(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079705
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】マグネットポケット、可搬式衝立、フック、及び収納システム
(51)【国際特許分類】
A47G 29/00 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
A47G29/00 W
A47G29/00 X
A47G29/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193303
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000115821
【氏名又は名称】株式会社リヒトラブ
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(74)【代理人】
【識別番号】100149478
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 竜也
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勇佑
【テーマコード(参考)】
3K100
【Fターム(参考)】
3K100AA14
3K100AB03
3K100AB08
3K100AD07
3K100AF03
3K100AF05
3K100AG01
3K100AH03
3K100AJ09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーのワークスペースの設置環境は様々である。そのため、快適なワークスペースを実現するために、ユーザーのニーズに応じて、より柔軟に収納態様を構成できる収納システムを提供する。
【解決手段】収納システム10は、マグネットポケット12と、可搬式衝立40と、フック70とを組み合わせて構成される。マグネットポケット12は、上下に複数連結するための凹部を有する。可搬式衝立40は、マグネットポケット12を装着可能な鋼板よりなる仕切板42を備える。仕切板42には、フック70を取り付けるための幅方向に長く延びた貫通孔50を複数有する。フック70は、貫通孔50での横ずれを防止するためのストッパを有する。
【選択図】
図18
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端が開口し、上端から被収容物を出し入れする収容室を備えたマグネットポケットであって、
前記収容室の背部を塞ぐとともに、シート状磁石が配置された背面部と、
前記背面部の一方の側辺及び他方の側辺からそれぞれ突出し、前記収容室の側部を塞ぐ一対の側面部と、
前記背面部の下端から突出して前記収容室の底を塞ぐ底面部と、
前記一対の側面部と前記底面部と繋がり前記収容室の前方を覆う前面部と、を備え、
前記前面部は、上端に向かうにしたがって前記背面部から離間するように傾斜しており、
前記背面部は、前記背面部の上端とその近傍に、幅方向に切り欠くことにより他のマグネットポケットの背面部を受け入れ可能な凹部を備える、
マグネットポケット。
【請求項2】
請求項1記載のマグネットポケットであって、
前記一対の側面部は、下端に向かう程、互いの間隔が狭くなるように傾斜し、前記底面部の幅が前記一対の側面部の上端部での間隔よりも狭い、
マグネットポケット。
【請求項3】
天面に載置される脚部と、前記脚部に支持された仕切板と、を備えた可搬式衝立であって、
前記仕切板は、矩形状に成形された鋼板により形成され、
前記仕切板は、幅方向に長く延びた複数の貫通孔が上下方向に一定の間隔で複数配置された、フック取付領域を有する、
可搬式衝立。
【請求項4】
請求項3記載の可搬式衝立であって、
前記フック取付領域は、前記複数の貫通孔が上下方向に並んだ貫通孔列を、前記幅方向に複数有しており、
前記仕切板は、前記貫通孔列の間に上下方向に直線状に繋がった補強領域を有する、
可搬式衝立。
【請求項5】
請求項3又は4記載の可搬式衝立であって、前記仕切板は、前記仕切板の両側辺のそれぞれと、前記仕切板の上辺及び底辺の少なくとも一方とに、前記仕切板を厚さ方向に屈曲させた補強リブを有する、
可搬式衝立。
【請求項6】
請求項3~5のいずれか1項に記載の可搬式衝立であって、前記仕切板は、上下方向の上端付近に、把持孔を有する、
可搬式衝立。
【請求項7】
幅方向に長く延びた貫通孔を有する仕切板に取り付けて使用するフックであって、
前記仕切板から突出するフック本体と、
前記仕切板に固定され前記フック本体を支持する支持部と、を備え、
前記支持部は、
前記仕切板の前記貫通孔に挿入される第2係合部を有し、
前記第2係合部は、前記貫通孔の側部の縁に弾性的に当接して前記支持部の前記貫通孔の長手方向への移動に対する摩擦抵抗を発生させるストッパを有する、
フック。
【請求項8】
請求項7記載のフックであって、
前記第2係合部は、前記ストッパの前記貫通孔に対する弾性的な当接を解除する解除レバーを有する、
フック。
【請求項9】
請求項3記載の可搬式衝立と、
請求項7記載のフックと、を有する、
収納システム。
【請求項10】
請求項9記載の収納システムであって、
さらに請求項1記載のマグネットポケットを備える、
収納システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、事務用品等の小物類の整理収納に好適な、マグネットポケット、可搬式衝立、フック、及び収納システムに関する。
【背景技術】
【0002】
テレワークは、ICT機器を利用することで、自宅からの業務を可能とし、時間や場所を有効に活用でき、柔軟な働き方に対応できる。そのため、テレワークを採用する企業が増えつつある。テレワークの普及に伴って、自宅をワークスペースとして快適な環境にする製品が求められている。
【0003】
ワークスペースを快適にする製品として、事務用品等の机周りの小物を整理収納する整理収納具が提案されている。例えば、机上に設置する衝立(ついたて)て(特許文献1)、小物収納ポケット(特許文献2)、及びフック(特許文献3)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-23567号公報
【特許文献2】特開2002-142934号公報
【特許文献3】特許第6820996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザーのワークスペースの設置環境は様々である。そのため、快適なワークスペースを実現するために、ユーザーのニーズに応じて、より柔軟に収納態様を構成できる収納システムが求められる。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下の開示の一観点は、上端が開口し、上端から被収容物を出し入れする収容室を備えたマグネットポケットであって、前記収容室の背部を塞ぐとともに、シート状磁石が配置された背面部と、前記背面部の一方の側辺及び他方の側辺からそれぞれ突出し、前記収容室の側部を塞ぐ一対の側面部と、前記背面部の下端から突出して前記収容室の底を塞ぐ底面部と、前記一対の側面部と前記底面部と繋がり前記収容室の前方を覆う前面部と、を備え、前記前面部は、上端に向かうにしたがって前記背面部から離間するように傾斜しており、前記背面部は、前記背面部の上端とその近傍に、幅方向に切り欠くことにより他のマグネットポケットの背面部を受け入れ可能な凹部を備える、マグネットポケットにある。
【0008】
別の一観点は、天面に載置される脚部と、前記脚部に支持された仕切板と、を備えた可搬式衝立であって、前記仕切板は、矩形状に成形された鋼板により形成され、前記仕切板は、幅方向に長く延びた複数の貫通孔が上下方向に一定の間隔で複数配置された、フック取付領域を有する、可搬式衝立にある。
【0009】
別の一観点は、幅方向に長く延びた貫通孔を有する仕切板に取り付けて使用するフックであって、前記仕切板から突出するフック本体と、前記仕切板に固定され前記フック本体を支持する支持部と、を備え、前記支持部は、前記仕切板の前記貫通孔に挿入される第2係合部を有し、前記第2係合部は、前記貫通孔の側部の縁に弾性的に当接して前記支持部の前記貫通孔の長手方向への移動に対する摩擦抵抗を発生させるストッパを有する、フックにある。
【0010】
別の一観点は、上記の可搬式衝立と、上記のフックと、を有する、収納システムにある。
【発明の効果】
【0011】
上記観点のマグネットポケット、可搬式衝立、フック、及び収納システムは、ユーザーのニーズに応じて、より柔軟な収納スペースを構成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1Aは、第1実施形態に係るマグネットポケットの正面側の斜視図であり、
図1Bは
図1Aのマグネットポケットの背面側の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1Aのマグネットポケットの正面図、背面図、平面図、底面図及び左側面図をまとめて示す図である。
【
図3】
図3Aは、第1実施形態の変形例1に係るマグネットポケットの正面側の斜視図であり、
図3Bは
図3Aのマグネットポケットの背面側の斜視図である。
【
図4】
図4は、
図3Aのマグネットポケットの正面図、背面図、平面図、底面図及び左側面図をまとめて示す図である。
【
図5】
図5は、2つのマグネットポケットを組み合わせた収納システムの構成例を示す説明図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態の変形例2に係るマグネットポケットの正面図、背面図、平面図、底面図及び左側面図をまとめて示す図である。
【
図7】
図7Aは、第1実施形態の収納システムの一つの構成例を示す斜視図であり、
図7Bは、第1実施形態に係る収納システムの別の一つの構成例を示す正面図である。
【
図8】
図8Aは、第1実施形態に係る収納システムの別の一つの構成例を示す正面図であり、
図8Bは、第1実施形態に係る収納システムのさらに別の一つの構成例を示す正面図である。
【
図9】
図9は、第2実施形態に係る可搬式衝立の斜視図である。
【
図10】
図10は、
図9の可搬式衝立の正面図、平面図及び右側面図をまとめて示す図である。
【
図12】
図12は、第2実施形態の変形例に係る可搬式衝立の斜視図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係るフックの斜視図である。
【
図16】
図16は、第3実施形態の変形例に係るフックの斜視図である。
【
図18】
図18は、第4実施形態に係る収納システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る収納システム10は、
図1A~
図2に示すマグネットポケット12、
図3A~
図4に示すマグネットポケット14、
図6に示すマグネットポケット16と、を含む。収納システム10は、複数のマグネットポケット12、14、16の任意の組み合わせで構成される。収納システム10は、マグネットポケット12と、マグネットポケット14と、マグネットポケット16とのいずれか1種類のみで構成され得るし、複数種類で構成され得る。
【0014】
マグネットポケット12、14、16は、それぞれ収容室18、20、22を有する。収容室18、20、22は、上端に開口部181、201、221を有する。いずれのマグネットポケット12、14、16も上端の開口部181、201、221からペン95や文房具等の被収容物96を出し入れする壁掛けポケットを構成する。
【0015】
図1A~
図2に示すように、マグネットポケット12は、収納システム10のマグネットポケット12、14、16の中で幅方向の寸法が最も小さい。マグネットポケット12は、背面部121と、第1側面部122と、第2側面部123と、前面部125と、底面部124と、収容室18と、を有する。マグネットポケット12は、上端の幅が例えば、83.5mmであり、下端の幅が例えば、72.mmであり、上端の方が幅広な形状を有する。
【0016】
図1Bに示すように、背面部121は、収容室18の背部を覆う板状の部分である。背面部121は、上端から下端に向かうにしたがって、幅方向の寸法が徐々に狭くなる台形状の形状を有する。背面部121には、シート状磁石24が接合されている。シート状磁石24は、背面部121よりも小さな寸法を有する台形状の形状を有する。シート状磁石24は、背面部121の大部分を覆う。シート状磁石24は、接着剤により背面部121に接合される。シート状磁石24を有する背面部121は、鋼板張りの壁面(磁性材料)に吸着する。
【0017】
背面部121は、上端に凹部26を有する。凹部26は、背面部121の幅方向に切欠いた形状を有する。凹部26は、上側に連結される他のマグネットポケット12の背面部121の下端部を受入可能な形状を有する。図示の例のように、凹部26は、背面部121の幅方向の略全域を切り欠いた形状であってもよい。また、凹部26は、背面部121の幅方向の一部を切り欠いた形状でもよい。図示の例の凹部26は、幅方向の寸法が例えば75~83mmである。凹部26の幅方向の寸法は、背面部121の下端の幅方向の寸法(例えば、72~75mm)よりも広い寸法を有する。したがって、凹部26は、他のマグネットポケット12の背面部121の下端部を受け入れることが可能である。凹部26の上下方向の寸法は、例えば15mmである。
【0018】
第1側面部122は、背面部121の一方の側辺から壁状に突出し、第2側面部123は、背面部121の他方の側辺から壁状に突出する。第1側面部122及び第2側面部123は、収容室18の両側部を覆う。第1側面部122と第2側面部123とは、下端に向かうにしたがって徐々に接近するように傾斜する。第1側面部122と底面部124とが為す角度は、例えば93°である。第2側面部123と底面部124とが為す角度も、例えば93°である。第1側面部122及び第2側面部123の上辺は、底面部124と平行面に沿う。第1側面部122及び第2側面部123の上辺と、底面部124との距離は、例えば103mmである。
【0019】
底面部124は、背面部121の下端から突出する。底面部124は、背面部121に対して鈍角を為すように傾斜する。底面部124は、収容室18の底を覆うことにより、マグネットポケット12の底を構成する。底面部124は、
図2の底面図に示すように略矩形状の形状を有する。底面部124は、幅方向の寸法が例えば72.5mmであり、前後方向の寸法が例えば35mmである。底面部124の前側は、幅方向の中央部が前方に向けて膨出するように湾曲した湾曲形状を有する。
【0020】
前面部125は、背面部121の前方を覆うことで、収容室18の前方を閉塞する。前面部125は、
図2の左側面図に示すように、底面部124に対して傾斜する。前面部125と底面部124との為す角度は、例えば102°である。したがって、前面部125は、下端から上端に向かうにしたがって、背面部121から徐々に離れるように背面部121に対して傾斜する。前面部125の上辺は第1側面部122及び第2側面部123の上辺と同一平面上に位置する。
図2の平面図に示すように、前面部125は底面部124の前側の湾曲に倣って幅方向の中央が前側に僅かに突出するように湾曲する。
【0021】
マグネットポケット12において、背面部121、第1側面部122、第2側面部123、底面部124、及び前面部125は、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、ポリプロピレン樹脂、PET樹脂、又はABS樹脂等の樹脂素材によって一体的に形成される。なお、マグネットポケット12は、シリコーンエラストマーを始めとする各種弾性樹脂で形成することもできるし、エキスパンドメタル等の金属で形成してもよい。マグネットポケット12を樹脂素材によって形成する場合の各部の厚さは、例えば2.5mmとすることができる。マグネットポケット12は以上のように構成される。
【0022】
マグネットポケット12は、背面部121のシート状磁石24を鋼板張りの壁面や可搬式衝立40(
図9参照)に吸着させることで、壁掛け式の収納具となる。また、マグネットポケット12は、複数個を上下方向に連ねて壁面に吸着させると、
図5に示すような収納システム10を構成できる。この場合には、上側のマグネットポケット12の背面部121の下端付近は、下側のマグネットポケット12の背面部121の凹部26に嵌合させることができる。上下のマグネットポケット12を嵌合させると、2つの収容室18を備えた一体の収納システム10が構成される。凹部26は、上側のマグネットポケット12と下側のマグネットポケット12との隙間を適切に保つことにより、下側の収容室18にペン95等の小物の収納が可能な隙間を形成できる。
【0023】
図3A及び
図3Bに示すように、マグネットポケット14(変形例1)は、マグネットポケット12よりも幅方向の寸法が大きい。マグネットポケット14は、背面部141、第1側面部142、第2側面部143、底面部144、及び前面部145に覆われた収容室20を有する。背面部141は、その幅方向の寸法が、マグネットポケット12の背面部121の幅方向の寸法の約3倍である。具体的には、背面部141は、上端付近の幅が、例えば256mmである。背面部141は、下端付近の幅が例えば245mmである。背面部141は、上端から下端に向かうにしたがって幅が狭くなる台形状の形状を有する。
【0024】
背面部141は、背部の大部分を覆うシート状磁石28を有する。シート状磁石28は、シート状磁石24と同様であり、接着剤により背面部141に接合される。また、背面部141は、上端付近に凹部30を有する。凹部30は、背面部141の上端付近の幅方向の略全域を切り欠いた形状を有する。凹部30は、幅方向の寸法が例えば250mmであり、他のマグネットポケット14の背面部141の下端付近(例えば、幅245mm程度)を収容可能である。
【0025】
また、凹部30は、幅方向に並べた3つのマグネットポケット12を受け入れ可能な幅方向の寸法を有する。マグネットポケット12の上端の幅は、例えば83mmであり、幅方向に並べた3つのマグネットポケット12の幅は、249mmであるため、幅方向の寸法が例えば250mmのマグネットポケット14の凹部30は、3つのマグネットポケット12を収容できる。凹部30の上下方向の寸法は、例えば15mmであり、この値はマグネットポケット12の凹部26の上下方向の寸法と同様である。
【0026】
マグネットポケット14の第1側面部142及び第2側面部143は、マグネットポケット12の第1側面部122及び第2側面部123とそれぞれ同様の寸法及び傾斜角を有する。マグネットポケット14の底面部144は、幅方向の寸法が例えば245mmである。底面部144の前後方向の寸法は、例えば35mmであり、この値はマグネットポケット12の底面部124の前後方向の寸法と同様である。
【0027】
マグネットポケット14の前面部145は、底面部144に対して例えば、102°傾斜する。この前面部145の傾斜角は、マグネットポケット12の前面部125の底面部124に対する傾斜角と同じ値である。前面部145の背面部141に対する傾斜角は、前面部125(マグネットポケット12)の背面部121に対する傾斜角と同じである。
【0028】
マグネットポケット14の上下方向の寸法(底面部144から、その垂線方向に沿ったマグネットポケット14の上端までの寸法)は、例えば103mmである。マグネットポケット14の上下方向の寸法は、マグネットポケット12の上下方向の寸法と同様である。マグネットポケット14は、マグネットポケット12と同様の樹脂材料により形成される。
【0029】
以上のマグネットポケット14は、シート状磁石28を鋼板張りの壁面に吸着させることにより、壁掛け式の収納具となる。また、本実施形態のマグネットポケット14は、他のマグネットポケット12、16と組み合わせることで、収納システム10の種々の態様を構成できる。
【0030】
すなわち、
図5に示すように、マグネットポケット14は、その上に別のマグネットポケット14を重ねて吸着固定させると、2段の収容室20を有する収納システム10を構成できる。また、例えば、
図7Bに示すように、1つのマグネットポケット14は、その凹部30に3つのマグネットポケット12を嵌合させることで、3つの収容室18と1つの収容室20とを有する収納システム10を構成できる。
【0031】
図6に示すように、マグネットポケット16(変形例2)は、マグネットポケット14よりもさらに幅広に形成されている。マグネットポケット16は、幅方向の寸法が上端において例えば340mmであり、下端において例えば315mmである。マグネットポケット16の上下方向の寸法は、例えば155mmである。マグネットポケット16の前後方向の寸法は、上端において75mmであり、下端において35mmである。
【0032】
マグネットポケット16は、背面部161と、第1側面部162と第2側面部163と、底面部164と前面部165と、収容室22とを有する。収容室22は、背面部161と、第1側面部162と第2側面部163と、底面部164と前面部165とに覆われる。
【0033】
背面部161は、シート状磁石32と、凹部34とを有する。シート状磁石32は、背面部161の背部の大部分を覆う。凹部34は、背面部161の上端付近を幅方向の全域に亘って切り欠いた形状を有する。凹部34は、上下方向の寸法が例えば15mmであり、幅方向の寸法が例えば337mmである。凹部34は、幅方向に並べた4つのマグネットポケット12を収容可能な寸法を有する。
【0034】
第1側面部162及び第2側面部163は、互いの距離が上端側において僅かに広がるように傾斜している。第1側面部162及び第2側面部163のそれぞれが底面部164との間に為す角度は、例えば93°である。第1側面部162及び第2側面部163の上下方向の寸法は、マグネットポケット12の第1側面部122及び第2側面部123の上下方向の寸法よりも大きい。
【0035】
底面部164は、幅方向の寸法が例えば315mmであり、前後方向の寸法が例えば35mmの略矩形状の形状を有する。前面部165は、底面部164に対して略90°の角度を為している。以上のマグネットポケット16は、マグネットポケット12と同様の樹脂材料によって一体的に形成される。シート状磁石32は、背面部161に接着剤で接合される。
【0036】
マグネットポケット16は、他のマグネットポケット12、14と組み合わせることで、様々な態様の収納システム10を構成できる。例えば、
図8A及び
図8Bに示す態様では、マグネットポケット16は、マグネットポケット12及びマグネットポケット14と嵌合する。この態様は、寸法が異なる3種類の収容室18、20、22を有する収納システム10を構成できる。
【0037】
また、例えば
図8Aに示すように、マグネットポケット16に幅方向に並べた4つのマグネットポケット12を嵌合させることもできる。
図7A~
図8Bに示すように、収納システム10は、マグネットポケット12、14、16を組み合わせることで、使用者のニーズに合わせた柔軟な収納態様を実現できる。
【0038】
(第2実施形態)
図9に示すように、本実施形態の可搬式衝立40は、仕切板42に把持孔44を有しており、使用者のワークスペースに容易に持ち運んで設置ができる。可搬式衝立40は、仕切板42と、一対の脚部46とを有する。仕切板42は、正面から見て矩形状を有する。仕切板42の幅方向の寸法は、例えば400mmであり、上下方向の寸法は例えば400mmである。また、仕切板42を構成する鋼板の厚さは、例えば1mmである。
【0039】
仕切板42は、鋼板で構成されており、マグネットポケット12、14、16を吸着させて固定できる。把持孔44は、仕切板42の上部であって、幅方向の中央に形成されている。把持孔44は、使用者の手(指)を挿入可能な寸法を有する。把持孔44の幅方向の寸法は、例えば80mmであり、上下方向の寸法は、例えば18mmである。
【0040】
また、仕切板42は、
図9に示すように、フック70、80(
図13~
図17B)を取り付け可能なフック取付領域48を有する。フック取付領域48は、幅広な貫通孔50を複数有する。貫通孔50は、幅方向の寸法が、上下方向の寸法の10倍以上であり、幅方向に細長い。貫通孔50は、幅方向の寸法が例えば106mmであり、上下方向の寸法が例えば6mmである。
【0041】
複数の貫通孔50は、上下方向に並んで貫通孔列52R、52L、52Cを構成する。貫通孔列52R、52L、52Cにおいて、貫通孔50は上下方向に一定のピッチで配置される。貫通孔50の上下方向のピッチは、例えば25.4mm(1インチ)である。フック取付領域48は、3列の貫通孔列52R、52L、52Cを有する。左右の貫通孔列52R、52Lは、それぞれが例えば14個の貫通孔50を備える。また、中央の貫通孔列52Cは、例えば12個の貫通孔50を備える。
【0042】
貫通孔列52Rと貫通孔列52Cとの間と、及び貫通孔列52Cと貫通孔列52Lとの間とには、補強領域54が形成されている。補強領域54は、上下方向に直線状に延びる。補強領域54には貫通孔50が形成されていない。補強領域54は、仕切板42を補強する。補強領域54の幅は、例えば19mmである。
【0043】
図9及び
図10に示すように、仕切板42は、側辺部421、422と底辺部423とに、補強リブ56を有する。補強リブ56は、仕切板42を構成する鋼板を仕切板42の背面側に垂直に屈曲した構造を有する。
図9に示すように側辺部421、422の補強リブ56は、上端角部のラウンド部58を除く部分に形成される。側辺部421、422の補強リブ56は、上下方向の寸法が例えば380mmであり、前後方向の寸法が例えば17mmである。側辺部421、422の補強リブ56は、下端付近に一対のボス孔60を有する。ボス孔60は、脚部46と仕切板42とのねじ止め構造の一部を構成する。
【0044】
図11Aに示すように、底辺部423の補強リブ56は、仕切板42の幅方向の略全域に亘って形成されている。底辺部423の補強リブ56は、側辺部421の近傍と、側辺部422の近傍とに、それぞれ切欠部561を有する。切欠部561は、底辺部423の補強リブ56が形成されていない部分である。切欠部561は、脚部46の連結部461を側辺部421、422の補強リブ56に取り付け可能な間隙を形成する。切欠部561の幅方向の寸法は、例えば22mmである。なお、底辺部423の補強リブ56は、仕切板42の背面側に、例えば8mm突出する。
【0045】
図11Bに示すように、脚部46は、連結部461と、支持板462とを備える。連結部461は、仕切板42に結合される部分であり、支持板462に対して垂直方向に延びる。連結部461は、幅が例えば17mmであり、厚さが例えば3mmであり上下方向の寸法が例えば、68mmである。脚部46は、連結部461に垂直な方向から見ると、T字形状の形状を有する。
【0046】
連結部461は、2つのネジ孔463を有する。ネジ孔463は、ボス孔60と一致する部分に設けられている。
図11Aに示すように、脚部46は、側辺部421、422の補強リブ56の内側から当接するように仕切板42に取り付けられる。脚部46は、ボス孔60から挿入されたネジ88(又はボルト)によって、仕切板42に固定される。
【0047】
図11Bに示すように、連結部461は、支持板462の中央よりも後方側にずれた位置に配置されている。支持板462の連結部461よりも前側の部分である前部464は、仕切板42の正面側に延在する。支持板462の連結部461よりも後側の部分である背部465は、仕切板42の背面側に延在する。前部464の突出長さは、例えば72.5mmであり、背部465の突出長さ(例えば、32.5mm)よりも長い。前部464の突出長さは、可搬式衝立40に第1実施形態のマグネットポケット12、14、16を取り付けた状態での転倒を防ぐために、マグネットポケット12、14、16の前後方向の寸法と同程度又はこれよりも大きな寸法とすることが好ましい。
【0048】
図11Aに示すように、脚部46の支持板462には弾性シール466が装着される。弾性シール466は、一方の面に粘着層を有する円形のシートである。弾性シール466は、例えばウレタンゴム等の柔軟な素材によって形成される。弾性シール466は、支持板462の底面に貼着されており、机の天面を支持板462から保護する。
【0049】
本実施形態の可搬式衝立40は、以上のように構成され、机上に設置して利用される。可搬式衝立40には、マグネットポケット12、14、16を所望の場所に取り付けることができ、ユーザーの要望に応じた収納システム10を構成できる。また、フック取付領域48の幅広な貫通孔50は、フック70、80の取付位置を幅方向に連続的に変化させることを可能とする。
【0050】
(第2実施形態の変形例)
図12に示す、本変形例に係る可搬式衝立400は、フック取付領域48において、
図9に示す可搬式衝立40と異なる。可搬式衝立400のフック取付領域48は、一部の貫通孔500が、補強領域54を超えて幅方向に繋がっている。可搬式衝立400は、貫通孔500が幅方向に繋がっているため、フック70、80を幅方向に連続的に移動可能な範囲が増大しており、より柔軟なフック70、80の配置を実現できる。なお、可搬式衝立400のその他の構成は
図9の可搬式衝立40と同様であるので、説明を省略する。
【0051】
(第3実施形態)
図13に示す本実施形態のフック70は、
図9の可搬式衝立40に取り付けて使用するのに好適な構造を有する。フック70は、フック本体72と支持部74とを有する。フック本体72は、可搬式衝立40の仕切板42の正面側に突出する腕状の部材である。フック本体72は、支持部74から突出する。
【0052】
支持部74は、フック本体72を支持する。支持部74は、仕切板42の幅広な貫通孔50に取り付けた際に、ガタツキを防ぐために、幅方向に広がった平板部741を有する。
図14に示すように、平板部741の形状は、特に限定されないが、最も単純な形状である直線状に延びる平板でもよい。
【0053】
平板部741の幅方向の寸法は、例えば10mmとすることができる。平板部741の上下方向の寸法は、仕切板42の貫通孔50の配置ピッチ(例えば、25.4mm)の整数倍に設定される。平板部741の上下方向の寸法は、例えば25.4mmとすることができる。平板部741は、フック本体72が突出する側と反対側に当接面742を有する。当接面742は、平坦に形成されており、仕切板42の正面に面接触することで、フック70のガタツキを抑制する。フック本体72は、平板部741の上下方向の中央部に配置されている。
【0054】
図14に示すように、支持部74は、平板部741に加えて、さらに第1係合部743と第2係合部744とを有する。第1係合部743は、平板部741と一体的に形成されている。第1係合部743は、平板部741と同じ厚さを有する平板を屈曲させた形状である。第1係合部743は、支持部74の側面から見たときに、L字状に屈曲する。第1係合部743は、突出部745と、背面当接部746とを有する。
【0055】
突出部745は、支持部74の上端から支持部74に対し90°屈曲して背面側に短く突出する。突出部745の背部側への突出長さは、仕切板42の厚さと同程度であればよく、例えば1~3mmである。背面当接部746は、突出部745の先端から90°屈曲して上向きに延びる。背面当接部746は、上下方向の寸法が例えば8mmである。
【0056】
第2係合部744は、支持部74を側面から見たときに、横向きの略U字状の断面形状を有する。第2係合部744は、平板部741と同一の厚みを有する板状の部材として形成されている。第2係合部744は、ストッパ75を有する。ストッパ75は、板バネ部747と、係合凹部748と、解除レバー749とを含む。板バネ部747は、平板部741の下端に一体的に繋がっている。板バネ部747は、平板部741の下端から90°屈曲して当接面742から突出するとともに、湾曲部750を経て再び平板部741側に戻る形状を有する。
【0057】
板バネ部747は、フック70を仕切板42に取り付ける際に、貫通孔50に挿入される。板バネ部747の上下方向の寸法は、可搬式衝立40の貫通孔50の上下方向の寸法よりも大きく形成されている。湾曲部750の形状は、板バネ部747の貫通孔50への挿入を容易にするべく、V字状に形成されている。なお、湾曲部750の形状は滑らかな曲率を有するU字状であってもよい。
【0058】
係合凹部748は、仕切板42にフック70を取り付けた際に、貫通孔50の下側の縁に引っ掛かる部分であり、側面視で凹状に凹んでいる。解除レバー749は、係合凹部748の先端に位置する。解除レバー749は、平板部741よりも正面側に短く突出する。解除レバー749は、フック70を仕切板42に取り付けた際に、正面側に突出する。
【0059】
なお、ストッパ75は、板バネ部747に限定されるものではなく、ゴム又は各種エラストマー等の弾性体により一体的に構成してもよい。
【0060】
本実施形態のフック70は、以上のように構成され、以下その作用について説明する。フック70は、
図15に示すように、仕切板42の2つ貫通孔50に取り付けて使用される。フック70の支持部74は、第1係合部743が上側の貫通孔50に係合し、第2係合部744が下側の貫通孔50に係合する。背面当接部746は、仕切板42の背面に当接することで、フック70の貫通孔50からの引き抜けを阻止する。
【0061】
第2係合部744は、貫通孔50へ挿入されることで板バネ部747が弾性圧縮される。その結果、係合凹部748は、板バネ部747の付勢力によって貫通孔50の縁との間に摩擦抵抗を発生させる。この摩擦抵抗は、フック70の貫通孔50の延在方向への移動を防ぐ。また、係合凹部748は、貫通孔50の縁を保持することで、フック70の意図しない脱落を阻止する。
【0062】
解除レバー749は、仕切板42から正面側に短く突出する。使用者は、解除レバー749を指で上方に押圧することで、板バネ部747を収縮させることができる。解除レバー749により、板バネ部747が圧縮されると、係合凹部748と貫通孔50の縁との間の摩擦抵抗が弱まる。したがって、使用者は、解除レバー749を押圧しながらフック70を貫通孔50の延在方向に沿って移動させることができる。また、使用者が解除レバー749をさらに強く上方に押圧すると、係合凹部748と貫通孔50の縁との係合が解除され、第2係合部744は、貫通孔50から引き抜き可能となる。
【0063】
(第3実施形態の変形例)
図16及び
図17A~
図17Bに示すように、本変形例に係るフック80は、側面視でL字状の形状を有する。フック80は、フック本体82と、支持部74とを有する。なお、支持部74の構成は、
図13~
図15を参照しつつ説明したフック70の支持部74と同様であるのでその説明は省略する。
【0064】
フック本体82は支持部74の平板部741の下端から正面側に突出する。フック本体82は、平板部741の幅と略同じ幅の平板状に形成される。フック本体82は、平板部741に対して垂直な向きに突出する。フック本体82は、その基端に補強部822を有する。補強部822は、フック本体82と平板部741とを斜めに架け渡すように配置される。
図17Bに示すように、補強部822とフック本体821との間は、リブ823で接合されている。
【0065】
以上のように構成される本変形例に係るフック80は、フック本体82は平坦な板状に形成されている。そのため、フック80は、幅方向に複数個並べて使用することで、物品を下から支持する棚を形成できる。
【0066】
(第4実施形態)
図18に示すように、本実施形態の収納システム10は、マグネットポケット12、14、16、可搬式衝立40及びフック70、80を組み合わせて構成される。図示のように、収納システム10は、可搬式衝立40に取り付けられたマグネットポケット12、14、16と、フック70、80を有する。図示の例では、マグネットポケット12とマグネットポケット14とが、上下に重ね合わせて可搬式衝立40に吸着することで、2段の収容室20を形成する。また、2つのフック70が、携帯電話機97を下から支持する棚を形成する。さらに、2つのフック80が、タブレット端末98を保持する。このように、本実施形態の収納システム10は、可搬式衝立40と、マグネットポケット12、14、16とフック70、80とを使用して使用者の求めに応じて柔軟に収納態様を構成できる。
【0067】
上記の諸実施形態を以下にまとめて記載する。
【0068】
一実施形態は、上端が開口し、上端から被収容物96を出し入れする収容室18、20、22を備えたマグネットポケット12、14、16であって、前記収容室の背部を塞ぐとともに、シート状磁石24、28、32が配置された背面部121、141、161と、前記背面部の一方の側辺及び他方の側辺からそれぞれ突出し、前記収容室の側部を塞ぐ一対の側面部122、123、142、143、162、163と、前記背面部の下端から突出して前記収容室の底を塞ぐ底面部124、144、164と、前記一対の側面部と前記底面部と繋がり前記収容室の前方を覆う前面部125、145、165と、を備え、前記前面部は、上端に向かうにしたがって前記背面部から離間するように傾斜しており、前記背面部は、前記背面部の上端とその近傍に、幅方向に切り欠くことにより他のマグネットポケットの背面部を受け入れ可能な凹部26、30、34を備える。
【0069】
上記のマグネットポケットは、背面部の凹部に他のマグネットポケットの背面部の一部を入れることで、上下に複数段の収容室が積み重ねた収納具を構成できる。また、凹部は、上側のマグネットポケットの下方への位置ずれを防いで、上下のマグネットポケットの位置決めを行える。その結果、例えば、上側のマグネットポケットが下側のマグネットポケットの収容室を塞いで下側のマグネットポケットの収容室が使えなくなる事象を防止できる。
【0070】
上記のマグネットポケットであって、前記一対の側面部は、下端に向かう程、互いの間隔が狭くなるように傾斜し、前記底面部の幅が前記一対の側面部の上端部での間隔よりも狭い。このマグネットポケットは、下端付近の幅が相対的に狭くなるため、上側のマグネットポケットの下端付近を下側のマグネットポケットの収容室の一部に挿入するように重ねることができる。このマグネットポケットは、上下方向に複数配置する際に、上下方向の占有スペースを削減できる。
【0071】
上記のマグネットポケットであって、前記前面部の上辺は、前記背面部を前記壁面に固定したときに、前記側面部の上端よりも低い位置にある。このマグネットポケットは、複数のマグネットポケットを上下方向に重ねた際に、下側のマグネットポケットの収容室の開口部を広くできる。その結果、マグネットポケットは、上下方向に複数重ねて使用する際に下側のマグネットポケットへの被収容物の出し入れを容易にする。
【0072】
上記のマグネットポケットであって、前記一対の側面部の上辺は、前記背面部を前記壁面に固定したときに前記前面部に接近するほど低くなるように傾斜する。このマグネットポケットは、複数のマグネットポケットを重ねた際に、下側のマグネットポケットの開口部を広くすることができ、被収容物の出し入れを容易にする。
【0073】
別の一実施形態は、天面に載置される脚部46と、前記脚部に支持された仕切板42と、を備え、前記仕切板は、矩形状に成形された鋼板により形成され、前記仕切板は、幅方向に長く延びた複数の貫通孔50が上下方向に一定の間隔で複数配置された、フック取付領域48を有する、可搬式衝立40である。
【0074】
上記の可搬式衝立は、フック取付領域に、幅方向に長く延びた複数の貫通孔を備える。このような貫通孔は、フックの取付位置を幅方向に連続的に調整することができるため、より柔軟な収納スペースの構成を容易にする。また、可搬式衝立は、鋼板を有することにより、マグネットポケットの取付も可能とする。
【0075】
上記の可搬式衝立であって、前記フック取付領域は、前記複数の貫通孔が上下方向に並んだ貫通孔列52R、52L、52Cを、幅方向に複数有しており、前記仕切板は、前記貫通孔列の間に上下方向に直線状に繋がった補強領域54を有する。この可搬式衝立は、補強領域を有することにより、薄い鋼板を用いた場合であっても、十分な強度を確保できる。したがって、上記の可搬式衝立は、軽量化を可能とし、可搬性に優れる。
【0076】
上記の可搬式衝立であって、前記仕切板は、前記仕切板の両側辺のそれぞれと、前記仕切板の上辺及び底辺の少なくとも一方とに、前記仕切板を厚さ方向に屈曲させた補強リブ56を有する。この可搬式衝立は、補強リブにより仕切板を薄くしても十分な強度を発揮する。したがって、上記の可搬式衝立は、さらなる軽量化を可能とする。
【0077】
上記の可搬式衝立であって、前記仕切板の両側辺の前記補強リブは、前記脚部をねじ止めするためのボス孔60を有しており、前記脚部は前記補強リブを介して前記仕切板にねじ止めされる。この可搬式衝立は、脚部の取付構造を簡素化できる。また、脚部を取り外すことができるので、可搬式衝立をコンパクトに梱包でき、輸送コストを削減できる。
【0078】
上記の可搬式衝立であって、前記仕切板は、上下方向の上端付近に、把持孔44を有する。この可搬式衝立は、使用者が把持孔を持って持ち運ぶことができるため、取り扱い性に優れる。
【0079】
別の一実施形態は、幅方向に長く延びた貫通孔を有する仕切板に取り付けて使用するフック70、80であって、前記仕切板から突出するフック本体72、82と、前記仕切板に固定され前記フック本体を支持する支持部74と、を備え、前記支持部は、前記仕切板の前記貫通孔に挿入される第2係合部744を有し、前記第2係合部744は、前記貫通孔の側部の縁に弾性的に当接して前記支持部の前記貫通孔の長手方向への移動に対する摩擦抵抗を発生させるストッパ75を有する。
【0080】
上記のフックは、ストッパを有することにより、幅方向に長く延びた貫通孔に沿った移動を防止する。
【0081】
上記のフックであって、前記ストッパは、板バネ部747を有する。このフックは、ストッパを簡素な構造で実現でき、製造コストに優れる。
【0082】
上記のフックであって、前記第2係合部は、前記ストッパの前記貫通孔に対する弾性的な当接を解除する解除レバー749を有する。
【0083】
上記のフックであって、前記支持部は、前記第1係合部と前記第2係合部との間に平板部741を有し、前記平板部は前記仕切板に面接触する。このフックは、平板部が仕切板に面接触することで、安定化し、ガタツキを減らすことができる。
【0084】
別の一実施形態は、上記のマグネットポケットと、前記マグネットポケットの収容室よりも幅広な収容室を有し、前記収容室の上端が開口した第2マグネットポケットと、を備えた収納システム10であって、前記第2マグネットポケットは、前記収容室の背部を塞ぐとともに、マグネットが配置された第2背面部と、前記背面部の一方の側辺及び他方の側辺から突出し、前記収容室の側部を塞ぐ一対の第2側面部と、前記背面部の下端から突出して前記収容室の底を塞ぐ第2底面部と、前記一対の側面部と前記底面部と繋がり前記収容室の前方を覆う第2前面部と、を備え、前記第2前面部は、上端に向かうにしたがって前記第2背面部から離間するように傾斜しており、前記第2背面部は、その全面が磁性を有する壁面に当接することにより、前記壁面に吸着して固定され、前記第2前面部、前記第2背面部及び前記第2底面部のそれぞれの幅方向の寸法は、前記マグネットポケットの幅方向の寸法の整数倍であり、前記第2背面部は、前記第2背面部の上端とその近傍に、幅方向に並べた複数の前記マグネットポケットの下端付近の一部を受け入れ可能な第2凹部を備える。
【0085】
上記の収納システムであって、前記第2マグネットポケットの前記第2背面部と前記第2前面部との為す角度は、前記マグネットポケットの前記背面部と前記前面部との為す角度と等しい。
【0086】
上記の収納システムであって、前記可搬式衝立の前記脚部は前記仕切板の前方及び後方にそれぞれ突出する支持板462を有し、前記支持板の前記仕切板からの突出長さは、前記マグネットポケットを前記仕切板に吸着して固定させたときの前記仕切板からの突出距離と同じ又はそれよりも大きい。この収納システムによれば、可搬式衝立にマグネットポケットを取り付けた場合であっても、可搬式衝立の転倒を防ぐことができる。
【0087】
別の一実施形態の収納システムは、上記の収納システムに加えて、さらに上記のマグネットポケットを備える収納システムである。
【0088】
別の一実施形態の収納システムは、上記の可搬式衝立と、上記のフックとを有してもよい。
【0089】
なお、本発明は、上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得る。
【符号の説明】
【0090】
10…収納システム 12、14、16…マグネットポケット
18、20、22…収容室 24、28、32…シート状磁石
26、30、34…凹部 40…可搬式衝立
42…仕切板 44…把持孔
46…脚部 48…フック取付領域
50…貫通孔 52C、52L、52R…貫通孔列
54…補強領域 56…補強リブ