(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007979
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】付箋付きテープ
(51)【国際特許分類】
G09F 3/02 20060101AFI20230112BHJP
G09F 3/10 20060101ALI20230112BHJP
G09F 3/00 20060101ALI20230112BHJP
B42D 9/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G09F3/02 P
G09F3/10 B
G09F3/10 C
G09F3/00 F
B42D9/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111165
(22)【出願日】2021-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】304025105
【氏名又は名称】加納 勝志
(71)【出願人】
【識別番号】506377569
【氏名又は名称】加納 雅代
(72)【発明者】
【氏名】加納勝志
(72)【発明者】
【氏名】加納雅代
(57)【要約】
【課題】
付箋付きテープを分離用ローラに沿わせて、テープが湾曲する時に、付箋が剥離しない現象を低減する付箋付きテープを提供する。
【解決手段】
粘着剤層48を塗布した付箋9が帯状の基材23の片面47に重ね合わされ、付箋9が基材23に重ね合わされる面47に付箋9の粘着剤層48側を配置し、基材23から付箋9が剥離可能に設けられ、基材23から付箋9が剥離した後も付箋9が粘着性を示す粘着剤層48を配置し、被転写面16に付箋9を貼り付ける付箋転写具1で使用する付箋付きテープ10において、基材23の長手方向Eの付箋9の長さHを、基材23より付箋9を分離させる付箋転写具1の分離用ローラ12の中心オから、付箋9が貼り付けられる被転写面16A16Bまでの最短長さMより大きく設けてある付箋付きテープ10。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層を塗布した付箋が帯状の基材の片面に重ね合わされ、
該付箋が該基材に重ね合わされる面に該付箋の該粘着剤層側を配置し、
基材から付箋が剥離可能に設けられ、
基材から付箋が剥離した後も付箋が粘着性を示す該粘着剤層を配置した、
被転写面に付箋を貼り付ける付箋転写具で使用する付箋付きテープにおいて、
該基材の長手方向の該付箋の長さを、
基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラの中心から、
付箋が貼り付けられる被転写面までの最短長さより大きく設けたことを特徴とする付箋付きテープ。
【請求項2】
擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、
該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、
基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置したことを特徴とする請求項1に記載の付箋付きテープ。
【請求項3】
前記付箋の一方の端部側に前記粘着剤層を配置し、
前記付箋の他方の端部側に前記擬似接着剤層を配置したことを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載の付箋付きテープ。
【請求項4】
前記擬似接着剤層は、加圧または加熱により擬似接着されることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の付箋付きテープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付箋付きテープの付箋を紙面等に貼り付ける付箋転写具等で使用する、粘着剤を塗布した付箋をテープに貼着し配した付箋付きテープに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、検索の利便性を考慮して、文書、冊子等の必要箇所に付箋の貼り付けを行っているが、貼り付け方法は、方形の付箋が付箋の辺に沿って付された粘着剤の細い帯によって相互に粘着された付箋積層体から付箋単体を手の指等により剥離し、貼り付けている。
【0003】
また、粘着剤を塗布した付箋をテープに貼着し配した付箋付きテープの付箋を紙面等に貼り付ける付箋転写具として、次のようなものがある。
図12~16にて、転写前のテープ(23)が繰り出される繰り出しリール(3)と、転写後のテープ(4)を巻き取る巻き取りリール(5)と、前記繰り出しリール(3)と前記巻き取りリール(5)とを連動させる連動手段(6)((6A)(6B)(6C))とを本体容器内(7)に備えた転写具としてある。粘着剤(8)を塗布した付箋(9)をテープ(23)に貼着し配した未使用の付箋付きテープ(10)が繰り出される繰り出しリール(3)を配置し、使用後の付箋付きテープ(11)を巻き取る巻き取りリール(5)を配置し、分離用ローラ(12)、押圧用ローラ(13)、従動用ローラ(14)、補助ローラ(15)を回動自在に設け、繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離する湾曲させた場所かつ繰り出しリール(3)と巻き取りリール(5)間かつ前記押圧用ローラ(13)の近傍に分離用ローラ(12)を配置し、前記付箋付きテープ(10)より剥離した前記付箋(9)を被転写面(16)に押し付ける前記押圧用ローラ(13)を配置し、押圧用ローラ(13)と前記従動用ローラ(14)とを連動させる連動手段(17)とを有し、繰り出しリール(3)と巻き取りリール(5)との間に従動用ローラ(14)を配置し、従動用ローラ(14)に対向して前記補助ローラ(15)を配置し、繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を従動用ローラ(14)と補助ローラ(15)との間に挟入させてある。次に作用について、説明する。被転写面(16)に押し付けながら回転させた押圧用ローラ(13)により従動用ローラ(14)が回転し、従動用ローラ(14)と補助ローラ(15)との間に挟入させた付箋付きテープ(10)が従動用ローラ(14)の回転によって従動し、繰り出しリール(3)より繰り出された未使用の付箋付きテープ(10)から分離用ローラ(12)によって付箋(9)が剥離され、剥離された付箋(9)が前記押圧用ローラ(13)で被転写面(16)に押し付けられ、使用後の付箋付きテープ(11)が巻き取りリール(5)で巻き取られ、被転写面(16)に付箋(9)を貼り付ける。(特許文献1参照)
【特許文献1】特願2019-138410
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第1の課題を記す。特許文献1の付箋転写具(1)にて、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」され、「剥離された付箋(9)が前記押圧用ローラ(13)で被転写面(16)に押し付けられ」て、「貼り付け」られる。この場合、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」ると、通常、テープ(23)単体だけが湾曲し、付箋(9)は、付箋(9)自身の剛性によって直線状を維持し、湾曲するテープ(23)単体の動きには追従しないので剥離する。しかし、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、付箋(9)の剛性によっては直線状を維持することがやや困難な場合、ごくまれに、湾曲するテープ(23)単体の動きに追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性がある、という問題がある。前記問題を解消し、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、湾曲するテープ(23)単体の動きに付箋(9)が追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A1)。
【0005】
次に、第2の課題を記す。特許文献1の付箋転写具にて、また、次のように記載されている。項[0024]「粘着剤は、貼り付けた後、剥がして再度貼り付ける再貼付タイプの微粘着のリピールのものを使用して」おり、「付箋付きテープの付箋の数は、1点当り120枚程度で」あって、「未使用の付箋付きテープを繰り出しリールに巻いた状態で14年6ヶ月以上保管し」た「付箋貼り具の試作品」について、確認してところ、「テープから脱落している付箋は1枚もなく、テープ、付箋には変形等は特に認められなかった」「押圧用ローラを回転させてみた。繰り出しリールより繰り出された未使用の付箋付きテープから分離用ローラによって付箋が剥離されたが、剥離状況は良好で特に異常は認められなかった」「剥離された付箋が押圧用ローラで被転写面(紙)に押し付けられたが、貼り付け状況は良好であった」ものの、「粘着する力は、僅かにではあるが弱くなっていた。なお、粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっているのは、付箋個体のものであって、付箋貼り具の機能低下等によるものではないと推測される」。項[0030]「長期保管する場合は、粘着する力の耐久性について充分に配慮する必要」があると記載がある。つまり、付箋転写具(1)は、粘着剤を塗布した付箋をテープに貼着し配した付箋付きテープ(10)の付箋を紙面等に貼り付ける付箋貼り具であるが、14年6ヶ月以上保管後、使用してみたところ、付箋付きテープ(10)の付箋の粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっていて、長期保管する場合は、粘着する力の耐久性について充分に配慮する必要があった。
【0006】
特許文献1に記載の付箋転写具(1)は、付箋付きテープ(10)の付箋の粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっていて、また、特に振動等が付与される環境ではない状態で保管されていた。しかし、実際には、付箋転写具(1)の使用形態としては、持ち運び等もあり、振動を受けやすい環境のもとで使われる。このような振動等が付与される環境においては、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある。さらには、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性がある。つまり、付箋付きテープについて、持ち運び等の振動等が付与される環境においては、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがあり、さらには、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性がある、という問題がある。前記問題を解消し、持ち運び等の振動等が付与される環境において、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減し、また、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性を低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A2)。
【0007】
次に、第3の課題を記す。また、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある。つまり、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある、という問題がある。前記問題を解消し、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A3)。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によると上記課題は、次のようにして解決される。
粘着剤層を塗布した付箋が帯状の基材の片面に重ね合わされ、該付箋が該基材に重ね合わされる面に該付箋の該粘着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離可能に設けられ、基材から付箋が剥離した後も付箋が粘着性を示す該粘着剤層を配置した、被転写面に付箋を貼り付ける付箋転写具で使用する付箋付きテープにおいて、該基材の長手方向の該付箋の長さを、基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラの中心から、付箋が貼り付けられる被転写面までの最短長さより大きく設けたことを特徴とする付箋付きテープとする。
【0009】
擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置したことを特徴とする付箋付きテープとする。
【0010】
前記付箋の一方の端部側に前記粘着剤層を配置し、前記付箋の他方の端部側に前記擬似接着剤層を配置したことを特徴とする付箋付きテープとする。
【0011】
前記擬似接着剤層は、加圧または加熱により擬似接着されることを特徴とする付箋付きテープとする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、次のような効果を奏する。
(1)粘着剤層を塗布した付箋が帯状の基材の片面に重ね合わされ、該付箋が該基材に重ね合わされる面に該付箋の該粘着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離可能に設けられ、基材から付箋が剥離した後も付箋が粘着性を示す該粘着剤層を配置した、被転写面に付箋を貼り付ける付箋転写具で使用する付箋付きテープにおいて、該基材の長手方向の該付箋の長さを、基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラの中心から、付箋が貼り付けられる被転写面までの最短長さより大きく設けてあるので、付箋の剛性によっては直線状を維持することがやや困難な場合、ごくまれに、湾曲するテープ単体の動きに追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果A1-実1)。
また、付箋付きテープは、擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置してあっても、該基材の長手方向の該付箋の長さを、基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラの中心から、付箋が貼り付けられる被転写面までの最短長さより大きく設けてあるので、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果7-実1)。
また、付箋付きテープは、現行の市販品程度の微粘着のおよそ2倍程度のやや強めの粘着剤を使用した粘着剤層を配置してあっても、該基材の長手方向の該付箋の長さを、基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラの中心から、付箋が貼り付けられる被転写面までの最短長さより大きく設けてあるので、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果8-実1)。
(2)擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置してあるので、付箋転写具にて、持ち運び等の振動等が付与される環境において、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができ、また、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性を低減することができる、という効果がある。(効果A2―実1)。
また、同様に、擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置してあるので、付箋転写具にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができる、という効果がある。(効果A3―実1)。
擬似接着される擬似接着剤層を前記付箋に塗布し、該付箋が前記基材に重ね合わされる面に該付箋の該擬似接着剤層側を配置し、基材から付箋が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層を配置してあるので、付箋に使用する材質が、PET、塩ビ等のフィルムの場合、あるいは、付箋に使用する材質が、紙であったとしても、現行の市販品程度よりも厚さが厚い場合、やや弾力性が大きくなっている場合でも、基材上にある付箋を保持できない可能性を完全には否定することができない、ということは少なく、テープから付箋が脱落等してしまう恐れをさらに低減する、という効果がある(効果2-実1)。
(3)前記付箋の一方の端部側に前記粘着剤層を配置し、前記付箋の他方の端部側に前記擬似接着剤層を配置してあるので、粘着剤層と擬似接着剤層とが混ざることがなく、本来有する機能を確実に発揮することができる、という効果がある(効果3-実1)。
(4)前記擬似接着剤層は、加圧または加熱により擬似接着されるが、加圧または加熱によることで、擬似接着剤層は、通常、常温常圧下では接着力がないが、加圧または加熱により接着する力が付与され、基材と付箋とを接着させる。接着させた後、基材から付箋の剥離が可能であって、常温にて、剥離後に再接着せず、剥離後に接着性を示さない機能を有することができる、という効果がある。(効果1-実1)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に、添付図面に基づいて本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明の範囲は、以下に説明される実施の形態に限定されるものではない。また、前記(発明が解決しようとする課題)の項で記載した各課題に付した番号については、例えば、(課題A1)の「A1」は課題の番号を表現している。また、前記(発明の効果)の項で記載した各効果に付した番号については、各課題に付した番号に対応するかたちで記載してある。例えば、(課題A1)に対応する効果に付した番号は(効果A1-実1)というようにしてあり、「実1」は実施例1を表現している。当該明細書全体にも、そのように記してある。なお、当該明細書に記載してある各効果であって、前記(発明が解決しようとする課題)の項または当該明細書にて、対応する課題の番号を記載していないものについては、次のようにしてある。例えば、(効果1-1)の初めの数字「1」は実施例1を、「―」の次の2番目の数字はその連番を表現している。
【0014】
本発明の一実施形態である、各実施例について記す。図について、一部、説明する。
図1は、実施例1を説明するための簡略図であり、付箋(9)等一部省略してある。
図2、8、11は、各々の実施例の未使用の付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)の一部で上から見た図としてある。なお、
図2は、実施例1と実施例2との共通の図としてある。
図3は、実施例1の
図2のA1-A2線にてY方向から見た断面、
図4は、実施例1の
図2のB1-B2線にてY1方向から見た断面、
図6は、実施例2の
図2のB1-B2線にてY1方向から見た断面、
図9は、実施例3の
図8のA1b-A2b線にてYb方向から見た断面を描いてある。また、
図5は、実施例1の
図2の付箋(9)を取り外してある、付箋を配置していない付箋付きテープ(10)の一部で上から見た図、
図7は、実施例2の
図2の付箋(9a)を取り外してある、付箋を配置していない付箋付きテープ(10a)の一部で上から見た図、
図10は、実施例3の
図8の付箋(9b)を取り外してある、付箋を配置していない付箋付きテープ(10b)の一部で上から見た図としてある。
【0015】
なお、当該発明の付箋付きテープと、付箋転写具との関係を説明するため、「背景技術」の項で記載した「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具について記す必要性から、当該の「発明を実施するための最良の形態」等に記載の番号は、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に記載の番号を、便宜上そのまま流用している。よって、例えば、特許文献1の付箋付きテープの「付箋付きテープ(10)」と、当該発明の実施例1の「付箋付きテープ(10)」とは同じ番号としてある。また、例えば、特許文献1の付箋付きテープの「付箋(9)」と、当該発明の実施例1の「付箋(9)」とは同じ番号としてある。
【0016】
なお、特許文献1の「付箋(9)を貼着していないテープ(23)」を、便宜上、用語を置き換えて当該発明では「基材(23)」と記してある。このように混在して記載してあるので一部まぎわらしい箇所もあることに留意する。
【0017】
次に、当該明細書にて、記載の用語の意味等について補完する。「転写具」は、「固体状の糊」「液体状の糊」「粘着剤」「接着剤」「粘着テープ」「粘着剤が塗布されていないテープ」などの転写物を、フィルム、紙等の転写対象物に転写する際に用いる道具として、付箋転写具も、転写という同様の機能、形態等を有することから転写具としてある。当該付箋も粘着剤が塗布されており、前記「など」の転写物に含まれると考慮して記してある。
【0018】
また、一般的には、「接着剤」とは、使用前は液体で、貼り付けると固体になるもの、「粘着剤」は、液体と固体との両方の性質を持ち、常に濡れたような状態を安定して維持しているもの、となっている。「粘着剤」の「濡れたような状態」とは、例えば、貼る前も貼った後も、ベタベタした柔らかい状態等のことを述べている。また、「粘着剤層」とは、粘着剤より形成してある層を、「擬似接着剤層」とは、擬似接着剤より形成してある層のことを述べている。
【0019】
次に、「挟入」について記す。「挟入」という用語は広辞苑には記載されていない。特許技術用語集第2版(日刊工業新聞社)には記載がある。「挟入」は、挟み込むこと。両部材間に挟み入れること。と記載されている。次に、「ローラ」について記す。「ローラー」という用語は広辞苑には記載がある。「ローラー」は、主として円筒形のころがるもの。ロール。と記載されている。
【0020】
次に、実施例1である、付箋付きテープ(10)について記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)は、
図1~5にて、次のようにしてある。
図1~5にて、粘着剤層(48)を塗布した付箋(9)が帯状の基材(23)の片面(47)に重ね合わされ、該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該粘着剤層(48)側を配置してある。
【0021】
基材(23)から付箋(9)が剥離可能に設けられている。基材(23)から付箋(9)が剥離した後も付箋(9)が粘着性を示す該粘着剤層(48)を配置してある。
【0022】
なお、「該帯状の基材(23)の片面(47)」と「該基材(23)と該付箋(9)とが重ね合わされる面(47)」とは、同じ面のことを述べている。また、該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該粘着剤層(48)がくるよう配置してある。
【0023】
基材(23)の材質として、 原料パルプとしては、木材パルプ、非木材パルプ、脱墨パルプなどが挙げられる。例えば、木材パルプとして、広葉樹系のクラフトパルプ、針葉樹系のクラフトパルプ等の化学パルプ、あるいは、半化学パルプ、機械パルプ等が挙げられる。また、古紙などの脱墨パルプが挙げられる。また、クラフト紙、上質紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙、コート紙等を使用してもよい。例えば、グラシン紙をシリコンでコーティングしたもの等を使用する。樹脂性フィルムであってもよい。なお、基材(23)の材質として、これらに特に限定するものではない。基材から付箋を剥離しやすいように、基材と付箋が重ね合わされる面に離型処理剤を塗布してもよい。離型処理剤として、例えば、シリコーン、長鎖アルキルポリマー、ポリオレフィン、アルキド樹脂、フッ素化合物等使用してもよい。なお、離型処理剤として、これらに特に限定するものではない。基材(23)の厚さは、特に限定するものではないが、0.012~0.040mm程度とする。付箋(9)に使用する基材(23)の厚さ、材質等は、各種転写具の現行の市販品程度が好ましい。
【0024】
また、付箋(9)は、鉛筆等でも書き込み可能な一般的な、代表例的な付箋とし、付箋(9)の材質は紙が好ましい。付箋(9)の材質として、上質紙、色上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、ケント紙、ノンカーボン紙、模造紙、クラフト紙、グラシン紙、パーチメント紙、レーヨン紙等が挙げられる。ただし、特に限定するものではなく、鉛筆等では書き込みができない、主に、粘着シール等で使用するPET、塩ビ等の特殊なフィルム等であってもよい。具体的には、樹脂製フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレン、ポリアミド、ポリウレタン等が挙げられる。また、特に限定するものではないが、紙の場合の付箋(9)の厚さは、0.08~0.1mm程度が好ましく、各種転写具の現行の市販品程度が好ましい。
【0025】
前記付箋(9)には、再貼着再剥離可能な粘着剤(8)が塗布されている。再貼着再剥離可能な粘着剤(8)からなる粘着剤層(48)が塗布されている。「粘着剤層」とは、粘着剤により形成した層のことを述べている。再貼着再剥離可能な粘着剤(8)は、繰り返して使用することを考えて、一般的に、微粘着のものが使用されている。付箋(9)に使用する粘着剤(8)は、貼り付けた後、剥がして、再度貼り付ける再貼付タイプの微粘着の現行の市販品程度としてある。
【0026】
また、一般に、付箋の貼り付けは、手の指等により貼り付けられていて、貼り付けて当初の目的を達成した後で必要性がない場合は貼り付けた付箋は取り外される事を前提としており、取り外しが容易なように、付箋(9)に設けてある粘着剤(8)の粘着する力は、市販品は強くなく、当該付箋(9)も同様とし、付箋(9)に使用する粘着剤(8)は、現行の市販品程度とする。付箋(9)に使用する粘着剤(8)は、例えば、貼り付けた後、剥がして、再度貼り付ける再貼付タイプとし、微粘着を使用したものが好ましい。粘着剤(8)の成分としては、水溶性のエマルジョンタイプあるいは溶剤性のソルベントタイプのアクリル系、または、シリコーン系、ゴム系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエチレン系等の樹脂を主成分とするもので構成される。 より具体的には、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、またはこれらの共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、天然ゴム、カゼイン、ゼラチン、ロジンエステル、テルペン樹脂、フェノール系樹脂、スチレン系樹脂、クロマンインデン樹脂、ポリビニルエーテル、シリコーン樹脂等、また、アルファ-シアノアクリレート系、シリコーン系、マレイミド系、スチロール系、ポリオレフィン系、レゾルシノール系、ポリビニルエーテル系が可能である。粘着剤(8)の種類としては、有機溶剤溶解型、有機溶剤分散型、水分散型、水溶解型等のものを用いることができる。また、粘着剤(8)は、被転写面(貼り付け面)への糊残りがなく、繰り返し使用が可能等の特性が要求されるため、粒子状の粘着成分を含む粘着剤層(48)としてあり、粘着剤層(48)は、複数の球状粒子を分散させて構成してある。球状粒子を分散させておくことで、剥離が容易になり、被転写面(貼り付け面)への粘着剤層(48)の残留を抑制できる。球状粒子は、真球状、楕円状、針状、扁平状の粒子等が好ましいが特に限定するものではない。粘着剤層(48)の厚さ寸法は、3μm以上300μm以下が好ましいが特に限定するものではない。例えば、3μm以上100μm以下であってもよい。なお、具体的には、リピール等使用の粘着剤等が好ましい。
【0027】
粘着剤(8)の塗布面積については、付箋(9)全面ではなく、長手方向の付箋(9)の長さに対して、押圧用ローラ(13)、分離用ローラ(12)側から(歯車側からではなく)3分の1程度のところまでとしてある。しかし、特に限定するものではない。歯車側からであってもよい。
【0028】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、
図1~5にて、次のようにしてある。被転写面(16)に付箋(9)を貼り付ける付箋転写具(1)で使用する付箋付きテープ(10)としてある。
【0029】
未使用の付箋付きテープ(10)は粘着剤(8)を塗布した付箋(9)を基材(23)に貼着し配してある。
【0030】
次に、実施例1である、付箋付きテープ(10)と付箋転写具(1)との関係を説明するため、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)を例にして記す。付箋転写具(1)は、
図12~
図16にて、本体容器(7)を有している。転写前のテープ(23)が繰り出される繰り出しリール(3)と、転写後のテープ(4)を巻き取る巻き取りリール(5)と、前記繰り出しリール(3)と前記巻き取りリール(5)とを連動させる連動手段(6)((6A)(6B)(6C))とを本体容器内(7)に備えた転写具としてある。本体容器内(7)に次のものを備えてある。粘着剤(8)を塗布した付箋(9)をテープ(23)に貼着し配した未使用の付箋付きテープ(10)が繰り出される繰り出しリール(3)を配置してある。使用後の付箋付きテープ(11)を巻き取る巻き取りリール(5)を配置してある。分離用ローラ(12)、押圧用ローラ(13)、従動用ローラ(14)、補助ローラ(15)を回動自在に設けてある。繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離する湾曲させた場所かつ繰り出しリール(3)と巻き取りリール(5)間かつ前記押圧用ローラ(13)の近傍に分離用ローラ(12)を配置してある。前記付箋付きテープ(10)より剥離した前記付箋(9)を被転写面(16)に押し付ける前記押圧用ローラ(13)を配置してある。押圧用ローラ(13)と前記従動用ローラ(14)とを連動させる連動手段(17)とを有している。繰り出しリール(3)と巻き取りリール(5)との間に従動用ローラ(14)を配置してある。従動用ローラ(14)に対向して前記補助ローラ(15)を配置してある。繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を従動用ローラ(14)と補助ローラ(15)との間に挟入させてある。
【0031】
次に、付箋転写具(1)の作用について、説明する。被転写面(16)に押し付けながら回転させた押圧用ローラ(13)により従動用ローラ(14)が回転する。従動用ローラ(14)と補助ローラ(15)との間に挟入させた付箋付きテープ(10)が従動用ローラ(14)の回転によって従動する。繰り出しリール(3)より繰り出された未使用の付箋付きテープ(10)から分離用ローラ(12)によって付箋(9)が剥離される。剥離された付箋(9)が前記押圧用ローラ(13)で被転写面(16)に押し付けられる。使用後の付箋付きテープ(11)が巻き取りリール(5)で巻き取られる。被転写面(16)に付箋(9)を貼り付ける付箋転写具(1)としてある。
【0032】
次に作用について、補足する。
図14~16にて、付箋転写具(1)を手等で掴み、貼り付ける紙面等の上に、つまりは、被転写面(16)に押圧用ローラ(13)を押しあて、付箋転写具(1)を矢印Bで示すように後方へ移動させることにより、押圧用ローラ(13)を矢印Rで示すように時計回りに回転させ、押圧用ローラ(13)に一体的に設けた第2駆動歯車(33)が同様に時計回りに回転し、第2駆動歯車(33)と噛み合う第3従動歯車(34)が反時計回りに回転し、次に、第3従動歯車(34)と噛み合う第4従動歯車(35)が時計回りに回転し、さらには、第4従動歯車(35)と噛み合う第5従動歯車(36)が反時計回りに回転する。そして、第5従動歯車(36)と一体的に設けた従動用ローラ(14)が同様に反時計回りに回転する。つまりは、連動手段(17)によって、押圧用ローラ(13)と従動用ローラ(14)とが連動して回転する。
【0033】
従動用ローラ(14)と補助ローラ(15)との間に挟入させた付箋付きテープ(10)が従動用ローラ(14)の回転によって、繰り出しリール(3)側から巻き取りリール(5)側の方向(矢印Z)に移動する、つまりは、従動用ローラ(14)の回転によって、未使用の付箋付きテープ(10)が従動する。この場合、補助用ローラ(15)も時計回りに同時に回転する。未使用の付箋付きテープ(10)が移動するので、繰り出しリール(3)も矢印Lで示すように反時計回りに同時に回転する。
【0034】
次に、繰り出しリール(3)に一体的に設けた第1駆動歯車(6A)が同様に反時計回りに回転し、第1駆動歯車(6A)と噛み合う第1従動歯車(6B)が時計回りに回転し、次に、第1従動歯車(6B)と噛み合う第2従動歯車(6C)が反時計回りに回転する。そして、第2従動歯車(6C)と一体的に設けた巻き取りリール(5)が同様に反時計回りに回転する。つまりは、連動手段(6)によって、繰り出しリール(3)と巻き取りリール(5)とが連動して回転する。
【0035】
巻き取りリール(5)が反時計回りに回転すると、使用後の付箋付きテープ(11)が巻き取りリール(5)で巻き取られるので、繰り出しリール(3)側から巻き取りリール(5)側の方向(矢印K)に使用後の付箋付きテープ(11)が移動する。
【0036】
同時に、付箋付きテープは、押圧用ローラ(13)と分離用ローラ(12)間を滑走する。分離用ローラ(12)上に沿うように滑走する付箋付きテープにて、未使用の付箋付きテープ(10)の付箋(9)は、未使用の付箋付きテープ(10)のテープ(23)の動きに連動せずに、未使用の付箋付きテープ(10)のテープ(23)から剥離する。つまり、繰り出しリール(3)より繰り出された未使用の付箋付きテープ(10)から分離用ローラ(12)によって付箋(9)が剥離される。
【0037】
付箋貼り具(1)を矢印Bで示すように後方へ移動させているので、剥離した付箋(9)が、前方へ、押圧用ローラ(13)の下面と貼り付ける紙面等の間に移動し、押圧用ローラ(13)に押し付けられ、紙面等に貼り付けられる。つまりは、剥離された付箋(9)が押圧用ローラ(13)で被転写面(16)に押し付けられる。被転写面(16)に付箋(9)を貼り付ける。そして、紙面等に貼り付けられるとともに、付箋(9)が剥離した使用後の付箋付きテープ(11)のテープ(23)のみが巻き取りリール(5)に巻き取られる。
【0038】
次に、引き続き、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)の課題について記す。なお、重複するが、発明が解決しようとする課題、で記した課題に対応するように記載してある。第1の課題を記す。特許文献1の付箋転写具(1)にて、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」され、「剥離された付箋(9)が前記押圧用ローラ(13)で被転写面(16)に押し付けられ」て、「貼り付け」られる。この場合、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」ると、通常、テープ(23)単体だけが湾曲し、付箋(9)は、付箋(9)自身の剛性によって直線状を維持し、湾曲するテープ(23)単体の動きには追従しないので剥離する。しかし、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、付箋(9)の剛性によっては直線状を維持することがやや困難な場合、ごくまれに、湾曲するテープ(23)単体の動きに追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性がある、という問題がある。前記問題を解消し、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、湾曲するテープ(23)単体の動きに付箋(9)が追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A1)。
【0039】
次に、実施例1である、付箋付きテープ(10)について記す。また、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、
図1~
図2にて、次のようにしてある。
図1~
図2にて、付箋付きテープ(10)は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてある。
【0040】
なお、分離用ローラ(12)の中心(オ)とは、円形状である分離用ローラ(12)の円の中心であり、中心点である。分離用ローラ(12)の支軸の中心である。
【0041】
次に、第1の課題に対する効果を記す。
「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)は、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、剛性によって直線状を維持することがやや困難な付箋(9)であっても、被転写面(16A)(16B)に付箋(9)の先端側(46)が接触して、そのまま押圧用ローラ(13)と被転写面(16)の間に挟入し、押圧用ローラ(13)によって被転写面(16)に押し付けられて貼り付けられる。つまり、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、付箋(9)の剛性によっては直線状を維持することがやや困難な場合、ごくまれに、湾曲するテープ(23)単体の動きに追従してしまい、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果A1-実1)
【0042】
次に、前記「付箋(9)の剛性によっては直線状を維持することがやや困難な場合」について説明する。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)の「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させる」直前までは、付箋付きテープ(10)の付箋(9)は直線状である。「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、一時的に極僅かではあるが微少な曲がりが付箋(9)に一部発生する場合がある。しかし、極端な曲がりではない。全体的には直線状である。この状態のことを述べている。極端な曲がりではなく、微少な曲がりであるので、実施例1について、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けることにより、課題は解消される。
【0043】
なお、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)には、次のように記載がある。「特許文献1」の項[0038]にて、「『剥離する』『場所』の機構的要因」が3つ挙げられて、3つ目として、「特許文献1」の
図10にて、「∠アイウが、およそ90度より小さい角度であること」「直線カイが、付箋付きテープ(10)に貼り付けてある付箋の、テープの長手方向と平行である辺の寸法の半分よりも、およそ小さい寸法であること」「ただし、」「特に限定するものではない」と記載されている。つまり、「直線カイ」と「付箋の、テープの長手方向と平行である辺の寸法」との関係について述べてあるが、「特に限定するものではな」く、参考程度として記してある。また、「特許文献1」の項[0015]にて、「各図の付箋は、わかりやすくするため、厚みを故意に大きく描いてあり」、「特許文献1」の項[0038]にて、「
図10は、実施例1、2を説明するための簡略図である」と記されている。つまり、同様に、図についても、付箋の大きさは参考程度として記載されていることに留意する。「基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラ」について、同様の機能を有するものを具備する、被転写面に付箋を貼り付ける道具であれば、当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)を適用するものとする。「ローラー」という用語は「主として円筒形」と広辞苑には記載があるように、「主として」であるので、円筒形でなくてもよく、その形状について特に限定するものではない。また、「ローラ」は回転性を有するものではあるが、回転性を有しないものであっても、「基材より付箋を分離させる」分離の機能を有するものであってもよい。
【0044】
なお、実施例1は、課題1を鑑み、推し進めた結果、顕著な効果に到達した。本願発明のような前記の構成について、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具には何も記載がない。これらの構成に困難性があり、当業者が容易になし得る事項ではないと確信する。また、顕著な効果を達成する本願発明の実施例1の特徴について、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に何も記載がない。顕著な効果を達成する本願発明の実施例1の特徴について、当業者が容易に想到し、適宜なし得る設計的事項ではないと確信する。
【0045】
次に、引き続き、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)の課題について記す。なお、重複するが、発明が解決しようとする課題、で記した課題に対応するように記載してある。第2の課題を記す。特許文献1の付箋転写具にて、また、次のように記載されている。項[0024]「粘着剤は、貼り付けた後、剥がして再度貼り付ける再貼付タイプの微粘着のリピールのものを使用して」おり、「付箋付きテープの付箋の数は、1点当り120枚程度で」あって、「未使用の付箋付きテープを繰り出しリールに巻いた状態で14年6ヶ月以上保管し」た「付箋貼り具の試作品」について、確認してところ、「テープから脱落している付箋は1枚もなく、テープ、付箋には変形等は特に認められなかった」「押圧用ローラを回転させてみた。繰り出しリールより繰り出された未使用の付箋付きテープから分離用ローラによって付箋が剥離されたが、剥離状況は良好で特に異常は認められなかった」「剥離された付箋が押圧用ローラで被転写面(紙)に押し付けられたが、貼り付け状況は良好であった」ものの、「粘着する力は、僅かにではあるが弱くなっていた。なお、粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっているのは、付箋個体のものであって、付箋貼り具の機能低下等によるものではないと推測される」。項[0030]「長期保管する場合は、粘着する力の耐久性について充分に配慮する必要」があると記載がある。つまり、付箋転写具(1)は、粘着剤を塗布した付箋をテープに貼着し配した付箋付きテープ(10)の付箋を紙面等に貼り付ける付箋貼り具であるが、14年6ヶ月以上保管後、使用してみたところ、付箋付きテープ(10)の付箋の粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっていて、長期保管する場合は、粘着する力の耐久性について充分に配慮する必要があった。
【0046】
特許文献1に記載の付箋転写具(1)の付箋付きテープ(10)は、付箋付きテープ(10)の付箋の粘着する力が、僅かにではあるが弱くなっていて、また、特に振動等が付与される環境ではない状態で保管されていた。しかし、実際には、付箋転写具(1)の使用形態としては、持ち運び等もあり、振動を受けやすい環境のもとで使われる。このような振動等が付与される環境においては、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある。さらには、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性がある。つまり、付箋付きテープについて、持ち運び等の振動等が付与される環境においては、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがあり、さらには、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性がある、という問題がある。前記問題を解消し、持ち運び等の振動等が付与される環境において、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減し、また、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性を低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A2)。
【0047】
次に、第3の課題を記す。また、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある。つまり、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの付箋の粘着する力が弱い場合、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れがある、という問題がある。前記問題を解消し、付箋転写具(1)にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減する付箋付きテープを提供することを目的とする(課題A3)。
【0048】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、次のようにしてある。実施例1である、付箋付きテープ(10)は、
図2、
図4、
図5にて、次のようにしてある。擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置してある。基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してある。
【0049】
なお、「該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該粘着剤層(48)側を配置し」と、「該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し」の「重ね合わされる面(47)」は、同じ面のことを述べているが、各層が配置される箇所は相違する。
【0050】
「疑似接着剤層」とは、疑似接着剤により形成した層のことを述べている。疑似接着剤層(49)とは、基材(23)と付箋(9)とを疑似的に接着するもので、基材(23)と付箋(9)との間に剥離する力を加えれば容易に剥離する状態にある接着状態を実現する層を述べている。該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面にて、疑似接着剤層(49)を形成する。疑似接着剤層(49)は、基材(23)と付箋(9)とを接着させ、基材(23)から付箋(9)の剥離が可能であって、剥離後に再接着しないよう形成し、剥離後に接着性を示さないものを使用してある。よって、疑似接着剤層(49)は、粘着剤層(48)とは相違し、仮止めのような役目はない。
【0051】
疑似接着剤としては、酢酸ビニル系、エチレン-酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ウレタン系、アクリル系、セルロース樹脂などの熱可塑性樹脂、ゴム系接着剤及びこれらの混合物からなる接着剤等が挙げられる。また、疑似接着剤としては、例えば、ホットメルト接着剤にシリコーンを配合するなどして再接着性を低下させたホットメルト系疑似接着剤、天然又は合成ゴム系、シリコン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、有機溶剤系等が挙げられる。疑似接着剤は、微粒子充填剤を含んでもよい。微粒子充填剤としては、合成シリカ、澱粉、タルク等が挙げられる。エマルジョン系の非剥離性接着剤に亜鉛華、酸化チタン、シリカ、炭酸カルシウム等の既知の微粒子充填剤を配合した疑似接着剤等が挙げられる。あるいは、水溶性エマルジョン系疑似接着剤、他に、仮止め接着剤といわれるポリプロピレン酢酸ビニル共重合物の水性エマルジョン等が挙げられる。
剥離剤、目止め剤を併用して接着強度を調整してもよい。
【0052】
疑似接着剤層(49)は、剥離後に再接着しないよう形成し、剥離後に接着性を示さないので、基材(23)から付箋(9)が剥離後に、基材(23)または付箋(9)のどちらに疑似接着剤層(49)が残ってもよい。また、疑似接着剤層(49)が凝集破壊されて層が裂けるような態様で剥離されてもよい。
【0053】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、次のようにしてある。前記擬似接着剤層(49)は、加圧または加熱により擬似接着されるようにしてある。
【0054】
疑似接着剤層(49)を形成する方法は、主に次の方法がある。糊方式の疑似接着剤としては、合成ゴム或いは天然ゴムを主成分としたもの、UVニス、水性タイプのエマルジョンやラテックス等を主成分としたもの等が挙げられる。
糊方式の疑似接着剤層(49A)を形成する方法としては、形成する面に疑似接着剤を塗布した後、形成する面同士を対向させて、加熱、加圧等により圧着させる。先糊方式と後糊方式とがある。
また、フィルム方式の疑似接着剤としては、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、天然ゴム系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、紫外線硬化ニス、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂等が挙げられる。フィルム方式の疑似接着剤層(49B)を形成する方法としては、疑似接着剤をフィルム状にしたフィルムシートを形成する面に被覆し、形成する面同士を対向させて、加熱、加圧等により圧着させる。
また、紫外線方式の疑似接着剤としては、アクリル酸エステルワニス、ポリアミドワニス等の樹脂含有液体ワニス、紫外線硬化型ワニス組成物等が挙げられる。紫外線方式の疑似接着剤層(49C)を形成する方法としては、形成する面に疑似接着剤を塗布した後、紫外線や電子線といった活性エネルギー線の照射をして硬化させる。
なお、疑似接着剤、疑似接着剤層(49)を形成する方法は、これらに特に限定するものではない。また、疑似接着剤層(49)は、加熱と加圧との両方により擬似接着されるようにしてもよい。
【0055】
次に、別の効果について記す。前記擬似接着剤層(49)は、加圧または加熱により擬似接着されるが、「加圧または加熱による」ことに対する効果を記す。疑似接着剤層(49)は、常温では接着しないようになっている。擬似接着剤層(49)は、通常、常温常圧下では接着力がないが、加圧または加熱により接着する力が付与され、基材(23)と付箋(9)とを接着させる。接着させた後、基材(23)から付箋(9)の剥離が可能であって、常温にて、剥離後に再接着せず、剥離後に接着性を示さない機能を有することができる、という効果がある。(効果1-実1)。なお、常温とは、日本工業規格(JISZ8703)では、20±15℃となっている。
【0056】
次に、第2の課題に対する効果を記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)は、擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し、基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してあるので、付箋転写具にて、持ち運び等の振動等が付与される環境において、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができ、また、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性を低減することができる、という効果がある。(効果A2―実1)。
次に、第3の課題に対する効果を記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)は、擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し、基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してあるので、付箋転写具にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができる、という効果がある。(効果A3―実1)。
【0057】
引き続き、別の課題とその効果について記す。
例えば、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具にて、「テープ(23)の厚さ、材質」「粘着剤(8)」は現行の市販品程度のものであったとしても、付箋(9)に使用する材質が、PET、塩ビ等のフィルムの場合、あるいは、付箋(9)に使用する材質が、紙であったとしても、現行の市販品程度よりも厚さが厚い場合、やや弾力性が大きくなっている場合は、基材(23)上にある付箋(9)を保持できない可能性も完全には否定することができなく、繰り出しリール(3)より付箋付きテープ(10)が繰り出された時に、テープ(23)から付箋(9)が脱落等してしまう恐れがないとは完全には否定することができない、という問題がある。しかし、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し、基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してあるので、付箋(9)に使用する材質が、PET、塩ビ等のフィルムの場合、あるいは、付箋(9)に使用する材質が、紙であったとしても、現行の市販品程度よりも厚さが厚い場合、やや弾力性が大きくなっている場合でも、基材(23)上にある付箋(9)を保持できない可能性を完全には否定することができない、ということは少なく、繰り出しリール(3)より付箋付きテープ(10)が繰り出された時に、テープ(23)から付箋(9)が脱落等してしまう恐れをさらに低減する、という効果がある(効果2-実1)。
【0058】
また、先に記したように、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し、基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してある。しかし、擬似接着剤層(49)を配置してあっても、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)は、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、剥離されにくいという恐れが少なく、被転写面(16A)(16B)に付箋(9)の先端側(46)が接触して、そのまま押圧用ローラ(13)と被転写面(16)の間に挟入し、押圧用ローラ(13)によって被転写面(16)に押し付けられて貼り付けられる。つまり、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、擬似接着される擬似接着剤層(49)を前記付箋(9)に塗布し、該付箋(9)が前記基材(23)に重ね合わされる面(47)に該付箋(9)の該擬似接着剤層(49)側を配置し、基材(23)から付箋(9)が剥離した後に接着性を示さない該擬似接着剤層(49)を配置してあっても、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果7-実1)
【0059】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)について記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)は、
図2~
図5にて、次のようにしてある。前記付箋(9)の一方の端部側(50)に前記粘着剤層(48)を配置してある。前記付箋(9)の他方の端部側(51)に前記擬似接着剤層(49)を配置してある。
【0060】
次に、その効果について記す。前記付箋(9)の一方の端部側(50)に前記粘着剤層(48)を配置し、前記付箋(9)の他方の端部側(51)に前記擬似接着剤層(49)を配置してあるので、粘着剤層(48)と擬似接着剤層(49)とが混ざることがなく、本来有する機能を確実に発揮することができる、という効果がある(効果3-実1)。
【0061】
該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)にて、基材(23)の長手方向(矢印E)の付箋(9)の長さ(H)である付箋(9)の全長(H)と、基材(23)の長手方向(矢印E)の粘着剤層(48)の長さ(F)との比は、およそ100:92としてある。また、同様に、該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)にて、基材(23)の長手方向(矢印E)の付箋(9)の長さ(H)である付箋(9)の全長(H)と、基材(23)の長手方向(矢印E)の擬似接着剤層(49)の長さ(G)との比は、およそ100:8としてある。つまり、言い換えると、該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)にて、粘着剤層(48)の長さ(F)と、擬似接着剤層(49)の長さ(G)との比は、およそ92:8としてある。該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)にて、基材(23)より付箋(9)が剥離された場合に、比較的剥離されやすい粘着剤層(48)が配置される面積に対して、粘着剤層(48)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとしてある。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)にて、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、擬似接着剤層(49)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとすることにより、付箋(9)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果4-実1)。また、擬似接着剤層(49)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとすることにより、該付箋(9)が該基材(23)に重ね合わされる面(47)にて、基材(23)と付箋(9)とが過度な接着とならず、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)にて、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させる」場合に、分離用ローラ(12)に沿いやすいので操作性がよい、という効果がある(効果5-実1)。
【0062】
また、同一の付箋で、基材(23)の長手方向(矢印E)にて、先に剥離される位置に設けてある粘着剤層(48)に対して、擬似接着剤層(49)は後で剥離される位置に設けてある。基材(23)より付箋(9)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48)を先の順に配置し、粘着剤層(48)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49)を後の順で配置してある。基材(23)より付箋(9)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48)を先の順に配置し、粘着剤層(48)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49)を後の順で配置することで、付箋(9)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果6-実1)。
【0063】
次に、実施例2である、付箋付きテープ(10a)について記す。実施例2である、付箋付きテープ(10a)は、
図2、
図6、
図7にて、次のようにしてある。前記付箋(9a)の一方の端部側(50a)に前記粘着剤層(48a)を配置してある。前記付箋(9a)の他方の端部側(51a)に前記擬似接着剤層(49a)を配置してある。
【0064】
付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)にて、基材(23a)の長手方向(矢印E)の付箋(9a)の長さ(H)である付箋(9a)の全長(H)と、基材(23a)の長手方向(矢印E)の粘着剤層(48a)の長さ(Fa)との比は、およそ100:84としてある。また、同様に、付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面にて、基材(23a)の長手方向(矢印E)の付箋(9a)の長さ(H)である付箋(9a)の全長(H)と、基材(23a)の長手方向(矢印E)の擬似接着剤層(49a)の長さ(G)との比は、およそ100:8としてある。さらに、実施例2は、実施例1とは別に、粘着剤層(48a)および擬似接着剤層(49a)を配置していない空間である空隙(52)を配置してある。付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)にて、何も塗布されていない隙間である空隙(52)を設けてある。空隙(52)は、付箋(9a)の先端側(46)に配置してある。また、付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)にて、基材(23a)の長手方向(矢印E)の付箋(9a)の長さ(H)である付箋(9a)の全長(H)と、基材(23a)の長手方向(矢印E)の空隙(52)の長さ(J)との比は、およそ100:8としてある。つまり、言い換えると、付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)にて、粘着剤層(48a)の長さ(Fa)と、擬似接着剤層(49a)の長さ(G)と、空隙(52)の長さ(J)との比は、およそ10.5:1:1としてある。
【0065】
また、付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)で、基材(23a)の短手方向(矢印P)にて、ローラ側から、擬似接着剤層(49a1)、粘着剤層(48a)、擬似接着剤層(49a2)、粘着剤層(48a)、擬似接着剤層(49a3)………擬似接着剤層(49a9)、粘着剤層(48a)の順で配置してある。付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)で、基材(23a)の短手方向(矢印P)にて、擬似接着剤層(49a1)の長さから擬似接着剤層(49a9)の長さまでの、各擬似接着剤層(49a)の長さ(Q)の合計と、擬似接着剤層と擬似接着剤層との間に設けた各粘着剤層(48a)の長さ(X)の合計との比は、およそ1:1としてある。
【0066】
実施例1と同様に、実施例2は次のような効果がある。付箋(9a)が基材(23a)に重ね合わされる面(47a)にて、基材(23a)より付箋(9a)が剥離される場合に、比較的剥離されやすい粘着剤層(48a)が配置される面積に対して、粘着剤層(48a)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49a)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとしてある。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)にて、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、擬似接着剤層(49a)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとすることにより、付箋(9a)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果1-実2)。
また、実施例2は、空隙(52)を設けてあるので、さらに、付箋(9a)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果2-実2)。
【0067】
また、実施例1と同様に、実施例2は次のような効果がある。同一の付箋で、基材(23a)の長手方向(矢印E)にて、先に剥離される位置に設けてある粘着剤層(48a)に対して、擬似接着剤層(49a)は後で剥離される位置に設けてある。粘着剤層(48a)を付箋(9a)の先端側(46)に配置し、擬似接着剤層(49a)は付箋(9a)の後端側に配置してある。基材(23a)より付箋(9a)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48a)を先の順に配置し、粘着剤層(48a)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49a)を後の順で配置してある。基材(23a)より付箋(9a)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48a)を先の順に配置し、粘着剤層(48a)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49a)を後の順で配置することで、付箋(9a)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果3-実2)。
また、実施例2は、先に剥離される位置に設けてある粘着剤層(48a)に対して、空隙(52)を、さらに、先に剥離される位置に設けてある。つまり、空隙(52)、粘着剤層(48a)、擬似接着剤層(49a)の順で配置してある。一番最初に剥離される位置に空隙(52)を配置してある。一番最初に剥離される位置に空隙(52)を配置してあるので、付箋(9a)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果4-実2)。
【0068】
次に、実施例3である、付箋付きテープ(10b)について記す。実施例3である、付箋付きテープ(10b)は、
図8~
図10にて、次のようにしてある。前記付箋(9b)の一方の端部側(50b)に前記粘着剤層(48b)を配置してある。前記付箋(9b)の他方の端部側(51b)に前記擬似接着剤層(49b)を配置してある。
【0069】
また、実施例2と同様に、実施例3は次のようにしてある。付箋(9b)が基材(23b)に重ね合わされる面(47b)にて、先に剥離される側から、空隙(52b)、粘着剤層(48b)、擬似接着剤層(49b)の順で配置してある。付箋(9b)が基材(23b)に重ね合わされる面(47b)で、基材(23b)の長手方向(矢印E)にて、空隙(52b)の長さ(J)と、粘着剤層(48b)の長さ(Fb)と、擬似接着剤層(49b)の長さ(Gb)との比は、およそ0.7:4.6:5.2としてある。また、付箋(9b)が基材(23b)に重ね合わされる面(47b)で、基材(23b)短手方向(矢印P)にて、ローラ側から、擬似接着剤層(49b1)、粘着剤層(48b)、擬似接着剤層(49b2)、粘着剤層(48b)、擬似接着剤層(49b3)の順で配置してある。付箋(9b)の両方の角部に相当する基材(23b)の箇所に、擬似接着剤層(49b1)(49b3)、中央部に擬似接着剤層(49b2)を各々配置してある。付箋(9b)が基材(23b)に重ね合わされる面(47b)で、基材(23b)の短手方向(矢印P)にて、擬似接着剤層(49b1)の長さ(Qb)と、粘着剤層(48b)の長さと、擬似接着剤層(49b2)の長さと、粘着剤層(48b)の長さ(Xb)と、擬似接着剤層(49b3)の長さとの比は、およそ0.3:13.5:0.3:13.5:0.3としてある。
【0070】
実施例1、2と同様に、実施例3は次のような効果がある。付箋(9b)が基材(23b)に重ね合わされる面(47b)にて、基材(23b)より付箋(9b)が剥離される場合に、比較的剥離されやすい粘着剤層(48b)が配置される面積に対して、粘着剤層(48b)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49b)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとしてある。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)にて、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、剥離されにくい擬似接着剤層(49b)が配置される面積を、少なく、ごく僅かとすることにより、付箋(9b)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果1-実3)。
また、実施例3は、空隙(52b)を設けてあるので、さらに、付箋(9b)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果2-実3)。
【0071】
また、実施例1、2と同様に、実施例3は次のような効果がある。同一の付箋で、基材(23b)の長手方向(矢印E)にて、先に剥離される位置に設けてある粘着剤層(48b)に対して、擬似接着剤層(49b)は後で剥離される位置に設けてある。粘着剤層(48b)を付箋(9b)の先端側(46b)に配置し、擬似接着剤層(49b)は付箋(9b)の後端側に配置してある。基材(23b)より付箋(9b)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48b)を先の順に配置し、粘着剤層(48b)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49b)を後の順で配置してある。基材(23b)より付箋(9b)が比較的剥離されやすい粘着剤層(48b)を先の順に配置し、粘着剤層(48b)より、やや剥離されにくい擬似接着剤層(49b)を後の順で配置することで、付箋(9b)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果3-実3)。
また、実施例3は、先に剥離される位置に設けてある粘着剤層(48b)に対して、空隙(52b)を、さらに、先に剥離される位置に設けてある。つまり、空隙(52b)、粘着剤層(48b)、擬似接着剤層(49b)の順で配置してある。一番最初に剥離される位置に空隙(52b)を配置してある。一番最初に剥離される位置に空隙(52b)を配置してあるので、付箋(9b)が剥離される場合に剥離が容易にされやすい、という効果がある(効果4-実3)。
【0072】
なお、特に図示しないが、実施例1~3である、付箋付きテープ(10)(10a)(10b)について、次のようにしてもよい。粘着剤層(48)、(48a)、(48b)、あるいは、疑似接着剤層(49)(49a)(49b)は、平面視で網目状、格子状、点在状に配してもよい。スポット状塗布を行ってもよい。
【0073】
次に、実施例4である、付箋付きテープ(10c)について記す。実施例4である、付箋付きテープ(10c)は、実施例1と同様にしてあるが、一部相違する。実施例4である、付箋付きテープ(10c)は、
図11にて、次のようにしてある。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に限らず、同様の主旨を備えた、付箋を貼り付ける付箋転写具に対して対応するため、次のようにしてある。付箋(9Ac)と付箋(9Bc)との間の、付箋(9Ac)(9Bc)を設けていない部分の基材(23c)で、基材(23c)の短手方向(矢印P)にて、3つの孔(53c1)(53c2)(53c3)を設けてある。例えば、孔(53c2)の中心から孔(53c3)の中心までの長さである、孔中心間の長さ(W)を、基材(23c)の短手方向(矢印P)にて、付箋(9Ac)(9Bc)の全長の3分の1程度としてある。また、端部から孔(53c1)の中心までの長さ(V)を、孔中心間の長さ(W)の2分の1程度としてある。
【0074】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)について、次のようにしてもよい。
図2にて、例えば、付箋(9A)と付箋(9B)との間の、付箋(9A)(9B)を設けていない部分の基材(23)の長さ(N)は特に限定するものではない。あるいは、隙間を無くして、付箋(9A)(9B)を連続的に配列してもよい。また、基材(23)の短手方向(矢印P)の付箋(9A)(9B)の長さよりも基材(23)の短手方向(矢印P)の基材(23)の長さを短く設けてもよい。
【0075】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)について、次のようにしてもよい。例えば、未使用の付箋付きテープ(10)は粘着剤(8)を塗布した付箋(9)を基材(23)に貼着し配してあるが、基材(23)に貼着し配する付箋(9)の方向を反時計回りに90度ずらして配置してもよい。その場合、基材(23)の短手方向(矢印P)の基材(23)の長さを、付箋(9)の短手方向の付箋(9)の長さに合わせてもよい。
【0076】
次に、当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)の適用について記す。当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)の適用は、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に限定しない。「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に類似性のある、あるいは準じる付箋転写具、付箋を貼り付ける道具についても、当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)の使用が可能であれば適用するものとする。被転写面に付箋を貼り付ける道具であればよい。当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)の使用に該当する付箋転写具としては、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具に設けたような、繰り出しリール(3)と、巻き取りリール(5)と、前記繰り出しリール(3)と前記巻き取りリール(5)とを連動させる連動手段(6)のようなものとを備えた転写具であればよい。従動用ローラ(14)、補助ローラ(15)等については、同様の機能を有するものであればよく、特に限定するものではない。「基材より付箋を分離させる付箋転写具の分離用ローラ」についても、同様の機能を有するものを具備する、被転写面に付箋を貼り付ける道具であれば、当該付箋付きテープ(10)(10a)(10b)(10c)を適用するものとする。当該項[0042]参照。
【0077】
実施例2、3、4である、付箋付きテープ(10a)(10b)(10c)、付箋転写具(1a)(1b)(1c)の基材(23a)(23b)(23c)、付箋(9a)(9b)(9c)、粘着剤層(48a)(48b)(48c)の粘着剤、擬似接着剤層(49a)(49b)(49c)の擬似接着剤等の材質、その他の形態等は、実施例1とおよそ同様にしてある。
【0078】
また、実施例1である、付箋付きテープ(10)は、特に図示しないが、次のようにしてもよい。前記付箋(9)に塗布されている再貼着再剥離可能な粘着剤(8)は、微粘着のものが使用されているが、現行の市販品程度の微粘着のおよそ2倍程度のやや強めの粘着剤を使用してもよい。やや強めの粘着剤を使用した粘着剤層の配置箇所、塗布面積については特には限定しない。やや強めの粘着剤を使用した粘着剤層を配置してあっても、「特許文献1」特願2019-138410の付箋転写具(1)は、「押圧用ローラ(13)」を「回転させ」て、「繰り出しリール(3)より繰り出された付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせて湾曲させることで付箋付きテープ(10)より付箋(9)が剥離」されるが、「付箋付きテープ(10)を前記分離用ローラ(12)に沿わせ」て、テープ(23)単体が湾曲する時に、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、剥離されにくいという恐れが少なく、被転写面(16A)(16B)に付箋(9)の先端側(46)が接触して、そのまま押圧用ローラ(13)と被転写面(16)の間に挟入し、押圧用ローラ(13)によって被転写面(16)に押し付けられて貼り付けられる。つまり、実施例1は、該基材(23)の長手方向(矢印E)の該付箋(9)の長さ(H)を、基材(23)より付箋(9)を分離させる付箋転写具(1)の分離用ローラ(12)の中心(オ)から、付箋(9)が貼り付けられる被転写面(16A)(16B)までの最短長さ(M)より大きく設けてあるので、現行の市販品程度の微粘着のおよそ2倍程度のやや強めの粘着剤を使用した粘着剤層を配置してあっても、剥離しない現象を生じてしまう可能性を低減できる、という効果がある。(効果8-実1)
【0079】
引き続き、次に、第2の課題に対する効果を記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)にて、前記付箋(9)に塗布されている再貼着再剥離可能な粘着剤(8)について、現行の市販品程度の微粘着のおよそ2倍程度のやや強めの粘着剤を使用した粘着剤層を配置してある場合は、付箋転写具にて、持ち運び等の振動等が付与される環境において、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができ、また、持ち運び等の途中で落下させて衝撃を与えた時も、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう可能性を低減することができる、という効果がある。(効果A2―実他)。
同様に、次に、第3の課題に対する効果を記す。実施例1である、付箋付きテープ(10)にて、前記付箋(9)に塗布されている再貼着再剥離可能な粘着剤(8)について、現行の市販品程度の微粘着のおよそ2倍程度のやや強めの粘着剤を使用した粘着剤層を配置してある場合は、付箋転写具にて、付箋付きテープを調整する場合に手で触った場合、あるいは、その他意図せず手等で触れた場合等などにおいても、付箋付きテープの一部の付箋が、付箋付きテープから脱落してしまう恐れを低減することができる、という効果がある。(効果A3―実他)。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【符号の説明】
【0081】
(1) 実施例1の付箋転写具(特許文献1)
(2) 転写前のテープ
(3) 繰り出しリール
(4) 転写後のテープ
(5) 巻き取りリール
(6) 連動手段
(6A) 第1駆動歯車
(6B) 第1従動歯車
(6C) 第2従動歯車
(7) 本体容器
(8) 粘着剤
(9) 付箋
(10) 未使用の付箋付きテープ(特許文献1)
実施例1の付箋付きテープ(本願発明)
(10a) 実施例2の付箋付きテープ(本願発明)
(10b) 実施例3の付箋付きテープ(本願発明)
(10c) 実施例4の付箋付きテープ(本願発明)
(11) 使用後の付箋付きテープ
(12) 分離用ローラ
(13) 押圧用ローラ
(14) 従動用ローラ
(15) 補助ローラ
(16) 被転写面
(16A) 被転写面
(16B) 被転写面
(17) 実施例1の連動手段
(18) 案内用ローラ
(19) 支軸
(20) 支軸
(22) 支軸
(23) テープ
基材
(24) 支軸
(25) 開口
(26) 支軸
(27) 支軸
(28) 支軸
(29) 支軸
(30) 支軸
(33) 第2駆動歯車
(34) 第3従動歯車
(35) 第4従動歯車
(36) 第5従動歯車
(46) 付箋の先端側
(47) 重ね合わされる面
片面
(48) 粘着剤層
(49) 擬似接着剤層
(50) 一方の端側
(51) 他方の端側
(52) 空隙
(53) 孔
(オ) 中心
(F) 粘着剤層の長さ
(G) 擬似接着剤層の長さ
(H) 付箋の長さ
(J) 空隙の長さ
(M) 最短長さ
(N) 付箋と付箋との間の基材の長さ
(Q) 擬似接着剤層の長さ(基材の短手方向)
(V) 端から孔中心までの長さ
(W) 孔中心間の長さ(孔中心から孔中心までの長さ)
(X) 粘着剤層の長さ(基材の短手方向)
(矢印B) 方向
(矢印E) 基材の長手方向
(矢印K) 方向
(矢印L) 反時計回り
(矢印P) 基材の短手方向
(矢印R) 時計回り
(矢印Y) 方向
(矢印Z) 方向