(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023007983
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】アドレス記憶方法およびリング網
(51)【国際特許分類】
H04L 12/42 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
H04L12/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111170
(22)【出願日】2021-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
【Fターム(参考)】
5K031AA03
5K031CB10
5K031DA12
5K031EC05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】記録アドレスのビット長の短いアドレス記憶法を用いたリング網を利用したパケット転送システムによりシステムコストを下げるパケット転送システムを提供する。
【解決手段】TCP端末のサーバに向かうリングの経路上のパケットのアッド、ドロップ及び通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに端末の送信元アドレスの下位アドレスに等しい下位アドレスが他のTCP端末からのパケットにより新たに記憶された場合には、サーバからTCP端末に向けて送出された応答パケットが、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが途中のアッド、ドロップ及び通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている下位アドレスとの誤一致でリング外に送出されないように、再送パケットにより、経路が再確保されるまでサーバは前記TCP端末に応答パケットを送出しない。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバが接続された頂点装置とTCP端末を収容した複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を接続したリング網のパケット転送システムであって、
前記TCP端末から前記サーバに向かうパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリングで前記サーバに向かわせる手段と、
前記サーバに向かうパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶し、左回りリングにより前記サーバに向わせる手段と、
前記サーバから送出された右回りリングからのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを廃棄し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合、または、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを下流のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出する手段と、
前記TCP端末は前記サーバから応答パケットが到着しない場合、再送パケットを送出する手段と
を備えたことを特徴とするパケット転送システム。
【請求項2】
前記サーバと前記頂点装置との間にルータをさらに備えた請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項3】
前記サーバは、通信中のTCP端末からのMACパケットの到着から応答パケットを送出するまでの間に、他のTCP端末からの通信開始MACパケットが到着した場合、そのMACパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが前記応答パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスに同じ場合には、前記応答パケットのTCP端末への送出を、前記TCP端末からの再送パケットが到着するまで遅らせる手段を
さらに備える請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項4】
前記サーバは、通信開始IPパケットが到着した場合に、前記サーバに接続するルータに通知して、前記IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスが、以後、サーバからの応答パケットの宛先IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスに等しい場合、前記応答パケットの宛先TCP端末への送出を、前記TCP端末から再送パケットが到着するまで遅らせる手段を備える請求項2に記載のパケット転送システム。
【請求項5】
前記頂点装置にサーバが接続されたリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にTCP端末からの前記サーバに向かうパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、下方に同類下位アドレスのTCP端末が位置する旨の信号を前記パケットに付与して、前記パケットを左回りリングで前記サーバに向わせる手段と
前記サーバが、通信開始IPパケットが到着した場合、そのパケットに前記下方に同類下位アドレスのTCP端末が位置する旨の信号を含む場合には、その場合の旨を前記サーバに接続する前記ルータに通知して、前記IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスが、以後、前記サーバからの応答パケットの宛先IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスに等しい場合、前記2つの応答パケットの宛先TCP端末への送出を、後者のパケットに関する再送パケットが端末から到着するまで遅らせる手段を
さらに備える請求項2に記載のパケット転送システム。
【請求項6】
前記頂点装置にサーバが接続されたリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にTCP端末から前記サーバに向かうパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、下方に同類下位アドレスの端末が位置する旨の信号を前記パケットに付与して、前記パケットを左回りリングでサーバに向わせる手段と、
前記サーバが、通信中のTCP端末からのMACパケットの到着からその応答パケットを送出するまでの間に、通信開始MACパケットが到着した場合、そのパケットに前記下方に同類下位アドレスの端末が位置する旨の信号を含む場合で、MACパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが前記応答パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスに同じ場合には、前記2つの応答パケットの端末への送出を、後者のパケットに関する再送パケットが到着するまで遅らせる手段を
さらに備える請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項7】
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置にビット1を記憶することである請求項1に記載のパケット転送システム。
【請求項8】
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位下位アドレスでアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位下位アドレスをデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することである請求項1に記載のパケット転送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MACアドレスのようなアドレス記憶方法およびそれを用いたMACパケットを転送するリング網を利用したパケット転送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
アドレス記憶方法の従来例としては、特開2000-151617「テーブル作成検索装置」がある。この従来例は、MACアドレスの記憶回路に関するもので、行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第1のテーブルと行列アドレスとMACアドレスデータエリアとインデックスエリアを持つRAM等で構成される第2のテーブルからなる。この従来例は、下位ビット列(例えば16ビット)で第1のテーブルのメモリを指定した位置AにMACアドレス48ビット全体を記憶する。その位置Aに既に他のMACアドレスが記憶されていれば、第2のテーブルのメモリの空きアドレス位置Bに記録し、その記録したアドレス位置Bを前記第1テーブルのアドレス位置Aのインデックスエリアに記憶する。これは記録エリアをネスティングで指定する方法である。
【0003】
また、アドレス記憶方法の従来技術としては、特開2004-15592「MACアドレスポインタ構造、MACアドレスの並べ替え方法」がある。この従来例は、下位ビット列で指定されるエントリーテーブルの同じアドレス位置に複数のMACアドレスを記憶する方法である。もし、空きエリアが無ければ、MACアドレスの前記下位ビット列と違う下位ビット列で指定されるエントリーテーブルにMACアドレスを記憶する。
【0004】
また、従来のリング網としては、IEEE802.17 RPR(Resilient Packet Ring)がある。このRPRは、特殊のRPRヘッダを用い、RPRヘッダには宛先リングノード番号が必要であり、その学習に時間がかかる。また、その変換テーブルFDB(Forwarding Database)を作成後も端末から受信したパケットは、このテーブルを見て、宛先リングノードのMACアドレスを持つヘッダを付ける必要がり、変換に時間がかかる。障害復旧時のステアリングをリングヘッダのTTL主導で行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-151617 号公報
【特許文献2】特開2004-15592 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のアドレス記憶法としての従来例特開2000-151617はネスティングでMACアドレスを記憶しているため、記憶アドレス先をたどるのに時間がかかる問題がある。また、本質的MACアドレス48ビット全体を記憶しているので記憶エリアが大きくなる問題がある。
【0007】
また、従来アドレス記憶方法としての従来例特開2004-15592は、下位ビット列で指定されるMACアドレスのエントリーテーブル位置に空きが無ければ違う下位ビット列のエントリーテーブル位置にMACアドレスを記憶すると記載されているが、その場合には、MACアドレスを記憶する位置を選択する場合に、2つの下位ビット列で指定されるエントリーテーブル位置を検索しなければならないこと、および、同じエントリーテーブルの同じアドレス位置に、複数の記憶アドレスがあるので、それら複数のアドレス比較をする必要があり、検索に時間がかかる問題がある。
下位ビット列によるMACアドレスの検索は高速になるが、基本的に下位ビット列位置にMACアドレス全体を記憶する方法は、正確記憶であるが、48ビット全体を記憶しなければならないので、記憶アドレス数が少ない問題がある。
【0008】
また、従来のリング網であるRPRは、RPRの入口でMACヘッダ変換を行っているため、高速動作できない問題がある。また、ヘッダ変換テーブルはMACアドレス48ビット全体を記憶しなければならず、記憶できるアドレス数が少ない問題がある。ステアリングができるのはリングヘッダのTTLでリングを回り過ぎを阻止して、フラッディングによる輻輳を阻止しているが、伝送路障害とノード障害では阻止するTTL値が異なるため、障害を識別しなければならず、制御が複雑になる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、その手段は、TCP端末のサーバに向かうリングの経路上のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに前記端末の送信元アドレスの下位アドレスに等しい下位アドレスが他のTCP端末からのパケットにより新たに記憶された場合には、前記サーバからTCP端末に向けて送出された応答パケットが、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが途中のアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている下位アドレスとの誤一致でリング外に送出されないように、再送パケットにより、前記経路が再確保されるまで前記サーバは前記TCP端末に応答パケットを送出しない方法である。
【0010】
本発明の具体的手段1は、サーバが接続された頂点装置とTCP端末を収容した複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置を接続したリング網のパケット転送システムであって、
前記TCP端末から前記サーバに向かうパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶して、前記パケットを左回りリングで前記サーバに向かわせる手段と、
前記サーバに向かうパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットの送信元MACアドレスをパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶し、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶し、左回りリングにより前記サーバに向わせる手段と、
前記サーバから送出された右回りリングからのパケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合には、前記パケットを廃棄し、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合、または、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されている場合には、前記パケットを下流のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に送出し、前記パケットの宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブルに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、前記パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、前記パケットをリング外に送出する手段と、
前記TCP端末は前記サーバから応答パケットが到着しない場合、再送パケットを送出する手段と
を備えたことを特徴とするパケット転送システムである。
【0011】
また、本発明の具体的手段2は、前記具体的手段1において、
前記サーバと前記頂点装置との間にルータをさらに備えたパケット転送システムである。
【0012】
また、本発明の具体的手段3は、前記具体的手段1において、
前記サーバは、通信中のTCP端末からのMACパケットの到着から応答パケットを送出するまでの間に、他のTCP端末からの通信開始MACパケットが到着した場合、そのMACパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが前記応答パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスに同じ場合には、前記応答パケットのTCP端末への送出を、前記TCP端末からの再送パケットが到着するまで遅らせる手段を
さらに備えるパケット転送システムである。
【0013】
また、本発明の具体的手段4は、前記具体的手段2において、
前記サーバは、通信開始IPパケットが到着した場合に、前記サーバに接続するルータに通知して、前記IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスが、以後、サーバからの応答パケットの宛先IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスに等しい場合、前記応答パケットの宛先TCP端末への送出を、前記TCP端末から再送パケットが到着するまで遅らせる手段を備えるパケット転送システムである。
【0014】
また、本発明の具体的手段5は、前記具体的手段2において、
前記頂点装置にサーバが接続されたリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にTCP端末からの前記サーバに向かうパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、下方に同類下位アドレスのTCP端末が位置する旨の信号を前記パケットに付与して、前記パケットを左回りリングで前記サーバに向わせる手段と
前記サーバが、通信開始IPパケットが到着した場合、そのパケットに前記下方に同類下位アドレスのTCP端末が位置する旨の信号を含む場合には、その場合の旨を前記サーバに接続する前記ルータに通知して、前記IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスが、以後、前記サーバからの応答パケットの宛先IPアドレス対応の宛先MACアドレスの下位アドレスに等しい場合、前記2つの応答パケットの宛先TCP端末への送出を、後者のパケットに関する再送パケットが端末から到着するまで遅らせる手段を
さらに備えるパケット転送システムである。
【0015】
また、本発明の具体的手段6は、前記具体的手段1において、
前記頂点装置にサーバが接続されたリング網のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置にTCP端末から前記サーバに向かうパケットが到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合には、下方に同類下位アドレスの端末が位置する旨の信号を前記パケットに付与して、前記パケットを左回りリングでサーバに向わせる手段と、
前記サーバが、通信中のTCP端末からのMACパケットの到着からその応答パケットを送出するまでの間に、通信開始MACパケットが到着した場合、そのパケットに前記下方に同類下位アドレスの端末が位置する旨の信号を含む場合で、MACパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスが前記応答パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスに同じ場合には、前記2つの応答パケットの端末への送出を、後者のパケットに関する再送パケットが到着するまで遅らせる手段を
さらに備えるパケット転送システムである。
【0016】
また、本発明の具体的手段7は、前記具体的手段1において、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置にビット1を記憶することであるパケット転送システムである。
【0017】
また、本発明の具体的手段8は、前記具体的手段1において、
前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位下位アドレスでアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位下位アドレスをデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することであるパケット転送システムである。
【発明の効果】
【0018】
以上、説明したように、本発明によれば、記憶ビット長が短く、記憶アドレス数の多いアドレス記憶法を頂点装置にサーバが接続された2重リング網に適用し、TCP端末のサーバに向かうリングの経路上のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに前記端末の送信元アドレスの下位アドレスに等しい下位アドレスが他のTCP端末からのパケットにより新たに記憶された場合には、前記サーバからTCP端末に向けて送出された応答パケットが、そのパケットの宛先MACアドレスの下位アドレスが途中のアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されている下位アドレスとの誤一致でリング外に送出されないように、再送パケットにより、前記経路が再確保されるまで前記サーバは前記TCP端末に応答パケットを送出しない方法を用いているので、システムコストを抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施例のパケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の動作を説明するための図
【
図2】本発明の第2実施例のパケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の動作を説明するための図
【
図3】本発明の第3実施例のパケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の動作を説明するための図
【
図4】本発明の第4実施例のパケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバが接続された頂点装置からなる2重リング網の動作を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1実施例を
図1により説明する。本実施例は、パケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の例である。
【0021】
図1において、1は左回りリング、2は右回りリング、3は頂点装置、6-1,6-2,6-3はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、7はリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ、8はパケット通過を指定するアドレステーブル、10はパケット通過を指定する下位アドレスメモリ、13-1,13-2,13-3は端末、12はルータ、20はサーバ、23は制御信号、である。また、(1)~(28)はパケット、I0,I1,I2,I3,I4はIPアドレスである。
なお、パケット通過を指定するアドレステーブル8は従来のMACアドレステーブルと異なり、ポート番号を記憶しないアドレステーブルである。
【0022】
以下に、
図1の動作を説明する。最初に、端末13-1,13-2,13-3はARPテーブルにルータのIPアドレスI1とリング伝送路インタフェースのMACアドレスMr1r2が既に記憶されているものとする。端末13-1がパケット(1)Mr1r2a1a2(I0)(MはMACパケットを示し、r1はルータ12のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ12のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a1a2は端末13-1のMACアドレスである上位MACアドレスa1と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出した例を示す。前記パケットが端末13-1から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に到達した時、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶する。そのパケットは左回りリング1で(2)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。
【0023】
前記パケット(2)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した時、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶する。そのパケットは左回りリング1で(3)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0024】
前記パケット(3)Mr1r2a1a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着した時、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶する。そのパケットは左回りリング1で(4)Mr1r2a1a2(I0)により図に示すように転送され、頂点装置3に到着する。そのパケットはリング外に送出され、ルータ12に到達する。
【0025】
前記パケット(4)Mr1r2a1a2(I0)がルータ12に到着した時、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先に対応する出力ポートを求め、そのポートに、そのパケットのIPヘッダのオプション領域にそのパケットのMACヘッダをいれて送出する。そのパケットは左回りリング1で、(6)IPI0I2(Mr1r2a1a2)(IPはIPアドレスであることを示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレス、I2は送信元端末13-1のIPアドレスを示す。( )内のr1r2はIPヘッダのオプション領域に入れられたルータ12のインタフェースのMACアドレス、a1a2はIPヘッダのオプション領域に入れられた送信元端末13-1のMACアドレスを示す)により図に示されるように転送されてサーバ20に到達する。
【0026】
次に、端末13-2がパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)(MはMACパケットを示し、r1はルータ12のインタフェースの上位MACアドレス、r2ははルータ12のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスa3と下位MACアドレスa2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。前記パケットが端末13-2から前記パケットがアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到達した時、そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶する。そのパケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されているので、IPヘッダのオプション領域に右回りリングの下流に同じ下位アドレスa2を持つ端末が位置する旨の信号を入れる。そのパケットは左回りリング1で(8)Mr1r2a3a2f(I0)(fはIPヘッダのオプション領域に右回りリングの下流に同じ下位アドレスa2を持つ端末が位置する旨の信号を示す)により図に示すように転送され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。
【0027】
前記パケット(8)Mr1r2a3a2f(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した場合、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されていないので、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2をパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に記憶する。そのパケットは左回りリング1で(9)Mr1r2a3a2f(I0)により図に示すように転送され、頂点装置3に到達する。
【0028】
頂点装置3に到着した前記パケットはリング外に送出され、ルータ12に到達する。
【0029】
前記パケット(10)Mr1r2a3a2f(I0)がルータ12に到着した場合、そのパケットの宛先IPアドレスI0の宛先ドメインに対応する出力ポートを読み出し、そのポートに、そのパケットのIPヘッダのオプション領域に右回りリングの下流に同じ下位アドレスa2を持つ端末が位置する旨の信号fを挿入して送出する。そのパケットは(11)IPI3I0(f)(IPはIPアドレスであることを示し、I3は送信元端末13-2のIPアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す。( )内のfは右回りリングの下流に同じ下位アドレスa2を持つ端末が位置する旨の信号を示す)により図に示されるようにサーバ20に送られる。
【0030】
サーバ20のトランスポート層は端末IPアドレスI3のIPヘッダとTCPヘッダを持つパケットが到着した時、TCPヘッダのfinビットがビット1であり、ACKビットがビット0である通信開始パケットとIPヘッダのオプション領域に右回りリングの下流に同じ下位アドレスを持つ端末が位置する旨の信号fを検出した場合、制御信号23により、ルータ12に端末IPアドレスI3の通信開始パケットが到着した旨を通知する。その後、ルータ12に端末IPアドレスI2の応答パケットと端末IPアドレスI3の応答パケットを(19)IPI0I2、(18)IPI0I3により図で示すように送る。
通信開始パケットでも、右回りリングの下流に同じ下位アドレスを持つ端末が位置する旨の信号fが含まれない場合には、その下位アドレスを宛先MACアドレスの下位アドレスとして持つパケットが右回りリングを転送されても誤ってリング外に送出されることはないので、制御信号23は送らない。
【0031】
ルータ12はサーバ20から送られた制御信号23を受信した時、その制御信号に含まれる端末IPアドレスI3の通信開始パケット到着の旨を確認する。次に、サーバからの宛先IPアドレスがI3以外の宛先IPアドレスであるIPアドレスI2の応答パケットを受信した時、ARPテーブルのIPアドレスI3対応のMACアドレスa3a2の下位アドレスとIPアドレスI2対応のMACアドレスa1a2の下位アドレスa2が同じであることを識別し、前記IPアドレスI2のサーバからの応答パケットとIPアドレスI3のサーバからの応答パケットを端末側から送信元IPアドレスがI2の再送パケット(16)Mr1r2a1a2(I0)を受信するまで遅延バッファで待たせる。これは、下位アドレスa2の宛先MACアドレスのパケットが右回りリング転送中に誤ってリング外に送出されることを防ぐために行う。誤ってリング外に送出されることは、前記再送パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されている場合、前記パケットの送信元MACアドレスをパケット通過アドレステーブル8に記憶することで、なくなる。前記パケット(16)Mr1r2a1a2(I0)を受信した時、遅延バッファで待たせてあった前記IPアドレスI2のサーバからの応答パケットとIPアドレスI3のサーバからの応答パケットを(20)Ma3a2r1r2(I3) と(21)Ma1a2r1r2(I2)により図で示すように頂点装置3に送出する。
【0032】
前記パケット(16)Mr1r2a1a2(I0)に関して、端末13-1からの再送パケットが、パケット(12)Mr1r2a1a2(I0)により図で示されるように、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1を経由して、(13)Mr1r2a1a2(I0)により図で示されるように、左回りリング1でパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に転送される。前記パケットがパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した時、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ7に記憶されているので、前記パケットの送信元MACアドレスa1a2をパケット通過を指定するアドレステーブル8に記憶する。そのパケットはルータ12に向けて送出される。
【0033】
次に、前記頂点装置3に到着したパケット(20)Ma3a2r1r2(I3) と(21)Ma1a2r1r2(I2)が右回りリング2を転送される手順を記述する。パケット(22)Ma3a2r1r2(I3) 、(23)Ma1a2r1r2(I2)は図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3に到着する。その2つのパケットは、宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていず、宛先MACアドレスの下位アドレスがパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されているので、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-3を通過する。
【0034】
その2つのパケットは、(24)Ma3a2r1r2(I3) 、(25)Ma1a2r1r2(I2)により図に示すように転送されてパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着する。パケット(24)Ma3a2r1r2(I3)は、宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブル8に記憶されていず、宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されているので、リング外に送出されて、(26)Ma3a2r1r2(I3)により図に示すように端末13-2に到達する。一方、パケット(25)Ma1a2r1r2(I2)は、宛先MACアドレスがパケット通過を指定するアドレステーブル8に記憶されているので、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2の右回りリングの下流に送出され、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1でリング外に送出されて、端末13-1に到達する。
【0035】
上記実施例1では制御信号23を用いる例を示したが、代わりに、ICMP信号を以下のように用いても良い。サーバ20のトランスポート層は端末IPアドレスI3のIPヘッダとTCPヘッダを持つパケットが到着した時、TCPヘッダのfinビットがビット1であり、ACKビットがビット0である通信開始パケットで、かつ、IPヘッダのオプション領域にfが記憶されていることを検出した場合、ICMPパケットによりルータ12に端末IPアドレスI3の通信開始パケットが到着した旨を通知する。その後、ルータ12に端末IPアドレスI2の応答パケットと端末IPアドレスI3の応答パケットを(19)IPI0I2、(18)IPI0I3により図で示すように送る。ルータ12はサーバ20から送られた宛先アドレスがルータ12のICMPパケットを受信した時、そのパケットに含まれる端末IPアドレスI3の通信開始パケット到着の旨の信号を読み取る。通信開始パケットでも、右回りリングの下流に同じ下位アドレスを持つ端末が位置する旨の信号fが含まれない場合には、その下位アドレスを宛先MACアドレスの下位アドレスとして持つパケットが右回りリングを転送されても誤ってリング外に送出されることはないので、ICMPパケットは送らない。
【0036】
次に、本発明の第2実施例を
図2により説明する。本実施例は、パケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の例である。
この実施例の実施例1と異なる点はパケット(7)Mr1r2a3a2(I0)がパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に到着した時、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスa2がパケット通過を指定する下位アドレスメモリに記憶されている場合、右回りリングの下流に同じ下位アドレスを持つ端末が位置する旨の信号fを前記パケットに付与しない点である。このため、サーバ20でのICMPパケットの送出は通信開始パケットの検出のみの条件で送出される。従って、ルータ12での遅延バッファによりパケットを遅延する機会が実施例1の場合より多くなる。
【0037】
次に、本発明の第3実施例を
図3により説明する。本実施例は、パケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバがルータを介して接続された頂点装置からなる2重リング網の例である。
この実施例の実施例1と異なる点はICMPパケットでの通信開始パケットの検出の通知に代えて、IPパケットIPI3I0、24によりIPヘッダの宛先IPアドレスの位置にサーバ20のIPアドレスを記して制御信号としたものです。これにより実施例1の制御信号23またはICMP信号と同様の動作ができる。
【0038】
次に、本発明の第4実施例を
図4により説明する。本実施例は、パケット通過を指定するアドレステーブルとリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリとパケット通過を指定する下位アドレスメモリを持つ複数のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置とサーバが接続された頂点装置からなる2重リング網の例である。
この実施例の実施例1と異なる点はルータ12が無い点である。端末からのMACパケットは直接サーバ11に到達する。このサーバ11はルータと同様にARPテーブルを持っている。
サーバ11の動作は、実施例1と同様に端末13-1からのパケット(5)Ms1s2a1a2(I0)(MはMACパケットを示し、s1s2はサーバ11のMACアドレスを示し、a1a2は端末13-1のMACアドレスを示し、I0は宛先であるサーバ11のIPアドレスを示す)が到着した後に、端末13-2からの右回りリングの下流に同じ下位アドレスを持つ端末が位置する旨の信号fを持つ、(5)Ms1s2a1a2(I0)と送信元MACアドレスの下位アドレスが同じパケット(10)Ms1s2a3a2f(I0)が到着した場合に、前記(5)Ms1s2a1a2(I0)の応答パケットと(10)Ms1s2a3a2f(I0)の応答パケットを(5)Ms1s2a1a2(I0)の再送パケットが到着するまでバッファで遅延する。再送パケットである(16)Ms1s2a3a2f(I0)が到着した時、(17)Ma3a2s1s2(I3)、(18)Ma1a2s1s2(I2)により図に示すように応答パケットを頂点装置3を経由して右回りリングに送出する。他は実施例1と同じ動作なので説明を省略する。
【0039】
以上の実施例1から実施例4まではサーバにTCPの通信開始パケットが到着した場合に、誤ってリング外に送出されることをさけるため、再送パケットが到着するまで、誤ってリング外に送出される可能性のあるパケットを待たせる方法であるが、誤ってリング外に送出されることを許容すれば、再送パケットによりその現象はなくなるので、誤ってリング外に送出される可能性のあるパケットを待たせる方法もない。
【0040】
また、以上の実施例1から実施例4まではパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10を用いるれいであるが、パケット通過を指定する下位アドレスメモリ10を用いない例でも本発明は成立する。その場合には、パケットの宛先MACアドレスの下位アドレスがリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶されていない場合で、かつ、パケット通過を指定する下位アドレスメモリ10とリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに宛先MACアドレスの下位アドレスが記憶されていない場合のパケットは廃棄できるが、それができなくなる点である。ただ、パケットのMACアドレスの誤りはFCSでも検出できる。
また、以上の実施例1から実施例4まではパケット通過を指定する下位アドレスメモリ10に送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶し、リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに送信元MACアドレスの下位アドレスを記憶する例を示したが、
パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスでアドレス指定した位置にビット1を記憶することであっても良い。
または、前記パケットの送信元MACアドレスの下位アドレスをパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリに記憶することは、パケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリを送信元MACアドレスの下位アドレスの上位下位アドレスでアドレス指定した位置から読み出される並列データの各ビットと送信元MACアドレスの下位アドレスの下位下位アドレスをデコードした並列データの各ビットとの論理和の並列データのラッチ信号をパケット通過を指定する下位アドレスメモリまたはリング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリの前記アドレス指定位置に記憶することであってもよい。
【符号の説明】
【0041】
1 左回りリング
2 右回りリング
3 頂点装置
6-1,6-2,6-3 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
7 リング外へのパケット送出を指定する下位アドレスメモリ
8 パケット通過を指定するアドレステーブル
10 パケット通過を指定する下位アドレスメモリ
13-1,13-2,13-3 端末
12 ルータ
11、20 サーバ
23 制御信号、
I0,I1,I2,I3,I4 IPアドレス