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特開2023-79797人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車
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  • 特開-人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079797
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車
(51)【国際特許分類】
   B62M 25/08 20060101AFI20230601BHJP
   B62M 6/45 20100101ALI20230601BHJP
   B62J 45/00 20200101ALI20230601BHJP
【FI】
B62M25/08
B62M6/45
B62J45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193441
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雄俊
(57)【要約】
【課題】ユーザビリティに貢献できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車を提供する。
【解決手段】人力駆動車用の制御装置は、ハウジングと、電源からの電力を入力するように構成されハウジングに設けられる受電部と、人力駆動車に設けられる少なくとも1つの検出装置の出力に応じた情報を無線通信によって受信するように構成されハウジングに設けられる無線受信部と、電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つに第1電気ケーブルを介して電気的に接続されハウジングに設けられるインタフェースと、ハウジングに設けられ情報に応じて、電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つを制御するように構成される制御部とを備え、ハウジングは、ドライブユニットとは別体に構成される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用の制御装置であって、
ハウジングと、
電気モータを含むドライブユニットによって推進力が付与される人力駆動車に設けられる電源からの電力を入力するように構成され、前記ハウジングに設けられる受電部と、
前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つの検出装置の出力に応じた情報を無線通信によって受信するように構成され、前記ハウジングに設けられる無線受信部と、
電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つに第1電気ケーブルを介して電気的に接続され、前記ハウジングに設けられるインタフェースと、
前記ハウジングに設けられ、前記情報に応じて、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御するように構成される制御部と、を備え、
前記ハウジングは、前記ドライブユニットとは別体に構成される、制御装置。
【請求項2】
前記受電部は、第2電気ケーブルを介して前記ドライブユニットに接続するように構成され、
前記受電部には、前記ドライブユニットおよび前記第2電気ケーブルを介して前記電源からの電力が入力される、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記受電部は、前記第2電気ケーブルが着脱可能に構成される第2電気コネクタを含む、請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つと、前記インタフェースを介して電力線搬送通信を行うように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記インタフェースは、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成される第1電気コネクタを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記インタフェースは、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成される第1電気コネクタを含み、
前記ハウジングは、第1端部および第2端部を有し、
前記第1電気コネクタは、前記第1端部から前記第2端部に向かう第1方向に前記第1電気ケーブルを移動させることによって、前記第1電気ケーブルが接続されるように構成され、
前記第2電気コネクタは、実質的に前記第1方向に前記第2電気ケーブルを移動させることによって、前記第2電気ケーブルが接続されるように構成される、請求項3に記載の制御装置。
【請求項7】
前記インタフェースは、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つに電力を供給するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つの検出装置は、車速検出装置、人力駆動力検出装置、および、クランク回転状態検出装置の少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項9】
前記無線受信部および前記制御部は、前記ハウジングの収容空間に配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載の制御装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載の制御装置と、
前記ドライブユニットと、
前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つと、を備える、人力駆動車用の制御システム。
【請求項11】
請求項10に記載の人力駆動車用の制御システムを備える、人力駆動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用の制御装置は、検出装置の出力に応じた情報に応じて各種コンポーネントを制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-230665号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、ユーザビリティを向上できる人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う制御装置は、人力駆動車用の制御装置であって、ハウジングと、電気モータを含むドライブユニットによって推進力が付与される人力駆動車に設けられる電源からの電力を入力するように構成され、前記ハウジングに設けられる受電部と、前記人力駆動車に設けられる少なくとも1つの検出装置の出力に応じた情報を無線通信によって受信するように構成され、前記ハウジングに設けられる無線受信部と、電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つに第1電気ケーブルを介して電気的に接続され、前記ハウジングに設けられるインタフェースと、前記ハウジングに設けられ、前記情報に応じて、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つを制御するように構成される制御部と、を備え、前記ハウジングは、前記ドライブユニットとは別体に構成される。
第1側面の制御装置によれば、無線通信によって少なくとも1つの検出装置の出力に応じた情報が受信されるため、少なくとも1つの検出装置と制御部との間の通信線が省略されることによってユーザビリティが向上される。
【0006】
本開示の第1側面に従う第2側面の制御装置において、前記受電部は、第2電気ケーブルを介して前記ドライブユニットに接続するように構成され、前記受電部には、前記ドライブユニットおよび前記第2電気ケーブルを介して前記電源からの電力が入力される。
第2側面の制御装置によれば、制御装置がドライブユニットに連動できる。
【0007】
本開示の第2側面に従う第3側面の制御装置において、前記受電部は、前記第2電気ケーブルが着脱可能に構成される第2電気コネクタを含む。
第3側面の制御装置によれば、第2電気ケーブルの交換、および、制御装置の交換をしやすい。
【0008】
本開示の第1から第3側面のいずれか1つに従う第4側面の制御装置において、前記制御部は、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つと、前記インタフェースを介して電力線搬送通信を行うように構成される。
第4側面の制御装置によれば、電力線搬送通信によって、電力の供給および通信を共通の電線によって行えるため、インタフェースに接続される電気ケーブルの構造を簡素化できる。
【0009】
本開示の第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の制御装置において、前記インタフェースは、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成される第1電気コネクタを含む。
第5側面の制御装置によれば、第1電気ケーブルの交換、および、制御装置の交換をしやすい。
【0010】
本開示の第3側面に従う第6側面の制御装置において、前記インタフェースは、前記第1電気ケーブルが着脱可能に構成される第1電気コネクタを含み、前記ハウジングは、第1端部および第2端部を有し、前記第1電気コネクタは、前記第1端部から前記第2端部に向かう第1方向に前記第1電気ケーブルを移動させることによって、前記第1電気ケーブルが接続されるように構成され、前記第2電気コネクタは、実質的に前記第1方向に前記第2電気ケーブルを移動させることによって、前記第2電気ケーブルが接続されるように構成される。
第6側面の制御装置によれば、第1電気ケーブルが第1電気コネクタに接続され、かつ、第2電気ケーブルが第2電気コネクタに接続された状態において、第1電気ケーブルおよび第2電気ケーブルを実質的に第1方向に沿って延びるように配置させやすい。
【0011】
本開示の第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面の制御装置において、前記インタフェースは、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つに電力を供給するように構成される。
第7側面の制御装置によれば、制御装置が、電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つと連動できる。
【0012】
本開示の第1から第7側面のいずれか1つに従う第8側面の制御装置において、前記少なくとも1つの検出装置は、車速検出装置、人力駆動力検出装置、および、クランク回転状態検出装置の少なくとも1つを含む。
第8側面の制御装置によれば、車速検出装置、人力駆動力検出装置、および、クランク回転状態検出装置の少なくとも1つから出力される情報に応じて、電動変速装置、電動アジャスタブルシートポスト、電動ブレーキ、および、電動サスペンションの少なくとも1つを好適に制御される。
【0013】
本開示の第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面の制御装置において、前記無線受信部および前記制御部は、前記ハウジングの収容空間に配置される。
第9側面の制御装置によれば、無線受信部および制御部がハウジングによって好適に保護される。
【0014】
本開示の第10側面に従う人力駆動車用の制御システムは、第1から第9側面のいずれか1つに記載の制御装置と、前記ドライブユニットと、前記電動変速装置、前記電動アジャスタブルシートポスト、前記電動ブレーキ、および、前記電動サスペンションの前記少なくとも1つと、を備える。
第10側面の制御システムによれば、ユーザビリティを向上できる。
【0015】
本開示の第11側面に従う人力駆動車は、第10側面の人力駆動車用の制御システムを備える。
第11側面の人力駆動車によれば、ユーザビリティを向上できる。
【発明の効果】
【0016】
本開示の人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車によれば、ユーザビリティを向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施形態の人力駆動車用の制御装置、および、人力駆動車用の制御システムを含む人力駆動車の側面図。
図2図1の人力駆動車の電気的な構成を示すブロック図。
図3図1の人力駆動車用の制御装置の正面図。
図4図1の人力駆動車用の制御装置の側面図。
図5図1の人力駆動車用の制御装置の側面図。
図6図3のD6-D6線に沿う断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施形態>
図1から図6を参照して、本開示の人力駆動車用の制御装置80、人力駆動車用の制御システム40、および、人力駆動車10が説明される。
【0019】
人力駆動車は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車は、例えば1輪車および2輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するE-bikeを含む。E-bikeは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車を、電動アシスト自転車として説明する。
【0020】
人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク12を備える。人力駆動車10は、車輪14と、車体16と、を、さらに備える。車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18、フロントフォーク20、ハンドルバー22、および、ステム24を含む。車体16は、サスペンション、および、荷台の少なくとも1つをさらに含んでいてもよい。フレーム18は、例えば、トップチューブ、ダウンチューブ、シートチューブ、シートステイ、および、チェーンステイの少なくとも1つを含む。車体16は、シートチューブに取り付けられるシートポストをさらに含む。人力駆動車10が電動アジャスタブルシートポスト48を含む場合、電動アジャスタブルシートポスト48は、シートポストを含む。
【0021】
クランク12は、フレーム18に対して回転可能な入力軸12Aと、入力軸12Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム12B,12Bとを含む。入力軸12Aは、クランク軸である。それぞれのクランクアーム12B,12Cには、ペダル26A,26Bがそれぞれ連結される。
【0022】
後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。後輪14Aは、フレーム18に支持される。クランク12は、駆動機構28によって後輪14Aと連結される。駆動機構28は、入力軸12Aに連結される第1回転体30を含む。入力軸12Aは、第1回転体30と一体回転するように連結されてもよく、第1ワンウェイクラッチを介して連結されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク12が前転した場合に、第1回転体30を前転させ、クランク12が後転した場合に、クランク12と第1回転体30との相対回転を許容するように構成される。第1回転体30は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構28は、第2回転体32と、連結部材34とをさらに含む。連結部材34は、第1回転体30の回転力を第2回転体32に伝達する。連結部材34は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0023】
第2回転体32は、後輪14Aに連結される。第2回転体32は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体32と後輪14Aとの間には、好ましくは、第2ワンウェイクラッチが設けられている。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体32が前転した場合に、後輪14Aを前転させ、第2回転体32が後転した場合に、第2回転体32と後輪14Aとの相対回転を許容するように構成される。
【0024】
フレーム18には、フロントフォーク20を介して前輪14Bが取り付けられる。フロントフォーク20には、ハンドルバー22がステム24を介して連結される。本実施形態では、後輪14Aが駆動機構28によってクランク12に連結される。後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つが、駆動機構28によってクランク12に連結されてもよい。
【0025】
人力駆動車10は、人力駆動車用の制御システム40を備える。人力駆動車用の制御システム40は、制御装置80と、ドライブユニット42と、ドライブユニット42とは別の種類のコンポーネント44と、を備える。例えば、人力駆動車用の制御システム40は、制御装置80と、ドライブユニット42と、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つと、を備える。例えば、コンポーネント44は、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つを含む。
【0026】
人力駆動車10は、電気モータ42Aを含むドライブユニット42によって推進力が付与される。電気モータ42Aは、例えば、ブラシレスモータである。電気モータ42Aは、ペダル26A,26Bから後輪14Aまでの人力駆動力の動力伝達経路、および、前輪14Bの少なくとも1つに回転力を伝達するように構成される。ペダル26A,26Bから後輪14Aまでの人力駆動力の動力伝達経路には、後輪14Aも含まれる。本実施形態では、電気モータ42Aは、人力駆動車10のフレーム18に設けられ、第1回転体30に回転力を伝達するように構成される。
【0027】
ドライブユニット42は、ハウジング42Bをさらに備える。電気モータ42Aは、ドライブユニット42のハウジング42Bに設けられる。ハウジング42Bは、フレーム18に設けられる。ハウジング42Bは、例えばフレーム18に着脱可能に取り付けられる。ドライブユニット42には、電気モータ42Aの出力軸に接続される減速機が設けられてもよい。本実施形態では、ハウジング42Bは、入力軸12Aを回転可能に支持する。本実施形態では、電気モータ42Aと入力軸12Aとの間の動力伝達経路には、好ましくは、入力軸12Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク12の回転力の電気モータ42Aへの伝達を抑制する第3ワンウェイクラッチが設けられる。後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つに電気モータ42Aを設ける場合、電気モータ42Aは、ハブに設けられて、ハブと共にハブモータを構成してもよい。
【0028】
ドライブユニット42は、制御部42Cをさらに含む。制御部42Cは、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部42Cに含まれる演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部42Cに含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部42Cは、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0029】
例えば、制御部42Cは、記憶部をさらに含む。記憶部には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM(Read-Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)を含む。
【0030】
電動変速装置46は、人力駆動車10において人力駆動力の伝達経路に設けられ、かつ、変速比を変更するように構成される。電動変速装置46は、複数の変速ステージを有する。各変速ステージに対応する変速比は、相互に異なる。変速ステージの数は、例えば3から30の範囲である。電動変速装置46は、入力軸12Aの回転速度に対する駆動輪の回転速度の比率である。本実施形態では、駆動輪は後輪14Aである。電動変速装置46は、例えばフロントディレイラ、リアディレイラ、および、内装変速機の少なくとも1つを含む。電動変速装置46が内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、後輪14Aのハブに設けられる。内装変速機は、CVT(Continuously Variable Transmission)を含んでいてもよい。
【0031】
電動変速装置46がフロントディレイラを含む場合、電動変速装置46は、第1回転体30を含み、第1回転体30は、複数のフロントスプロケットを含む。電動変速装置46がリアディレイラを含む場合、電動変速装置46は、第2回転体32を含み、第2回転体32は、複数のリアスプロケットを含む。電動変速装置46は、アクチュエータによって動作するように構成される電動変速機を含む。アクチュエータは、電気アクチュエータを含む。アクチュエータは、例えば、電気モータを含む。変速比と、駆動輪の回転速度と、入力軸12Aの回転速度との関係は、式(1)によって表される。
式(1):変速比=駆動輪の回転速度/入力軸の回転速度
【0032】
駆動輪の回転速度と、入力軸12Aの回転速度とは、それぞれ単位時間あたりの回転数であってもよい。駆動輪の回転速度を、フロントスプロケットの歯数に置き換え、入力軸12Aの回転速度を、リアスプロケットの歯数に置き換えてもよい。
【0033】
電動アジャスタブルシートポスト48は、電動アクチュエータを含む。電動アジャスタブルシートポスト48は、電動アクチュエータに与える電力を制御する駆動回路をさらに含む。電動アクチュエータは、電気モータを含む。電動アクチュエータに含まれる電気モータは、ソレノイドに置き換えてもよい。駆動回路は、制御装置80からの制御信号に応じて電動アクチュエータを駆動させる。電動アジャスタブルシートポスト48は、シートチューブに設けられ、サドルの高さを変更するように構成される。電動アジャスタブルシートポスト48は、電動アクチュエータの力でシートポストが伸縮する電気式シートポスト、または、電動アクチュエータの力でバルブを制御することによって、シートポストがばねおよび空気の少なくとも一方の力によって伸び、人力を加えることによって縮む機械式シートポストを含む。機械式シートポストは、油圧式シートポスト、または、油圧および空気圧式シートポストを含む。
【0034】
例えば、電動ブレーキ50は、例えば、フレーム18およびフロントフォーク20に設けられ、車輪14に制動力を付与するように構成される。電動ブレーキ50は、ディスクブレーキであってもよく、リムブレーキであってもよく、ローラブレーキであってもよい。
【0035】
電動サスペンション52は、電動サスペンション52を動作させるための電動アクチュエータを含む。電動サスペンション52は、電動アクチュエータに与える電力を制御する駆動回路をさらに含む。電動アクチュエータは、電気モータを含む。電動アクチュエータに含まれる電気モータは、ソレノイドに置き換えてられてもよい。駆動回路は、制御装置80からの制御信号に応じて電動アクチュエータを駆動させる。
【0036】
電動サスペンション52は、リアサスペンション装置およびフロントサスペンション装置の少なくとも1つを含む電動サスペンション52は、車輪14に加えられる衝撃を吸収する。電動サスペンション52は、油圧サスペンションであってもよく、エアサスペンションであってもよい。電動サスペンション52は、第1部分と、第1部分に嵌め込まれて第1部分と相対移動可能な第2部分とを含む。電動サスペンション52の動作状態は、例えば、第1部分と第2部分との相対移動が規制されるロック状態と、第1部分と第2部分との相対移動が許容されるロック解除状態とを含む。電動アクチュエータは、電動サスペンション52の動作状態を切り替える。電動サスペンション52のロック状態は、車輪14に強い力が加えられた場合に、第1部分と第2部分とがわずかに相対移動する状態を含み得る。電動サスペンション52の動作状態は、ロック状態およびロック解除状態に代えて、または、加えて、減衰力が異なる複数の動作状態、および、ストローク量が異なる複数の動作状態の少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0037】
リアサスペンション装置は、人力駆動車10のフレーム18に設けられるように構成される。リアサスペンションは、フレーム18のフレーム本体と後輪14Aを支持するスイングアームとの間に設けられる。リアサスペンション装置は、後輪14Aに加えられる衝撃を吸収する。電動サスペンション52は、人力駆動車10のフレーム18と前輪14Bとの間に設けられるように構成される。フロントサスペンションは、フロントフォーク20に設けられる。フロントサスペンションは、前輪14Bに加えられる衝撃を吸収する。
【0038】
人力駆動車10は、少なくとも1つの検出装置54を備える。例えば、少なくとも1つの検出装置54は、車速検出装置56、人力駆動力検出装置58、および、クランク回転状態検出装置60の少なくとも1つを含む。
【0039】
例えば、制御部42Cは、電気モータ42Aの制御装置を含む。電気モータ42Aの制御装置は、例えば、電気モータ42Aの駆動回路を含む。駆動回路は、例えば、インバータを含む。例えば、制御部42Cは、少なくとも1つの検出装置54の出力に応じた情報Sに応じて、電気モータ42Aを制御するように構成される。例えば、制御部42Cは、車速検出装置56、人力駆動力検出装置58、および、クランク回転状態検出装置60の少なくとも1つの出力に応じた情報Sに応じて、電気モータ42Aを制御するように構成される。電気モータ42Aの制御に用いられる情報Sは、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つを含む。
【0040】
例えば、検出装置54は、ドライブユニット42と通信可能に接続される。例えば、検出装置54は、有線通信によって、ドライブユニット42に情報Sを出力する。検出装置54は、無線通信によってドライブユニット42に情報Sを出力するように構成されてもよい。
【0041】
例えば、ドライブユニット42は、無線送信部42Dをさらに含む。無線送信部42Dは、情報Sを無線通信によって制御装置80の無線受信部86に送信する。無線送信部42Dは、検出装置54に設けられてもよい。無線送信部42Dは、独自の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよく、Bluetooth(登録商標)などの既存の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよい。
【0042】
例えば、人力駆動車10は、電源36をさらに含む。例えば、電源36は、バッテリである。電源36は、1または複数のバッテリ素子を含む。バッテリ素子は、充電池を含む。例えば、電源36は、ドライブユニット42の制御部42Cに電力を供給するように構成される。例えば、電源36は、ドライブユニット42の制御部42Cと有線または無線によって通信可能に接続される電源36は、例えば電力線搬送通信(PLC;power line communication)、CAN(Controller Area Network)、または、UART(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter)によってドライブユニット42の制御部42Cと通信可能である。
【0043】
車速検出装置56は、人力駆動車10の車速に関する情報を検出するように構成される。本実施形態では、車速検出装置56は、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14の回転速度に関する情報を検出するように構成される。車速検出装置56は、例えば、人力駆動車10の少なくとも1つの車輪14に設けられる磁石を検出するように構成される。車速検出装置56は、例えば、少なくとも1つの車輪14のうちの1つの車輪14が1回転する間に、予め定める回数の検出信号を出力するように構成される。予め定める回数は、例えば、1である。車速検出装置56は、車輪14の回転速度に応じた信号を出力する。制御部42Cは、車輪14の回転速度に応じた信号と、車輪14の周長に関する情報とに基づいて人力駆動車10の車速を算出できる。例えば、制御部42Cには車輪14の周長に関する情報が記憶される。
【0044】
人力駆動力検出装置58は、人力駆動力に関する情報を検出するように構成される。人力駆動力検出装置58は、例えば、人力駆動車10のフレーム18、ドライブユニット42、クランク12、または、ペダル26A,26Bに設けられる。人力駆動力検出装置58は、ドライブユニット42のハウジング42Bに設けられてもよい。人力駆動力検出装置58は、例えば、トルクセンサを含む。トルクセンサは、人力駆動力によってクランク12に与えられるトルクに応じた信号を出力するように構成される。トルクセンサは、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、好ましくは、第1ワンウェイクラッチよりも動力伝達経路の上流側に設けられる。トルクセンサは、歪センサ、磁歪センサ、または、圧力センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。
【0045】
トルクセンサは、動力伝達経路に含まれる部材、または、動力伝達経路に含まれる部材の近傍に設けられる。動力伝達経路に含まれる部材は、例えば、入力軸12A、入力軸12Aと第1回転体30との間において人力駆動力を伝達する部材、クランクアーム12B,12C、または、ペダル26A,26Bである。人力駆動力検出装置58は、人力駆動力に関する情報を取得できればどのような構成であってもよく、例えば、ペダル26A,26Bに与えられる圧力を検出するセンサ、または、チェーンの張力を検出するセンサなどを含んでいてもよい。人力駆動力検出装置58は、ドライブユニット42に含まれていてもよい。
【0046】
クランク回転状態検出装置60は、入力軸12Aの回転速度に関する情報を検出するように構成される。クランク回転状態検出装置60は、例えば、人力駆動車10のフレーム18またはドライブユニット42に設けられる。クランク回転状態検出装置60は、ドライブユニット42のハウジング42Bに設けられてもよい。クランク回転状態検出装置60は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、入力軸12A、入力軸12Aに連動して回転する部材、または、入力軸12Aから第1回転体30までの間の動力伝達経路に設けられる。入力軸12Aに連動して回転する部材は、電気モータ42Aの出力軸を含んでもよい。
【0047】
クランク回転状態検出装置60は、入力軸12Aの回転速度に応じた信号を出力する。例えば、入力軸12Aと第1回転体30との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、磁石は、第1回転体30に設けられてもよい。クランク回転状態検出装置60は、入力軸12Aの回転速度に関する情報を取得できればどのような構成であってもよく、磁気センサに代えて光学センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、またはトルクセンサなどを含んでいてもよい。クランク回転状態検出装置60は、ドライブユニット42に含まれていてもよい。
【0048】
例えば、少なくとも1つの検出装置54は、少なくとも1つの操作装置62を含む。少なくとも1つの操作装置62は、例えば、ハンドルバー22に設けられる。操作装置62は、操作装置62の操作状態に応じた情報Sを送信して、コンポーネント44を制御するように構成される。少なくとも1つの操作装置62は、変速操作装置64、シートポスト操作装置66、ブレーキ操作装置68、および、サスペンション操作装置70の少なくとも1つを含む。例えば、制御システム40が電動変速装置46を備える場合、少なくとも1つの操作装置62は、変速操作装置64を含む。例えば、制御システム40が電動アジャスタブルシートポスト48を含む場合、少なくとも1つの操作装置62は、シートポスト操作装置66を含む。例えば、制御システム40が電動ブレーキ50を含む場合、少なくとも1つの操作装置62は、ブレーキ操作装置68を含む。例えば、制御システム40が電動サスペンション52を含む場合、少なくとも1つの操作装置62は、サスペンション操作装置70を含む。
【0049】
変速操作装置64は、変速操作部材と、変速操作部材の操作状態に応じた情報を出力するセンサおよび電気スイッチの少なくとも1つと、を含む。変速操作装置64は、変速操作部材の操作状態に応じて、シフトアップ情報およびシフトダウン情報を出力する。
【0050】
シートポスト操作装置66は、シートポスト操作部材と、シートポスト操作部材の操作状態に応じた情報を出力するセンサおよび電気スイッチの少なくとも1つと、を含む。シートポスト操作装置66は、シートポスト操作部材の操作状態に応じて、シートポストの高さを変更するための情報を出力する。
【0051】
ブレーキ操作装置68は、ブレーキレバーと、ブレーキレバーの操作状態に応じた情報を出力するブレーキセンサとを有する。ブレーキセンサは、例えば、磁気センサ、光学センサ、または、ポテンショメータを含む。ブレーキ操作装置68は、ブレーキレバーの操作状態に応じて、制動力を発生させるための情報を出力する。
【0052】
サスペンション操作装置70は、サスペンション操作部材と、サスペンション操作部材の操作状態に応じた情報を出力するセンサおよび電気スイッチの少なくとも1つと、を含む。サスペンション操作装置70は、サスペンション操作部材の操作状態に応じてサスペンション操作装置70の動作状態を変更するための情報を出力する。
【0053】
人力駆動車用の制御装置80は、ハウジング82と、受電部84と、無線受信部86と、インタフェース88と、制御部90と、を備える。受電部84は、ハウジング82に設けられる。無線受信部86は、ハウジング82に設けられる。制御部90は、ハウジング82に設けられる。例えば、無線受信部86および制御部90は、ハウジング82の収容空間82Sに配置される。例えば、無線受信部86の全体は、収容空間82Sに配置される。例えば、制御部90の全体は、収容空間82Sに収容される。例えば、受電部84は、少なくとも一部が収容空間82Sに配置される。例えば、インタフェース88は、少なくとも一部が収容空間82Sに配置される。
【0054】
ハウジング82は、ドライブユニット42とは別体に構成される。例えば、ハウジング82は、ドライブユニット42のハウジング42Bとは別体に構成される。例えば、ハウジング82は、ドライブユニット42のハウジング42Bから独立して設けられる。例えば、ハウジング82は、人力駆動車10のうちのドライブユニット42のハウジング42Bとは異なる位置に設けられる。例えば、ハウジング82は、フレーム18の内部空間に設けられる。例えば、ハウジング82は、ドライブユニット42の近傍に設けられる。例えば、ハウジング82は、シートチューブに設けられる。例えば、ハウジング82は、シートチューブの内部空間に配置される。例えば、ハウジング82は、シートチューブの内部空間において、シートポストとドライブユニット42との間に配置される。
【0055】
例えば、制御部90は、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つと、インタフェース88を介して電力線搬送通信(PLC)を行うように構成される。制御部90は、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つと、インタフェース88を介してCAN通信を行うように構成されてもよい。
【0056】
インタフェース88は、コンポーネント44に第1電気ケーブル40Aを介して電気的に接続される。インタフェース88は、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つに第1電気ケーブル40Aを介して電気的に接続される。例えば、第1電気ケーブル40Aは、電力を伝送する電力線と、通信信号を伝送する通信線とを含む。第1電気ケーブル40Aは、電力線搬送通信(PLC)に対応する電気ケーブルであってもよい。第2電気ケーブル40Bは、例えば、4芯または5芯の電気ケーブル、あるいは、2芯の電気ケーブルによって構成される。
【0057】
例えば、インタフェース88は、第1電気ケーブル40Aが着脱可能に構成される第1電気コネクタ88Aを含む。例えば、第1電気コネクタ88Aは、収容空間82Sから露出するようにハウジング82に設けられる。例えば、インタフェース88は、第1電気ケーブル40Aおよび第1電気コネクタ88Aを介して、コンポーネント44に電力を供給するように構成される。例えば、インタフェース88は、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つに電力を供給するように構成される。例えば、インタフェース88は、第1電気コネクタ88Aを介して、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つに電力を供給するように構成される。
【0058】
制御システム40が複数のコンポーネント44を含む場合、1つの第1電気コネクタ88Aに接続される第1電気ケーブル40Aによって、複数のコンポーネント44が並列接続されてもよい。制御装置80は、複数の第1電気コネクタ88Aを備えていてもよい。
【0059】
受電部84は、人力駆動車10に設けられる電源36からの電力を入力するように構成される。例えば、受電部84は、第2電気ケーブル40Bを介してドライブユニット42に接続するように構成される。受電部84には、ドライブユニット42および第2電気ケーブル40Bを介して電源36からの電力が入力される。第2電気ケーブル40Bは、電力を伝送可能に構成される。第2電気ケーブル40Bは、例えば、2芯の電気ケーブルによって構成される。
【0060】
例えば、受電部84は、第2電気ケーブル40Bが着脱可能に構成される第2電気コネクタ84Aを含む。例えば、第2電気コネクタ84Aは、収容空間82Sから露出するようにハウジング82に設けられる。例えば、受電部84は、第2電気ケーブル40Bおよび第2電気コネクタ84Aを介して、電源36からの電力が入力されるように構成される。好ましくは、第2電気ケーブル40Bは、ドライブユニット42に着脱可能に構成される。
【0061】
例えば、ハウジング82は、第1端部82Aおよび第2端部82Bを有する。例えば、第1電気コネクタ88Aは、第1端部82Aから第2端部82Bに向かう第1方向A1に第1電気ケーブル40Aを移動させることによって、第1電気ケーブル40Aが接続されるように構成される。例えば、第2電気コネクタ84Aは、実質的に第1方向A1に第2電気ケーブル40Bを移動させることによって、第2電気ケーブル40Bが接続されるように構成される。
【0062】
第1電気コネクタ88Aは、第1方向A11に第1電気ケーブル40Aを移動させることによって、第1電気ケーブル40Aが第1電気コネクタ88Aに接続されるように構成される。第1方向A11は、第1方向A1に平行である。例えば、第2電気コネクタ84Aは、第1方向A12に第2電気ケーブル40Bを移動させることによって、第2電気ケーブル40Bが第2電気コネクタ84Aに接続されるように構成される。第1方向A12は、第1方向A11に直交する予め定める方向から見た場合、第1方向A11に予め定める角度をなすように交差するが、予め定める角度は小さい。このため、第1方向A12は、実質的に第1方向A11に平行である。
【0063】
例えば、人力駆動車10に制御装置80が取り付けられた状態において、第1電気コネクタ88Aの開口が、ドライブユニット42に向う位置に配置される。例えば、人力駆動車10に制御装置80が取り付けられた状態において、第2電気コネクタ84Aの開口が、ドライブユニット42に向う位置に配置される。
【0064】
制御部90は、予め定める制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。制御部90に含まれる演算処理装置は、例えばCPUまたはMPUを含む。制御部90に含まれる演算処理装置は、相互に離れた複数の場所に設けられてもよい。制御部90は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。
【0065】
例えば、制御装置80は、記憶部92をさらに含む。記憶部92には、予め定める制御プログラムおよび制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部92は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。不揮発性メモリは、例えば、ROM、EPROM、EEPROM、および、フラッシュメモリの少なくとも1つを含む。揮発性メモリは、例えば、RAMを含む。
【0066】
制御部90は、少なくとも1つの検出装置54の出力に応じた情報Sに応じて、コンポーネント44を制御するように構成される。制御部90は、ハウジング82に設けられ、情報Sに応じて、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つを制御するように構成される。コンポーネント44の制御に用いられる情報Sは、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報、および、操作装置62の操作に関する情報の少なくとも1つを含む。制御部90は、無線受信部86によって受信する情報Sを、コンポーネント44に適した情報に変換して、インタフェース88から出力させるように構成されてもよい。
【0067】
無線受信部86は、人力駆動車10に設けられる少なくとも1つの検出装置54の出力に応じた情報Sを無線通信によって受信するように構成される。制御部90は、無線受信部86によって受信した情報Sに応じて、コンポーネント44を制御するための情報を作成し、作成した情報と対応するコンポーネント44に、作成した情報を第1電気ケーブル40Aを介して送信する。コンポーネント44は、受信した情報に応じて電動アクチュエータを制御する。無線受信部86は、独自の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよく、Bluetoothなどの既存の通信規格の無線通信を実行するように構成されてもよい。
【0068】
例えば、制御装置80の通信規格と、コンポーネント44の通信規格とは、同一である。例えば、ドライブユニット42の通信規格、および、コンポーネント44の通信規格は、電力線搬送通信(PLC)、CAN、および、UARTの1つである。第2電気ケーブル40Bは、コンポーネント44の通信規格に対応する。
【0069】
例えば、制御部90は、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに応じて、コンポーネント44を自動制御する。制御部90は、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに応じて、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つを自動制御するように構成される。制御部90が、人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに応じて、電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つを自動制御する方法については、どのような方法であってもよく、一般的な方法を用いることができるので、詳細な説明を省略する。
【0070】
例えば、記憶部92には、制御部90が電動変速装置46に自動変速を実行させるための自動変速制御プログラムが記憶される。例えば、記憶部92には、制御部90が電動アジャスタブルシートポスト48に電動アジャスタブルシートポスト48の長さを自動で調整させるための自動シートポスト制御プログラムが記憶される。例えば、記憶部92には、制御部90が電動ブレーキ50に自動ブレーキを実行させるための自動ブレーキ制御プログラムが記憶される。例えば、記憶部92には、制御部90が電動サスペンション52に電動サスペンション52の動作状態を自動で変更させるための自動サスペンション制御プログラムが記憶される。
【0071】
例えば、制御部90は、記憶部92に記憶される制御プログラムに基づいてコンポーネント44を自動制御する。自動変速制御プログラムは、例えば、制御部90が人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに基づいて電動変速装置46を制御するためのプログラムである。自動シートポスト制御プログラムは、例えば、制御部90が人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに基づいて電動アジャスタブルシートポスト48を制御するためのプログラムである。自動ブレーキ制御プログラムは、例えば、制御部90が人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに基づいて電動ブレーキ50を制御するためのプログラムである。自動サスペンション制御プログラムは、例えば、制御部90が人力駆動車10の車速に関する情報、人力駆動力に関する情報、および、入力軸12Aの回転速度に関する情報の少なくとも1つに基づいて電動サスペンション52を制御するためのプログラムである。
【0072】
<変更例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用の制御装置、人力駆動車用の制御システム、および、人力駆動車は、例えば以下に示される実施形態の変更例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変更例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変更例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0073】
・電動変速装置46、電動アジャスタブルシートポスト48、電動ブレーキ50、および、電動サスペンション52の少なくとも1つを制御するための情報を、ドライブユニット42の制御部42Cが作成し、ドライブユニット42の制御部42Cが作成した情報を制御部90に送信するようにしてもよい。
【0074】
・無線送信部42Dは、ドライブユニット42ではなく、検出装置54に設けられてもよい。
【0075】
・少なくとも1つの操作装置62は、操作装置62の操作状態に応じた操作信号を、制御部42Cを介さずに、制御装置80に送信するように構成されてもよい。少なくとも1つの操作装置62が操作装置62の操作状態に応じた操作信号を、制御部42Cを介さずに、コンポーネント44に送信するように構成される場合、少なくとも1つの操作装置62は、無線送信部42Dを備える。無線送信部42Dは、変速操作装置64、シートポスト操作装置66、ブレーキ操作装置68、および、サスペンション操作装置70のそれぞれに設けられてもよい。
【0076】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0077】
10…人力駆動車、36…電源、40…制御システム、40A…第1電気ケーブル、40B…第2電気ケーブル、42…ドライブユニット、42A…電気モータ、46…電動変速装置、48…電動アジャスタブルシートポスト、50…電動ブレーキ、52…電動サスペンション、54…検出装置、56…車速検出装置、58…人力駆動力検出装置、60…クランク回転状態検出装置、80…制御装置、82…ハウジング、82S…収容空間、82A…第1端部、82B…第2端部、84…受電部、84A…第2電気コネクタ、86…無線受信部、88…インタフェース、88A…第1電気コネクタ、90…制御部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6