(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079623
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】モータ、ポンプ、およびモータの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 3/52 20060101AFI20230601BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20230601BHJP
H02K 11/30 20160101ALI20230601BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H02K3/52 E
H02K5/22
H02K11/30
H02K15/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193172
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000220505
【氏名又は名称】ニデックパワートレインシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】片岡 慈裕
(72)【発明者】
【氏名】雫 修通
【テーマコード(参考)】
5H604
5H605
5H611
5H615
【Fターム(参考)】
5H604AA08
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604BB16
5H604BB17
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC15
5H604CC16
5H604QB17
5H605AA08
5H605BB07
5H605BB10
5H605BB14
5H605CC06
5H605EC08
5H605EC20
5H611BB01
5H611BB07
5H611BB08
5H611TT01
5H611UA04
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615BB14
5H615BB17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造する工数および時間を低減できるモータ、および係るモータを備えたポンプを提供する。
【解決手段】モータ101は、中心軸Jを中心として回転可能なロータ50と、コイル73を有し、ロータ50と径方向に隙間を介して対向するステータ70と、ステータ70の軸方向一方側に位置する複数のターミナルと、複数のターミナルの軸方向一方側に位置する基板80と、を備える。複数のターミナルは、コイル73から延び出るコイル線73aと接続される第1接続部84aと、基板80と接続される第2接続部84cと、を有する。それぞれのターミナルが、第1接続部84aおよび第2接続部84cにおいて、コイル線73aおよび基板80に支持される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸を中心として回転可能なロータと、
コイルを有し、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、
前記ステータの軸方向一方側に位置する複数のターミナルと、
前記複数のターミナルの軸方向一方側に位置する基板と、
を備え、
前記複数のターミナルは、前記コイルから延び出るコイル線と接続される第1接続部と、前記基板と接続される第2接続部と、を有し、
それぞれの前記ターミナルが、前記第1接続部および前記第2接続部において、前記コイル線および前記基板に支持される、モータ。
【請求項2】
前記基板は、軸方向に貫通する複数の挿入孔を有し、
前記第2接続部は、軸方向一方側に延びる複数の接続ピンを有し、
前記接続ピンは、前記挿入孔に挿入される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記ターミナルは、前記第1接続部の径方向外側、且つ、前記第1接続部の軸方向一方側に前記接続ピンを有する、請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記ターミナルは、3本以上の前記接続ピンを有する、請求項2または3に記載のモータ。
【請求項5】
前記ターミナルは、前記第1接続部の径方向外側に延びる平面部を有し、
前記複数の接続ピンは、前記平面部から軸方向一方側に延びる、請求項2から4のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項6】
前記第1接続部は、前記コイル線が挿入される挿入部を有し、
前記挿入部が径方向内外からかしめられて、前記第1接続部と前記コイル線とが接続される、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記第1接続部と前記コイル線とが溶接によって接続される、請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項8】
前記ステータを支持する支持部材を備え、
前記基板は、前記支持部材に固定される、請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項9】
前記基板は、複数の固定部で前記支持部材に固定され、
前記第2接続部は、一対の前記固定部を結ぶ直線上で前記基板に接続される、請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のモータと、ポンプ部と、を備える、ポンプ。
【請求項11】
中心軸を中心として回転可能なロータと、
コイルを有し、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、
接続ピンを有し、前記ステータの軸方向一方側に位置する複数のターミナルと、
複数の前記ターミナルの軸方向一方側に位置し、前記ターミナルを介して前記コイルに接続される基板と、
を備えるモータの製造方法であって、
保持器を用いて、前記ステータの軸方向一方側の所定の位置に前記ターミナルを保持する、第1ステップと、
前記保持器による前記ターミナルの保持を維持しつつ、前記コイルから軸方向一方側に引き出したコイル線と、前記ターミナルの第1接続部とを、溶接によって接続する、第2ステップと、
前記保持器による前記ターミナルの保持を維持しつつ、前記基板を、前記ターミナルの軸方向一方側に配置し、前記ターミナルの接続ピンを前記基板の挿入孔に挿入する、第3ステップと、
前記ターミナルの接続ピンと、前記基板とを、はんだによって固定する、第4ステップと、
を有する、モータの製造方法。
【請求項12】
前記保持器を移動させる、保持器移動機構を用い、
前記第2ステップと前記第3ステップとの間に
前記保持器移動機構によって、前記コイル線を屈曲させて、前記接続ピンが軸方向一方側を向くように、前記保持器を移動させる、第2サブステップを有する、請求項11に記載のモータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ、ポンプ、およびモータの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロータおよびステータを有する電動のモータが知られている。例えば、特許文献1には、車載用ブラシレスモータ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータにおいては、コイルを電子基板の貫通孔へ挿入して、電子基板上でコイルとターミナルとを溶接によって固定する場合がある。この場合、比較的柔軟で形が定まらないコイルを基板の貫通孔へ案内するための特殊なガイド部材が必要となる。特殊なガイド部材の成形には多くの工数および時間が必要であるため、モータを製造する工数および時間が増大することが問題であった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記事情に鑑みて、製造する工数および時間を低減できるモータ、および係るモータを備えたポンプを提供することを目的の一つとする。また、本発明の一つの態様は、製造する工数および時間を低減できるモータの製造方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、中心軸を中心として回転可能なロータと、コイルを有し、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、前記ステータの軸方向一方側に位置する複数のターミナルと、前記複数のターミナルの軸方向一方側に位置する基板と、を備える。前記複数のターミナルは、前記コイルから延び出るコイル線と接続される第1接続部と、前記基板と接続される第2接続部と、を有する。それぞれの前記ターミナルが、前記第1接続部および前記第2接続部において、前記コイル線および前記基板に支持される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、製造する工数および時間を低減できるモータ、および係るモータを備えたポンプを提供できる。また、本発明の一つの態様によれば、製造する工数および時間を低減できるモータの製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態のモータおよびポンプを示す断面図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の支持部材を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態のポンプの一部を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、一実施形態のターミナルおよび基板の一部を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、一実施形態のターミナルを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、一実施形態のモータの製造方法を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、一実施形態のターミナルと保持器の一部を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、一実施形態のターミナルを示す斜視図である。
【
図9】
図9は、一実施形態のモータの製造方法を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、一実施形態のターミナルと保持器の一部を示す斜視図である。
【
図11】
図11は、一実施形態のターミナルと保持器の一部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各図には、以下に説明する実施形態のポンプ100における中心軸Jを仮想的に示している。以下の説明においては、中心軸Jの軸方向を単に「軸方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼ぶ。中心軸Jを中心とする周方向を単に「周方向」と呼ぶ。以下の説明において、各図には適宜X軸、Y軸、およびZ軸を示す。Z軸は、中心軸Jが延びる方向を示している。以下の説明においては、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側(+Z側)を「上側」と呼び、軸方向のうちZ軸の矢印が向く側と逆側(-Z側)を「下側」と呼ぶ。X軸の矢印が向く側を「右側」、X軸の矢印が向く側と逆側を「左側」と呼ぶ。Y軸の矢印が向く側を「手前側」、Y軸の矢印が向く側と逆側を「奥側」と呼ぶ。
【0010】
本実施形態において、上側は「軸方向一方側」に相当し、下側は「軸方向他方側」に相当する。なお、上側および下側とは、単に各部の相対位置関係を説明するための名称であり、実際の配置関係等は、これらの名称で示される配置関係等以外の配置関係等であってもよい。また、
図1では、説明のために、中心軸Jを挟んだ左右両側のそれぞれにおいて異なる周方向位置の断面を示している。
【0011】
<第1実施形態>
以下に、本実施形態のモータおよびこのモータを駆動源とするポンプについて説明する。
図1に示すポンプ100は、例えば水などの流体を送るポンプである。本実施形態のポンプ100は、モータ101とポンプ部60とを備える。
【0012】
モータ101は、ポンプ100の上側の部分である。モータ101は、ロータ50を駆動する。モータ101は、支持部材10とカバー部材20を有するケース110と、ケース110の内部に収容される、固定シャフト40、ロータ50、ステータ70、および基板80などの部材を備える。
【0013】
ポンプ部60は、ポンプ100の下側の部分である。ポンプ部60は、水を吸入し、吐出する部分である。ポンプ部60は、インペラ本体部61、シュラウド部62などの部材を備える。
【0014】
支持部材10は、カバー部材20の下側に位置する。支持部材10は、非磁性体製である。本実施形態において支持部材10は、樹脂製である。
図2に示すように、支持部材10は、底壁部11と、ロータ収容部12と、第1環状壁部13と、第2環状壁部14と、第3環状壁部15と、フランジ部16と、基板固定部17a,17bと、ピン部18と、コネクタ部19と、を有する。底壁部11と第1環状壁部13と第2環状壁部14と第3環状壁部15とフランジ部16とは、ステータ70を下側から覆う基部10aを構成している。
【0015】
底壁部11は、中心軸Jを囲む円環状である。
図1に示すように、底壁部11は、ステータ70の下側に位置する。底壁部11の下側の面における径方向内側部分には、上側に窪む凹部11aが設けられている。凹部11aは、中心軸Jを囲む円環状である。凹部11aは、径方向内側に開口している。
【0016】
ロータ収容部12は、底壁部11から上側に延びている。より詳細には、ロータ収容部12は、底壁部11の径方向内周縁部から上側に延びている。ロータ収容部12は、中心軸Jを囲み、下側に開口する円筒状である。ロータ収容部12は、ロータ50を内部に収容している。ロータ収容部12は、非磁性体製である。本実施形態においてロータ収容部12は、樹脂製である。ロータ収容部12は、ロータ50を上側から覆う蓋部12aと、蓋部12aから下側に延びる筒状部12bと、を有する。
【0017】
蓋部12aは、中心軸Jを中心とする円板状である。蓋部12aは、下側の面に保持部12cを有する。保持部12cは、固定シャフト40の上側の端部を保持する部分である。保持部12cは、蓋部12aの他の部分よりも下側に突出している。保持部12cは、固定シャフト40の後述する穴部43の内面の少なくとも一部を覆う突起部12dを有する。突起部12dは、穴部43の内部に位置する。突起部12dは、穴部43の内面に接触している。本実施形態においては、穴部43の内面の全体に、突起部12dが接触している。突起部12dは、穴部43内に充填されている。より詳細には、突起部12dは、後述する締結穴12eを除いて穴部43内の全体に充填されている。本実施形態において突起部12dは、中心軸Jを中心とする円柱状である。突起部12dは、保持部12cのうち突起部12dより径方向外側に位置する部分よりも下側に突出している。突起部12dの下側の端部は、筒状部12bの下側の端部よりも上側に位置する。
【0018】
図2に示すように、蓋部12aは、蓋部12aの上側の面における径方向外側部分から下側に窪む複数の凹部12fを有する。複数の凹部12fは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。蓋部12aの径方向外周縁部には、ピン部18が設けられている。ピン部18は、蓋部12aから上側に突出する円柱状である。
【0019】
筒状部12bは、蓋部12aの径方向外周縁部から下側に延びて、底壁部11の径方向内周縁部に繋がっている。
図1に示すように、筒状部12bは、径方向においてロータ50とステータ70との間に位置する。筒状部12bは、下側に開口している。筒状部12bを構成する壁部の径方向の厚さは、蓋部12aの軸方向の厚さよりも小さい。なお、筒状部12bを構成する壁部の径方向の厚さは、蓋部12aの軸方向の厚さより大きくてもよいし、蓋部12aの軸方向の厚さと同じであってもよい。
【0020】
ロータ収容部12には、締結穴12eが設けられている。締結穴12eは、中心軸Jを中心とし、蓋部12aの上側の面から下側に窪む円形状の穴である。締結穴12eは、突起部12dまで延びている。締結穴12eは、下側に底部を有する穴である。締結穴12eの下側の端部は、保持部12cのうち突起部12d以外の部分よりも下側に位置する。締結穴12eの下側の端部は、ロータ50の上側の端部よりも下側に位置する。なお、締結穴12eの下側の端部は、ロータ50の上側の端部より上側に位置してもよいし、ロータ50の上側の端部と同じ軸方向位置に位置してもよい。
【0021】
図2に示すように、第1環状壁部13、第2環状壁部14、および第3環状壁部15は、底壁部11から上側に突出している。第1環状壁部13、第2環状壁部14、および第3環状壁部15は、中心軸Jを囲む円環状である。第1環状壁部13は、ロータ収容部12の径方向外側に離れて位置し、ロータ収容部12を囲んでいる。第1環状壁部13の上側の端部は、ロータ収容部12の上側の端部よりも下側に位置する。第2環状壁部14は、第1環状壁部13の径方向外側に離れて位置し、第1環状壁部13を囲んでいる。第2環状壁部14の上側の端部は、第1環状壁部13の上側の端部よりも上側に位置し、ロータ収容部12の上側の端部よりも下側に位置する。第3環状壁部15は、第2環状壁部14の径方向外側に離れて位置し、第2環状壁部14を囲んでいる。第3環状壁部15の上側の端部は、第2環状壁部14の上側の端部よりも上側に位置し、ロータ収容部12の上側の端部よりも下側に位置する。
【0022】
第2環状壁部14には、被固定部14aが設けられている。被固定部14aは、軸方向に延びる円柱状である。被固定部14aは、第2環状壁部14のうち被固定部14aの周方向両側の部分よりも径方向両側に突出している。被固定部14aは、被固定部14aの上側の面から下側に窪む締結穴14cを有する。被固定部14aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。複数の被固定部14aは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。被固定部14aは、例えば、4つ設けられている。なお、被固定部14aの数および配置は、特に限定されない。
【0023】
第2環状壁部14の上側の面には、上側に突出する嵌合突起14bが設けられている。つまり、本実施形態において支持部材10は、軸方向に突出する嵌合突起14bを有する。本実施形態において嵌合突起14bは、円柱状である。嵌合突起14bは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において嵌合突起14bは、周方向に隣り合う被固定部14a同士の間に、それぞれ2つずつ設けられている。つまり、嵌合突起14bは、合計で8つ設けられている。第2環状壁部14のうち被固定部14aが設けられた部分および嵌合突起14bが設けられた部分には、第2環状壁部14から径方向両側に突出するリブ14dが設けられている。リブ14dは、第1環状壁部13と第3環状壁部15とを繋いでいる。
【0024】
フランジ部16は、第3環状壁部15から径方向外側に広がっている。フランジ部16は、中心軸Jを囲む環状である。フランジ部16には、上側からカバー部材20が固定されている。フランジ部16は、ポンプ100が取り付けられる機器に固定される部分である。フランジ部16には、コネクタ部19が設けられている。
【0025】
基板固定部17a,17bは、基板80が固定される部分である。基板固定部17aは、底壁部11から上側に突出する円柱状である。基板固定部17aは、径方向において第2環状壁部14と第3環状壁部15との間に位置する。基板固定部17aの上側の端部は、第3環状壁部15およびロータ収容部12よりも上側に突出している。基板固定部17aは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。基板固定部17aは、例えば、4つ設けられている。基板固定部17bは、蓋部12aの径方向外周縁部から上側に突出する円柱状である。基板固定部17bの上側の端部は、基板固定部17aの上側の端部と軸方向において同じ位置に位置する。基板固定部17bは、中心軸Jを径方向に挟んで一対設けられている。基板固定部17a,17bの上端面には、基板80を固定するねじ97が締め込まれる締結穴が設けられている。基板80を固定するねじ97は、例えば、タッピンねじである。
【0026】
図1に示すように、カバー部材20は、支持部材10の上側に固定されている。本実施形態においてカバー部材20は、金属製である。カバー部材20は、下側に開口する容器状である。カバー部材20は、基板80を上側から覆う頂壁部21と、頂壁部21の径方向外周縁部から下側に延びる外周壁部22と、外周壁部22の下端部から径方向外側に突出するフランジ部23と、を有する。フランジ部23は、支持部材10のフランジ部16の上側に固定されている。軸方向におけるフランジ部23とフランジ部16との間は、Oリング93によって封止されている。
【0027】
固定部材30は、支持部材10の上側に固定されている。固定部材30は、カバー部材20の径方向内側に位置する。固定部材30は、ステータ70の径方向外側に位置する。固定部材30は、ステータ70を囲んでいる。本実施形態において固定部材30は、金属製である。固定部材30を構成する材料は、例えば、鉄である。固定部材30は、例えば、板金部材にプレス加工を施すことによって作られている。本実施形態において固定部材30は、下側に開口する円筒状の部材である。固定部材30は、天壁部31と、周壁部32と、固定フランジ部33と、を有する。
【0028】
天壁部31は、中心軸Jを中心とする円板状である。天壁部31は、蓋部12aの上側に位置する。天壁部31は、蓋部12aの上側にねじ92で固定されている。天壁部31の下側の面は、蓋部12aの上側の面に接触している。なお、天壁部31の下側の面は、蓋部12aの上側の面に接触せずに、蓋部12aの上側の面と隙間を介して対向して配置されてもよい。天壁部31は、ねじ92が上側から通される第1貫通孔31aを有する。第1貫通孔31aは、天壁部31を軸方向に貫通する円形状の孔である。ねじ92は、第1貫通孔31aに上側から通されて、締結穴12eに締め込まれている。本実施形態においてねじ92は、タッピンねじである。ねじ92が締め込まれる前において締結穴12eの内周面には、ねじ部が設けられていない。締結穴12eの内周面には、締結穴12eにねじ92が締め込まれることで、ねじが切られる。ねじ92の少なくとも一部は、突起部12dに締め込まれている。本実施形態では、ねじ92の下側部分が突起部12dに設けられた締結穴12eに締め込まれている。ねじ92の下側の端部は、ロータ50の上側の端部と、軸方向においてほぼ同じ位置に位置する。天壁部31は、蓋部12aよりも径方向外側に突出している。天壁部31の径方向外側部分は、ステータ70の上側に位置する。
【0029】
図3に示すように、天壁部31は、天壁部31を軸方向に貫通する第2貫通孔31bを有する。第2貫通孔31bは、円形状の孔である。第2貫通孔31bの内径は、第1貫通孔31aの内径よりも大きい。第2貫通孔31bは、第1貫通孔31aを径方向に挟んで一対設けられている。一対の第2貫通孔31bのそれぞれには、一対の基板固定部17bのそれぞれが下側から軸方向に通されている。
【0030】
天壁部31は、天壁部31を軸方向に貫通する第3貫通孔31cを有する。第3貫通孔31cは、円形状の孔である。第3貫通孔31cの内径は、第1貫通孔31aの内径および第2貫通孔31bの内径よりも小さい。第3貫通孔31cは、一方の第2貫通孔31bの周方向一方側に隣り合って配置されている。第3貫通孔31cには、ピン部18が下側から軸方向に通されている。一対の第2貫通孔31bと、第3貫通孔31cとは、中心軸J回りに非回転対称に配置されている。そのため、一対の第2貫通孔31bに一対の基板固定部17bを通し、第3貫通孔31cにピン部18を通すことで、固定部材30を誤った向きで組み付けることを容易に抑制できる。ピン部18は、基板80に設けられた図示しない穴に挿入されている。ピン部18によって固定部材30および基板80を位置決めすることができる。
【0031】
周壁部32は、天壁部31の径方向外周縁部から下側に延びている。周壁部32は、中心軸Jを囲み、下側に開口する円筒状である。
図1に示すように、周壁部32は、ステータ70の径方向外側に位置する。周壁部32は、ステータ70の外周面に固定されている。本実施形態において周壁部32内には、ステータ70が圧入によって固定されている。
【0032】
固定フランジ部33は、周壁部32から径方向外側に広がっている。より詳細には、固定フランジ部33は、周壁部32の下側の端部から径方向外側に広がっている。固定フランジ部33は、中心軸Jを囲む円環状であり、板面が軸方向を向く板状である。固定フランジ部33は、第2環状壁部14の上側に位置する。固定フランジ部33は、第2環状壁部14および第2環状壁部14に設けられたリブ14dによって下側から支持されている。
【0033】
固定フランジ部33は、ねじ91によって、第2環状壁部14に設けられた被固定部14aに固定されている。これにより、固定フランジ部33は、支持部材10の基部10aに上側から固定されている。また、固定部材30は、支持部材10に固定されている。本実施形態において固定フランジ部33は、4つの被固定部14aにそれぞれねじ91で固定されている。
【0034】
固定フランジ部33は、ねじ91が軸方向に通される貫通孔33aを有する。貫通孔33aは、固定フランジ部33を軸方向に貫通する円形状の孔である。
図3に示すように、本実施形態において貫通孔33aは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に4つ設けられている。なお、貫通孔33aの数および配置は、特に限定されない。ねじ91は、貫通孔33aに上側から軸方向に通されて、被固定部14aの締結穴14cに締め込まれている。ねじ91は、例えば、タッピンねじである。ねじ91が締め込まれる前において締結穴14cの内周面には、ねじ部が設けられていない。締結穴14cの内周面には、締結穴14cにねじ91が締め込まれることで、ねじが切られる。
【0035】
固定フランジ部33は、嵌合突起14bが嵌め合わされる嵌合穴部33bを有する。本実施形態において嵌合穴部33bは、固定フランジ部33を軸方向に貫通する円形状の孔である。嵌合穴部33bは、周方向に間隔を空けて複数設けられている。嵌合穴部33bは、8つ設けられている。各嵌合穴部33bには、各嵌合突起14bが下側から軸方向に通されて嵌め合わされている。嵌合穴部33bと嵌合突起14bとの間のクリアランスは、第2貫通孔31bと基板固定部17bとの間のクリアランスおよび第3貫通孔31cとピン部18との間のクリアランスよりも小さい。なお、互いに嵌め合わされる嵌合穴部33bおよび嵌合突起14bの数は、特に限定されない。嵌合穴部33bの形状および嵌合突起14bの形状は、特に限定されない。
【0036】
固定部材30は、貫通部34を有する。貫通部34は、天壁部31と周壁部32とに跨って設けられている。貫通部34は、天壁部31の径方向外周縁部を軸方向に貫通し、周壁部32の上端部を径方向に貫通している。貫通部34は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に複数設けられている。貫通部34は、例えば、6つ設けられている。
【0037】
図1に示すように、固定シャフト40は、軸方向に延びている。固定シャフト40は、中心軸Jを中心とする円柱状である。固定シャフト40の上側の端部は、保持部12cに保持されている。これにより、固定シャフト40は、ロータ収容部12に固定されている。本実施形態において固定シャフト40の上側の端部は、保持部12cに埋め込まれて保持されている。保持部12cは、固定シャフト40をインサート部材とするインサート成形によって作られている。固定シャフト40は、保持部12cから下側に延びている。固定シャフト40の下側の端部は、ロータ収容部12よりも下側に位置する。
【0038】
固定シャフト40の上側の端部には、下側に窪む穴部43が設けられている。穴部43は、下側に底部を有し、中心軸Jを中心とする円形状の穴である。穴部43の下側の端部は、ロータ50の上側の端部よりも下側に位置する。穴部43内には、突起部12dが位置する。固定シャフト40のうちロータ収容部12よりも下側に位置する部分における外周面には、スリップワッシャ44およびOリング45が取り付けられている。スリップワッシャ44は、ロータ50の後述する延伸部53bの下側に対向して配置されている。Oリング45は、固定シャフト40のうちスリップワッシャ44が取り付けられた部分よりも下側に位置する部分に取り付けられている。
【0039】
固定シャフト40は、軸方向に延びる円柱状の固定シャフト本体部41と、固定シャフト本体部41の上側の端部から径方向外側に突出する固定シャフトフランジ部42と、を有する。固定シャフトフランジ部42は、中心軸Jを囲む円環状である。保持部12cには、固定シャフト本体部41の上側の端部と固定シャフトフランジ部42とが埋め込まれて保持されている。固定シャフトフランジ部42が保持部12cに埋め込まれることで、保持部12cに対して固定シャフトフランジ部42が軸方向に引っ掛かる。これにより、固定シャフト40が保持部12cから下側に抜けることが抑制されている。
【0040】
ロータ50は、中心軸Jを中心として回転可能である。ロータ50は、ロータ収容部12の内部に収容されている。ロータ50は、ロータコア51と、マグネット52と、樹脂部53と、を有する。ロータコア51は、中心軸Jを囲む環状である。ロータコア51の径方向内側には固定シャフト40が軸方向に通されている。マグネット52は、ロータコア51に固定されている。本実施形態においてマグネット52は、ロータコア51を軸方向に貫通する孔内に配置されている。マグネット52は、例えば、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0041】
樹脂部53は、中心軸Jを囲み、軸方向に延びる円筒状である。樹脂部53の径方向内側には、固定シャフト40が軸方向に通されている。樹脂部53の径方向内側には、固定シャフト40が隙間嵌めされている。固定シャフト40は、樹脂部53の内周面を支持することで、ロータ50を回転可能に支持している。樹脂部53は、ロータコア51およびマグネット52が埋め込まれて保持された被覆部53aと、被覆部53aから下側に延びる延伸部53bと、を有する。被覆部53aは、ロータコア51の全体およびマグネット52の全体を覆っている。被覆部53aは、径方向において固定シャフト40とロータコア51との間に位置する部分を有する。延伸部53bの外径は、被覆部53aの外径よりも小さい。延伸部53bの下側の端部は、ロータ収容部12よりも下側に突出している。被覆部53aの内径と延伸部53bの内径とは、互いに同じである。
【0042】
樹脂部53の外周面は、ロータ50の外周面である。樹脂部53の外周面は、ロータ収容部12の内周面から径方向内側に離れて位置する。被覆部53aの外周面は、ロータ収容部12の内周面と僅かな隙間を介して対向している。
【0043】
ステータ70は、ロータ50の径方向外側に位置する。ステータ70は、ロータ収容部12の径方向外側においてロータ収容部12およびロータ50を囲む環状である。ステータ70は、ステータコア71と、ステータコア71に取り付けられたインシュレータ72と、インシュレータ72を介してステータコア71に取り付けられた複数のコイル73と、を有する。
【0044】
ステータコア71は、ロータ収容部12の径方向外側に位置し、ロータコア51を囲んでいる。ステータコア71は、ロータコア51を囲む円環状のコアバック71aと、コアバック71aから径方向内側に延びる複数のティース71bと、を有する。図示は省略するが、複数のティース71bは、周方向に沿って並んで配置されている。コアバック71aの上側部分は、固定部材30の周壁部32に下側から圧入されて固定されている。これにより、ステータ70は、固定部材30に固定されている。コアバック71aの下側部分は、第2環状壁部14の径方向内側に離れて位置する。コアバック71aの下側の端部は、第1環状壁部13の上側に僅かな隙間を介して対向して配置されている。複数のティース71bの径方向内側の端部は、ロータ収容部12における筒状部12bの外周面と僅かな隙間を介して対向している。つまり、本実施形態においてステータ70は、筒状部12bの外周面と非接触の状態で配置されている。本実施形態においてステータ70は、筒状部12bの外周面から径方向外側に離れて位置するステータ70は、ロータ収容部12に対して直接的には接触していない。
【0045】
インシュレータ72およびコイル73は、ステータコア71から軸方向両側に突出している。インシュレータ72およびコイル73のうちステータコア71から下側に突出している部分は、径方向においてロータ収容部12の筒状部12bと第1環状壁部13との間に位置する。インシュレータ72およびコイル73のうちステータコア71から下側に突出している部分は、筒状部12bの外周面および第1環状壁部13の内周面から径方向に離れて位置し、かつ、底壁部11の上側に離れて位置する。
【0046】
図1および
図4に示すように、基板80は、固定部材30の上側に位置し、カバー部材20の径方向内側に収容されている。基板80は、板面が軸方向を向く板状である。基板80は、基板固定部17a,17bと、ねじ97で固定される。基板80は、ねじ97によって固定される固定部80bを有する。より詳細には、固定部80bは、基板80の上側の面の一部であって、ねじ97のねじ頭部と接触する部分である。本実施形態では、固定部80bは、例えば、6か所設けられる。つまり、基板80は、複数の固定部80bにおいて、支持部材10に固定されている。基板80の下側の面には、複数の電子部品81が取り付けられている。複数の電子部品81は、下側の端部が貫通部34に上側から挿入された電子部品81を含む。
【0047】
図1に示すように、基板80には、複数の端子83の一端部が接続されている。図示は省略するが、複数の端子83の他端部は、コネクタ部19に設けられている。コネクタ部19に図示しない外部電源が接続されることで、当該外部電源の電力が、端子83から基板80に供給され、基板80から後述する第1ターミナル84、第2ターミナル85、第3ターミナル86を介してコイル73に供給される。
【0048】
図1および
図4に示すように、基板80には複数の挿入孔80aが設けられる。各挿入孔80aは、軸方向に貫通する正方形状の孔である。つまり、基板80は、軸方向に貫通する複数の挿入孔80aを有する。挿入孔80aは、第1ターミナル84、第2ターミナル85、第3ターミナル86と対向する位置に、それぞれ、4か所設けられる。各挿入孔80aには、後述する第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86の接続ピン84d,85d,86dが下側から挿入される。
【0049】
第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は基板80の下側の面に固定される。
図1および
図3に示すように、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、コイル線73aの上側に位置する。すなわち、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、ステータ70の上側に位置する。つまり、モータ101はステータ70の上側に位置する複数のターミナル84,85,86を備える。
【0050】
第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86はコイル73と基板80とを電気的に接続する部材である。第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は導電性である。本実施例では、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、例えば銅製である。第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、板材をプレス加工して成形される。したがって、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86の各部は、板状である。
【0051】
第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、周方向に沿って等間隔にこの順で並んで設けられる。第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86と中心軸Jとの距離は、互いに等しい。
【0052】
本実施形態において、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、互いに同様の形状である。また、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86と、コイル73および基板80とが、接続する構成および接続方法は同様である。以下、第2ターミナル85および第3ターミナル86の形状の説明と、コイル線73aおよび基板80と接続する構成および接続方法の説明においては、各ターミナル84,85,86が配置される位置および向きが異なる点を除いて、第1ターミナル84と同様の説明を省略する場合がある。
【0053】
図3および
図5に示すように、第1ターミナル84は、第1接続部84a、第2接続部84c、および平面部84eを有する。第1接続部84aは、平面部84eの径方向の内縁と繋がる。第1接続部84aは、コイル73から上側に引き出されたコイル線73aと接続される。第2接続部84cは、平面部84eの周方向端部と繋がる。第2接続部84cは、基板80と接続される。平面部84eは、径方向に延びる、略矩形状の板状である。平面部84eの板面は軸方向を向く。つまり、第1ターミナル84は、第1接続部84aの径方向外側に延びる平面部84eを有する。平面部84eの径方向内側端部の周方向両側には、一対のコイル線73aが位置する。
【0054】
第1接続部84aは、中継部84fと、一対の挿入部84bと、を有する。中継部84fは、平面部84eの径方向内側の端部から下側に向けて延びる略矩形状の板状である。中継部84fの板面は径方向を向いている。
【0055】
挿入部84bは、中継部84fから周方向に沿って延びる板状である。挿入部84bの板厚方向は、軸方向と直交する。一対の挿入部84bは、中継部84fから、互いに、周方向の逆側に延びる。挿入部84bは、軸方向に見てコイル線73aを囲むU字形状である。一対の挿入部84bの開口は、周方向において互いに向き合う。一対の挿入部84bにはコイル線73aが開口から挿入される。つまり、第1接続部84aは、コイル線73aが挿入される一対の挿入部84bを有する。各挿入部84bは、コイル線73aと共に径方向の内外側からかしめられることで開口が狭められ、各挿入部84bとコイル線73aが接続される。つまり、第1接続部84aとコイル73が接続される。
【0056】
なお、本明細書において「或る対象がU字形状である」とは、或る対象が厳密にU字形状である場合に加えて、或る対象が略U字形状である場合も含む。「略U字形状」とは、対向する2辺の長さが異なる形状、対向する2辺が互いに傾いている形状などを含む。「或る対象がU字形状である」とは、2つの辺の一端同士が互いに繋がり、かつ、2つの辺の他端同士が隙間を空けて対向する形状であればよい。
【0057】
本実施形態では、挿入部84bとコイル線73aは、さらに、ヒュージング溶接によって接続される。なお、ヒュージング溶接は、電気抵抗を有する接続部分に電流を流した際に発生するジュール熱を利用して、熱カシメを行う接続方法である。本実施形態のヒュージング溶接は、コイルの材料である銅の融点、つまり、摂氏約1000度以上でコイル線73aを加熱する。そのため、コイル線73aを絶縁被覆する被覆材、および、銅線は溶融するため、銅線は挿入部84bと固着する。そのため、挿入部84bとコイル線73aはより強固に接続される。なお、コイル線73aを囲む挿入部84bを径方向の内外側からかしめることで、挿入部84bとコイル線73aとが安定して接続される場合は、ヒュージング溶接を行う必要はない。ただし、この場合は、挿入部84bとコイル線73aとを電気的に接続するため、コイル線73aの先端部分の絶縁被覆を予め除去することが好ましい。
【0058】
第2接続部84cは、一対の接続片84iを有する。一対の接続片84iは、それぞれ平面部84eの周方向一方側および他方側の端部から上側に延びる。一対の接続片84iは、板状であり周方向において互いに対向する。一対の接続片84iは、径方向に沿って平行に延びる。接続片84iは、2本の接続ピン84dと、連結部84gと、を有する。すなわち、第2接続部84cは、4本(複数)の接続ピン84dと、2つの連結部84gと、を有する。
【0059】
接続ピン84dは、平面部84eから上側に延びる。接続片84iにおいて、2本の接続ピン84dは、径方向に間隔をあけて配置される。接続片84iにおいて、2本の接続ピン84dの下側の部分は、連結部84gによって互いに接続される。各接続ピン84dの下端部は、平面部84eの周方向の端部と繋がる。軸方向において、各接続ピン84dの下端の位置は、平面部84eの下側を向く面の位置と同じ位置である。各接続ピン84dは、平面部84eの周方向端部と繋がる部分から上側に延びる。すなわち、第2接続部84cは、上側に延びる複数の接続ピン84dを有する。つまり、第1ターミナル84は、第1接続部84aの径方向外側、かつ、第1接続部84aの上側に接続ピン84dを有する。各接続ピン84dは、細長の四角柱状である。各接続ピン84dの上側の部分は、上側ほど細くなる形状である。そのため、各接続ピン84dを挿入孔80aに挿入する際には、各接続ピン84dは挿入孔80aに容易に挿入される。各接続ピン84dの先端部分は、下側から挿入孔80aに挿入されている。各接続ピン84dの先端部分は、はんだ付けによって、基板80と接続されている。
【0060】
連結部84gは、接続片84iにおいて、一対の接続ピン84dの下側の部分を繋ぐ部材である。連結部84gは、平面部84eの周方向一方側および他方側の端部に沿って、径方向に延びる直方体状である。連結部84gの下端部は、平面部84eの周方向の端部と繋がる。連結部84gの径方向の両端部は、それぞれ、接続ピン84dの下側部分と繋がる。軸方向において、連結部84gの下端の位置は、平面部84eの下側を向く面の位置と同じ位置である。連結部84gの上端部は、基板対向部84hである。軸方向において、基板対向部84hの位置は、接続ピン84dの先端の位置よりも下側に位置する。軸方向において、基板対向部84hの位置は、平面部84eの上側を向く面の位置よりも上側である。また、軸方向において、基板対向部84hの位置は、基板固定部17a,17bの上端面の位置と同じである。つまり、本実施形態では、基板対向部84hと基板80の下側を向く面は接触している。
【0061】
図4に示すように、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれの接続ピン84d,85d,86dは、挿入孔80aに下側から挿入される。接続ピン84d、85d、86dの先端部分は、はんだ付けによって基板80と接続される。つまり、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は基板80と接続される第2接続部84c,85c,86cを有する。このとき、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、第2接続部84c,85c,86cにおいて、基板80に支持される。一方、第1ターミナル84、第2ターミナル85、第3ターミナル86は第1接続部84a,85a,86aにおいて、コイル線73aによって下側から支持される。つまり、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、第1接続部84a,85a,86aおよび第2接続部84c,85c,86cにおいて、コイル73および基板80に支持される。
【0062】
基板80の上面には、第1固定領域80c、第2固定領域80d、および第3固定領域80eが設けられる。第1固定領域80cは、基板80の上面において、第1ターミナル84の4本の接続ピン84dが挿入される4個の挿入孔80aで囲まれる領域である。第2固定領域80dは、第2ターミナル85の4本の接続ピン85dが挿入される4個の挿入孔80aで囲まれる領域である。第3固定領域80eは、第3ターミナル86の4本の接続ピン86dが挿入される4個の挿入孔80aで囲まれる領域である。本実施形態では、第1固定領域80c、第2固定領域80d、および第3固定領域80eは、一対の固定部80bを結ぶ直線80fと交わっている。つまり、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86の第2接続部84c,85c,86cは、一対の固定部80bを結ぶ直線80f上において、基板80に接続される。
【0063】
ポンプ部60は、ロータ50の下側に繋がっている。すなわち、ポンプ部60はモータ101の下側に位置する。ポンプ部60はポンプ100の下側の部分である。本実施形態においてポンプ部60は、インペラである。ポンプ部60は、樹脂製である。ポンプ部60は、インペラ本体部61と、シュラウド部62と、を有する。本実施形態においてインペラ本体部61は、延伸部53bの下側の端部に繋がっている。樹脂部53とインペラ本体部61とは、同一の単一部材の一部である。樹脂部53とインペラ本体部61とを含む樹脂製の部分は、例えば、ロータコア51およびマグネット52をインサート部材とするインサート成形によって作られている。インペラ本体部61は、延伸部53bの外周面から径方向外側に広がるベース部61aと、ベース部61aの下側の面に設けられた複数の羽根部63と、を有する。ベース部61aの上側の端部は、底壁部11に設けられた凹部11a内に位置する。
【0064】
シュラウド部62は、インペラ本体部61と別部材である。シュラウド部62は、インペラ本体部61の下側に固定されている。シュラウド部62は、中心軸Jを囲む円環状の円環部62aと、円環部62aの径方向内周縁部から下側に延びる円筒状の円筒部62bと、を有する。円環部62aは、ベース部61aの径方向外側部分の下側に離れて配置されている。
【0065】
ポンプ部60は、吸入口64と、吐出口65と、を有する。吸入口64は、円筒部62bの下側の端部であり、下側に開口している。吐出口65は、軸方向においてベース部61aの径方向外端部と円環部62aの径方向外端部との間に設けられている。吐出口65は、径方向外側に開口している。ポンプ部60は、ロータ50によって中心軸J回りに回転させられることで、吸入口64から水を内部に吸入し、吐出口65から吐出することで水を送る。ポンプ部60によって送られる水は、ロータ収容部12の内側にも流入する。
【0066】
次に、本実施形態に係るモータの製造方法について説明する。
図7に示すように、本実施形態のモータの製造方法は、3つの保持器95を用いて行う。それぞれの保持器95は、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86を保持する。
【0067】
保持器95は、少なくとも、第1保持部95aと、第2保持部95bと、第1保持部95aと第2保持部95bを繋ぐ第3保持部95cと、を有する。第1保持部95aは、径方向に延びる矩形形状の板状である。第2保持部95bは、第1保持部95aと軸方向に間隔をあけて対向し、径方向に延びる矩形形状の板状である。第2保持部95bは、第1保持部95aの上側に設けられる。第3保持部95cは、第1保持部95aの径方向外側の縁部と第2保持部95bの径方向外側の縁部を繋ぐ、軸方向に延びる略矩形形状の板状である。また、保持器95は図示しない加圧機構を有する。第2保持部95bは、加圧機構によって、下側、すなわち、第1保持部95a方向に加圧される。保持器95は、軸方向、周方向、径方向において所定の位置に設けられる。
【0068】
作業者等は、第1ターミナル84を、径方向内側から第1保持部95aと第2保持部95bの間に挿入する。その後、作業者等は、加圧機構によって、第2保持部95bを、第1ターミナル84を介して、第1保持部95a方向に加圧して、第1ターミナル84を保持器95に保持させる。平面部84eの下側を向く面は、第1保持部95aに下側から支持される。平面部84eの上側を向く面は、第2保持部95bの下側を向く面と接触する。このとき、第1ターミナル84の軸方向の位置は所定の位置になる。一対の接続片84iの平面部84eと接続される面と、第2保持部95bの周方向を向く面は接触する。このとき、第1ターミナル84の周方向の位置は所定の位置になる。平面部84eの径方向外側の端部と、第3保持部95cの径方向内側を向く面は接触する。このとき、第1ターミナル84の径方向の位置は所定の位置になる。したがって、保持器95によって、第1ターミナル84は軸方向、周方向、および径方向における所定の位置に保持される。このとき、軸方向における接続ピン84d先端の位置は、基板固定部17a,17bの上端面の位置よりも下側に位置する。軸方向における、第2保持部95bの上側を向く面の位置は、基板対向部84hの位置より下側に位置する。
【0069】
図6に示すように、モータ101の製造方法は、保持器95が所定の位置に第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86を保持する第1ステップS11と、第1接続部84a、85a、86aとコイル73を接続する第2ステップS12と、基板80を支持部材10に固定した後に、接続ピン84d,85d,86dを挿入孔80aに挿入する第3ステップS13と、第2接続部84c,85c,86cと基板80を接続する第4ステップS14と、を含む。
【0070】
第1ステップS11では、作業者等は、保持器95に第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86を保持させる。
【0071】
第2ステップS12では、作業者等は、保持器95に第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86を保持させつつ、第1接続部84a,85a,86aとコイル73を接続する。具体的には、挿入部84b,85b,86bとコイル線73aを接続する。作業者等は、挿入部84bの開口からコイル線73aを挿入したのち、挿入部84bを径方向の内外側からかしめて、挿入部84bとコイル線73aを接続する。さらに、作業者等は、挿入部84bとコイル線73aをヒュージング溶接によって接続する。
【0072】
第3ステップS13では、作業者等は、保持器95に第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86を保持しつつ、基板80を支持部材10に固定した後、基板80の挿入孔80aに、接続ピン84d,85d,86dを挿入する。作業者等は、基板80の下側を向く面が、基板固定部17a,17bの上端面と接触するまで、基板80を下向きに搬送する。基板80の第3貫通孔31cにはピン部18が挿入される。作業者等は、基板80を基板固定部17a,17bに、ねじ97で固定する。次に、作業者等は、基板対向部84hが基板80の下側の面と接触するまで、保持器95を上側に移動する。このとき、接続ピン84dは、挿入孔80aに挿入され、接続ピン84dの先端部分は基板80の上側に突出する。前述の通り、第1ターミナル84は保持器95によって、軸方向、周方向、および径方向の所定の位置に保持されるため、各接続ピン84dの周方向および径方向の位置は、挿入孔80aの周方向および径方向の位置と一致している。そのため、接続ピン84dを挿入孔80aに容易に挿入できる。
【0073】
第4ステップS14では、作業者等は、接続ピン84dの先端部分と基板80の上側の面とをはんだ付けによって固定する。したがって、第2接続部84cと基板80は電気的に接続される。その後、作業者等は、保持器95を径方向外側に移動させて、保持器95から第1ターミナル84を取り外す。
【0074】
なお、本明細書において「作業者等」とは、各作業を行う作業者および組立装置等を含む。各作業は、作業者のみによって行われてもよいし、組立装置のみによって行われてもよいし、作業者と組立装置とによって行われてもよい。
【0075】
本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、第2接続部84c,85c,86cにおいて基板80に支持される。一方、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、第1接続部84a,85a,86aにおいて、コイル線73aによって下側から支持される。よって、モータ101の駆動時に、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれの振動を抑制できる。そのため、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86のそれぞれに接続されるコイル73の断線の発生が抑制される。また、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dに作用する負荷が軽減され、半田付け部や接続ピン84d,85d,86dの損傷を抑制できる。したがって、コイル73と基板80との安定的な接続を確保できる。
【0076】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれのみを介する、簡易な構成で、コイル73と基板80が接続される。また、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、互いに、周方向に間隔をあけて設けられるため、各ターミナル84,85,86同士を絶縁しつつ、各ターミナル84,85,86を保持する、絶縁樹脂等から構成されるバスバーホルダ等の部材が不要となる。そのため、モータ101の部品点数を低減できるとともに、組み立て性が向上する。したがって、モータ101のコストを低減できるとともに、モータ101を製造する工数および時間を低減できる。
【0077】
本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、コイル線73aおよび基板80に直接的に支持される。このため、バスバーホルダによって複数のターミナルを支持する従来の構造と比較して、モータ101の部品点数を低減できるとともに、モータ101を製造する工数および時間を低減できる。
【0078】
本実施形態のターミナル84、85、86は、軸方向において、ステータ70と基板80との間に配置される。このため、ターミナル84、85、86をステータ70から延び出るコイル線73aに接続した後に、ターミナル84、85、86の上側に基板80を配置するという製造方法が採用できる。ターミナル84、85、86とコイル線73aとの接続工程として、火花などの飛散物が発生する工程(例えばヒュージング溶接)を採用する場合であっても、飛散物が基板80に影響を与えることを抑制できる。
【0079】
また、本実施形態によれば、リジッドな接続ピン84d,85d,86dを挿入孔80aに挿入して、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれと基板80を接続する。したがって、比較的柔軟で形が定まらないコイル73の一端を基板80の挿入孔に直接挿入する場合と異なり、特殊な形状のガイド部材は不要である。そのため、組み立て性が向上する。したがって、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。
【0080】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、第1接続部84a,85a,86aの径方向外側、かつ、第1接続部84a,85a,86aの上側に、接続ピン84d,85d,86dを有する。そのため、保持器95は、径方向外側から各接続ピン84d,85d,86dの近傍を容易に保持できる。よって、接続ピン84d,85d,86dの軸方向、周方向、および径方向における位置が安定しやすくなる。そのため、接続ピン84d,85d,86dを挿入孔80aにより容易に挿入できる。したがって、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。
【0081】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、4本の接続ピン84d,85d,86dが基板80と固定される。そのため、モータ101の駆動時に、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86の振動がより抑制される。このとき、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dに作用する負荷が軽減され、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dの損傷を抑制できる。したがって、コイル73と基板80とのより安定的な接続を確保できる。なお、本実施形態では、各ターミナル84,85,86に、それぞれ4本の接続ピン84d,85d,86dを備えているが、接続ピンの本数はこの本数に限定されるものではなく、接続ピンの本数が3本以上であれば、基板80の板面に対する、各ターミナル84,85,86の平面部84eの傾きが安定する。つまり、基板80に対する、各ターミナル84,85,86の姿勢が安定するため、モータ101の駆動時に、各ターミナル84,85,86の振動が抑制される。
【0082】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、第1接続部84a,85a,86aから径方向外側に延びる平面部84e,85e,86eを有する。そのため、保持器95は、径方向外側から平面部84e,85e,86eを容易に保持できる。具体的には、第1保持部95aは、平面部84e,85e,86eの下側を向く面を容易に支持できる。また、第2保持部95bは、平面部84e,85e,86eの上側を向く面と容易に接触できる。第2保持部95bは、一対の連結部84gの平面部84eと接続される面と容易に接触できる。さらに、第3保持部95cの径方向内側を向く面は、平面部84eの径方向外側を向く端部と容易に接触できる。そのため、保持器95は軸方向、周方向、および径方向の所定の位置に第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれを容易に保持できる。したがって、モータ101の組み立て性がより向上し、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。
【0083】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86の第1接続部84a,85a,86aは、それぞれ、一対の挿入部84b,85b,86bを有する。一対の挿入部84b,85b,86bは、それぞれ、周方向において互いに向き合う開口を備える。一対の挿入部84b,85b,86bには、コイル線73aが開口から挿入されると、コイル線73aを囲む挿入部84b,85b,86bが、径方向の内外側からかしめられて、挿入部84b,85b,86bそれぞれとコイル線73aが接続される。そのため、比較的柔軟で形が定まらないコイル線73aの一端であっても、挿入部84b,85b,86bに容易に挿入できる。また、挿入部84b,85b,86bを径方向の内外側からかしめる工程のみで、第1接続部84a,85a,86aとコイル73が接続される。そのため、モータ101の組み立て性がより向上し、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。なお、コイル73と第1接続部84a,85a,86aとの電気的接続を安定的に確保するためには、コイル線73aの一端の絶縁被覆を予め除去しておくことが好ましい。
【0084】
また、本実施形態によれば、第1接続部84a,85a,86aとコイル73は溶接によって接続される。より詳細には、挿入部84b,85b,86bとコイル線73aはヒュージング溶接によって接続される。そのため、コイル線73aを挿入部84b,85b,86bへ挿入する前に、予め、コイル線73aの一端の絶縁被覆を除去する工程が不要になる。また、挿入部84b,85b,86bとコイル線73aとの接続がより強固になる。そのため、モータ101の駆動時に、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86が振動しても、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86それぞれに接続される、コイル73の断線の発生がより抑制される。したがって、コイル73と基板80とのより安定的な接続を確保しつつ、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。
【0085】
また、本実施形態によれば、基板80は、基板固定部17a,17bに固定される。つまり、基板80は、支持部材10に固定される。そのため、モータ101の駆動時に、基板80の振動がより抑制され、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dに作用する負荷が軽減されるため、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dの損傷を抑制できる。したがって、コイル73と基板80とのより安定的な接続を確保できる。
【0086】
また、本実施形態によれば、基板80の上側の面の第1固定領域80c、第2固定領域80d、および第3固定領域80eが、一対の固定部80bを結ぶ直線80fと交わっている。つまり、第2接続部84c,85c,86cは、一対の固定部80bを結ぶ直線80f上において基板80に接続される。固定部80bは、基板80が支持部材10と固定される位置であるため、モータ101の駆動時において、振動が抑制される。よって、一対の固定部80bを結ぶ直線80f上では、モータ101の駆動時の基板80の振動が抑制される。そのため、モータ101の駆動時に、各ターミナル84,85,86の振動がより抑制され、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dに作用する負荷が軽減され、はんだ付け部や接続ピン84d,85d,86dの損傷が抑制される。したがって、コイル73と基板80とのより安定的な接続を確保できる。なお、本実施形態では、3つの固定領域80c、80d、80eがそれぞれ固定部80bを結ぶ直線80f上に配置される場合について説明した。しかしながら、複数の固定領域のうち一部の固定領域が、固定部を結ぶ直線80f上に配置されていれば、当該固定領域については上述の効果を得ることができる。
【0087】
また、本実施形態によれば、第1ターミナル84、第2ターミナル85、および第3ターミナル86は、それぞれ、保持器95によって、軸方向、周方向、および径方向の所定の位置に保持される。このとき、各接続ピン84d,85d,86dは、それぞれ、周方向および径方向において、挿入孔80aの下側に位置する。そのため、保持器95を上側に移動すると、各接続ピン84d,85d,86dは、それぞれ、挿入孔80aに容易に挿入される。したがって、モータ101の組み立て性がより向上し、モータ101を製造する工数および時間をより低減できる。
【0088】
挿入部84b,85b,86bとコイル線73aをヒュージング溶接する際には、コイル線73aの絶縁被覆と銅線が溶融し、溶融部周辺に飛び散る。溶融した絶縁被覆と銅線が基板80に付着すると、基板80に形成された電気回路のショート等の問題が発生する虞がある。かかる事情を鑑みて、本実施形態によれば、挿入部84b,85b,86bとコイル線73aをヒュージング溶接によって接続する工程のあとに、基板80を支持部材10に固定する工程を設けている。そのため、溶融した絶縁被覆と銅線が基板80に付着することを防止できる。また、本実施形態によれば、挿入部84b,85b,86bとコイル線73aをヒュージング溶接によって接続するため、コイル線73aを挿入部84b,85b,86bへ挿入する前に、予め、コイル線73aの一端の絶縁被覆を除去する工程が不要となる。したがって、コイル73と基板80との安定的な接続を確保しつつ、モータ101を製造する工数および時間を低減できる。
【0089】
<第2実施形態>
本実施形態のモータ101では、
図8に示すように、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286それぞれの挿入部284b,285b,286bの板厚方向は、軸方向を向いている。さらに、コイル線273aは、挿入部284b,285b,286bの径方向内側において、径方向に屈曲して設けられる。なお、モータ101の、第1ターミナル284、第2ターミナル285、第3ターミナル286、およびコイル線273a以外の構成は、第1実施形態のモータ101の構成と同様である。また、
図9に示すように、本実施形態のモータ101の製造方法は、保持器295がコイル線273aを屈曲させて第1ターミナル284、第2ターミナル285、第3ターミナル286を移動させる、サブステップS22bを設けている。モータ101の製造方法におけるその他のステップは、第1実施形態の製造方法と同様である。なお、本実施形態において、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286は、互いに同様の形状である。また、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286と、コイル73および基板80とが、接続する構成および接続方法は同様である。以下、第2ターミナル285および第3ターミナル286の形状の説明と、コイル線73aおよび基板80と接続する構成と接続方法の説明においては、各ターミナル284,285,286が配置される位置および向きが異なる点を除いて、第1ターミナル284と同様の説明を省略する場合がある。
【0090】
図8に示すように、第1ターミナル284は、第1接続部284a、第2接続部284c、中継部284fを有する。第1接続部284aは、中継部284fの周方向両側の縁部と繋がる。第1接続部284aは、コイル73から引き出されたコイル線273aと接続される。第2接続部284cは、中継部284fの径方向を向く面と繋がる。第2接続部284cは、基板80と接続される。中継部284fは、周方向に延びる、略矩形状の板状である。中継部284fの面は軸方向を向く。
【0091】
第1接続部284aは、一対の挿入部284bを有する。挿入部284bは、中継部284fから周方向に沿って延びる板状である。挿入部284bの板厚方向は、軸方向である。一対の挿入部284bは、中継部284fから、互いに、周方向の逆側に延びる。一対の挿入部284bは、それぞれ、径方向に見てコイル線273aを囲むU字形状である。一対の挿入部284bの開口は、周方向において互いに向き合う。一対の挿入部284bにはコイル線273aが開口から挿入される。つまり、第1接続部284aは、コイル線273aが挿入される一対の挿入部284bを有する。各挿入部284bは、コイル線273aと共に軸方向の上下側からかしめられることで開口が狭められ、各挿入部284bとコイル線273aが接続される。さらに、本実施形態では、挿入部284bとコイル線273aは、上述のヒュージング溶接によって接続される。つまり、第1接続部284aとコイル73が接続される。つまり、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286は、それぞれ、コイル73と接続される第1接続部284a,285a,286aを有する。
【0092】
各挿入部284bの上側を向く平面284eを有する。平面284eは中継部284fの上側を向く面の周方向の端部と繋がる。
【0093】
中継部284fの径方向内側および外側の端部には、第2接続部284cが設けられる。第2接続部284cは、一対の接続片284iを有する。一対の接続片284iは、それぞれ中継部284fの径方向内側および外側の端部から上側に延びる。一対の接続片284iは、板状であり径方向において互いに対向する。一対の接続片284iは、周方向に沿って平行に延びる。接続片284iは、2本の接続ピン284dと、連結部284gと、を有する。すなわち、第2接続部284cは、4本(複数)の接続ピン284dと、2つの連結部284gと、を有する。
【0094】
接続ピン284dは、中継部284fから上側に延びる。接続片284iにおいて、2本の接続ピン284dは、周方向に間隔をあけて配置される。接続片284iにおいて、2本の接続ピン284dの下側の部分は、連結部284gによって接続される。各接続ピン284dの下側の端部は、中継部284fの径方向端部と繋がる。軸方向において、各接続ピン284dの下側の端部の位置は、中継部284fの下側を向く面の位置と同じ位置である。各接続ピン284dは、中継部284fの径方向端部と繋がる部分から上側に延びる。すなわち、第2接続部284cは、上側に延びる複数の接続ピン284dを有する。各接続ピン284dは、細長の四角柱状である。各接続ピン284dの上側の部分は、上側ほど細くなる形状である。そのため、各接続ピン284dを挿入孔80aに挿入する際には、各接続ピン284dは挿入孔80aに容易に挿入される。各接続ピン284dの先端部分は、挿入孔80aに挿入されている。各接続ピン284dの先端部分は、はんだ付けによって、基板80と接続されている。
【0095】
連結部284gは、接続片284iにおいて、一対の接続ピン284dの下側の部分を繋ぐ部材である。連結部284gは、中継部284fの径方向内側および外側の端部に沿って、周方向に延びる直方体状である。連結部284gの下側の端部は、中継部284fの径方向端部と繋がる。連結部284gの周方向両端部は、それぞれ、接続ピン284dの下側部分と繋がる。軸方向において、連結部284gの下側の端部の位置と、中継部284fの下側を向く面の位置とは同じ位置である。連結部284gの上側の端部は、基板対向部284hである。軸方向において、基板対向部284hの位置は、接続ピン284dの先端の位置よりも下側に位置する。軸方向において、基板対向部284hの位置は、中継部284fの上側を向く面の位置よりも上側である。また、軸方向において、基板対向部284hの位置は、基板固定部17a,17bの上端面の位置と同じである。つまり、本実施形態では、基板対向部284hと基板80の下側を向く面は接触している。
【0096】
次に、本実施形態に係るモータ101の製造方法について説明する。
図10に示すように、本実施形態に係るモータ101の製造方法は、3つの保持器295を用いて行う。それぞれの保持器295は、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持する。なお、ここでは、後述する第1ステップS21、および第2ステップS22における保持器の姿勢(
図10参照)を基に、保持器295の各部の方向を説明する。
【0097】
保持器295は、少なくとも、第1保持部295aと、第2保持部295bと、第1保持部295aと第2保持部295bを繋ぐ第3保持部295cと、を有する。第1保持部295aは、軸方向に延びる矩形形状の板状である。第2保持部295bは、第1保持部295aと径方向に間隔をあけて対向し、軸方向に延びる板状である。第2保持部295bは、本体部295dと、一対の接触部295eと、を有する。本体部295dは、周方向に延びる直方体状である。本体部295dは、各ターミナル284,285,286の上側に設けられる。本体部295dの下側を向く面は、一対の接続片284iのうち、上側に位置する接続片284iの上側を向く面と接触する。周方向において、本体部295dの両端部は、接続ピン284dよりも外側に位置する。一対の接触部295eは、それぞれ、本体部295dの周方向両側の縁部から、軸方向に延びる、直方体状である。周方向において、一対の接触部295eは、それぞれ、接続ピン284dの外側に位置する。一対の接触部295eの周方向内側を向く面の一部は、接続ピン284dの周方向外側を向く面と接触する。一対の接触部295eの径方向外側を向く面の一部は、それぞれ、平面284eと接触する。また、保持器295は図示しない加圧機構を有する。第2保持部295bは、加圧機構によって、径方向外側、すなわち、第1保持部295a方向に加圧される。保持器295は、軸方向、周方向、径方向において所定の位置に設けられる。
【0098】
作業者等は、第1ターミナル284を、下側から第1保持部295aと第2保持部295bの間に挿入する。その後、作業者等は、加圧機構によって、第2保持部295bを、第1ターミナル284を介して、第1保持部295a方向に加圧して、第1ターミナル284を保持器295に保持させる。
【0099】
図9に示すように、モータ101の製造方法は、保持器295が第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持する第1ステップS21と、第1接続部284a,285a,286aとコイル73を接続する第2ステップS22と、保持器295がコイル線273aを径方向に屈曲させつつ、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を移動させて、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を所定の位置に保持するサブステップS22bと、基板80を支持部材10に固定した後に、接続ピン284d,285d,286dを挿入孔80aに挿入する第3ステップS23と、第2接続部284c,285c,286cと基板80を接続する第4ステップS24と、を含む。
【0100】
第1ステップS21では、作業者等は、保持器295に第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持する。
【0101】
第2ステップS22では、作業者等は、保持器295に第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持しつつ、第1接続部284a,285a,286aとコイル73を接続する。具体的には、挿入部284b,285b,286bとコイル線273aを接続する。作業者等は、挿入部284bの開口からコイル線273aを挿入したのち、挿入部284bを径方向の内外側からかしめて、挿入部284bとコイル線273aを接続する。さらに、作業者等は、挿入部284bとコイル線273aをヒュージング溶接によって接続する。
【0102】
サブステップS22bでは、作業者等は、保持器295に第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持しつつ、保持器295を回転移動して、コイル線273aを径方向に屈曲させるとともに、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を所定の位置に保持する。
図11に示すように、作業者等は、図示しない保持器移動機構により、回転軸Rを回転中心として、保持器295を径方向外側方向に90度回転移動する。なお、本実施形態では、回転軸RはX軸およびY軸と平行な面と平行であって、挿入部284bの下側において、一対のコイル線273aを通る軸である。上述の回転移動によって、第1ターミナル284は、平面284e、および、接続ピン284d,285d,286dが上側を向いて保持される。
【0103】
中継部284fの下側を向く面は、第1保持部295aに下側から支持される。各平面284eは、第2保持部295bの下側を向く面と接触する。このとき、第1ターミナル284の軸方向の位置は所定の位置になる。各接続ピン284dの周方向外側を向く面と、一対の接触部295eの周方向内側を向く面は接触する。このとき、第1ターミナル284の周方向の位置は所定の位置になる。一対の接続片284iのうち、径方向外側に位置する接続片284iの径方向外側を向く面と、本体部295dの径方向内側を向く面は接触する。このとき、第1ターミナル284の径方向の位置は所定の位置になる。したがって、保持器295によって、第1ターミナル284は軸方向、周方向、および径方向における所定の位置に保持される。軸方向における接続ピン284d先端の位置は、基板固定部17a,17bの上端面の位置よりも下側に位置する。なお、軸方向における、第2保持部295bの上側を向く面の位置は、基板対向部284hの位置より下側に位置する。また、一対のコイル線73aは、回転軸Rと交わる位置で、径方向外側に向いて屈曲する。
【0104】
第3ステップS23では、作業者等は、保持器295に第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を保持しつつ、基板80を支持部材10に固定した後、基板80の挿入孔80aに、接続ピン284d,285d,286dを挿入する。作業者等は、基板80の下側を向く面が、基板固定部17a,17bの上端面と接触するまで、基板80を下向きに搬送する。基板80の第3貫通孔31cにはピン部18が挿入される。作業者等は、基板80を基板固定部17a,17bに、ねじ97で固定する。ねじ97は、例えば、タッピンねじである。次に、作業者等は、基板対向部284hが基板80の下側の面と接触するまで、保持器295を上側に移動する。このとき、接続ピン284dは、挿入孔80aに挿入され、接続ピン284dの先端部分は基板80の上側の面よりも上側に突出する。前述の通り、第1ターミナル84は保持器95によって、軸方向、周方向、および径方向の所定の位置に保持されるため、各接続ピン284dの周方向および径方向の位置は、挿入孔80aの周方向および径方向の位置と一致する。したがって、接続ピン284dを挿入孔80aに容易に挿入できる。
【0105】
第4ステップS14では、作業者等は、接続ピン284dの先端部分と基板80の上側の面とをはんだ付けによって固定する。したがって、第2接続部284cと基板80は電気的に接続される。その後、作業者等は、保持器295を径方向外側に移動させて、保持器295から第1ターミナル284を取り外す。
【0106】
本実施形態によれば、コイル線273aは、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286よりも下側であって、回転軸Rと交わる位置において、径方向外側に屈曲して設けられる。そのため、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286を、それぞれ、下側に設けることができる。このとき、軸方向における、第1ターミナル284、第2ターミナル285、および第3ターミナル286、それぞれと、ステータ70との距離を短くできる。つまり、軸方向における、基板80とステータ70との距離を短くすることができ、モータ101の軸方向の寸法を小さくすることができる。したがって、コイル73と基板80との安定的な接続を確保しつつ、モータ101を製造する工数および時間を低減できるとともに、モータ101の小型化を実現できる。
【0107】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および方法を採用することもできる。支持部材を構成する材料は、非磁性体であれば、特に限定されない。蓋部に締め込まれるねじは、どのような種類のねじであってもよい。蓋部には、ねじが締め込まれなくてもよい。固定部材を構成する材料は、特に限定されない。固定フランジ部が、軸方向に突出する嵌合突起を有し、かつ、支持部材が、嵌合突起が嵌め合わされる嵌合穴部を有してもよい。嵌合突起および嵌合穴部は、設けられなくてもよい。固定部材は、ねじ固定以外の方法で支持部材に固定されてもよい。固定部材は、支持部材の一部に熱カシメを施す、または支持部材の一部を超音波溶着するなどによって、支持部材に固定されてもよい。固定部材は、天壁部を有しなくてもよい。ステータは、ロータ収容部に接触してもよい。固定シャフトは、設けられなくてもよい。
【0108】
コイルと基板との安定的な接続が可能であれば、ターミナルの形状は、上述の各実施形態に限定されない。具体的には、第1接続部とコイル線とが、安定的に接続できるのであれば、挿入部の開口形状は円形形状等でもよい。また、第1接続部とコイル線とが、安定的に接続できるのであれば、ヒュージング溶接を行う必要はなく、挿入部をコイル線と共にかしめて接続するだけでよいし、第1接続部とコイル線とを半田付けによって接続してもよい。一方、ターミナルと基板とが、安定的に接続できるのであれば、接続ピンの本数は何本でもよく、例えば、5本以上でも良い。ただし、接続ピンが2本以下の場合は、基板に対するターミナルの姿勢が安定せず、モータの駆動時に、ターミナルの振動が大きくなりやすくなる虞がある。したがって、接続ピンは3本以上設けることが好適である。また、ターミナルと基板とが、安定的に接続できるのであれば、ターミナルの基板対向部は基板の下側の面と接触しなくてもよい。
【0109】
ターミナルと、コイルおよび基板とが、安定的に接続できるのであれば、モータの製造方法はどのような方法でもよい。具体的には、保持器がターミナルを所定位置に保持可能であれば、保持器の構造は本実施形態に限定されない。保持器は用いなくてもよい。また、挿入孔に接続ピンを安定して挿入可能であれば、保持器はターミナルを所定位置に保持する必要はない。径方向および周方向におけるターミナルの位置を調整できる機構を保持器に備えておいてもよい。
【0110】
本発明が適用されるモータの用途は、特に限定されない。モータは、ポンプ以外の機器に搭載されてもよい。モータを備えるポンプの用途は、特に限定されない。ポンプによって送られる流体の種類は、特に限定されず、オイルなどであってもよい。モータおよびポンプは、車両以外の機器に搭載されてもよい。なお、本明細書において説明した各構成および各方法は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0111】
10…支持部材、50…ロータ、60…ポンプ部、70…ステータ、73…コイル、73a,273a…コイル線、80…基板、80a…挿入孔、80b…固定部、84,284…第1ターミナル、85,285…第2ターミナル、86,286…第3ターミナル、84a(85a,86a)…第1接続部、84b(85b,86b)…挿入部、84c(85c,86c)…第2接続部、84d(85d,86d),284d(285d,286d)…接続ピン、84e(85e,86e)…平面部、95,295…保持器、100…ポンプ、101…モータ、J…中心軸