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  • 特開-支管継手 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079955
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】支管継手
(51)【国際特許分類】
   F16L 27/12 20060101AFI20230601BHJP
   F16L 41/08 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
F16L27/12 B
F16L41/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193688
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】000201504
【氏名又は名称】前田製管株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】599024001
【氏名又は名称】株式会社サンリツ
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 健
(72)【発明者】
【氏名】大津賀 則男
【テーマコード(参考)】
3H019
3H104
【Fターム(参考)】
3H019AA04
3H019BA04
3H019BB02
3H019BD01
3H104JA07
3H104JB04
3H104JC09
3H104JD01
3H104KA04
3H104KB20
(57)【要約】
【課題】
本管と取付管との接続箇所で使用し、本管の内圧が高くなった場合でも、可とう性を有する部品の破損を防ぐことができる支管継手の提供。
【解決手段】
本管Pと取付管Bを接続する支管継手は、本体11と受け口37と可とう筒35と保護具41を備えており、本体11は、本管Pの側周面に固定する。また受け口37は、取付管Bが差し込まれる筒状であり、さらに可とう筒35は、本管Pと取付管Bとの変位を吸収可能な柔軟性を有する流路であり、且つ受け口37に隣接している。そして保護具41は、可とう筒35の側周面を取り囲む環状であり、可とう筒35の膨張を拘束する。そのため本管Pの内圧が高くなった場合でも、可とう筒35が周辺の地盤と強く接触することを防ぎ、その破損を回避できる。なお保護具41を分割可能な構造にすることで、施工時の作業性が向上するほか、その製造コストを抑制できる。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本管(P)と、該本管(P)から分岐する取付管(B)と、を接続するために使用する支管継手であって、本体(11)と受け口(37)と可とう筒(35)と保護具(41)とを備えており、
前記本体(11)は、前記本管(P)の側周面に固定され、また前記受け口(37)は、前記取付管(B)が差し込まれる筒状であり、さらに前記可とう筒(35)は、該本管(P)と該取付管(B)との変位を吸収可能な柔軟性を有する流路であり且つ該受け口(37)に隣接しており、
前記保護具(41)は、前記可とう筒(35)の側周面を取り囲む環状であり、該可とう筒(35)の膨張を拘束することを特徴とする支管継手。
【請求項2】
前記保護具(41)は、複数に分割可能であることを特徴とする請求項1記載の支管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用水路や下水道などにおいて、大断面の本管と小断面の取付管との接続箇所で使用する支管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
用水路や下水道は、人々の生活に必要不可欠な社会基盤であり、そのうち下水道は、衛生上の観点から開渠が用いられることは皆無であり、地中に大断面の本管を埋め込み、そこに家庭などから伸びる取付管が接続されている。対して用水路は、開渠が多いものの、安全性などの観点から暗渠や管を用いることがあり、その場合、下水道と同様、本管に取付管が接続されることになる。このように、用水路や下水道などが本管と取付管で構成される場合、その接続箇所での漏水を防ぐため、何らかの支管継手を介して双方を接続することがある。
【0003】
支管継手については、信頼性や施工性などの観点から様々な技術開発が進められており、その例として後記の特許文献1が挙げられる。この文献では、取付管の接続作業を簡略化することができる「取付管の接続継手」が開示されており、この接続継手は、継手本体と嵌合体と係止手段などで構成されており、そのうち継手本体は、本体管(本管)と取付管を結ぶように配置される筒状であり、その外周面にはオネジ部を形成してある。
【0004】
次に嵌合体は、継手本体を取り囲む筒状であり、その一端側は、押圧部材とパッキンを介して本体管の外周に載せるほか、その内周面には、オネジ部と螺合するメネジ部を形成してある。また係止手段は、上方の腕部と下方の係止爪部などで構成されるL字状であり、さらに継手本体の内周面に係止可能な形状としてあるほか、係止爪部については、本体管の接続口を経て本体管の内部に入り込むことができる。そのため施工時、係止爪部を本体管の内部に差し入れると共に、嵌合体を本体管の外周に載せ、その後に嵌合体を回転させると、オネジ部とメネジ部との螺合によって係止爪部が引き上げられ、係止手段とパッキンとの間に本体管が挟み込まれ、接続継手が本体管に固定される。
【0005】
この特許文献1の継手本体については、本体管の反対側に筒状のゴムパッキンが組み込まれており、その内周面に取付管を差し込んだ後、取付バンドを締め付けることで、ゴムパッキンが取付管に密着する。ゴムパッキンは変形しやすく、本体管と取付管との位置ずれを吸収できるほか、地震に遭遇した場合でも取付管の脱落を防ぐことができるなど、様々な利点を有する。そのため近年は、このような構成の支管継手を導入することが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8-14467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
用水路や下水道は、本管に勾配を持たせて水を自然に流下させることが多く、本管の内圧が高くなることはない。ただし地形によっては、途中でポンプ場を設ける場合があり、そこで内圧が高くなることがある。また、ゲートの開放や閉鎖などで流量が短時間で大きく変化する場合も、内圧が一時的に高くなることがある。このように、何らかの事情で本管の内圧が突発的に高くなると、支管継手を構成する部品が大きく変形し、漏水や取付管の脱落を招く恐れがある。
【0008】
支管継手については、前記の特許文献1のように、ゴムなどを素材とした可とう性を有する部品を組み込むことがある。そして、何らかの事情で本管の内圧が高くなると、この部品が膨張して周囲の地盤と激しく接触することになるが、この地盤中に鋭利な角を有する石などが存在すると、繰り返しの接触によって部品の破損が進み、最終的に漏水などの問題を引き起こす恐れがある。したがってこの破損を防止するため、施工段階で何らかの対策を講じる必要があり、しかもこの対策は低コストで施工性にも優れていることが望ましい。
【0009】
本発明はこうした実情を基に開発されたもので、本管と取付管との接続箇所で使用し、本管の内圧が高くなった場合でも、可とう性を有する部品の破損を防ぐことができる支管継手の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の課題を解決するための請求項1記載の発明は、本管と、該本管から分岐する取付管と、を接続するために使用する支管継手であって、本体と受け口と可とう筒と保護具とを備えており、前記本体は、前記本管の側周面に固定され、また前記受け口は、前記取付管が差し込まれる筒状であり、さらに前記可とう筒は、該本管と該取付管との変位を吸収可能な柔軟性を有する流路であり且つ該受け口に隣接しており、前記保護具は、前記可とう筒の側周面を取り囲む環状であり、該可とう筒の膨張を拘束することを特徴とする。
【0011】
本発明による支管継手は、内圧が高くなることに対応したものであり、本体と受け口と可とう筒と保護具などで構成され、そのうち本体は、本管の側周面に固定される台座部分である。また受け口は、取付管を嵌め込むことができる筒状の部位である。そして可とう筒は、本体から突出する筒状の部位であり、受け口に接続しており、本管と取付管との間で流路として機能するほか、文字通り、本管と取付管との変位を吸収する役割を担う。
【0012】
本体を本管に固定する方法は様々であり、その具体例としては、本管の内周面に爪状のものを接触させ、これを利用して本体を本管に密着させるものや、本管を取り囲むようにベルトを巻き付け、このベルトで本体を固定するものや、本管の取付穴の内周面にリングなどを密着させ、このリングを介して本体を固定するものなどが挙げられる。このように本体を本管に固定することで、水は、漏れることなく本体の内部を通過する。
【0013】
可とう筒は、ゴムまたは軟質樹脂など、柔軟性を有する素材を筒状に成形したものであり、本体と受け口との間に配置される。したがって可とう筒の一端側は、漏水不能な状態で本体に接続されるほか、他端側は、受け口に接続している。そして可とう筒が弾性変形することで、施工時、本管と取付管との交角を自在に調整できるほか、施工後の経年変形や地震などにより、本管と取付管との間に変位を生じた場合でも、それらを無理なく吸収することができる。なお可とう筒と受け口は、一体で成形されることが多い。
【0014】
保護具は、可とう筒の側周面を覆い隠す筒状のものであり、内圧が高まることで可とう筒が膨張した際、これを押し返す役割を担う。そのため保護具は、金属などを素材としており、可とう筒から伝達する荷重に対抗できる強度を確保する必要があるほか、可とう筒の変形を切れ目なく防ぐため、途切れることのない環状とする。ただし可とう筒は、その用途から、ある程度の変形を許容する必要があり、保護具は、これを見越した形状とする。
【0015】
このように、支管継手を本体と受け口と可とう筒と保護具などで構成し、可とう筒の側周面を取り囲むように保護具を組み込むことで、本管の内圧が高くなった場合でも、可とう筒の膨張が保護具によって拘束される。そのため、可とう筒が周辺の地盤と激しく接触することを防ぎ、可とう筒の破損を回避できる。
【0016】
請求項2記載の発明は、保護具の構成に関するものであり、保護具は複数に分割可能であることを特徴とする。保護具を分割構造とすることで、可とう筒を取り囲むように保護具を配置した後、これらを一体化することで組み込みが完了する。このように保護具を分割構造とすることで、取付管の接続前に保護具を組み込む必要がなく、作業性に優れている。また保護具は、金属板を変形させるだけで完成するため、製造コストを抑制可能である。なお分割された保護具を一体化する方法は、ボルト締めなど、自在に選択可能である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明のように、本管と取付管との変位を吸収可能な可とう筒を備えた支管継手において、可とう筒の側周面を取り囲むように保護具を組み込むことで、可とう筒の膨張が保護具によって拘束される。そのため本管の内圧が高くなった場合でも、可とう筒が周辺の地盤と激しく接触することを防ぎ、その破損を回避できる。
【0018】
請求項2記載の発明のように、保護具を分割可能とすることで、施工時、支管継手に取付管を接続した後に保護具を組み込むことができるため、作業性に優れている。またその製造に際しては、金属板にプレス加工や穴加工を施すだけで完了するため、コストアップを招くこともない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明による支管継手の構成例を示す斜視図である。
図2図1の支管継手の内部構造を示す斜視図である。
図3】本体を本管に固定した状態を示す斜視図である。
図4】本管と取付管との接続を終え、保護具を組み込む段階を示す斜視図である。
図5図4の後、保護具の組み込みを終えた段階を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明による支管継手の構成例を示す。支管継手は、本管Pと取付管Bを接続するために使用するが、この図では、支管継手を本管Pに接触させる前の状態を描いてある。そして図の下方の本管Pは、幹線での使用を想定した大径の管であり、地中に埋め込まれており、また取付管Bは、本管Pと家庭などを結ぶ支線として機能する小径の管であり、この取付管Bとの接続のため、本管Pには円形の取付穴Hを加工してある。なお図中の本管Pは、スペースの都合から上半分だけを描いてあるが、実際は円断面である。
【0021】
この図の支管継手は、大別して本体11と係止具21と接続具31と保護具41で構成されており、そのうち本体11は、本管Pの側周面に固定される台座部分であり、スカート13や外筒14やスリーブ17など、複数の部位を有しており、内部に水が流れる。そしてスカート13は、本管Pの側周面に応じた円弧状であり、本管Pと隙間なく接触して支管継手の姿勢を安定させる。また外筒14は、取付穴Hを取り囲むように配置され、取付管Bの土台部分として機能する。
【0022】
接続具31は、本体11と取付管Bを結ぶ役割を担い、ゴムなどの素材を一体成形したものであり、受け口37や可とう筒35や凸条34、36など、複数の部位を有しており、外力によって容易に弾性変形を引き起こす。そして受け口37は、支管継手の上端側に位置しており、取付管Bとの接続を担う部位であり、その内径は取付管Bの外径に合わせてあり、受け口37の内周面に取付管Bを差し込んだ後、受け口37を取り囲むように締結バンド39を組み込み、これを締め付けることで、取付管Bは受け口37から離脱不能になる。
【0023】
可とう筒35は、蛇腹状に成形された部位であり、受け口37に隣接しており、本管Pと取付管Bとの変位を吸収する役割を担う。したがって、可とう筒35の肉厚は抑制されており、内圧が高まると外側に膨張することになる。また可とう筒35は、その役割を果たすため、ある程度の延長を確保してある。さらに可とう筒35の上下には、環状の凸条34、36を設けてある。凸条34、36は、可とう筒35と他の領域を区画する役割を担い、可とう筒35よりも大径となっている。そのほか接続具31の下端部は、本体11に嵌め込まれており、本体11との離脱を防ぐため、ここでも締結バンド39が組み込まれている。
【0024】
係止具21は、本体11を本管Pに固定する役割を担い、その下端側は、取付穴Hを経て本管Pの内部に入り込む。そのほか本体11において、外筒14の上方に位置するスリーブ17は、外筒14に対して回転可能となっており、スリーブ17から突出するハンドル18を回すことで、係止具21が引き上げられる構造になっている。そのため、実際に係止具21を引き上げると、係止具21とスカート13との間に本管Pが挟み込まれ、本体11が本管Pに固定される。
【0025】
保護具41は、可とう筒35の側周面を取り囲む金属部品であり、可とう筒35の膨張を拘束する役割を担う。この図の保護具41は、環状ではなく半割形状になっており、個々の保護具41は、拘束帯45とツバ43で構成されている。そのうち拘束帯45は、可とう筒35の直径よりもわずかに大きい半円形であり、その幅(図の上下方向)は可とう筒35の延長に合わせてある。また拘束帯45の両端には平面状のツバ43を設けてあり、その中央付近に丸穴44を形成してある。そして対向する保護具41のツバ43同士を接触させ、さらに双方の丸穴44を同心に揃え、そこにボルト48を差し込んだ後、丸穴44から突出したボルト48の先部にナット49を螺合させ、最後にボルト48とナット49を締め付けるとツバ43同士が密着し、可とう筒35は、途切れることなく保護具41で取り囲まれる。この図の保護具41は単純な形状であり、金属板に曲げ加工や穴加工を施すだけで完成する。
【0026】
図2は、図1の支管継手の内部構造を示している。本体11は、スカート13と外筒14と内筒15とスリーブ17で構成されており、スカート13は本管Pの側周面と密着する円弧状であり、取付穴Hを塞ぐように配置する。また外筒14は、スカート13と一体成形されており、取付穴Hを取り囲むように配置する。さらに外筒14の内側には、内筒15が組み込まれており、内筒15の中を水が通過する。そして内筒15は、外筒14に対して上下方向に変位可能となっている。
【0027】
スリーブ17は、外筒14の上に載る環状のものであり、外筒14に対して回転可能であり、実際にスリーブ17を回転させる場合を考慮し、その側周面から板状のハンドル18が突出している。また内筒15は、スリーブ17の内周面に嵌まり込んでいるが、双方の境界にはネジ部16が形成されている。このネジ部16は、内筒15側のオネジとスリーブ17側のメネジで構成され、スリーブ17を回転させることで内筒15が上下方向に変位する。なおスリーブ17は、外筒14に対して回転可能だが、外筒14からは離脱できない構造になっている。
【0028】
接続具31はゴムを素材としており、底口33と可とう筒35と受け口37と凸条34、36を一体成形したものであり、最も下方に位置する底口33は、内筒15に嵌め込まれる。そしてこの箇所での接続具31の抜けを防ぐため、先の図1のように、締結バンド39を組み込む。また可とう筒35は蛇腹状に成形してあり、ある程度の範囲で自在に変形可能である。そのほか受け口37については、取付管Bの差し込みを正しく実施できるよう、その内周面に段差を設けてあり、取付管Bの端面をそこに接触させる。
【0029】
係止具21は、取付穴Hの中心を挟んで二個配置してあり、個々の係止具21は、ヘッド25とアーム24とツメ23で構成され、しかも内筒15の内周面に対し、揺動可能な状態で取り付けてある。そして係止具21のヘッド25は、やや肉厚を増した部分であり、これが内筒15の内周面に嵌まり込むことで、内筒15と係止具21が強固に一体化する。またツメ23は、取付穴Hから本管Pの内部に入り込み、さらにツメ23を取付穴Hよりも外側に変位させることで、本体11を本管Pに引き寄せることが可能になる。そのほかアーム24は、ヘッド25とツメ23を結び、ツメ23を本管Pの内部に到達させる役割を担う。なおヘッド25は、内筒15に対して揺動可能な状態で取り付けてあり、ツメ23を本管Pの内部に差し込む際は、この図のように、係止具21を内側に傾けるが、差し込みを終えた段階で係止具21を元の状態に戻し、ツメ23を取付穴Hの外側に変位させる。
【0030】
図3は、本体11を本管Pに固定した状態を示す。先の図2のように、係止具21を内側に傾けた状態でスカート13を本管Pに接触させ、その後、係止具21を直立させると、この図のように、ツメ23が取付穴Hの外側に変位する。この段階では、スカート13が本管Pに接触しただけの状態だが、その後、ハンドル18を介してスリーブ17を回転させると、内筒15が上方に変位し、これと一体でツメ23が引き上げられる。そのためツメ23とスカート13で本管Pが挟み込まれ、支管継手が本管Pに固定される。以降、受け口37に取付管Bを差し込み、これを締結バンド39で固定すると、本管Pと取付管Bとの接続が完了する。なお係止具21のヘッド25は、内筒15の内周面に嵌まり込んでいるため、係止具21は内筒15と一体で変位する。
【0031】
図4は、本管Pと取付管Bとの接続を終え、保護具41を組み込む段階を示している。先の図3のように、支管継手を本管Pに固定し、さらに本管Pと取付管Bを接続した後、この図のように、可とう筒35を挟み込むように二個の保護具41を対向配置し、これらを接近させて双方のツバ43を接触させると、可とう筒35は保護具41で取り囲まれた状態になる。なおこの際、保護具41は、上下の凸条34、36の間に挟み込まれた状態になり、可とう筒35から離脱することはできない。そのため保護具41を可とう筒35に密着させる必要はなく、ある程度の隙間を確保することができ、可とう筒35の変形を妨げることがない。その結果、保護具41を組み込んだ後も、本管Pと取付管Bとの交角を自在に調整できるほか、本管Pと取付管Bとの変位を吸収することもできる。
【0032】
図5は、図4の後、保護具41の組み込みを終えた段階を示している。対向する保護具41のツバ43同士を接触させた後、これを貫くようにボルト48を差し込み、さらにボルト48の先部にナット49を螺合させ、これらを締め付けると、可とう筒35が途切れることなく保護具41で取り囲まれた状態になる。そのため何らかの事情で内圧が高くなり、可とう筒35が膨張した場合でも、これが保護具41によって拘束され、可とう筒35が周囲の地盤と激しく接触することを防ぐ。なおこの図では、取付管Bが直立しているが、可とう筒35の弾性変形により、取付管Bがある程度傾いた場合でも何ら問題はなく、保護具41についてもこれに対応できるよう、可とう筒35との間にある程度の余裕を確保してある。
【0033】
本発明は、支管継手の可とう筒35を保護具41で取り囲むことを特徴としており、支管継手の具体的な構成については自在に選択可能である。したがって一連の図に示した支管継手は、あくまでも一例に過ぎない。ただし支管継手には、必ずゴムなどを素材とした可とう筒35が存在するものとする。
【符号の説明】
【0034】
11 本体
13 スカート
14 外筒
15 内筒
16 ネジ部
17 スリーブ
18 ハンドル
21 係止具
23 ツメ
24 アーム
25 ヘッド
31 接続具
33 底口
34 凸条(図中の下側)
35 可とう筒
36 凸条(図中の上側)
37 受け口
39 締結バンド
41 保護具
43 ツバ
44 丸穴
45 拘束帯
48 ボルト
49 ナット
B 取付管
H 取付穴
P 本管
図1
図2
図3
図4
図5