(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023079993
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】扉自動開閉用駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
E05F 15/622 20150101AFI20230601BHJP
F16H 21/10 20060101ALI20230601BHJP
F16H 25/22 20060101ALI20230601BHJP
E05F 15/77 20150101ALI20230601BHJP
【FI】
E05F15/622
F16H21/10 Z
F16H25/22 Z
E05F15/77
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085948
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2021192776
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000108708
【氏名又は名称】タキゲン製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 志朗
【テーマコード(参考)】
2E052
3J062
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052BA04
2E052CA06
2E052DA05
2E052DA08
2E052DB05
2E052DB08
2E052EA02
2E052EB01
2E052EC01
3J062AA48
3J062AB22
3J062AB27
3J062AC07
3J062BA11
3J062BA35
3J062CB02
3J062CB12
3J062CB32
3J062CD04
(57)【要約】
【課題】データセンターのラックの扉を作業ロボットにより自動開閉できるようにする。
【解決手段】駆動ユニットUは、起動ブロック2を進退駆動するアクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4、ドアアーム5及び扉取付ブラケット6からなり、これらが筐体本体R1内に平面的に水平に配置されて、扉R2に連結され、アクチュエータ1が外部装置により自動的に駆動されて、扉R2を自動開閉するようになっている。このようにして作業ロボットに外部装置を搭載し、作業ロボットにより扉を自動開閉する。
【選択図】
図6-2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口を有する筐体本体と筐体本体の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として前記開口を開閉する扉とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉の自動開閉に用いる扉自動開閉用駆動ユニットであって、
筐体本体内で扉の回動支点側に略水平に配置され、筐体本体の開口に向けて起動ブロックを進退駆動するアクチュエータと、
筐体本体内で前記アクチュエータに沿って略水平に延び、一端を前記アクチュエータの前記起動ブロックに軸支されて、前記起動ブロックの進退駆動とともに他端が筐体本体の開口に対して進退する進退アームと、
筐体本体内で一端を回動支点として前記アクチュエータと筐体本体の開口との間に軸支され、他端を回動端として筐体本体の開口に対して後退された待機位置と筐体本体の開口から外部に向けて突出される突出位置との間で略水平に回動可能に配置され、前記回動支点側の中間部を前記進退アームの前記他端に軸支されて前記進退アームにより回転駆動される回動アームと、
一端を前記回動アームの前記回動端に軸支され、他端が筐体本体の開口で扉の背面の回動側に軸支されて、前記回動アームの回動により筐体本体の開口で扉の回動側から扉の開閉方向に進退駆動されるドアアームと、
を備え、
前記アクチュエータ、前記進退アーム、前記回動アーム、及び前記ドアアームが筐体本体内に平面的に水平に配置されて、前記ドアアームが扉の背面に扉取付ブラケットを介して軸支連結され、
前記アクチュエータに、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及び前記通信部で受信される制御信号に基いて前記起動ブロックを前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部を搭載され、前記アクチュエータが前記外部装置により自動的に駆動されて、扉を自動開閉する、
ことを特徴とする扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項2】
起動ブロックを含むアクチュエータ、進退アーム、回動アーム及びドアアームは前面に開口を有する薄型のケース内に組み立て収容されて、一体化される請求項1に記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項3】
1つのアクチュエータ、1つの進退アーム、1つの回動アーム、及び1つのドアアームを1装備として2装備が個別のケース内に組み立て収容されて構成され、各装備が筐体本体内に、同一平面上で各装備の駆動方向を反対方向に向けて、又は異なる平面上で各装備の駆動方向を同一方向若しくは反対方向に向けて、配置される請求項1に記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項4】
扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角の連結部からなり、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、扉の背面側に配置される連結プレートと、前記連結プレートの前記連結部の回動端に突設され、前記回転軸の周囲に回動可能に配置される連結ピンと、扉の背面で前記回転軸の近傍に扉の背面に対して略直角に突設され、前記連結プレートの、前記連結ピンがドアアームの端部に係合可能な所定の回転位置で前記連結プレートの前記取付部が係合可能な溝を有し、前記連結プレートの前記取付部と前記溝との係合により、前記連結プレートの回転を前記所定の回転位置で規制するとともに、扉の開閉方向の外力を受けるためのストッパープレートとを備えて、扉の背面に取り付けられ、前記ドアアームの端部に前記連結プレートの前記所定の回動位置で前記連結ピンを挿通して係合可能に連結孔を設けられて、前記扉取付ブラケットにより前記ドアアームと扉の背面が切り離し可能に連結される請求項1乃至3のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項5】
扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角の連結部からなり、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、扉の背面側に配置される連結プレートと、前記連結プレートの前記連結部の回動端に突設され、前記回転軸の周囲に回動可能に配置される連結ピンと、扉の背面で前記回転軸の近傍に扉の背面に対して略直角に突設され、前記連結プレートの、前記連結ピンがドアアームの端部に係合可能な所定の回転位置で前記連結プレートの前記取付部が係合可能な溝を有し、前記連結プレートの前記取付部と前記溝との係合により、前記連結プレートの回転を前記所定の回転位置で規制するとともに、扉の開閉方向の外力を受けるためのストッパープレートとを備えて、扉の背面に取り付けられ、前記ドアアームの端部に前記連結プレートの前記所定の回動位置で前記連結ピンを挿通して係合可能に連結孔を設けられ、併せて、扉を完全に閉じたときの起動ブロック、進退アーム、回動アーム及びドアアームの後退位置で、前記ドアアームを前記ドアアームの連結孔と前記連結プレートの前記連結ピンとの係合位置に向けて位置決めする位置決め装置を備え、前記扉取付ブラケットにより前記ドアアームと扉の背面が切り離し可能に連結される請求項1乃至3のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項6】
扉を完全に開いたときの起動ブロック、進退アーム、回動アーム及びドアアームの各部の前進位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉の開信号を送信し、扉を完全に閉じたときの前記各部の後退位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して前記制御部へ扉の閉信号を送信する扉開閉センサを併せて備える請求項1乃至5のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項7】
前面に開口を有する筐体本体と筐体本体の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として前記開口を開閉する扉とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉の自動開閉に用いる扉自動開閉用駆動ユニットであって、
筐体本体内で扉の回動支点側に略水平に配置され、筐体本体の開口に向けて起動ブロックを進退駆動するアクチュエータと、
筐体本体内で一端を回動支点として前記アクチュエータの前記起動ブロックに軸支され、他端を作動端として扉の背面で回動側に作動連結され、前記起動ブロックの進退駆動とともに扉の開口から当該開口の外部へ又はその反対に扉の開閉方向に進退駆動される一連一体の作動アームと、
を備え、
前記作動アームは、
先端を扉の背面で回動側に軸支されて、扉の後方に延び、扉を押し引きする作動部と、
前記作動部の後端に連続して扉の後方で扉の他側方向に凸の略ヘの字形に延び、前記作動部を扉の開閉方向に回動案内するガイド部と、
前記ガイド部の後端に連続して前記起動ブロックに向けて延び、後端を前記起動ブロックに軸支されて、前記ガイド部、前記作動部を駆動する駆動部と、
を有し、
前記アクチュエータ、前記作動アームが筐体本体内に平面的に水平に配置されて、前記作動アームが扉の背面に扉取付ブラケットを介して軸支連結され、
前記アクチュエータに、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及び前記通信部で受信される制御信号に基いて前記起動ブロックを前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部を搭載され、前記アクチュエータが前記外部装置により自動的に駆動されて、扉を自動開閉する、
ことを特徴とする扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項8】
起動ブロックを含むアクチュエータ、作動アームは前面に開口を有する薄型のケース内に組み立て収容されて、一体化される請求項7に記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項9】
1つのアクチュエータ及び1つの作動アームを1装備として、2装備が一体のケース内に又は個別のケースを合わせてなるケース内に各アクチュエータを両側に各作動アームを両側間中央に配置収容されて構成され、2装備が筐体本体内で同一平面上に又は異なる平面上で対称的に並列配置される請求項7に記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項10】
扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角で作動アームの端部に対して並列に配置可能な連結部を有し、前記連結部の一側に後記連結ピンに係合可能に連結溝を形成され、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、前記回転軸の回転により前記作動アームの後記連結ピンに対して係脱可能に扉の背面側に配置される連結プレートとを有し、前記作動アームの端部に前記連結プレートの前記連結溝に挿通して係合可能に連結ピンを突設されてなり、前記扉取付ブラケットにより前記作動アームと扉の背面が切り離し可能に連結される請求項7乃至9のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項11】
扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角で作動アームの端部に対して並列に配置可能な連結部を有し、前記連結部の一側に後記連結ピンに係合可能に連結溝を形成され、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、前記回転軸の回転により前記作動アームの後記連結ピンに対して係脱可能に扉の背面側に配置される連結プレートとを有し、前記作動アームの端部に前記連結プレートの前記連結溝に挿通して係合可能に連結ピンを突設されてなり、併せて、扉を完全に閉じたときの起動ブロック、作動アームの後退位置で、前記作動アームの作動部を前記作動アームの連結ピンと前記連結プレートの前記連結溝との係合位置に向けて位置決めする位置決め装置を備え、前記扉取付ブラケットにより前記作動アームと扉の背面が切り離し可能に連結される請求項7乃至9のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項12】
扉を完全に開いたときの起動ブロック、作動アームの各部の前進位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉の開信号を送信し、扉を完全に閉じたときの前記各部の後退位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して前記制御部へ扉の閉信号を送信する扉開閉センサを併せて備える請求項7乃至11のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項13】
アクチュエータは、駆動モータと、駆動モータの出力軸に作動連結され、回転駆動されるボールねじと、前記ボールねじ上に取り付け配置され、前記駆動モータの駆動により前記ボールねじ上で進退駆動されるナットとを有してなり、前記ナットに起動ブロックが搭載される請求項1乃至12のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項14】
アクチュエータの通信部、外部装置間が無線又は有線方式で接続され、前記アクチュエータは前記外部装置により駆動される請求項1乃至13のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【請求項15】
起動ブロックを含むアクチュエータ、進退アーム、回動アーム及びドアアームが、多数の情報処理装置をそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターを含むこの種の施設で前記各ラックに組み込まれて、この種の施設に装備され、自走機構を有する作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実行するロボット管理システムの前記作業ロボットに外部装置が搭載され、前記アクチュエータの通信部、前記外部装置間が無線方式で接続され、前記アクチュエータは前記作業ロボットの前記外部装置により無線で駆動される請求項1乃至14のいずれかに記載の扉自動開閉用駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバーなどの情報処理装置を収容するラックや各種の制御盤を収容するキャビネットなどの扉の自動開閉に使用する扉自動開閉用駆動ユニットに関し、特に、データセンターなどの各種施設でサーバーその他の各種情報処理装置を収容するのに用いるサーバーラックの扉の自動開閉に最適な扉自動開閉用駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にデータセンターでは、インターネット用サーバー、ネットワーク機器などの情報通信機器その他各種の情報処理装置が設置され、これらの情報処理装置により膨大な情報が蓄積される。
【0003】
データセンターのこれらの情報処理装置は、通常、縦横に整列配置された多数のサーバーラックに収容される。この種のサーバーラックは、例えば、特許文献1などにより提案されているように、前面に開口を有する直方体状の筐体本体と、前面の開口を開閉する扉とを備えて構成される。筐体本体は内部が複数枚の棚板により複数段に区切られており、各情報処理装置が多段的に載置される。扉は所謂開き戸式で、情報処理装置の保守点検の際に筐体本体前面の開口全面を開放することができる。また、セキュリティの面から、筐体本体、扉は堅固な構造で、扉に錠が設けられて、部外者などが情報処理装置に簡単には触れることができない。
【0004】
一方、このようなデータセンターでは、各情報処理装置が正常に運転されているか各情報処理装置に異常な動作が生じていないかなど、各情報処理装置の稼働状況が常時管理される。また、各情報処理装置は稼働時の発熱量が大きく、温度が過度に高くなると処理能力が低下し、誤作動や故障の原因となるため、各情報処理装置は効率よく冷却する必要があり、これらのサーバーラックには空調システムが併設されて、空調の管理が並行して行われる。さらに、各情報処理装置は電力消費量が大きいため、電力消費量の管理なども併せて実施される。
これらの管理は、現在のところ、作業員(つまり、ヒト)の作業により実行される。具体的に言えば、作業員がデータセンター内を巡回し、サーバーラック毎に、扉の施錠を外し扉を開けて、各情報処理装置の稼働状況などを目視により点検し確認する。点検が済むと、扉を閉め、施錠する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-217572号
【特許文献2】特開2004-108782号
【特許文献3】特開2021-170386号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般のデータセンターなどのこの種の施設では、サーバーなど多数の情報処理装置の稼働状況などの管理が、通常、人手によって行われている。このため、これらの管理作業には多くの人員を要し、その結果コストは増大する。そこで、この種の施設では、近年一般にも知られているロボット技術を用いた保守点検システムや見回りシステムなどの導入又はその検討が進められている。
【0007】
このロボット技術を用いた保守点検システムや見回りシステムは、作業ロボット制御装置からの指示に基いて、作業ロボットが作業エリアを巡回し、作業エリアで各種の作業を実行するもので、先行技術文献でも特許文献2、3など多くの文献により提案されている。このロボット技術を用いた保守点検システムや見回りシステムを。一般のデータセンターを含むこの種の施設で利用することにより、従来必要とされた多くの人員やコストの削減を期待することができる。
【0008】
しかしながら、このロボット技術を用いたシステムをデータセンターなどで情報処理装置の管理に適用しようとすると、現在人手で行われている作業、つまり、作業員がデータセンター内を巡回し、サーバーラック毎に、扉の施錠を外し扉を開けて、各情報処理装置の稼働状況などを目視により点検し、点検後、扉を閉め施錠する一連の作業のうち、データセンター内を巡回し、サーバーの稼働状況などを確認する作業をロボットに代行させることができるものの、サーバーラックの扉の施錠を鍵を使って外し、扉を引きながら円弧状に開動させる扉を開ける作業と、反対に扉を押しながら円弧状に閉動させ、鍵を使って施錠する扉を閉める作業をロボットに行わせることは難しい。
【0009】
そこで、本発明は、このような従来の問題を解決するもので、多数の情報処理装置がそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターなどこの種の施設に、自走式の作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実施するロボット技術を用いた管理システムを導入する場合に、作業ロボットによるラックの扉の自動開閉を実現し、この種の施設において各情報処理装置の各種の管理の、作業ロボットによる自動化に資することのできる扉自動開閉用駆動ユニットを提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、
前面に開口を有する筐体本体と筐体本体の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として前記開口を開閉する扉とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉の自動開閉に用いる扉自動開閉用駆動ユニットであって、
筐体本体内で扉の回動支点側に略水平に配置され、筐体本体の開口に向けて起動ブロックを進退駆動するアクチュエータと、
筐体本体内で前記アクチュエータに沿って略水平に延び、一端を前記アクチュエータの前記起動ブロックに軸支されて、前記起動ブロックの進退駆動とともに他端が筐体本体の開口に対して進退する進退アームと、
筐体本体内で一端を回動支点として前記アクチュエータと筐体本体の開口との間に軸支され、他端を回動端として筐体本体の開口に対して後退された待機位置と筐体本体の開口から外部に向けて突出される突出位置との間で略水平に回動可能に配置され、前記回動支点側の中間部を前記進退アームの前記他端に軸支されて前記進退アームにより回転駆動される回動アームと、
一端を前記回動アームの前記回動端に軸支され、他端が筐体本体の開口で扉の背面の回動側に軸支されて、前記回動アームの回動により筐体本体の開口で扉の回動側から扉の開閉方向に進退駆動されるドアアームと、
を備え、
前記アクチュエータ、前記進退アーム、前記回動アーム、及び前記ドアアームが筐体本体内に平面的に水平に配置されて、前記ドアアームが扉の背面に扉取付ブラケットを介して軸支連結され、
前記アクチュエータに、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及び前記通信部で受信される制御信号に基いて前記起動ブロックを前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部を搭載され、前記アクチュエータが前記外部装置により自動的に駆動されて、扉を自動開閉する、
ことを要旨とする。
この扉自動開閉用駆動ユニットはさらに次のような構成を備えることが好ましい。
(1)起動ブロックを含むアクチュエータ、進退アーム、回動アーム及びドアアームは前面に開口を有する薄型のケース内に組み立て収容されて、一体化される。
(2)1つのアクチュエータ、1つの進退アーム、1つの回動アーム、及び1つのドアアームを1装備として2装備が個別のケース内に組み立て収容されて構成され、各装備が筐体本体内に、同一平面上で各装備の駆動方向を反対方向に向けて、又は異なる平面上で各装備の駆動方向を同一方向若しくは反対方向に向けて、配置される。
(3)扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角の連結部からなり、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、扉の背面側に配置される連結プレートと、前記連結プレートの前記連結部の回動端に突設され、前記回転軸の周囲に回動可能に配置される連結ピンと、扉の背面で前記回転軸の近傍に扉の背面に対して略直角に突設され、前記連結プレートの、前記連結ピンがドアアームの端部に係合可能な所定の回転位置で前記連結プレートの前記取付部が係合可能な溝を有し、前記連結プレートの前記取付部と前記溝との係合により、前記連結プレートの回転を前記所定の回転位置で規制するとともに、扉の開閉方向の外力を受けるためのストッパープレートとを備えて、扉の背面に取り付けられ、前記ドアアームの端部に前記連結プレートの前記所定の回動位置で前記連結ピンを挿通して係合可能に連結孔を設けられて、前記扉取付ブラケットにより前記ドアアームと扉の背面が切り離し可能に連結される。
回転軸は、例えば、シリンダ錠からなり、操作部は、例えば、前記シリンダ錠を施錠、解錠する鍵からなる。また、回転軸及び操作部は、例えば、ラック又はキャビネットなどに用いられる錠前付きの扉用ハンドルからなるものであってもよい。
また、扉取付ブラケットは、水平面と垂直面とを有する連結プレートと、ドアアームの端部と前記連結プレートの水平面との間に通される連結ピンとからなり、前記ドアアームの端部と前記連結プレートの水平面が前記連結ピンにより相互に回動可能に連結され、前記扉取付ブラケットの垂直面が扉の背面に取り付けられるものであってもよい。
(4)扉を完全に閉じたときの起動ブロック、進退アーム、回動アーム及びドアアームの後退位置で、前記ドアアームを前記ドアアームの連結孔と前記連結プレートの前記連結ピンとの係合位置に向けて位置決めする位置決め装置を併せて備える。
位置決め装置は、例えば、回動アームの後退位置に後退される前記回動アームに近接して配置され、前記回動アームの回動を規制する回動アームストッパーと、前記回動アームと前記ドアアームとの間に配設され、前記回動アームの後退位置で前記ドアアームの前記回動アーム方向の回動を規制して前記ドアアームを前記ドアアームの連結孔と前記連結プレートの連結ピンとの係合位置に向けて案内するドアアームストッパーと、前記回動アームと前記ドアアームとの間に配設され、前記ドアアームを常態として前記回動アームに向けて回動付勢するバネとからなり、前記ドアアームの連結孔を前記連結プレートの所定の回転位置で前記連結プレートの連結ピンに係合可能に前記ドアアームを位置決めするものとすることが好ましい。
(5)扉を完全に開いたときの起動ブロック、進退アーム、回動アーム及びドアアームの各部の前進位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉の開信号を送信し、扉を完全に閉じたときの前記各部の後退位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して前記制御部へ扉の閉信号を送信する扉開閉センサを併せて備える。
扉開閉センサは、例えば、起動ブロックの駆動経路上に設置され、前記起動ブロックの前進方向の端部の前記起動ブロックを検知し、前記制御部へ扉の開信号を送信する扉開センサと、回動アームの回動経路上に設置され、回動アームの後退位置の前記回動アームを検知し、制御部へ扉の閉信号を送信する扉閉センサとからなることが好ましい。
(6)アクチュエータは、駆動モータと、駆動モータの出力軸に作動連結され、回転駆動されるボールねじと、前記ボールねじ上に取り付け配置され、前記駆動モータの駆動により前記ボールねじ上で進退駆動されるナットとを有してなり、前記ナットに起動ブロックが搭載される。
(7)アクチュエータの通信部、外部装置間は無線方式とし、前記アクチュエータは前記外部装置により無線で駆動される。
(8)起動ブロックを含むアクチュエータ、進退アーム、回動アーム及びドアアームが、多数の情報処理装置をそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターを含むこの種の施設で前記各ラックに組み込まれて、この種の施設に装備され、自走機構を有する作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実行するロボット管理システムの前記作業ロボットに外部装置が搭載され、前記アクチュエータの通信部、前記外部装置間を無線方式とし、前記アクチュエータは前記作業ロボットの前記外部装置により無線で駆動される。
【0011】
上記目的を達成するために、本発明はまた、
前面に開口を有する筐体本体と筐体本体の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として前記開口を開閉する扉とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉の自動開閉に用いる扉自動開閉用駆動ユニットであって、
筐体本体内で扉の回動支点側に略水平に配置され、筐体本体の開口に向けて起動ブロックを進退駆動するアクチュエータと、
筐体本体内で一端を回動支点として前記アクチュエータの前記起動ブロックに軸支され、他端を作動端として扉の背面で回動側に作動連結され、前記起動ブロックの進退駆動とともに扉の開口から当該開口の外部へ又はその反対に扉の開閉方向に進退駆動される一連一体の作動アームと、
を備え、
前記作動アームは、
先端を扉の背面で回動側に軸支されて、扉の後方に延び、扉を押し引きする作動部と、
前記作動部の後端に連続して扉の後方で扉の他側方向に凸の略ヘの字形に延び、前記作動部を扉の開閉方向に回動案内するガイド部と、
前記ガイド部の後端に連続して前記起動ブロックに向けて延び、後端を前記起動ブロックに軸支されて、前記ガイド部、前記作動部を駆動する駆動部と、
を有し、
前記アクチュエータ、前記作動アームが筐体本体内に平面的に水平に配置されて、前記作動アームが扉の背面に扉取付ブラケットを介して軸支連結され、
前記アクチュエータに、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及び前記通信部で受信される制御信号に基いて前記起動ブロックを前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部を搭載され、前記アクチュエータが前記外部装置により自動的に駆動されて、扉を自動開閉する、
ことを要旨とする。
この扉自動開閉用駆動ユニットはさらに次のような構成を備えることが好ましい。
(1)起動ブロックを含むアクチュエータ、作動アームは前面に開口を有する薄型のケース内に組み立て収容されて、一体化される。
(2)1つのアクチュエータ及び1つの作動アームを1装備として、2装備が一体のケース内に又は個別のケースを合わせてなるケース内に各アクチュエータを両側に各作動アームを両側間中央に配置収容されて構成され、2装備が筐体本体内で同一平面上に又は異なる平面上で対称的に並列配置される。
(3)扉取付ブラケットは、扉の正面、背面間に挿通配置される回転軸と、前記回転軸の一端に前記回転軸を回転可能に設けられ、扉の正面側に配置される操作部と、扉の背面に対して略平行な取付部及び扉の背面に対して略直角で作動アームの端部に対して並列に配置可能な連結部を有し、前記連結部の一側に後記連結ピンに係合可能に連結溝を形成され、前記取付部を前記回転軸の他端に取り付けられて、前記回転軸と一体回転可能に設けられ、前記回転軸の回転により前記作動アームの後記連結ピンに対して係脱可能に扉の背面側に配置される連結プレートとを有し、前記作動アームの端部に前記連結プレートの前記連結溝に挿通して係合可能に連結ピンを突設されてなり、前記扉取付ブラケットにより前記作動アームと扉の背面が切り離し可能に連結される。
また、扉取付ブラケットは、一端に連結ピン挿通孔を有し、他端を作動アームの端部に軸支されて、一端を作動アームの端部から水平に突出されるアーム側連結プレートと、一端に連結ピン挿通孔を有し、他端が扉の背面に軸支されて、一端を扉の後方に向けて水平に突出される扉側連結プレートと、前記アーム側連結プレートの前記連結ピン挿通孔と前記扉側連結プレートの前記連結ピン挿通孔との間に着脱可能に挿通され、前記アーム側連結プレートと前記扉側連結プレートとを結合する連結ピンとからなるものであってもよい。
(4)扉を完全に閉じたときの起動ブロック、作動アームの後退位置で、前記作動アームの作動部を前記作動アームの連結ピンと前記連結プレートの前記連結溝との係合位置に向けて位置決めする位置決め装置を併せて備える。
位置決め装置は、例えば、作動アームの後退位置に後退される前記作動アームに近接して配置され、前記作動アームの後退方向の駆動を規制して前記作動アームの作動部を前記作動アームの連結ピンと連結プレートの連結溝との係合位置に向けて案内する作動アームストッパーと、前記作動アームを常態として後退方向に駆動付勢するバネとからなり、前記作動アームの連結ピンを前記連結プレートの所定の回動位置で前記連結プレートの連結溝に係合可能に前記作動アームを位置決めするものとすることが好ましい。
(5)扉を完全に開いたときの起動ブロック、作動アームの各部の前進位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉の開信号を送信し、扉を完全に閉じたときの前記各部の後退位置で、前記各部の少なくとも一部を検知して前記制御部へ扉の閉信号を送信する扉開閉センサを併せて備える。
扉開閉センサは、例えば、起動ブロックの前進方向の端部の前記起動ブロックを検知して、制御部へ扉の開信号を送信する扉開センサと、前記起動ブロックの後退方向の端部の前記起動ブロックを検知して、前記制御部へ扉の閉信号を送信する扉閉センサとからなることが好ましい。
(6)アクチュエータは、駆動モータと、駆動モータの出力軸に作動連結され、回転駆動されるボールねじと、前記ボールねじ上に取り付け配置され、前記駆動モータの駆動により前記ボールねじ上で進退駆動されるナットとを有してなり、前記ナットに起動ブロックが搭載される。
(7)アクチュエータの通信部、外部装置間は無線又は有線方式で、前記アクチュエータは前記外部装置により駆動される。
(8)起動ブロックを含むアクチュエータ、進退アーム、回動アーム及びドアアームが、多数の情報処理装置がそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターを含むこの種の施設で前記各ラックに組み込まれて、この種の施設に装備され、自走機構を有する作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実行するロボット管理システムの前記作業ロボットに外部装置が搭載され、前記アクチュエータの通信部、前記外部装置間を無線方式とし、前記アクチュエータは前記作業ロボットの前記外部装置により無線で駆動される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の扉自動開閉用駆動ユニットによれば、上記の構成により、多数の情報処理装置がそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターなどこの種の施設に、自走式の作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実施するロボット管理システムを導入する場合に、各ラックに本扉自動開閉用駆動ユニットを用い、作業ロボットに外部装置を搭載することで、作業ロボットによる扉の自動開閉を実現することができ、この種の施設において各情報処理装置の各種の管理の、ロボットによる自動化に資することができる、という本発明独自の格別な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る扉自動開閉用駆動ユニットの構成を示す平面図
【
図5-1】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が閉められた初期状態を示す斜視図
【
図5-2】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が閉められた初期状態を示す平面図
【
図6-1】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が開けられる開動中の状態を示す斜視図
【
図6-2】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が開けられる開動中の状態を示す平面図
【
図7-1】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が完全に開けられて筐体本体の前面が開放された全開状態を示す斜視図
【
図7-2】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が完全に開けられて筐体本体の前面が開放された全開状態を示す平面図
【
図8】同駆動ユニットの使用例を示し、特に、同駆動ユニットにより扉が閉められて初期状態に戻された状態を示す斜視図
【
図9】本発明の第2の実施の形態に係る扉自動開閉用駆動ユニットの構成を示す平面図
【
図10】同駆動ユニットの要部の構成を示す図((a)は側面断面図(b)は背面断面図)
【
図11】同駆動ユニットの要部の構成を示す図((a)は平面図(b)は側面図(c)は背面図)
【
図12】同駆動ユニットの要部の構成を示す図((a)は平面図(b)は側面図)
【
図14】本発明の第3の実施の形態に係る扉自動開閉用駆動ユニットの構成を示す平面図
【
図15】同駆動ユニットの要部の構成を示す図((a)は平面断面図(b)は側面断面図)
【
図16-1】同駆動ユニットの使用例(同駆動ユニットの扉を閉じるときの動作状態)を示す平面図
【
図16-2】同駆動ユニットの使用例(同駆動ユニットの扉を開けるときの動作状態)を示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、この発明を実施するための形態について図を用いて説明する。
図1乃至
図3にこの発明の第1の実施の形態に係る扉自動開閉用駆動ユニットの構成を示している。
【0015】
図1乃至
図3に示すように、扉自動開閉用駆動ユニットU(以下、単に駆動ユニットUという。)は、前面に開口を有する筐体本体と筐体本体の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として開口を開閉する所謂開き戸式の扉とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉の自動開閉に用いるもので、アクチュエータ1及び起動ブロック2と、進退アーム3と、回動アーム4と、ドアアーム5と、を備えて構成され、アクチュエータ1は外部装置(図示省略)と電気的に接続されて、外部装置の制御により自動的に駆動され、各アーム2-5が作動するようになっている。
【0016】
なお、この駆動ユニットUのこれら各部1-5は、ラックの筐体本体内に設置されて組み立てられてもよいが、ここでは、起動ブロック2を含むアクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4及びドアアーム5が前面部に開口部C0を有する薄型のケースC内に設置収容され、全体として一体化されて、筐体本体内に組み込まれるものになっている。この場合、ケースCは浅い深さの箱形で、前後方向に少し長い長方形の底面部C1と、底面部C1の左右の各側縁部から立ち上げられ、前後方向に細長い長方形の左右の側面部C2と、底面部C1の後側縁部から立ち上げられ、左右方向に細長い長方形の後面部C3と、底面部C1の前側縁部から立ち上げられ、左右方向に細長い凹形(コ字形)の前面部C4と、天面部C5とを有し、前面部C4に左右方向に細長い開口部C40を有する左右方向に細長い化粧板C41が取り付けられてなる。また、この場合、化粧板C41は前面部C4の長さよりも少し長く、左右両端が前面部C4の左右両側から少し突出され、これらの突出部分がこのケースCの(ラックに対する)取付部になっている。また、ケースCの左右の両側面部C2の後部にそれぞれ、平面視略L字形をなすエンドプレートC21が各側面部C2の後端部から後方に突出して取り付けられて、これらエンドプレートC21の後端が各側面部C2に対して直角方向に突出され、これらの突出部分がまたこのケースCの(ラックに対する)取付部になっている。
【0017】
アクチュエータ1は、筐体本体内で扉の回動支点側に略水平に配置され、筐体本体の開口に向けて起動ブロック2を進退駆動する。この場合、アクチュエータ1は、ボールねじ方式が採用され、駆動モータ11と、駆動モータ11の出力軸111に作動連結され、回転駆動されるボールねじ12と、ボールねじ12上に取り付け配置され、駆動モータ11の駆動によりボールねじ12上で進退駆動されるナット13とを有してなり、ナット13に起動ブロック2が搭載される。また、アクチュエータ1に、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及びこの通信部で受信される制御信号に基いて起動ブロック2を前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部(図示省略)が搭載される。
【0018】
この場合、駆動モータ11は、ギヤードモータが使用され、筐体本体内の扉の回動支点側で奥側に、つまり筐体本体の後面側に、出力軸111を筐体本体の前面に向けて設置される。なお、この場合、駆動モータ11は(既述の)ケースCの底面部C1の一側部側の後部に出力軸111を化粧板C41の開口部C40に向けて、モータブラケット14を介して、取り付けられる。また、この駆動モータ11には、アクチュエータ1の通信部及び制御部をなす既存の無線方式の通信機能を有する制御ユニットが内蔵され、外部装置からの制御信号により、出力軸111が正転方向又は逆転方向に回転され、又は回転を停止されるようになっている。
【0019】
この場合、ボールねじ12は、駆動モータ11の出力軸111から筐体本体の前面近傍まで延びる長さを有し、筐体本体内の扉の回動支点側に、つまり筐体本体の回動支点側の一側面側に沿って、軸方向を筐体本体の前後に向けて回転可能に設置される。なお、この場合、ボールねじ12は(既述の)ケースCの底面部C1において一側面部C2側にこの一側面部C2に沿って、軸方向前後両端側をベアリングを介して支持ブラケット15により、取り付けられる。そして、ボールねじ12の後端と駆動モータ11の出力軸111とをカップリング16を介して一体回転可能に連結される。
【0020】
この場合、ナット13は、円筒部131と、円筒部131の外周面後部に外周方向に突出される張り出し部132とを有し、円筒部131の内周面にボールねじ12に螺合可能にねじを有してなる。ナット13はボールねじ12にこのボールねじ12の回転により筐体本体の前後方向に、この場合、ケースCの前後方向に移動可能に取り付けられる。
【0021】
この場合、起動ブロック2は、ナット13の上下に一対のプレート21が取り付けられ、左右方向の側方にガイドローラ22を軸支されてなる。一対のプレート21は進退アーム3を接続するためのもので、各プレート21は、ナット13の上部、下部から筐体本体の他側面方向に頂部を含む一端側が突出される略台形に形成され、各プレート21の後縁部間が連結部211を介して連結されるとともに各プレート21の一端縁部間、この場合、左端縁部間に軸受部212を形成されて、一体になっている。ガイドローラ22はナット13の側方でケースCの底面部C1上を転動可能な大きさのローラからなる。一対のプレート21はナット13の上下に配置され、ナット13の張り出し部132と各プレート21間の連結部211とを取付ねじS1により固定されて、ナット13に取り付けられる。ガイドローラ22はこの一対のプレート21間の軸受部212に回動軸を介して回動可能に取り付けられる。
【0022】
進退アーム3は、筐体本体内でアクチュエータ1のボールねじ12に沿って略水平に延び、一端をアクチュエータ1の起動ブロック2に軸支されて、起動ブロック2の進退駆動とともに他端が筐体本体の開口に対して進退される。
【0023】
この場合、進退アーム3は平面視略くの字形をなす細長いプレートからなり、中間の屈曲部から後端部までの長さよりも中間の屈曲部から前端部までの長さが少し長くなっている。この進退アーム3は、後端部が起動ブロック2の一対のプレート21の頂部間に配置され、これら後端部、各頂部間に連結ピンP1を通されて、一対のプレート21間に回動可能に取り付けられる。
【0024】
回動アーム4は、筐体本体内で一端を回動支点としてアクチュエータ1と筐体本体の開口との間に軸支され、他端を回動端として筐体本体の開口に対して後退された待機位置と筐体本体の開口から外部に向けて突出される突出位置との間で略水平に回動可能に配置され、回動支点側の中間部を進退アーム3の他端に軸支されて進退アーム3により回転駆動される。
【0025】
この場合、回動アーム4は、平面視直線状をなす細長いプレートからなり、進退アーム3の長さよりも長く、ケースCの化粧板C41の開口部C40の長さよりも少し短い長さを有する。この回動アーム4には長さ方向中間部で回動支点側に近い位置に、平面視略三角形状をなす取付プレート41が筐体本体の後面、この場合、ケースCの後面部C3に向けて突出して形成される。この回動アーム4は一端、この場合、右端がアクチュエータ1の前部、この場合、ボールねじ12の前端の直前にケースCの底部C1上に設置された台座42に連結ピンP2を介して回動可能に取り付けられる。そして、この回動アーム4の中間部の取付プレート41の頂部と進退アーム3の前端部との間に連結ピンP3を通されて、相互に回動可能に連結される。
【0026】
ドアアーム5は、一端を回動アーム4の回動端に軸支され、他端が筐体本体の開口で扉の回動側に延び、この他端に扉取付ブラケット6を回動可能に軸支されて、回動アーム4の回動により筐体本体の開口で扉の回動側から扉の開閉方向に進退駆動される。
【0027】
この場合、ドアアーム5は、平面視直線状をなす細長いプレートからなり、進退アーム3の長さよりも長く、回動アーム4の長さよりも短い長さを有する。扉取付ブラケット6は、アングルプレートからなり、平面視細長い略三角形をなす水平面と、この水平面の三角形の底辺をなす縁部から立ち上げられて正面視細長い略長方形をなす垂直面とを有する。ドアアーム5は一端、この場合、後端と回動アーム4の左端との間に連結ピンP4を通されて、相互に回動可能に連結される。扉取付ブラケット6は水平面の略三角形の頂部とドアアーム5の前端との間に連結ピンP5を通されて、相互に回動可能に連結される。
【0028】
かくして駆動ユニットUは、アクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4、及びドアアーム5がラックなどの筐体本体内に平面的に水平に配置されて、扉取付ブラケット6が扉の背面に連結されるようになっている。この場合、これら各部が、既述のとおり、ケースC内に設置されて、一体化されているので、ケースCが筐体本体内に設置されて、各部が筐体本体内に配置され、扉取付ブラケット6を扉の背面に連結されて、ラックの一部として組み込まれる。
【0029】
そして、アクチュエータ1が外部装置から無線方式により送信される制御信号により駆動されて、起動ブロック2が前進又は後退駆動し、又は駆動を停止し、これに連動する各アーム3-5により、扉を自動開閉するようになっている。なお、ここでは特に図示していないが、この駆動ユニットUには適宜の位置にマイクロスイッチその他各種のセンサが設置され、駆動モータ11の回転状態などをこれらのセンサにより検出して、駆動モータ11の作動を制御する。また、扉の開閉動作が障害物などにより妨げられるなどして駆動モータ11に負荷が掛かった場合は、駆動モータ11の電流値をシーケンサで感知し、駆動モータ11の回転を停止若しくは反転させる。
【0030】
図4乃至
図8にこの駆動ユニットUのデータセンターでの使用例を示している。
図4に示すとおり、このデータセンターDCでは、多数の情報処理装置Мがそれぞれ多数のサーバーラックSRに収容されて整列配置される。また、このデータセンターDCでは、
図5などに示すように、自走式の作業ロボットS1が巡回して各情報処理装置Мの各種の管理を実行するロボット管理システムSが採用される。そして、このロボット管理システムSに使用される作業ロボットS1に駆動ユニットUのアクチュエータ1に制御信号を送信する無線方式の外部装置が搭載され、アクチュエータ1は作業ロボットS1の外部装置により無線で駆動される。なお、ここでロボット管理システムSは既存のもの又はユーザーから提供されるシステムを用いるので、ここではシステムそれ自体の説明は省略する。
【0031】
図4に示すように、このデータセンターDCの各サーバーラックSRは前面に開口R0を有する筐体本体R1と筐体本体R1の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として開口R0を開閉する所謂開き戸式の扉R2とからなり、筐体本体R1の内部が複数枚の棚板により複数段に区切られており、各情報処理装置Мが多段的に載置される。このようなサーバーラックSRにおいて、駆動ユニット11は例えば上下方向の中段に組み込まれる。すなわち、アクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4及びドアアーム5が、これら各部を一体化したケースCを筐体本体R1内の中段に配置され、取付ねじにより固定されて、取り付けられる。そして、ドアアーム5の先端の扉取付ブラケット6が扉R2の背面に取付ねじにより固定されて扉R2に連結される。サーバーラックSRの閉扉状態では、
図5-2に示すように、起動ブロック2がボールねじ12の後端に停止される。この起動ブロック2に連結された進退アーム3は前後両端を筐体本体R1の前後方向に向けられるとともに、この進退アーム3の前端に連結された回動アーム4は筐体本体R1の前面の開口R0側の回動支点を起点に左右両端を前面の開口R0から斜め後方に向けられ、この回動アーム4の左端に連結されたドアアーム5は前後両端を筐体本体R1の前後方向に向けられて、各アーム3、4、5間が収縮された初期状態になっている。
しかして駆動ユニットUはこのデータセンターDCのロボット管理システムSの一部として組み入れられ、作業ロボットS1と連係される。
【0032】
このようにしてこのデータセンターDSでは、各情報処理装置Мの稼働状況や空調、電力などの管理が作業ロボットS1により駆動ユニットUと連係して、次のとおり、実行される。
【0033】
まず、
図5-1に示すように、作業ロボットS1は予め決められた管理プログラムに基く走行速度、走行経路でデータセンターDS内を巡回する。最初のサーバーラックSRの近傍まで来ると、作業ロボットS1はサーバーラックSRの扉R2の開動エリアの外に待機して、外部装置によりサーバーラックSR内の駆動ユニットU(アクチュエータ1の制御ユニット)に、駆動モータ11を正転方向に駆動(通電)する制御信号を送信する。これにより、駆動モータ11が通電され、正転方向に回転駆動される。
図5-2に示すように、駆動モータ11の回転はギアユニットを介して連結されたボールねじ12に伝達されてボールねじ12が回転され、起動ブロック2がこのボールねじ12上を後端から前端へ向けて移動される。
【0034】
この起動ブロック2の移動により、
図6-1、
図6-2に示すように、進退アーム3が筐体本体R1内を前面の開口R0に向けて移動しながら、回動アーム4を前面の開口R0へ押し出す。これにより回動アーム4は右端を回動支点として左端側が前面の開口R0から外部へ回動されて、この回動アーム4の回動により、ドアアーム5が前面の開口R0から押し出される。このドアアーム5が扉取付ブラケット6を介して扉R1の回動側を押し、扉R2が筐体本体R1の前面から押し開かれる。
【0035】
引き続き駆動モータ11が回転駆動されてボールねじ12が回転され、
図7-1、
図7-2に示すように、起動ブロック2がこのボールねじ12上を前端まで移動されて、進退アーム3の前端が筐体本体R1前面の開口R0から外部前方に突出し、回動アーム4を前面の開口R0の外部へ押し切る。これにより、回動アーム4は右端を回動支点として左端側が前面の開口R0から外部へ回動アーム4の回動支点側に回動されて開口R0から突出される。そして、この回動アーム4の回動により、ドアアーム5が前面の開口R0の外部へサーバーラックSRの扉R2の回動支点側に回動され、扉取付ブラケット6を介して扉R2が筐体本体R1の前面から扉R2の回動支点側へ押し開かれる。かくして扉R2は自動的に開かれて、筐体本体R1の前面が全開される。
【0036】
このようにして扉R2が開かれると、作業ロボットS1はサーバーラックSRの前面の開口R0前に進み、サーバーラックSR内の各情報処理装置Мの管理作業を行う。
【0037】
このサーバーラックSR内の各情報処理装置Мの管理作業が終了すると、作業ロボットS1はサーバーラックSRの扉R2の開動エリアの外に後退して、外部装置によりサーバーラックSR内の駆動ユニットU(アクチュエータ1の制御ユニット)に、駆動モータ11を逆転方向に駆動(通電)する制御信号を送信する。これにより、駆動モータ11が通電され、逆転方向に回転駆動される。これにより、ボールねじ12、起動ブロック2、進退アーム3、回動アーム4、ドアアーム5が扉R2を開く動作の場合とは反対に動作し、扉取付ブラケット6を介して扉R2の回動側が筐体本体R1の前面まで引き戻され、扉R2が閉められる。このようにして扉R2は自動的に閉められる。
【0038】
そして、
図8に示すように、作業ロボットS1は次のサーバーラックSRへ移動し、駆動ユニットUと連係して同様の動作を行う。以降、各サーバーラックSR毎に、作業ロボットS1、駆動ユニットUの同様の動作が繰り返される。
【0039】
以上説明したように、この駆動ユニットUは、起動ブロック2を進退駆動するアクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4、ドアアーム5及び扉取付ブラケット6からなり、これらが筐体本体内に平面的に水平に配置されて、扉取付ブラケット6が扉の背面に連結され、アクチュエータ1に、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部及び通信部で受信される制御信号に基いて起動ブロック2を前進又は後退駆動し、又は駆動停止する制御部を搭載されて、アクチュエータ1は外部装置により自動的に駆動され、扉を自動開閉するようになっている。かかる駆動ユニットUを、多数の情報処理装置がそれぞれ多数のラックに収容されて整列配置されるデータセンターなどこの種の施設に、自走式の作業ロボットを巡回させて各情報処理装置の各種の管理を実施するロボット技術を用いた管理システムを導入する場合の、各ラックに組み込み、作業ロボットに外部装置を搭載することにより、作業ロボットによる扉の自動開閉を容易に実現する。これにより、従来のラックの扉の作業ロボットによる開閉の障害を解消して、データセンターなどの施設において、各情報処理装置の各種管理の作業ロボットによる自動化を進展させることができる。
【0040】
また、駆動ユニットUは、起動ブロック2を含むアクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4及びドアアーム5からなり、これらが前面部C4に開口部C40を有する薄型のケースC内に組み立て収容されて、一体化されるので、サーバーラックなどのラックに簡単かつコンパクトに組み込み設置することができ、この駆動ユニットUの簡易な構造により、コストを低く抑えることもでき、その実用性は高い。
【0041】
さらに、この駆動ユニットUでは、アクチュエータ1を外部装置により無線で駆動するようにしているので、外部装置が無ければラックの扉の開閉を行うことができず、施錠機能を併せ持たせることができる。なお、ラックの扉のセキュリティをさらに高めるため、ラックにこの駆動ユニットUと連動するソレノイドなどを用いた電気錠を追加してよい。
【0042】
なお、この実施の形態では、アクチュエータ1が、駆動モータ11と、駆動モータ11の出力軸111に作動連結され、回転駆動されるボールねじ12と、ボールねじ12上に取り付け配置され、駆動モータ11の駆動によりボールねじ12上で進退駆動されるナット13とにより構成されるものとしたが、このボールねじ方式をラックとピニオン方式に代えてもよく、また、駆動モータとボールねじをシリンダーとリニアガイドなどに代えることもできる。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0043】
また、この実施の形態では、アクチュエータ1の通信部、外部装置間を無線方式としたが、アクチュエータ1の通信部、外部装置間を有線方式にして、扉の正面を含む扉の外部に作業ロボットでも操作可能な起動スイッチや起動センサを設けてもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
さらに、この実施の形態では、駆動ユニットUをデータセンターなどの施設で最適に利用されるものして例示したが、この駆動ユニットUは各種の情報処理装置や制御盤などを収容する一般的なラックやキャビネットにも同様に適用し、作業員(ヒト)が外部装置を携行して同様に用いるようにしてもよい。
このようにしても上記実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0045】
図9乃至
図13に第2の実施の形態を示している。
図9に示すように、この駆動ユニットU2は、既述の、1つのアクチュエータ1、1つの進退アーム3、1つの回動アーム4、及び1つのドアアーム5を1装備として、2装備が個別のケースC-21、C-22内に組み立て収容されて構成される。
この駆動ユニットU2の各部(アクチュエータ1、進退アーム3、回動アーム4、及びドアアーム5)の各構成は、基本的に、第1の実施の形態で説明したとおりであり、第1の実施の形態での説明を参照されたい。
【0046】
この駆動ユニットU2では2装備を備えるので、各装備を組み立て収容する2つのケースC-21、C-22が用いられる。各ケースC-21、C-22は共通で、概ね第1の実施の形態で例示したケースCを左右両側間で斜めに2等分割してなる。すなわち、2つのケースC-21、C-22はそれぞれ、平面視略台形に近似する五角形の浅い深さの箱形で、一方の側面部をアクチュエータ1を収容可能に長く、他方の側面部を回動アーム4とともにドアアーム5の一部をケースC-21、C-22内に引き込み可能に一方の側面部よりも短くし、筐体本体R1の開口R0に向けられる一方の端面部をラックの開口R0と平行に開口されて、他方の端面部が一方の端面部に対して斜めに閉塞又は開口されて構成される。なお、一方の端面部には、第1の実施の形態と同様に、両側方向に細長い開口部C40を有する左右方向に細長い化粧板C41が取り付けられる。
【0047】
このようにして2装備が例えば前後に扉R2-1、R2-2を有する筐体本体R1内に、上下方向中段の同一平面上の前後に各装備の駆動方向を反対方向に、つまり、筐体本体R1の前後方向に向けて配置され、筐体本体R1内の前後の各装備が前後の扉R2-1、R2-2の背面に扉取付ブラケット6-2を介して軸支連結される。
【0048】
このようにすることで、筐体本体R1の前後に扉R2-1、R2-2を有するラックの場合でも、各扉R2-1、R2-2について第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。また、このようにすることで、前後に扉R2-1、R2-2を有する筐体本体R1内に(高さの)異なる平面上でも各装備の駆動方向を反対方向に向けて配置することで、同様の作用効果を奏することができる。さらに、このようにすることで、後述する第3の実施の形態のような観音開き式の扉を有する筐体本体内に同一又は異なる平面上で各装備の駆動方向を同一方向に向けて配置することで、観音開き式の扉にも同様の作用効果を奏することができる。
【0049】
また、この実施の形態では、駆動ユニットU2に併せて備える新たな扉取付ブラケット6-2、ドアアームの位置決め装置51、扉開閉センサ2S-4Sを例示している。
【0050】
第1の実施の形態では、扉取付ブラケット6は、水平面と垂直面とを有する連結プレートと、ドアアーム5の端部と連結プレートの水平面との間に通される連結ピンとからなり、ドアアーム5の端部と連結プレートの水平面が連結ピンにより相互に回動可能に連結され、扉取付ブラケット6の垂直面が扉R2の背面に取り付けられるものとした。しかしながら、この扉取付ブラケット6でドアアーム5と扉R2-1、R2-2が連結されると、扉R2-1、R2-2を外部から人手により開閉することができない。このため、扉R2-1、R2-2の外部から扉R2-1、R2-2を人手により開閉する必要がある場合に、対応することができない。そこで、第2の実施の形態において、扉R2-1、R2-2の外部から扉R2-1、R2-2を人手により開閉できるようにした扉取付ブラケット6-2を提案する。
【0051】
図9に示すように、扉取付ブラケット6-2は、回転軸61及び操作部62と、連結プレート63及び連結ピン64と、ストッパープレート65及び溝650(
図11参照)とからなる。また、この扉取付ブラケット6-2の場合も、ドアアーム5の先端、すなわち、ドアアーム5の扉取付ブラケット6-2との連結端部に、連結ピン64を挿通可能に連結孔50が設けられる。なお、この場合、連結孔50は連結ピン64の外径より僅かに大きい円形に穿たれる。
【0052】
回転軸61は扉R2-1、R2-2の正面、背面間に挿通配置され、操作部62は回転軸61の一端に回転軸61を回転可能に設けられ、扉R2-1、R2-2の正面側に配置される。この場合、回転軸61はシリンダ錠(以下の説明で、シリンダ錠61という。)からなる。なお、このシリンダ錠61は一端面から軸心に向けて鍵孔610を有し、外周面の一端側がフランジ611で、その直後の外周面にねじを形成されてナット612が締結されるようになっている。また、シリンダ錠61の後部からロータ613の端部が突出される。この回転軸をなすシリンダ錠61は、扉R2-1、R2-2の回動側で正面、背面間に、シリンダ錠61の鍵孔610を扉R2-1、R2-2の正面側にして、シリンダ錠61後部のロータ613の端部を扉R2-1、R2-2の背面側にして、挿通し取り付けられる。そして、操作部62はシリンダ錠61を施錠、解錠する鍵(以下の説明で、鍵62という。)で、この鍵62がシリンダ錠61の鍵孔610に差し込まれて、操作つまみとして、またシリンダ錠61のロータ613を回転操作するための操作機能部として、使用される。
【0053】
連結プレート63は、
図10に示すように、扉R2-1、R2-2の背面に対して略平行な取付部631及び扉R2-1、R2-2の背面に対して略直角の連結部632からなる。この場合、連結プレート63は断面略L字形をなすアングル材からなり、取付部631は横に長い略長方形の平板で、連結部632は横に長い略長方形の平板になっている。取付部631には回動支点側となる一端に連結プレート取付孔6310を有し、連結部632の回動側となる他端に連結ピン取付孔6320を有する。連結ピン64は連結プレート63の連結部632の回動端に突設され、回転軸をなすシリンダ錠61の周囲に回動可能に配置される。この場合、連結ピン64は先端が後端方向に漸次拡径されるテーパ状でこの先端の後部が先端に連続する小径部及び小径部より大径の大径部からなる円筒状をなすもので、後端面の中央に軸心に向けてねじ孔を有する。かかる連結ピン64は、連結プレート63の連結部632の回動端となる他端の連結ピン取付孔6320上に設置され、この連結ピン取付孔6320下から挿通される取付ねじが連結ピン64のねじ孔に締結されて、連結プレート63の連結部632の他端に連結部632に対して略直角に取り付けられる。
【0054】
ストッパープレート65は扉R2-1、R2-2の背面でシリンダ錠61の近傍に扉R2-1、R2-2の背面に対して略直角に突設され、その一方の側縁部から他方の側縁部に向けて、連結プレート63の連結ピン64がドアアーム5の端部(連結孔50)に係合可能な所定の回動位置で連結プレート63の取付部631が係合可能に溝650(
図11参照)を有する。
図11に示すように、この場合、ストッパープレート65は断面略L字形をなすアングル材で、扉R2-1、R2-2の背面に対して略平行な取付部651及び扉R2-1、R2-2の背面に対して略直角のストッパー部652からなる。取付部651は略四角形の平板で、その略中央に回転軸、この場合、シリンダ錠61を挿通可能にシリンダ錠挿通孔6510を貫通形成される。ストッパー部652もまた略四角形の平板で、このストッパー部652の下側縁部から上側縁部に向けて連結プレート63の取付部631が係合可能に溝650が形成される。この溝650は、ストッパー部652の突出端の上部側が略逆L字形に形成されて、ストッパー部652の突出端側において下側縁部から上側縁部に向けて略逆J字形に形成される。この溝650は連結プレート63の取付部631が嵌合可能にこの取付部631の厚さと略同じ幅を有する。
【0055】
かくして回転軸をなすシリンダ錠61が扉R2-1、R2-2の回動側で正面、背面間に挿通配置されるとともに、扉R2-1、R2-2の背面側でストッパープレート65が取付部651をシリンダ錠挿通孔6510を通じてシリンダ錠61に通され、このシリンダ錠61にナット612が締結されて、シリンダ錠61がストッパープレート65とともに扉R2-1、R2-2に固定される。これにより、ストッパープレート65のストッパー部652がシリンダ錠61とともに扉R2-1、R2-2の背面側に扉R2-1、R2-2の背面から略直角に扉R2-1、R2-2の後方に向けて突出配置される。
そして、連結プレート63が、取付部631を回転軸の他端、すなわち、シリンダ錠61のロータ613の後端に取付ねじにより取り付けられて、シリンダ錠61のロータ613と一体回転可能に装着され、扉R2-1、R2-2の背面側で取付部631がストッパープレート65(溝650)に係脱可能に配置される。
【0056】
このようにして扉取付ブラケット6-2が扉R2-1、R2-2の背面に取り付けられ、連結プレート63の所定の回動位置、この場合、連結部632が略水平となる回動位置で、ドアアーム5の端部の連結孔50に連結プレート63の連結ピン64が挿通されて係合可能になっている。つまり、扉取付ブラケット6-2のシリンダ錠61(の鍵孔610)に鍵62を差し込み、鍵62でロータ613を一方向に回転し、連結プレート63の連結部632をこの連結部632が水平となる水平位置まで回転させることにより、連結部632の連結ピン64がドアアーム5の先端の連結孔50に挿通されて、扉R2-1、R2-2とドアアーム5が連結され、鍵62でロータ613を他方向に回転し、連結プレート63の連結部632をこの連結部632が垂直方向下方に向けられる垂直位置まで回転させることにより、連結部632の連結ピン64がドアアーム5の先端の連結孔50から離脱されて、扉R2-1、R2-2とドアアーム5が切り離しされ、この扉取付ブラケット6-2によりドアアーム5と扉R2-1、R2-2の背面が切り離し可能に連結されるようになっている。また、この扉取付ブラケット6-2は、連結プレート63の連結ピン64がドアアーム5の先端の連結孔50に挿通されると、連結プレート63の取付部631が扉R2-1、R2-2の背面に固定されたストッパープレート65の溝650に嵌挿され、連結プレート63の取付部631とストッパープレート65の溝650との係合により、連結プレート63の連結ピン64の回動を所定の回動位置で規制するとともに、扉R2-1、R2-2の開閉方向の外力を受けるようになっている。
【0057】
このようにすることで、扉R2-1、R2-2の外部から扉R2-1、R2-2を人手により開閉する必要がある場合に、対応することができる。しかも、回転軸及び操作部にシリンダ錠61と鍵62が用いられるので、鍵62の抜き差しのみで連結プレート63の所定の回転位置でのロック及びその解除を簡易に行え、また、鍵62の管理者のみが扉R2-1、R2-2を開閉できるので、防犯上も好ましい。また、例えば扉R2-1、R2-2を人手により無理に開けようとして、扉取付ブラケット6-2に衝撃を受けても、この衝撃は連結プレート63の取付部631とストッパープレート65の溝650とで受けるので、この衝撃によるシリンダ錠61やドアアーム5他各アームへの負荷を軽減することができ、その損傷を防止することができる。
【0058】
図9に示すように、ドアアーム5の位置決め装置51は、扉R2-1、R2-2を完全に閉じたときの起動ブロック2、進退アーム3、回動アーム4及びドアアーム5の後退位置で、ドアアーム5をドアアーム5の連結孔50と連結プレート63の連結ピン64との係合位置に向けて位置決めするもので、この駆動ユニットU2の場合、ドアアーム5の連結孔50を連結プレート63の所定の回転位置で連結プレート63の連結ピン64に係合可能にドアアーム5を位置決めするようになっている。
【0059】
この場合、位置決め装置51は、回動アーム4の後退位置(回動アーム4の待機位置(以下、同じ。))に後退される回動アーム4に近接して配置され、回動アーム4の回動を規制する回動アームストッパー51Sと、回動アーム4とドアアーム5との間に配設され、回動アーム4の後退位置でドアアーム5の回動アーム4方向の回動を規制してドアアーム5を連結孔50と連結ピン64との係合位置に向けて案内するドアアームストッパー52Sと、回動アーム4とドアアーム5との間に配設され、ドアアーム5を常態として回動アーム4に向けて回動付勢するバネ53Sとにより構成される。
【0060】
回動アームストッパー51Sは、
図12に示すように、一対の支持プレート511が所定の間隔を介して平行に配設される取付ベース512と、一対の支持プレート511の一端間にフックピン513を介して各支持プレート511の高さ方向に傾動可能に取り付けられ、取付ベース512の一端間から先方(取付ベース512の他端とは反対方向)に突出される先端に係止爪515を有するフック514と、取付ベース512とフック514との間に介装され、常態としてフック514の先端側を各支持プレート511の高さ方向上方向に回動付勢して略水平に又は略水平に近似する状態に保持するバネ516と、一対の支持プレート511間でフック514の後方に、先端のプランジャ518を各支持プレート511の一端方向に向けて設置されるソレノイド517と、ソレノイド517先端のプランジャ518とフック514の後端との間に連結され、プランジャ518の引き動作によりフック514の先端側を水平方向に対して下方に傾動させる引きプレート519とを有する。なお、ここで取付ベース511は一対のアングルプレートからなり、垂直部が支持プレート511、水平部が取付プレート512をなす。フック514は断面略L字形をなすプレートからなり、一端が上向きの係止爪515で、後端に引きプレート519に係合可能に係合孔が穿たれる。バネ516はコイルスプリングからなり、このバネ516がフックピン514の周面に巻き付けられて一端がフック514の後端に係止され、他端が一対の支持プレート511に併設される受け部に係止されて、
図13(a)に示すように、常態としてフック514の先端側を各支持プレート511の高さ方向上方向に回動付勢して全体を略水平に又は略水平に近似する状態に保持する。ソレノイド517は汎用品で、本体と、本体の一端から突出され進退駆動されるプランジャ518とからなり、図示されない制御部に配線を介して電気的に接続される。
【0061】
この回動アームストッパー51Sは、
図9に示すように、ケースC-21、C-22の底面部上で回動アーム4の後退位置の回動アーム4のドアアーム5側の端部の直後に、取付ベース512の各支持プレート511の一端に回動アーム4のドアアーム5側の端部が衝接可能に、取付ベース512をねじ止めして取り付けられ、フック514が回動アーム4の後退位置上に突出される。
このようにして、回動アーム4が後退位置に向けて後退方向に回動されると、回動アーム4の後退位置の直前で回動アーム4の一方の側部がフック514先端の係止爪515に衝接してフック514をバネ516による回動付勢に抗して押し下げながら、フック514上に乗り上げ、
図13(a)に示すように、回動アーム4の一方の側部が一対の支持プレート511の先端に衝接すると、回動アーム4は後退方向の回動を規制されて停止するとともに、フック514先端の係止爪515がフック514から外れてフック514のバネ516による回動付勢により回動アーム4の他方の側部側に沿って上方に傾動して回動アーム4の他方の側部に係合し、回動アーム4は前進方向の回動も規制されて完全に停止されるようになっている。そして、図示されない制御部の制御に基づくソレノイド517の作動により、
図13(b)に示すように、プランジャ518が引き方向に駆動され、このプランジャ518の引きにより、引きプレート519が引かれ、この引きプレート519の引きによりフック514が先端側を下方に向けて傾動されて、回動アーム4とフック514の係止爪515との係合が解除されるようになっている。
【0062】
図9に示すように、ドアアームストッパー52Sは、ドアアーム5の回動アーム4側の端部の平面(上面)に取り付けられる取付部521と、取付部521の一方の側部でドアアーム5の回動アーム4側の端部に対応する一端部から取付部521に対して直角方向に延び、回動アーム4の側部と係合可能なストッパー部522と、取付部521の一方の側部でドアアーム5の回動アーム4側の端部とは反対側の他端部から突出され、バネ53Sを係止可能なバネ受け部523とを有する。なお、この場合、取付部521はドアアーム5の回動アーム4側の端部の平面(上面)と略同じ幅で所定の長さの略長方形のプレートからなり、その平面にねじ挿通孔が穿たれ、ドアアーム5の端部に取付ねじにより取り付けられる。ストッパー部522は四角形のプレートで、取付部521の一端部に一体に形成されてなる。バネ受け部523は先端側の半部が半円形、後端側の半部が四角形のプレートで、先端側の半円形の中心に係止孔を有し、取付部521の他端部に一体に形成されてなる。またこの場合、回動アーム4の長さ方向中間部の平面(上面)に略同様のバネ受け部524が取り付けられ、先端の係止孔が回動アームのドアアーム側の側方に向けて突出される。
【0063】
このドアアームストッパー52Sは、取付部521がドアアーム5の回動アーム4側の端部の平面に取り付けられて、取付部521の一端部のストッパー部522がドアアーム5の回動アーム4側の側部に沿って垂直に突出配置され、取付部521の他端部のバネ受け部523がドアアーム5の回動アーム4側の側方に向けて水平に突出配置される。このようにして回動アーム4の後退位置で回動アーム4がドアアーム5のドアアームストッパー52Sのストッパー部522に衝接係合し、ドアアーム5の回動アーム4方向への回動を規制されるとともに、ドアアーム5と回動アーム4との間に所定の角度が保持され、ドアアーム5が連結孔50と連結ピン64とを係合可能に所定の方向に向けられるようになっている。
【0064】
図9に示すように、バネ53Sはコイルスプリングが用いられる。このバネ53Sは一端がドアアームストッパー52Sのバネ受け部523に係止され、他端が回動アーム4のバネ受け部524に係止されて、ドアアーム5、回動アーム4間に介装される。このようにして回動アーム4の後退位置でドアアーム5を回動アーム4に向けて回動付勢して、ドアアーム5と回動アーム4との間に所定の角度が保持され、ドアアーム5が連結孔50と連結ピン64とを係合可能に所定の方向に向けて固定されるようになっている。
【0065】
このように位置決め装置51は、回動アームストッパー51Sと、ドアアームストッパー52Sと、バネ53Sとにより構成され、これら相互の作用により、回動アーム4の後退位置でドアアーム5と回動アーム4との間に所定の角度が確保されて、ドアアーム5の連結孔50を連結プレート63の所定の回転位置で連結プレート63の連結ピン64に係合可能にドアアーム5を位置決めするようになっている。
このようにすることで、ドアアーム5の連結孔50を連結プレート63の所定の回転位置で連結プレート63の連結ピン64に係合可能にドアアーム5を位置決めし、ドアアーム5の連結孔50と連結プレート63の連結ピン64との係脱を確実かつ円滑に行え、ドアアーム5と扉R2-1、R2-2との連結、切り離しを確実かつ容易にすることができる。
【0066】
図9に示すように、扉開閉センサ2S-4Sは、扉R2-1、R2-2を完全に開いたときの起動ブロック2、進退アーム3、回動アーム4及びドアアーム5の各部の前進位置で、各部の少なくとも一部を検知して図示されない制御部へ扉R2-1、R2-2の開信号を送信する扉開センサ2Sと、扉R2-1、R2-2を完全に閉じたときの各部の後退位置で、各部の少なくとも一部を検知して図示されない制御部へ扉の閉信号を送信する扉閉センサ4Sとにより構成される。
この駆動ユニットU2の場合、扉開センサ2Sは、起動ブロック2の前進方向の端部の起動ブロック2を検知し、制御部へ扉R2-1、R2-2の開信号を送信する起動ブロックセンサで、扉閉センサ4Sは、回動アーム4の後退位置の回動アーム4を検知し、制御部へ扉の閉信号を送信する回動アームセンサになっている。
【0067】
この場合、扉開センサ2SはマイクロスイッチMからなり、起動ブロック2の前進方向の端部(終端部)で起動ブロック2を検知し、制御部へ検知信号を送信するようになっている。ここで、マイクロスイッチMは上部にプランジャピンとレバーを備え、プランジャピンをレバーでプッシュすることでスイッチをオン・オフする構成の一般的なものが採用される。またこの場合、起動ブロック2の側方にガイドローラ22が起動ブロック2から側方に延びる支持フレーム221を介してケースC-21、C-22の底面部上を転動可能に軸支されており、この支持フレーム221でマイクロスイッチMのレバーをプッシュする方式を取る。
【0068】
このマイクロスイッチMはケースC-21、C-22の底面部上に取付ベースを介して、起動ブロック2の前進方向の端部付近で、起動ブロック2の前進方向の端部に到達された起動ブロック2から側方の延びる支持フレーム221の停止位置に近接する位置に、マイクロスイッチMのレバーが支持フレーム221に接触可能に設置される。そして、このマイクロスイッチMは制御部に配線を介して電気的に接続される。このようにして起動ブロック2の前進方向の端部でマイクロスイッチMにより起動ブロック2(から延びるガイドローラ22の支持フレーム221)を検知して、検知信号を扉開信号として制御部へ送信するようになっている。
【0069】
また、この場合、扉閉センサ4Sは、扉開センサ2Sと同様に、マイクロスイッチMからなり、回動アーム4の後退位置で回動アーム4を検知し、制御部へ検知信号を送信するようになっている。ここで、マイクロスイッチMは、既述のとおり、上部にプランジャピンとレバーを備え、プランジャピンをレバーでプッシュすることでスイッチをオン・オフする構成の一般的なもので、回動アーム4の後退位置で回動アーム4によりマイクロスイッチMのレバーをプッシュする方式を取る。
【0070】
このマイクロスイッチMもまた、ケースC-21、C-22の底面部上に取付ベースを介して、回動アーム4の後退位置の回動アーム4でドアアーム5側の端部に近接する位置に、マイクロスイッチMのレバーが回動アーム4の端部に接触可能に設置される。そして、このマイクロスイッチMは制御部に配線を介して電気的に接続される。このようにして回動アーム4の後退位置でマイクロスイッチMにより回動アーム4を検知し、検知信号を扉閉信号として制御部へ送信するようになっている。
【0071】
このようにすることで、制御部は、扉開閉センサ2S-4Sから送信される扉開信号、扉閉信号に基づいて、アクチュエータ1をコントロールすることができ、この駆動ユニットU2による各扉R2-1、R2-2の自動開閉を確実かつ円滑に実行することができる。
【0072】
図14及び
図15にこの発明の第3の実施の形態に係る扉自動開閉用駆動ユニットの構成を示している。
【0073】
図14に示すように、扉自動開閉用駆動ユニットU3(以下、単に駆動ユニットU3という。)は、第1、第2の各実施の形態と同様に、前面に開口R0を有する筐体本体R1と筐体本体R1の前面に一側を回動支点として軸支され、他側を回動側として開口R0を開閉する所謂開き戸式の扉R2-3とを備えてなるラック、キャビネットを含むラックの扉R2-3の自動開閉に用いるもので、起動ブロック2を含むアクチュエータ1、一連一体の作動アーム31-33を前面に開口を有する薄型のケースC-3内に組み立て収容されて一体化して構成され、アクチュエータ1が外部装置と電気的に接続されて、外部装置の制御により自動的に駆動され、作動アーム31-33が作動するようになっている。
【0074】
また、この駆動ユニットU3は、1つのアクチュエータ1及び1つの作動アーム31-33を1装備として、2装備が個別の2ケースC-31、C-32を合わせてなるケースC-3内に各アクチュエータ1を左右両側に各作動アーム31-33を左右両側間中央に配置収容されて構成され、2装備が筐体本体R1内で同一平面上に対称的に並列配置されて、特に所謂観音開き式の扉R2-31、R2-32に適用する形式になっている。
【0075】
各アクチュエータ1は、第1の実施の形態のものと略共通の構成を備え、筐体本体R1内で扉R2-3の回動支点側に、この場合は、筐体本体R1内の左右両側に略水平に配置され、筐体本体R1の開口R0に向けて各起動ブロック2を進退駆動するようになっている。なお、これらのアクチュエータ1には、各起動ブロック2の側方に各ガイドローラ22が、第2の実施の形態と同様に、各支持フレーム221により取り付けられるが、この駆動ユニットU3の場合、各支持フレーム221が各ケースC-31、C-32の各側面部に向けて延ばされ、各ガイドローラ22が各ケースC-31、C-32の筐体本体R1の左右の各側面部に対応する各側面部側に配置される。
【0076】
各作動アーム31-33は、一連一体の細長いプレートからなり、それぞれ、作動アーム31-33の先端部をなし、先端を各扉R2-31、R2-32の背面で回動側に軸支されて、各扉R2-31、R2-32の背面に対して略直角に扉R2-31、R2-32の後方に延び、各扉R2-31、R2-32を押し引きする作動部31と、作動アーム31-33の中間部をなし、作動部31の後端に連続して各扉R2-31、R2-32の後方で各扉R2-31、R2-32の他側方向に凸の略ヘの字形に延び、作動部31を扉R2-31、R2-32の開閉方向に回動案内するガイド部32と、作動アーム31-33の後端部をなし、ガイド部32の後端に連続して起動ブロック2に向けて延び、後端を起動ブロック2に軸支されて、作動部31、ガイド部32を駆動する駆動部33と、を有する。このようにして各作動アーム31-33は、筐体本体R1内で一端(後端)を回動支点として各アクチュエータ1の各起動ブロック2に軸支され、他端(先端)を作動端として各扉R2-31、R2-32の背面で回動側に作動連結され、各起動ブロック2の進退駆動とともに各扉R2-31、R2-32の開口R0からこの開口R0の外部へ又はその反対に扉R2-31、R2-32の開閉方向に進退駆動されるようになっている。
【0077】
なお、この駆動ユニットU3では、外部装置から送信される制御信号を受信する通信部、及び通信部で受信される制御信号に基いて各起動ブロック2を駆動又は駆動停止する制御部を含むコントローラCPが各アクチュエータ1間に設置搭載され、各アクチュエータ1に配線を介して電気的に接続される。
【0078】
かくして各駆動ユニットU3は、各アクチュエータ1、各作動アーム31-33が筐体本体R1内に平面的に水平に配置されて、各作動アーム31-33が各扉R2-31、R2-32の背面に扉取付ブラケット6-3を介して軸支連結される。なお、この場合、各アクチュエータ1、各作動アーム31-33は、各個別のケースC-31、C-32内に設置されて一体化されており、各個別のケースC-31、C-32が筐体本体R1内に左右対称に合わせて設置されて、各アクチュエータ1、各作動アーム31-33が筐体本体R1内に配置され、各作動アーム31-33が各扉R2-31、R2-32の背面に扉取付ブラケット6-3により連結されて、ラックの一部として組み込まれる。
そして、各アクチュエータ1が外部装置から無線方式により送信される制御信号により自動的に駆動されて、各起動ブロック2が前進又は後退駆動し、又は駆動を停止し、これに連動する各作動アーム31-33により、各扉R2-31、R2-32を自動開閉するようになっている。
【0079】
また、この駆動ユニットU3には、新たな扉取付ブラケット6-31、6-32、作動アーム31-33の位置決め装置34、扉開閉センサ32S-33Sを併せて備える。
【0080】
この駆動ユニットU3では、観音開き式の扉用に2種類の異なる扉取付ブラケット6-31、6-32が用いられる。
【0081】
図15に示すように、一方の扉取付ブラケット6-31は、扉側の回転軸61、操作部62、連結溝付きの連結プレート66と、作動アーム31-33側の連結ピン311(
図14参照)と備える。
回転軸61、操作部62は、第2の実施の形態と同様に、回転軸61はシリンダ錠(以下の説明で、シリンダ錠61という。)からなり、操作部62は鍵(以下の説明で、鍵62という。)からなる。なお、これらシリンダ錠61、鍵62については既に説明したので、ここではその説明を省略する。回転軸としてのシリンダ錠61は、扉R2-31の回動側で正面、背面間に挿通配置され、操作部としての鍵62はシリンダ錠61一端の鍵孔610に差し込まれてロータ613を回転可能に設けられ、扉R2-31の正面側に配置される。
連結プレート66は、扉R2-31の背面に対して略平行な取付部661及び扉R2-31の背面に対して略直角で作動アーム31-33の端部に対して並列に配置可能な連結部662を有する。この場合、連結プレート66は、断面コ字形の角形プレートで、中央の取付部661と、上下の一対の連結部662からなる。この連結プレート66の連結部662、この場合、上下の各連結部662の一側の前後方向中間に連結ピン311を係合可能な連結溝660が形成される。この連結溝660は、連結部662の一側中間から他側に向けて連結ピン311を挿通案内可能に漸次幅狭のテーパ状のガイド溝660G及び当該連結ピン311を係合固定する円形の係合溝660Rからなる。この連結プレート66は、取付部661をシリンダ錠61のロータ613の後端に取り付けられて、ロータ613と一体回転可能に設けられ、ロータ613の回転により各連結部662の各連結溝660が作動アーム31-33の連結ピン311に対して係脱可能に、扉R2-31の背面側に配置される。
連結ピン311は、スプリングピンからなり、作動アーム31-33の先端に各連結プレート66の各連結溝660に挿通して係合可能に突設される。
このようにして一方の扉R2-31の正面側でシリンダ錠61の鍵62の操作により、ロータ613を回動することにより、扉R2-31側の連結プレート66と作動アーム31-33側の連結ピ331ンとを着脱可能に連結するようになっている。この一方の扉取付ブラケット6-31により2装備の一方の作動アーム31-33と一方の扉R2-31の背面が切り離し可能に連結される。
【0082】
他方の扉取付ブラケット6-32は、
図14に示すように、アーム側連結プレート67Aと、扉側連結プレート67Bと、連結ピン67Pとを備える。
アーム側連結プレート67Aは、平面プレートからなり、一端側が取付部、他端側が連結部で、一端に取付孔を有し、他端に連結ピン挿通孔を有する。このアーム側連結プレート67Aは、取付部が作動アーム31-33の端部に取付部の取付孔、作動アーム31-33の端部の取付孔に取付ピンを通して軸支され、連結部が作動アーム31-33の端部から先方(扉方向)に向けて水平に突出される。
扉側連結プレート67Bは、平面プレート又はアングルプレートからなり、一端側が取付部、他端側が連結部で、一端に取付孔を有し、他端に連結ピン挿通孔を有する。この扉側連結プレート67Bは、取付部が扉R2-32の背面に取付部の取付孔、扉R2-32の取付部(取付孔)に取付ピンを通して軸支され、連結部が扉R2-32の後方に向けて水平に突出される。
連結ピン67Pは、アーム側連結プレート67Aの連結ピン挿通孔と扉側連結プレート67Bの連結ピン挿通孔との間に着脱可能に挿着される。
このようにしてアーム側連結プレート67Aと扉側連結プレート67Bがアーム側連結プレート67Aの連結ピン挿通孔と扉側連結プレート67Bの連結ピン挿通孔との間に連結ピン67Pが挿着されて結合される。この他方の扉取付ブラケット6-32により2装備の他方の作動アーム31-33と他方の扉R2-32の背面が連結される。この他方の扉取付ブラケット6-32の場合、外部からはアーム側連結プレート67Aと扉側連結プレート67Bとの連結を外すことはできないが、一方の扉取付ブラケット6-31の扉側の連結プレート66と作動アーム側の連結ピン311との連結を外して一方の扉R2-31を開けば、他方の扉R2-32の背後から他方の扉取付ブラケット6-32の連結ピン67Pを取り外すことにより、アーム側連結プレート67Aと扉側連結プレート67Bとの連結を外して、他方の扉R2-32も開くことができる。
【0083】
この駆動ユニットU3において、作動アーム31-33の位置決め装置34は、一方の扉R2-31側の一方の作動アーム31-33の連結ピン311を連結プレート66の所定の回動位置で連結プレート66の連結溝660に係合可能に一方の作動アーム31-33を位置決めするもので、この位置決め装置34は作動アームストッパー341とバネ342とからなる。
作動アームストッパー341は、一方の作動アーム31-33の一部に接し作動アーム31-33の動きに干渉可能なプレートからなる。この場合、作動アームストッパー341はアングルプレートで、一端側が取付部、他端側がストッパー部で、ストッパー部が作動アーム31-33中間のガイド部32の頂部(ヘの字形の頂部)に接触可能になっている。
この作動アームストッパー341は作動アーム31-33の後退位置に後退される作動アーム31-33のガイド部32、特にガイド部32の頂部に近接して、ストッパー部がガイド部32の頂部に接触可能に配置され、取付部をケースC-32の底面部に取付ねじより固定して、取り付けられる。このようにして作動アームストッパー341は作動アーム31-33の後退位置で作動アーム31-33の後退方向の駆動を規制して作動アーム31-33を先端の連結ピン311と扉R2-32の連結プレート66の連結溝660との係合位置に向けて案内するようになっている。
バネ342は、一方の作動アーム31-33を常態として後退方向に駆動付勢(回動付勢)するもので、この場合、コイルスプリングが用いられる。また、この場合、一方の作動アーム31-33の後部、すなわち、駆動部33で、長さ方向中間部に、この中間部から作動アーム31-33の後退方向、この場合、駆動部33に対して略直角に後方に向けてバネ受け部330が突設され、アクチュエータ1の起動ブロック2に、作動アーム31-33の軸支点に近接して作動アーム31-33の後方にバネ受け部210が突設される。このバネ342は、一端が作動アーム31-33のバネ受け部330に係止され、他端が起動ブロック2のバネ受け部210に係止されて、作動アーム31-33、起動ブロック2間に介装される。このようにして作動アーム31-33の後退位置で作動アーム31-33を後方に向けて回動付勢して、作動アーム31-33のガイド部32を作動アームストッパー341に弾性的に接触させて、作動アーム31-33の作動部31が連結溝660と連結ピン311が係合可能に所定の方向に向けて保持されるようになっている。
【0084】
このように位置決め装置34は作動アームストッパー341とバネ342とにより構成され、これら相互の作用により、一方の作動アーム31-33の後退位置で先端の作動部31を連結プレート66の所定の回動位置で作動部31の連結ピン311に連結プレート66の連結溝660が係合可能に位置決めするようになっている。
このようにすることで、一方の作動アーム31-33の連結ピン311に対して連結プレート66の所定の回動位置で連結プレート66の連結溝660を係合可能に、一方の作動アーム31-33が位置決めされて、一方の作動アーム31-33の連結ピン311と連結プレート66の連結溝660との係脱を円滑に行え、一方の作動アーム31―33と扉R2-32との連結、切り離しを確実かつ容易にすることができる。
【0085】
この駆動ユニットU3において、扉開閉センサ32S-33Sは、扉R2-3を完全に開いたときの各起動ブロック2、各作動アーム31-33の各部の前進位置で、各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉R2-3の開信号を送信する扉開センサ32Sと、扉R2-3を完全に閉じたときの各部の後退位置で、各部の少なくとも一部を検知して制御部へ扉R2-3の閉信号を送信する扉閉センサ33Sとを備える。
この駆動ユニットU3の場合、扉開センサ32Sは、起動ブロック2の前進方向の端部(終端部)の起動ブロック2を検知し、制御部へ扉R2-3の開信号を送信する起動ブロック前進センサで、扉閉センサ33Sは、起動ブロック2の後退方向の端部(終端部)の起動ブロック2を検知し、制御部へ扉R2-3の閉信号を送信する起動ブロック後退センサになっている。
【0086】
この場合、扉開センサ32S、扉閉センサ33Sはそれぞれ、第2の実施の形態と同様に、マイクロスイッチМからなり、扉開センサ32SをなすマイクロスイッチМは起動ブロック2の前進方向の端部で起動ブロック2を検知し、制御部へ検知信号を送信し、扉閉センサ33SをなすマイクロスイッチМは起動ブロック2の後退方向の端部で起動ブロック2を検知し、制御部へ検知信号を送信するようになっている。ここで、マイクロスイッチМは上部にプランジャピンとレバーを備え、プランジャピンをレバーでプッシュすることでスイッチをオン・オフする構成の一般的なものが採用される。またこの場合、起動ブロック2の側方にガイドローラ22が起動ブロック2から側方に延びる支持フレーム221を介してケースC-3の底面部上を転動可能に軸支されており、支持フレーム221でマイクロスイッチМのレバーをプッシュする方式を取る。
【0087】
これらのマイクロスイッチМはそれぞれ、ケースC-3の底面部上に取付ベースを介して、起動ブロック2の前進方向の端部付近及び起動ブロック2の後退方向の端部付近で、起動ブロック2の前進方向の端部に到達された起動ブロック2から側方の延びる支持フレーム221の停止位置に近接する位置、及び起動ブロック2の後退方向の端部に到達された起動ブロック2から側方の延びる支持フレーム221の停止位置に近接する位置、それぞれに、各マイクロスイッチМのレバーが各支持フレーム221に接触可能に設置される。そして、これらのマイクロスイッチМは制御部に配線を介して電気的に接続される。このようにして各起動ブロック2の前進方向の端部で各マイクロスイッチМにより各起動ブロック2(から延びる各ガイドローラ22の各支持フレーム221)を検知して、検知信号を扉開信号として制御部へ送信する。また、各起動ブロック2の後退方向の端部で各マイクロスイッチМにより各起動ブロック(から延びる各ガイドローラの各支持フレーム221)を検知して、検知信号を扉閉信号として制御部へ送信する。
【0088】
このようにすることで、制御部は、扉開閉センサ32S-33Sからの扉開信号、扉閉信号に基づいて、アクチュエータ1をコントロールすることができ、この駆動ユニットU3による扉R2-3の自動開閉を確実かつ円滑に実行することができる。
【0089】
図16にこの駆動ユニットU3のサーバーラックに用いた場合の使用例を示している。なお、この場合も、外部装置は、第1の実施の形態と同様に、ロボットなどに搭載されてもよく、また、一般に用いられる各種の管理システムに組み込まれてもよい。
【0090】
図16-1において、外部装置によりサーバーラックSR内の駆動ユニットU3(各アクチュエータ1の制御部)に、各駆動モータ11を正転方向に駆動(通電)する制御信号が送信されると、各駆動モータ11が通電され、正転方向に回転駆動される。各駆動モータ11の回転は各ギアユニットを介して連結された各ボールねじ12に伝達されて各ボールねじ12が回転され、各起動ブロック2が各ボールねじ12上を後端から前端へ向けて移動される。
【0091】
これら起動ブロック2の移動とともに、各作動アーム31-33後端の駆動部33が前進し、各作動アーム31-33全体が筐体本体R1内を前面の開口R0に向けて移動し、
図16-2に示すように、各作動アーム31-33の先端部、すなわち、各作動部31の筐体本体R1前面の開口R0からの前進により、各扉R2-31、R2-32が筐体本体R1前面の開口R0から押し開かれる。引き続く各駆動モータ11の回転駆動により、各ボールねじ12が回転され、各作動アーム31-33の各作動部31は中間部の各ガイド部32の案内により、各扉R2-31、R2-32の開動方向に向けて前進し、各扉R2-31、R2-32を開動していく。
【0092】
このように各駆動モータ11の回転駆動により各ボールねじ12が回転されて、各起動ブロック2が各ボールねじ12上を前端まで移動されると、各作動アーム31-33の各作動部31が筐体本体R1前面の開口R0から外部前方(左右)両側に突出して各扉R2-31、R2-32を押し切り、扉R2-3は筐体本体R1の前面開口R0の左右両側に大きく開いて、筐体本体R1の前面開口R0が全開される。
【0093】
かくして扉R2-3が全開されると、図示されないロボットシステムや各種の管理システムにより、サーバーラックSR内の各情報処理装置の管理作業が行われる。
【0094】
そして、このサーバーラックSR内の各情報処理装置の管理作業が終了すると、外部装置によりサーバーラックSR内の各駆動ユニットU3(各アクチュエータ1の制御部)に、各駆動モータ11を逆転方向に駆動(通電)する制御信号が送信され、各駆動モータ11が通電されて、逆転方向に回転駆動される。これにより、各ボールねじ12、各起動ブロック2、各作動アーム31-33が扉R2-3を開く動作の場合とは反対に動作し、各扉取付ブラケット6-3を介して扉R2-3の回動側が筐体本体R1の前面まで引き戻され、扉R-32が閉動される。このようにして扉R2-3は自動的に閉められる。
なお、各サーバーラックSR毎に、ロボットシステム又は各種の管理システムの制御により、各駆動ユニットU3の同様の動作が繰り返される。
【0095】
このようにしても、第1、第2の実施の形態と同様の各別な作用効果を奏することができる。特に、観音開き式の扉において有効である。扉取付ブラケット6-3、扉開閉センサ32S-33Sにあっても、その作用効果は、既述のとおり、顕著である。
【0096】
なお、この実施の形態では、駆動ユニットU3は、1つのアクチュエータ1及び1つの作動アーム5を1装備として、2装備が、個別の2ケースC-31、C-32を合わせてなるケースC3に配置収容されるものとして例示したが、これに代えて、一体のケース内に配置収容されて構成されてもよく、このようにしても、2設備を筐体本体内に異なる高さの平面に分けて配置することができない点を除けば、上記と概ね同様の作用効果を奏することができる。また、ここで2装備は、筐体本体内に同一平面上に対称的に並列配置されるものとして例示したが、これに代えて、異なる平面上に対称的に並列配置されてもよい。このようにしても、所謂観音開き式の扉にも適用することができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。さらに、ここでは、一対の駆動ユニットU3を例示したが、駆動ユニットU3単体を、第1の実施の形態と同様に、開き戸式の扉に適用できることは勿論であり、開き戸式の扉に適用することで、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0097】
なお、第2、第3の各実施の形態において、扉取付ブラケット6-2、6-3の回転軸61と操作部62にシリンダー錠と鍵が採用されているが、シリンダー錠に代えて、この種のラックやキャビネットの扉に一般に用いられる錠前付きのハンドルが使用されてもよい。この場合、ハンドルのハンドル軸が回転軸であり、ハンドルレバーが操作部である。扉の施解錠が不要であれば、錠前の無いハンドルでもよい。このようにしても、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0098】
また、第1、第2及び第3の各実施の形態での各駆動ユニット、各扉取付ブラケット、及び各扉開閉センサは、各実施の形態において転用可能であり、各実施の形態において、これらを適宜転用することで、上記各実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0099】
U 扉自動開閉用駆動ユニット(駆動ユニット)
1 アクチュエータ
11 駆動モータ
111 出力軸
12 ボールねじ
13 ナット
131 円筒部
132 張り出し部
14 モータブラケット
15 支持ブラケット
16 カップリング
2 起動ブロック
21 プレート
211 連結部
212 軸受部
S1 取付ねじ
22 ガイドローラ
3 進退アーム
P1 連結ピン
4 回動アーム
41 取付プレート
42 台座
P2 連結ピン
P3 連結ピン
5 ドアアーム
P4 連結ピン
6 扉取付ブラケット
P5 連結ピン
C ケース
C0 開口部
C1 底面部
C2 側面部
C21 エンドプレート
C3 後面部
C4 前面部
C40 開口部
C41 化粧板
C5 天面部
R ラック
SR サーバーラック
R0 開口
R1 筐体本体
R2 扉
DC データセンター
М 情報処理装置
S ロボット管理システム
S1 作業ロボット
U2 扉自動開閉用駆動ユニット(駆動ユニット)
C-2 ケース
C-21 ケース
C-22 ケース
R2-1 扉
R2-2 扉
210 バネ受け部
221 支持プレート
50 連結孔
51 位置決め装置
51S 回転アームストッパー
511 支持プレート
512 取付ベース
513 フックピン
514 フック
515 係止爪
516 バネ
517 ソレノイド
518 プランジャ
519 引きプレート
52S ドアアームストッパー
521 取付部
522 ストッパー部
523 バネ受け部
524 バネ受け部
53S バネ
2S-4S 扉開閉センサ
М マイクロスイッチ
6-2 扉取付ブラケット
61 回転軸(シリンダ錠)
610 鍵孔
611 フランジ
612 ナット
613 ロータ
62 操作部(鍵)
63 連結プレート
631 取付部
6310 連結プレート取付孔
632 連結部
6320 連結ピン取付孔
64 連結ピン
65 ストッパープレート
650 溝
651 取付部
6510 シリンダ錠挿通孔
652 ストッパー部
U3 扉自動開閉用駆動ユニット(駆動ユニット)
C-3 ケース
C-31 ケース
C-32 ケース
扉 R2-3
扉 R2-31
扉 R2-32
31-33 作動アーム
31 作動部
311 連結ピン
32 ガイド部
33 駆動部
330 バネ受け部
34 位置決め装置
341 作動アームストッパー
341P 取付部
341S ストッパー部
342 バネ
CP コントローラ
6-3 扉取付ブラケット
6-31 扉取付ブラケット
66 連結プレート
660 連結溝
660G ガイド溝
660R 係合溝
661 取付部
662 連結部
6-32 扉取付ブラケット
32S-33S 扉開閉センサ
67A アーム側連結プレート
67P 連結ピン
671 取付部
672 連結部
67B 扉側連結プレート
673 取付部
674 連結部