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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080005
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】ケーブルドラム
(51)【国際特許分類】
   B65H 75/14 20060101AFI20230601BHJP
   B65D 85/04 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B65H75/14
B65D85/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022149668
(22)【出願日】2022-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2021192828
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 孝明
(72)【発明者】
【氏名】内田 桂
(72)【発明者】
【氏名】西村 光司
(72)【発明者】
【氏名】朝日 昴
【テーマコード(参考)】
3E068
3F058
【Fターム(参考)】
3E068AA24
3E068AB09
3E068AC03
3E068BB01
3E068CC30
3E068CE03
3E068CE08
3E068CE11
3E068DD18
3E068DD27
3E068DE01
3E068EE09
3E068EE37
3F058AA03
3F058AA08
3F058AB03
3F058AC07
3F058AC14
3F058BB11
3F058CA11
3F058CA12
3F058DA05
3F058DB18
3F058DC01
(57)【要約】
【課題】強化部材の簡素化により製造工数と部品管理工数を低減させることができ、生産性及び使用時の耐久性を向上させることができるケーブルドラムを提供する。
【解決手段】ケーブルドラム1は、ケーブルHが巻き付けられる胴部10と、この胴部10の両端部10a,10aに設けられる一対の鍔部20,20と、を備え、胴部10は、内側空間10bを形成する複数の桟板11で構成され、各桟板11は軸方向Xの中央部及び鍔部20との接続部分で折り畳み自在になっており、一対の鍔部20,20は、少なくとも一方の中心に胴部10の内側空間10bと連通する挿入孔23が設けられ、胴部10の内側空間10bには、挿入孔23を介して挿入自在な強化部材30が収容される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルが巻き付けられる胴部と、
前記胴部の両端部に設けられる一対の鍔部と、
を備え、
前記胴部は、内側空間を形成する複数の桟板で構成され、各桟板は軸方向の中央部及び前記鍔部との接続部分で折り畳み自在になっており、
前記一対の鍔部は、少なくとも一方の中心に前記胴部の内側空間と連通する挿入孔が設けられ、
前記胴部の内側空間には、前記挿入孔を介して挿入自在な強化部材が収容されるケーブルドラム。
【請求項2】
前記強化部材は、中心に貫通孔を有した円柱状に形成され、
前記円柱状の強化部材の側面には、前記鍔部に固定するための固定部が設けられている、請求項1に記載のケーブルドラム。
【請求項3】
前記固定部は、前記円柱状の強化部材の側面に取り付けられる回転軸と、前記回転軸を介して回転するストッパと、を有する、請求項2に記載のケーブルドラム。
【請求項4】
前記強化部材は、中心に貫通孔と側面に空気注入口を有した円筒袋状に形成され、
前記円筒袋状の強化部材の側面には、前記鍔部に固定するための固定部が設けられている、請求項1に記載のケーブルドラム。
【請求項5】
前記固定部は、前記鍔部に締結部材を介して固定されるL字形のブラケットである、請求項4に記載のケーブルドラム。
【請求項6】
前記各桟板は、前記鍔部との接続部分においてピンで枢支された一対の取付板を有するヒンジを介して折り畳み自在になっており、
前記ヒンジの少なくとも前記各桟板側に取り付けられた取付板は、弾性部材で覆われている、請求項1に記載のケーブルドラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルドラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電力用ケーブル等の長尺で重量のあるケーブル類の巻き取り、運搬に木製や合成樹脂製のケーブルドラムが利用されている。近年、運搬コストを安くして繰返し利用を可能とした折り畳み式ドラムが実用化されている。この種のケーブルドラムとして、特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載のケーブル用折り畳み式巻きドラムは、両側の軸孔付きの一対の円形鍔板と、この一対の円形鍔板の間に中央及び両端部がヒンジ機構を介して折り畳まれる複数の桟板部材からなる直胴部と、を備えている。そして、ドラムを使用する際には、複数の桟板部材を折り畳まれた状態から直線状に伸長させ、この複数の桟板部材の伸長状態をロック部材を介してロックすることで略円筒状の胴部を形成し、電力用ケーブル等が直胴部に巻き取られて運搬される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-104740号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来のケーブル用折り畳み式巻きドラムでは、複数の桟板部材の伸長状態をロックする部材や補強する部材等の多数の部品が必要となるため、製造工数が増加して生産性が悪く、また、部品管理の工数も増えてコスト高である。さらに、ヒンジ機構の可動部が多いため、耐久性が悪い。
【0005】
本発明は、このような従来技術が有する課題に鑑みてなされたものである。そして本発明の目的は、強化部材の簡素化により製造工数と部品管理工数を低減させることができ、生産性及び使用時の耐久性を向上させることができるケーブルドラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の態様に係るケーブルドラムは、ケーブルが巻き付けられる胴部と、前記胴部の両端部に設けられる一対の鍔部と、を備え、前記胴部は、内側空間を形成する複数の桟板で構成され、各桟板は軸方向の中央部及び前記鍔部との接続部分で折り畳み自在になっており、前記一対の鍔部は、少なくとも一方の中心に前記胴部の内側空間と連通する挿入孔が設けられ、前記胴部の内側空間には、前記挿入孔を介して挿入自在な強化部材が収容されるものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、強化部材の簡素化により製造工数と部品管理工数を低減させることができ、生産性及び使用時の耐久性を向上させることができるケーブルドラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係るケーブルドラムの一例を示す斜視図である。
図2】上記ケーブルドラムの側面図である。
図3図2中III-III線に沿う断面図である。
図4】上記ケーブルドラムに用いられる強化部材の斜視図である。
図5】上記強化部材の要部の拡大側面図である。
図6図5中VI-VI線に沿う断面図である。
図7】本発明の第2実施形態のケーブルドラムを示す斜視図である。
図8】上記第2実施形態の図5中VI-VI線に沿う断面図である。
図9】上記第2実施形態のケーブルドラムの変形例を示す斜視図である。
図10】上記変形例の図5中VI-VI線に沿う断面図である。
図11】本発明の第3実施形態のケーブルドラムを示す斜視図である。
図12】上記第3実施形態のケーブルドラムの側面図である。
図13図12中XIII-XIII線に沿う断面図である。
図14】上記第3実施形態のケーブルドラムに用いられる強化部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るケーブルドラムについて詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の第1実施形態に係るケーブルドラムの一例を示す斜視図である。図2はケーブルドラムの側面図である。図3図2中III-III線に沿う断面図である。図4はケーブルドラムに用いられる強化部材の斜視図である。図5は強化部材の要部の拡大側面図である。図6図5中VI-VI線に沿う断面図である。
【0011】
図1図3に示すように、ケーブルドラム1は、ケーブルHが巻き付けられる胴部10と、この胴部10の両端部10a,10aに設けられる一対の鍔部20,20と、胴部10の内側空間10bに収容され、中央に貫通孔31を有した強化部材30と、を備えている。
【0012】
図1図3に示すように、胴部10は、内側空間10bを形成する複数の桟板11で略円筒状に構成されていて、各桟板11は、木製で、軸方向Xの中央部及び鍔部20との接続部分でヒンジ12を介して折り畳み自在になっている。
【0013】
図3に示すように、各桟板11は、右側の桟板11Rと左側の桟板11Lで2分割されており、これら桟板11R,11Lの近接する端部(接合部)がヒンジ12を介して折り畳み自在になっている。また、各桟板11R,11Lの両外側の端部(鍔部20との接続部分)は、ヒンジ12を介して鍔部20に取り付けられている。これら各ヒンジ12により、空ドラムを折り畳むことができるようになっている。そして、図3に示すように、右側の桟板11Rと左側の桟板11Lが折り畳まれた状態から直線状に伸長した状態になると、胴部10は略円筒状になり、この略円筒状の胴部10には、ケーブルHである長尺で重量のある電力ケーブル等が巻き付けられるようになっている。なお、図3及び図6に示すように、各ヒンジ12はピン12aで枢支された一対の取付板12b,12bを有している。この一対の取付板12b,12bは、右側の桟板11Rと左側の桟板11L間、右側の桟板11Rと鍔部20間、左側の桟板11Lと鍔部20間にそれぞれ配置されて各箇所にそれぞれネジ止め等により取り付けられて固定される。
【0014】
図1図3に示すように、鍔部20は、木製で円環板状に形成されていて、外輪21と内輪22を同心状に有し、内輪22が胴部10の両端部10a,10aにヒンジ12を介して取り付けられる。また、図1図3に示すように、鍔部20は、中心に胴部10の内側空間10bと連通し、強化部材30を出し入れする大径で円形の挿入孔23が設けられている。さらに、鍔部20の外輪21の円形の挿入孔23の相対向する周縁の側面には、後述する固定部40のストッパ42が収容されて係合される円弧状の一対の凹部24,24が切り欠き形成されている。
【0015】
図1図4に示すように、強化部材30は、硬質樹脂製であり、中心に小径の軸孔(貫通孔)31を有した円柱状に形成されている。この軸孔31は、強化部材30の中心にあって、ケーブルドラム支持装置の軸棒(不図示)が挿入されることで、ケーブルHの巻き付け引き出し時に、軸受けとしての機能を有する。また、円柱状の強化部材30は、鍔部20の挿入孔23を介して胴部10の内側空間10bに収容され、強化部材30の両側面30a,30aに設けられた固定部40を介して一対の鍔部20、20間に固定される。
【0016】
図4図6に示すように、固定部40は、円柱状の強化部材30の側面30aに取り付けられた回転軸41と、この回転軸41を介して回転する矩形板状のストッパ42と、を有する。このストッパ42は、強化部材30の側面30aの回転軸41の回りに形成されたラチェット機構33により位置決めされる。また、ストッパ42が鍔部20の円弧状の凹部24に係合されることで、強化部材30が胴部10の内側空間10bと鍔部20の挿入孔23から抜けて脱落するのを防いでいる。
【0017】
以上第1実施形態のケーブルドラム1によれば、鍔部20の挿入孔23から胴部10の内側空間10bに円柱状の強化部材30を挿入して収容し、ストッパ42を回して強化部材30を鍔部20に固定するだけの作業で、ケーブルドラム1を簡単に組立てることができる。この組立て際に、胴部10の内側空間10bに強化部材30が収容されると、強化部材30で各桟板11の右側の桟板11Rと左側の桟板11Lが折り畳み不能に形状保持されると共に、強化部材30に各桟板11が一体化されて補強される。
【0018】
また、鍔部20の挿入孔23と胴部10の内側空間10b内に収容された強化部材30によって、胴部10に重量のある電力ケーブル等のケーブルHを巻き付けた際にヒンジ12が破壊されることなく保持することができる。さらに、従来の物に比べて、ヒンジ12の個数を減らした状態で、組立てと折り畳みを繰り返して使用することができるため、ケーブルドラム1の使用時の耐久性を向上させることができる。
【0019】
さらに、ケーブルドラム1を保管する場合には、強化部材30のストッパ42を回して胴部10の内側空間10b内から強化部材30を取り出し、各桟板11の右側の桟板11Rと左側の桟板11Lをヒンジ12を介して折り畳む。この折り畳み作業により、右側の桟板11Rと左側の桟板11Lがヒンジ12を介して鍔部20の内輪22側に折り畳まれるため、工具を使用することなく、一対の鍔部20,20間に折り畳まれた胴部10と強化部材30とに分けて、運搬、保管することができる。
【0020】
このように、強化部材30の側面30aにストッパ42を設けた構成であるため、強化部材30全体を簡素化することができる。この簡素化により、ケーブルドラム1の製造工数と部品管理工数を低減させることができ、生産性を向上させることができる。
【0021】
図7は本発明の第2実施形態のケーブルドラムを示す斜視図である。図8は第2実施形態の図5中VI-VI線に沿う断面図である。図9は第2実施形態のケーブルドラムの変形例を示す斜視図である。図10は変形例の図5中VI-VI線に沿う断面図である。
【0022】
この第2実施形態のケーブルドラム1は、各桟板11と鍔部20との接続部分に取り付けられたヒンジ12をバンド(弾性部材)50で覆った点が、前記第1実施形態のものとは異なる。なお、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0023】
この第2実施形態のケーブルドラム1では、図7に示すように、各桟板11の右側の桟板11R及び左側の桟板11Lと鍔部20の内輪22の接続部分に一対の取付板12b,12bを介して取り付けられた各ヒンジ12は、バンド50で帯状に覆われている。このバンド50は、ゴムのような弾性材から成り、鍔部20と各桟板11の接続部分に用いられる両側に位置する2箇所にある各ヒンジ12の全体を覆うように巻き付けることにより取り付けられている。つまり、図8に示すように、各ヒンジ12のピン12aと一対の取付板12b,12bの全てを断面略L字状になったバンド50で覆うように巻き付けることで取り付けられている。なお、バンド50の材質は、ケーブルドラム1の屋外保管を考慮し、耐候性に優れるCRまたはEPDM等を使用する。
【0024】
この第2実施形態のケーブルドラム1では、ケーブルドラム1の組立て時に、各桟板11の両側の各ヒンジ12上に取り付けた弾性のあるバンド50がケーブルドラム1の中央方向に各桟板11を押すことでケーブルドラム1の形状を矯正することができる。また、バンド50の取り付け位置を各桟板11と鍔部20の接合部とすることで、各桟板11の中央にバンド50を取り付けた場合と比較して、折り畳み時にバンド50の変形量を抑え耐久性が向上する。さらに、ケーブルドラム1の折り畳み時に2分割された各桟板11を折り畳む際に反力となるバンド50の影響を低減することで、折り畳み時の作業性を確保することが可能である。
【0025】
また、図8に示すように、バンド50の形状を断面略L字状にして各桟板11と鍔部20との間に取り付けられた各ヒンジ12の全体を覆うことで、胴部10に巻き付けられたケーブルHの保護性能を向上させることができる。つまり、胴部10にケーブルHを巻いた際にヒンジ12とケーブルHが接触することで、ケーブルHに傷が入る虞があったが、ヒンジ12とケーブルHとの間に弾性のあるバンド50が入ることで、ケーブルHを傷付けることなく保護することができる。なお、ケーブルHに傷が入る虞がない場合は、図9及び図10に示す変形例のように、ヒンジ12の一対の取付板12b,12bのうち各桟板11側に取り付けられた取付板12bのみをバンド50で覆ったものを使用するようにしても良い。
【0026】
図11は本発明の第3実施形態のケーブルドラムを示す斜視図である。図12はケーブルドラムの側面図である。図13図12中XIII-XIII線に沿う断面図である。図14はケーブルドラムに用いられる強化部材の斜視図である。
【0027】
この第3実施形態のケーブルドラム1は、強化部材35を円筒袋状に形成した点が、前記第1実施形態のものとは異なる。なお、他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一構成部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
この第3実施形態のケーブルドラム1に用いられる強化部材35は、図13に示すように、ゴムやビニル樹脂等の軟質樹脂製であり、中心に軸孔(貫通孔)36と、側面35aに空気注入口37と、を有する。そして、強化部材35は、空気注入口37から空気を充填することで膨らんで強靭な円筒袋状になる。また、円筒袋状の強化部材35の両側面35a,35aには、胴部10の内側空間10bと鍔部20の内輪22の挿入孔23より外輪21との間に収容された状態で、鍔部20の外輪21に固定するためのブラケット(固定部)45が設けられている。
【0029】
図11図14に示すように、ブラケット45は、強化部材35の側面35aに固着された湾曲状の起立片部46と、この起立片部46の先端より折り曲げられ、中央に取付孔47aを有した三角形状の取付片部47と、でL字形に形成されている。そして、取付片部47が鍔部20の外輪21に不図示の釘やボルト等の締結部材を介して固定される。
【0030】
なお、図13に示すように、鍔部20の外輪21は、中央に軸孔(貫通孔)25を有している。この軸孔25と強化部材35の軸孔36は、鍔部20と強化部材35の中心にあって、ケーブルドラム支持装置の軸棒(不図示)が挿入されることで、ケーブルHの巻き付け引き出し時に、軸受けとしての機能を有する。また、鍔部20の外輪21には、ブラケット45を外に露出させるための差込み孔26を有している。さらに、空気注入口37には、不図示の逆止弁が設けられていて、充填された空気が漏れないようになっている。
【0031】
この第3実施形態のケーブルドラム1では、袋状の強化部材35内に空気注入口37から空気を出し入れすることで、前記第1実施形態と同様の作用・効果を奏する。特に、ケーブルドラム1の未使用時には、胴部10の折り畳まれた各桟板11間に収縮した袋状の強化部材35を収容することができるため、省スペース化が可能となり、さらなる運搬効率の向上と、保管スペースの削減及び組立工数の削減が可能となる。
【0032】
以上、本実施形態を説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0033】
すなわち、前記各実施形態によれば、一対の鍔部に強化部材を出し入れする円形の挿入孔をそれぞれ設けたが、いずれか一方の鍔部に挿入孔を設けても良い。この場合、他方の鍔部には、軸孔を設ける必要がある。
【0034】
また、前記第1実施形態によれば、強化部材を硬質樹脂の樹脂で円柱状に形成したが、木製や金属製でも良い。
【0035】
さらに、前記第1実施形態によれば、ストッパをラチェット機構により位置決めして固定するようにしたが、固定手段はラチェット機構に限られるものではなく、弾性部材等の他の固定手段でも良い。
【符号の説明】
【0036】
1 ケーブルドラム
10 胴部
10a,10a 両端部
10b 内側空間
11 複数の桟板
12 ヒンジ
12a ピン
12b,12b 一対の取付板
20,20 一対の鍔部
23 挿入孔
30 円柱状の強化部材
30a 側面
31 軸孔(貫通孔)
35 円筒袋状の強化部材
35a 側面
36 軸孔(貫通孔)
37 空気注入口
40 固定部
41 回転軸
42 ストッパ
45 ブラケット(固定部)
50 バンド(弾性部材)
H ケーブル
X 軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14