(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079906
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、及び、情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G16H 10/00 20180101AFI20230601BHJP
【FI】
G16H10/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193607
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】安藤 義記
(72)【発明者】
【氏名】青木 隆明
(72)【発明者】
【氏名】石岡 敏幸
(72)【発明者】
【氏名】増田 力也
(72)【発明者】
【氏名】古田 晋也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援する情報処理方法などを提供する。
【解決手段】情報処理方法は、対象ユーザが情報端末へ入力した、対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を情報端末から取得する第1取得ステップ(ステップS20)と、第1計測機器によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む1人分以上の第1バイタルデータの中から、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータである対象データを取得する第2取得ステップ(ステップS22)と、データ要求に対する応答として、取得された対象データを情報端末の表示部に表示するための表示情報を情報端末へ出力する出力ステップ(ステップS24)とを含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象ユーザが情報端末へ入力した、前記対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を前記情報端末から取得する第1取得ステップと、
第1計測機器によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む前記1人分以上の第1バイタルデータの中から、前記第1個人情報を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータである対象データを取得する第2取得ステップと、
前記データ要求に対する応答として、取得された前記対象データを前記情報端末の表示部に表示するための表示情報を前記情報端末へ出力する出力ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項2】
前記データ要求には、前記対象ユーザが前記情報端末へ入力した、前記対象ユーザの第2個人情報が含まれ、
前記第2取得ステップにおいては、前記第1個人情報を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータが複数存在する場合に、前記第1個人情報、及び、前記第2個人情報の両方を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータを前記対象データとして取得する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記表示情報は、取得された前記対象データと、前記第1計測機器と異なる第2計測機器によって計測された前記対象ユーザの第2バイタルデータとを前記表示部に表示するための情報であり、
前記対象データに含まれる第1個別データと前記第2バイタルデータに含まれる第2個別データとが同種のデータである場合、前記表示部には、前記第1個別データ及び前記第2個別データのうち計測日時が新しいほうのみが表示される
請求項1または2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記第1個人情報は、ユーザ名称、生年月日、性別、血液型、身長、体重、及び、BMIのうちのいずれかである
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理方法。
【請求項5】
第1計測機器によって計測された対象ユーザの第1バイタルデータを取得する第1取得ステップと、
前記第1計測機器と異なる第2計測機器によって計測された1人分以上の第2バイタルデータのそれぞれと、取得された前記第1バイタルデータとの類似度に基づいて、前記1人分以上の第2バイタルデータの中から、前記対象ユーザの前記第2バイタルデータを取得する第2取得ステップと、
取得された前記第1バイタルデータ、及び、取得された前記第2バイタルデータを情報端末の表示部に表示するためのデータ情報を前記情報端末へ出力する第1出力ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項6】
前記第2取得ステップにおいては、取得された前記第1バイタルデータと最も類似する前記第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たす場合に、当該第2バイタルデータを前記対象ユーザの前記第2バイタルデータとして取得し、
前記情報処理方法は、さらに、
取得された前記第1バイタルデータと最も類似する前記第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たさない場合に、当該第2バイタルデータを候補データとして取得する第3取得ステップと、
取得された前記候補データが前記対象ユーザの前記第2バイタルデータであるかを前記対象ユーザに確認するための確認画面を前記表示部に表示するための確認情報を前記情報端末へ出力する第2出力ステップとを含む
請求項5に記載の情報処理方法。
【請求項7】
対象ユーザが情報端末へ入力した、前記対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を前記情報端末から取得する第1取得部と、
第1計測機器によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む前記1人分以上の第1バイタルデータの中から、前記第1個人情報を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータである対象データを取得する第2取得部と、
前記データ要求に対する応答として、取得された前記対象データを前記情報端末の表示部に表示するための表示情報を前記情報端末へ出力する出力部とを備える
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、及び、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、計測機器によって計測されたユーザのバイタルデータ(生体情報など)を記憶するサーバを備えるシステムが開示されている。このシステムでは、ユーザからの要求に応じて、計測されたユーザのバイタルデータがユーザの情報端末に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、1つの計測機器によって1人以上のユーザのバイタルデータが計測される場合がある。この場合に、対象ユーザが自身のバイタルデータを取得して閲覧を要求するときに、当該1つの計測機器によって計測された1人以上のユーザのバイタルデータのうち、どのバイタルデータが自身のデータであるかが判断され難く、閲覧が困難である場合がある。
【0005】
そこで、本発明は、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援する情報処理方法などを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、対象ユーザが情報端末へ入力した、前記対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を前記情報端末から取得する第1取得ステップと、第1計測機器によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む前記1人分以上の第1バイタルデータの中から、前記第1個人情報を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータである対象データを取得する第2取得ステップと、前記データ要求に対する応答として、取得された前記対象データを前記情報端末の表示部に表示するための表示情報を前記情報端末へ出力する出力ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、第1計測機器によって計測された対象ユーザの第1バイタルデータを取得する第1取得ステップと、前記第1計測機器と異なる第2計測機器によって計測された1人分以上の第2バイタルデータのそれぞれと、取得された前記第1バイタルデータとの類似度に基づいて、前記1人分以上の第2バイタルデータの中から、前記対象ユーザの前記第2バイタルデータを取得する第2取得ステップと、取得された前記第1バイタルデータ、及び、取得された前記第2バイタルデータを情報端末の表示部に表示するためのデータ情報を前記情報端末へ出力する第1出力ステップとを含む。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、対象ユーザが情報端末へ入力した、前記対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を前記情報端末から取得する第1取得部と、第1計測機器によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む前記1人分以上の第1バイタルデータの中から、前記第1個人情報を前記識別情報として含む前記第1バイタルデータである対象データを取得する第2取得部と、前記データ要求に対する応答として、取得された前記対象データを前記情報端末の表示部に表示するための表示情報を前記情報端末へ出力する出力部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の情報処理方法などは、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、実施の形態1に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、情報処理システムの動作例1のフローチャートである。
【
図3】
図3は、情報処理システムの動作例2のフローチャートである。
【
図4】
図4は、実施の形態1に係る対象データを示す画像の一例である。
【
図5】
図5は、実施の形態1に係る第2取得部が対象データを取得する際の詳細なフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施の形態1に係る確認画面を示す画像の一例である。
【
図7】
図7は、実施の形態1に係る第1~第3バイタルデータを表示する画像の一例である。
【
図8】
図8は、情報処理システムの動作例3のフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施の形態1に係る対象ユーザに相当する登録者を選択する操作を行うための画像の一例である。
【
図10】
図10は、実施の形態2に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、情報処理システムの動作例4のフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施の形態2に係る第2取得部が類似度に基づいて対象ユーザの第2バイタルデータを取得する際の詳細なフローチャートである。
【
図13】
図13は、情報処理システムの動作例5のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態1)
[構成]
まず、実施の形態1に係る情報処理システム10の構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る情報処理システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
図1に示される情報処理システム10は、施設20に設けられた複数の計測機器から取得されたバイタルデータを、情報端末30の表示部34に表示させることができるシステムである。
【0016】
情報処理システム10は、複数の計測機器として第1計測機器110、第2計測機器120及び第3計測機器130と、情報端末30と、情報処理装置40とを備える。
【0017】
第1計測機器110、第2計測機器120及び第3計測機器130が設けられた施設20は、本実施の形態においては、住宅であるがこれに限られない。施設20は、医療施設(病院など)、宿泊施設又は公共施設などである。また、情報処理装置40は、施設20の外に設けられている。
【0018】
以下、情報処理システム10が備える各構成要素について説明する。
【0019】
まずは、第1~第3計測機器110~130について説明する。
【0020】
第1~第3計測機器110~130のそれぞれは、施設20の1人以上のユーザのそれぞれの健康状態を示すバイタルデータを計測する機器である。ここでは、住宅である施設20に住むX氏及びY氏の2人のユーザのバイタルデータが計測されるが、これに限られず、2以上のユーザのバイタルデータが計測されてもよい。さらに、第1~第3計測機器110~130のそれぞれは、計測されたバイタルデータを情報処理装置40に出力する。なお、第1計測機器110は1人分以上(ここでは2人分)の第1バイタルデータを、第2計測機器120は1人分以上(ここでは2人分)の第2バイタルデータを、第3計測機器130は1人分以上(ここでは2人分)の第3バイタルデータを計測する。
【0021】
第1~第3計測機器110~130のそれぞれは、互いに異なる計測機器である。一例として、第1及び第3計測機器110及び130のそれぞれは体組成計であり、第2計測機器120はトイレである。なお、第1~第3計測機器110~130のそれぞれは、上記に限られず、1人以上のユーザのそれぞれの健康状態を示すバイタルデータを計測できれば、血圧計測器、活動量計測器などの他の機器であってもよい。
【0022】
第1~第3計測機器110~130は、それぞれ、通信部111~131と、計測部112~132と、記憶部113~133と、受付部114~134とを有する。
【0023】
まずは、体組成計である第1計測機器110について説明する。
【0024】
第1計測機器110の計測部112は、1人分以上の第1バイタルデータを計測する。本実施の形態においては、計測部112は、X氏及びY氏の2人のユーザのそれぞれについて、1以上の第1個別データを含む第1バイタルデータを計測する。また、1つの第1バイタルデータは、1人のユーザのデータであり、1人のユーザに対応するデータである。ここでは、第1バイタルデータは、1以上の第1個別データとして、体重、BMI及び体脂肪率のそれぞれを含む。
【0025】
第1計測機器110の記憶部113は、計測部112によって計測された1人分以上の第1バイタルデータなどが記憶される記憶装置である。より具体的には、記憶部113には、2人分の第1バイタルデータのそれぞれが1人のユーザと結びつけられて登録されている。つまりここでは、2人分の第1バイタルデータのそれぞれは、第1計測機器110の第1登録者の第1バイタルデータ、及び、第1計測機器110の第2登録者の第1バイタルデータとして記憶されている。なお、本実施の形態においては、X氏が第1計測機器110における第1登録者であり、Y氏が第1計測機器110における第2登録者である。なお、第1計測機器110における登録者は、受付部114が用いられる処理によって識別される。記憶部113は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0026】
第1計測機器110の受付部114は、第1計測機器110を使用する1人のユーザから、当該1人のユーザが第1計測機器110を使用することを示す操作を受け付ける。受付部114は、例えば、第1及び第2ハードウェアボタンを含んでいる。1人のユーザ(例えばX氏)が第1計測機器110を使用する前又は使用した後に、当該1人のユーザは、自身が第1計測機器110における第1登録者であることを示す第1ハードウェアボタンを押す。これにより、当該使用において計測部112によって計測された第1バイタルデータが第1登録者(X氏)と紐づけられて、つまりは、第1計測機器110の第1登録者の第1バイタルデータとして、記憶部113に記憶される。換言すると、記憶部113に記憶されている第1バイタルデータには、当該第1バイタルデータが第1計測機器110のどの登録者の第1バイタルデータであるかが示されている。
【0027】
第1計測機器110の通信部111は、第1計測機器110が広域通信ネットワーク50を介して情報処理装置40などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部111は、記憶されている1人分以上の第1バイタルデータを、情報処理装置40に出力する。通信部111によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0028】
次に、トイレである第2計測機器120について説明する。
【0029】
第2計測機器120の計測部122は、1人分以上の第2バイタルデータを計測する。本実施の形態においては、計測部122は、X氏及びY氏の2人のユーザのそれぞれについて、1以上の第2個別データを含む第2バイタルデータを計測する。また、1つの第2バイタルデータは、1人のユーザのデータであり、1人のユーザに対応するデータである。ここでは、第2バイタルデータは、1以上の第2個別データとして、体脂肪率、尿の亜硝酸塩判定結果、尿のブドウ糖判定結果及び尿の白血球判定結果のそれぞれを含む。なお、以下では、簡単のために、尿の亜硝酸塩判定結果、尿のブドウ糖判定結果及び尿の白血球判定結果をそれぞれ、亜硝酸塩結果、ブドウ糖結果及び白血球結果と記載する場合がある。
【0030】
第2計測機器120の記憶部123は、計測部122によって計測された1人分以上の第2バイタルデータなどが記憶される記憶装置である。より具体的には、記憶部123には、2人分の第2バイタルデータのそれぞれが1人のユーザと結びつけられて登録されている。つまりここでは、2人分の第2バイタルデータのそれぞれは、第2計測機器120の第1登録者の第2バイタルデータ、及び、第2計測機器120の第2登録者の第2バイタルデータとして記憶されている。なお、本実施の形態においては、X氏が第2計測機器120における第1登録者であり、Y氏が第2計測機器120における第2登録者である。なお、第2計測機器120における登録者は、受付部124が用いられる処理によって識別される。記憶部123は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0031】
第2計測機器120の受付部124は、第2計測機器120を使用する1人のユーザから、当該1人のユーザが第2計測機器120を使用することを示す操作を受け付ける。受付部124は、例えば、第1及び第2ハードウェアボタンを含んでいる。1人のユーザ(例えばX氏)が第2計測機器120を使用する前又は使用した後に、当該1人のユーザは、自身が第2計測機器120における第1登録者であることを示す第1ハードウェアボタンを押す。これにより、当該使用において計測部122によって計測された第2バイタルデータが第1登録者(X氏)と紐づけられて、つまりは、第2計測機器120の第1登録者の第2バイタルデータとして、記憶部123に記憶される。換言すると、記憶部123に記憶されている第2バイタルデータには、当該第2バイタルデータが第2計測機器120のどの登録者の第2バイタルデータであるかが示されている。
【0032】
第2計測機器120の通信部121は、第2計測機器120が広域通信ネットワーク50を介して情報処理装置40などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部121は、記憶されている1人分以上の第2バイタルデータを、情報処理装置40に出力する。通信部121によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0033】
さらに、体組成計である第3計測機器130について説明する。
【0034】
第3計測機器130の計測部132は、1人分以上の第3バイタルデータを計測する。本実施の形態においては、計測部132は、X氏及びY氏の2人のユーザのそれぞれについて、1以上の第3個別データを含む第3バイタルデータを計測する。また、1つの第3バイタルデータは、1人のユーザのデータであり、1人のユーザに対応するデータである。ここでは、第3バイタルデータは、1以上の第3個別データとして、体重、BMI及び体脂肪率のそれぞれを含む。
【0035】
第3計測機器130の記憶部133は、計測部132によって計測された1人分以上の第3バイタルデータなどが記憶される記憶装置である。より具体的には、記憶部133には、2人分の第3バイタルデータのそれぞれが1人のユーザと結びつけられて登録されている。つまりここでは、2人分の第3バイタルデータのそれぞれは、第3計測機器130の第1登録者の第3バイタルデータ、及び、第3計測機器130の第2登録者の第3バイタルデータとして記憶されている。なお、本実施の形態においては、X氏が第3計測機器130における第1登録者であり、Y氏が第3計測機器130における第2登録者である。なお、第3計測機器130における登録者は、受付部134が用いられる処理によって識別される。記憶部133は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0036】
なお、本実施の形態においては、第1~第3計測機器110~130における第1登録者は全てX氏であり、第1~第3計測機器110~130における第2登録者は全てY氏であったがこれに限られない。例えば、第1及び第2計測機器110及び120における第1登録者はX氏であり、第3計測機器130における第1登録者は全てY氏であってもよい。
【0037】
第3計測機器130の受付部134は、第3計測機器130を使用する1人のユーザから、当該1人のユーザが第3計測機器130を使用することを示す操作を受け付ける。受付部134は、例えば、第1及び第2ハードウェアボタンを含んでいる。1人のユーザ(例えばX氏)が第3計測機器130を使用する前又は使用した後に、当該1人のユーザは、自身が第3計測機器130における第1登録者であることを示す第1ハードウェアボタンを押す。これにより、当該使用において計測部132によって計測された第3バイタルデータが第1登録者(X氏)と紐づけられて、つまりは、第3計測機器130の第1登録者の第3バイタルデータとして、記憶部133に記憶される。換言すると、記憶部133に記憶されている第3バイタルデータには、当該第3バイタルデータが第3計測機器130のどの登録者の第3バイタルデータであるかが示されている。
【0038】
第3計測機器130の通信部131は、第3計測機器130が広域通信ネットワーク50を介して情報処理装置40などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部131は、記憶されている1人分以上の第3バイタルデータを、情報処理装置40に出力する。通信部131によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0039】
情報端末30は、情報処理装置40から提供される表示情報に基づいて、第1~第3バイタルデータを表示する。情報端末30は、施設20内に位置する情報端末であればよく、スマートフォン又はタブレット端末などの携帯型の情報端末であるとよい。
【0040】
情報端末30は、通信部31と、情報処理部32と、記憶部33と、表示部34と、受付部35とを備える。
【0041】
受付部35は、1人以上のユーザのそれぞれの操作を受け付けるユーザインターフェース部である。受付部35は、例えば、1人のユーザから、当該1人のユーザの第1~第3バイタルデータなどの閲覧を要求するデータ要求を示す操作を受付ける。受付部35は、例えば、静電容量方式のタッチパネルであるが、抵抗膜方式のタッチパネルであってもよい。また、受付部35は、タッチパネル以外にハードウェアボタンを含んでもよい。
【0042】
通信部31は、情報端末30が広域通信ネットワーク50を介して情報処理装置40などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部31は、受付部35によって受付けられた操作が示すデータ要求を、情報処理装置40に出力する。通信部31によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0043】
情報処理部32は、情報処理装置40から提供される表示情報に基づいて、第1~第3バイタルデータを表示するための表示処理を行う。情報処理部32は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部32の機能は、例えば、情報処理部32を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部33に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0044】
記憶部33は、上記表示処理に必要な情報(情報処理装置40から提供される表示情報など)、及び、情報処理部32が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部33は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0045】
表示部34は、情報処理装置40から提供される表示情報に基づいて第1~第3バイタルデータを表示する。表示部34は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0046】
情報処理装置40は、情報端末30から取得したデータ要求などに基づいて、1人のユーザの第1~第3バイタルデータを情報端末30の表示部34に表示するための表示情報を出力する処理(以下、出力処理とも記載される)を行う。情報処理装置40は、施設20外に設けられたクラウドサーバである。情報処理装置40は、具体的には、通信部41と、情報処理部42と、記憶部43とを備える。
【0047】
通信部41は、情報処理装置40が広域通信ネットワーク50を介して複数の計測機器、及び、情報端末30などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部41によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0048】
情報処理部42は、上述の出力処理を行う。情報処理部42は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部42は、機能的な構成要素として、第1取得部44、第2取得部45、及び、出力部47を有する。第1取得部44、第2取得部45、及び、出力部47の機能は、例えば、情報処理部42を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどが記憶部43に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。第1取得部44、第2取得部45、及び、出力部47のそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0049】
記憶部43は、上記出力処理に必要な情報、及び、情報処理部42が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0050】
以下、詳細な動作例について説明する。
【0051】
まずは、ユーザが自身の第1~第3バイタルデータなどを閲覧する前に行われる動作例1について説明する。
【0052】
[動作例1]
図2は、情報処理システム10の動作例1のフローチャートである。
【0053】
まず、第1取得部44は、情報端末30から1人以上のユーザのそれぞれの登録情報を取得する(ステップS10)。
【0054】
例えば、情報端末30の受付部35が、1人以上のユーザのそれぞれから、当該ユーザの登録情報を示す操作を受付ける。情報端末30の通信部31は、受付けられた操作に基づいて登録情報を情報処理装置40の通信部41に出力する。第1取得部44は、通信部41から登録情報を取得する。
【0055】
ここで、ユーザの登録情報について説明する。
【0056】
ユーザの登録情報とは、第1~第3計測機器110~130のそれぞれと、当該ユーザとを紐づけるための情報である。
【0057】
より具体的には、ユーザの登録情報とは、第1~第3計測機器110~130のそれぞれの登録者と、当該ユーザのユーザ名称、生年月日、性別、血液型、身長、体重、及び、BMI(Body Mass Index)のうち少なくとも1つと、が紐づけられた情報である。ここでは、第1計測機器110と1人のユーザ(X氏)とを例として、以下、具体的に説明する。
【0058】
上記の通り第1計測機器110における第1登録者は、X氏である。この場合、第1計測機器110におけるX氏の登録情報は、第1計測機器110における第1登録者と、X氏のユーザ名称、X氏の生年月日、X氏の性別、X氏の血液型、X氏の身長、X氏の体重及びX氏のBMIのうち少なくとも1つと、が紐づけられた情報である。
【0059】
登録情報は、第2及び第3計測機器120及び130とX氏とにおいても同様であり、第1~第3計測機器110~130とY氏とにおいても同様である。
【0060】
次に、第1取得部44は、1人以上のユーザの第1~第3バイタルデータを取得する(ステップS12)。より具体的には、第1~第3計測機器110~130のそれぞれは1人分以上の第1~第3バイタルデータのそれぞれを計測して情報処理装置40の通信部41に出力し、第1取得部44は通信部41を介して1人以上のユーザの第1~第3バイタルデータを取得する。
【0061】
ステップS12では、X氏及びY氏のそれぞれが第1~第3計測機器110~130を使用し、第1~第3計測機器110~130は、X氏及びY氏の第1~第3バイタルデータを計測する。
【0062】
第1~第3計測機器110~130が使用される前又は使用した後に、X氏及びY氏のそれぞれが、受付部114~134を操作する。これにより、上記の通り、記憶部113~133のそれぞれには、第1~第3バイタルデータとそれぞれの登録者とが、紐づけられて記憶されている。例えば、X氏が第1計測機器110を使用した場合には、計測された第1バイタルデータと第1登録者(X氏)とが紐づけられて記憶されている。
【0063】
このように、記憶部113~133のそれぞれに記憶されている第1~第3バイタルデータを、通信部111~131のそれぞれが通信部41に出力する。第1取得部44は通信部41を介して1人分以上の第1~第3バイタルデータ(つまりは、1人以上のユーザの第1~第3バイタルデータ)を取得する。
【0064】
情報処理部42は、取得されたユーザの登録情報と、取得された1人分以上の第1~第3バイタルデータとに基づいて、それぞれが識別情報を含む第1~第3バイタルデータを記憶部43に記憶させる(ステップS14)。
【0065】
ここで識別情報について説明する。
【0066】
上記の通り、登録情報は、第1~第3計測機器110~130のそれぞれの登録者と、当該登録者(1人のユーザ)のユーザ名称、生年月日、性別、血液型、身長、体重、及び、BMIのうち少なくとも1つと、が紐づけられた情報である。
【0067】
また、第1~第3バイタルデータは、それぞれ第1~第3計測機器110~130によって計測され、登録者と紐づけられたデータである。
【0068】
情報処理部42は、第1~第3バイタルデータのそれぞれに紐づけられた登録者と登録情報に示された登録者とを参照して、登録者が共通する場合に、当該バイタルデータが当該登録情報を識別情報として含むように処理する。
【0069】
つまり、第1~第3バイタルデータのそれぞれが含む識別情報は、1人の登録者、当該1人の登録者のユーザ名称、生年月日、性別、血液型、身長、体重、及び、BMIのうち少なくとも1つの情報である。
【0070】
例えば、第1計測機器110が第1登録者であるX氏を計測した第1バイタルデータが含む識別情報は、第1登録者、X氏のユーザ名称、X氏の生年月日、X氏の性別、X氏の血液型、X氏の身長、X氏の体重、及び、X氏のBMIのうち少なくとも1つの情報である。なお、本実施の形態においては、第1計測機器110が第1登録者であるX氏を計測した第1バイタルデータが含む識別情報は、第1登録者、X氏のユーザ名称、X氏の生年月日、X氏の性別、X氏の血液型、X氏の身長、X氏の体重、及び、X氏のBMIを含む。このような第1バイタルデータが記憶部113に記憶されている。
【0071】
さらに、以下では、ユーザが自身のバイタルデータを閲覧するための動作例2について説明する。動作例2は、動作例1の後に行われる処理である。なお、自身のバイタルデータを閲覧するユーザである対象ユーザは、X氏であるとして、以下説明を行う。
【0072】
[動作例2]
図3は、情報処理システム10の動作例2のフローチャートである。
【0073】
第1取得部44は、情報端末30からデータ要求を取得する(ステップS20)。なお、ここでは、データ要求は、第1バイタルデータを要求する。より具体的には、データ要求は、対象ユーザの第1バイタルデータを情報端末30の表示部34に表示させるための要求である。
【0074】
データ要求は、対象ユーザの第1個人情報を含む。
【0075】
対象ユーザの第1個人情報は、当該対象ユーザのユーザ名称、当該対象ユーザの生年月日、当該対象ユーザの性別、当該対象ユーザの血液型、当該対象ユーザの身長、当該対象ユーザの体重、及び、当該対象ユーザのBMIのうちのいずれかである。
【0076】
ステップS20では、情報端末30の受付部35は、対象ユーザから、対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を示す操作を受付ける。情報端末30の通信部31は受付られた操作が示すデータ要求を情報処理装置40の通信部41に出力し、第1取得部44は通信部41を介してデータ要求を取得する。
【0077】
このように、ステップS20では、第1取得部44は、対象ユーザが情報端末へ入力した、対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を情報端末30から取得する。なお、ステップS20が第1取得ステップに相当する。
【0078】
さらに、第2取得部45は、1人分以上の第1バイタルデータの中から、対象データを取得する(ステップS22)。より具体的には、第2取得部45は、記憶部43に記憶されている1人分以上の第1バイタルデータの中から、対象データを取得する。
【0079】
対象データは、記憶部43に記憶されている1人分以上の第1バイタルデータのうち、ステップS20で取得されたデータ要求が含む第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータである。
【0080】
ここで、1人分以上の第1バイタルデータとは、第1計測機器110がX氏を計測した第1バイタルデータ(X氏の第1バイタルデータ)と第1計測機器110がY氏を計測した第1バイタルデータ(Y氏の第1バイタルデータ)とである。
【0081】
また、上記の通り、X氏の第1バイタルデータが含む識別情報は、第1登録者、X氏のユーザ名称、X氏の生年月日、X氏の性別、X氏の血液型、X氏の身長、X氏の体重、及び、X氏のBMIを含む。同様に、Y氏の第1バイタルデータが含む識別情報は、第2登録者、Y氏のユーザ名称、Y氏の生年月日、Y氏の性別、Y氏の血液型、Y氏の身長、Y氏の体重、及び、Y氏のBMIを含む。
【0082】
ここで、対象ユーザの第1個人情報は、X氏の第1個人情報であり、一例として、X氏のユーザ名称である。
【0083】
よって、第2取得部45は、X氏の第1個人情報(X氏のユーザ名称)を識別情報として含むX氏の第1バイタルデータを対象データとして取得する。
【0084】
このように、第2取得部45は、第1計測機器110によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む1人分以上の第1バイタルデータの中から、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータである対象データを取得する。なお、ステップS22が第2取得ステップに相当する。
【0085】
出力部47は、第2取得部45により取得された対象データを情報端末30の表示部34に表示するための表示情報(第1表示情報)を情報端末30へ出力する(ステップS24)。第1表示情報は、対象データである第1バイタルデータ(より具体的には、X氏の第1バイタルデータ)を表示部34に表示するための情報である。
【0086】
このように、ステップS24では、出力部47は、データ要求に対する応答として、取得された対象データを情報端末30の表示部34に表示するための表示情報(第1表示情報)を情報端末30へ出力する。なお、ステップS24が出力ステップに相当する。
【0087】
情報端末30の通信部31は、第1表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された第1表示情報に基づいて対象データ(X氏の第1バイタルデータ)を示す画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。
図4は、本実施の形態に係る対象データを示す画像の一例である。情報端末30の表示部34には、対象ユーザの第1バイタルデータ(対象データ)が表示される。
【0088】
つまり、第1計測機器110が1人以上(ここでは2人)の第1バイタルデータを計測している場合でも、対象ユーザは、第1個人情報を含むデータ要求を示す操作を行うことで、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。
【0089】
なお、データ要求は、第1~第3バイタルデータを要求するデータであってもよい。この場合、まずは第1バイタルデータ(つまりは第1計測機器110)についての処理(ステップS20~S24)が行われた後に、第1計測機器110にかえて第2計測機器120を対象として同様の処理(ステップS20~S24)が行われるとよい。さらに、第1計測機器110にかえて第3計測機器130を対象として同様の処理(ステップS20~S24)が行われるとよい。
【0090】
ここで、
図5を用いて、ステップS20で取得されたデータ要求が、対象ユーザの第1個人情報に加えて、対象ユーザの第2個人情報及び対象ユーザの第3個人情報を含む場合の、ステップS22の詳細動作を説明する。
図5は、本実施の形態に係る第2取得部45が対象データを取得する際の詳細なフローチャートである。なお、ここでも、データ要求は、第1バイタルデータを要求する。
【0091】
対象ユーザの第1~第3個人情報は、それぞれ異なる情報である。対象ユーザの第1~第3個人情報のそれぞれは、当該対象ユーザのユーザ名称、当該対象ユーザの生年月日、当該対象ユーザの性別、当該対象ユーザの血液型、当該対象ユーザの身長、当該対象ユーザの体重、及び、当該対象ユーザのBMIのうちのいずれかである。
【0092】
ここでは、対象ユーザであるX氏の第1~第3個人情報はそれぞれ、以下の通りである。第1個人情報は、性別であり、より具体的には、「男」である。第2個人情報は、血液型であり、より具体的には、「B型」である。第3個人情報は、生年月日であり、より具体的には、「2000年8月8日」である。
【0093】
このように、データ要求が対象ユーザの第1~第3個人情報を含む場合には、ステップS22では、
図5が示す詳細動作が行われていてもよい。
【0094】
情報処理部42は、2人分の第1バイタルデータのうち、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが1つだけか否かを判断する(ステップS22a)。
【0095】
ここで以下の説明のために、X氏及びY氏の第1バイタルデータのそれぞれが含む識別情報について、<第1条件>と<第2条件>とに分けて説明する。<第1条件>及び<第2条件>における、X氏及びY氏の第1バイタルデータのそれぞれが含む識別情報では、性別、血液型及び生年月日が以下の通りに示されている。
【0096】
<第1条件>においては、X氏の第1バイタルデータが含む識別情報では「男」、「B型」、「2000年8月8日」と示され、Y氏の第1バイタルデータが含む識別情報では「男」、「B型」、「2000年8月8日」と示されている。<第2条件>においては、X氏の第1バイタルデータが含む識別情報では「男」、「B型」、「2000年8月8日」と示され、Y氏の第1バイタルデータが含む識別情報では「男」、「A型」、「2000年8月8日」と示されている。つまり、<第1条件>と<第2条件>との違いは、Y氏の第1バイタルデータが含む識別情報である血液型が異なる点である。
【0097】
ステップS22aでは、<第1条件>及び<第2条件>のいずれにおいても、対象ユーザ(X氏)の第1個人情報である「男」を識別情報として含む第1バイタルデータは、複数存在(X氏及びY氏の第1バイタルデータの2つ存在)する。このため、情報処理部42が当該第1バイタルデータが複数存在すると判断し(ステップS22aでNo)、ステップS22cに進む。
【0098】
なお、情報処理部42が当該第1バイタルデータが1つだけと判断したときに(ステップS22aでYes)、第2取得部45は、第1個人情報を識別情報として含む1つだけの第1バイタルデータを、対象データとして取得する(ステップS22b)。
【0099】
さらに、情報処理部42は、2人分の第1バイタルデータのうち、第2個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが1つだけか否かを判断する(ステップS22c)。
【0100】
ステップS22cでは、<第1条件>においては、対象ユーザ(X氏)の第2個人情報である「B型」を識別情報として含む第1バイタルデータは、X氏及びY氏の第1バイタルデータの2つ存在し、つまりは、複数存在する。このため、情報処理部42が当該第1バイタルデータが複数存在すると判断し(ステップS22cでNo)、ステップS22eに進む。
【0101】
一方で、ステップS22cでは、<第2条件>においては、対象ユーザ(X氏)の第2個人情報である「B型」を識別情報として含む第1バイタルデータは、1つ存在(X氏の第1バイタルデータ)する。このため、情報処理部42が当該第1バイタルデータが1つだけと判断し(ステップS22cでYes)、ステップS22dに進む。
【0102】
このように、情報処理部42がステップS22cでYesと判断したときには、第2取得部45は、第2個人情報を識別情報として含む1つだけの第1バイタルデータを、対象データとして取得する(ステップS22d)。
【0103】
ステップS22a、S22b、S22c及びS22dが示すように、第2取得部45は、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが複数存在する場合に、以下のように処理する。この場合、第2取得部45は、第1個人情報及び第2個人情報の両方を識別情報として含む第1バイタルデータを対象データとして取得する。
【0104】
さらに、情報処理部42は、2人分の第1バイタルデータのうち、第3個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが1つだけか否かを判断する(ステップS22e)。
【0105】
ステップS22eでは、<第1条件>においては、対象ユーザ(X氏)の第3個人情報である「2000年8月8日」を識別情報として含む第1バイタルデータは、X氏及びY氏の第1バイタルデータの2つ存在し、つまりは、複数存在する。このため、情報処理部42が当該第1バイタルデータが複数存在すると判断し(ステップS22eでNo)、ステップS22gに進む。
【0106】
なお、情報処理部42が当該第1バイタルデータが1つだけと判断したときに(ステップS22eでYes)、第2取得部45は、第3個人情報を識別情報として含む1つだけの第1バイタルデータを、対象データとして取得する(ステップS22f)。
【0107】
さらに、第2取得部45、第1~第3個人情報のうち少なくとも1つを識別情報として含む第1バイタルデータを候補データとして取得する(ステップS22g)。なお、ここでは、候補データは、X氏及びY氏の第1バイタルデータである。
【0108】
さらに出力部47は、当該候補データが対象ユーザの第1バイタルデータであるかを確認するための確認画面を情報端末30の表示部34に表示するための第2表示情報を情報端末30へ出力する。
【0109】
情報端末30の通信部31は、第2表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された第2表示情報に基づいて確認画面を示す画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。
図6は、本実施の形態に係る確認画面を示す画像の一例である。
【0110】
さらに、情報端末30の受付部35は、対象ユーザ(X氏)から、候補データのうちX氏の第1バイタルデータを指示する操作を受付ける(ステップS22h)。
【0111】
次に、第2取得部45は、受付けられた操作が指示する第1バイタルデータを、対象データとして取得する(ステップS22i)。
【0112】
ステップS22iでは、情報端末30の通信部31は受付られた操作が示す第1バイタルデータである対象データを情報処理装置40の通信部41に出力し、第1取得部44は通信部41を介して対象データを取得する。
【0113】
【0114】
なお、
図5では、データ要求が対象ユーザの第1~第3個人情報を含む場合について説明されたが、さらに、データ要求が対象ユーザの第1~第3個人情報以外の個人情報(例えば第4個人情報)を含んでいてもよい。この場合、ステップS22eとステップS22gとの間は、情報処理部42が2人分の第1バイタルデータのうち、第4個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが1つだけか否かを判断するステップが設けられるとよい。
【0115】
また、以下では、
図3が示すフローチャートにおいて、データ要求が、対象ユーザの第1個人情報を含み、かつ、第1バイタルデータ、第2バイタルデータ及び第3バイタルデータを要求する場合について説明する。
【0116】
この場合、ステップS22においては、第2取得部45は、対象データを取得する。さらに、第2取得部45は、第2及び3バイタルデータの中から、それぞれが第1個人情報を識別情報として含む第2及び3バイタルデータを取得する。つまり、第2取得部45は、X氏の第1個人情報を識別情報として含む対象データ(X氏の第1バイタルデータ)と、X氏の第1個人情報を識別情報として含む第2及び第3バイタルデータと、を取得する。
【0117】
さらにこの場合、ステップS24においては、出力部47は、データ要求に対する応答として、取得された対象データを情報端末30の表示部34に表示するための第3表示情報を情報端末30へ出力する。この第3表示情報は、取得された対象データと、取得された対象ユーザの第2及び第3バイタルデータとを情報端末30の表示部34に表示するための情報である。
【0118】
さらに、情報端末30の通信部31は、この第3表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された第3表示情報に基づいて対象データ(第1バイタルデータ)並びに第2及び第3バイタルデータを示す画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。
【0119】
ここで、対象データに含まれる第1個別データと第2バイタルデータに含まれる第2個別データとが同種のデータである場合、表示部34には、第1個別データ及び第2個別データのうち計測日時が新しいほうのみが表示される。
【0120】
図7は、本実施の形態に係る第1~第3バイタルデータを表示する画像の一例である。より具体的には、
図7の(a)は記憶部43に記憶されているX氏及びY氏の第1~第3バイタルデータの一例であり、
図7の(b)は、表示部34に表示されるX氏の第1~第3バイタルデータを示す画面の一例である。
【0121】
例えば、対象データ(第1バイタルデータ)が複数の第1個別データを含み、第2バイタルデータが複数の第2個別データを含む場合について説明する。複数の第1個別データのそれぞれが「2021/8/5 18:00」に計測された体重、BMI及び体脂肪率であり、複数の第2個別データのそれぞれが「2021/8/5 19:00」に計測された体脂肪率、亜硝酸塩結果、ブドウ糖結果及び白血球結果である。このとき、1つの第1個別データである体脂肪率と1つの第2個別データである体脂肪率とが同種のデータであるため、計測日時がより新しい個別データである第2個別データ(つまりは第2バイタルデータ)が表示部34に表示される。
【0122】
さらにこの場合においては、第1個別データと第2個別データと第3バイタルデータに含まれる第3個別データとが同種のデータである場合、表示部34には、第1~第3個別データのうち計測日時が新しいほうのみが表示される。
【0123】
さらに、以下では、ユーザが自身のバイタルデータを閲覧するための動作例3について説明する。動作例3は、動作例1の後に、動作例2のかわりに行われる処理である。なお、動作例2と同じく対象ユーザはX氏であり、動作例2とは異なりデータ要求には対象ユーザの第1個人情報が含まれていない。
【0124】
[動作例3]
図8は、情報処理システム10の動作例3のフローチャートである。
【0125】
第1取得部44は、情報端末30からデータ要求を取得する(ステップS30)。なお、ここでは、データ要求は、第1~第3バイタルデータを要求する。なお、上記の通り、このデータ要求には、対象ユーザの第1個人情報が含まれていない。
【0126】
ステップS30では、情報端末30の受付部35は、対象ユーザから、データ要求を示す操作を受付ける。情報端末30の通信部31は受付られた操作が示すデータ要求を情報処理装置40の通信部41に出力し、第1取得部44は通信部41を介してデータ要求を取得する。
【0127】
出力部47は、データ要求に対する応答として、対象ユーザが当該対象ユーザに相当する登録者を選択する操作を行うための表示情報(第4表示情報)を出力する(ステップS32)。
【0128】
情報端末30の通信部31は、第4表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された第4表示情報に基づいて、対象ユーザが当該対象ユーザに相当する登録者を選択する操作を行うための画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。
【0129】
図9は、本実施の形態に係る対象ユーザに相当する登録者を選択する操作を行うための画像の一例である。情報端末30の受付部35は、対象ユーザ(X氏)から、X氏に相当する登録者を選択する操作を受付ける(ステップS34)。動作例1で示されたように、第1バイタルデータが含む識別情報は、第1登録者とこの登録者のユーザ名称(X氏)とを含むため、
図9が示すように、「第1登録者」と「X氏」とが紐づけられて表示されるとよい。
【0130】
次に、第2取得部45は、1人分以上の第1バイタルデータの中から、受付けられた操作によって選択された登録者を識別情報として含む第1バイタルデータを、対象データ(つまり、X氏の第1バイタルデータ)として取得する(ステップS36)。同様に、ステップS36においては、第2取得部45は、1人分以上の第2バイタルデータの中から、受付けられた操作によって選択された登録者を識別情報として含む第2バイタルデータを、X氏の第2バイタルデータとして取得する。同様に、ステップS36においては、第2取得部45は、1人分以上の第3バイタルデータの中から、受付けられた操作によって選択された登録者を識別情報として含む第3バイタルデータを、X氏の第3バイタルデータとして取得する。
【0131】
出力部47は、第2取得部45により取得された対象データを情報端末30の表示部34に表示するための表示情報(第5表示情報)を情報端末30へ出力する(ステップS38)。なお、第5表示情報は、対象データ(X氏の第1バイタルデータ)と、X氏の第2及び第3バイタルデータとを表示部34に表示するための情報である。
【0132】
情報端末30の通信部31は、第5表示情報を受信する。情報処理部32は、受信された第5表示情報に基づいて対象データ(X氏の第1バイタルデータ)とX氏の第2及び第3バイタルデータとを示す画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。
【0133】
なお、例えば、第3計測機器130は、X氏によってのみ使用され、Y氏によって使用されない機器であってもよい。この場合、第3計測機器130はX氏の第3バイタルデータのみを計測するため、第1及び第2計測機器110及び120とは異なり、第3計測機器130の登録者が識別される必要はない。またこの場合、本動作例のステップS34では、受付部35は、第3計測機器130における登録者を選択する操作を受付ける必要はない。例えばこの場合、対象ユーザがY氏である場合、本動作例のステップS34で、Y氏は、
図9が示す「未選択」にチェックマークを入力してもよい。
【0134】
[効果など]
本実施の形態に係る情報処理方法は、第1取得ステップ(ステップS20)と、第2取得ステップ(ステップS22)と、出力ステップ(ステップS24)とを含む。第1取得ステップ(ステップS20)は、対象ユーザが情報端末30へ入力した、対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を情報端末30から取得する。第2取得ステップ(ステップS22)は、1人分以上の第1バイタルデータの中から、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータである対象データを取得する。より具体的には、第2取得ステップ(ステップS22)は、第1計測機器110によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む1人分以上の第1バイタルデータの中から、対象データを取得する。出力ステップ(ステップS24)は、データ要求に対する応答として、取得された対象データを情報端末30の表示部に表示するための表示情報を情報端末30へ出力する。
【0135】
これにより、第1計測機器110が1人以上(ここでは2人)の第1バイタルデータを計測している場合でも、対象ユーザは、第1個人情報を含むデータ要求を示す操作を行うことで、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。従って、このような情報処理方法は、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援することができる。
【0136】
また、例えば、本実施の形態においては、データ要求には、対象ユーザが情報端末30へ入力した、対象ユーザの第2個人情報が含まれる。第2取得ステップ(ステップS22)においては、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが複数存在する場合に、第1個人情報、及び、第2個人情報の両方を識別情報として含む第1バイタルデータを対象データとして取得する。
【0137】
これにより、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータが複数存在する場合でも、対象ユーザは、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。従って、このような情報処理方法は、対象ユーザが自身のバイタルデータをより容易に閲覧することを支援することができる。
【0138】
また、例えば、本実施の形態においては、表示情報は、取得された対象データと、第1計測機器110と異なる第2計測機器120によって計測された対象ユーザの第2バイタルデータとを表示部に表示するための情報である。対象データに含まれる第1個別データと第2バイタルデータに含まれる第2個別データとが同種のデータである場合、表示部には、第1個別データ及び第2個別データのうち計測日時が新しいほうのみが表示される。
【0139】
これにより、第1個別データと第2個別データとが同種のデータである場合に、対象ユーザは、自身の最新の健康状態を容易に閲覧することができる。従って、このような情報処理方法は、対象ユーザが自身のバイタルデータをより容易に閲覧することを支援することができる。
【0140】
また、例えば、本実施の形態においては、第1個人情報は、ユーザ名称、生年月日、性別、血液型、身長、体重、及び、BMIのうちのいずれかである。
【0141】
このような第1個人情報が用いられることで、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援することができる情報処理方法が実現される。
【0142】
本実施の形態に係る情報処理装置40は、第1取得部44と、第2取得部45と、出力部47とを備える。第1取得部44は、対象ユーザが情報端末30へ入力した、対象ユーザの第1個人情報を含むデータ要求を情報端末30から取得する。第2取得部45は、1人分以上の第1バイタルデータの中から、第1個人情報を識別情報として含む第1バイタルデータである対象データを取得する。より具体的には、第2取得部45は、第1計測機器110によって計測された1人分以上の第1バイタルデータであって各々が識別情報を含む1人分以上の第1バイタルデータの中から、対象データを取得する。出力部47は、データ要求に対する応答として、取得された対象データを情報端末30の表示部に表示するための表示情報を情報端末30へ出力する。
【0143】
これにより、第1計測機器110が1人以上(ここでは2人)の第1バイタルデータを計測している場合でも、対象ユーザは、第1個人情報を含むデータ要求を示す操作を行うことで、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。従って、このような情報処理装置40は、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援することができる。
【0144】
(実施の形態2)
[構成]
続いて、実施の形態2に係る情報処理システム10aの構成について説明する。
【0145】
図10は、本実施の形態に係る情報処理システム10aの機能構成を示すブロック図である。
【0146】
本実施の形態に係る情報処理システム10aは、情報処理装置40のかわりに情報処理装置40aを備える点が、情報処理システム10とは異なる。
【0147】
つまり、本実施の形態に係る情報処理システム10aは、第1計測機器110、第2計測機器120及び第3計測機器130と、情報端末30と、情報処理装置40aとを備える。
【0148】
情報処理装置40aは、情報端末30から取得したデータ要求などに基づいて、1人のユーザの第1~第3バイタルデータを情報端末30の表示部34に表示するためのデータ情報を出力する処理(以下、出力処理とも記載される)を行う。情報処理装置40aは、施設20外に設けられたクラウドサーバである。情報処理装置40aは、具体的には、通信部41aと、情報処理部42aと、記憶部43aとを備える。
【0149】
通信部41aは、情報処理装置40aが広域通信ネットワーク50を介して複数の計測機器、及び、情報端末30などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部41aによって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0150】
情報処理部42aは、上述の出力処理を行う。情報処理部42aは、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部42aは、機能的な構成要素として、第1取得部44a、第2取得部45a、第3取得部46a、第1出力部47a、及び、第2出力部48aを有する。第1~第3取得部44a~46a並びに第1及び第2出力部47a及び48aの機能は、例えば、情報処理部42aを構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどが記憶部43aに記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。第1取得部44a、第2取得部45a、第3取得部46a、第1出力部47a、及び、第2出力部48aのそれぞれの詳細な機能については後述する。
【0151】
記憶部43aは、上記出力処理に必要な情報、及び、情報処理部42aが実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部43aは、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0152】
[動作例4]
まずは、情報処理システム10aの動作例4について説明する。
【0153】
図11は、情報処理システム10aの動作例4のフローチャートである。
【0154】
なお、動作例4は、実施の形態1で示した動作例2及び3と同じく、動作例1(ユーザが自身の第1バイタルデータなどを閲覧する前の動作例)の後に行われる動作例である。また、対象ユーザは、X氏である。
【0155】
なお、本実施の形態においては、第1バイタルデータは、識別情報を含むが、第2及び第3バイタルデータは、識別情報を含まない。つまり、動作例1で示されたような、第2及び第3計測機器120及び130の登録情報が必要とされない。
【0156】
はじめに、第1取得部44aは、情報端末30からデータ要求を取得する(ステップS40)。なお、ここでは、データ要求は、第1及び第2バイタルデータを要求する。
【0157】
次に、第1取得部44aは、第1計測機器110によって計測された対象ユーザの第1バイタルデータを取得する(ステップS41)。なお、第1取得部44aは、実施の形態1の動作例2及び3で示したいずれかの処理を用いて、対象ユーザの第1バイタルデータ(対象データ)を取得するとよい。このステップS41が第1取得ステップに相当する。
【0158】
情報処理部42aは、ステップS41で取得された第1バイタルデータが含む1以上の第1個別データと、記憶部43aに記憶されている1人分以上の第2バイタルデータのそれぞれが含む1以上の第2個別データとが共通するか否かを判断する(ステップS42)。
【0159】
第1バイタルデータは複数の第1個別データとして体重、BMI及び体脂肪率を含み、第2バイタルデータは複数の第2個別データとして体脂肪率、亜硝酸塩結果、ブドウ糖結果及び白血球結果を含む。つまり、第1個別データ及び第2個別データにおいて、体脂肪率が共通している。換言すると、体脂肪率が共通個別データである。この場合、情報処理部42aは、1以上の第1個別データと1以上の第2個別データとが共通すると判断し(ステップS42でYes)、ステップS44へ進む。
【0160】
なお、情報処理部42aは、1以上の第1個別データと1以上の第2個別データとが共通しないと判断したときに(ステップS42でNo)、動作を終了する。
【0161】
さらに、第2取得部45aは、1人分以上の第2バイタルデータのそれぞれと取得された第1バイタルデータとの類似度に基づいて、1人分以上の第2バイタルデータの中から、対象ユーザの第2バイタルデータを取得する(ステップS44)。このステップS44が第2取得ステップに相当する。
【0162】
ここで、
図12を用いて、ステップS44をより詳細に説明する。
【0163】
図12は、本実施の形態に係る第2取得部45aが類似度に基づいて対象ユーザの第2バイタルデータを取得する際の詳細なフローチャートである。
【0164】
情報処理部42aは、取得された第1バイタルデータと最も類似する第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たすか否かを判断する(ステップS44a)。
【0165】
なお、当該最も類似する第2バイタルデータとは、当該第1バイタルデータが含む第1個別データ(共通個別データ)と最も近い値を示す第2個別データ(共通個別データ)を含む第2バイタルデータである。
【0166】
また、類似度に関する要件とは、第1個別データ(共通個別データ)の値の所定の範囲内に第2個別データ(共通個別データ)の値があることを意味する。所定の範囲とは、例えば、±10%~30%であるとよいが、これに限られない。
【0167】
取得された第1バイタルデータと最も類似する第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たす場合に(ステップS44aでYes)、第2取得部45aは、当該第2バイタルデータを対象ユーザの第2バイタルデータとして取得する(ステップS44b)。
【0168】
また、取得された第1バイタルデータと最も類似する第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たさない場合に(ステップS44aでNo)、第3取得部46aは、当該第2バイタルデータを候補データとして取得する(ステップS44c)。なお、このステップS44cが第3取得ステップに相当する。
【0169】
さらに、第2出力部48aは、取得された候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるかを対象ユーザに確認するための確認画面を情報端末30の表示部34に表示するための確認情報(第1確認情報)を情報端末30へ出力する(ステップS44d)。なお、このステップS44dが第2出力ステップに相当する。
【0170】
情報端末30の通信部31は、第1確認情報を受信する。情報処理部32は、受信された第1確認情報に基づいて候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるかを対象ユーザに確認するための確認画面を生成し、生成した画面を表示部34に表示する。さらに、情報端末30の受付部35は、対象ユーザ(X氏)から、候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるか否かを指示する操作を受付ける。
【0171】
次に、第2取得部45aは、受付けられた操作に基づいて、当該候補データを対象ユーザ(X氏)の第2バイタルデータとして取得する(ステップS44e)。より具体的には、第2取得部45aは、受付けられた操作によって、候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであることが示された場合に、当該候補データを対象ユーザ(X氏)の第2バイタルデータとして取得する。
【0172】
このように、確認情報(第1確認情報)に基づいた処理が行われるため、対象ユーザ(例えばX氏)ではないユーザ(例えばY氏)の第2バイタルデータが、対象ユーザによって閲覧されることが抑制される。つまり、対象ユーザが自らの第2バイタルデータを閲覧することができる可能性を高めることができる。
【0173】
続いて、
図11が示すように、第1出力部47aは、取得された第1バイタルデータ、及び、取得された第2バイタルデータを情報端末30の表示部34に表示するためのデータ情報を情報端末30へ出力する(ステップS46)。なお、ステップS46が第1出力ステップに相当する。
【0174】
情報端末30の通信部31は、データ情報を受信する。情報処理部32は、受信されたデータ情報に基づいてX氏の第1及び第2バイタルデータを示す画像を生成し、生成した画像を表示部34に表示する。これにより、対象ユーザは、自身の第1及び第2バイタルデータを閲覧することができる。
【0175】
上記の通り、第2バイタルデータは、識別情報を含まない。第2計測機器120の登録情報が必要とされない。対象ユーザは、登録情報に係る作業を行うことがないため、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。
【0176】
なお、本実施の形態においては、情報処理システム10aは、第3計測機器130も備えている。データ要求が第1~第3バイタルデータを要求する場合には、ステップS44の後に又はステップS42でNoのときに、第2計測機器120にかえて第3計測機器130を対象として、ステップS42及びS44が再度繰り返し処理されてもよい。この場合、ステップS46において、第1出力部47aは、取得された第1バイタルデータ、取得された第2バイタルデータ、及び、取得された第3バイタルデータを情報端末30の表示部34に表示するためのデータ情報を情報端末30へ出力する。
【0177】
[動作例5]
さらに、情報処理システム10aの動作例5について説明する。
【0178】
図13は、情報処理システム10aの動作例5のフローチャートである。
【0179】
なお、動作例5は、実施の形態1で示した動作例2及び3と同じく、動作例1(ユーザが自身の第1バイタルデータなどを閲覧する前の動作例)の後に行われる動作例である。また、対象ユーザは、X氏である。動作例5は、
図11が示すステップS42及びS44のかわりに、機械学習モデルが用いられて、対象ユーザの第2バイタルデータが取得される。
【0180】
動作例5においては、動作例4と同じく、ステップS40及びS41が行われる。
【0181】
情報処理部42aは、以下について判断する(ステップS50)。ステップS50では、情報処理部42aは、ステップS41で取得された第1バイタルデータと、記憶部43aに記憶されている1人分以上の第2バイタルデータと、機械学習モデルとに基づいて、要件を満たす第2バイタルデータが存在するか否かを判断する。ここでは、機械学習モデルは、マルチモーダルLDA(Latent Dirichlet Allocation)が用いられたモデルである。なお、機械学習モデルは、これに限られず、クラスタリングするモデルであればよい。
【0182】
情報処理部42aは、機械学習モデルによって、取得された第1バイタルデータが含む1以上の第1個別データと、所定値以上の確率で同一クラスに分類される1以上の第2個別データを含む第2バイタルデータが存在するか否かを判断する。つまり要件を満たす第2バイタルデータとは、1以上の第1個別データと、所定値以上の確率で同一クラスに分類される1以上の第2個別データを含む第2バイタルデータである。ここでは、所定値とは例えば、70%であればよく、80%であればよりよく、90%であればさらによい。
【0183】
従って、ステップS50では、情報処理部42aは、記憶部43aに記憶されている1人分以上の第2バイタルデータの中から、要件を満たす第2バイタルデータが存在するか否かを判断する。
【0184】
要件を満たす第2バイタルデータが存在する場合(ステップS50でYes)、第2取得部45aは、要件を満たす第2バイタルデータを対象ユーザの第2バイタルデータとして取得する(ステップS52)。
【0185】
要件を満たす第2バイタルデータが存在しない場合(ステップS50でNo)、第2取得部45aは、以下の処理を行う。第2取得部45aは、最も高い確率で上記同一クラスに分類される1以上の第2個別データを含む第2バイタルデータ(つまり最も確率の高い第2バイタルデータ)を候補データとして取得する(ステップS54)。
【0186】
さらに、第2出力部48aは、取得された候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるかを対象ユーザに確認するための確認画面を情報端末30の表示部34に表示するための確認情報(第2確認情報)を情報端末30へ出力する(ステップS56)。
【0187】
情報端末30の通信部31は、第2確認情報を受信する。情報処理部32は、受信された第2確認情報に基づいて候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるかを対象ユーザに確認するための確認画面を生成し、生成した画面を表示部34に表示する。さらに、情報端末30の受付部35は、対象ユーザ(X氏)から、候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるか否かを指示する操作を受付ける。
【0188】
次に、第2取得部45aは、受付けられた操作に基づいて、当該候補データを対象ユーザ(X氏)の第2バイタルデータとして取得する(ステップS58)。より具体的には、第2取得部45aは、受付けられた操作によって、候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであることが示された場合に、当該候補データを対象ユーザ(X氏)の第2バイタルデータとして取得する。
【0189】
続いて、ステップS46が行われる。
【0190】
[効果など]
本実施の形態に係る情報処理方法は、第1取得ステップ(ステップS41)と、第2取得ステップ(ステップS44)と、第1出力ステップ(ステップS46)とを含む。第1取得ステップ(ステップS41)は、第1計測機器110によって計測された対象ユーザの第1バイタルデータを取得する。第2取得ステップ(ステップS44)は、第1計測機器110と異なる第2計測機器120によって計測された1人分以上の第2バイタルデータのそれぞれと、取得された第1バイタルデータとの類似度に基づいて、対象ユーザの第2バイタルデータを取得する。より具体的には、第2取得ステップ(ステップS44)は、上記類似度に基づいて、1人分以上の第2バイタルデータの中から、対象ユーザの第2バイタルデータを取得する。第1出力ステップ(ステップS46)は、取得された第1バイタルデータ、及び、取得された第2バイタルデータを情報端末30の表示部に表示するためのデータ情報を情報端末30へ出力する。
【0191】
これにより、上記の類似度に基づいて対象ユーザの第2バイタルデータが取得されることができ、対象ユーザは、自身の第1及び第2バイタルデータを閲覧することができる。対象ユーザは、登録情報に係る作業を行うことがないため、自身の第1バイタルデータを容易に閲覧することができる。従って、このような情報処理方法は、対象ユーザが自身のバイタルデータを容易に閲覧することを支援することができる。
【0192】
また、例えば、第2取得ステップ(ステップS46)においては、取得された第1バイタルデータと最も類似する第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たす場合に、当該第2バイタルデータを対象ユーザの第2バイタルデータとして取得する。情報処理方法は、さらに、第3取得ステップ(ステップS44c)と、第2出力ステップ(ステップS44d)とを含む。第3取得ステップ(ステップS44c)は、取得された第1バイタルデータと最も類似する第2バイタルデータが類似度に関する要件を満たさない場合に、当該第2バイタルデータを候補データとして取得する。第2出力ステップ(ステップS44d)は、取得された候補データが対象ユーザの第2バイタルデータであるかを対象ユーザに確認するための確認画面を表示部に表示するための確認情報を情報端末30へ出力する。
【0193】
これにより、対象ユーザが自らの第2バイタルデータを閲覧することができる可能性を高めることができる。
【0194】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0195】
また、例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0196】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0197】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0198】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0199】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0200】
例えば、本発明は、上記実施の形態の情報処理システムなどのコンピュータが実行する画像出力方法として実現されてもよい。また例えば、本発明は、画像出力方法をコンピュータに実行させるためのプログラム(言い換えれば、コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0201】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0202】
10、10a 情報処理システム
30 情報端末
40、40a 情報処理装置
44、44a 第1取得部
45、45a 第2取得部
46a 第3取得部
47 出力部
47a 第1出力部
48a 第2出力部
110 第1計測機器
120 第2計測機器