(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079831
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】通信制御装置および撮像装置
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20230601BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230601BHJP
【FI】
H04N5/232
G03B17/02
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193489
(22)【出願日】2021-11-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-27
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【弁理士】
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(74)【代理人】
【識別番号】100199314
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 寛
(72)【発明者】
【氏名】大塚 浩一
(72)【発明者】
【氏名】岡本 渉
【テーマコード(参考)】
2H100
5C122
【Fターム(参考)】
2H100FF05
5C122EA42
5C122FK33
5C122FK37
5C122FK38
5C122GC07
5C122GC52
5C122HA86
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB09
(57)【要約】
【課題】外部機器とのデータ通信において自装置がホストとなる機能を利用し易くすることができる通信制御装置及び撮像装置を提供する。
【解決手段】外部機器とデータ通信を行う通信制御装置が提供される。通信制御装置は、所定の通信規格において外部機器と接続する通信部(160)と、自装置が通信部を介するデータ通信において外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のホスト機能を制御する制御部(135)と、ユーザ操作に基づいて、各ホスト機能のオン/オフの状態をそれぞれ設定する操作部(150)とを備える。制御部は、複数のホスト機能において、オン状態にあるホスト機能に応じて、ユーザ操作により設定を変更するホスト機能を制限するように操作部を制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器とデータ通信を行う通信制御装置であって、
所定の通信規格において前記外部機器と接続する通信部と、
自装置が前記通信部を介するデータ通信において前記外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のホスト機能を制御する制御部と、
ユーザ操作に基づいて、各ホスト機能のオン/オフの状態をそれぞれ設定する操作部とを備え、
前記制御部は、前記複数のホスト機能において、オン状態にあるホスト機能に応じて、前記ユーザ操作により設定を変更するホスト機能を制限するように前記操作部を制御する
通信制御装置。
【請求項2】
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、オン状態にあるホスト機能よりも下位のホスト機能について、前記ユーザ操作による設定変更を禁止するように前記操作部を制御する
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、
前記複数のホスト機能における一のホスト機能がオン状態にあるときに当該ホスト機能よりも上位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、
前記上位のホスト機能をオン状態に変更し、前記一のホスト機能についての前記ユーザ操作による設定変更を禁止するように前記操作部を制御する
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記一のホスト機能がオン状態にあるときに前記上位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、更に、前記一のホスト機能をオン状態からオフ状態に変更する
請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記複数のホスト機能における一のホスト機能がオン状態にあるときに当該ホスト機能よりも下位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、前記一のホスト機能がオン状態であることを通知する通知部をさらに備える
請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、自装置が前記通信部を介するデータ通信において前記ホストとして動作しないデバイス機能をさらに制御し、
前記デバイス機能は、前記ホスト機能よりも下位の関係を有する
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記複数のホスト機能においてオン状態のホスト機能がある場合、自装置をホストとして動作させ、
前記複数のホスト機能においてオン状態のホスト機能がない場合、自装置をホストとして動作させない
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記所定の通信規格は、USB規格である
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の通信制御装置と、
被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と
を備えた撮像装置であって、
前記複数のホスト機能は、前記撮像装置から前記通信部を介して、前記画像データを前記外部機器に記録する機能と、前記外部機器を用いて前記画像データを配信する機能と、前記撮像装置の動作を制御する制御信号を前記外部機器から取得する機能とのうちの少なくとも一つを含む
撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、外部機器と接続してデータ通信を行う通信制御装置、及びこれを備えた撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、パーソナルコンピュータ(PC)の周辺インタフェースにおいて、USB(Universal Serial Bus)の特長であるプラグアンドプレイ機能を、操作者の介在なしに実現するための技術を開示する。特許文献1のUSBコントローラチップとしてのUSBデバイスコントローラは、RAMに格納された順序情報に基づいて複数の機能の中から所定数の機能を選択し、当該コントローラがサポート可能な数以内の機能をUSB対応のエンドポイントとして構成して、ホスト装置であるPCに報告する。特許文献1では、USBデバイスコントローラでサポートしているエンドポイントの数が足りない場合に、同時には使用しないエンドポイントを動的に再構成しており、これによって上記の操作者が介在しない技術のためのハードウェアにかかるコストを削減している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、外部機器とのデータ通信において自装置がホストとなる機能を利用し易くすることができる通信制御装置及び撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示において、外部機器とデータ通信を行う通信制御装置が提供される。通信制御装置は、所定の通信規格において外部機器と接続する通信部と、自装置が通信部を介するデータ通信において外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のホスト機能を制御する制御部と、ユーザ操作に基づいて、各ホスト機能のオン/オフの状態をそれぞれ設定する操作部とを備える。制御部は、複数のホスト機能において、オン状態にあるホスト機能に応じて、ユーザ操作により設定を変更するホスト機能を制限するように操作部を制御する。
【0006】
本開示における撮像装置は、上記の通信制御装置と、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部とを備える。複数のUSBホスト機能は、撮像装置からUSBコネクタ160を介して、画像データを外部機器に記録する機能と、外部機器を用いて画像データを配信する機能と、撮像装置の動作を制御する制御信号を外部機器から取得する機能とのうちの少なくとも一つを含む撮像装置。
【発明の効果】
【0007】
本開示における通信制御装置及び撮像装置によると、外部機器とのデータ通信において自装置がホストとなる機能を利用し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態1に係るデジタルカメラの構成を示す図
【
図3】デジタルカメラにおけるUSB機能の設定メニューの構成例を示す図
【
図4】デジタルカメラにおけるUSB機能間の優先順位を説明した図
【
図5】デジタルカメラにおけるメニュー設定の動作を例示するフローチャート
【
図6】デジタルカメラにおけるメニュー設定の動作の表示例を示す図
【
図7】デジタルカメラにおける排他オン処理を例示するフローチャート
【
図8】デジタルカメラにおけるUSB機能のグレーアウト管理情報を例示する図
【
図9】デジタルカメラにおける排他オン処理の表示例を示す図
【
図10】デジタルカメラにおける排他オン処理の表示の変形例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1では、本開示に係る通信制御装置を備えた撮像装置の一例としてのデジタルカメラについて説明する。
【0011】
1.構成
実施形態1に係るデジタルカメラの構成について、
図1を用いて説明する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の構成を示す図である。本実施形態のデジタルカメラ100は、イメージセンサ115と、画像処理エンジン120と、表示モニタ130と、制御部135とを備える。さらに、デジタルカメラ100は、バッファメモリ125と、カードスロット140と、フラッシュメモリ145と、操作部150と、USBコネクタ160とを備える。
【0013】
また、デジタルカメラ100は、例えば光学系110及びレンズ駆動部112を備える。光学系110及びレンズ駆動部112は、デジタルカメラ100本体に対して着脱可能な交換レンズを構成してもよい。
【0014】
光学系110は、フォーカスレンズ、ズームレンズ、光学式手ぶれ補正レンズ(OIS)、絞り、シャッタ等を含む。フォーカスレンズは、イメージセンサ115上に形成される被写体像のフォーカス状態を変化させるためのレンズである。ズームレンズは、光学系で形成される被写体像の倍率を変化させるためのレンズである。フォーカスレンズ等は、それぞれ1枚又は複数枚のレンズで構成される。
【0015】
レンズ駆動部112は、光学系110におけるフォーカスレンズ等を駆動する。レンズ駆動部112はモータを含み、制御部135の制御に基づいてフォーカスレンズを光学系110の光軸に沿って移動させる。レンズ駆動部112においてフォーカスレンズを駆動する構成は、DCモータ、ステッピングモータ、サーボモータ、または超音波モータなどで実現できる。
【0016】
イメージセンサ115は、光学系110を介して形成された被写体像を撮像して、撮像データを生成する。撮像データは、イメージセンサ115による撮像画像を示す画像データを構成する。イメージセンサ115は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。イメージセンサ115における、撮像データの生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、制御部135によって制御される。イメージセンサ115は、CMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサ、またはNMOSイメージセンサなど、種々のイメージセンサを用いることができる。
【0017】
イメージセンサ115は、静止画像の撮像動作、スルー画像の撮像動作等を実行する。スルー画像は主に動画像であり、ユーザが静止画像の撮像のための構図を決めるために表示モニタ130に表示される。スルー画像及び静止画像は、それぞれ本実施形態における撮像画像の一例である。イメージセンサ115は、本実施形態における撮像部の一例である。
【0018】
画像処理エンジン120は、イメージセンサ115から出力された撮像データに対して各種の処理を施して画像データを生成したり、画像データに各種の処理を施して、表示モニタ130に表示するための画像を生成したりする。各種処理としては、ホワイトバランス補正、ガンマ補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されない。画像処理エンジン120は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、プログラムを用いたマイクロコンピュータ、プロセッサなどで構成してもよい。
【0019】
表示モニタ130は、種々の情報を表示する表示部の一例である。例えば、表示モニタ130は、イメージセンサ115で撮像され、画像処理エンジン120で画像処理された画像データが示す画像(スルー画像)を表示する。また、表示モニタ130は、ユーザがデジタルカメラ100に対して種々の設定を行うためのメニュー画面等を表示する。表示モニタ130は、例えば、液晶ディスプレイデバイスまたは有機ELデバイスで構成できる。
【0020】
操作部150は、ユーザからの操作(指示)を受け付けるユーザーインターフェースの総称である。操作部150は、例えば物理的なボタン、レバー、ダイヤル、タッチパネル、スイッチ等を含む。また、操作部150は、表示モニタ130上に表示される仮想的なボタンやアイコンも含む。操作部150の具体例については後述する。
【0021】
制御部135は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。制御部135はCPU等を含み、CPUがプログラム(ソフトウェア)を実行することで所定の機能を実現する。制御部135は、CPUに代えて、所定の機能を実現するように設計された専用の電子回路で構成されるプロセッサを含んでもよい。すなわち、制御部135は、CPU、MPU、GPU、DSU、FPGA、ASIC等の種々のプロセッサで実現できる。制御部135は1つまたは複数のプロセッサで構成してもよい。また、制御部135は、画像処理エンジン120などと共に1つの半導体チップで構成してもよい。
【0022】
バッファメモリ125は、画像処理エンジン120や制御部135のワークメモリとして機能する記録媒体である。バッファメモリ125は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)などにより実現される。フラッシュメモリ145は不揮発性の記録媒体である。例えば、フラッシュメモリ145は、本実施形態におけるデジタルカメラ100の動作モードを管理するための各種データ構造(後述)を格納する。各メモリ145,125は、それぞれ本実施形態における記憶部の一例である。
【0023】
カードスロット140は、着脱可能なメモリカード142が挿入される手段である。カードスロット140は、メモリカード142を電気的及び機械的に接続可能である。メモリカード142は、内部にフラッシュメモリ等の記録素子を備えた外部メモリである。メモリカード142は、画像処理エンジン120で生成される画像データなどのデータを格納できる。
【0024】
USBコネクタ160は、他の機器とUSBケーブルを介して接続するインタフェースモジュール(回路)である。制御部135は、USBコネクタ160を介して、USB規格に準拠したデータ通信により、他の機器と各種データを送受信することができる。USBコネクタ160は、本実施形態における通信部の一例である。本実施形態では、デジタルカメラ100におけるUSBコネクタ160の個数が1つである場合を説明する。
【0025】
以上のように構成されるデジタルカメラ100において、通信制御装置は、撮像装置としてのデジタルカメラ100と一体的に構成され、例えばUSBコネクタ160、制御部135及び操作部150により構成される。通信制御装置は、通知部の一例として表示モニタ130を備えてもよい。
【0026】
1-1.操作部について
操作部150の具体例を、
図2を用いて説明する。
図2は、デジタルカメラ100の背面を示した図である。
【0027】
図2では、操作部150の例として、レリーズボタン151、選択ボタン152、決定ボタン153、タッチパネル155、および複数の機能ボタン156,157,158が示されている。操作部150は、ユーザによる操作を受け付けると、制御部135に種々の指示信号を送信する。
【0028】
レリーズボタン151は、二段押下式のボタンである。レリーズボタン151がユーザにより半押し操作されると、制御部135はオートフォーカス制御(AF制御)やオート露出制御(AE制御)などを実行する。また、レリーズボタン151がユーザにより全押し操作されると、制御部135は、押下操作のタイミングに撮像された画像データを記録画像としてメモリカード142等に記録する。
【0029】
選択ボタン152は、上下左右方向に設けられた押下式ボタンである。ユーザは、上下左右方向のいずれかの選択ボタン152を押下することにより、表示モニタ130に表示される各種条件項目を選択したり、カーソルを移動したりすることができる。
【0030】
決定ボタン153は、押下式ボタンである。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、決定ボタン153がユーザにより押下されると、制御部135は表示モニタ130にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。決定ボタン153が各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、制御部135は、選択された項目の設定を確定する。
【0031】
タッチパネル155は、表示モニタ130の表示画面と重畳して配置され、ユーザの指による表示画面上へのタッチ操作を検出する。これにより、ユーザは、表示モニタ130に表示された画像に対する領域の指定、メニュー画面上の各種選択等の操作を行える。
【0032】
各機能ボタン156~158は、それぞれデジタルカメラ100における特定の機能が予め割り当てられた押下式ボタンである。
【0033】
1-2.USB機能のメニュー構成
本実施形態のデジタルカメラ100は、USBコネクタ160を介して接続される各種外部機器とのデータ通信により所定の動作を実行する機能、すなわちUSB機能を複数、有する。デジタルカメラ100における各種のUSB機能を設定するための設定メニューの構成について、
図3を用いて説明する。
【0034】
図3は、デジタルカメラ100におけるUSB機能F1~F7の設定メニューの構成例を示す。本実施形態のデジタルカメラ100は、複数のUSBホスト機能F1~F4と、複数のUSBデバイス機能F5~F7とを有する。USBホスト機能F1~F4は、デジタルカメラ100がUSB規格のデータ通信におけるホストとデバイスのうちのホストとして機能することにより実現されるUSB機能である。USBデバイス機能F5~F7は、デジタルカメラ100がデバイスとして機能することにより実現されるUSB機能である。
【0035】
図3(A)は、デジタルカメラ100における設定メニューの表示例を示す。本例では、表示モニタ130に表示されるメニュー画面において、デジタルカメラ100の各種設定に関する設定タブ40における特定のサブタブ41が選択された場合を例示する。設定タブ40は、各種カテゴリを示すサブタブ41毎に各種設定についてのメニュー項目を分類する。
【0036】
本実施形態では、デジタルカメラ100においてユーザが使用する機能のカテゴリに応じて細分化された設定メニューにおいて、各USBホスト機能F1~F4が、各々の機能に応じたカテゴリ内に配置される。本実施形態のデジタルカメラ100は、設定メニューにおいて各USBホスト機能F1~F4の有効/無効すなわちオン/オフの状態を設定可能に構成される。各USBホスト機能F1~F4は、それぞれ本実施形態におけるホスト機能の一例である。
【0037】
図3(A)の例のサブタブ41は、デジタルカメラ100の入出力に関するカテゴリを示し、例えば「ストリーミング」及び「USB」といったメニュー項目M1,M2を含む。各メニュー項目M1,M2は、例えば選択ボタン152によって選択でき、決定ボタン153を操作することにより、設定変更のユーザ操作が入力できる。同様の操作は、タッチパネル155のタッチ操作等でも可能である。
【0038】
図3(B)は、
図3(A)とは別のサブタブ42が選択された場合の表示例を示す。
図3(B)の例のサブタブ42は、メモリカード142等の記憶媒体及び記録されるファイルに関するカテゴリのメニュー項目を含む。例えば、「外付けSSD記録」のメニュー項目M3は、USBホスト機能である外部記録機能F1のオン/オフ状態を設定する。外部記録機能F1は、SSDドライブなどの外部記憶装置がUSBコネクタ160に接続された際に、デジタルカメラ100による動画データ等を外部記憶装置に記録する動作を実行可能にする。
【0039】
図3(C)は、
図3(A)のメニュー項目M1が選択された場合の表示例を示す。本例において、メニュー項目M1は、それぞれUSBホスト機能である第1及び第2のストリーミング機能F2,F3を管理する。
【0040】
メニュー項目M1の詳細画面は、
図3(C)に示すように、各種ストリーミング機能F2,F3のオン/オフ状態を一括して設定する項目、及び、配信方法及び接続方法の設定により各種ストリーミング機能F2,F3を選択肢として切り替える項目などを含む。各ストリーミング機能F2,F3は、インターネット等の通信ネットワークによりデジタルカメラ100の動画データ等を配信するストリーミング配信を行うために、デジタルカメラ100が各々の接続方法で外部機器とデータ通信する動作を実行可能にする。
【0041】
第1のストリーミング機能F2では、配信方法「直接配信」より、デジタルカメラ100から出力される動画データが、ストリーミング配信が可能なデータ形式を有する。例えば、本機能F2のプロトコルは、RTMP/RTMPSである。又、本機能F2では、接続方法「USBテザリング」より、デジタルカメラ100のUSBコネクタ160と、スマートフォン等の情報端末とが互いにUSBケーブルにより接続される。
【0042】
第2のストリーミング機能F3では、配信方法「ソフト配信」より、デジタルカメラ100から出力される動画データが、外部の情報端末におけるストリーミング配信用のソフトウェアで編集可能なデータ形式を有する。例えば、本機能F3のプロトコルは、RTP/RTSPである。又、本機能F3は、接続方法「有線LAN」より、USBコネクタ160が、USB-有線LAN変換アダプタ(以下「有線LANアダプタ」という)を経由してPC等の情報端末に接続される。こうした接続においては、更にハブ等を経由してもよく、複数台のデジタルカメラ100が共通の情報端末に接続可能である。
【0043】
図3(D)は、
図3(A)のメニュー項目において
図3(C)とは異なるメニュー項目M2が選択された場合の表示例を示す。メニュー項目M2の詳細画面は、「USBモード」及び「テザー接続(有線LANアダプタ)」といったメニュー項目M20,M21を含む。
【0044】
メニュー項目M20は、複数のUSBデバイス機能F5,F6,F7にそれぞれ対応する別々のモード「PC(MSC)」、「PC(テザー)」及び「PictBridge」を、択一の選択肢として設定する。各機能F5~F7は、例えば別々のUSBデバイスクラスに対応する。このように、本例においてUSBデバイス機能F5~F7は、設定メニューにおいて1箇所に配置され、選択的な形式において1つをオン状態に設定可能に構成される。USBデバイス機能F5~F7は、それぞれ本実施形態におけるデバイス機能の一例である。
【0045】
メニュー項目M21は、USBホスト機能であるテザー接続機能F4のオン/オフ状態を設定する。テザー接続機能F4は、例えば上述した接続方法「有線LAN」のストリーミング機能F3と同様の接続方法において、情報端末によりデジタルカメラ100の撮影動作などを制御するテザー接続を機能させるための動作を実行可能にする。例えば、本機能F4において、デジタルカメラ100のUSBコネクタ160は、有線LANアダプタを介して情報端末からの制御信号を取得する。
【0046】
以上のように構成される設定メニューにおいては、USBホスト機能F1~F4は、細分化された設定メニューの各所において個々に管理される。これにより、ユーザは、特にデジタルカメラ100をホストとして機能させるかどうかは意識することなく、使用したい機能のカテゴリのメニュー画面において所望の機能の設定を完結でき、デジタルカメラ100を利用し易くできる。
【0047】
2.動作
以上のように構成されるデジタルカメラ100の動作について以下説明する。
【0048】
本実施形態のデジタルカメラ100は、上述した複数のUSBホスト機能F1~F4において何れかのUSBホスト機能がオンされると、ホストとして機能する動作モード(以下「ホストモード」という)に移行する。この際、デジタルカメラ100が外部機器に対してホストとしてデータ通信を主体的に制御するような高度な動作となり、デジタルカメラ100に各種負荷が考えられる。
【0049】
例えば、USBホスト機能F1~F4の何れかの実行中、同時に他のUSB機能の実行は、1つのUSBコネクタ160では困難である。さらに、各USBホスト機能F1~F4のオン状態においては、他のUSB機能以外にもデジタルカメラ100において実行できない機能が、各々生じ得る。また、ホストモードのデジタルカメラ100では、USBコネクタ160に接続された外部機器への給電等により消費電力が増大し得る。
【0050】
こうしたことから、複数のUSBホスト機能F1~F4について、ユーザが所望の機能を使用したいときに選択的にオンし、そうでないときはオフするような使用方法が、デジタルカメラ100を活用する上で有用と考えられる。そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、オン状態とするUSBホスト機能F1~F4を敢えて一つに制限するような制御を行う。
【0051】
上記のような機能制限においては、例えば1つのUSBホスト機能(前者)が予めオンされた状態において、ユーザが別のUSBホスト機能(後者)をオンに操作した場合に、前者が後者かに応じて画一的に一方のみをオン状態とする方式が考えられる。ここで、例えば前者のみをオン状態とする方式では、後者が撮影記録など所定の観点から主要な機能である場合に、ユーザは、主要でない前者がオン状態であったがために主要な後者をオンできないこととなる。
【0052】
一方、後者のみをオン状態とする方式では、前者が主要な機能である場合に、主要でない後者をオンすることに伴い、主要な前者がオフされてしまう。また、後者の方式では、ユーザがUSBホスト機能をオフに操作する機会が特に生じず、デジタルカメラにおいてホストモードが解除され難い事態が懸念される。
【0053】
そこで、本実施形態のデジタルカメラ100は、複数のUSB機能F1~F7同士で何れを優先するのかといった優先順位の関係を予め規定しておき、機能制限に用いる。
図4は、本実施形態のデジタルカメラ100におけるUSB機能F1~F7間の優先順位を説明した図である。
図4中の表は、設定変更のユーザ操作前にオン状態(すなわち前者)のUSB機能F1~F7を各行に示し、上記操作の対象(すなわち後者)のUSB機能F1~F7を各列に示す。
【0054】
図4では、優先順位の上位から順にUSBホスト機能F1~F4が並び、更に下位がUSBデバイス機能F5~F7であるという関係が規定された一例を示す。本例において、USBデバイス機能F5~F7は、互いに同じ順位である。USBホスト機能F1~F4の中にも、同順位のものがあってもよい(例えばF2,F3)。又、USB機能F1~F7間の優先順位は、特に図示した順番に限定されず、種々の順番であってもよい。
【0055】
本実施形態のデジタルカメラ100は、USBホスト機能F1~F4の何れかがオン状態である場合、例えば
図4に示すように、オン状態のUSBホスト機能よりも下位のUSB機能をグレーアウト状態に設定する。グレーアウト状態は、ユーザ操作による設定変更が禁止された状態であり、例えば対応するメニュー項目がグレーアウト表示される。
【0056】
一方、オン状態のUSBホスト機能よりも上位のUSB機能については禁止されず、ユーザ操作によりオン/オフ状態の設定を変更可能である。設定変更のユーザ操作が入力される前後のデジタルカメラ100の状態は、それぞれ
図4中の何れかの行に対応する。
【0057】
このように、本実施形態のデジタルカメラ100では、複数のUSB機能F1~F7の間に優先順位のような関係を設けて、上位のUSB機能を、下位のUSB機能よりも優先するように、各USB機能F1~F7の設定状態と共にユーザ操作による変更可否を制御する。これにより、例えばユーザが、オン状態のUSB機能よりも上位のUSB機能を使用したい場合は、設定変更のユーザ操作を行うことで所望の機能をオン状態に設定できる。又、下位のUSB機能のために上位のUSB機能がオフされるような事態も回避できる。
【0058】
2-1.メニュー設定動作
本実施形態のデジタルカメラ100において、以上のようなUSB機能F1~F7についてのメニュー設定を行う動作について、
図4~6を用いて説明する。
図5は、デジタルカメラ100におけるメニュー設定の動作を例示するフローチャートである。
【0059】
図5のフローチャートに例示する処理は、例えばユーザがUSB機能F1~F7の設定変更のためのメニュー操作を操作部150に入力したときに開始される。本フローの処理は、例えば、
図4に示したようなUSB機能F1~F7間の関係を管理する管理情報が、デジタルカメラ100のフラッシュメモリ145等に予め格納された状態で、制御部135によって実行される。
【0060】
まず、デジタルカメラ100の制御部135は、操作部150から、入力されたメニュー操作の内容を示す操作情報を取得する(S1)。上記メニュー操作は、例えばUSB機能F1~F7についてのメニュー項目M1~M21(
図3)に対する決定ボタン153等の操作である。取得される操作情報は、例えばメニュー項目M1~M21又は対応するUSB機能F1~F7における操作対象を示す。
【0061】
次に、制御部135は、取得した操作情報に基づいて、操作対象がグレーアウト状態であるか否かを判断する(S2)。ステップS2の判断は、例えば、
図4に対応する管理情報、或いは設定メニューの現在状態の情報などを用いて行われる。例えば、現在オン状態にあるUSB機能よりも上位のUSB機能の設定変更のためのメニュー操作が行われた場合、制御部135はステップS2でNOに進む。
【0062】
操作対象がグレーアウト状態でない場合(S2でNO)、制御部135は、例えば、入力されたメニュー操作が、現在オン状態のUSBホスト機能をオフする操作であるか否かを判断する(S3)。例えば、現在オン状態のUSB機能よりも上位のUSBホスト機能をオンする操作が入力された場合、制御部135は、ステップS3でYESに進む。
【0063】
入力されたユーザ操作がUSBホスト機能のオフ操作でない場合(S3でNO)、制御部135は、操作対象のUSB機能を排他的にオン状態に設定する処理を行う(S4)。排他オン処理(S4)では、操作対象のUSB機能に対する優先順位に応じて、他のUSB機能のオン/オフ状態および操作可否が排他的に制御される。例えば、制御部135は、
図4の例の各行のうち、操作前にオン状態であったUSB機能に対応する行から、操作対象のUSB機能のオン状態に対応する行へ、デジタルカメラ100の動作状態を移行させる(S4)。排他オン処理(S4)の詳細は後述する。
【0064】
一方、入力されたユーザ操作がUSBホスト機能のオフ操作である場合(S3でYES)、制御部135は、操作対象のUSBホスト機能を、オン状態からオフ状態に変更する処理を行う(S5)。例えば、ホストオフ処理(S5)において、制御部135は、デジタルカメラ100においてホストモードを解除して、デバイスモードに移行する。デバイスモードは、デジタルカメラ100がUSB規格のデバイスとして機能する動作モードである。
【0065】
又、ステップS5において、制御部135は、操作前にオン状態であったUSBホスト機能による各種のグレーアウト状態を解除する。例えば、制御部135は、
図4の例の各行のうちの、USBデバイス機能F5~F7の何れかのオン状態に対応する行の動作状態へデジタルカメラ100を移行させる(S5)。
【0066】
また、制御部135は、操作対象がグレーアウト状態である場合(S2でYES)、USB機能のオン/オフ状態の設定を変更せずに、所定の設定不可メッセージを表示モニタ130に表示させる(S6)。設定不可メッセージは、入力されたメニュー操作の設定変更ができない要因として、前者のUSB機能がオン状態であることを示す。ステップS6における表示例を
図6に示す。
【0067】
図6は、第1又は第2のストリーミング機能F2,F3がオン状態(前者)にあり、その下位のUSB機能F4~F7を操作対象(後者)とするメニュー操作として、
図3(A)の「USB」のメニュー項目M2が操作された場合を例示する。ステップS6において、制御部135は、現在オン状態のUSB機能と操作対象とに基づいて、設定不可メッセージ50を生成して、例えば
図6に示すように表示モニタ130を制御する。こうした設定不可メッセージ50によると、ユーザは、メニュー項目M2の設定変更ができない要因が、現在オン状態のUSBホスト機能F2,F3であることを把握できる。
【0068】
制御部135は、例えばステップS4~S6の何れかの処理を実行後に、本フローに示す処理を終了する。
【0069】
以上の処理によると、本実施形態のデジタルカメラ100は、ユーザのメニュー操作前からオン状態のUSB機能よりも上位のUSB機能については、設定変更のメニュー操作を受け付けて(S2,S3でNO)、操作されたUSB機能をオン状態に変更する(S4)。この際、デジタルカメラ100は、前者のUSB機能を、基本的にオン状態から自動でオフ状態に変更する(S4)。
【0070】
一方、ユーザが、操作前にオン状態のUSB機能よりも下位のUSB機能について設定変更のメニュー操作を行った場合(S2でYES)、デジタルカメラ100は、その設定変更を受け付けずに禁止し、設定不可メッセージ50を表示する(S6)。ユーザは、例えば設定不可メッセージ50に応じて、上位のUSB機能をオフに操作することで、下位のUSB機能を容易に利用することができる。
【0071】
また、ユーザによりオン状態のUSBホスト機能をオフ操作が為されると(S3でYES)、デジタルカメラ100は、当該機能をオフ状態に変更し、自動的にホストモードを解除する(S5)。これにより、ホストモードが意図せず継続し続けてしまうような事態を抑制し、デジタルカメラ100を活用し易くできる。
【0072】
2-1-1.排他オン処理
図5のステップS4における排他オン処理について、
図7~9を用いて説明する。
【0073】
図7は、デジタルカメラ100における排他オン処理(S4)を例示するフローチャートである。
図8は、デジタルカメラ100におけるUSB機能F1~F7のグレーアウト管理情報60を例示する。
図9は、排他オン処理(S4)の表示例を示す。
【0074】
まず、制御部135は、例えば、
図5のステップS1で取得した操作情報に基づき、入力されたメニュー操作における操作対象のUSB機能が、USBホスト機能であるか否かを判断する(S11)。
【0075】
制御部135は、操作対象(後者)のUSB機能がUSBホスト機能であると判断した場合(S11でYES)、デジタルカメラ100をホストモードに設定する(S12)。こうして、デジタルカメラ100は、ユーザ所望のUSB機能がUSBホスト機能であれば、制御部135の判断で自動的にホストモードに移行する。また、USBデバイス機能F5~F7の何れかが上記操作前にオン状態(前者)であった場合、例えばステップS12において当該機能はオフ状態に変更される。
【0076】
さらに、制御部135は、デジタルカメラ100において、操作対象のUSBホスト機能の設定をオン状態に変更する(S13)。又、例えば制御部135は、USBホスト機能F1~F4の何れかが上記操作前にオン状態(前者)であった場合、当該USBホスト機能の設定をオフ状態に変更する(S13)。ステップS13において、例えば前者がテザー接続機能F4であり後者が第2ストリーミング機能F3である場合など、両者が併用可能なUSBホスト機能である場合、制御部135は、前者のUSBホスト機能をオフせずオン状態で維持してもよい。
【0077】
さらに、制御部135は、操作対象のUSBホスト機能よりも下位のUSB機能のメニュー設定を禁止するようにグレーアウト状態を制御する(S14)。ステップS14の処理について、
図8を用いて説明する。
【0078】
図8は、USB機能F1~F7のグレーアウト管理情報60の一例を示す。グレーアウト管理情報60は、USB機能F1~F7と、各USB機能F1~F7がオン状態である場合にグレーアウト表示するメニュー項目とを関連付けて管理する。制御部135は、例えば予めフラッシュメモリ145等に格納されたグレーアウト管理情報60を参照して、ステップS13でオンしたUSBホスト機能に対応するメニュー項目をグレーアウト状態に制御する(S14)。
図8のグレーアウト管理情報60によると、
図3の設定メニューにおいて、
図4に例示した優先順位の関係における機能制限のグレーアウト表示を行える。
【0079】
一方、制御部135は、操作対象のUSB機能が、USBホスト機能でないと判断した場合(S11でNO)、デジタルカメラ100を、ホストモードではなくデバイスモードに設定する(S15)。
【0080】
制御部135は、デジタルカメラ100において操作前からオン状態のUSBデバイス機能から、操作対象のUSBデバイス機能にオン状態を切り替えるように、USBデバイス機能F5~F7の設定を変更する(S16)。
【0081】
次に、制御部135は、例えば、所定の完了メッセージを表示するように表示モニタ130を制御する(S17)。完了メッセージは、上記のステップS12~S16のような設定変更が完了したことを示す。ステップS17における表示例を
図9に示す。
【0082】
図9は、USBホスト機能F1~F4において、オン状態であった前者が第1ストリーミング機能F2であり、操作対象の後者が外部記録機能F1であった場合の完了メッセージ51を例示する。本例において、デジタルカメラ100は、完了メッセージ51により、前者のUSBホスト機能F2がオフされたことをユーザに注意喚起している。ステップS17における完了表示は、例えば、操作前後にオン状態のUSB機能の組合せに応じて予め設定される。こうした組合せによっては、ステップS17の完了表示は省略されてもよい。
【0083】
制御部135は、例えば以上のような完了表示(S17)後に、排他オン処理(
図5のS4)を終了する。
【0084】
以上の排他オン処理(S4)によると、操作対象のUSB機能をオンする際に、排他的にオン/オフ制御したり下位のUSB機能についてユーザ操作を禁止したりすることができる(S13,S14,S16)。
【0085】
制御部135は、USB機能をオン状態に変更する際(S13)、当該USB機能を実行可能にする準備のための各種設定をデジタルカメラ100に行う。例えば、制御部135は、USB機能F1~F7の他にも使用できなくなる機能についてのユーザ操作を禁止するためのグレーアウト表示等を設定する。こうしたオン状態の各種設定はオフ状態で解除される。
【0086】
以上の説明では、排他オン処理においてUSB機能をオンする際に、設定変更の完了表示(S17)を行う例を説明した。これに代えて又は加えて、設定変更の確認表示が行われてもよい。こうした変形例について、
図10を用いて説明する。
【0087】
図10は、オン状態の前者がテザー接続機能F4である場合において、後者が上位のUSBホスト機能F1又はF2である場合の表示例を示す。本例において、制御部135は、例えばステップS11の前に、
図10に示すように、表示モニタ130においてテザー接続機能F4の接続状態を終了することをユーザに確認するメッセージ52と、はい/いいえの選択肢とを表示させる。
【0088】
この際、ユーザ操作により「はい」が選択されると、制御部135はステップS11以降の処理を行う。一方、「いいえ」が選択された場合、例えば制御部135は、上記の処理を行わず、設定変更なしで
図5の処理を終了する。これにより、例えば前者のUSB機能が操作対象よりも下位であっても、ユーザが前者の使用を継続したい場合に設定変更を取り消すことができる。
【0089】
3.まとめ
以上のように、本実施形態のデジタルカメラ100において、外部機器とデータ通信を行う通信制御装置が構成される。通信制御装置は、通信部の一例のUSBコネクタ160と、制御部135と、操作部150とを備える。USBコネクタ160は、USB規格において外部機器と接続する。制御部135は自装置がUSBコネクタ160を介するデータ通信において外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のUSBホスト機能F1~F4(ホスト機能の一例)を制御する。操作部150は、ユーザ操作に基づいて、各USBホスト機能F1~F4のオン/オフの状態をそれぞれ設定する。制御部135は、複数のUSBホスト機能F1~F4において、オン状態にあるUSBホスト機能に応じて、ユーザ操作により設定を変更するUSBホスト機能を制限するように操作部150を制御する(S4)。
【0090】
以上の通信制御装置によると、複数のUSBホスト機能F1~F4において、ユーザ操作によりオン状態等への設定変更か可能なUSBホスト機能が、現在オン状態にあるホスト機能に応じて制限される。こうした機能制限を行うことにより、例えば各種のUSB機能F1~F7など、外部機器とのデータ通信において自装置がホストとなる機能を利用し易くすることができる。
【0091】
本実施形態において、複数のUSBホスト機能F1~F4は、互いに上位又は下位の関係を有する(
図4参照)。制御部135は、オン状態にあるUSBホスト機能よりも下位のUSBホスト機能について、ユーザ操作による設定変更を禁止するように操作部150を制御する(S14)。これにより、上位のUSBホスト機能がオン状態のときに、下位のUSB機能の設定変更が敢えてできないようにすることで、デジタルカメラ100を活用し易くすることができる。
【0092】
本実施形態において、制御部135は、複数のUSBホスト機能F1~F4における一のUSBホスト機能がオン状態にあるときに当該USBホスト機能よりも上位のUSBホスト機能をオンするユーザ操作が操作部150に入力されると(S2,S3でNO)、上位のUSBホスト機能をオン状態に変更し(S13)、一のUSBホスト機能についてのユーザ操作による設定変更を禁止するように操作部150を制御する(S14)。これにより、下位のUSBホスト機能がオン状態であっても、ユーザ操作に応じて上位のUSBホスト機能を優先的にオンすることで、ユーザにとってデジタルカメラ100を利用し易くすることができる。
【0093】
本実施形態において、制御部135は、一のUSBホスト機能がオン状態にあるときに上位のUSBホスト機能をオンするユーザ操作が操作部150に入力されると(S2,S3でNO)、更に、一のUSBホスト機能をオン状態からオフ状態に変更する(S13、
図4参照)。これにより、オン状態のUSB機能を1つに絞り、ホストとなり得るデジタルカメラ100を活用し易くすることができる。
【0094】
本実施形態の通信制御装置は、通知部の一例として表示モニタ130をさらに備える。通知部は、複数のUSBホスト機能F1~F4における一のUSBホスト機能がオン状態にあるときに当該USBホスト機能よりも下位のUSBホスト機能をオンするユーザ操作が操作部150に入力されると(S2,S3でNO)、一のUSBホスト機能がオン状態であることを通知する(S6、
図6参照)。これにより、ユーザは設定変更が禁止されている要因がオン状態のUSBホスト機能であることを把握でき、デジタルカメラ100を利用し易くすることができる。
【0095】
本実施形態において、制御部135は、自装置がUSBコネクタ160を介するデータ通信においてホストとして動作しないUSBデバイス機能F5~F7(デバイス機能の一例)をさらに制御する。USBデバイス機能F5~F7は、USBホスト機能F1~F4よりも下位の関係を有する。これにより、USBデバイス機能F5~F7よりもUSBホスト機能F1~F4を優先する機能制限を行って、外部機器とのデータ通信において自装置がホストとなる機能を利用し易くすることができる。
【0096】
本実施形態において、制御部135は、複数のUSBホスト機能F1~F4においてオン状態のUSBホスト機能がある場合(S11でYES)、自装置をホストとして動作させる(S12)。制御部135は、複数のUSBホスト機能F1~F4においてオン状態のUSBホスト機能がない場合(S11でNO)、自装置をホストとして動作させない(S15)。これにより、USBホスト機能が用いられる場合に限り例えばデジタルカメラ100をホストとして動作させることで、こうした機能を有するデジタルカメラ100を活用し易くすることができる。
【0097】
本実施形態において、制御部135は、オン状態にあるUSBホスト機能について、当該USBホスト機能をオフするユーザ操作を受け付けるように操作部150を制御する(S3~S4、
図4参照)。これにより、オン状態のUSBホスト機能をオフできるようにして、デジタルカメラ100を活用し易くすることができる。
【0098】
本実施形態において、所定の通信規格は、USB規格である。USB規格のデータ通信における種々の機能において、デジタルカメラ100を活用し易くすることができる。
【0099】
本実施形態において、撮像装置の一例のデジタルカメラ100は、通信制御装置と、被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部の一例のイメージセンサ115とを備える。複数のUSBホスト機能F1~F4は、デジタルカメラ100からUSBコネクタ160を介して、画像データを外部機器に記録する機能F1と、外部機器を用いて画像データを配信する機能F2,F3と、デジタルカメラ100の動作を制御する制御信号を外部機器から取得する機能F4とのうちの少なくとも一つを含む。こうしたデジタルカメラ100によると、外部機器とのデータ通信においてデジタルカメラ100がホストとなる機能を利用し易くすることができる。
【0100】
(他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置換、付加、省略などを行った実施の形態にも適用可能である。また、上記実施形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。そこで、以下、他の実施形態を例示する。
【0101】
上記の実施形態1では、デジタルカメラ100における複数のUSB機能F1~F7の一例を説明したが、デジタルカメラ100におけるUSB機能は、特に上記に限定されない。本実施形態において、例えばストリーミング配信のUSBホスト機能は上述の各機能F2,F3に限らず、例えば上述した配信方法と接続方法との組合せが、上記各機能F2,F3とは異なる組合せの機能が構成されてもよい。又、
図3(C)の詳細画面は、USBホスト機能ではないストリーミング機能を含んでもよく、例えばWi-Fi接続によるストリーミング機能を含んでもよい。
【0102】
又、デジタルカメラ100におけるUSBデバイス機能F5~F7も、特に上記の例に限らず、例えばUSBビデオクラスのUSBデバイス機能が更に含まれてもよい。また、デジタルカメラ100は、複数のUSBデバイス機能F5~F7を有しなくてもよく、1つ以下しかUSBデバイス機能を有していなくてもよい。例えば、デジタルカメラ100がUSBデバイス機能を有していない場合であっても、ホストモードをオフ可能とすることで、オン時におけるデジタルカメラ100の各種負荷を解消可能にすることができる。
【0103】
上記の各実施形態では、USB機能F1~F7のメニュー操作を制限する動作例を説明した。本実施形態のデジタルカメラ100において、制限されるユーザ操作は特にメニュー操作に限定されない。例えば、各USB機能F1~F7のオン/オフ設定変更の機能が割り当てられた機能ボタン156~158、或いはアイコン等のユーザ操作についても、上記の実施形態で説明した制限と同様の制限を適用可能である。
【0104】
上記の各実施形態では、デジタルカメラ100におけるUSBコネクタ160の個数が1つである場合を説明した。本実施形態のデジタルカメラ100は、特に上記に限定されず、例えば複数のUSBコネクタ160を備えてもよい。この場合、デジタルカメラ100の制御部135は、例えば各USBコネクタ160について、使用するUSB機能のオン/オフ状態及びユーザ操作による設定変更の可否を、上記の実施形態と同様に制御する。
【0105】
上記の各実施形態では、通信部の一例としてUSBコネクタ160を例示した。本実施形態において、デジタルカメラ100の通信部は特にUSB規格に限らず、種々の通信規格に準拠してデータの送受信を行ってもよい。例えば、USBコネクタ160の代わりに、Lightning規格によるコネクタが用いられてもよい。こうした場合においても、複数のホスト機能について上記各実施形態と同様の機能制限を行うことができる。
【0106】
また、上記の各実施形態では、光学系110及びレンズ駆動部112を備えるデジタルカメラ100を例示した。本実施形態の撮像装置は、光学系110及びレンズ駆動部112を備えなくてもよく、例えば交換レンズ式のカメラであってもよい。
【0107】
また、上記の各実施形態では、撮像装置の例としてデジタルカメラを説明したが、これに限定されない。本開示の撮像装置は、画像撮影機能を有する電子機器(例えば、ビデオカメラ、スマートフォン、タブレット端末等)であればよい。
【0108】
また、上記の各実施形態において、通信制御装置が撮像装置に適用される例を説明した。本実施形態において、通信制御装置は、必ずしも撮像装置に限らず、その他の各種の電子機器に適用されてもよい。
【0109】
以上のように、本開示における技術の例示として、実施の形態を説明した。そのために、添付図面および詳細な説明を提供した。
【0110】
したがって、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
【0111】
また、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置換、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本開示は、外部機器とデータ通信を行う各種の電子機器に適用可能であり、特に撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0113】
100 デジタルカメラ
115 イメージセンサ
125 バッファメモリ
130 表示モニタ
135 制御部
145 フラッシュメモリ
150 操作部
160 USBコネクタ
F1~F4 USBホスト機能
F5~F7 USBデバイス機能
【手続補正書】
【提出日】2022-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部機器とデータ通信を行う通信制御装置であって、
所定の通信規格において前記外部機器と接続する少なくとも1つの通信用コネクタを含む通信部と、
自装置が前記通信部を介するデータ通信において前記外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のホスト機能を制御する制御部と、
ユーザ操作に基づいて、前記1つの通信用コネクタに対する各ホスト機能のオン/オフの状態をそれぞれ設定する操作部とを備え、
前記制御部は、前記複数のホスト機能において、前記1つの通信用コネクタに設定されたオン状態にあるホスト機能に応じて、前記1つの通信用コネクタにおいて前記ユーザ操作により設定を変更するホスト機能を制限するように前記操作部を制御する
通信制御装置。
【請求項2】
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、オン状態にあるホスト機能よりも下位のホスト機能について、前記ユーザ操作による設定変更を禁止するように前記操作部を制御する
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
外部機器とデータ通信を行う通信制御装置であって、
所定の通信規格において前記外部機器と接続する通信部と、
自装置が前記通信部を介するデータ通信において前記外部機器に対するホストとして各々の動作を行う複数のホスト機能を制御する制御部と、
ユーザ操作に基づいて、各ホスト機能のオン/オフの状態をそれぞれ設定する操作部とを備え、
前記制御部は、前記複数のホスト機能において、オン状態にあるホスト機能に応じて、前記ユーザ操作により設定を変更するホスト機能を制限するように前記操作部を制御し、
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、
前記複数のホスト機能における一のホスト機能がオン状態にあるときに当該ホスト機能よりも上位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、
前記上位のホスト機能をオン状態に変更し、前記一のホスト機能についての前記ユーザ操作による設定変更を禁止するように前記操作部を制御する
通信制御装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記一のホスト機能がオン状態にあるときに前記上位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、更に、前記一のホスト機能をオン状態からオフ状態に変更する
請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記複数のホスト機能における一のホスト機能がオン状態にあるときに当該ホスト機能よりも下位のホスト機能をオンするユーザ操作が前記操作部に入力されると、前記一のホスト機能がオン状態であることを通知する通知部をさらに備える
請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記複数のホスト機能は、互いに上位又は下位の関係を有し、
前記制御部は、自装置が前記通信部を介するデータ通信において前記ホストとして動作しないデバイス機能をさらに制御し、
前記デバイス機能は、前記ホスト機能よりも下位の関係を有する
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記複数のホスト機能においてオン状態のホスト機能がある場合、自装置をホストとして動作させ、
前記複数のホスト機能においてオン状態のホスト機能がない場合、自装置をホストとして動作させない
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項8】
前記所定の通信規格は、USB規格である
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか1項に記載の通信制御装置と、
被写体像を撮像して画像データを生成する撮像部と
を備えた撮像装置であって、
前記複数のホスト機能は、前記撮像装置から前記通信部を介して、前記画像データを前記外部機器に記録する機能と、前記外部機器を用いて前記画像データを配信する機能と、前記撮像装置の動作を制御する制御信号を前記外部機器から取得する機能とのうちの少なくとも一つを含む
撮像装置。