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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079956
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】遮蔽装置支持具
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/323 20060101AFI20230601BHJP
   A47H 1/104 20060101ALI20230601BHJP
   E06B 9/42 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
E06B9/323
A47H1/104
E06B9/42 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193692
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】515269453
【氏名又は名称】株式会社リホーム
(74)【代理人】
【識別番号】110002804
【氏名又は名称】弁理士法人フェニックス特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天谷 成作
(72)【発明者】
【氏名】村上 裕介
(72)【発明者】
【氏名】松浦 慎一
【テーマコード(参考)】
2E043
2E182
【Fターム(参考)】
2E043AA04
2E043DA01
2E043DA04
2E182DE00
2E182DF12
2E182DF17
2E182EE06
(57)【要約】
【課題】 簡素で小型な構造で、既製のロールスクリーン等の遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に後付け式に設置することができ、かつ、壁面も遮蔽装置も傷めることなく、高い支持力を発揮することができる遮蔽装置支持具を提供すること。
【解決手段】 本体1の内側面には、フック片2と、付勢部材3と、傾斜面部4とを設ける一方、この傾斜面部4の傾斜面上をスライド自在な、テーパ状のウェッジ体5を設けて、
前記フック片2を前記溝部Mに掛止して、かつ、前記付勢部材3が前記サイドブラケットBの外側面に付勢した状態で、前記遮蔽装置Aおよび前記本体1を前記窓枠内側に嵌挿可能にして、
前記ウェッジ体5を押し込んで、前記傾斜面部4の上昇方向にスライドすることによって、ウェッジ体5の押さえ面51を、前記フレームFの軸線上の側端面に圧接して、前記本体1を前記遮蔽装置Aと窓枠内側の壁面Wとの隙間に固定可能にする。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮蔽材が昇降可能な遮蔽装置を窓枠内側に設置するために、前記遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に固定可能な支持具であって、
本体の内側面には、
前記遮蔽装置のフレームに形成された溝部に掛止可能なフック片と、
前記フレームの側端部から突設されたサイドブラケットの外側面に当接して付勢可能な付勢部材と、
スロープ状に突出した傾斜面部とが設けられている一方、
この傾斜面部の傾斜面上をスライド自在な、テーパ状のウェッジ体が設けられており、
前記フック片が前記溝部に掛止されて、かつ、前記付勢部材が前記サイドブラケットの外側面に付勢された状態で、前記遮蔽装置および前記本体が前記窓枠内側に嵌挿可能であり、
前記ウェッジ体が押し込まれて、前記傾斜面部の上昇方向にスライドすることによって、ウェッジ体の押さえ面が、前記フレームの軸線上の側端面に圧接されて、前記本体が前記遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に固定可能であることを特徴とする遮蔽装置支持具。
【請求項2】
前記ウェッジ体にネジ部が形成されており、このネジ部に螺合する操作ネジの回転によってウェッジ体が押し込まれて、前記傾斜面部の表面をスライド可能であることを特徴とする請求項1記載の遮蔽装置支持具。
【請求項3】
前記傾斜面部の上昇方向が、前記ウェッジ体の鉛直運動方向にも傾斜しており、
ウェッジ体が押し込まれて前記遮蔽装置に対する鉛直方向への付勢力になることを特徴とする請求項1記載の遮蔽装置支持具。
【請求項4】
本体の外側面に、スペーサ部材を取付可能であることを特徴とする請求項1記載の遮蔽装置支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリア用品の改良、更に詳しくは、簡素で小型な構造で、既製のロールスクリーン等の遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に後付け式に設置することができ、かつ、壁面も遮蔽装置も傷めることなく、高い支持力を発揮することができる遮蔽装置支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
窓枠にロールスクリーンやブラインドなどの遮蔽装置を設置したい場合には、これらを取り付けるための止着部品を用いて壁面や天井に固定する必要があるが、賃貸物件などでは、既存の壁面をできるだけ傷付けないように留意しなければならない。
【0003】
そこで、従来、遮蔽装置の本体を取り付ける器具として、棒状体の全体を伸長させて支持する所謂「突っ張り棒」方式のブラケットが知られている。
【0004】
しかしながら、その棒状体のブラケットを遮蔽装置の本体とは別に準備しなければならず、その長い棒状体の取り扱いも面倒であるという問題がある。また、棒状体の自重が大きくなってしまうため、落下の危険性もある。
【0005】
そして、遮蔽装置の本体自体に突っ張り棒機能を付与したものも開示されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0006】
しかしながら、バネやネジなどの部品を遮蔽装置の本体(ヘッドレールやヘッドボックス)の中に直接組み込まなければならず、製造コストが嵩んでしまうという不満があった。また、突っ張り棒の構造部分に故障を生じると設置ができなくなっていまい、器具全体としての機能を廃してしまうという問題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-74532号公報
【特許文献2】特開2012-97461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来技術に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、簡素で小型な構造で、既製のロールスクリーン等の遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に後付け式に設置することができ、かつ、壁面も遮蔽装置も傷めることなく、高い支持力を発揮することができる遮蔽装置支持具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
【0010】
即ち、本発明は、遮蔽材Sが昇降可能な遮蔽装置Aを窓枠内側に設置するために、前記遮蔽装置Aと窓枠内側の壁面Wとの隙間に固定可能な支持具であって、
本体1の内側面には、前記遮蔽装置AのフレームFに形成された溝部Mに掛止可能なフック片2と、前記フレームFの側端部から突設されたサイドブラケットBの外側面に当接して付勢可能な付勢部材3と、スロープ状に突出した傾斜面部4とを設ける一方、
この傾斜面部4の傾斜面上をスライド自在な、テーパ状のウェッジ体5を設けて、
前記フック片2を前記溝部Mに掛止して、かつ、前記付勢部材3が前記サイドブラケットBの外側面に付勢した状態で、前記遮蔽装置Aおよび前記本体1を前記窓枠内側に嵌挿可能にして、
前記ウェッジ体5を押し込んで、前記傾斜面部4の上昇方向にスライドすることによって、ウェッジ体5の押さえ面51を、前記フレームFの軸線上の側端面に圧接して、前記本体1を前記遮蔽装置Aと窓枠内側の壁面Wとの隙間に固定可能にするという技術的手段を採用したことによって、遮蔽装置支持具を完成させた。
【0011】
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、前記ウェッジ体5にネジ部52を形成して、このネジ部52に螺合する操作ネジ53の回転によってウェッジ体5を押し込んで、前記傾斜面部4の表面をスライド可能にするという技術的手段を採用することもできる。
【0012】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、前記傾斜面部4の上昇方向を、前記ウェッジ体5の鉛直運動方向にも傾斜させて、ウェッジ体5を押し込んで前記遮蔽装置Aに対する鉛直方向への付勢力にするという技術的手段を採用することもできる。
【0013】
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、本体1の外側面に、スペーサ部材を取付可能にするという技術的手段を採用することもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明にあっては、本体の内側面には、フック片と、付勢部材と、傾斜面部とを設ける一方、テーパ状のウェッジ体を設けて、
前記フック片を前記溝部に掛止して、かつ、前記付勢部材が前記サイドブラケットの外側面に付勢した状態で、前記遮蔽装置および前記本体を前記窓枠内側に嵌挿可能にして、
前記ウェッジ体を押し込んで、前記傾斜面部の上昇方向にスライドすることによって、ウェッジ体の押さえ面を、前記フレームの軸線上の側端面に圧接して、前記本体を前記遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に固定することができる。
【0015】
したがって、本発明の遮蔽装置支持具によれば、簡素で小型な構造で、既製のロールスクリーン等の遮蔽装置と窓枠内側の壁面との隙間に後付け式に設置することができ、かつ、壁面も遮蔽装置も傷めることなく、高い支持力を発揮することができる。
【0016】
また、本発明の遮蔽装置支持具は、ウェッジ体を押し込む簡単な操作で、ウェッジ体の押さえ面の小さな領域に圧力を集中させることができるので、小型であっても確実に固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具を表わす斜視図である。
図2】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具を表わす説明正面図である。
図3】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具を表わす説明上面図である。
図4】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具を表わす説明側面図である。
図5】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす斜視図である。
図6】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす斜視図である。
図7】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす説明正面図である。
図8】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす説明正面図である。
図9】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす説明上面図である。
図10】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす説明側面図である。
図11】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の使用状態を表わす説明正面図である。
図12】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の変形例を表わす斜視図である。
図13】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の変形例の使用状態を表わす説明上面図である。
図14】本発明の実施形態の遮蔽装置支持具の変形例の使用状態を表わす説明上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図1から図14に基づいて以下に説明する。本発明は、遮蔽材Sが昇降可能な遮蔽装置Aを窓枠内側に設置するために、前記遮蔽装置Aと窓枠内側の壁面Wとの隙間に固定可能な支持具である。
【0019】
遮蔽装置Aとしては、ロールスクリーンやブラインド、カーテンなどが挙げられる。本実施形態では、遮蔽装置Aの躯体を構成するフレームFの少なくとも一部(本実施形態では上部)に溝部Mが形成されており、かつ、フレームFの両端から持出成形されたサイドブラケットBに対して回転可能に支持される巻取軸により遮蔽材Sを昇降可能に構成したものを採用する。この遮蔽材Sとしては、遮光性の高い生地や、スラット(羽根)などが挙げられる。
【0020】
図1から図4に示すように、本体1の内側面には、前記遮蔽装置AのフレームFに形成された溝部Mに掛止可能なフック片2と、前記フレームFの側端部から突設されたサイドブラケットBの外側面に当接して付勢可能な付勢部材3と、スロープ状に突出した傾斜面部4とが設けられている。
【0021】
本実施形態のフック片2は、本体1の上部から2本の鉤状部を突出して形成する。この際、必要に応じて、弾性変形するものであっても良い。
【0022】
また、付勢部材3にはコイルばねを採用する。この付勢部材3の先端には、適宜、板体等を取り付けても良く、フレームFやサイドブラケットBの外側面がフラットである場合でも確実に付勢することができる。他の付勢部材3としては、弾性部材である板バネやゴム片、樹脂片などを採用することもできる。
【0023】
そしてまた、前記傾斜面部4の傾斜面上をスライド自在な、テーパ状のウェッジ体5が設けられている。本実施形態のウェッジ体5は、略三角柱によってテーパ状に形成されている。
【0024】
以下、本発明の遮蔽装置支持具の使用方法について説明する。まず、前記フック片2をフレームFに形成された溝部Mに掛止する。溝部Mの位置や形態は製品によって様々であるが、本実施形態では、一般的に普及しているフレームFの内側上部に溝部Mが形成されているものを採用し(図5参照)、フック片2の先端をフレームFの上部から差し入れて溝部Mに掛止する(図6および図7参照)。
【0025】
そして、前記付勢部材3を前記サイドブラケットBの外側面に付勢する。この際、サイドブラケットBの外側面(遮蔽材Sの巻取軸部)に孔部が形成されている場合には、その孔部の中に付勢部材3を挿入して位置決めすることができる。
【0026】
このように付勢した状態(付勢部材3の圧縮状態)で、遮蔽装置AのフレームFの反対側の端部(およびサイドブラケットB)を、他方の窓枠壁面に直接当てがいながら、遮蔽装置Aおよび前記本体1を前記窓枠内側に嵌挿して、仮止めを行う(図8参照)。
【0027】
然る後、前記ウェッジ体5を押し込んで、前記傾斜面部4の上昇方向にスライドさせる(図9および図10参照)。ウェッジ体5を押し込む手段としては、手動のほか、工具を使用したり、後述する螺合式の機構を使用したりすることができる。
【0028】
こうすることによって、ウェッジ体5の押さえ面51が、前記フレームFの軸線上の側端面に圧接される。本発明では、ウェッジ体5の押さえ面51が圧接される部分が、フレームFの軸線上の側端面に位置することによって、遮蔽装置Aの中の最も強度の高い部位に効果的に作用させることができて、フレームFの無用な変形や破損を防止することができ、確実に押さえ付けることができる。
【0029】
このようして、前記本体1が前記遮蔽装置Aと窓枠内側の壁面Wとの隙間に固定することができる(図11参照)。
【0030】
なお、このウェッジ体5のスライド作業には、大きな力が必要になるため、ウェッジ体5を確実に押し込むために、本実施形態では、前記ウェッジ体5にネジ部52を形成して、このネジ部52に螺合する操作ネジ53の回転によってウェッジ体5を押し込んで、前記傾斜面部4の表面をスライド可能に構成することができる(図12から図14参照)。
【0031】
前記ネジ部52は、ウェッジ体5の躯体に切削等の加工をして形成しても良いし、ウェッジ体5の内部にナットを埋設して形成しても良い。また、操作ネジ53には、蝶ネジ形状のものを採用することによって、歯車機構によって小さな力で済み、指先で簡単に回転操作することができて手指の安全性も高い。
【0032】
また、本実施形態では、前記傾斜面部4の上昇方向(ウェッジ体5の押込方向)は、水平方向の手前側または奥側に限らず、鉛直方向の上側、下側の何れでもあっても良い。この際、水平または鉛直の一方に限らず、ウェッジ体5の鉛直運動方向にも傾斜させて、ウェッジ体5を押し込んで、鉛直方向にも上昇させることによって、前記遮蔽装置Aに対する鉛直方向への付勢力にすることもでき、保持力をより高めて落下リスクを低減することができる。
【0033】
更にまた、本実施形態では、必要に応じて、本体1の外側面に、スペーサ部材を取付可能であり、隙間の間隔が大きい場合などに補正することができる。このスペーサ部材には、発泡ウレタンなどの伸縮性や緩衝性のある材料や滑りにくい材料を使用することが好ましい。
【0034】
本発明は、概ね上記のように構成されるが、図示の実施形態に限定されるものでは決してなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、フック片2の形状は、本体1の上部から2本の鉤状部を突出して形成するものに限らず、フレームFの溝部Mに掛止できるものであれば良い。
【0035】
また、傾斜面部4の傾斜面とウェッジ体5の境界面を鋸刃状にして、段階的に押し込むことができるように構成することもできる。
【0036】
更にまた、傾斜面部4の傾斜面の表面に凹凸を設けたり、摩擦抵抗のある層(塗料やゴムシート等)を設けて、傾斜面部4とウェッジ体5との摩擦抵抗力を大きくすることもでき、これら何れのものも本発明の技術的範囲に属する。
【符号の説明】
【0037】
1 本体
2 フック片
3 付勢部材
4 傾斜面部
5 ウェッジ体
51 押さえ面
52 ネジ部
53 操作ネジ
A 遮蔽装置
S 遮蔽材
B サイドブラケット
F フレーム
M 溝部
W 壁面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14