(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079909
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】座椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 3/16 20060101AFI20230601BHJP
A47C 3/18 20060101ALI20230601BHJP
A47C 7/50 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A47C3/16
A47C3/18 Z
A47C7/50 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193611
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】500560129
【氏名又は名称】株式会社ニトリホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】李 香美
(72)【発明者】
【氏名】新谷 克司
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 昌宣
【テーマコード(参考)】
3B091
【Fターム(参考)】
3B091CA05
3B091CA07
3B091CA08
3B091CA10
3B091EB05
(57)【要約】
【課題】より多くの様々な用途に利用可能な座椅子を提供すること。
【解決手段】フルフラット形態に変形可能な座椅子100は、第1平坦弾性部1と、第1平坦弾性部1のX2側に配置されるとともに、第1平坦弾性部1に対して第1軸A1の回りに傾斜可能な第2平坦弾性部2と、第1平坦弾性部1(基部1B)に対して第2軸A2の回りに傾斜可能な柱状弾性部4と、第1平坦弾性部のX1側に配置されるとともに、柱状弾性部4に対して第3軸A3の回りに傾斜可能な第3平坦弾性部3とを有する。第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に連結されており、柱状弾性部4は、X2側の端部が第1平坦弾性部1(基部1B)に連結され、X1側の端部が第3平坦弾性部3に連結されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で略長方形の第1直方体となるフルフラット形態に変形可能な座椅子であって、
第1平坦弾性部と、
前記フルフラット形態において前記長方形の長手方向における前記第1平坦弾性部の一端側に配置されるとともに、前記第1平坦弾性部に対して第1軸の回りに傾斜可能な第2平坦弾性部と、
前記第1平坦弾性部に対して第2軸の回りに傾斜可能な柱状弾性部と、
前記フルフラット形態において前記長手方向における前記第1平坦弾性部の他端側に配置されるとともに、前記柱状弾性部に対して第3軸の回りに傾斜可能な第3平坦弾性部と、を有し、
前記第1軸、前記第2軸、及び前記第3軸のそれぞれは、前記フルフラット形態において前記長方形の短手方向に沿って延びる互いに平行な軸であり、
第2平坦弾性部は、前記第1平坦弾性部に連結されており、
前記柱状弾性部は、一端部が前記第1平坦弾性部に連結され、他端部が前記第3平坦弾性部に連結されている、
ことを特徴とする座椅子。
【請求項2】
前記フルフラット形態において、前記短手方向における前記第3平坦弾性部の一端側の側面は、前記短手方向における前記第1直方体の一端側の側面の一部を構成し、且つ、前記短手方向における前記第3平坦弾性部の他端側の側面は、前記短手方向における前記第1直方体の他端側の側面の一部を構成している、
請求項1に記載の座椅子。
【請求項3】
前記短手方向における前記第3平坦弾性部の長さ寸法は、前記短手方向における前記第1平坦弾性部の長さ寸法と同じである、
請求項1又は2に記載の座椅子。
【請求項4】
前記フルフラット形態において、前記第1平坦弾性部と前記第3平坦弾性部とは互いに接触している、
請求項1乃至請求項3の何れかに記載の座椅子。
【請求項5】
前記第1平坦弾性部は、前記フルフラット形態において前記柱状弾性部を挟むように設けられた一対の張り出し部を有する、
請求項1乃至請求項4の何れかに記載の座椅子。
【請求項6】
前記第2平坦弾性部は、前記第1平坦弾性部に近い位置にある近位側弾性部と該近位側弾性部よりも前記第1平坦弾性部から離れた位置にある遠位側弾性部とを含み、
前記遠位側弾性部は、前記近位側弾性部に対して前記第1軸に平行な第4軸の回りに傾斜可能である、
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の座椅子。
【請求項7】
外形寸法の三辺の合計が所定値の第2直方体となる輸送時形態に変形可能であり、
前記輸送時形態において、
前記フルフラット形態での前記第1平坦弾性部の下面は、前記第2直方体の下面の一部を構成し、
前記フルフラット形態での前記遠位側弾性部の下面は、前記第2直方体の上面の一部を構成し、且つ、
前記フルフラット形態での前記第3平坦弾性部の上面は、前記第2直方体の上面の一部を構成している、
請求項6に記載の座椅子。
【請求項8】
前記輸送時形態において、前記長手方向における前記第3平坦弾性部の他端側の側面は、前記長手方向における前記第2直方体の他端側の側面の一部を構成している、
請求項7に記載の座椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、座椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用者の上腕を支持する部分と、使用者の前腕を支持する部分とを含む腕支持部を備えた座椅子が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の座椅子は、使用者の上腕を支持する部分、及び、使用者の前腕を支持する部分のそれぞれの角度を別々に調整できるように構成されている。
【0005】
しかしながら、上述の座椅子は、使用者がスマートフォンを操作したり読書したりする際に使用者にとって快適な着座姿勢をとることができるように構成されているのみであり、他の用途に利用する際には対応できていない。
【0006】
そこで、より多くの様々な用途に利用可能な座椅子を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る座椅子は、平面視で略長方形の第1直方体となるフルフラット形態に変形可能な座椅子であって、第1平坦弾性部と、前記フルフラット形態において前記長方形の長手方向における前記第1平坦弾性部の一端側に配置されるとともに、前記第1平坦弾性部に対して第1軸の回りに傾斜可能な第2平坦弾性部と、前記第1平坦弾性部に対して第2軸の回りに傾斜可能な柱状弾性部と、前記フルフラット形態において前記長手方向における前記第1平坦弾性部の他端側に配置されるとともに、前記柱状弾性部に対して第3軸の回りに傾斜可能な第3平坦弾性部と、を有し、前記第1軸、前記第2軸、及び前記第3軸のそれぞれは、前記フルフラット形態において前記長方形の短手方向に沿って延びる互いに平行な軸であり、前記第1平坦弾性部は、第2平坦弾性部は、前記第1平坦弾性部に連結されており、前記柱状弾性部は、一端部が前記第1平坦弾性部に連結され、他端部が前記第3平坦弾性部に連結されている。
【発明の効果】
【0008】
上述の座椅子は、より多くの様々な用途に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る座椅子の右側面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る座椅子の上面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る座椅子の右側面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る座椅子の右側面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る座椅子の右側面図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る座椅子の斜視図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る座椅子の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係る座椅子100について図面を参照して説明する。
図1は座椅子100の右側面図である。
図2は、座椅子100の上面図である。
【0011】
図1において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。
図1では、座椅子100のX1側は、座椅子100の前側(正面側)に相当し、座椅子100のX2側は、座椅子100の後側(背面側)に相当する。また、座椅子100のY1側は、座椅子100の左側に相当し、座椅子100のY2側は、座椅子100の右側に相当する。また、座椅子100のZ1側は、座椅子100の上側に相当し、座椅子100のZ2側は、座椅子100の下側に相当する。他の図における他の部材についても同様である。
【0012】
座椅子100は、
図1及び
図2に示すように、複数の形態に変形できるように構成されている。複数の形態は、座椅子形態、輸送時形態、及びフルフラット形態を含む。
図1の上図は、座椅子形態となっている座椅子100の右側面図であり、
図1の中図は、輸送時形態となっている座椅子100の右側面図であり、
図1の下図は、フルフラット形態となっている座椅子100の右側面図である。
【0013】
座椅子形態は、座椅子として使用される場合の座椅子100の形態である。輸送時形態は、輸送時の座椅子100の形態である。フルフラット形態は、マットレスとして使用される場合の座椅子100の形態である。
【0014】
具体的には、座椅子100は、金属等で形成された構造材(フレーム)に、樹脂繊維又はウレタンフォーム等で形成されたクッション材(弾性部材)を取り付けることによって構成される。すなわち、構造材はクッション材に埋設されている。図示例では、構造材に取り付けられたクッション材は、ポリエステルで形成された張り材(カバー材)によって覆われている。
【0015】
より具体的には、座椅子100は、第1平坦弾性部1、第2平坦弾性部2、第3平坦弾性部3、及び柱状弾性部4を含む。座椅子形態では、第1平坦弾性部1は座部として機能し、第2平坦弾性部2は背もたれ部として機能する。なお、
図1の上図に示す座椅子形態では、座椅子100は、第3平坦弾性部3がテーブル部、肘載せ部、脚載せ部、又は頭載せ部として機能するように構成されている。
【0016】
図示例では、座椅子100は、
図1の下図及び
図2に示すように、平面視(上面視)で略長方形の第1直方体となるフルフラット形態となるように構成されている。すなわち、座椅子100は、フルフラット形態において、幅W1、長さL1、及び高さH1を有する第1直方体と略同じ体積を占めるように構成されている。図示例では、幅W1は49cmであり、長さL1は158cmであり、高さH1は11cmである。
【0017】
第1平坦弾性部1は、
図2に示すように、基部1Bと、基部1Bから前方(X1方向)に張り出す一対の張り出し部1Tとを含み、全体として幅W1、長さL11、及び高さH1を有する。一対の張り出し部1Tは、基部1Bの左前端部から前方に張り出す左前張り出し部1TLと、基部1Bの右前端部から前方に張り出す右前張り出し部1TRとを含む。
図2では、明瞭化のため、左前張り出し部1TL及び右前張り出し部1TRにはクロスパターンが付されている。
【0018】
左前張り出し部1TLは幅W11及び長さL12を有し、右前張り出し部1TRは幅W12及び長さL12を有し、基部1Bは幅W1及び長さL13を有する。
【0019】
左前張り出し部1TLと右前張り出し部1TRとの間には、
図1の上図及び中図のそれぞれに示すように、第1平坦弾性部1の前端側(X1側)に開くとともに柱状弾性部4の少なくとも一部を収容可能な凹状切欠部CUが形成される。図示例では、凹状切欠部CUは、柱状弾性部4と略同じ体積の直方体状の空間であり、柱状弾性部4の全体を収容できるように構成されている。具体的には、柱状弾性部4及び凹状切欠部CUは何れも幅W13、長さL12、及び高さH1を有する。また、図示例では、左前張り出し部1TL、右前張り出し部1TR、及び柱状弾性部4は略同じ大きさを有する。すなわち、左前張り出し部1TLの幅W11と右前張り出し部1TRの幅W12と柱状弾性部4の幅W13とは同じである。なお、柱状弾性部4は、その高さが左前張り出し部1TL及び右前張り出し部1TRのそれぞれの高さよりも僅かに低くなるように構成されていてもよい。
【0020】
柱状弾性部4は、
図2に示すように、第1平坦弾性部1における基部1Bの前端側(X1側)に設けられ、全体として幅W13、長さL13、及び高さH1を有する。また、柱状弾性部4は、第1平坦弾性部1に対して傾斜可能となるように構成される。そして、柱状弾性部4は、一端部(後端部(X2側の端部))が第1平坦弾性部1に連結され、他端部(前端部(X1側の端部))が第3平坦弾性部3に連結される。
【0021】
第2平坦弾性部2は、
図2に示すように、第1平坦弾性部1の後端側(X2側)に連結され、全体として幅W1、長さL12、及び高さH1を有する。また、第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に対して傾斜可能となるように構成される。
【0022】
具体的には、第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に近い位置にある近位側弾性部2Pと、近位側弾性部2Pよりも第1平坦弾性部1から離れた位置にある遠位側弾性部2Dとを含む。
図2では、明瞭化のため、近位側弾性部2Pにはクロスパターンが付されている。
【0023】
近位側弾性部2Pは、遠位側弾性部2Dの前端側(X1側)に設けられ、幅W1及び長さL21を有する。遠位側弾性部2Dは、近位側弾性部2Pの後端側(X2側)に設けられ、幅W1及び長さL22を有する。そして、遠位側弾性部2Dは、近位側弾性部2Pに対して傾斜可能となるように構成される。図示例では、遠位側弾性部2Dは、座椅子100の使用者の頭部を支持できるように後端側(X2側)に近い部分が他の部分に比べて隆起するように構成されている。
【0024】
第3平坦弾性部3は、
図2に示すフルフラット形態において、第1平坦弾性部1における一対の張り出し部1Tの前端側(X1側)に配置され、全体として幅W1、長さL13、及び高さH1を有する。また、第3平坦弾性部3は、柱状弾性部4に対して傾斜可能となるように構成される。
【0025】
図示例では、第3平坦弾性部3は、その長さL13が柱状弾性部4の長さL12よりも短くなるように構成されている。すなわち、第3平坦弾性部3は、その長さL13が第1平坦弾性部1における一対の張り出し部1Tの長さL12よりも短くなるように構成されている。但し、第3平坦弾性部3は、その長さL13が柱状弾性部4の長さL12よりも長くなるように構成されてもよい。
【0026】
具体的には、第3平坦弾性部3は、後端部が柱状弾性部4に連結される中央部3Cと、中央部3Cの左端部から左方(Y1方向)に突出する左突出部3Lと、中央部3Cの右端部から右方(Y2方向)に突出する右突出部3Rとを含む。
【0027】
左突出部3Lは幅W11及び長さL13を有し、右突出部3Rは幅W12及び長さL13を有し、中央部3Cは幅W13及び長さL13を有する。図示例では、左突出部3L、右突出部3R、及び中央部3Cは略同じ大きさを有する。すなわち、左突出部3Lの幅W11と右突出部3Rの幅W12と中央部3Cの幅W13とは同じである。
【0028】
次に、
図3を参照し、座椅子100を変形させる方法について説明する。
図3は、様々な形態をとる座椅子100の右側面図である。具体的には、
図3の最も上の図は、フルフラット形態となっている座椅子100の右側面図である。
図3の上から二番目の図は、フルフラット形態となっていた座椅子100の第2平坦弾性部2を起こしているときの座椅子100の右側面図である。
図3の上から三番目の図は、第2平坦弾性部2を起こした後で更に第3平坦弾性部3及び柱状弾性部4をまとめて起こしているときの座椅子100の右側面図である。
図3の上から四番目の図は、第3平坦弾性部3及び柱状弾性部4をまとめて起こし、柱状弾性部4に対して第3平坦弾性部3を反対側に倒した後で、更に柱状弾性部4に対して第3平坦弾性部3を起こし直しているときの座椅子100の右側面図である。なお、柱状弾性部4に対して第3平坦弾性部3を反対側に倒す操作については
図4を参照して後述される。
図3の上から五番目の図は、近位側弾性部2Pに対して遠位側弾性部2Dを倒しているときの座椅子100の右側面図である。
図3の最も下の図は、近位側弾性部2Pに対して遠位側弾性部2Dを倒した後の座椅子100の右側面図である。なお、
図3の最も上の図と最も下の図との間の四つの図は何れも座椅子形態となっている座椅子100の右側面図であり、
図3の最も下の図は、輸送時形態となっている座椅子100の右側面図である。
【0029】
より具体的には、
図3の上から二番目の図に示すように、第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に対して第1軸A1の回りに傾くことができるように構成されている。第1軸A1は、
図2に示すように、フルフラット形態における第1平坦弾性部1の一端部(後端部(X2側の端部))と第2平坦弾性部2の他端部(前端部(X1側の端部))との間において、フルフラット形態の座椅子100の短手方向(Y軸方向)に沿って延びるように設けられている。図示例では、座椅子100は、座椅子100の内部に埋め込まれているため不可視である第1角度調整機構により、第1平面PL1と第2平面PL2との間の角度αを調整できるように構成されている。第1平面PL1は、第1軸A1を含み、且つ、第1平坦弾性部1の底面に平行な仮想平面である。第2平面PL2は、第1軸A1を含み、且つ、第2平坦弾性部2の底面に平行な仮想平面である。
【0030】
図示例では、第1角度調整機構は、ねじりコイルばねを含むラチェット機構によって構成されている。座椅子100の使用者は、第1平坦弾性部1に対して矢印AR1で示す方向(右側面視で時計回り方向)に第2平坦弾性部2を段階的に起こすことができる。図示例では、角度αの最大値である最大調整角度は75度であり、使用者は角度αを14段階に調整できる。
【0031】
また、
図3の上から三番目の図に示すように、柱状弾性部4は、第1平坦弾性部1に対して第2軸A2の回りに傾くことができるように構成されている。第2軸A2は、
図2に示すように、フルフラット形態における第1平坦弾性部1の他端部(前端部(X1側の端部))と柱状弾性部4の一端部(後端部(X2側の端部))との間において、フルフラット形態の座椅子100の短手方向(Y軸方向)に沿って延びるように設けられている。図示例では、座椅子100は、座椅子100の内部に埋め込まれているため不可視である第2角度調整機構により、第1平面PL1と第3平面PL3との間の角度βを調整できるように構成されている。第3平面PL3は、第2軸A2を含み、且つ、柱状弾性部4の底面に平行な仮想平面である。なお、第2軸A2は第1平面PL1にも含まれている。
【0032】
図示例では、第2角度調整機構は、ねじりコイルばねを含むラチェット機構によって構成されている。座椅子100の使用者は、第1平坦弾性部1に対して矢印AR2で示す方向(右側面視で反時計回り方向)に柱状弾性部4を段階的に起こすことができる。図示例では、角度βの最大値である最大調整角度は70度であり、使用者は角度βを14段階に調整できる。
【0033】
また、
図3の上から四番目の図に示すように、第3平坦弾性部3は、柱状弾性部4に対して第3軸A3の回りに傾くことができるように構成されている。第3軸A3は、
図2に示すように、フルフラット形態における柱状弾性部4の他端部(前端部(X1側の端部))と第3平坦弾性部3の一端部(後端部(X2側の端部))との間において、フルフラット形態の座椅子100の短手方向(Y軸方向)に沿って延びるように設けられている。図示例では、座椅子100は、座椅子100の内部に埋め込まれているため不可視である第3角度調整機構により、第3平面PL3と第4平面PL4との間の角度γを調整できるように構成されている。第4平面PL4は、第3軸A3を含み、且つ、第3平坦弾性部3の底面に平行な仮想平面である。なお、第3軸A3は第3平面PL3にも含まれている。
【0034】
図示例では、第3角度調整機構は、ねじりコイルばねを含むラチェット機構によって構成されている。座椅子100の使用者は、柱状弾性部4に対して矢印AR3で示す方向(右側面視で反時計回り方向)に第3平坦弾性部3を段階的に起こすことができる。図示例では、角度γの最大値である最大調整角度は75度であり、使用者は角度γを14段階に調整できる。
【0035】
また、
図3の上から五番目の図に示すように、第2平坦弾性部2の遠位側弾性部2Dは、第2平坦弾性部2の近位側弾性部2Pに対して第4軸A4の回りに傾くことができるように構成されている。第4軸A4は、
図2に示すように、フルフラット形態における遠位側弾性部2Dの他端部(前端部(X1側の端部))と近位側弾性部2Pの一端部(後端部(X2側の端部))との間において、フルフラット形態の座椅子100の短手方向(Y軸方向)に沿って延びるように設けられている。図示例では、座椅子100は、座椅子100の内部に埋め込まれているため不可視である第4角度調整機構により、第2平面PL2と第5平面PL5との間の角度δを調整できるように構成されている。第5平面PL5は、第4軸A4を含み、且つ、遠位側弾性部2Dの底面に平行な仮想平面である。なお、第4軸A4は第2平面PL2にも含まれている。
【0036】
図示例では、第4角度調整機構は、ヒンジを含む機構によって構成されている。ヒンジは、例えば、トルクヒンジである。座椅子100の使用者は、近位側弾性部2Pに対して矢印AR4で示す方向(右側面視で時計回り方向)に遠位側弾性部2Dを倒すことができる。図示例では、角度δの最大値である最大調整角度は105度である。第4角度調整機構は、角度δをロックできるように構成されていてもよい。この場合、使用者は、例えば、角度δが最大調整角度となったところで角度δをロックできる。なお、第4角度調整機構は、第1角度調整機構~第3角度調整機構と同様に、ラチェット機構によって構成されていてもよい。
【0037】
第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3、及び第4軸A4のそれぞれは、
図2に示すように、フルフラット形態の座椅子100の短手方向(Y軸方向)に沿って延びる互いに平行な軸である。なお、
図2では、明瞭化のため、第1軸A1、第2軸A2、第3軸A3、及び第4軸A4のそれぞれは、一点鎖線で示されている。
【0038】
次に、
図4及び
図5を参照し、フルフラット形態となっていない座椅子100をフルフラット形態にするための操作について説明する。
図4及び
図5は座椅子100の右側面図である。具体的には、
図4は、座椅子形態となっている座椅子100がフルフラット形態となるように第3平坦弾性部3及び柱状弾性部4のそれぞれが使用者によって操作される様子を示している。
図5は、輸送時形態となっていた座椅子100がフルフラット形態となるように第2平坦弾性部2における遠位側弾性部2D及び近位側弾性部2Pのそれぞれが使用者によって操作される様子を示している。なお、
図5に示す例では、第3平坦弾性部3及び柱状弾性部4のそれぞれは既に床面と平行になるように使用者によって倒されている。
【0039】
座椅子100の使用者は、
図4の最も上の図に示すように、第3平面PL3(柱状弾性部4の底面に平行な仮想平面)と第4平面PL4(第3平坦弾性部3の底面に平行な仮想平面)との間の角度γ(
図3参照)が略ゼロとなるように、すなわち、柱状弾性部4の底面と第3平坦弾性部3の底面とが略平行になるように起こされている第3平坦弾性部3を矢印AR11で示す方向(右側面視で反時計回り方向)に更に起こす。第3平坦弾性部3は、柱状弾性部4に対して第3軸A3回りに更に起こされた後で解放されると、
図4の上から二番目の図における破線矢印AR12で示すように右側面視で時計回り方向に倒れる。ねじりコイルばねによるラチェット機構のロックが解除され、そのねじりコイルばねによって時計回り方向に付勢されるためである。このようにして、使用者は、角度γが最大調整角度となるように座椅子100を変形させることができる。
【0040】
また、座椅子100の使用者は、
図4の上から三番目の図に示すように、柱状弾性部4に対して矢印AR3で示す方向(右側面視で反時計回り方向)に第3平坦弾性部3を段階的に起こすことができる。なお、
図4の上から三番目の図は、
図3の上から四番目の図と同じである。
【0041】
また、座椅子100の使用者は、
図4の上から四番目の図に示すように、第1平坦弾性部1に対して角度β(
図3参照)を形成するように傾けられている柱状弾性部4を矢印AR13で示す方向(右側面視で反時計回り方向)に角度βの最大調整角度を超えて更に傾ける。柱状弾性部4は、角度βの最大調整角度を超えて更に傾けられた後で解放されると、
図4の最も下の図における破線矢印AR14で示すように右側面視で時計回り方向に倒れる。ねじりコイルばねによるラチェット機構のロックが解除され、そのねじりコイルばねによって時計回り方向に付勢されるためである。このようにして、使用者は、柱状弾性部4の底面と第3平坦弾性部3の底面と第1平坦弾性部1の底面とが略平行となるように座椅子100を変形させることができる。
【0042】
また、座椅子100の使用者は、
図5の最も上の図に示すように、近位側弾性部2Pに対して角度δ(
図3参照)を形成するように傾けられている遠位側弾性部2Dを、
図5の上から三番目の図に示す状態まで起こす。なお、第4角度調整機構が角度δを最大調整角度でロックできるように構成されている場合、遠位側弾性部2Dは、角度δの最大調整角度を超えて更に傾けられた後で解放されると、
図5の上から三番目の図における破線矢印AR22で示すように右側面視で反時計回り方向に起き上がるように構成されていてもよい。すなわち、第4角度調整機構は、ねじりコイルばね等の付勢手段を含むように構成されていてもよい。この場合、使用者は、
図5の上から二番目の図における矢印AR21で示す方向(右側面視で時計回り方向)に角度δの最大調整角度を超えて近位側弾性部2Pに対して遠位側弾性部2Dを更に傾ける。角度δのロックが解除され、ねじりコイルばね等の付勢手段によって反時計回り方向に遠位側弾性部2Dが付勢されるためである。このようにして、使用者は、近位側弾性部2Pの底面と遠位側弾性部2Dの底面とが略平行となるように座椅子100を変形させることができる。
【0043】
また、座椅子100の使用者は、
図5の上から三番目の図に示すように、第1平坦弾性部1に対して角度α(
図3参照)を形成するように傾けられている近位側弾性部2Pを、
図5の上から四番目の図における矢印AR23で示す方向(右側面視で時計回り方向)に角度αの最大調整角度を超えて更に傾ける。近位側弾性部2Pは、角度αの最大調整角度を超えて更に傾けられた後で解放されると、
図5の最も下の図における破線矢印AR24で示すように右側面視で反時計回り方向に倒れる。ねじりコイルばねによるラチェット機構のロックが解除され、そのねじりコイルばねによって反時計回り方向に付勢されるためである。このようにして、使用者は、近位側弾性部2Pの底面と遠位側弾性部2Dの底面と第1平坦弾性部1の底面とが略平行となるように座椅子100を変形させることができる。
【0044】
このように、座椅子100の使用者は、近位側弾性部2Pの底面と遠位側弾性部2Dの底面と第1平坦弾性部1の底面と柱状弾性部4の底面と第3平坦弾性部3の底面とが略平行となるように座椅子100を変形させることができる。すなわち、座椅子100の使用者は、フルフラット形態にない座椅子100がフルフラット形態となるように座椅子100を変形させることができる。
【0045】
次に、
図6を参照し、座椅子100に選択的に取り付けられるクッション5について説明する。
図6は、座椅子100の斜視図を示す。具体的には、
図6の上図は、クッション5が取り付けられる前の座椅子100の斜視図を示す。
図6の中図は、クッション5が近位側弾性部2Pの上面に取り付けられた後の座椅子100の斜視図を示す。
図6の下図は、クッション5が遠位側弾性部2Dの上面に取り付けられた後の座椅子100の斜視図を示す。
【0046】
クッション5は、本体部5M及びバンド部5Bを含む。本体部5Mは、布製の袋にウール、羽毛、ポリエステル繊維、不織布、紙、又はウレタンフォーム等の柔らかい素材を詰めて作られた物である。バンド部5Bは、本体部5Mを座椅子100に取り付けるための部材である。図示例では、バンド部5Bは、先端部にベルクロ(登録商標)等の面ファスナーが設けられた一対の布状部材で構成されている。一対の布状部材のそれぞれの基端は本体部5Mに縫い付けられている。但し、バンド部5Bは、ゴム等の伸縮性のある素材で形成された一つの布状部材であってもよい。この場合、一つの布状部材の両端は本体部5Mに縫い付けられていてもよい。
【0047】
図6の中図に示す例では、近位側弾性部2Pの上面に取り付けられたクッション5はランバーサポートとして機能している。また、
図6の下図に示す例では、遠位側弾性部2Dの上面に取り付けられたクッション5はヘッドレストとして機能している。
【0048】
図示例では、クッション5の本体部5Mは、その幅が座椅子100の幅W1(
図2参照)と略同じになるように構成されている。そのため、クッション5は、図示された位置(近位側弾性部2Pの上面又は遠位側弾性部2Dの上面)以外の位置に取り付けられてもよい。例えば、クッション5は、第1平坦弾性部1の上面又は第3平坦弾性部3の上面に取り付けられてもよい。
【0049】
次に、
図7を参照し、様々な用途に利用される座椅子100の様々な形態の例について説明する。
図7は、様々な用途に利用される座椅子100の右側面図である。具体的には、
図7の最も上の図は、座椅子100の使用者がテーブル部として機能する第3平坦弾性部3の上で書籍、スマートフォン、タブレットPC、ゲームコンソール、又はキーボード等を扱う際に採用される座椅子100の形態(以下、「第1座椅子形態」とする。)を示す。すなわち、
図7の最も上の図は、使用者が読書、ゲーム、又はタイピング等をする際に採用される座椅子100の第1座椅子形態を示す。
図7の上から二番目の図は、使用者が脚を伸ばして座る際に採用される座椅子100の形態(以下、「第2座椅子形態」とする。)を示す。
図7の上から三番目の図は、脚載せ部として機能する第3平坦弾性部3の上に使用者が脚を載せて座る際に採用される座椅子100の形態(以下、「第3座椅子形態」とする。)を示す。
図7の上から四番目の図は、使用者が体全体を伸ばして横になる(寝る)際に採用される座椅子100の形態(フルフラット形態)を示す。
図7の最も下の図は、頭載せ部として機能する第3平坦弾性部3の上に使用者が頭を載せて横になる際に採用される座椅子100の形態(以下、「セミフラット形態」とする。)を示す。
【0050】
第1座椅子形態では、座椅子100の使用者は、
図7の最も上の図に示すように、背中(背部)を第2平坦弾性部2の上面(表面)に接触させ、お尻(臀部)を第1平坦弾性部1の基部1Bの上面(表面)に接触させることができる。また、使用者は、柱状弾性部4を股の間に挟んだ状態で、左太もも(左大腿部)及び左ふくらはぎ(左腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の左前張り出し部1TLの上面(表面)に接触させ、右太もも(右大腿部)及び右ふくらはぎ(右腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の右前張り出し部1TRの上面(表面)に接触させることができる。
【0051】
なお、
図7の最も上の図に示す例では、クッション5が第2平坦弾性部2の遠位側弾性部2Dに取り付けられている。そのため、使用者は、くび(頸部)をクッション5の上面(表面)に接触させることができる。
図7の上から二番目の図及び上から三番目の図のそれぞれに示す例においても同様である。
【0052】
また、
図7の最も上の図に示す例では、第3平坦弾性部3は、テーブル部として機能しているが、肘載せ部として機能してもよい。この場合、使用者は、両肘を第3平坦弾性部3の上面(表面)に接触させた姿勢(座ったまま前屈みになる姿勢)でスマートフォン等を操作できる。
【0053】
また、図示例では、第1平坦弾性部1は、第1座椅子形態において使用者が両足の踵を一対の張り出し部1Tの前端部(X1側の端部)から前方にはみ出させることができるように、一対の張り出し部1Tの長さL12(
図2参照)が設定されている。そのため、使用者の両足の踵が一対の張り出し部1Tの前端部からはみ出さないように長さL12が長めに設定される場合に比べ、使用者は、座ったまま前屈みになる姿勢を比較的容易にとることができる。膝と胸とが過度に近づいてしまうのを抑制できるためである。なお、使用者の両足の踵が一対の張り出し部1Tの前端部からはみ出さないように長さL12が長めに設定される構成では、使用者(特に体の硬い使用者)は、座ったまま前屈みになる姿勢をとることに抵抗感を抱いてしまう(痛みを感じてしまう)おそれがある。膝と胸とが過度に近づいてしまうおそれがあるためである。
【0054】
第2座椅子形態では、座椅子100の使用者は、
図7の上から二番目の図に示すように、背中(背部)を第2平坦弾性部2の上面(表面)に接触させ、お尻(臀部)を第1平坦弾性部1の基部1Bの表面に接触させることができる。また、使用者は、左太もも(左大腿部)及び左ふくらはぎ(左腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の左前張り出し部1TLの上面(表面)に接触させ、右太もも(右大腿部)及び右ふくらはぎ(右腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の右前張り出し部1TRの上面(表面)に接触させることができる。また、使用者は、左ふくらはぎ(左腓腹部)を第3平坦弾性部3の左突出部3Lの上面(表面)に接触させ、右ふくらはぎ(右腓腹部)を第3平坦弾性部3の右突出部3Rの上面(表面)に接触させることができる。
【0055】
そのため、第2座椅子形態では、使用者は、座椅子100上において肩幅に両足を開いた状態で下半身を横たえることができる。
【0056】
第3座椅子形態では、座椅子100の使用者は、
図7の上から三番目の図に示すように、背中(背部)を第2平坦弾性部2の上面(表面)に接触させ、お尻(臀部)を第1平坦弾性部1の基部1Bの表面に接触させることができる。また、使用者は、左太もも(左大腿部)及び左ふくらはぎ(左腓腹部)のそれぞれを第3平坦弾性部3の左突出部3Lの上面(表面)に接触させ、右太もも(右大腿部)及び右ふくらはぎ(右腓腹部)のそれぞれを第3平坦弾性部3の右突出部3Rの上面(表面)に接触させることができる。
【0057】
そのため、第3座椅子形態では、使用者は、座椅子100上において肩幅に両足を開いて両膝を上に持ち上げた状態で下半身を横たえることができる。
【0058】
フルフラット形態では、座椅子100の使用者は、
図7の上から四番目の図に示すように、背中(背部)を第2平坦弾性部2の上面(表面)に接触させ、お尻(臀部)を第1平坦弾性部1の基部1Bの表面に接触させることができる。また、使用者は、左太もも(左大腿部)及び左ふくらはぎ(左腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の左前張り出し部1TLの上面(表面)に接触させ、右太もも(右大腿部)及び右ふくらはぎ(右腓腹部)のそれぞれを第1平坦弾性部1の右前張り出し部1TRの上面(表面)に接触させることができる。また、使用者は、左ふくらはぎ(左腓腹部)を第3平坦弾性部3の左突出部3Lの上面(表面)に接触させ、右ふくらはぎ(右腓腹部)を第3平坦弾性部3の右突出部3Rの上面(表面)に接触させることができる。なお、
図7の上から四番目の図に示す例では、クッション5が第2平坦弾性部2の遠位側弾性部2Dに取り付けられている。この場合、使用者は、頭部をクッション5の上面(表面)に接触させることができる。
【0059】
そのため、フルフラット形態では、使用者は、座椅子100上において肩幅に両足を開いた状態で全身を横たえることができる。
【0060】
セミフラット形態では、座椅子100の使用者は、
図7の最も下の図に示すように、背中(背部)を第1平坦弾性部1の基部1B及び柱状弾性部4のそれぞれの上面(表面)に接触させ、お尻(臀部)を第1平坦弾性部1の基部1B及び第2平坦弾性部2の近位側弾性部2Pのそれぞれの表面に接触させることができる。また、使用者は、太もも(大腿部)及びふくらはぎ(腓腹部)のそれぞれを第2平坦弾性部2の遠位側弾性部2Dの上面(表面)に接触させることができる。また、使用者は、頭部を第3平坦弾性部3の中央部3Cに接触させることができる。
【0061】
そのため、セミフラット形態では、使用者は、座椅子100上において肩幅に両足を開いて頭部を持ち上げた状態(僅かに状態を起こした状態)で全身を横たえることができる。
【0062】
上述のように、本発明の実施形態に係る座椅子100は、
図1の下図に示すように、平面視で略長方形の第1直方体(幅W1、長さL1、深さD1の直方体)となるフルフラット形態に変形可能である。具体的には、座椅子100は、
図1及び
図2に示すように、第1平坦弾性部1と、フルフラット形態において長方形の長手方向(X軸方向)における第1平坦弾性部1の一端側(後側(X2側))に設けられるとともに、第1平坦弾性部1に対して第1軸A1の回りに傾斜可能(揺動可能)な第2平坦弾性部2と、第1平坦弾性部1に対して第2軸A2の回りに傾斜可能(揺動可能)な柱状弾性部4と、フルフラット形態において長手方向(X軸方向)における第1平坦弾性部1の他端側(前側(X1側))に設けられるとともに、柱状弾性部4に対して第3軸A3の回りに傾斜可能(揺動可能)な第3平坦弾性部3と、を有する。第1軸A1、第2軸A2、及び第3軸A3のそれぞれは、フルフラット形態において長方形の短手方向(Y軸方向)に沿って延びる互いに平行な軸である。第1平坦弾性部1は、第1平坦弾性部1の他端側(前側(X1側))に開くとともに柱状弾性部4の少なくとも一部を収容可能な凹状切欠部CUを有していてもよい。そして、第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に連結されている。また、柱状弾性部4は、一端部(後端部(X2側の端部))が第1平坦弾性部1に連結され、他端部(前端部(X1側の端部))が第3平坦弾性部3に連結されている。なお、
図1及び
図2に示す例では、第1平坦弾性部1、第2平坦弾性部2、第3平坦弾性部3、及び柱状弾性部4は、ポリエステル等で形成された同じ一つの張り材(カバー材)によって覆われている。
【0063】
この構成は、座椅子100がより多くの様々な用途に利用され得るという効果をもたらす。例えば、第1座椅子形態(
図7の最も上の図を参照)の座椅子100は、コンピュータゲームを楽しむ際の座椅子(ゲーミング座椅子)として利用され得る。或いは、第2座椅子形態(
図7の上から二番目の図を参照)又は第3座椅子形態(
図7の上から三番目の図を参照)の座椅子100は、テレビを視聴する際の座椅子として利用され得る。或いは、フルフラット形態(
図7の上から四番目の図を参照)又はセミフラット形態(
図7の最も下の図を参照)の座椅子100は、昼寝をする際のマットレスとして利用され得る。
【0064】
また、座椅子100は、
図1の下図及び
図2に示すように、フルフラット形態において、短手方向(Y軸方向)における第3平坦弾性部3の一端側(左側(Y1側))の側面は、短手方向(Y軸方向)における第1直方体(幅W1、長さL1、深さD1の直方体)の一端側(左側(Y1側))の側面の一部を構成し、且つ、短手方向(Y軸方向)における第3平坦弾性部3の他端側(右側(Y2側))の側面は、短手方向(Y軸方向)における第1直方体(幅W1、長さL1、深さD1の直方体)の他端側(右側(Y2側))の側面の一部を構成していてもよい。
【0065】
また、座椅子100は、
図2に示すように、短手方向(Y軸方向)における第3平坦弾性部3の長さ寸法(幅W1)が短手方向(Y軸方向)における第1平坦弾性部1の長さ寸法(幅W1)と同じになるように構成されていてもよい。
【0066】
図示例では、座椅子100は、フルフラット形態において、第1平坦弾性部1の左側面と第2平坦弾性部2の左側面と第3平坦弾性部3の左側面とが略面一となるように、且つ、第1平坦弾性部1の右側面と第2平坦弾性部2の右側面と第3平坦弾性部3の右側面とが略面一となるように構成されている。
【0067】
この構成は、第3平坦弾性部3の幅を少なくとも第1平坦弾性部1及び第2平坦弾性部2のそれぞれの幅と同じ程度の大きさにすることができるという効果をもたらす。そのため、第1座椅子形態(
図7の最も上の図を参照)の座椅子100では、例えば、第3平坦弾性部3の上にテンキー付きのフルサイズのキーボードが載置され得る。或いは、第2座椅子形態(
図7の上から二番目の図を参照)、第3座椅子形態(
図7の上から三番目の図を参照)、又はフルフラット形態(
図7の上から四番目の図を参照)の座椅子100では、使用者は、肩幅に両足を開いた状態で、左ふくらはぎ(左腓腹部)を第3平坦弾性部3の左突出部3Lの上に載せることができ、且つ、右ふくらはぎ(右腓腹部)を第3平坦弾性部3の右突出部3Rの上に載せることができる。
【0068】
なお、座椅子100は、短手方向(Y軸方向)における第3平坦弾性部3の長さ寸法と短手方向(Y軸方向)における第1平坦弾性部1の長さ寸法とが互いに異なるように構成されていてもよい。例えば、短手方向(Y軸方向)における第3平坦弾性部3の長さ寸法は、短手方向(Y軸方向)における第1平坦弾性部1の長さ寸法より大きくてもよい。すなわち、第3平坦弾性部3の左端面は、第1平坦弾性部1の左端面よりも左方に突出し、且つ、第3平坦弾性部3の右端面は、第1平坦弾性部1の右端面よりも右方に突出していてもよい。この構成では、座椅子100の使用者は、例えば、第2座椅子形態(
図7の上から二番目の図を参照)、第3座椅子形態(
図7の上から三番目の図を参照)、及びフルフラット形態(
図7の上から四番目の図を参照)のそれぞれにおいて、両足を肩幅よりも大きく広げた状態で座椅子100上に下半身を横たえることができる。
【0069】
また、座椅子100は、
図2に示すように、フルフラット形態において第1平坦弾性部1と第3平坦弾性部3とが互いに接触するように構成されていてもよい。すなわち、座椅子100は、フルフラット形態において第1平坦弾性部1と第3平坦弾性部3との間に隙間が生じないように構成されていてもよい。
【0070】
この構成は、例えば、フルフラット形態の座椅子100上に横たわる使用者の快適性を向上させることができるという効果をもたらす。例えば、座椅子100の使用者が第1平坦弾性部1と第3平坦弾性部3との間の隙間を通る冷気を感じてしまうのを抑制できるためである。
【0071】
但し、座椅子100は、フルフラット形態において第1平坦弾性部1と第3平坦弾性部3とが互いに接触しないように、すなわち、フルフラット形態において第1平坦弾性部1と第3平坦弾性部3との間に隙間が形成されるように構成されていてもよい。
【0072】
また、第1平坦弾性部1は、フルフラット形態において柱状弾性部4を挟むように設けられた一対の張り出し部1Tを有していてもよい。
【0073】
この構成は、第1座椅子形態(
図7の最も上の図を参照)において、座椅子100の使用者が柱状弾性部4を股の間に挟んだ状態でふくらはぎ(腓腹部)を一対の張り出し部1Tの上面(表面)に接触させることができるようになるという効果をもたらす。すなわち、この構成は、例えば、使用者がコンピュータゲームを楽しむのに適した着座姿勢を容易にとることができるようにするという効果をもたらす。
【0074】
また、第2平坦弾性部2は、第1平坦弾性部1に近い位置にある近位側弾性部2Pと近位側弾性部2Pよりも第1平坦弾性部1から離れた位置にある遠位側弾性部2Dとを含んでいてもよい。この場合、遠位側弾性部2Dは、近位側弾性部2Pに対して第1軸A1に平行な第4軸A4の回りに傾斜可能(揺動可能)となるように構成されていてもよい。
【0075】
具体的には、座椅子100は、
図1の中図に示すように、外形寸法の三辺の合計が所定値の第2直方体となる輸送時形態に変形可能であってもよい。図示例では、座椅子100は、
図1の中図に示すように、平面視で略長方形の第2直方体となる輸送時形態となるように構成されている。すなわち、座椅子100は、輸送時形態において、幅W2、長さL2、及び高さH2を有する第2直方体と略同じ体積を占めるように構成されている。
【0076】
所定値は、例えば、外形寸法の三辺の合計が160cmとなるダンボールに適合する値である。図示例では、幅W2は50cmであり、長さL2は70cmであり、高さH2は39cmである。すなわち、外形寸法の三辺の合計は159cmである。なお、所定値は、外形寸法の三辺の合計が120cm又は140cm等の他のサイズとなるダンボールに適合する値であってもよい。このようなサイズを有することにより、座椅子100は、運送業者等によって適切に輸送され得る。
【0077】
なお、輸送時形態においては、
図1の中図に示すように、フルフラット形態での第1平坦弾性部1の下面(Z2側の面)は、第2直方体の下面(Z2側の面)の一部を構成し、フルフラット形態での遠位側弾性部2Dの下面(Z2側の面)は、輸送時形態では上方を向くため、第2直方体の上面(Z1側の面)の一部を構成し、且つ、フルフラット形態での第3平坦弾性部3の上面(Z1側の面)は、第2直方体の上面(Z1側の面)の一部を構成している。
図1の中図に示す例では、輸送時形態での遠位側弾性部2Dの背面(Z1側の面)と第3平坦弾性部3の上面(Z1側の面)とは略面一となっている。
【0078】
また、
図1の中図に示すように、輸送時形態において、長手方向(X軸方向)における第3平坦弾性部3の他端側(前端側(X1側))の側面は、長手方向(X軸方向)における第2直方体の他端側(前端側(X1側))の側面の一部を構成している。
【0079】
なお、
図1の中図に示す例では、長手方向(X軸方向)における第3平坦弾性部3の他端側(前端側(X1側))の側面は、長手方向(X軸方向)における一対の張り出し部1Tの他端側(前端側(X1側))の側面よりも他端側(前端側(X1側))に突出している。しかしながら、座椅子100は、輸送時形態において、長手方向(X軸方向)における第3平坦弾性部3の他端側(前端側(X1側))の側面と長手方向(X軸方向)における一対の張り出し部1Tの他端側(前端側(X1側))の側面とが略面一となるように構成されていてもよい。すなわち、輸送時形態において、長手方向(X軸方向)における一対の張り出し部1Tの他端側(前端側(X1側))の側面は、長手方向(X軸方向)における第2直方体の他端側(前端側(X1側))の側面の一部を構成していてもよい。
【0080】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
【0081】
例えば、上述の実施形態では、第3平坦弾性部3は、平面視で略長方形となるように構成されているが、平面視で後側(X2側)に開く凹形状となるように構成されていてもよい。具体的には、第3平坦弾性部3は、左突出部3Lから後方(X2方向)に突出する左後方突出部、及び、右突出部3Rから後方(X2方向)に突出する右後方突出部の少なくとも一方を有するように構成されていてもよい。第3平坦弾性部3が左後方突出部及び右後方突出部を有する場合、第1平坦弾性部の一対の張り出し部1Tは、短縮され或いは省略されてもよい。この場合、左後方突出部及び右後方突出部は、例えば、第1座椅子形態においてアームレストとして機能する。
【符号の説明】
【0082】
1・・・第1平坦弾性部 1B・・・基部 1T・・・張り出し部 1TL・・・左前張り出し部 1TR・・・右前張り出し部 2・・・第2平坦弾性部 2D・・・遠位側弾性部 2P・・・近位側弾性部 3・・・第3平坦弾性部 3C・・・中央部 3L・・・左突出部 3R・・・右突出部 4・・・柱状弾性部 5・・・クッション 5B・・・バンド部 5M・・・本体部 100・・・座椅子 A1・・・第1軸 A2・・・第2軸 A3・・・第3軸 A4・・・第4軸 CU・・・凹状切欠部