(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079961
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】介護ベッド
(51)【国際特許分類】
A61G 7/02 20060101AFI20230601BHJP
A61G 9/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A61G7/02
A61G9/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021204646
(22)【出願日】2021-11-29
(71)【出願人】
【識別番号】594204273
【氏名又は名称】▲高▼橋 淳
(72)【発明者】
【氏名】高橋 淳
【テーマコード(参考)】
4C040
4C341
【Fターム(参考)】
4C040AA11
4C040AA27
4C040FF06
4C040FF15
4C341JJ03
4C341JL01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】嫌悪度の高い作業を少なく且つ目線から遠ざけることにより従事者を確保し、又、被介護者自身もおむつで排泄・介護者が処理してくれる嫌な待ち時間を無くすことにより快適な業務・ベッド上の時間を為せる様にする。
【解決手段】尻に当たる部分の敷布団を敷布団全体とは別体として退避させ、便受け2fを尻下へ移動するのも電動操作出来るようにし、自分だけで排泄可能とすれば、被介護者・介護者とも不快感を持たなくて済み、便受け2fを悪臭防止膜2eで覆えば排泄の都度に汚物を捨てに行く移動の手間も省けて、特に病院にては看護師の時間節約になって、他の患者への対処に時間を振り向けられる。トイレットペーパーでの尻拭きは、ペーパー挟み機能を持った棒を退避した敷布団別体を梃子(その時は便受け2fの退避要す)にしての操作をすれば、多くの部品を要する清掃用具移動装置を削減しうる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドのマットレスの中央部と敷布団の中央部をその全体とは別体の物とし、その昇降装置を備えると共に、排泄物を受ける筐体とその移動装置を備え、筐体は移動装置全体とは脱着可能であり、排泄物を受ける容器を覆う弾性を有する膜を展開・巻取りし得る機構を備えた、ベッド。
【請求項2】
請求項1のベッドにおいて、排泄物を受ける筐体とその移動装置が退避後の空間に、紙を把持する部材が、足先方向へ移動する時は高い位置・背中方向へ移動する時は低い位置を動くようにした、ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本ベッドは、車椅子へ移乗したり・させたりするのも困難な程体が不自由で、腕だけが辛うじて動かせる人が押釦やタッチパネルで操作させうる電動ベッドにて、ベッド上にいたままで排泄を行えるようにしたものである。
と共に、その介護士がおむつを取り替える作業をしなくて済み、手を汚すや匂いと汚物を身近に目にすることで嫌な感じを抱くのを少なくして、働き易くする様にすると共に、看護師の作業時間を本来の医療業務に多く向けられる様にする。
又、自宅介護においては、同居者が世話をせざるを得なくて、勤務地へ出かけられない等の収入減少を来すことが無い様にする。
【背景技術】
【0002】
現行のベッドは、ベッドからの立ち上がりを楽にするものはできているし、長時間の寝心地を良くするものは多く見られるが、寝たまま排泄出来るのは、市場では見られていなくて、ベッド脇に置かれた便器へ移動する為に、一旦は体を起き上がらせねばならないものや、腰を持ち上げて受け皿をその下へ置いて排泄する、その都度看護する人もベッドまで出向いて手伝わなければならない、手間を要するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
実用新案登録3231450号では、尻下部の敷布団を取り外して、その下にある排泄物受けに排泄し、湯で尻を洗浄するベッドとなっているが、液体吹き付けだけでの洗浄だと場合によっては高速吹き付けを要し、姿勢が不適切だと、周囲に汚物が飛散・付着や確実な洗浄がされない懸念がある。
又、実用新案登録3223004号では、尻下からの部分を足先方向へ移動させるので、ベッドと壁に移動用空間を要する欠点も有り、排泄後の仰向け姿勢に戻る際には、体を大きく曲げて、足先へ移動させたベッド部分を引き寄せなければならない難点も有った。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
排泄は1日に多数回で、介護する人にとっては病室やトイレまで行く時間を含めると多くの時間を要するし、作業の質は手の汚れ・匂い・目近での汚物目視の嫌な行為をしなくて済む様にしようとするものである。
それには、上半身に力の残っている人であれば特願2021-188199号等に示される車椅子で、自分自身でトイレへ行けるが、上半身にも力の無くなった人はベッド上の儘で電動にて、排泄行為を行って貰おうとするものである。
電動構造としては、背起こしは電動ベッドに多く見られるが、
図2に示すように駆動源をベッド脇に配し、敷布団移動装置を中央で上下移動、排泄物を受ける筐体とその移動装置を足先からの横移動、尻の清掃用器具を背中側からの斜め移動、で配した。
更には、排泄物受け容器を弾性膜にて覆うことによって、被介護者への匂いを減らし、装置から外して捨てる介護者はその覆いにて捨てる直前までは直接目にしなくて済む様にした。
【発明の効果】
【0005】
業務内容としては、嫌悪度の高い作業を成るべく少なく且つ目線から遠ざけることによって従事者を確保し、又、被介護者自身もおむつで排泄・介護者が処理してくれる嫌な待ち時間を無くすことによって、より快適な業務・ベッド上の時間を為せる様にした。
【発明を実施するための形態】
【0006】
請求項1の実施例は、自らの指操作で電動機器を動かして排泄までを為し、その後の尻清掃はベッド脇に備えた用具にトイレットペーパーを挟み、下降した敷布団中央部の下支えとして利用する等自力にて用具を動かして行う。
請求項2の実施例は、清掃用具移動装置を備えるが、1回目の作動時は移動装置の位置を変える掴み操作棒を動かしてから更に前進させ、トイレットペーパーを挟む手動操作となる。
【実施例0007】
請求項1では、ベッド脇の押しボタン又はタッチパネルにて、敷布団の背部1aを起こし→敷布団の中央部1bを下降→排泄物受け筐体2aが移動装置2にて尻下へ移動→排泄→<小用>の場合はベッド脇のトイレットペーパーで清掃、<大>の場合はベッド脇の用具にウエットティッシュを挟んで自分で清掃。
請求項2の電動操作では、初回は清掃用具移動装置3を一旦停止しベッド脇の掴み操作棒3aで脇に位置させ、更に前進させウエットティッシュ3bを挟む→清掃用具移動装置3を背中側へ後退させる→引き続いて反転前進させて尻拭きし、ウエットティッシュ3bを外す→2回目以降は好みによってウエットティッシュをトイレットペーパーに変えて挟み→後退させて前進。
使用済みティッシュ・ペーパーはペーパー受け4aに置く。
排泄終了にて、清掃用具移動装置3を背中側へ後退→排泄物受け筐体2aが尻下へ移動→排泄物受け筐体2aに備えられた電磁石2cに通電してラチェット爪2dの係止が外れ悪臭防止膜2eが巻き戻され→ペーパー受け装置4が尻下へ回動後ペーパー受け4aが半回転して便受け2fにウエットティッシュ3bを落下→悪臭防止膜2eが巻かれて便受け2fを覆う→排泄物受け筐体2aが足先へ移動→敷布団の中央部1bが尻下へ戻る、にて一連の排泄動作は完了となる。
ベッドの敷布団下及び上記装置外周には防臭幕5が取り付けられていて、その外側上部に廃棄管(図示無し)を配し、室外排気すれば匂いの大半を排出し得る。
汚物の廃棄は、排泄物受け移動装置2から
図2の状態で外し、悪臭防止膜2eは便受け2fを覆った儘で汚物廃棄場所まで運べる構造を為す。廃棄時は、悪臭防止膜牽引板2gを押さえた状態でラチェット爪2dの係止を外せば、巻き取り筒2iに備えられた捩りコイルばね2jにて巻き戻されるので、便受け2fが現出し持ち上げ可能となる。
ベッド下へ戻すのは、ラチェット爪2dが電磁石2cの下に入る様に、排泄物受け筐体底部2kを移動装置2の底面部2mに接しさせて奥へ滑らせ、傘歯車2hをベッドに備えられた駆動傘歯車1cに係合されて、設置完了となる。
今後益々高齢化が進行していく先進国において、医療・介護分野の業務効率を向上させること、家庭での介護に健常者の時間を割かれてしまうことを無くすことにより、人手を人間本来の創造業務に向かわせて、後進国からの人手調達を避け、平等化社会づくりへと進展させたい。