(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079894
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】検出システム、プログラム及び入出庫管理方法
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20230601BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
F25D23/00 301G
F25D29/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193589
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀井 愼一
(72)【発明者】
【氏名】仮屋崎 拓
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045LA01
3L045LA15
3L045LA16
3L045LA18
3L045MA00
3L045NA19
3L045PA01
3L045PA02
3L045PA03
3L045PA04
3L345AA02
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3L345AA26
3L345EE03
3L345EE13
3L345EE45
3L345EE53
3L345EE55
3L345HH34
3L345HH36
3L345HH42
3L345HH45
3L345JJ02
3L345JJ05
3L345JJ14
3L345JJ16
3L345JJ23
3L345JJ26
3L345JJ28
3L345KK01
3L345KK02
3L345KK03
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】冷蔵庫に入庫、又は冷蔵庫から出庫される物品の情報をより確実に取得することができるようにする。
【解決手段】検出システムは、物品に付されたマーカーと、前記マーカーを検出する検出装置と、を備える検出システムであって、前記検出装置は、冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影する撮影部と、前記撮影部が撮影した撮影画像から前記マーカーの画像を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記マーカーの画像に基づき、前記マーカーが付された物品の前記庫内への入庫、又は、前記物品の庫内からの出庫を判定する判定部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品に付されたマーカーと、前記マーカーを検出する検出装置と、を備える検出システムであって、
前記検出装置は、
冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影する撮影部と、
前記撮影部が撮影した撮影画像から前記マーカーの画像を検出する検出部と、
前記検出部が検出した前記マーカーの画像に基づき、前記マーカーが付された物品の前記庫内への入庫、又は、前記物品の前記庫内からの出庫を判定する判定部と、
を備える、検出システム。
【請求項2】
前記検出部は、前記撮影画像の予め設定された検出領域内において前記マーカーを検出する、請求項1記載の検出システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記検出領域内において前記マーカーを検出後、前記マーカーの移動方向に基づいて前記物品が前記庫内に入庫したのか、前記庫内から出庫したのかを判定する、請求項1又は2記載の検出システム。
【請求項4】
前記判定部は、前記検出領域内において前記マーカーを検出後、前記ドアのドアポケットに対応する前記撮影画像の領域内への前記マーカーの移動が検出された場合、前記マーカーが付された物品が前記庫内に入庫したと判定する、請求項3記載の検出システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記検出領域内において前記マーカーを検出後、前記マーカーの移動方向と、前記庫内に複数設けられた収容エリアの前記庫内における配置と、に基づき、前記物品が収容された収容エリアを判定する、請求項3又は4記載の検出システム。
【請求項6】
前記検出装置は、通信情報を記憶する記憶部を備え、
前記マーカーは、矩形形状の背景領域と、前記背景領域内に形成され、前記マーカーに付与された識別情報に対応したパターン画像と、を含み、
前記判定部は、前記撮影画像に撮影された前記背景領域の面積を、前記撮影画像の撮影順に算出し、算出した前記背景領域の面積に変化が検出されなくなると、前記マーカーの画像により決定される前記撮影画像の範囲を切り出し、切り出した前記画像を、前記通信情報が示す送信先に送信する、請求項1から5のいずれか一項に記載の検出システム。
【請求項7】
前記検出部が検出した前記パターン画像に対応した識別情報を取得する取得部を備え、
前記判定部は、前記予め設定された設定時間内に前記取得部が同一の識別情報を取得した場合、検出したマーカーが付された物品が再度、前記庫内に入庫したと判定する、請求項6記載の検出システム。
【請求項8】
前記検出部が検出した前記パターン画像に対応した識別情報を取得する取得部を備え、
前記判定部は、前記取得部が取得した前記識別情報が、出庫と判定した物品に付された前記マーカーから検出した前記識別情報と同一である場合、前記識別情報に対応した物品が再度、前記庫内に入庫したと判定する、請求項6記載の検出システム。
【請求項9】
物品に付されたマーカーを検出する検出装置に搭載されたコンピューターに、
冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影部に撮影させ、
撮影された撮影画像から前記マーカーの画像を検出し、
検出した前記マーカーの画像に基づいて、前記マーカーが付された物品の庫内への入庫、又は、前記マーカーが付された物品の前記庫内からの出庫を判定する、処理を実行させる、プログラム。
【請求項10】
冷蔵庫への物品の入出庫を管理する入出庫管理方法であって、
前記冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影部に撮影させ、
撮影された撮影画像から物品に付されたマーカーの画像を検出し、
検出した前記マーカーの画像に基づいて、前記マーカーが付された物品の前記庫内への入庫、又は、前記マーカーが付された物品の前記庫内からの出庫を判定する、
入出庫管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検出システム、プログラム及び入出庫管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、収容室に設けられた開口部を通過する物体を通過物体検出部により検出し、通過物体検出部により物体が検出されたときにカメラによる撮像を行い、撮像により得られた画像から、収容室に入庫される物品の情報を取得する冷蔵庫を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、冷蔵庫に入庫、又は冷蔵庫から出庫される物品の情報をより確実に取得することができる検出システム、プログラム及び入出庫管理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示における検出装置は、物品に付されたマーカーと、前記マーカーを検出する検出装置と、を備える検出システムであって、前記検出装置は、冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影する撮影部と、前記撮影部が撮影した撮影画像から前記マーカーの画像を検出する検出部と、前記検出部が検出した前記マーカーの画像に基づき、前記マーカーが付された物品の前記庫内への入庫、又は、前記物品の前記庫内からの出庫を判定する判定部と、を備える。
【0006】
本開示におけるプログラムは、物品に付されたマーカーを検出する検出装置に搭載されたコンピューターに、冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影部に撮影させ、撮影された撮影画像から前記マーカーの画像を検出し、検出した前記マーカーの画像に基づいて、前記マーカーが付された物品の庫内への入庫、又は、前記マーカーが付された物品の前記庫内からの出庫を判定する、処理を実行させる。
【0007】
本開示における入出庫管理方法は、冷蔵庫への物品の入出庫を管理する入出庫管理方法であって、前記冷蔵庫のドアが開状態であるときに、前記冷蔵庫の庫内の少なくとも一部を含む範囲を前記庫内の上方から撮影部に撮影させ、撮影された撮影画像から物品に付されたマーカーの画像を検出し、検出した前記マーカーの画像に基づいて、前記マーカーが付された物品の前記庫内への入庫、又は、前記マーカーが付された物品の前記庫内からの出庫を判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示における検出システム、プログラム及び入出庫管理方法は、冷蔵庫に入庫、又は冷蔵庫から出庫される物品の情報をより確実に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図6】端末装置及び物品管理サーバの構成を示すブロック図
【
図7】物品管理DBが格納するレコードの一例を示す図
【
図10】録画画像に撮影された検出領域を拡大して表示した図
【
図14】物品管理システムの動作を示すフローチャート
【
図15】物品管理システムの動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、冷蔵庫に入出庫される物品を検出する技術があった。しかしながら、従来の技術では、冷蔵庫に入出庫される物品の情報をより確実に取得したいという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、冷蔵庫に入庫、又は冷蔵庫から出庫される物品の情報をより確実に取得することができる検出システム、プログラム及び入出庫管理方法を提供する。
【0011】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明を省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
実施の形態1について説明する。
[1.構成]
[1-1.物品管理システムの構成]
図1は、物品管理システム1000の構成を示す図である。
物品管理システム1000は、冷蔵室11が収容する物品BPについて、物品BPの名称や、冷蔵室11に収容された収容開始日時などを管理するシステムである。
【0013】
本実施の形態において、物品BPは、食品や、食品を収容する容器などを含む。また、本実施の形態において、物品管理システム1000で管理される物品BPは、マーカーMKが付された物品である。マーカーMKは、物品BPに印刷されたマーカーでもよいし、物品BPに貼り付けられたマーカーでもよい。マーカーMKは、付された物品BPを、物品管理システム1000において管理対象とするための目印として機能する。マーカーMKは、QRコード(登録商標)などの2次元コードでもよいし、バーコードでもよいし、文字列でもよく、具体的な態様は制限されない。
【0014】
物品管理システム1000は、冷蔵庫1を備える。冷蔵庫1は、前面が開口した主箱体10を備える。主箱体10には、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び野菜室15が形成されている。冷蔵室11内には、チルド室11Dが設けられている。冷蔵室11の前面の開口部には、回転式の左ドア11Aと回転式の右ドア11Bとが設けられている。製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、野菜室15のそれぞれには、物品BPを収容する引出12A、13A、14A、15Aがそれぞれ設けられている。
以下の説明において、左ドア11A及び右ドア11Bを区別しない場合、「ドア」といい「11C」の符号を付す。また、以下の説明において、引出12A、13A、14A、15Aを区別しない場合、「引出」といい「16A」の符号を付す。
【0015】
物品管理システム1000は、検出装置2を備える。検出装置2は、冷蔵庫1に入庫される物品BPを検出する。また、検出装置2は、冷蔵庫1から出庫される物品BPを検出する。検出装置2は、冷蔵庫1の主箱体10の上部である上面10Aに設けられる。
【0016】
物品管理システム1000は、端末装置3を備える。端末装置3は、例えばスマートフォンやタブレット端末である。端末装置3は、冷蔵室11が収容する物品BPを管理するためのアプリケーションプログラムがインストールされており、このアプリケーションプログラムの機能によって物品管理サーバ4と通信する。
以下の説明では、このアプリケーションプログラムを、「物品管理アプリ」といい「311」の符号を付す。
【0017】
図1では、在宅するユーザPを実線で示し、自宅Hから外出したユーザPを点線で示している。端末装置3は、在宅するユーザPに使用される場合、物品管理アプリ311の機能によって、通信装置5を介して、或いは通信装置5を介さずに、物品管理サーバ4と通信する。また、端末装置3は、自宅Hから外出したユーザPに使用され、且つ、通信装置5と通信接続を確立できない場合、物品管理アプリ311の機能によって、通信装置5を介すことなく物品管理サーバ4と通信する。
【0018】
通信装置5は、通信ネットワークNWに接続し、通信ネットワークNWを介して物品管理サーバ4と通信する。通信ネットワークNWは、公衆回線網、専用線、その他の通信回線、及び、各種の通信設備で構成されるネットワークであり、具体的な態様は制限されない。例えば、通信ネットワークNWは、広域ネットワークでもよい。通信ネットワークNWは、無線通信回路及び有線通信回路の少なくともいずれかを含む構成でもよい。通信装置5は、検出装置2及び端末装置3を通信ネットワークNWに接続するためのインターフェイス装置として機能する。
【0019】
物品管理システム1000は、物品管理サーバ4を備える。物品管理サーバ4は、冷蔵室11が収容する物品BPを管理するサーバ装置である。物品管理サーバ4は、通信ネットワークNWに接続する。なお、各図では、物品管理サーバ4を、1つのブロックによって表現するが、これは必ずしも物品管理サーバ4が単一のサーバ装置により構成されることを意味していない。例えば、物品管理サーバ4は、処理内容が異なる複数のサーバ装置を含んで構成されてもよい。
【0020】
[1-2.検出装置の構成]
図2及び
図3を参照して検出装置2について説明する。
図2及び
図3では、X軸、Y軸、及びZ軸を図示している。X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交する。Z軸は、上下方向を示す。X軸及びY軸は、水平方向と平行である。X軸は左右方向を示す。Y軸は前後方向を示す。X軸の正方向は右方向を示す。Y軸の正方向は前方向を示す。Z軸の正方向は上方向を示す。
【0021】
図2は、冷蔵庫1の正面図である。
図2に示す冷蔵庫1は、左ドア11A及び右ドア11Bが開状態である。
図3は、冷蔵庫1及び検出装置2の右側面図である。
図3に示す冷蔵庫1は、引出15Aが、開状態、すなわち引き出された状態である。
【0022】
検出装置2は、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28を備える。
冷蔵室用カメラ27には、引出用カメラ28よりも画角が広いカメラが用いられる。冷蔵室用カメラ27は、検出装置2が冷蔵庫1の上部に設置された状態において、冷蔵庫1の前上方から下方を撮影する。冷蔵室用カメラ27は、冷蔵庫1のドア11Cが開状態であるときに、冷蔵庫1の庫内の少なくとも一部を含む範囲を庫内の上方から撮影する。冷蔵室用カメラ27は、本開示の「撮影部」に相当する。
【0023】
例えば、冷蔵室用カメラ27の撮影範囲は、冷蔵庫1の前方側からみて、
図2に示す範囲A1を含む。範囲A1は、左ドア11A及び右ドア11Bが開状態である場合に、ドア11Cのドアポケット111、及び冷蔵室11の開口部を含む範囲である。また、冷蔵室用カメラ27の撮影範囲は、冷蔵庫1の右方側からみて、
図3に示す範囲A3を含む。範囲A3は、前後方向において、開状態のドア11Cから棚112の前端部までを含む範囲であり、且つ、上下方向において、冷蔵室11の開口部を含む範囲である。
【0024】
引出用カメラ28は、冷蔵庫1の前上方から下方を撮影する。
例えば、引出用カメラ28の撮影範囲は、冷蔵庫1の前方側からみて、
図2に示す範囲A2を含む。範囲A2は、冷蔵庫1の前方側からみて、引出16Aを含む範囲である。また、例えば、引出用カメラ28の撮影範囲は、冷蔵庫1の右方側からみて、
図3に示す範囲A4を含む。範囲A4は、前後方向において、最も引き出された状態の引出16Aを含む範囲である。
【0025】
検出装置2は、左ドア用測距センサ23、右ドア用測距センサ24、及び引出用測距センサ25を備える。
左ドア用測距センサ23は、測距センサである。左ドア用測距センサ23は、所定の周期で、左ドア11Aと左ドア用測距センサ23との離間距離を検出し、検出した離間距離を示す検出値を検出装置プロセッサ20に出力する。
右ドア用測距センサ24は、測距センサである。右ドア用測距センサ24は、所定の周期で、右ドア11Bと右ドア用測距センサ24との離間距離を検出し、検出した離間距離を示す検出値を検出装置プロセッサ20に出力する。
引出用測距センサ25は、測距センサである。引出用測距センサ25は、所定の周期で、引出16Aと引出用測距センサ25との離間距離を検出し、検出した離間距離を示す検出値を検出装置プロセッサ20に出力する。
【0026】
左ドア用測距センサ23、右ドア用測距センサ24、及び引出用測距センサ25は、光学式の測距センサでもよいし、超音波式の測距センサでもよい。
【0027】
検出装置2は、人感センサ26を備える。人感センサ26は、所定の周期で検出値を検出装置プロセッサ20に出力する。人感センサ26は、赤外線式のセンサでも、超音波式のセンサでも、可視光式のセンサでもよい。
【0028】
なお、
図2及び
図3における各カメラ及び各センサの並び順及び設置位置は、検出装置2の説明便宜のための図示されたものであり、各カメラ及び各センサの並び順及び設置位置は、
図2及び
図3が示す並び順及び設置位置に限定されない。
【0029】
図4は、検出システム100の構成を示すブロック図である。
検出システム100は、物品BPに付されたマーカーMKと、マーカーMKを検出する検出装置2と、を備える。
検出装置2は、CPU(Central Processing Unit)やMPC(Micro-processing unit)等のプロセッサである検出装置プロセッサ20と、プログラムやデータを記憶するメモリである検出装置メモリ21とを備えるコンピューター装置である。検出装置メモリ21は、本開示の記憶部に相当する。
【0030】
検出装置メモリ21は、不揮発性の記憶領域を有する。また、検出装置メモリ21は、不揮発性の記憶領域に加え、揮発性の記憶領域を備える構成としてもよい。検出装置メモリ21は、検出装置プロセッサ20が実行するプログラムや、検出装置プロセッサ20に処理されるデータを記憶する。検出装置メモリ21は、プログラムやデータとして、制御プログラム211、検出装置ID(Identification)212、音声データ213、通信情報214等を記憶する。
【0031】
検出装置ID212は、検出装置2の識別情報である。検出装置ID212としては、シリアル番号や製造番号が例に挙げられる。
音声データ213は、通知部209がスピーカ29によって出力する音声のデータである。
通信情報214は、例えば、物品管理サーバ4との通信に用いるIPアドレス等のアドレス情報であってもよいし、端末装置3を所持するユーザPのメールアドレスであってもよい。
【0032】
検出装置プロセッサ20には、検出装置通信ユニット22、左ドア用測距センサ23、右ドア用測距センサ24、引出用測距センサ25、人感センサ26、冷蔵室用カメラ27、引出用カメラ28及びスピーカ29が接続される。検出装置プロセッサ20には、これらデバイス以外のデバイスが接続していてもよい。
【0033】
検出装置通信ユニット22は、所定の通信規格に従った通信回路やコネクタなどを有する通信装置であり、検出装置プロセッサ20の制御に従い、検出装置メモリ21に記憶した通信情報214の通信先である物品管理サーバ4と通信する。本実施の形態では、検出装置通信ユニット22が使用する通信規格は、無線通信規格を例示するが、有線通信規格でもよい。
【0034】
検出装置プロセッサ20は、検出装置メモリ21に記憶された制御プログラム211を読み出して実行することにより、検出装置通信制御部201、人物存在判定部202、開閉判定部203、撮影制御部204、録画制御部205、検出部206、入出庫判定部207、取得部208、通知部209及び生成部210として機能する。入出庫判定部207は、本開示の判定部に相当する。
【0035】
検出装置通信制御部201は、検出装置通信ユニット22を介して、物品管理サーバ4と通信する。
【0036】
人物存在判定部202は、人感センサ26が出力する検出値に基づいて、冷蔵庫1の周辺に人が存在するか否かを判定する。例えば、人物存在判定部202は、所定値以上の検出値を人感センサ26が出力した場合、冷蔵庫1の周辺に人が存在すると判定し、所定値を下回る検出値を人感センサ26が出力した場合、冷蔵庫1の周辺に人が存在しないと判定する。人物存在判定部202は、冷蔵庫1の周辺に人が存在すると判定した場合、人が存在することを示す第1存在情報を撮影制御部204に出力する。また、人物存在判定部202は、冷蔵庫1の周辺に人が存在しないと判定した場合、人が存在しないことを示す第2存在情報を撮影制御部204に出力する。
【0037】
開閉判定部203は、左ドア用測距センサ23の検出値に基づいて、左ドア11Aが開状態であるのか閉状態であるのかを判定する。開閉判定部203は、左ドア11Aが閉状態に対応する検出値より離間距離が大きい検出値を、左ドア用測距センサ23から入力した場合、左ドア11Aが開状態であると判定する。
開閉判定部203は、右ドア用測距センサ24の検出値に基づいて、右ドア11Bが開状態か閉状態かを判定する。開閉判定部203は、右ドア11Bが閉状態に対応する検出値より離間距離が大きい検出値を、右ドア用測距センサ24から入力した場合、右ドア11Bが開状態であると判定する。
【0038】
また、開閉判定部203は、引出用測距センサ25の検出値が示す離間距離に応じて、引出16Aが開状態であるのか閉状態であるのかを判定する。
【0039】
開閉判定部203は、左ドア11A及び右ドア11Bの少なくとも一方が開状態であると判定した場合、ドア11Cが開状態であることを示す第1ドア開閉情報を、録画制御部205及び通知部209に出力する。開閉判定部203は、左ドア11A及び右ドア11Bが閉状態であると判定した場合、左ドア11A及び右ドア11Bが閉状態であることを示す第2ドア開閉情報を、録画制御部205に出力する。
【0040】
開閉判定部203は、引出16Aの少なくとも一方が開状態であると判定した場合、第1引出開閉情報を録画制御部205に出力する。第1引出開閉情報は、引出16Aの少なくとも一方が開状態であることを通知する情報である。
開閉判定部203は、引出16Aのいずれも閉状態であると判定した場合、第2引出開閉情報を録画制御部205に出力する。第2引出開閉情報は、引出16Aのいずれもが閉状態であることを通知する情報である。
【0041】
撮影制御部204は、人物存在判定部202から第1存在情報が入力されると、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28に撮影を開始させる。撮影制御部204は、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28の撮影開始後、人物存在判定部202から第2存在情報が入力されると、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28に撮影を終了させる。
【0042】
録画制御部205は、開閉判定部203から第1ドア開閉情報が入力されると、冷蔵室用カメラ27が撮影した撮影画像を検出装置メモリ21に記録する。すなわち、録画制御部205は、録画を開始する。検出装置メモリ21に記録した撮影画像を、以下、録画画像215という。録画制御部205は、録画を開始すると、録画を開始したことを示す録画開始情報を通知部209に出力する。
【0043】
録画制御部205は、開閉判定部203から第2ドア開閉情報が入力されると、撮影画像の検出装置メモリ21への記録を終了する。すなわち、録画制御部205は、録画を終了する。
また、録画制御部205は、開閉判定部203から第1引出開閉情報が入力されると、引出用カメラ28が撮影した撮影画像を検出装置メモリ21に記録する。また、録画制御部205は、開閉判定部203から第2引出開閉情報が入力されると、引出用カメラ28が撮影した撮影画像の録画を終了する。
【0044】
検出部206は、検出装置メモリ21に記録された録画画像215に基づいて、冷蔵室11に入庫される物品BPに付されたマーカーMKの画像、又は、冷蔵室11から出庫される物品BPに付されたマーカーMKの画像を検出する。検出部206の検出方法の詳細については後述する。検出部206は、マーカーMKの画像を検出した場合、マーカーMKの画像を検出したことを通知部209に通知する。
【0045】
入出庫判定部207は、入出庫判定処理を行う。入出庫判定処理は、マーカーMKの画像が付された物品BPが冷蔵室11に入庫されたのか、冷蔵室11から出庫されたのかを判定する処理である。物品BPは、検出部206が、画像を検出したマーカーMKが付された物品BPである。入出庫判定部207の判定方法の詳細については後述する。入出庫判定部207は、入出庫判定処理が終了すると、入出庫判定処理が終了したことを通知部209に出力する。
【0046】
取得部208は、検出部206が検出したマーカーMKの画像を解析して、マーカーID4123を取得する。マーカーID4123は、マーカーMKに付与されたマーカーMKの識別情報である。例えば、マーカーMKの画像がQRコード等の二次元コードである場合、取得部208は、QRコードに含まれるマーカーID4123を取得する。取得部208は、取得したマーカーID4123を検出装置メモリ21に一時的に記憶させる。
【0047】
図5は、物品BPに付されたマーカーMKの一例を示す図である。
ここで、
図5を参照しながらマーカーMKについて説明する。
図5には、物品BPが食品の保存容器である場合を示すが、食材自体を物品BPとし、食材にマーカーMKを付与してもよい。保存容器の中には、例えば、ユーザPが調理した調理済みの料理が保存される。
【0048】
マーカーMKは、背景領域MKAと、背景領域MKA内に形成されたパターン画像MKBとを含む。背景領域MKAは、矩形の領域であって、例えば、単色で形成された領域である。背景領域MKAの色は、録画画像215からパターン画像MKBを検出するときに、パターン画像MKBの検出を阻害しない色が好ましい。
【0049】
パターン画像MKBは、QRコード等の二次元コードであってもよいし、バーコード等の一次元コードであってもよい。また、食品の包装に付された製造番号をマーカーMKとして使用してもよい。さらに、パターン画像MKBであるシリアル番号が印刷されたシールを物品BPに貼り付けてマーカーMKとして用いてもよい。
【0050】
通知部209は、検出装置メモリ21に記憶されている音声データ213が示す音声をスピーカ29に出力させることで、各種の通知を行う。通知部209は、録画制御部205から録画開始情報が入力され、検出部206によりマーカーMKの画像が検出されると、ユーザPに通知を行う。また、通知部209は、録画制御部205から録画開始情報が入力され、入出庫判定部207の入出庫判定処理が終了すると、ユーザPに通知を行う。
【0051】
生成部210は、アップロードデータを生成する。アップロードデータは、物品管理サーバ4にアップロードする対象のデータである。生成部210は、検出装置通信制御部201に、生成したアップロードデータを物品管理サーバ4に送信させる。
【0052】
[1-3.物品管理サーバの構成]
図6は、端末装置3及び物品管理サーバ4の構成を示すブロック図である。
まず、物品管理サーバ4の構成について説明する。
物品管理サーバ4は、CPUやMPC等のプロセッサであるサーバプロセッサ40、プログラムやデータを記憶するメモリであるサーバメモリ41、及びサーバ通信ユニット42を備える。
【0053】
サーバプロセッサ40は、サーバメモリ41が記憶する制御プログラム411を読み出して実行することにより、サーバ通信制御部401及びサーバ処理部402として機能する。
【0054】
サーバメモリ41は、サーバプロセッサ40が実行するプログラムや、サーバプロセッサ40に処理されるデータを記憶する。サーバメモリ41は、サーバプロセッサ40が実行する制御プログラム411、物品管理DB(database)412、その他の各種データを記憶する。サーバメモリ41は、不揮発性の記憶領域を有する。また、サーバメモリ41は、揮発性の記憶領域を備え、サーバプロセッサ40のワークエリアを構成してもよい。
【0055】
図7は、物品管理DB412が格納するレコードRの一例を示す図である。
物品管理DB412が格納する1件のレコードRは、アカウントID4121と、通信情報4122、検出装置ID212、及び、1又は複数のサブレコードSRを有する。サブレコードSRは、レコードR内に格納されるレコードである。1件のサブレコードSRは、マーカーID4123、物品名情報4124、収容エリア情報4125、収容開始日時情報4126、及び物品画像データ4127を有する。
【0056】
アカウントID4121は、物品管理アプリ311を利用するユーザPに割り当てられたアカウントを識別する識別情報である。
【0057】
通信情報4122は、ユーザPが使用する端末装置3と通信に使用するIPアドレス等のアドレス情報である。
【0058】
物品名情報4124は、物品BPの名称である物品名を示す情報である。
【0059】
収容エリア情報4125は、収容エリアを示す情報である。収容エリア情報4125が示す収容エリアは、冷蔵室11におけるエリアである。本実施形態の収容エリア情報4125は、収容エリアとして、収容エリアに割り当てられた数字を示す。
【0060】
収容開始日時情報4126は、冷蔵室11に収容された日時を示す情報である。
【0061】
物品画像データ4127は、物品BPの画像である物品画像BPGの画像データである。
【0062】
図6の説明に戻り、サーバ通信ユニット42は、所定の通信規格に従った通信回路などを備える通信インターフェイスであり、所定の通信規格に従って通信ネットワークNWと接続する機器と通信する。本実施形態においてサーバ通信ユニット42は、検出装置2及び端末装置3と通信する。
【0063】
上述したように、サーバプロセッサ40は、サーバ通信制御部401及びサーバ処理部402として機能する。
【0064】
サーバ通信制御部401は、サーバ通信ユニット42を介して、検出装置2及び端末装置3と通信する。
【0065】
サーバ処理部402は、検出装置2及び端末装置3をクライアントとして各種の情報処理を行う。
【0066】
[1-4.端末装置の構成]
次に、端末装置3の機能的構成について説明する。
端末装置3は、CPUやMPC等のプロセッサである端末プロセッサ30、プログラムやデータを記憶するメモリである端末メモリ31、端末通信ユニット32、及び、タッチパネル33を備える。
【0067】
端末プロセッサ30は、端末メモリ31が記憶する物品管理アプリ311を読み出して実行することにより、アプリ実行部300として機能する。
【0068】
端末メモリ31は、端末プロセッサ30が実行するプログラムや、端末プロセッサ30に処理されるデータを記憶する。端末メモリ31は、端末プロセッサ30が実行する物品管理アプリ311、その他の各種データを記憶する。端末メモリ31は、不揮発性の記憶領域を有する。また、端末メモリ31は、揮発性の記憶領域を備え、端末プロセッサ30のワークエリアを構成してもよい。
【0069】
端末通信ユニット32は、所定の通信規格に従った通信回路やコネクタなどを有する通信インターフェイスであり、端末プロセッサ30の制御に従って物品管理サーバ4と通信する。本実施の形態では、端末通信ユニット32が使用する通信規格は、無線通信規格を例示するが、有線通信規格でもよい。
【0070】
タッチパネル33は、液晶表示パネル等の表示パネルと、表示パネルに重ねて、或いは一体に設けられたタッチセンサーとを備える。
【0071】
上述した通り、端末プロセッサ30は、アプリ実行部300として機能する。
アプリ実行部300は、端末通信ユニット32を介して、物品管理サーバ4と通信する。
また、アプリ実行部300は、冷蔵庫1が収容する物品の管理に係るユーザーインターフェースを、タッチパネル33に表示させる。以下の説明において、このユーザーインターフェースを、「アプリUI」といい「330」の符号を付す。アプリ実行部300は、アプリUI330をタッチパネル33に表示させることで、冷蔵庫1が収容する物品BPに係る各種情報をユーザPに提供し、また、冷蔵庫1が収容する物品BPに係る各種入力をユーザPから受け付ける。
【0072】
[2.動作]
次に、物品管理システム1000の各部の動作について説明する。
[2-1.物品の検出に係わる動作]
まず、冷蔵室11に入出庫される物品BPの検出に係わる動作について説明する。
図8は、検出装置2の動作を示すフローチャートである。
【0073】
人物存在判定部202は、冷蔵庫1の周辺に人が存在するか否かを判定する(ステップSA1)。
【0074】
人物存在判定部202が、冷蔵庫1の周辺に人が存在すると判別した場合(ステップSA1:YES)、撮影制御部204は、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28に撮影を開始させる(ステップSA2)。
【0075】
次いで、開閉判定部203は、ドア11Cが開状態になったか否かを判定する(ステップSA3)。
【0076】
開閉判定部203が、ドア11Cが開状態になっていないと判定した場合(ステップSA3:NO)、検出装置プロセッサ20は、ステップSA14の処理を行う。
【0077】
開閉判定部203が、ドア11Cが開状態になったと判定した場合(ステップSA3:YES)、録画制御部205は、冷蔵室用カメラ27が撮影した撮影画像の録画を開始する(ステップSA4)。
【0078】
次いで、通知部209は、スピーカ29によって、物品BPの検出を開始したことをユーザPに通知する(ステップSA5)。
【0079】
次いで、検出部206は、ステップSA4の処理によって記録が開始された録画画像215に基づいて、検出領域TA内においてマーカーMKを検出したか否かを判定する(ステップSA6)。
【0080】
図9を参照して、検出領域TAについて説明する。
図9は、検出領域TAを説明する説明図である。
【0081】
検出領域TAは、冷蔵室11内の底面においてチルド室11Dの前方に形成された前方領域MA内の領域である。本実施形態の検出領域TAは、前方領域MAより面積の小さい領域を例示するが、同じ面積でもよい。
【0082】
検出部206は、記録が開始された録画画像215を解析して、検出領域TA内においてマーカーMKを検出したか否かを判定する。検出部206は、例えば、形状や色などの特徴量から録画画像215に写るマーカーMKを認識する。なお、
図9は、マーカーMKが検出領域TA内に位置していない場合を示している。従って、
図9に示す場合では、検出部206は、検出領域TA内においてマーカーMKを検出していないと判定する。
【0083】
図8のフローチャートの説明に戻り、検出部206は、検出領域TA内においてマーカーMKを検出していないと判定した場合(ステップSA6:NO)、処理をステップSA12に移す。
【0084】
一方、検出部206は、検出領域TA内においてマーカーMKを検出したと判定した場合(ステップSA6:YES)、検出したマーカーMKからマーカーID4123を読み出す(ステップSA7)。
【0085】
次いで、検出部206は、録画画像215から切り出し範囲KHを切り出して(ステップSA8)、物品画像BPGを生成する。すなわち、録画画像215の切り出し範囲KHに撮像された画像が、物品画像BPGとなる。切り出し範囲KHについて
図10を参照して説明する。
【0086】
図10は、切り出し範囲KHを説明する説明図である。
検出部206は、例えば、算出済みの4頂点C1、C2、C3及びC4の座標に基づいて切り出し範囲KHを設定する。例えば、検出部206は、4頂点C1、C2、C3及びC4の座標に、予め設定された設定値を加算又は減算した座標の範囲を切り出し範囲KHに設定する。このとき、切り出し範囲KHは、背景領域MKAよりも大きくても小さくてもよい。また、予め設定された設定値は、縦方向と横方向とで値が異なっていてもよい。
また、検出部206は、物品BPが検出される前と、物品BPが検出された後との差分画像を生成し、画像に差が生じた範囲を切り出し範囲KHに設定してもよい。
また、
図11では、切り出し範囲KHが検出領域TAより狭い範囲である場合を例示しているが、切り出し範囲KHは、検出領域TAと同じ領域としてもよい。
【0087】
また、本実施形態では、検出領域TA内においてマーカーMKを検出して、録画画像215の切り出し範囲KHを設定したが、録画画像215から検出領域TAを切り出し、切り出した検出領域TAの録画画像215に物品BPの画像が含まれている場合に、マーカーMKの検出を開始してもよい。
【0088】
図8のフローチャートの説明に戻り、検出部206が物品画像BPGを切り出すと、通知部209は、物品BPを検出したことを、スピーカ29によってユーザPに通知する(ステップSA9)。
【0089】
次いで、入出庫判定部207は、検出装置メモリ21に記録した録画画像215に基づいて、入出庫判定を行う(ステップSA10)。
【0090】
ステップSA10の入出庫判定は、ステップSA8で切り出された物品画像BPGの物品BPが、冷蔵庫1に入庫された物品BPであるのか、冷蔵庫1から出庫された物品BPであるのかを判定する処理である。
【0091】
入出庫判定部207は、録画画像215を画像解析して第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4を設定する。第1領域R1は、冷蔵室11に対応する領域である。第2領域R2は、左ドア11Aに対応する領域である。第3領域R3は、右ドア領域11Bに対応する領域である。第4領域R4は、冷蔵庫1の庫外に対応する領域である。
【0092】
図12は、入出庫判定を説明する説明図であり、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4の境界線を示す図である。
冷蔵室11に対応する第1領域R1は、ユーザが開閉する左ドア11Aや右ドア11Bの開度が異なっても、録画画像215における第1領域R1の範囲は常に一定である。このため、入出庫判定部207は、録画画像215の予め設定された範囲を第1領域R1に設定する。
図12に示す境界線501が、第1領域R1と、第2領域R2、第3領域R3及び第4領域R4との境界に対応する。
【0093】
また、左ドア11Aに対応する第2領域R2や、右ドア11Bに対応する第3領域R3は、ユーザが開閉する左ドア11Aや右ドア11Bの開度によって領域が変更される。このため、入出庫判定部207は、例えば、左ドア11Aや、右ドア11Bに設けられたドアポケット111のエッジを検出し、検出したドアポケット111のエッジに基づいて第2領域R2及び第3領域R3の範囲を設定する。また、左ドア11Aや右ドア11Bのドアポケット111の端部に、ドアポケット111を識別するマーク等を配置し、入出庫判定部207は、録画画像215から検出したマークの位置に基づいて第2領域R2及び第3領域R3の範囲を設定してもよい。また、入出庫判定部207は、設定した第1領域R1、第2領域R2及び第3領域R3以外の領域を、冷蔵室11の庫外である第4領域R4に設定する。
図12に示す境界線502が第2領域R2の境界を示し、境界線503が第3領域R3の境界を示す。
【0094】
入出庫判定部207は、連続して撮影された録画画像215を解析することで、移動するマーカーMKの軌跡を検出する。入出庫判定部207は、検出したマーカーMKの軌跡が、第1領域R1、第2領域R2、第3領域R3のいずれの領域で終了したのかを判定して、物品BPがいずれの領域に入庫されたのかを判定する。また、入出庫判定部207は、検出したマーカーMKの軌跡が、第4領域R4で終了した場合、物品BPが冷蔵室11の庫外に取り出されたと判定する。
【0095】
図13は、入出庫判定画像HGを説明するための図である。
また、入出庫判定部207は、録画画像215に入出庫判定画像HGを重畳させて、物品BPの入庫と、出庫を判定してもよい。
図13には、マーカーMKが付された物品BPを冷蔵室11に入庫させるシーンを撮影した録画画像215に、入出庫判定画像HGを重畳した場合を示す。
【0096】
入出庫判定画像HGは、境界線L1を有する。
境界線L1は、入出庫判定画像HGの図中略中央において、入出庫判定画像HGの図中左端から右端まで延びる線である。境界線L1は、冷蔵室用カメラ27の撮影結果に写る冷蔵室11の開口部より冷蔵庫1の前方に位置する。
【0097】
入出庫判定画像HGの画像領域は、境界線L1によって、第1領域HA1と第2領域HA2とに分割される。第1領域HA1は、録画画像215に入出庫判定画像HGが重畳された際、冷蔵室用カメラ27の撮影結果に写る冷蔵室11の開口部より冷蔵庫1の前方側に対応する。第2領域HA2は、録画画像215に入出庫判定画像HGが重畳された際、冷蔵室用カメラ27の撮影結果に写る冷蔵室11の開口部より冷蔵庫1の後方側に対応する。
【0098】
入出庫判定部207は、入出庫判定画像HGが重畳された録画画像215を解析することで、検出領域TAで検出されたマーカーMKが、第1領域HA1に移動したのか、第2領域HA2に移動したのかを判定する。入出庫判定部207は、検出領域TA内で検出されたマーカーMKが第1領域HA1に移動したと判定した場合、検出部206が検出した物品BPが冷蔵室11から出庫された物品BPであると判定する。一方、入出庫判定部207は、検出領域TA内で検出されたマーカーMKが第2領域HA2に移動した場合、検出部206が検出した物品BPが冷蔵室11に入庫された物品BPであると判定する。
【0099】
入出庫判定部207は、物品BPが庫内に入庫されたと判定した場合、物品BPが入庫された収容エリアを判定する。入出庫判定部207は、録画画像215を解析して、物品が入庫された冷蔵室11の収容エリアを特定する。そして、入出庫判定部207は、マーカーMKの移動方向と、庫内に複数設けられた収容エリアの庫内における配置と、に基づき、物品BPが収容された収容エリアを判定する。
例えば、冷蔵庫1の棚112のドア11C側の先端や、ドアポケット111の各々には、収容エリアを識別するマークが付されている。入出庫判定部207は、録画画像215から収容エリアを識別するマークを検出し、検出したマークと、物品BPに付されたマーカーMKとの位置関係に基づいて、収容エリアを特定する。
【0100】
また、入出庫判定部207は、物品BPが冷蔵庫1の庫内に再入庫された物品であるか否かを判定してもよい。例えば、ユーザPが使用するために冷蔵庫1から食材を取り出し、取り出した食材の一部を使用して、残った食材を冷蔵庫1に再入庫させる場合や、物品BPである保存容器内に保存した食材を使用し、保存容器内に新たに食材を補充して冷蔵庫1に再入庫させる場合が想定される。
【0101】
入出庫判定部207は、取得部208により取得済みのマーカーID4123と同一のマーカーIDを、予め設定された設定時間内に再度、取得部208が取得した場合、物品BPが冷蔵庫1内に再入庫されたと判定する。また、入出庫判定部207は、出庫と判定した物品BPに付されたマーカーID4123と同一のIDを取得部208が取得し、入出庫判定処理の判定結果が入庫である場合、物品BPが冷蔵庫1内に再入庫されたと判定する。
【0102】
このとき、入出庫判定部207は、食品が新しくなったか否かを問い合わせる案内を、物品管理サーバ4を介して端末装置3に表示させてもよい。また、入出庫判定部207は、スピーカ29から食品が新しくなったか否かを問い合わせる音声を出力し、ユーザPに、端末装置3を操作させて、物品BPが新しくなったか否かの設定を入力させてもよい。また、検出装置2に表示パネルを設けると共に、検出装置2を操作するリモコンを設けて、表示パネルに、食品が新しくなったか否かを問い合わせる案内を表示させ、この案内に対するユーザPの操作をリモコンにより受け付けてもよい。
【0103】
入出庫判定部207は、庫内に物品BPが入庫されたと判定した場合、入庫判定との判定結果を検出装置メモリ21に記憶させる。入出庫判定部207は、この判定結果の他に、物品BPのマーカーID4123や、録画画像215から切り出し範囲KHを切り出した物品画像BPG、物品BPが収容された収納エリアを示す収容エリア情報4125を検出装置メモリ21に記憶させる。また、入出庫判定部207は、物品BPが冷蔵庫1内に再入庫されたと判定した場合、再入庫との判定結果を検出装置メモリ21に記憶させる。
【0104】
また、入出庫判定部207は、庫内から物品BPが出庫されたと判定した場合、出庫判定との判定結果を検出装置メモリ21に記憶させる。入出庫判定部207は、この判定結果の他に、物品BPのマーカーID4123や、録画画像215の切り出し範囲KHを切り出した物品画像BPGを検出装置メモリ21に記憶させる。
【0105】
図8のフローチャートの説明に戻り、入出庫判定部207が入出庫判定を行うと、通知部209は、検出された物品BPの入出庫が判定されたことを、スピーカ29によってユーザPに通知する(ステップSA11)。
【0106】
次いで、開閉判定部203は、開いていたドア11Cが閉状態になったか否かを判定する(ステップSA12)。
【0107】
開閉判定部203が、開いていたドア11Cが閉状態になっていないと判定した場合(ステップSA12:NO)、検出装置プロセッサ20は、処理をステップSA6に移す。
【0108】
一方、開閉判定部203が、開いていたドア11Cが閉状態になったと判定した場合(ステップSA12:YES)、録画制御部205は、冷蔵室用カメラ27が撮影した撮影画像の録画を終了する(ステップSA13)。
【0109】
次いで、人物存在判定部202は、冷蔵庫1の周辺に人が存在するか否かを判定する(ステップSA14)。
【0110】
人物存在判定部202が、冷蔵庫1の周辺に人が存在すると判定した場合(ステップSA14:YES)、検出装置プロセッサ20は、処理をステップSA3に移す。
【0111】
一方、人物存在判定部202が、冷蔵庫1の周辺に人が存在しないと判定した場合(ステップSA14:NO)、撮影制御部204は、冷蔵室用カメラ27及び引出用カメラ28に撮影を終了させる(ステップSA15)。
【0112】
検出装置プロセッサ20は、ステップSA15の処理を行うと、処理をステップSA1に移し、再度、ステップSA1以降の処理を行う。
【0113】
[2-2.アップロードデータの送信に係わる動作]
次に、アップロードデータの送信に係わる物品管理システム1000の動作について説明する。
図14は、物品管理システム1000の動作を示すフローチャートである。
図14において、フローチャートFBは検出装置2の動作を示し、フローチャートFCは物品管理サーバ4の動作を示す。
【0114】
フローチャートFBで示すように、検出装置2の生成部210は、アップロードデータを物品管理サーバ4に送信するトリガーが発生したか否かを判定する(ステップSB1)。
【0115】
アップロードデータを送信するトリガーとして、入出庫判定部207が、入出庫判定処理の判定結果を検出装置メモリ21に記憶させたこと、が挙げられる。この他に、冷蔵室用カメラ27の撮影画像の録画が終了したことや、現在時刻が予め定められた時刻に至ったこと等をトリガーとしてもよい。
【0116】
生成部210は、トリガーが発生した場合(ステップSB1:YES)、入出庫判定処理の判定結果が入庫であるのか、出庫であるのかを判定する(ステップSB2)。生成部210は、入出庫判定処理の判定結果が入庫である場合(ステップSB:入庫)、第1アップロードデータを生成する(ステップSB3)。第1アップロードデータには、マーカーID4123や、物品画像、収容エリア情報4125、検出装置ID212が含まれる。また、入出庫判定処理により再入庫と判定された場合、生成部210は、再入庫との判定情報を第1アップロードデータに含ませる。
【0117】
生成部210は、生成した第1アップロードデータを検出装置通信制御部201に出力する。検出装置通信制御部201は、入力された第1アップロードデータを物品管理サーバ4に送信する(ステップSB4)。その後、生成部210は、ステップSB7の判定に移行する。
【0118】
また、ステップSB2において、出庫を示すと判定した場合(ステップSB2:出庫)、生成部210は、第2アップロードデータを生成する(ステップSB5)。第2アップロードデータには、マーカーID4123や、物品画像、検出装置ID212が含まれる。
【0119】
生成部210は、生成した第2アップロードデータを検出装置通信制御部201に出力する。検出装置通信制御部201は、入力された第2アップロードデータを物品管理サーバ4に送信する(ステップSB6)。
【0120】
次いで、生成部210は、入出庫判定処理の他の判定結果が検出装置メモリ21に記録されているか否かを判定する(ステップSB7)。生成部210は、入出庫判定処理の他の判定結果が検出装置メモリ21に記録されている場合(ステップSB7:YES)、処理をステップSB2に戻し、再度、ステップSB2以降の処理を行う。一方、生成部210は、入出庫判定処理の他の判定結果が検出装置メモリ21に記録されていない場合(ステップSB7:NO)、処理をステップSB1に戻し、再度、ステップSB1以降の処理を行う。
【0121】
次に、物品管理サーバ4の動作を、フローチャートFCを参照しながら説明する。物品管理サーバ4のサーバ通信制御部401は、第1アップロードデータ及び第2アップロードデータのいずれかのアップロードデータを受信したか否かを判定する(ステップSC1)。
【0122】
サーバ通信制御部401は、アップロードデータを受信していないと判定した場合(ステップSC1:NO)、再度、ステップSC1の判定を行う。
【0123】
一方、サーバ通信制御部401が、アップロードデータを受信したと判定した場合(ステップSC1:YES)、サーバ処理部402は、サーバ通信制御部401が受信したアップロードデータに基づいて物品管理DB412を更新する(ステップSC2)。
【0124】
ステップSC2について詳述する。
サーバ通信制御部401が受信したアップロードデータが第1アップロードデータである場合、サーバ処理部402は、第1アップロードデータに含まれる検出装置ID212を有するレコードRを物品管理DB412から特定する。次いで、サーバ処理部402は、特定したレコードRに対して、次のサブレコードSRを格納する。格納されるサブレコードSRは、第1アップロードデータに含まれるマーカーID4123、収容エリア情報4125、及び物品画像データ4127と、ブランクの物品名情報4124と、収容開始日時を示す収容開始日時情報4126とを対応付けて格納する。
【0125】
また、サーバ処理部402は、第1アップロードデータに再入庫との判定情報が含まれる場合、新たなレコードRや、サブレコードSRの生成は行わない。この場合、サーバ処理部402は、第1アップロードデータからマーカーID4123を取得し、取得したマーカーID4123に対応するサブレコードSRを更新する情報があるか否かを判定する。例えば、サーバ処理部402は、収容エリアが変更された場合には、サブレコードSRの収容エリア情報4125を更新する。
【0126】
サーバ通信制御部401が受信したアップロードデータが第2アップロードデータである場合、サーバ処理部402は、第2アップロードデータに含まれる検出装置ID212とマーカーID4123とを有するレコードRを物品管理DB412から特定する。次いで、サーバ処理部402は、特定したレコードRから、第2アップロードデータに含まれるマーカーID4123を有するサブレコードSRを消去する。
【0127】
[2-3.物品名の登録に係わる動作]
次に、物品名の登録に係わる物品管理システム1000の動作について説明する。
図15は、物品管理システム1000の動作を示すフローチャートである。
図15において、フローチャートFDは物品管理サーバ4の動作を示し、フローチャートFEは端末装置3の動作を示す。
【0128】
フローチャートFDで示すように、物品管理サーバ4のサーバ通信制御部401は、新たなサブレコードSRが物品管理DB412に格納されたか否かを判定する(ステップSD1)。
【0129】
物品管理サーバ4のサーバ通信制御部401は、サブレコードSRが物品管理DB412に格納されたと判定した場合(ステップSD1:YES)、入力画面データを端末装置3に送信する(ステップSD2)。
入力画面データは、入力画面NGをアプリUIにおいて表示させるデータである。入力画面NGは、物品BPの名称である物品名の入力を受け付ける画面である。
【0130】
ステップSD2について説明する。
サーバ通信制御部401は、新たに格納されたサブレコードSRに含まれるマーカーID4123と物品画像データ4127とを含む表示データを生成する。次いで、サーバ通信制御部401は、サブレコードSRが追加されたレコードRが有する通信情報4122に基づいて、生成した入力画面データを端末装置3に送信する。
【0131】
フローチャートFEで示すように、端末装置3のアプリ実行部300は、物品管理サーバ4から入力画面データを受信する(ステップSE1)。
【0132】
次いで、アプリ実行部300は、入力画面NGを表示したアプリUI330をタッチパネル33に表示させる(ステップSE2)。
【0133】
図16は、入力画面NGの一例を示す図である。
入力画面NGは、物品画像BPGを表示する。入力画面NGが表示する物品画像BPGは、新規物品通知情報に含まれる物品画像データ4127が示す物品画像BPGである。
【0134】
入力画面NGは、物品名を入力する入力欄NLを表示する。入力画面NGが表示する入力欄NLには、端末装置3のユーザPによって物品名が入力される。
図16の入力画面NGでは、ゆで卵との物品名が入力欄NLに入力されている場合を例示している。
【0135】
入力画面NGは、確定ボタンB1を表示する。確定ボタンB1は、入力欄NLに入力された内容を確定するためのソフトウェアボタンである。
【0136】
図15のフローチャートの説明に戻り、アプリ実行部300は、ユーザPによって物品名が入力され(ステップSX1)、ユーザPによって確定ボタンB1が操作されると(ステップSC3)、更新情報を物品管理サーバ4に送信する(ステップSE3)。ステップSE3で送信される更新情報には、入力画面NGで入力された物品名を示す物品名情報、及び入力画面データに含まれるマーカーID4123を含む。
【0137】
フローチャートFDで示すように、物品管理サーバ4のサーバ通信制御部401は、端末装置3から更新情報を受信する(ステップSD3)。
【0138】
次いで、サーバ処理部402は、ステップSD3で受信された更新情報に基づいて物品管理DB412を更新する(ステップSD4)。
【0139】
ステップSD4について詳述する。
サーバ処理部402は、更新情報に含まれるマーカーIDを有するサブレコードSRを物品管理DB412から特定する。次いで、サーバ処理部402は、特定したサブレコードSRの物品名情報4124を、更新情報が含む物品名情報4124に更新する。
【0140】
[3.効果等]
以上説明したように本実施形態の検出システム100は、物品BPに付されたマーカーMKと、マーカーMKを検出する検出装置2と、を備える。
検出装置2は、冷蔵室用カメラ27、検出部206及び入出庫判定部207を備える。
【0141】
冷蔵室用カメラ27は、冷蔵庫1のドア11Cが開状態であるときに、冷蔵庫1の庫内を含む範囲を庫内の上方から撮影する。
検出部206は、冷蔵室用カメラ27が撮影した撮影画像からマーカーMKの画像を検出する。
入出庫判定部207は、検出部206が検出したマーカーMKの画像に基づき、マーカーMKが付された物品BPの庫内への入庫、又は、物品BPの庫内からの出庫を判定する。
【0142】
従って、物品BPに付されたマーカーMKの画像を検出することで、物品BPの庫内への入庫、又は、物品BPの庫内からの出庫が判定される。例えば、物品BPごとに異なるマーカーMKを付することで、物品BPの判定制度を高め、冷蔵庫に入庫、又は冷蔵庫から出庫される物品BPの情報をより確実に取得することができる。
【0143】
検出部206は、撮影画像の予め設定された検出領域TA内においてマーカーMKを検出する。
【0144】
従って、マーカーMKの検出時間を短縮し、検出装置2の処理負荷を軽減することができる。
【0145】
入出庫判定部207は、検出領域TA内においてマーカーMKを検出後、マーカーMKの移動方向に基づいて物品BPが庫内に入庫したのか、庫内から出庫したのかを判定する。
【0146】
従って、マーカーMKが付された物品BPが冷蔵庫1の庫内に入庫されたのか、庫内から出庫したのかを判定することができる。
【0147】
入出庫判定部207は、検出領域TA内においてマーカーMKを検出後、ドア11Cのドアポケット111に対応する撮影画像の領域内へのマーカーMKの移動が検出された場合、マーカーMKが付された物品BPが庫内に入庫したと判定する。
【0148】
従って、マーカーMKが付された物品BPのドアポケット111への収容を精度よく検出することができる。
【0149】
入出庫判定部207は、検出領域TAにおいてマーカーMKを検出後、マーカーMKの移動方向と、庫内に複数設けられた収容エリアの庫内における配置と、に基づき、物品BPが収容された収容エリアを判定する。
【0150】
従って、マーカーMKが付された物品BPが、冷蔵庫1の庫内に複数設けられた収容エリアのどこに収容されたのかを判定することができる。
【0151】
検出装置2は、通信情報214を記憶する検出装置メモリ21を備える。
マーカーMKは、矩形形状の背景領域MKAと、背景領域MKA内に形成され、マーカーに付与された識別情報に対応したパターン画像MKBと、を含む。
入出庫判定部207は、撮影画像に撮影された背景領域MKAの面積を、撮影画像の撮影順に算出し、算出した背景領域MKAの面積に変化が検出されなくなると、マーカーの画像により決定される撮影画像の範囲を切り出し、切り出した画像を、通信情報214が示す送信先に送信する。
【0152】
従って、静止した物品BPの画像を切り出して、通信情報214の送信先に送信することができる。このため、例えば、通信情報214として、物品管理サーバ4のIPアドレスや、端末装置3を所持するユーザPのメールアドレスを登録しておくことで、冷蔵庫1内に収容された物品BPの画像を確認することができる。
【0153】
検出装置2は、検出部206が検出したパターン画像MKBに対応した識別情報を取得する取得部208を備える。
入出庫判定部207は、予め設定された設定時間内に取得部208が同一の識別情報を取得した場合、検出したマーカーMKが付された物品BPが再度、庫内に入庫したと判定する。
【0154】
従って、冷蔵庫1内から取り出された物品BPの庫内への再入庫を判定することができる。
【0155】
また、入出庫判定部207は、取得部208が取得した識別情報が、出庫と判定した物品BPに付されたマーカーMKから検出した識別情報と同一である場合、識別情報に対応した物品BPが再度、庫内に入庫したと判定する。
【0156】
従って、冷蔵庫1内から取り出された物品BPの庫内への再入庫を判定することができる。
【0157】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する例示として、上記実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0158】
例えば、検出装置2は、録画画像215から切り出し範囲KHを切り出して物品画像BPGを生成すると、生成した物品画像BPGを、通信情報214としてのユーザPのメールアドレス宛てに送信してもよい。これにより物品画像BPGが物品管理サーバ4を介することなく、端末装置3に送信され、端末装置3に物品画像BPGが表示されるまでの時間を短縮させることができる。
【0159】
また、物品管理サーバ4は、収容開始日時以外に、物品BPの残量や、物品BPの消費期限日、物品BPの賞味期限日などの他の項目も管理してもよい。
物品管理サーバ4は、消費期限日に基づき、ユーザPに通知する通知日を設定する。通知日は、例えば、消費期限日と同日であってもよいし、消費期限日の前日であってもよい。また、ユーザPが端末装置3を操作して、物品BPごとに通知日を設定してもよい。
物品管理サーバ4は、設定された通知日までに、物品BPである食品が冷蔵庫1から出庫されていない場合、通知日となった物品BPがあることを検出装置2や端末装置3により通知させる。
【0160】
上述した実施の形態では、人物存在判定部202が人感センサ26の検出値に基づいて、冷蔵庫1の周辺に人が存在するか否かを判定する構成を例示した。しかしながら、人物存在判定部202は、人感センサ26の代わりに、照度センサや、冷蔵庫1の把持部に設けられる静電センサ等の検出値に基づいて判定してもよい。この静電センサの場合、冷蔵庫1と検出装置2とが通信可能であり、冷蔵庫1は、静電センサの検出値を検出装置2に送信する。
【0161】
上述した実施の形態では、物品BPの冷蔵庫1の庫内への入庫と、庫内からの出庫とを判定したが、物品BPが新鮮凍結室13や冷凍室14、野菜室15等のいずれに入庫されたのかを録画画像215から判定することもできる。また、カメラの設置位置や、設置台数を変更することで、これら新鮮凍結室13や冷凍室14、野菜室15のいずれに物品BPが保存されたのかの判定精度を高めることも可能である。
【0162】
他の実施の形態では、レコードRを端末装置3が記憶してもよい。この構成の場合、アプリ実行部300は、端末装置3が記憶するレコードRの内容を、上述した物品管理サーバ4と同様に適宜更新する。これにより、物品管理システム1000は物品管理サーバ4を具備する必要がなくシステム構成が簡易となる。
【0163】
他の実施の形態では、冷蔵庫1の主箱体10に形成される部屋の種類は、冷蔵室11、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び野菜室15以外の収容室があってもよいし、製氷室12、新鮮凍結室13、冷凍室14、及び野菜室15の少なくともいずれかがなくてもよい。また、他の実施の形態では、冷蔵室11の前面の開口部に設けられるドアの数は、1つでもよい。
【0164】
例えば、検出装置プロセッサ20、端末プロセッサ30、及びサーバプロセッサ40は、単一のプロセッサにより構成されてもよいし、複数のプロセッサにより構成されていてもよい。検出装置プロセッサ20、端末プロセッサ30、及びサーバプロセッサ40は、対応する機能部を実現するようプログラムされたハードウェアでもよい。すなわち、検出装置プロセッサ20、端末プロセッサ30、及びサーバプロセッサ40は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)で構成される。
【0165】
図4に示した検出装置2の構成、及び
図6に示した端末装置3及び物品管理サーバ4の構成は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施の形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、検出装置2、端末装置3、及び物品管理サーバ4の他の各部の具体的な細部構成についても、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0166】
図8、
図14及び
図15に示す動作のステップ単位は、動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、動作が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本開示の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【0167】
検出装置プロセッサ20が実行する制御プログラム211は、可搬型の情報記録媒体に制御プログラム211を記録させた状態で実現することも可能である。情報記録媒体は、ハードディスク等の磁気的記録媒体、CD等の光学的記録媒体、USB(Universal Serial Bus)メモリやSSD(Solid State Drive)等の半導体記憶デバイスが挙げられるが、その他の記録媒体を用いることも可能である。
【0168】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本開示の検出装置、検出装置の制御方法、及びプログラムは、冷蔵庫に入出庫される物品を検出する用途に利用可能である。
【符号の説明】
【0170】
1 冷蔵庫
2 検出装置
5 通信装置
11 冷蔵室
11C ドア
20 検出装置プロセッサ
27 冷蔵室用カメラ
29 スピーカ
202 人物存在判定部
203 開閉判定部
204 撮影制御部
206 検出部
207 入出庫判定部
208 通知部
211 制御プログラム
BP 物品
MK マーカー
MKA 背景領域
MKB パターン画像
TA 検出領域