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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079941
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】鉄筋結合具、及び鉄筋交差部結合装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/12 20060101AFI20230601BHJP
   E04C 5/18 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
E04G21/12 105E
E04C5/18 103
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193674
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】592007508
【氏名又は名称】株式会社サトウ
(74)【代理人】
【識別番号】100090549
【弁理士】
【氏名又は名称】加川 征彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 収一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 進
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠之
【テーマコード(参考)】
2E164
【Fターム(参考)】
2E164AA04
2E164BA36
(57)【要約】
【課題】鉄筋結合具を単に上から押し込む簡単な操作で鉄筋交差部を結合可能な鉄筋結合具3を得る。その鉄筋結合具を用いて安価に実現できる鉄筋交差部結合装置321を得る。
【解決手段】鉄筋結合具は上側鉄筋挿通部5と下向きC形断面穴形状の下側鉄筋挿通用空間6を持つ下側鉄筋挿通部7とを備え、両側面7bが平坦面である。鉄筋交差部結合装置321は、複数の結合具を横並びに収容する横向き筒形の横型結合具マガジン212を有し、その横方向の端部の上下部分が開口部212a、212bとなっており、下側の開口部212aを開閉可能な鉄筋結合具仮支持用の開閉ゲート223を有する。閉じた開閉ゲート223上の鉄筋結合具3を、この開閉ゲート223が開くと同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた結合具押込みシリンダ225を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を結合するための可撓性材料からなる鉄筋結合具3であって、
前記上側鉄筋1を通す下側開放の上側鉄筋挿通用空間4を有する上側鉄筋挿通部5と、
前記上側鉄筋挿通用空間4の左右両側に設けられて、交差する下側鉄筋2を通す下側鉄筋挿通用空間6を有する下側鉄筋挿通部7とを備え、
前記下側鉄筋挿通用空間6は、下側鉄筋2を当該下側鉄筋挿通用空間6に下方から弾性変形を伴う押し込み挿入することが可能な程度に狭まった下部開口8を有して下向きC形断面穴形状をなしており、
当該鉄筋結合具3の両側面が平坦面であることを特徴とする鉄筋結合具。
【請求項2】
前記上側鉄筋挿通部5の上面に、当該鉄筋結合具3の移動を拘束するためのピンを挿入可能なピン孔11を有することを特徴とする請求項1記載の鉄筋結合具3。
【請求項3】
前記鉄筋結合具における下側鉄筋挿通部の下端面が、当該鉄筋結合具に互いに交差する上側鉄筋及び下側鉄筋を挿通させた状態で下側鉄筋の下面より下側に位置しないことを特徴とする請求項1又は2の記載の鉄筋結合具。
【請求項4】
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を請求項1~3のいずれか1項の鉄筋結合具3を用いて結合する鉄筋交差部結合装置321であって、
複数の前記鉄筋結合具3を前記鉄筋交差部の真上位置から横方向片側に並べて収容可能な、前記真上位置における上下部分が開口部212a、212b、となっている横向き筒形の横型結合具マガジン212と、
前記横型結合具マガジン212内の鉄筋結合具3を、前記開口部212a、212b、と反対側の端部から前記開口部212a、212b、側に向けて順次移動させる結合具横駆動手段221と
前記横型結合具マガジン212における下側の前記開口部222aを開閉可能な鉄筋結合具仮支持用の開閉ゲート223と、
前記筒状の横型結合具マガジン212における前記開口部212a、212b、に隣接して筒端部をなす筒底相当部212cと、
閉じた前記開閉ゲート223上の鉄筋結合具3を、この開閉ゲート223が開くと同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた下向きのピストンロッド225bを有する結合具押込みシリンダ225と、
を備えたことを特徴とする鉄筋交差部結合装置。
【請求項5】
前記開閉ゲートの上面高さ位置が、前記横型結合具マガジン212の内面の下面高さ位置に対して段差を有して低いことを特徴とする請求項4記載の鉄筋交差部結合装置。
【請求項6】
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を請求項1又は2の鉄筋結合具3を用いて結合する鉄筋交差部結合装置421であって、
複数の前記鉄筋結合具3を前記鉄筋交差部の真上位置から横方向片側に並べて収容可能な、前記真上位置における上下部分が開口部212a、212b、となっている横向き筒形の横型結合具マガジン212’と、
前記横型結合具マガジン212’内の鉄筋結合具3を、前記開口部212a、212b、と反対側の端部から前記開口部212a、212b、側に向けて順次移動させる結合具横駆動手段221と、
前記筒状の横型結合具マガジン212’における前記開口部212a、212b、に隣接して筒端部をなす筒底相当部212c’の外側に設けられた、鉄筋結合具3の下側鉄筋挿通用空間6に挿入可能なピストンロッド233aを備えた結合具仮支持用シリンダ装置233と、
前記下側鉄筋挿通用空間6に挿入した前記ピストンロッド233aで支持された鉄筋結合具3を、前記ピストンロッド233aを引っ込ませると同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた下向きのピストンロッド225bを有する結合具押込みシリンダ225と、
を備えたことを特徴とする鉄筋交差部結合装置。
【請求項7】
請求項4~6の鉄筋交差部結合装置において、鉄筋結合具3として請求項2の鉄筋結合具3を用いる場合に、横型結合具マガジン212、212’における前記下側の開口部222aの隣の位置にある鉄筋結合具3のピン孔11に挿脱可能なピンを備えたことを特徴とする鉄筋交差部結合装置。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との交差部を結合するための鉄筋結合具、及び、この鉄筋結合具を用いて鉄筋交差部を自動的に結合する鉄筋交差部結合装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築構造物や土木構造物等の構造物の構築に際して、コンクリートに埋め込む鉄筋を配置する場合、交差する上下の鉄筋の交差部を結合することが必要であるが、上下の鉄筋交差部をワイヤ(番線)を用いて手作業で結合するのは作業性が悪いので、種々の鉄筋結合具が用いられている。
この種の鉄筋結合具として一般に、鋼板製の鉄筋結合具(以下では、場合により単に結合具と略す)が採用されている(特許文献1~4参照)。
本願発明の鉄筋結合具は鋼板製ではないので、いずれも鋼板製である特許文献1~4の鉄筋結合具の具体的形状・構造の詳細説明は省略するが、これら従来の鋼板製の鉄筋結合具はいずれも、基本的には鋼板を二つ折りした構造であり、鉄筋結合具の二つ折り鋼板部を鉄筋交差部に押し込んで鉄筋を挟み込む構造なので、鉄筋がガタつかずに安定して保持することは必ずしもできない。
【0003】
各特許文献について簡単に説明すると、特許文献1は、上下の直交する鉄筋のそれぞれを挟み込む二つ折り鋼板部(折り返し部)を形成可能に切り取った形状の鋼板を、それぞれ折り返して上下の鉄筋をいずれも二つ折り鋼板部(折り返し部)で挟み込む構成である。
特許文献2は、上側の鉄筋が二つ折り鋼板部(折り返し部)で挟み込まれる構成である。
特許文献3は、下側の鉄筋が、折り返した鋼板の折り返し部から離れた下側部分で挟み込まれている。
特許文献4は、鋼板を下側の鉄筋の外周面に沿って密着するように折り返した構成である。
【0004】
上述した各鉄筋結合具に限らず、鉄筋結合具を用いて上下の鉄筋交差部を結合する手段としては、作業者が鉄筋結合具を直接手で押し込むか、作業者が何らかの工具を用いて押し込んでいる。
上記の特許文献1では、特許文献1の図16で示された結束用工具100が使用されている。
上記の特許文献2では、特許文献2の図11で示された装着治具30が使用されている。
上記の特許文献3では、特に工具は示されていないが、簡単な構造なので手作業を想定しているものと思われる。
上記の特許文献4では、特許文献4の図1で示された鉄筋結束機(工具である)20が使用されている。
【0005】
上記のように鉄筋結合具による上下の鉄筋交差部の結合を、作業者が工具を用いて行うのは、鉄筋交差部の数が多く能率的でないので、人力を用いない鉄筋交差部結合装置が望まれる。
従来より、人力を用いない鉄筋交差部結合装置は種々提案されているが、その殆どの場合、鉄筋交差部をワイヤで結合(結束)する装置である。
本願発明が対象とする鉄筋結合具は、鉄筋交差部に上から押し込むことで結合する鉄筋結合具であってワイヤではない。したがって、ワイヤで結束する装置について具体的構成を説明する必要はないため、特許文献としての記載はしないが、例えば、特開平8-199818、特開2017-20282、特開平6-219420、特開2020-128681、特開2020-197072、特開平8-109744、特開2019-039174、特開2005-188064、その他多数存在する。
格子状に配置された鉄筋の多数の鉄筋交差部を自動装置によりワイヤで結合(結束)するためには、かなり複雑な機械的機構及び高精度の制御機構が必要であり、例えばロボットを用いる方式等、設備費が極めて高額になると思われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平6-193200
【特許文献2】特開平11-336325
【特許文献3】特開2004-232373
【特許文献4】特開平7-310435
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した通り、従来の鋼板製の鉄筋結合具はいずれも、鉄筋がガタつかずに安定して保持することは必ずしもできない。
【0008】
また、前述した通り、鉄筋交差部結合装置として、ロボットを用いる方式は複雑な機械的機構及び高精度の制御機構が必要であり、設備費が高額になると思われる。
【0009】
本発明は上記背景のもとになされたもので、鉄筋交差部の結合を、ワイヤで結束するのではなく、鉄筋交差部に鉄筋結合具を単に上から押し込むという簡単な操作で結合することが可能な鉄筋結合具を提供することを目的とする。
また、そのような鉄筋結合具を用いて、安価に実現できる鉄筋交差部結合装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する請求項1の発明は、
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を結合するための可撓性材料からなる鉄筋結合具3であって、
前記上側鉄筋1を通す下側開放の上側鉄筋挿通用空間4を有する上側鉄筋挿通部5と、
前記上側鉄筋挿通用空間4の左右両側に設けられて、交差する下側鉄筋2を通す下側鉄筋挿通用空間6を有する下側鉄筋挿通部7とを備え、
前記下側鉄筋挿通用空間6は、下側鉄筋2を当該下側鉄筋挿通用空間6に下方から弾性変形を伴う押し込み挿入することが可能な程度に狭まった下部開口8を有して下向きC形断面穴形状をなしており、
当該鉄筋結合具3の両側面が平坦面であることを特徴とする。
【0011】
請求項2は、請求項1の鉄筋結合具において、
前記上側鉄筋挿通部5の上面に、当該鉄筋結合具3の移動を拘束するためのピンを挿入可能なピン孔11を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3は、請求項1又は2の鉄筋結合具において、
前記鉄筋結合具における下側鉄筋挿通部の下端面が、当該鉄筋結合具に互いに交差する上側鉄筋及び下側鉄筋を挿通させた状態で下側鉄筋の下面より下側に位置しないことを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明は、
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を請求項1~3のいずれか1項の鉄筋結合具3を用いて結合する鉄筋交差部結合装置321であって、
複数の前記鉄筋結合具3を前記鉄筋交差部の真上位置から横方向片側に並べて収容可能な、前記真上位置における上下部分が開口部212a、212bとなっている横向き筒形の、
前記横型結合具マガジン212内の鉄筋結合具3を、前記開口部212a、212bと反対側の端部から前記開口部212a、212b側に向けて順次移動させる結合具横駆動手段221と
前記横型結合具マガジン212における下側の前記開口部212aを開閉可能な鉄筋結合具仮支持用の開閉ゲート223と、
前記筒状の横型結合具マガジン212における前記開口部212a、212bに隣接して筒端部をなす筒底相当部212cと、
閉じた前記開閉ゲート223上の鉄筋結合具3を、この開閉ゲート223が開くと同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた下向きのピストンロッド225bを有する結合具押込みシリンダ225と、
を備えたことを特徴とする。
【0014】
請求項5は、請求項4の鉄筋交差部結合装置において、
前記開閉ゲートの上面高さ位置が、前記横型結合具マガジン212の内面の下面高さ位置に対して段差を有して低いことを特徴とする。
【0015】
請求項6の発明は、
平面視で互いに交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を請求項1又は2の鉄筋結合具3を用いて結合する鉄筋交差部結合装置421であって、
複数の前記鉄筋結合具3を前記鉄筋交差部の真上位置から横方向片側に並べて収容可能な、前記真上位置における上下部分が開口部212a、212bとなっている横向き筒形の横型結合具マガジン212’と、
前記横型結合具マガジン212’内の鉄筋結合具3を、前記開口部212a、212bと反対側の端部から前記開口部212a、212b、側に向けて順次移動させる結合具横駆動手段221と、
前記筒状の横型結合具マガジン212’における前記開口部212a、212b、に隣接して筒端部をなす筒底相当部212c’の外側に設けられた、鉄筋結合具3の下側鉄筋挿通部7の下側鉄筋挿通用空間6に挿入可能なピストンロッド233aを備えた結合具仮支持用シリンダ装置233と、
前記下側鉄筋挿通用空間6に挿入した前記ピストンロッド233aで支持された鉄筋結合具3を、前記ピストンロッド233aを引っ込ませると同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた下向きのピストンロッド225bを有する結合具押込みシリンダ225と、
を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明は、
請求項4~6の鉄筋交差部結合装置において、鉄筋結合具3として請求項2の鉄筋結合具3を用いる場合に、横型結合具マガジン212、212’における前記下側の開口部222aの隣の位置にある鉄筋結合具3のピン孔11に挿脱可能なピンを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明の鉄筋結合具によれば、鉄筋結合具3を鉄筋交差部に押し込むだけで、上下の鉄筋の交差部を結合できる。したがって、自動的に鉄筋結合操作を行う鉄筋交差部結合装置を実現可能にしている。
(イ)鉄筋結合具3の両側面に平坦面を有しているので、当該鉄筋結合具3と同形状の鉄筋結合具3を安定した状態で横並びに接触させて並べることが可能であり、鉄筋交差部結合装置として、横並びの多数の鉄筋結合具を順次供給する横型の結合具供給部(実施例の横型結合具マガジン212、212’)を採用することが可能となる。
(ロ)下側鉄筋挿通用空間6は、下側鉄筋2を当該下側鉄筋挿通用空間6に下方から弾性変形を伴う押し込み挿入することが可能な程度に狭まった下部開口8を有して下向きC形断面穴形状をなしているので、鉄筋結合具3を単に鉄筋交差部に押し込むことで上下の鉄筋を結合させることを可能としており、自動的に鉄筋結合操作を行う鉄筋交差部結合装置を実現可能にしている。
【0018】
請求項2のように、上側鉄筋挿通部5の上面にピン孔11を有している鉄筋結合具3によれば、後述する鉄筋交差部結合装置321の押横型結合具マガジン212における端部の押し込み位置にある鉄筋結合具3の隣にある鉄筋結合具3が、前記端部の押し込み位置にある鉄筋結合具3に干渉しないように待機する機構を適切にかつ容易に構成することができる。
請求項3の鉄筋結合具は、下側鉄筋挿通部の下端面(下端部)が、当該鉄筋結合具に互いに交差する上側鉄筋及び下側鉄筋を挿通させた状態で下側鉄筋の下面より下側に位置していないが、仮に下面より下側に位置している(足が下に延びている)とすれば、不都合が生じる。
すなわち、この鉄筋結合具3を用いて製作された複数のユニット鉄筋を例えばトラックに積んで運搬する際に、鉄筋結合具3の鉄筋挿通部の下端部が下側のユニット鉄筋の鉄筋結合具3に干渉して、上下のユニット鉄筋の鉄筋結合具3にトラブルが発生する惧れがある。しかし、請求項3の鉄筋結合具によればそのようなトラブルは発生しない。
【0019】
請求項4の発明の鉄筋交差部結合装置321によれば、鉄筋結合具を供給する結合具供給部が横向き筒形の横型結合具マガジン212であり、
この横型結合具マガジン212に収容された端部位置の鉄筋結合具3を開閉可能な開閉ゲート223で保持するとともに、この開閉ゲート223が開くと同時に結合具押込みシリンダを作動させて結合具押込み部により鉄筋結合具3を鉄筋交差部に押し込むという構成などにより、極めて簡潔な構成でもって、自動的に多数の結合具3を順次一つずつ鉄筋交差部に押し込んで上下の鉄筋を結合する動作を実現している。
すなわち、鉄筋結合具3の効果を述べた前記(イ)、(ロ)の効果を極力実現する構成となっている。
【0020】
請求項5によれば、開閉ゲート223’の上面高さ位置が、前記横型結合具マガジン212の内面の下面高さ位置に対して段差を有して低いので、段差部に位置した当該鉄筋結合具3を結合具押込みシリンダで鉄筋交差部に押し込むタイミングを明確に識別し易い。
【0021】
請求項6の発明の鉄筋交差部結合装置421によれば、
鉄筋結合具を供給する結合具供給部が同じく横向き筒形の横型結合具マガジン212’であり、
筒端部をなす筒底相当部212c’の外側に設けられた結合具仮支持用シリンダ装置233のピストンロッドを、横型結合具マガジン212’の端部位置(押込み位置)に送られてくる鉄筋結合具3の下側鉄筋挿通用空間6(下向きC形断面穴形状の空間部)に瞬間的に挿入可能であると同時に、結合具押込みシリンダが作動してその結合具押込み部が鉄筋結合具3の上端に接触すると瞬間的に後退することにより、結合具押込み部で結合具3を鉄筋交差部に押し込むことができる。
このように、極めて簡潔な構成でもって、自動的に多数の結合具3を順次一つずつ鉄筋交差部に押し込んで上下の鉄筋を結合する動作を実現している。
すなわち、鉄筋結合具3の効果を述べた前記(イ)、(ロ)の効果を極力実現する構成となっている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例の鉄筋結合具の一実施例を示すもので、(イ)は正面図(但し、図3以下の鉄筋交差部結合装置の説明図においては、右側面図に相当する)、(ロ)は右側面図、(ハ)は平面図である。
図2図1の鉄筋結合具で直交交差する上下の鉄筋を結合する過程を示す図であり、正面図では(イ)、(ロ)、(ハ)の順、側面図では(ニ)、(ホ)、(ヘ)の順で結合する。なお、図1、2における鉄筋結合具3の正面図は、鉄筋交差部結合設備を説明する図3以下の図においては右側面図となる。
図3】上述の鉄筋結合具3で上下鉄筋の鉄筋交差部を自動的に鉄筋結合する第1実施例の鉄筋交差部結合装置321を複数設置してなる鉄筋交差部結合設備521の全体構成を模式的に示したもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)の正面図、(ハ)は(イ)の右側面図である。
図4】(イ)は図3における一実施例の鉄筋交差部結合装置321の構成を示す拡大したA矢視図(但し、横型結合具マガジン212の手前壁面を省いて示した図)、(ロ)は同B矢視図である(但し、横型結合具マガジン212の筒底相当部212c省いて示した図)。
図5図4(イ)の要部の拡大図である。
図6図4(ロ)の拡大図である。
図7】横型結合具マガジン212の先端部近傍の形状について分かり易く示した斜視図である。
図8】前記鉄筋交差部結合装置321の要部の変形例を示す図であり、図5(イ)に対応する。
図9】上述の鉄筋結合具3で上下鉄筋の鉄筋交差部を自動的に鉄筋結合する第2実施例の鉄筋交差部結合装置421を複数設置してなる鉄筋交差部結合設備621の全体構成を模式的に示したもので、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)の正面図、(ハ)は(イ)の右側面図である。
図10】(イ)は図9における一実施例の鉄筋交差部結合装置421の構成を示す拡大したC矢視図(但し、横型結合具マガジン212’の手前壁面を省いて示した図)、(ロ)拡大したD矢視図である(但し、結合具仮支持用シリンダ装置233を省いて示した図)。
図11】(イ)は図10(イ)の要部拡大図(但し、一部短縮省略)、(ロ)は図10(ロ)の拡大図である。
図12】横型結合具マガジン212’の先端部近傍の形状について分かり易く示した斜視図である。
図13】本発明の鉄筋交差部結合装置を複数設置してなる鉄筋交差部結合設備における鉄筋受台として採用可能な鉄筋交差組立台の模式的な説明図で、(イ)は平面図、(ロ)は(イ)の正面図、(ハ)は(イ)の右側面図である。
図14】本発明の他の実施例の鉄筋結合具3を示す正面図である。
図15】本発明のさらに他の実施例の鉄筋結合具3を示すもので、(イ)は正面図、(ロ)は右側面図である((イ)では鉄筋1、2も図示)。
図16】種々の角度で交差する結合具の実施例を示すもので、(イ)は上述の各実施例における直交する角度の場合、(ロ)は角度60°で交差する場合、(ハ)は角度45°で交差する場合、(ニ)は角度30°で交差する場合である。(ホ)は前記角度45°交差の場合を三面図で示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の鉄筋結合具、及び鉄筋交差部結合装置を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
【実施例0024】
図1は本発明の一実施例の鉄筋結合具3を示すもので、同図(イ)は正面図、(ロ)は右側面図、(ハ)は平面図である。
図2はこの鉄筋結合具3により、直交して交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2とを結合する要領を示す図である。
なお、以下では鉄筋結合具を場合により単に結合具と略す。
この鉄筋結合具3は、上側鉄筋1を通す下側開放の上側鉄筋挿通用空間4を有する上側鉄筋挿通部5と、前記上側鉄筋挿通用空間4の左右両側に設けられて、直交する下側鉄筋2を通す下側鉄筋挿通用空間6を有する下側鉄筋挿通部7とを備えている。
そして、前記下側鉄筋挿通用空間6は、図1(ロ)に示すように下側鉄筋2を当該下側鉄筋挿通用空間6に下方から弾性変形を伴う押し込み挿入することが可能な程度に狭まった下部開口8を有して下向きC形断面穴形状をなしている。
この鉄筋結合具3の両側面(左右の下側鉄筋挿通部7の外側の面)7bは、当該鉄筋結合具3と同形状の鉄筋結合具3を横並びに接触可能な平坦面である。なお、必ずしも全体が平坦面でなくてもよい(鉄筋結合具3が横並びに接触可能な平坦面を有すればよい)。
前記上側鉄筋挿通部5の上面に、当該鉄筋結合具3の移動を拘束するための後述する引留ピン251aを挿入可能なピン孔11を有している。
この実施例の鉄筋結合具3は樹脂製であり、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル・プタジエン・スチレン樹脂)等を用いることができる。
図示例の鉄筋結合具3における下部開口8の角度θ(円形孔輪郭における角度θ)としては、使用する材料の曲げ弾性率によって異なるが、例えば55°~140°、あるいは60°~110°、あるいは60°~80°程度の角度範囲が考えられる。
なお、下向きC形断面穴形状の下部開口8の幅寸法(乃至角度)によっては、例えば銅やアルミニューム等の軟質の金属を用いることも考えられる。
なお、実施例の鉄筋結合具3は、例えば呼び名D10の上側鉄筋1、及び呼び名D13下側鉄筋2を想定している。但し、対象とする鉄筋のサイズは限定されない。
【0025】
この鉄筋結合具3で上下の鉄筋1、2の鉄筋交差部を結合する要領は図2に示す通りであり、鉄筋結合具3を図2(イ)、(ニ)に示すように鉄筋交差部の上方に位置させ、これを押し下げると、鉄筋結合具3の上側鉄筋挿通用空間4に上側鉄筋1が入り、鉄筋結合具3の下側鉄筋挿通部7の下端面が下側鉄筋2に触れる。鉄筋結合具3をさらに押し下げると、図2(ホ)のように、下側鉄筋挿通部7の下端部が左右に開いて下側鉄筋挿通用空間6の下部開口8が広がり、さらに押し込むと、図2(ハ)、(ヘ)のように下側鉄筋2が下側鉄筋挿通用空間6内に収まり、下側鉄筋挿通用空間6の下部開口8が元の状態に戻る。上側鉄筋1は上側鉄筋挿通用空間4の上端まで入り込む。
このように、鉄筋結合具3を鉄筋交差部に押し込むだけで、上下の鉄筋を結合できる。
【実施例0026】
図3図8に、本発明の鉄筋交差部結合装置の第1実施例を示す。
図3図13で後述する鉄筋交差組立台200に格子状に配置された鉄筋1、2(横の鉄筋1、縦の鉄筋2)の鉄筋交差部を、例えば上述の鉄筋結合具3で自動的に結合していく鉄筋交差部結合装置321を複数設置してなる鉄筋交差部結合設備521の全体構成を模式的に示したもので、図3(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図である。
この鉄筋交差部結合装置321は、平面図で互いに直交して交差する上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部を、その鉄筋交差部に上から押し込むことで結合することが可能な例えば上述した鉄筋結合具3を用いて結合する鉄筋交差部結合装置である。
鉄筋交差部結合設備521(及び後述する鉄筋交差部結合設備621)は、後述する図13に示すように、マガジンラック210に複数の鉄筋交差部結合装置321(及び後述する鉄筋交差部結合装置421)の結合具マガジン212(及び後述する結合具マガジン212’)を支持して、順次矢印のように移動しながら、鉄筋交差組立台200に配置された縦横の鉄筋交差部に結合具3を押し込んで結合していく。
【0027】
前記鉄筋交差部結合装置321を図4図8を参照して説明する。なお、各図面上の板厚の表示は模式的なものである。
図4の(イ)は前記鉄筋交差部結合装置321の側面図、(ロ)は鉄筋交差部結合装置321の正面図である。
複数の前記鉄筋結合具3を前記鉄筋交差部の真上位置から横方向片側(図4(イ)では右側)に並べて収容可能な、前記真上位置における上下部分が開口部212a、212b(下側の開口部212a、上側の212b)となっている横向き筒形の横型結合具マガジン212と、
前記横型結合具マガジン212内の鉄筋結合具3を、前記開口部212a、212bのある端部側と反対側(図4(イ)で右側)の端部から前記開口部212a、212b側に向けて順次移動させる結合具横駆動手段221と、
前記横型結合具マガジン212における下側の前記開口部212aを開閉可能な鉄筋結合具仮支持用の板状の開閉ゲート223と、
この開閉ゲート223を開閉駆動する開閉ゲート駆動シリンダ224と、
前記筒状の横型結合具マガジン212における前記開口部212a、212bに隣接して筒端部をなす筒底相当部212cと、
閉じた前記開閉ゲート223上の鉄筋結合具3を、この開閉ゲート223が開く(引っ込む)と同時に押し下げて鉄筋交差部に押し込む結合具押込み部225aを取付けた下向きのピストンロッド225bを有する結合具押込みシリンダ225と、
を備えている。
図7に横型結合具マガジン212の開閉ゲート223側の端部近傍の形状を斜視図で示す。開閉ゲート223が出入する開口部を212dで示す。
図示例の開閉ゲート駆動シリンダ224は、横型結合具マガジン212の側面に支持部材231(図7では図示を省略)により支持されている。
【0028】
前記横型結合具マガジン212における開閉ゲート223上の結合具3の隣の結合具3の位置において、その結合具3が開閉ゲート223側に移動しないように一時的に引き留めるための、結合具3の上端のピン孔11に挿脱可能な引留ピン251aを有する結合具引留装置251を有している。
この結合具引留装置251は、例えば流体圧シリンダ装置を使用することができる。また、メカニカルな機構により引留ピン251aをピン孔11に出入させることもできる。
なお、結合具マガジン212の横断面形状は結合具3の側面図(図1(ロ))に対応する矩形断面である。
横型結合具マガジン212の長さをさらに長くして多数個を待機させることができる。図示例の結合具横駆動手段221はコイルバネであるが、空圧等を利用することもでき、また、その他の方式も採用できる。
図示例の横型結合具マガジン212は待機結合具3の数が4つであるが、図4(イ)で横型結合具マガジン212の右側端の下面側が結合具投入ゾーン226となっている。結合具投入手段は種々考えられるが、コイルバネ221を後退させた上で結合具3を横型結合具マガジン212内に下から押し上げる方式等が考えられる。この場合、結合具3を鉄筋交差部に押し込む連続動作を中断せずに行う。
【0029】
上述の鉄筋交差部結合装置321において、結合具3を上側鉄筋1と下側鉄筋2との鉄筋交差部に押し込んで上下の鉄筋1、2を結合する手順を、図4(イ)、(ロ)、及びそれらを拡大して示した図5図6図7を参照して説明する。
交差部結合作業のスタート前には、装置は図4の状態となっている。
すなわち、横型結合具マガジン212内には図示例では5つの結合具3が挿入されており、その先端の結合具3は開閉ゲート223の上に載っており、その隣の結合具3は結合具引留装置251の引留ピン251aで止められている。
交差部結合作業は、まず、結合具押出しシリンダ225が作動し結合具押込み部225aが下降する。結合具押込み部225aが結合具3の上端部に接触すると、瞬間的に開閉ゲート駆動シリンダ224が作動して開閉ゲート223が瞬間的に引っ込む(開く)。それと同時に、結合具押出しシリンダ225の力で結合具押込み部225aが引き続き下降して結合具3を鉄筋交差部に押し込む。こうして結合具3により鉄筋交差部が結合される。
【0030】
次いで、前記結合具3を押し込んだ結合具押出しシリンダ225の結合具押込み部225aが引っ込む(上昇する)と同時に、開閉ゲート駆動シリンダ224が作動して瞬間的に開閉ゲート223を押し出す(閉ざす)。同時に結合具引留装置251の引留ピン251aが引き抜かれてその結合具3が押し出され開閉ゲート223の上に載る。その間、隣にあった結合具3が結合具引留装置251の位置まで移動し引留ピン251aがピン孔11に挿入されて、その位置に留まる。
上述の動作を繰り返して、次々と結合具3による鉄筋交差部の結合作業が行われる。
【0031】
図8に開閉ゲートの変形例を示す。
この開閉ゲート223’は、その上面高さ位置が、横型結合具マガジン212の内面の下面高さ位置に対して段差hを有して低くなっている。
これにより、結合具3を開閉ゲート223’に載せる際に、結合具押出しシリンダ225の結合具押込み部225aの位置に対応した正確な位置決めがされると言える。
【実施例0032】
図9図12に、本発明の鉄筋交差部結合装置の第2実施例を示す。
図9図13で後述する鉄筋交差組立台200に格子状に配置された鉄筋1、2(横の鉄筋1、縦の鉄筋2)の鉄筋交差部を、例えば上述の鉄筋結合具3で自動的に結合していく鉄筋交差部結合装置421を複数設置してなる鉄筋交差部結合設備621の全体構成を模式的に示したもので、図9(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は右側面図である。
【0033】
前記鉄筋交差部結合装置421を図10図12を参照して説明する。
図10の(イ)は前記鉄筋交差部結合装置421の側面図、(ロ)は鉄筋交差部結合装置421の後述する結合具仮支持用シリンダ装置233を省いて示した正面図(図10(イ)の左側面図)である。
この鉄筋交差部結合装置421における横型結合具マガジン212’は、
鉄筋交差部の真上位置における上下部分が、前述の横型結合具マガジン212と同様に開口部212a、212bとなっているが、前記開口部212a、212bに隣接して筒端部をなす筒底相当部212c’の外側に、鉄筋結合具3の下側鉄筋挿通用空間6に挿入可能なピストンロッド233aを備えた結合具仮支持用シリンダ装置233を設けている。233bはピストンロッド挿通孔を示す。
【0034】
上記鉄筋交差部結合装置421における交差部結合作業は、次のようにして行う。だば
スタート時には、結合具押出しシリンダ225の結合具押込み部225aの直下の部分に結合具3が存在せず、引留ピン251aで引き留められた結合具3よりコイルバネ221側の結合具3のみ存在する状態である。
この状態で結合具仮支持用シリンダ装置233のピストンロッド233aを延出させておく。ここで、待機している結合具3のピン孔11に挿入している引留ピン251aが引き抜かれると、その結合具3がコイルバネ221で付勢されて瞬間的に前進し結合具3の下側鉄筋挿通孔6がピストンロッド233aに嵌まり込む(ピストンロッド233aで支持された状態となる)。
その瞬間に、結合具押出しシリンダ225が作動し結合具押込み部225aが下降して結合具3の上端部に接触すると同時に、結合具仮支持用シリンダ装置233のピストンロッド233aが瞬間的に後退し、結合具押出しシリンダ225の結合具押込み部225aが結合具3を鉄筋交差部に押し込む。こうして結合具3による下側鉄筋2と上側鉄筋1との鉄筋交差部の結合が行われる。
結合具3を押し込んだ結合具押込み部225aが瞬間的に上昇すると、直ちに結合具仮支持用シリンダ装置233のピストンロッド233a前進するとともに、待機状態の待機していた隣の結合具3が引留ピン251aを引き抜かれて直ちに前進し、その下側鉄筋挿通孔6内に入ったピストンロッド233aで支持された状態となる。
以下、同様にして、連続的に結合具3による下側鉄筋2と上側鉄筋1との鉄筋交差部の結合作業が繰り返し行われる。
【0035】
上述した鉄筋交差部結合装置321と鉄筋交差部結合装置421との違いは、結合具マガジン212、212’におけるそれぞれ先端近傍部分、すなわち、結合具マガジン212、212’の先端部自体の構造の違い、及び、開閉ゲート駆動シリンダ224による機構と結合部仮支持用シリンダ233による機構との違いだけなので、結合具マガジンの先端部を結合具マガジン本体部分と別部材とし、この別部材とした結合具マガジン先端部材にそれぞれ開閉ゲート駆動シリンダ224又は結合部仮支持用シリンダ233を一体に設けた構造、いわば結合具一時保持機能付きマガジン先端部構造とするも可能である。
この場合、結合具補給方式として、結合具投入ゾーン226から結合具3を結合具マガジン212、212’内に補給する実施例の方式に代えて、複数の結合具3を収容した結合具マガジン本体部分を取り替える結合具補給方式(結合具マガジン本体部分交換方式)を採用することができる。
また、結合具一時保持機能付きマガジン先端部構造を取り替えることで、いずれの方式の鉄筋交差部結合装置も容易に採用することが可能となる。この場合は鉄筋結合具の形状やサイズ、あるいは鉄筋のサイズその種々の条件・状況に対応させて、適切な方式の鉄筋交差部結合装置に切り替えることが可能となる。
【実施例0036】
図13(イ)、(ロ)、(ハ)は、図3図9の鉄筋交差部結合設備521、621において、鉄筋交差部結合装置321、421により結合具3で鉄筋交差部を結合しようとする縦横の鉄筋を配置するための鉄筋交差組立台200の一例を示すもので、(イ)は平面図、(ロ)は正面図、(ハ)は側面図である。
図中の符号210は、各鉄筋交差部結合装置321、421における複数の結合具マガジン212、212’を支持して順次移動可能なマガジンラックである。マガジンラック210は、一列の鉄筋交差部の交差部結合を終える毎に、両端の可動の支柱部211を駆動する図示略のマガジンラック駆動機構により、次の横列位置に前進する。
この実施例の鉄筋交差組立台200は、四方の柱材201、この柱材201で支持された四方の外部枠材202a、202b、及び縦横の中央部間を繋ぐ内部枠材203a、203bを備えて4つの区画に仕切られており、鉄筋が全面に置かれる場合、1つの区画に置かれる場合、縦の2つの区画に置かれる場合、横の2つの区画に置かれる場合が可能である。
図示例では縦横の鉄筋が四方の外部枠材202a、202bに置かれる場合であり、図示例では、外部枠材202a、202bが交換可能な入れ子式の鉄筋受具205を備えている。
【実施例0037】
図14に本発明の鉄筋結合具のさらに他の実施例を正面図で示す。なお、鉄筋結合具3を単独で説明する場合は、図1図2の場合と同様に、
両側に下側鉄筋挿通部7が表示される図を正面図として説明する。
この鉄筋結合具3は、図14に示すように上側鉄筋1が上側鉄筋挿通用空間4内に収容された状態において、上側鉄筋1の重量をある程度受け持つための突起4aを両側に備えている。
この突起は、上側鉄筋1に接触する部分は円弧面であるが概ね三角形断面をなし、上側鉄筋1を挿入する際には左右に開いて鉄筋挿入を許容する。この突起4aにより、下側鉄筋2に作用する上側鉄筋1の重量を軽減することができる。
【実施例0038】
図15に本発明の鉄筋結合具のさらに他の実施例を示す。(イ)は正面図、(ロ)は右側面図である。
この鉄筋結合具3は、上面の全体を平坦面7a’としている。すなわち、図1(イ)、(ロ)における平坦部7aの高さ位置を上側鉄筋挿通部5の円弧状の頂部の高さ位置に揃えた構成である。
【実施例0039】
上述の説明では、上下の鉄筋1、2が直交する場合について説明したが、図16に示すように、上下の鉄筋1、2が角度を有して交差する場合にも適用可能である。
図16の(イ)では標準としての直交交差(90°交差)の場合を平面図で示している。同図(ロ)は60°交差の場合、同図(ハ)は45°交差の場合、同図(ニ)は30°交差の場合である。同図(ホ)には45°交差の場合の三面図を示す。
【符号の説明】
【0040】
1 上側鉄筋
2 下側鉄筋
3 鉄筋結合具(結合具)
4 上側鉄筋挿通用空間
4a 突起
5 上側鉄筋挿通部
6 下側鉄筋挿通用空間
7 下側鉄筋挿通部
7a 平坦部
8 下部開口
11 ピン孔
321、421 鉄筋交差部結合装置
521、621 鉄筋交差部結合設備
212、212’ 横型結合具マガジン
212b(上側の)開口部
212a(下側の)開口部
223、223’ 開閉ゲート
224 開閉ゲート駆動シリンダ
224a ピストンロッド
225 結合具押込みシリンダ
225a 結合具押込み部
225b ピストンロッド
221 結合具横駆動手段(コイルバネ)
226 結合具投入ゾーン
233 結合具仮支持用シリンダ装置
251 結合具引留装置
251a 引留ピン
200 鉄筋交差組立台
201 柱材
202a、202b 外部枠材
203a、203b 内部枠材
210 マガジンラック

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
図16