(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079870
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】生成装置、生成方法及び生成プログラム
(51)【国際特許分類】
F24F 11/64 20180101AFI20230601BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20230601BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20230601BHJP
F24F 140/60 20180101ALN20230601BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/62
H05B47/125
F24F140:60
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193550
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋山 貴紀
(72)【発明者】
【氏名】一宮 昇平
(72)【発明者】
【氏名】柳 長秀
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 克信
【テーマコード(参考)】
3K273
3L260
【Fターム(参考)】
3K273PA04
3K273PA09
3K273QA07
3K273QA21
3K273RA08
3K273RA12
3K273SA02
3K273SA18
3K273SA20
3K273SA21
3K273SA22
3K273SA24
3K273SA38
3K273SA57
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA75
3L260BA74
3L260BA75
3L260CA01
3L260CA02
3L260CA03
3L260CA07
3L260CA39
3L260CB70
3L260EA02
3L260FA09
(57)【要約】
【課題】周辺環境の変化に対応しながら、利用者に応じた快適空間の提供を実現するための設備制御を提供する。
【解決手段】生成装置10は、少なくとも、制御対象エリアの人流センサ及び人感センサの検出結果を基に制御対象エリアの人流を予測する人流予測部131と、人流センサの検出結果と人感センサの検出結果とを基に、制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する滞在人数予測部132と、少なくとも、人流予測部131による人流予測データと、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、各利用者による制御対象エリアの過去の空調操作履歴とを用いて、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、少なくとも、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、各利用者による制御対象エリアの過去の照明操作履歴とを用いて、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成部14と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、制御対象エリアの人流を検出する人流センサの検出結果と、前記制御対象エリアの人を感知する人感センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを収集する収集部と、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの人流を予測する第1の予測部と、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する第2の予測部と、
少なくとも、前記第1の予測部による人流予測データと、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、少なくとも、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成部と、
を有することを特徴とする生成装置。
【請求項2】
前記収集部は、任意の利用者の位置データ、前記任意の利用者の行動履歴データ及び前記任意の利用者のスケジュールデータを収集し、
前記任意の利用者の位置データと、前記任意の利用者の行動履歴データと、前記任意の利用者のスケジュールデータとを基に、前記任意の利用者の行動を予測する第3の予測部をさらに有し、
前記生成部は、前記第1の予測部による人流予測データと、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記第3の予測部による前記任意の利用者の行動予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアのうち前記任意の利用者が位置すると予測されたエリアの前記空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記第3の予測部による前記任意の利用者の行動予測データと、前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアのうち前記任意の利用者が位置すると予測されたエリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成することを特徴とする請求項1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記収集部は、前記制御対象エリアに設けられた温度センサの検出結果と、前記制御対象エリアに設けられた湿度センサの検出結果と、前記制御対象エリアの気象情報と、前記制御対象エリアの放射温度データと、前記制御対象エリアの風速データと、前記制御対象エリアの人の着衣量データとを収集し、
前記第1の予測部による人流予測データを基に、前記制御対象エリアにおける人の運動量を予測する第4の予測部と、
前記第1の予測部による人流予測データと、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記温度センサの検出結果と、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、前記気象情報とを基に、前記制御対象エリアの温度を予測する第5の予測部と、
前記湿度センサの検出結果と、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、前記気象情報とを基に、前記制御対象エリアの湿度を予測する第6の予測部と、
前記第4の予測部による運動量予測データと、前記第5の予測部による温度予測データと、前記第6の予測部による湿度予測データと、前記放射温度データと、前記風速データと、前記着衣量データとを基に、前記制御対象エリアの、人間が感じる温冷感の指標であるPMV(Predicted Mean Vote)値を予測する第7の予測部と、
をさらに有し、
前記生成部は、前記第1の予測部による人流予測データと、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とともに、前記第5の予測部による温度予測データと、前記第6の予測部による湿度予測データと、前記第7の予測部によるPMV値予測データと、前記気象情報との少なくとも一つを用いて、前記制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成することを特徴とする請求項2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴を基に、前記制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーを予測する第8の予測部と、
前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴を基に、前記制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーを予測する第9の予測部と、
をさらに有し、
前記生成部は、前記第1の予測部による人流予測データと、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、前記第8の予測部による前記制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーの予測データとを用いて、前記制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、前記第2の予測部による滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴と、前記第9の予測部による前記制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーの予測データとを用いて、前記制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の生成装置。
【請求項5】
生成装置が実行する生成方法であって、
少なくとも、制御対象エリアの人流を検出する人流センサの検出結果と、前記制御対象エリアの人を感知する人感センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを収集する収集工程と、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの人流を予測する第1の予測工程と、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する第2の予測工程と、
少なくとも、前記第1の予測工程における人流予測データと、前記第2の予測工程における滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、少なくとも、前記第2の予測工程における滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成工程と、
を含んだことを特徴とする生成方法。
【請求項6】
少なくとも、制御対象エリアの人流を検出する人流センサの検出結果と、前記制御対象エリアの人を感知する人感センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを収集する収集ステップと、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの人流を予測する第1の予測ステップと、
前記人流センサの検出結果と前記人感センサの検出結果とを基に、前記制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する第2の予測ステップと、
少なくとも、前記第1の予測ステップにおける人流予測データと、前記第2の予測ステップにおける滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、少なくとも、前記第2の予測ステップにおける滞在人数予測データと、前記制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、前記制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成ステップと、
をコンピュータに実行させるための生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置、生成方法及び生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内の空調設備や照明設備は、センサ情報(人感センサ、室温センサなど)、スケジュール設定(8時点灯、20時消灯)など、限られたデータやシンプルなルールで制御していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-91590号公報
【特許文献2】特開2007-157491号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
室内の人口密度などの周辺環境の変化などに対応しながら、利用者の傾向(暑がり、寒がりなど)に合致する快適空間の提供が要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、周辺環境の変化に対応しながら、利用者に応じた快適空間の提供を実現するための設備制御を提供することができる生成装置、生成方法及び生成プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る生成装置は、少なくとも、制御対象エリアの人流を検出する人流センサの検出結果と、制御対象エリアの人を感知する人感センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを収集する収集部と、人流センサの検出結果と人感センサの検出結果とを基に、制御対象エリアの人流を予測する第1の予測部と、人流センサの検出結果と人感センサの検出結果とを基に、制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する第2の予測部と、少なくとも、第1の予測部による人流予測データと、第2の予測部による滞在人数予測データと、各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成し、少なくとも、第2の予測部による滞在人数予測データと、各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、周辺環境の変化に対応しながら、利用者に応じた快適空間の提供を実現するための設備制御を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る生成装置の処理の概略を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る生成装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す生成装置の各構成要素におけるデータの入出力を説明する図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、プログラムが実行されることにより、生成装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
【0010】
[実施の形態]
図1は、実施の形態に係る生成装置10の処理の概略を説明する図である。生成装置10は、制御対象エリアの空調設備のまたは制御対象エリアの照明設備の最適な制御シナリオを生成し、設備制御機構に出力する。
【0011】
生成装置10は、各種活用データを収集する(ステップS1)。生成装置10は、例えば、活用データとして、撮像装置等の人流センサの検出結果、赤外線や超音波等を用いる人感センサの検出結果、制御対象エリアの空調設備に対する温度・風量等設定履歴、制御対象エリアの照明設備に対する調光・調色設定履歴を収集する。
【0012】
そして、生成装置10は、活用データとして、制御対象となる建物のフロア情報、各フロアに入居するテナントの業務時間帯等のスケジュール、BEMS(Building and Energy Management System)データ、温度センサの検出結果、湿度センサの検出結果、短期不在・長期不在タイマ、画像解析等によって取得された着衣量データ、PMV(Predicted Mean Vote)値算出データ、デマンドレスポンス(DR)要請、気象予報のいずれかを収集する。さらに、生成装置10は、活用データとして、任意の利用者の位置データと、任意の利用者の行動履歴データと、任意の利用者のスケジュールデータとを収集する。
【0013】
生成装置10は、複数の予測モデルにそれぞれ対応する活用データを入力し、予測データを取得する(ステップS2)。例えば、生成装置10は、人流予測モデルを用いることで対象エリアの人流予測データを取得する。また、生成装置10は、滞在人数予測モデルを用いることで、制御対象エリアの所定時間における滞在人数予測データを取得する。生成装置10は、個人行動予測モデルを用いることで、任意の利用者の行動を予測した行動予測データを取得する。
【0014】
また、生成装置10は、運動量予測モデルを用いて、制御対象エリアにおける人の運動量予測データを取得する。また、生成装置10は、室温(温度)予測モデルを用いて、制御対象エリアの温度予測データを取得する。また、生成装置10は、消費エネルギー予測モデルを用いて、制御対象エリアにおける空調設備及び照明設備の消費エネルギー予測データを取得する。
【0015】
生成装置10は、活用データと各モデルによる各種予測データとを、空調設備及び照明設備の最適制御シナリオを生成する各モデルに入力することで(ステップS3)、制御対象エリアにおける空調設備に対する空調制御シナリオと、制御対象エリアにおける照明設備に対する照明制御シナリオとを生成する(ステップS4)。
【0016】
空調制御シナリオは、
図1に例示するように、各空調の吹き出し口ファンのON/OFF、設定温度の変更、天井サーモVAVの設定変更を、現在以降の時系列に沿って指示したものである。また、照明制御シナリオは、各照明のON/OFF及び各照明の調光、調色の設定を、現在以降の時系列に沿って指示したものである。
【0017】
生成装置10は、生成した制御シナリオを、設備制御機構に出力する(ステップS5)。設備制御機構では、各空調の吹き出し口ファンのON/OFF、設定温度、天井サーモVAVを、生成装置10から入力された空調制御シナリオに沿って制御する。設備制御機構では、各照明のON/OFF及び各照明の調光、調色を、生成装置10から入力された照明制御シナリオに沿って制御する。
【0018】
[生成装置]
次に、実施の形態に係る生成装置について説明する。
図2は、実施の形態に係る生成装置10の構成の一例を模式的に示す図である。
図3は、
図2に示す生成装置10の各構成要素におけるデータの入出力を説明する図である。
【0019】
実施の形態に係る生成装置10は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)等を含むコンピュータ等に所定のプログラムが読み込まれて、CPUが所定のプログラムを実行することで実現される。また、生成装置10は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースを有する。
図2に示す生成装置10は、収集部11、前処理部12、予測部13及び生成部14を有する。
【0020】
収集部11は、少なくとも、制御対象エリアの人流を検出する人流センサの検出結果と、制御対象エリアの人を感知する人感センサの検出結果と、制御対象エリア空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを、活用データとして収集する。
【0021】
収集部11は、さらに、制御対象エリアに設けられた温度センサの検出結果と、制御対象エリアに設けられた湿度センサの検出結果と、制御対象エリアの気象情報と、制御対象エリアの放射温度データと、制御対象エリアの風速データと、制御対象エリアの人の着衣量データとを、活用データとして収集する。そして、収集部11は、任意の利用者の位置データと、任意の利用者の行動履歴データと、任意の利用者のスケジュールデータとを活用データとして収集する。なお、制御対象エリアは、建物内部に限らず、建物外部も含む。
【0022】
前処理部12は、予測部13に入力するデータを管理、蓄積するために、種類の異なる活用データを共通データ形式変換する。前処理部12は、各活用データを、予測部13に入力可能となるデータ形式に変換している。前処理部12は、例えば、各活用データにタイムスタンプを付与する。また、例えば、前処理部12は、各センサの種別及び位置情報を記憶しておき、収集部11が収集した検出結果に、検出したセンサの種別及び位置情報を付与する。また、予測部13に入力する活用データが不足する場合には、収集部11に必要な活用データを収集するように指示してもよい。
【0023】
予測部13は、各活用データを用いて、少なくとも、周辺環境に関するデータ、例えば、制御対象エリアの人流及び制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する。予測部13は、制御対象エリアの人の運動量、温度、湿度、PMV値、空調設備及び照明設備の消費エネルギー、任意の利用者の行動を予測する。
【0024】
予測部13は、人流予測部131(第1の予測部)、滞在人数予測部132(第2の予測部)、個人行動予測部133(第3の予測部)、運動量予測部134(第4の予測部)、温度予測部135(第5の予測部)、湿度予測部136(第6の予測部)、PMV値予測部137(第7の予測部)、空調消費エネルギー予測部138(第8の予測部)及び照明消費エネルギー予測部139(第9の予測部)を有する。
【0025】
人流予測部131は、制御対象エリアに設けられた人流センサの検出結果と、制御対象エリアに設けられた人感センサの検出結果とを基に、制御対象エリアの人流を予測する。人流予測部131は、人流予測モデルM1(
図3)を用いて、制御対象エリアの人流を予測する。
【0026】
図3に示すように、人流予測モデルM1は、人流センサデータD1(制御対象エリアに設けられた人流センサの検出結果)と、人感センサデータD2(制御対象エリアに設けられた人感センサの検出結果)とが入力されると、制御対象エリアの人流を予測した人流予測データD3を出力する。人流予測モデルM1は、人流センサの過去の検出結果と、人感センサの過去の検出結果と、人流センサ及び人感センサの検出時における人流データとを学習データとして、予め訓練されている。
【0027】
滞在人数予測部132は、制御対象エリアに設けられた人流センサの検出結果と制御対象エリアに設けられた人感センサの検出結果とを基に、制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する。滞在人数予測部132は、滞在人数予測モデルM2(
図3)を用いて、制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する。
【0028】
図3に示すように、滞在人数予測モデルM2は、人流センサデータD1及び人感センサデータD2が入力されると、制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測した滞在人数予測データD4を出力する。滞在人数予測モデルM2は、制御対象エリアに設けられた人流センサの過去の検出結果と、制御対象エリアに設けられた人感センサの過去の検出結果と、人流センサ及び人感センサの検出時における滞在人数データとを学習データとして、予め訓練されている。
【0029】
個人行動予測部133は、収集部11が収集した、任意の利用者の位置データと、任意の利用者の行動履歴データと、任意の利用者のスケジュールデータとを基に、任意の利用者の行動を予測する。個人行動予測部133は、個人行動予測モデルM9(
図3)を用いて、任意の利用者の行動を予測する。
【0030】
図3に示すように、個人行動予測モデルM9は、任意の利用者の個人行動データD21と任意の利用者のスケジュールデータD22とが入力されると、この任意の利用者の行動を予測した行動予測データD23を出力する。個人行動データD21は、任意の利用者の位置データ及び位置データの履歴、行動履歴データ、及び、地図データを含む。スケジュールデータD22は、カレンダーデータに加え、例えば、任意の利用者によって業務用端末に登録されたスケジュールや、任意の利用者が使用する端末装置に登録されたスケジュールのデータを含む。
【0031】
個人行動予測モデルM9は、任意の利用者の過去の個人行動データと、任意の利用者の過去のスケジュールデータと、その際における任意の利用者の行動履歴とを学習データとして、予め訓練されている。任意の利用者の行動履歴は、出退社履歴、端末装置のGPS等による位置データ履歴、建物の撮像装置等による画像解析結果、交通機関の使用履歴等を基に求められる。
【0032】
運動量予測部134は、人流予測部131による人流予測データを基に、制御対象エリアにおける人の運動量を予測する。運動量予測部134は、運動量予測モデルM3(
図3)を用いて、制御対象エリアにおける人の運動量を予測する。
【0033】
図3に示すように、運動量予測モデルM3は、人流センサデータD1が入力されると、制御対象エリアにおける人の運動量を予測した運動量予測データD5を出力する。運動量予測モデルM3は、制御対象エリアに設けられた人流センサの過去の検出結果と、画像解析等によって得られた人流センサの検出時における運動量データとを学習データとして、予め訓練されている。
【0034】
温度予測部135は、人流予測部131による人流予測データと、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、制御対象エリアに設けられた温度センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの気象情報とを基に、制御対象エリアの温度を予測する。温度予測部135は、温度予測モデルM4(
図3)を用いて、制御対象エリアの温度を予測する。
【0035】
図3に示すように、温度予測モデルM4は、人流センサデータD1と、滞在人数予測データD4と、制御対象エリアに設けられた温度センサの温度センサデータD6と、制御対象エリアに設けられた空調設備における吹き出し口ファン設定データD8及び温度設定データD9と、制御対象エリアの気象情報D10とが入力されると、制御対象エリアの温度を予測した温度予測データD11を出力する。温度予測モデルM4は、制御対象エリアの過去の人流センサデータと、制御対象エリアの過去の滞在人数データと、制御対象エリアに設けられた温度センサの過去の温度センサデータと、過去の空調設備における吹き出し口ファン設定データ及び温度設定データと、制御対象エリアの過去の気象情報とを学習データとして、予め訓練されている。
【0036】
湿度予測部136は、制御対象エリアに設けられた湿度センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの気象情報とを基に、制御対象エリアの湿度を予測する。湿度予測部136は、湿度予測モデルM5(
図3)を用いて、制御対象エリアの温度を予測する。
【0037】
図3に示すように、湿度予測モデルM5は、制御対象エリアに設けられた湿度センサの湿度センサデータD7と、空調設備における吹き出し口ファン設定データD8及び温度設定データD9と、制御対象エリアの気象情報D10とが入力されると、制御対象エリアの湿度を予測した湿度予測データD12を出力する。湿度予測モデルM5は、過去の制御対象エリアに設けられた湿度センサの湿度センサデータと、過去の空調設備における吹き出し口ファン設定データ及び温度設定データと、制御対象エリアの過去の気象情報とを学習データとして、予め訓練されている。
【0038】
PMV値予測部137は、運動量予測部134による運動量予測データと、温度予測部135による温度予測データと、湿度予測部136による湿度予測データと、制御対象エリアの放射温度データと、制御対象エリアの風速データと、制御対象エリアの人の着衣量データとを基に、制御対象エリアのPMV値を予測する。PMV値は、人間が感じる温冷感の指標となる値である。放射温度データは、温度センサによる検出結果を基に取得される。また、風速データは、気象情報や、風速計の検出結果を基に取得される。また、着衣量データは、画像解析等により取得される。PMV値予測部137は、PMV値予測モデルM6(
図3)を用いて、制御対象エリアのPMV値を予測する。
【0039】
図3に示すように、PMV値予測モデルM6は、運動量予測データD5と、温度予測データD11と、湿度予測データD12と、制御対象エリアの放射温度データD13と、制御対象エリアの風速データD14と、制御対象エリアの人の着衣量データD15とが入力されると、制御対象エリアのPMV値を予測したPMV値予測データD16を出力する。PMV値予測モデルM6は、制御対象エリアの人の過去の運動量データと、制御対象エリアに設けられた温度センサの過去の温度センサデータと、制御対象エリアに設けられた湿度センサの過去の湿度センサデータと、制御対象エリアの過去の放射温度データと、制御対象エリアの過去の風速データと、制御対象エリアの過去の着衣量データと、制御対象エリアの過去の気象情報と、その際に算出されたPMV値とを学習データとして、予め訓練されている。
【0040】
空調消費エネルギー予測部138は、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴を基に、制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーを予測する。空調消費エネルギー予測部138は、空調消費エネルギー予測モデルM7(
図3)を用いて、制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーを予測する。
【0041】
図3に示すように、空調消費エネルギー予測モデルM7は、空調設備における吹き出し口ファン設定データD8及び温度設定データD9が入力されると、制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーを予測した消費エネルギー予測データD17を出力する。空調消費エネルギー予測モデルM7は、制御対象エリアに設けられた空調設備における過去の吹き出し口ファン設定データ及び温度設定データと、制御対象エリアの過去の空調設備の消費エネルギーの算出値とを学習データとして、予め訓練されている。
【0042】
照明消費エネルギー予測部139は、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴を基に、制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーを予測する。照明消費エネルギー予測部139は、照明消費エネルギー予測モデルM8(
図3)を用いて、制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーを予測する。
【0043】
図3に示すように、照明消費エネルギー予測モデルM8は、照明設備における照度設定データD18及び調光設定データD19が入力されると、制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーを予測した消費エネルギー予測データD20を出力する。照明消費エネルギー予測モデルM8は、制御対象エリアに設けられた照明設備における過去の照度設定データ及び調光設定データと、制御対象エリアの過去の照明設備の消費エネルギーの算出値とを学習データとして、予め訓練されている。
【0044】
生成部14は、空調制御シナリオ生成部141と、照明制御シナリオ生成部142とを有する。
【0045】
空調制御シナリオ生成部141は、少なくとも、人流予測部131による人流予測データと、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成する。空調制御シナリオ生成部141は、カレンダーと、温度予測部135による温度予測データと、湿度予測部136による湿度予測データと、制御対象エリアの空調設備の設定データと、PMV値予測部137によるPMV値予測データと、制御対象エリアの気象情報と、空調消費エネルギー予測部138による制御対象エリアにおける空調設備の消費エネルギーの予測データとの少なくとも一つをさらに用いて、空調制御シナリオを生成してもよい。
【0046】
そして、空調制御シナリオ生成部141は、さらに、個人行動予測部133による任意の利用者の行動予測データを用いて、制御対象エリアのうち任意の利用者が位置すると予測されたエリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成する。
【0047】
空調制御シナリオ生成部141は、空調最適化制御モデルE1(
図3)を用いて、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成する。
【0048】
図3に示すように、空調最適化制御モデルE1は、少なくとも、カレンダーD24と、滞在人数予測データD4と、空調設備における吹き出し口ファン設定データD8及び温度設定データD9とが入力されると、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオC1を出力する。空調最適化制御モデルE1は、さらに、温度予測データD11と、湿度予測データD12と、気象情報D10と、PMV値予測データD16と、消費エネルギー予測データD17との少なくとも一つの入力を受け付けることで、未来の温度、湿度、気象、PMV値または消費エネルギーを考慮した空調制御シナリオC1を出力する。
【0049】
空調最適化制御モデルE1は、さらに、任意の利用者の行動予測データD23の入力を受け付けることで、制御対象エリアのうち任意の利用者が位置すると予測されたエリアの空調設備に対する空調制御シナリオC1を出力する。
【0050】
空調最適化制御モデルE1は、カレンダーと、制御対象エリアの人流データと、制御対象エリアの滞在人数データと、制御対象エリアに設けられた空調設備における吹き出し口ファン設定データ及び温度設定データと、各条件に対応する最適な空調制御シナリオとを学習データとして、予め訓練されている。空調最適化制御モデルE1は、さらに、制御対象エリアの温度データと、制御対象エリアの湿度データと、制御対象エリアの気象情報と、制御対象エリアのPMV算出値と、制御対象エリアの過去の空調設備の消費エネルギーの算出値と、各利用者の過去の行動データとを学習データとして、予め訓練されていてもよい。
【0051】
照明制御シナリオ生成部142は、少なくとも、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する。照明制御シナリオ生成部142は、カレンダーと、制御対象エリアにおける照明設備の消費エネルギーの予測データとをさらに用いて、照明制御シナリオを生成してもよい。
【0052】
そして、照明制御シナリオ生成部142は、さらに、個人行動予測部133による任意の利用者の行動予測データを用いて、制御対象エリアのうち任意の利用者が位置すると予測されたエリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する。
【0053】
照明制御シナリオ生成部142は、照明最適化制御モデルE2(
図3)を用いて、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する。
【0054】
図3に示すように、照明最適化制御モデルE2は、少なくとも、カレンダーD24と、滞在人数予測データD4と、照明設備における照度設定データD18及び調光設定データD19とが入力されると、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオC2を出力する。照明最適化制御モデルE2は、消費エネルギー予測データD20の入力を受け付けることで、消費エネルギーを考慮した照明制御シナリオC2を出力する。
【0055】
照明最適化制御モデルE2は、さらに、任意の利用者の行動予測データD23の入力を受け付けることで、制御対象エリアのうち任意の利用者が位置すると予測されたエリアの照明設備に対する照明制御シナリオC2を出力する。
【0056】
照明最適化制御モデルE2は、カレンダーと、滞在人数データと、制御対象エリアに設けられた照明設備における過去の照度履歴及び調光履歴と、各条件に対応する最適な照明制御シナリオとを学習データとして、予め訓練されている。照明最適化制御モデルE2は、さらに、制御対象エリアの照明設備の消費エネルギー算出値と、各利用者の行動データとを学習データとして、予め訓練されていてもよい。
【0057】
[生成処理の処理手順]
次に、生成装置10が行う制御シナリオの生成処理の処理手順について説明する。
図4は、実施の形態に係る生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0058】
図4に示すように、収集部11は、活用データを収集する収集処理を行う(ステップS11)。活用データは、少なくとも、制御対象エリアの人流センサ及び人感センサの検出結果と、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とである。活用データは、さらに、制御対象エリアに設けられた温度センサ及び湿度センサの検出結果と、制御対象エリアの気象情報と、制御対象エリアの放射温度データと、制御対象エリアの風速データと、制御対象エリアの人の着衣量データと、任意の利用者の位置データと、任意の利用者の行動履歴データと、任意の利用者のスケジュールデータとを含んでもよい。
【0059】
前処理部12は、種類の異なる活用データを共通データ形式変換する前処理を行う(ステップS12)。
【0060】
予測部13は、活用データを用いて、周辺環境に関するデータを予測する予測処理を行う(ステップS13)。予測部13は、制御対象エリアの人流及び制御対象エリアの所定時間における滞在人数を予測する。また、予測部13は、制御対象エリアの人の運動量、温度、湿度、PMV値、空調設備及び照明設備の消費エネルギー、任意の利用者の行動を予測してもよい。
【0061】
生成部14は、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオと、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する生成処理を行う(ステップS14)。生成部14は、少なくとも、人流予測部131による人流予測データと、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴とを用いて、制御対象エリアの空調設備に対する空調制御シナリオを生成する。生成部14は、少なくとも、滞在人数予測部132による滞在人数予測データと、制御対象エリアの照明設備の各利用者による過去の照明操作履歴とを用いて、制御対象エリアの照明設備に対する照明制御シナリオを生成する。
【0062】
生成部14は、生成した空調制御シナリオ及び照明制御シナリオを、設備制御機構に出力する(ステップS15)。設備制御機構では、生成装置10が生成した空調制御シナリオ及び照明制御シナリオに沿って、空調設備及び照明設備を制御する。
【0063】
[実施の形態の効果]
このように、生成装置10は、制御対象エリアの空調設備の各利用者による過去の空調操作履歴と、制御対象エリアの照明設備の過去の照明操作履歴とともに、人流や滞在人数等の周辺環境の変化に関する予測データを制御シナリオの生成のために用いる。これによって、生成装置10は、個人の空調操作及び照明操作の動きを制御シナリオに組み入れるとともに、周辺環境の変化に関する予測データを組み入れることで、周辺環境の変化に対応しながら、利用者の傾向に合致する空調設備及び照明設備に対する制御シナリオを生成する。
【0064】
設備制御機構は、生成装置10に生成された空調制御シナリオに沿って空調設備を制御する。これによって、設備制御機構は、周辺環境の変化に合わせながら、利用者の傾向にも合わせた快適な温湿度の空間を、各利用者に提供することができる。
【0065】
具体的には、生成装置10は、操作履歴の設定温度や着衣量を基に、暑がりであると推定できる利用者に対しては、指定温度よりも低い室温となるような空調制御シナリオを生成する。また、生成装置10は、寒がりであると推定できる利用者には、指定温度よりも高く、風が人に当たらないように風向きが調整された空調制御シナリオを生成する。このように、生成装置10は、各利用者の傾向に最適な室温に調整された空間を提供することができる。
【0066】
また、設備制御機構は、生成装置10に生成された照明制御シナリオに沿って照明設備を制御することで、周辺環境の変化に合わせながら、各利用者の傾向にも合わせて調光、調色を行うことができるため、各利用者に合った快適な空間を、各利用者に提供することができる。
【0067】
具体的には、生成装置10は、操作履歴の調光、調色の設定内容や、各利用者のスケジュール、職種等を基に、白色光下での業務が必要であると推定できる利用者には、業務時間中は、その利用者の机上が白色光で照明されるような照明制御シナリオを生成する。これによって、生成装置10は、利用者に、業務に最適な空間を提供することができる。また、生成装置10は、昼休みの時間帯には、利用者の机上が暖色系の色が照明されるような照明制御シナリオを生成する。これによって、生成装置10は、昼休み時の利用者にリラックスした空間を提供する。
【0068】
生成装置10は、人流、滞在人数、温度、湿度等は、変化するため、定期的に各種活用データを収集し、空調制御シナリオ、照明制御シナリオを生成することで、利用者と、この利用者の周辺環境の変化に対応させた、空調設備及び照明設備の最適制御を図る。
【0069】
生成装置10は、さらに、個人の行動予測を行い、その予測結果をさらに用いて、利用者ごとに制御シナリオを生成する。例えば、行動予測データにおいて、この利用者が9時に出勤することが予測されている場合を例に説明する。
【0070】
この場合、生成装置10は、9時の時点で、この利用者が使用する室内の室温が、この利用者の傾向に合う温度となるように、例えば、8時半から、この利用者が使用する室内の空調設備を動作させる空調制御シナリオを生成する。また、生成装置10は、この利用者が室内に入ったときに、この利用者が使用する机上が、業務に最適な白色光で照射されるように、この利用者の入室と同時に、この利用者が使用する机上を白色光で照明する照明制御シナリオを生成する。このように、生成装置10は、利用者一人一人に最適化した制御シナリオを生成できるため、利用者それぞれに快適な最適空間を提供することができる。
【0071】
実施の形態では、より多くの情報を取り込むことで、利用者に最適空間を提供する空調制御シナリオ及び照明制御シナリオの生成が可能となる。また、実施の形態に示す仕組みを応用することで、ビル設備制御による快適空間の創出のみに留まらず、人に対する行動変容(混雑緩和など)、経済活性化など、スマートシティ領域での応用も可能であると考えられ、スマートサービスの実現も期待できる。
【0072】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0073】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0074】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した生成装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における生成装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0075】
図5は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図5に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0076】
メモリ1010は、
図5に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図5に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0077】
ここで、
図5に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0078】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0079】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0080】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
10 生成装置
11 収集部
12 前処理部
13 予測部
14 生成部
131 人流予測部
132 滞在人数予測部
133 個人行動予測部
134 運動量予測部
135 温度予測部
136 湿度予測部
137 PMV値予測部
138 空調消費エネルギー予測部
139 照明消費エネルギー予測部
141 空調制御シナリオ生成部
142 照明制御シナリオ生成部