社)、水:イオン交換水
【0047】
<製造方法>
表2~7に示す組成に従い、各例の液体洗浄剤組成物500gを下記の手順で調製した。
(A)成分、(B)成分、および(C)成分と共通成分とを水に加え混合し、必要に応じ、pH調整剤(クエン酸または水酸化ナトリウム)を新たに加えてpH7.0に調整して、各例の液体洗浄剤組成物を得た。
なお、共通組成は表1に示す通りとした。含有量は液体洗浄剤組成物中の質量%を表す。
【0048】
【0049】
<液体洗浄剤組成物の液状処理評価>
各実施例および比較例の液体洗浄剤組成物について、以下に示す評価方法によって各評価を行い、その結果を表に併記した。
【0050】
<起泡性>
25℃の液体洗浄剤組成物を吐出容器を用いて、トリガーを引く速度を13g/sとして200mLメスシリンダーに続けて5ストローク(約0.9g/ストローク)スプレーし、泡の吐出量(g)を重量測定した。また、泡の高さは目盛りを読み、泡の高さから泡の吐出量を除することで評価し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表2~7に示す。○、◎、◎◎を合格とした。
[起泡性の評価基準]
◎◎:30mL/g以上。
◎:25以上30mL/g未満。
○:20以上25mL/g未満。
△:15以上20mL/g未満。
×:15mL/g未満。
【0051】
<泡滞留性>
60°に傾斜させた50cm角のタイル(商品名:ミスティキラミック、株式会社LIXIL製)に向かって、約10cm離れた場所から25℃の液体洗浄剤組成物を吐出容器を用いて、トリガーを引く速度13mL/sにて1ストローク(約0.9g/ストローク)噴射させ、落下距離と落下時間から落下速度(秒/cm)を算出し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表2~7に示す。○、◎、◎◎を合格とした。
[滞留性の評価基準]
◎◎:2.0秒/cm以上。
◎:1.8以上2.0秒/cm未満。
○:1.5以上1.8秒/cm未満。
△:1.2以上1.5秒/cm未満。
×:1.2秒/cm未満。
【0052】
<抗菌/抗ウイルス性>
陶器板(縦50mm×横50mm×厚さ5mm、株式会社LIXIL製)を用いて、抗菌/抗ウイルス性の評価を実施した。
まず、前記陶器板の表面全面を覆うように液体洗浄剤組成物を0.25mL塗布し、1分間放置した。
その後、25℃の水道水にて流速50mL/sで20秒間すすぎ、これを評価基板とした。
その後、JISZ2801に準拠し黄色ブドウ球菌および大腸菌における抗菌評価を、またISO21072に準拠しインフルエンザウイルスにおける抗ウイルス評価を実施し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表2~7に示す。○、◎、◎◎を合格とし、抗菌評価は黄色ブドウ球菌および大腸菌において評価の低かった方の値を採用した。
[抗菌/抗ウイルス機能の持続性の評価基準]
◎◎:ΔLog4以上。
◎:ΔLog3以上ΔLog4未満。
○:ΔLog2以上ΔLog3未満。
△:ΔLog1以上ΔLog2未満。
×:ΔLog1未満。
【0053】
<持続性:泡洗浄後も持続可能な抗菌/抗ウイルス性>
陶器板(縦50mm×横50mm×厚さ5mm、株式会社LIXIL製)を用いて、抗菌/抗ウイルス性の泡洗浄後の持続性評価を実施した。
60°に傾斜させた前記陶器板に向かって、約10cm離れた場所から25℃の液体洗浄剤組成物を吐出容器を用いて、トリガーを引く速度13mL/sにて前記陶器板の表面全面を覆うように1ストローク(約0.9g/ストローク)噴射させ、1分間放置した。その後、25℃の水道水にて流速50mL/sで20秒間すすぎ、これを泡洗浄後(1)の評価基板とした。また、25℃の水道水にて流速50mL/sで20秒間すすぐ操作を3回繰り返した陶器板を泡洗浄後(2)の評価基板とした。
その後、JISZ2801に準用し黄色ブドウ球菌および大腸菌における抗菌評価を、またISO21072に準用しインフルエンザウイルスにおける抗ウイルス評価を実施し、下記評価基準に従い評価した。評価結果を表2~7に示す。○、◎、◎◎を合格とし、抗菌評価は黄色ブドウ球菌および大腸菌において評価の低かった方の値を採用した。
[抗菌/抗ウイルス機能の持続性の評価基準]
◎◎:ΔLog4以上。
◎:ΔLog3以上ΔLog4未満。
○:ΔLog2以上ΔLog3未満。
△:ΔLog1以上ΔLog2未満。
×:ΔLog1未満。
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
本発明を適用した実施例1~32は、起泡性、泡滞留性、抗菌/抗ウイルス性および抗菌/抗ウイルス機能の持続性において優れていた。
(C)成分の代わりにアクリル酸ジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン共重合体を含む比較例1は、抗菌/抗ウイルス機能の持続性において劣っていた。
(C)成分の代わりにポリエチレンイミンを含む比較例2は、抗菌/抗ウイルス機能の持続性において劣っていた。
(C)成分の代わりにポリビニルアルコールを含む比較例3は、抗菌/抗ウイルス機能の持続性において劣っていた。