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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080008
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】電力制御システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230601BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230601BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230601BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H02J7/00 A
H02J7/00 Y
H01M10/48 P
H01M10/44 P
H02J7/04 L
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022159697
(22)【出願日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】17/536,251
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519447732
【氏名又は名称】トランスポーテーション アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110003797
【氏名又は名称】弁理士法人清原国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナルチャイル,サクシ
(72)【発明者】
【氏名】プラサントゥ,サンカラ
(72)【発明者】
【氏名】バルマ,ラジーヴ
(72)【発明者】
【氏名】サバラッド,ジャヤプラカシュ
(72)【発明者】
【氏名】ピドゥリ,タルネンドゥラ セカール
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503BA01
5G503BB01
5G503BB02
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503CB13
5G503EA08
5H030AA01
5H030AS08
5H030BB01
5H030BB21
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】      (修正有)
【課題】システムに隣接する周囲温度、システムに接続されたバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の電流値及びバッテリを含むバッテリ回路の電圧を受信することを含む電力制御システム及び関連する方法を提供する。
【解決手段】電力制御システムは、周囲温度、電流値及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度が判定する。バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリを充電又は放電するための1つ以上の条件を判定する。少なくとも1つ以上の条件に基づいて、バッテリを充電又は放電する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
システムに隣接する周囲温度、前記システムに接続されたバッテリへ又は前記バッテリから導電される電気の電流値、及び前記バッテリを含むバッテリ回路の電圧を受信することと、
前記周囲温度、前記電流値、及び前記電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリの内部温度を判定することと、
少なくとも部分的に前記バッテリの前記内部温度、前記電流値、及び前記電圧に基づいて、前記バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件を判定することと、
少なくとも前記1つ以上の条件に基づいて、前記バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記バッテリの前記内部温度が、バッテリ温度センサを使用することなく判定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記バッテリの前記内部温度に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリのハウジングの表面温度を判定することを更に含み、前記表面温度が、前記内部温度と異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記バッテリの前記ハウジングの前記表面温度にも基づいて、前記バッテリを充電又は放電するための前記1つ以上の条件を判定すること、を更に含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上の条件が、前記バッテリの充電電流値又は充電電圧のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バッテリの前記充電又は放電が、前記1つ以上の条件に基づいて、前記バッテリの前記充電又は放電のうちの少なくとも1つのレートを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
バッテリ温度センサから内部バッテリ温度データを受信することと、
前記バッテリ温度データを前記判定されたバッテリの前記内部温度と比較することによって判定された前記バッテリの前記内部温度を検証することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記内部バッテリ温度データと、判定された前記バッテリの前記内部温度との間の差が指定された相対閾値を超えることに基づいて、前記システムのオペレータに警告を通信することを更に含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記バッテリの前記内部温度が、指定された絶対閾値を超えると判定することと、
前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えることに基づいて、前記システムのオペレータに警告を通信することと、
を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えることに基づいて、前記バッテリを充電又は放電するための前記1つ以上の条件を変更することを更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
電力制御システムであって、
周囲温度を温度センサを介して、バッテリへ又は前記バッテリから導電される電気の電流値を電流センサを介して、及び前記バッテリを含むバッテリ回路の電圧を電圧センサを介して、受信するように構成されている、1つ以上のプロセッサを備える、コントローラを備え、
前記1つ以上のプロセッサが、前記周囲温度、前記電流値、及び前記電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリの内部温度を判定するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサが、前記バッテリの前記内部温度、前記電流値、及び前記電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件を判定するように構成され、
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上の条件に基づいて、前記バッテリの充電又は放電のうちの少なくとも1つを制御するように構成されている、電力制御システム。
【請求項12】
前記1つ以上のプロセッサが、バッテリ温度センサを使用することなく前記バッテリの前記内部温度を判定するように構成されている、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項13】
前記1つ以上のプロセッサが、前記バッテリの前記内部温度に基づいて、前記バッテリのハウジングの表面温度を判定し、前記バッテリの前記ハウジングの前記表面温度に基づいて、前記バッテリを充電又は放電するための前記1つ以上の条件を判定するように構成されている、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項14】
前記1つ以上の条件が、前記バッテリの充電電流値又は充電電圧のうちの1つ以上を含む、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項15】
前記1つ以上のプロセッサが、前記1つ以上の条件に基づいて、前記バッテリの充電又は放電のうちの少なくとも1つのレートを制御するように構成されている、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項16】
前記1つ以上のプロセッサに内部バッテリ温度データを提供するように構成されているバッテリ温度センサを更に備え、前記1つ以上のプロセッサが、前記内部バッテリ温度データを、前記判定されたバッテリの前記内部温度と比較することによって判定された前記バッテリの前記内部温度を検証するように構成されている、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項17】
前記内部バッテリ温度データと、判定された前記バッテリの前記内部温度との間の差が指定された相対閾値を超えることに基づいて、前記システムのオペレータに警告を通信するように構成されている通信システムを更に備える、請求項16に記載の電力制御システム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、判定された前記バッテリの前記内部温度が指定された絶対閾値を超えると判定し、前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えると判定することに応答して、前記システムのオペレータに警告を通信するように構成されている、請求項11に記載の電力制御システム。
【請求項19】
前記1つ以上のプロセッサが、前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えることに基づいて、前記バッテリを充電又は放電するための前記1つ以上の条件のうちの前記1つ以上を変更するように構成されている、請求項18に記載の電力制御システム。
【請求項20】
方法であって、
システムの周囲温度、前記システムに接続されたバッテリへ又は前記バッテリから導電される電気の電流値、及び前記バッテリの電圧、を受信することと、
バッテリ温度センサなしで前記バッテリの内部温度を判定することであって、前記バッテリの前記内部温度が、前記周囲温度、前記電流値、及び前記電圧に少なくとも部分的に基づいて判定される、判定することと、
前記バッテリの前記内部温度、前記電流値、及び前記電圧に少なくとも部分的に基づいて、前記バッテリを充電するための1つ以上の条件を判定することであって、前記1つ以上の条件が、前記バッテリの充電電流又は充電電圧のうちの1つ以上を含み、前記1つ以上の条件が、前記バッテリを充電するレートを制御するように構成されている、判定することと、
前記1つ以上の条件に基づいて、前記バッテリを自動的に充電することと、
前記バッテリの前記内部温度が指定された絶対閾値を超えると判定することと、
前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えることに基づいて、前記システムのオペレータに警告を通信することと、
前記バッテリの前記内部温度が前記指定された絶対閾値を超えることに基づいて、前記バッテリを充電するための前記1つ以上の条件のうちの1つ以上を変更することと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載される主題は、電力制御システムのバッテリ温度を判定するためのシステム及び関連する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
バッテリ又は他の充電可能な電力デバイスは、様々なシステム内で使用されて、システムの推進負荷及び非推進負荷に電力を供給することができる。一例として、バッテリは、車両の様々な構成要素又はシステムに電力を供給するために車両内で使用され得る。バッテリの充電及び/又は放電は、バッテリの寿命の最適化において役割を果たす。例えば、バッテリの寿命は、バッテリの充電又は放電が速すぎる又は遅すぎること、充電中又は放電中のバッテリへの又はバッテリから誘導された電気の充電電流値、充電電圧値などによって影響を受け得る。バッテリの寿命を向上させるために、バッテリの充電及び放電条件を考慮し得る。
【0003】
更に、バッテリの動作温度は、バッテリの寿命に影響を及ぼし得る。例えば、バッテリの経年又は寿命は、バッテリ動作温度に依存し得る。バッテリの寿命を最適化するために、バッテリの最適な充電及び/又は充電条件を判定するために、バッテリの動作温度を考慮しなければならない。しかしながら、多くのシステムは、バッテリ温度センサを含まない。例えば、既存のシステムは、バッテリ温度センサを含むことなく組み立てられ得るか、又は組み上げられ得、システムは、バッテリ温度センサなどを含む空間又は容量を有し得ない。
【0004】
バッテリ温度センサの使用又は存在なしに、バッテリの寿命を改善するために、バッテリの充電及び放電条件を判定するシステム及び方法の必要性が存在し得る。
【発明の概要】
【0005】
1つ以上の実施形態では、方法は、システムに隣接する周囲温度、システムに接続されたバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の電流値、及び当該バッテリを含むバッテリ回路の電圧を受信することを含む。周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度が判定される。バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件は、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて判定される。バッテリは、少なくとも1つ以上の条件に基づいて、充電又は放電のうちの少なくとも1つがなされる。
【0006】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態では、電力制御システムは、周囲温度を温度センサを介して、バッテリへ又はバッテリから導電される電気の電流値を電流センサを介して、及びバッテリを含むバッテリ回路の電圧を電圧センサを介して、受信するように構成されている、1つ以上のプロセッサを含む、コントローラを含む。プロセッサは、周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度を判定し得る。プロセッサは、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件を判定し得る。プロセッサは、1つ以上の条件に基づいて、バッテリの充電又は放電のうちの少なくとも1つを制御し得る。
【0007】
1つ以上の実施形態では、方法は、システムの周囲温度、システムに接続されたバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の電流値、及び当該バッテリの電圧を受信することを含む。バッテリの内部温度は、バッテリ温度センサなしで判定され得る。周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度が判定され得る。バッテリを充電するための1つ以上の条件は、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。1つ以上の条件は、バッテリの充電電流又は充電電圧のうちの1つ以上を含み得る。1つ以上の条件は、バッテリの充電のレートを制御し得る。バッテリは、1つ以上の条件に基づいて自動的に充電される。バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えていると判定され得、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて、警告がシステムのオペレータに通信され得る。バッテリを充電するための条件のうちの1つ以上は、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて変更され得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の主題は、添付の図面を参照して、非限定的な実施形態の以下の説明を読むことから理解され得る。
【0009】
図1】一実施形態による電力システムの一例を示す。
図2】一実施形態による電力システムのバッテリの充電又は放電の一例のフローチャートを示す。
図3】一実施形態による電力システムのバッテリを充電又は放電するための図2に示されるフローチャートの概略図の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される主題の実施形態は、バッテリ温度センサの不在下でバッテリの温度を判定するためのシステム及び方法に関する。電力制御システム(例えば、固定式又は移動式システム)は、電力制御システム又は他の電力制御システムの負荷に電力を提供し得る、バッテリ、抵抗グリッド、バッテリバンクなどの再充電可能な電力デバイスを含み得る。システムは、システムに隣接する周囲温度、バッテリへ又はバッテリから導電される電気の電流値、及びバッテリの電圧を受信するコントローラを含み得る。プロセッサは、バッテリの内部温度を判定するために、周囲温度、電流値、及び電圧を使用し得る。例えば、バッテリの内部温度は、バッテリ温度センサの不在下、又はバッテリ温度センサなしで判定され得る。
【0011】
プロセッサは、バッテリの充電及び/又は放電のための条件を判定するために、バッテリの判定された内部温度、電流値、及びバッテリの電圧を使用し得る。条件は、充電中又は放電中のバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の充電電流値を含み得る。任意選択的に、条件は、バッテリへ又はバッテリから誘導された電気の電圧を示す充電電圧値を含み得る。バッテリは、判定された条件に少なくとも部分的に基づいて、自動的に充電及び/又は放電され得る。更に、バッテリを充電又は放電するレートは、充電及び/又は放電のための条件に少なくとも部分的に基づいて制御され得る。
【0012】
図1は、一実施形態による電力制御システム100の一例を示す。一実施形態では、電力制御システムは、車両、例えば、鉄道車両、自動車、トラック、バス、採鉱車両、船舶、航空機(ドローンなどの有人又は無人航空機)、農業車両、産業用機器、又は他のオフハイウェイ車両の移動式電力制御システムであり得る。別の実施形態では、電力制御システムは、風力タービン、製造機械、発電システムなどの静止又は非移動電力制御システムであり得る。
【0013】
電力制御システムは、電力制御システムの構成要素と通信し得る、及び/又は電力制御システムとは別のシステムと通信し得る通信システム108を含み得る。通信システムは、トランシーバ回路、1つ以上のアンテナ、モデムなどを表す。1つ以上の実施形態では、通信システムは、データ信号を受信して、電力制御システムのコントローラ110、1つ以上のウェイサイドデバイス、別の電力制御システムのオンボードの1つ以上のシステムなどに提供し得る。一実施形態では、電力制御システムは、別のシステム、データベース、コントローラなどと無線通信し得る。任意選択的に、電力制御システムは、ワイヤ、ケーブル、バスなどの導電性経路を介して、他の電力システム、データベース、コントローラ、ウェイサイドデバイスなどと通信し得る。
【0014】
電力制御システムは、電力制御システムの1つ以上の構成要素又はシステム(例えば、エンジン、モータ、発電機など)に電力を提供する1つ以上の他の構成要素を含むエンジン106を含み得る。一実施形態では、エンジンは、移動式電力システムを推進させて経路に沿って移動するための推進力を提供し得る。別の実施形態では、エンジンは、静止電力制御システムの構成要素又はシステムに電力を提供し得る。
【0015】
電力制御システムは、電力制御システムの1つ以上のシステム又は構成要素に電力を供給するために使用され得る電気エネルギ源を表すバッテリ回路102を含む。バッテリ回路は、バッテリハウジング104内に保持又は含有され得る、1つ以上のバッテリ、バッテリセル、又は他の充電式の電気エネルギ貯蔵デバイス、ワイヤ若しくは他の導電性材料などを含み得る。1つ以上の実施形態では、バッテリ回路のバッテリは、鉛酸バッテリ、ニッケルカドミウムバッテリ、ニッケル水素バッテリ、リチウムイオンバッテリなどであり得、かつ/又はこれらを表し得る。1つ以上の実施形態では、バッテリ回路は、バッテリハウジング内に配置された1つ以上のバッテリを含み得るか、又は任意選択的に、電力制御システムは、電力制御システムの構成要素に電力を供給するために使用され得る1つ以上のバッテリセルを有する2つ以上のバッテリ回路を含み得る。バッテリ回路は、バッテリが別の電源(例えば、電力制御システムの牽引モータ、別の電力制御システムからの充電ステーション又はカテナリ線などの外部電源、など)から電気エネルギを受け取ることができるように、充電可能なバッテリであり得る。
【0016】
電力制御システムは、電力制御システムの内部又は外部の異なる位置又は場所に配置された1つ以上のセンサ112を含み得る。一実施形態では、センサのうちの1つ以上は、電力制御システムに隣接する、及び/又は電力制御システムの外側の1つ以上の場所での周囲温度、電力制御システムの1つ以上の構成要素又はシステムの表面温度などを感知又は検出し得る温度又は熱センサを表し得る。1つ以上の実施形態では、センサのうちの1つ以上は、バッテリの特性を検出又は感知し得る。例えば、電流センサは、バッテリ回路に導電される、及び/又はバッテリ回路から導電される電気の電流値を検出し、感知し、又は別様に測定し得る。別の例として、電圧センサは、バッテリ回路の電圧を検出、感知、又は別様に測定し得る。別の例として、動きセンサは、電力制御システムの車軸が回転している速度を検出又は感知し得るか、あるいは電力制御システムが移動している速度を検出し得る。別の例として、圧力センサは、電力制御システム内の流体圧力(例えば、ブレーキ流、コンプレッサ流体圧力など)を検出又は識別し得る。
【0017】
電力システムは、制御モジュールを表し得るコントローラ110を含み得、本明細書に記載される1つ以上の動作を実行するための1つ以上のプロセッサ、マイクロコントローラ、若しくは他の論理ベースのデバイス及び/又は関連するソフトウェア若しくは命令を含み得る。コントローラは、エンジン及び/又はブレーキシステム(図示せず)によって提供される牽引力及び/又はブレーキ力を制御することによってなど、電力制御システムの動作を制御する。コントローラは、入力デバイス(図示せず)(例えば、タッチスクリーン、ジョイスティック、キーボード、スイッチ、ホイール、マイクなどであるが、これらに限定されない、オペレータからの入力を受信するデバイス)におけるオペレータからの手動入力に基づいて入力デバイスから命令信号を受信することによって手動で動作され得る。出力デバイス(図示せず)は、電力制御システムの動作条件又は設定、電力出力情報、バッテリ回路情報(例えば、バッテリ回路の電流値、バッテリ回路の電圧、電力制御システムの周囲温度など)などの情報をオペレータに提供することができる。
【0018】
バッテリ回路は、クランキング、電子パネル及び制御システムのための電力の証明、照明などの他の補助負荷のための電力の提供などの電力制御システムの1つ以上の用途に使用され得るが、これらに限定されない。バッテリの充電状態は、バッテリから電気エネルギを引き出す電力制御システムの様々な用途に応じて変化する。1つ以上の実施形態では、バッテリ回路のバッテリは、充電又は放電を必要とされ得る(例えば、電気エネルギは、バッテリ回路から除去される必要があり得る)。バッテリの充電及び/又は放電のための最適な時間を判定するために、バッテリ及び/又は電力制御システムのうちの1つ以上の条件が考慮され得る。例えば、バッテリ充電電圧は、バッテリの温度(例えば、内部温度)に少なくとも部分的に基づき得る。追加的又は代替的に、電力制御システムのバッテリ経年は、バッテリ動作温度(例えば、バッテリ及び/又は電力制御システムが動作している間にバッテリが到達する内部温度)に依存し得る。
【0019】
1つ以上の実施形態では、バッテリの充電及び/又は放電のための条件は、バッテリを再充電する時間又は頻度(例えば、バッテリが判定された充電状態に到達したことに応答して、電力制御システムが必要とし得る電気エネルギの判定された量に基づいて、バッテリが使用中若しくは動作中であり得た、又は使用中若しくは動作中であろう時間の長さに基づいて、など)、バッテリが充電のための電気エネルギを受け取り得るレート、及び/又はバッテリが電気エネルギを放電し得るレート、バッテリが受信することができる電気エネルギの総量など、といった1つ以上の特性に基づき得る。
【0020】
図2は、一実施形態による、電力システムのバッテリを充電又は放電する方法のフローチャート200の一例を示す。更に、図3は、一実施形態による電力システムのバッテリを充電又は放電するための図2に示されるフローチャートの概略図を示す。図2及び3は、本明細書で一緒に考察される。方法のステップは、電力制御システムのコントローラによって、及び/又は電力制御システムのオフボードの若しくは電力制御システムとは別個の代替的なコントローラによって、完了することができる。任意選択的に、方法のステップは、代替的な順序で完了され得るか、1つ以上のステップが排除され得るか、又は1つ以上のステップが含まれ得る。
【0021】
ステップ202において、コントローラの1つ以上のプロセッサは、電力制御システムのセンサ312Cなどから周囲温度322を受信し得る。周囲温度は、電力制御システムの外側、電力制御システム内、電力制御システムの外側及び隣接する場所などのセンサから取得され得る。任意選択的に、1つ以上のプロセッサは、1つ以上の他の周囲条件(例えば、湿度、大気質、ノイズなど)も受信し得る。任意選択的に、1つ以上のプロセッサはまた、電力制御システムの地理的条件(例えば、電力制御システムの地理空間場所、モバイル電力制御システムの移動速度など)に関連する情報を受信及び/又は有し得る。
【0022】
ステップ204において、プロセッサは、電力制御システムのバッテリ回路のバッテリ304の内部温度302を判定し得る。バッテリの計算又は判定された内部温度は、周囲温度322(温度センサ312Cから受信されるなど)、システムのバッテリへ又はバッテリから導電される電気の電流値324(例えば、電流センサ312Bから受信され得る)、及びバッテリのバッテリの電圧326(例えば、電圧センサ312Aから受信され得る)のうちの1つ以上に基づき得る。任意選択的に、単一のセンサは、電流値及び電圧を含むバッテリの複数の特性を検出又は感知し得る。バッテリの内部温度は、バッテリ温度センサの不在下、又はバッテリ温度センサなしで判定され得る。例えば、バッテリの内部温度は、電力制御システムに隣接する周囲温度、電流値、及びバッテリの電圧に基づいて、バッテリ温度センサを使用することなく判定され得る。バッテリの判定された内部温度は、推定された内部温度、例えば、内部でバッテリ温度を測定するためにバッテリハウジングの内部に置かれる、又は内部に延在するセンサからのセンサデータなしに判定された内部温度の近似値であり得る。
【0023】
1つ以上の実施形態では、バッテリの内部温度又はコア温度は、バッテリの動作モードに基づいて判定され得る。例えば、バルク充電モードでは、内部バッテリ温度は、バッテリ電流値の多数決関数及びバッテリ電圧の少数関数である。代替的に、フロートバッテリモードでは、内部バッテリ温度は、バッテリ電圧の多数決関数及びバッテリ電流の少数関数である。例えば、フロートモードで動作しているバッテリに入る、又はバッテリから出る電気の電流値は、約ゼロであり得る。1つ以上の実施形態では、電流値は、バッテリに入る及び/又はバッテリから出るエネルギ並びにバッテリ損失(例えば、銅損など)を含み得る。一実施形態では、バッテリの電圧は、バッテリがフロートモードで動作する間のバッテリの電圧値及び放電損失を含み得る。プロセッサは、バッテリの計算されたエネルギ、バッテリの損失、バッテリのタイプ又はモダリティに基づくバッテリの熱容量係数及び/又は熱抵抗係数、バッテリの経年、バッテリの使用時間などに基づいて内部温度又はコアバッテリ温度を判定し得る。
【0024】
ステップ206において、プロセッサは、バッテリを充電及び/又は放電するための1つ以上の条件を判定し得る。条件は、電流値324、電圧326、及び判定された(例えば、推定された)内部バッテリ温度302に基づいて判定され得る。例えば、アルゴリズムは、バッテリの充電及び/又は放電のための条件又は特性を判定するために、バッテリへ又はバッテリから導電される電気の電流値を、バッテリの電圧及びバッテリの推定された内部温度と関連付ける、又は相関させることができる。条件又は特性は、バッテリへ又はバッテリから誘導された電気エネルギの充電電流値、充電又は放電電圧、充電レート又は速度、バッテリが受け取ることができる及び/又は放電することができる充電量、充電及び/又は放電の時間、バッテリの充電及び/又は放電の頻度などを含み得る。1つ以上の実施形態では、充電のための条件は、バッテリの放電のための条件とは異なる場合がある。任意選択的に、バッテリを充電するための条件及びバッテリを放電するための条件は、実質的に同じであり得る。
【0025】
1つ以上の実施形態では、プロセッサは、バッテリの内部温度に少なくとも部分的に基づいて、バッテリ回路のバッテリハウジングの表面温度を判定し得る。例えば、バッテリの内部温度又はコア温度は、バッテリの表面温度を示し得る。1つ以上の実施形態では、バッテリを充電及び/又は放電するための条件は、バッテリハウジングの表面温度に少なくとも部分的に基づき得る。
【0026】
ステップ208において、バッテリの内部温度が判定された絶対閾値を超えるかどうかの決定が行われる。バッテリの判定された絶対閾値は、バッテリのタイプ又はモダリティ、バッテリの経年、電力制御システムの動作条件(例えば、システムが使用中である時間の長さ、システムが使用中でない時間の長さなど)、電力制御システムが置かれた環境の環境条件などに基づき得る。一実施形態では、絶対閾値は、バッテリ及び/又は電力システムが動作を開始及び/又は動作を停止することに応答して変化し得る。別の実施形態では、絶対閾値は、電力制御システムの動作条件の変化に基づいて変化し得る。別の実施形態では、絶対閾値は、電力制御システム及び/又はバッテリ回路の動作条件が変化すること応答して変化し得る。バッテリのコア温度が絶対閾値を超える場合、方法のフローはステップ212に進む。任意選択的に、バッテリのコア温度又は内部温度が、絶対閾値の所定の閾値範囲内(例えば、絶対値の10%以内、絶対閾値の5%以内など)にある場合、方法のフローはステップ212に進み得る。代替的に、バッテリのコア温度又は内部温度が絶対閾値を超えない場合、あるいはバッテリの温度が絶対閾値の所定の閾値範囲内にない場合、方法のフローはステップ210に進み得る。
【0027】
ステップ210において、電気エネルギは、バッテリを充電又は放電するための条件に基づいて、それぞれ、バッテリに向かって又はバッテリから離れて自動的に誘導され、バッテリを充電又は放電する。例えば、充電電気エネルギ328は、バッテリの充電のためのバッテリに向かって誘導され得、電気エネルギの条件は、充電電流値、充電電圧、充電レートなどのうちの1つ以上を含み得る。任意選択的に、放電電気エネルギ330は、バッテリから誘導され得、条件は、放電電流値、放電電圧、放電レートなどを含み得る。
【0028】
1つ以上の実施形態では、バッテリは、バッテリを充電するために判定された条件に基づいて、バッテリの充電又は放電のレートで自動的に充電又は放電され得る。1つ以上の実施形態では、バッテリの充電又は放電のタイプ(例えば、トリクル充電又は放電モード、パルス充電又は放電モードなど)に基づいて、バッテリを自動的に充電及び/又は放電するべきである。任意選択的に、バッテリが目標の充電状態に到達するまで、バッテリは自動的に充電又は放電され得、バッテリの充電状態に基づいて、バッテリが目標の総充電値に到達するまで、バッテリが保持可能な上限又は下限の充電容量に到達するまで、バッテリは充電又は放電され得る、などである。任意選択的に、バッテリの充電及び/又は放電は、バッテリのバンク又はバッテリ回路にわたって分配され得る。
【0029】
1つ以上の実施形態では、バッテリは、電力制御システムの外部の電源から電気エネルギを受け取ること、代替的な内部電源から電気エネルギを受け取ること(例えば、電力制御システムの牽引モータ若しくはオルタネータ、又は電力制御システムの代替的なエネルギ貯蔵デバイスによって生成された電気エネルギを、電力ケーブルを介して受け取ること)、電力制御システムの外部のカテナリレール又は第三軌条を通じてユーティリティグリッドを介して電気エネルギを受け取ること、無線電力伝送システムから電気エネルギを受け取ることなどによって自動的に充電され得る。
【0030】
1つ以上の実施形態では、バッテリは、電力制御システムの負荷に向かってバッテリからなんらかの電気エネルギを誘導することによって自動的に放電され得る。例えば、バッテリは、電力制御システムの推進負荷318、電力制御システムの非推進負荷320、電力制御システムの他の負荷、別の電力制御システムの負荷などに電力を供給し得る。任意選択的に、電力は、電力制御システムのエネルギ貯蔵デバイス、電力制御システムの外部にある電源、電力制御システムの接地回路又は接地回路などに向けられ得る。
【0031】
ステップ212において、バッテリの温度が判定された絶対閾値を超えると判定すること応答して、警告が通信され得る。例えば、警告は、電力制御システムのオンボードの又は近接するオペレータ、電力制御システムのオフボードのオペレータ、電力制御システムから遠く離れて配置されたディスパッチセンター又は制御センターなどに通信され得る。警告は、判定された絶対閾値を超える温度の通知、判定された温度と絶対閾値との間の差に基づいて取るべきアクションの命令、プロセッサが電力制御システムの1つ以上の動作条件を有するか、又は自動的に変更する旨の表示又は通知などを含み得る。
【0032】
1つ以上の実施形態では、ステップ214において、バッテリを充電及び/又は放電するための1つ以上の条件が変更され得る。例えば、充電電流値が変更され得、充電電圧が変更され得、充電又は放電のレートが変更し得(例えば、より速いレート又はより遅いレートに)変更され得、放電されている又は充電のためにバッテリに追加されている電気エネルギの総量が変更(例えば、増加又は減少)され得る、などである。条件の変更は、判定された温度と絶対閾値との差に基づき得、バッテリの電流値又は電圧のうちの1つ以上が変化することに基づき得、電力制御システムの動作条件が変化すること、などに基づき得る。ステップ216において、バッテリは、バッテリを充電及び/又は放電するための新しい条件に基づいて自動的に充電及び/又は放電される。
【0033】
1つ以上の実施形態では、フローチャートは、バッテリ及び/又は電力制御システムが動作している間に反復又は継続し得る。任意選択的に、ステップは、判定された、又は所定の頻度で継続し得る(例えば、電力制御システムの動作1時間毎に1回、動作24時間毎に1回、バッテリの所定のワット時間使用量に基づいて、など)。任意選択的に、ステップは、所定の充電限界に到達したバッテリの充電状態に基づいて(例えば、バッテリ残量の総容量の75%に応答して、バッテリ残量の総容量の50%に応答して、など)継続し得る。任意選択的に、ステップは、電力制御システムの(例えば、オンボード又はオフボードの)オペレータが手動でプロセッサにバッテリの内部温度を判定するように指示することによる手動介入に応答して、継続又は反復し得る。
【0034】
1つ以上の実施形態では、プロセッサは、電力制御システムに隣接する場所から周囲温度、並びにバッテリの電流値及び電圧を受信して、バッテリの温度を判定し得る。プロセッサはまた、バッテリ温度センサなどから実際の内部バッテリ温度データを受信し得る。任意選択的に、プロセッサは、バッテリ温度センサから実際のバッテリ表面温度データを受信し得る。プロセッサは、実際のバッテリ温度データを判定された温度データと比較することによって、実際のバッテリ温度データを検証し得る。例えば、プロセッサは、バッテリの判定された内部温度を実際の内部温度データと比較することによって判定された内部温度を検証し得るか、又は判定されたバッテリ表面温度を実際のバッテリ表面温度データと比較することによって判定されたバッテリ表面温度を検証し得る。
【0035】
一実施形態では、プロセッサは、実際のバッテリ温度と、バッテリの判定された温度との間の差が、判定された相対閾値の上限を超えることに基づいて、電力制御システムのオペレータに警告を通信し得る。任意選択的に、プロセッサは、差が、判定された相対閾値の下限を下回っていることに基づいて、警告を通信し得る。任意選択的に、プロセッサは、実際の温度値と判定された温度値との差に基づいて、バッテリの温度を判定するためのアルゴリズムの1つ以上の変数又は関数を変更し得る。
【0036】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態では、方法は、システムに隣接する周囲温度、システムに接続されたバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の電流値、及び当該バッテリを含むバッテリ回路の電圧を受信することを含む。周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度が判定される。バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件は、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて判定される。バッテリは、少なくとも1つ以上の条件に基づいて、充電又は放電のうちの少なくとも1つがなされる。
【0037】
任意選択的に、バッテリの内部温度は、バッテリ温度センサを使用することなく判定され得る。任意選択的に、バッテリのハウジングの表面温度は、バッテリの内部温度に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。表面温度は、内部温度とは異なり得る。任意選択的に、バッテリの充電又は放電のための1つ以上の条件はまた、バッテリのハウジングの表面温度に基づき得る。任意選択的に、1つ以上の条件は、バッテリの充電電流値又は充電電圧のうちの1つ以上を含み得る。任意選択的に、バッテリの充電又は放電は、1つ以上の条件に基づいて、バッテリの充電又は放電のレートを制御することを含み得る。任意選択的に、内部バッテリ温度データは、バッテリ温度センサから受信され得、判定されるバッテリの内部温度は、バッテリ温度を判定されるバッテリの内部温度と比較することによって検証され得る。
【0038】
任意選択的に、警告は、内部バッテリ温度データと、判定されたバッテリの内部温度との間の差が指定された相対閾値を超えることに基づいて、システムのオペレータに通信され得る。任意選択的に、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えていると判定され得、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて、警告がシステムのオペレータに通信され得る。任意選択的に、バッテリを充電又は放電するための1つ以上の条件は、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて変更され得る。
【0039】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態では、電力制御システムは、周囲温度を温度センサを介して、バッテリへ又はバッテリから導電される電気の電流値を電流センサを介して、及びバッテリを含むバッテリ回路の電圧を電圧センサを介して、受信するように構成されている、1つ以上のプロセッサを含む、コントローラを含む。プロセッサは、周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度を判定し得る。プロセッサは、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリを充電又は放電することのうちの少なくとも1つのための1つ以上の条件を判定し得る。プロセッサは、1つ以上の条件に基づいて、バッテリの充電又は放電のうちの少なくとも1つを制御し得る。
【0040】
任意選択的に、プロセッサは、バッテリ温度センサを使用することなく、バッテリの内部温度を判定し得る。任意選択的に、プロセッサは、バッテリの内部温度に基づいて、バッテリのハウジングの表面温度を判定し得る。プロセッサは、バッテリのハウジングの表面温度に基づいて、バッテリを充電又は放電するための1つ以上の条件を判定し得る。任意選択的に、1つ以上の条件は、バッテリの充電電流値又は充電電圧のうちの1つ以上を含み得る。任意選択的に、プロセッサは、1つ以上の条件に基づいて、バッテリの充電又は放電のレートを制御し得る。任意選択的に、システムは、内部バッテリ温度データをプロセッサに提供するバッテリ温度センサを含み得る。プロセッサは、内部温度データを判定されたバッテリの内部温度と比較することによって判定されたバッテリの内部温度を検証し得る。任意選択的に、通信システムは、内部バッテリ温度データと、判定されたバッテリの内部温度との間の差が指定された相対閾値を超えることに基づいて、システムのオペレータに警告を通信し得る。任意選択的に、プロセッサは、判定されたバッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えると判定し、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えると判定することに応答して、システムのオペレータに警告を通信し得る。任意選択的に、プロセッサは、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて、バッテリを充電又は放電するための1つ以上の条件のうちの1つ以上を変更し得る。
【0041】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態では、方法は、システムの周囲温度、システムに接続されたバッテリへ又は当該バッテリから導電される電気の電流値、及び当該バッテリの電圧を受信することを含む。バッテリの内部温度は、バッテリ温度センサなしで判定され得る。周囲温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて、バッテリの内部温度が判定され得る。バッテリを充電するための1つ以上の条件は、バッテリの内部温度、電流値、及び電圧に少なくとも部分的に基づいて判定され得る。1つ以上の条件は、バッテリの充電電流又は充電電圧のうちの1つ以上を含み得る。1つ以上の条件は、バッテリの充電のレートを制御し得る。バッテリは、1つ以上の条件に基づいて自動的に充電される。バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えていると判定され得、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて、警告がシステムのオペレータに通信され得る。バッテリを充電するための条件の1つ以上は、バッテリの内部温度が指定された絶対閾値を超えることに基づいて変更され得る。
【0042】
別の態様によれば、システムがバッテリ温度センサを含む場合、システムは、(i)バッテリ温度センサが故障している、又は、そうでなければ、バッテリ温度センサが内部温度センサを感知することができない、又は感知した内部バッテリ温度のデータを提供することができないと見なされる状態に入る、(ii)バッテリ温度センサが感知された内部バッテリ温度の信頼できるデータを提供していない可能性があるという、バッテリ温度センサの可能性のある状態を示す、例えばログ/メモリ内の、故障又は障害のフラグ又はデータの存在、生成、又は受信、(iii)バッテリ温度センサから提供されたデータが障害のあるセンサを示す可能性があるという判定、例えば、周囲温度に対して極端に低い値、又はデータが急激に上下に変化する温度(車両又は他のシステムでは起こりにくいような)を示唆する不安定な温度データなど、データが潜在的に内部バッテリ温度を正確に表していないことを示す1つ以上の指定された基準を満たしている、という判定、(iv)バッテリ温度センサからデータが受信されていない、(v)など、のうちの1つ以上に応答して、本明細書に記載される様々な機能のうちの1つ以上を実行する(例えば、バッテリの推定された内部温度に少なくとも部分的に基づいて、バッテリを充電及び/又は放電するための1つ以上の条件を判定する)ように構成され得る。システムは、前述の条件のうちの1つ以上にのみ応答して、本明細書に記載される様々な機能のうちの1つ以上を実行するように構成され得、例えば、推定された内部温度に基づいてバッテリの充電/放電を制御することは、内部バッテリ温度センサからのデータが、センサの故障の場合のバックアップ又はフェイルセーフとして信頼できない、又は指定された基準ごとに存在しないと判定される場合にのみ実行される。
【0043】
一実施形態では、本明細書に記載されるコントローラ又はシステムは、導出に基づく学習成果を可能にするために機械学習を使用し得るローカルデータ収集システムを展開させ得る。コントローラは、データ駆動型予測を行い、データのセット(様々なセンサによって提供されるデータを含む)に従って適応することによって、データのセットから学習し、決定を行い得る。実施形態では、機械学習は、教師あり学習、教師なし学習、及び強化学習などの機械学習システムによる複数の機械学習タスクを実行することを含み得る。教師あり学習は、例示的な入力及び所望の出力のセットを機械学習システムに提示することを含み得る。教師なし学習は、パターン検出及び/又は特徴学習などの方法によってその入力を構造化する学習アルゴリズムを含み得る。強化学習は、機械学習システムが動的環境内で実行し、次いで、正しい決定及び正しくない決定に関するフィードバックを提供することを含み得る。例では、機械学習は、機械学習システムの出力に基づいて複数の他のタスクを含み得る。例では、タスクは、分類、回帰、クラスタリング、密度推定、次元削減、異常検出などのような機械学習問題であり得る。例では、機械学習は、複数の数学的及び統計的技法を含み得る。例では、多くのタイプの機械学習アルゴリズムは、決定木ベースの学習、アソシエーションルール学習、ディープラーニング、人工ニューラルネットワーク、遺伝子学習アルゴリズム、帰納論理プログラミング、サポートベクターマシン(SVM)、ベイジアンネットワーク、強化学習、表現学習、ルールベース機械学習、スパース辞書学習、類似性メトリック学習、学習分類子システム(LCS)、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、K平均法、勾配ブースト、K近傍法(KNN)、アプリオリアルゴリズムなどを含み得る。実施形態では、特定の機械学習アルゴリズムが使用され得る(例えば、自然選択に基づき得る制約つき最適化問題及び制約なし最適化問題の両方を解決するために)。例では、アルゴリズムは、いくつかの構成要素が整数値であることに制限されている、混合整数計画法の問題に対処するために使用され得る。アルゴリズム及び機械学習技術及びシステムは、計算インテリジェンスシステム、コンピュータビジョン、自然言語処理(NLP)、推奨システム、強化学習、グラフィカルモデルの構築などで使用され得る。一例では、機械学習は、判定、計算、比較及び行動分析などを行う際に使用され得る。
【0044】
一実施形態では、コントローラは、1つ以上のポリシーを適用し得るポリシーエンジンを含み得る。これらのポリシーは、機器又は環境の所与の項目の特性に少なくとも部分的に基づき得る。コントロールポリシーに関して、ニューラルネットワークは、多数の環境パラメータ及びタスク関連パラメータの入力を受信することができる。これらのパラメータは、例えば、操作機器に関する動作入力、様々なセンサからのデータ、場所及び/又は位置データなどを含み得る。ニューラルネットワークは、これらの入力に基づいて出力を生成するように訓練され得、出力は、機器又はシステムが操作の目標を達成するために取るべきアクション又はアクションのシーケンスを表す。一実施形態の動作中に、ニューラルネットワークのパラメータを通して入力を処理して、そのアクションを所望のアクションとして指定する値を出力ノードで生成することによって、判定が生じ得る。このアクションは、車両を動作させる信号に変換され得る。これは、バックプロパゲーション、フィードフォワードプロセス、クローズドループフィードバック、又はオープンループフィードバックを介して達成され得る。代替的に、バックプロパゲーションを使用するのではなく、コントローラの機械学習システムは、進化戦略技術を使用して、人工ニューラルネットワークの様々なパラメータを調整し得る。コントローラは、バックプロパゲーションを使用して常に解決可能であるわけではない場合がある関数、例えば、非凸である関数、を有するニューラルネットワークアーキテクチャを使用し得る。一実施形態では、ニューラルネットワークは、そのノード接続の重みを表すパラメータのセットを有する。このネットワークの多数のコピーが生成され、その後、パラメータに様々な調整が行われ、シミュレーションが行われる。様々なモデルからの出力が取得されると、判定された成功メトリックを使用して、それらのパフォーマンスに基づいて評価され得る。最良のモデルが選択され、車両コントローラは、予測された最良の結果シナリオをミラーリングするために所望の入力データを達成する計画を実行する。更に、成功メトリックは、互いに重み付けされ得る最適化された結果の組み合わせであり得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、「プロセッサ」及び「コンピュータ」、並びに関連する用語、例えば、「処理デバイス」、「コンピューティングデバイス」、及び「コントローラ」は、当該技術分野でコンピュータと称される集積回路だけに限定されず、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ、及び特定用途向け集積回路、並びに他のプログラマブル回路を指し得る。好適なメモリは、例えば、コンピュータ可読媒体を含み得る。コンピュータ可読媒体は、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリなどのコンピュータ可読不揮発性媒体であり得る。「非一時的コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール及びサブモジュール、又は任意のデバイス内の他のデータなどの情報の短期及び長期記憶のために実施される有形のコンピュータベースデバイスを表す。したがって、本明細書に記載される方法は、記憶デバイス及び/又はメモリデバイスを含むが、これらに限定されない、有形の非一時的コンピュータ可読媒体に具体化される実行可能命令として符号化され得る。このような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載される方法の少なくとも一部を実行させる。こうして、この用語は、限定はしないが、揮発性及び不揮発性媒体、並びにファームウェア、物理及び仮想記憶装置、CD-ROM、DVDなどのリムーバブル及び非リムーバブル媒体、並びにネットワーク又はインターネットなどの他のデジタルソースなどを含む、限定はしないが、非一時的コンピュータ記憶装置を含む、有形のコンピュータ可読媒体を含む。
【0046】
単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明示的に別様に指示しない限り、複数の言及を含む。「任意選択的な」又は「任意選択的に」は、続いて記載される事象若しくは状況が生じ得るか、又は生じ得ず、その記載が、その事象が生じる場合と、生じない場合と、を含み得ることを意味する。本明細書及び条項全体を通してここで使用される近似の文言は、それが関連し得る基本機能の変更をもたらすことなく許容可能で変化し得る任意の定量的表現を修正するために適用され得る。したがって、「約」、「実質的に」、及び「およそ」などの用語によって修飾される値は、指定された正確な値に限定され得ない。少なくともいくつかの場合では、近似の文言は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。ここで、並びに本明細書及び条項全体を通じて、範囲制限は組み合わされ得、及び/又は交換され得、そのような範囲は識別され得、文脈又は文言が別様に指示しない限り、その中に含まれる全ての分部範囲を含み得る。
【0047】
この書面による記載は、例を使用して、最良の形態を含む実施形態を開示し、当業者が任意のデバイス又はシステムを作製及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含む実施形態を実施することを可能にする。条項は、本開示の特許可能な範囲を定義し、当業者に想起される他の例を含む。そのような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又はそれらが特許請求の範囲の文字通りの文言とは実質的に異なる等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
図1
図2
図3
【外国語明細書】