(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008001
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】偏光光照射装置、これを備える露光装置、および偏光光照射方法
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20230112BHJP
G02F 1/1337 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
G02F1/13 101
G02F1/1337
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111195
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】510138741
【氏名又は名称】フェニックス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147706
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 裕司
(72)【発明者】
【氏名】松本 弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 加名
(72)【発明者】
【氏名】池田 富彦
【テーマコード(参考)】
2H088
2H290
【Fターム(参考)】
2H088FA30
2H088MA20
2H290BF24
2H290BF92
(57)【要約】
【課題】ワークに対する偏光光照射エネルギー分布の均一性を高めることができる偏光光照射装置を提供する。
【解決手段】光源120と光源120に対応する偏光素子122とを有する光源セット114をワークXの搬送方向に直交する方向に複数並べた照射ヘッド110を複数設けて偏光光照射装置100を構成する。ひとつの照射ヘッド110における偏光素子122同士の間に形成された境界部130を、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110における境界部130とワークXの搬送方向に沿って重なるように並べる。ひとつの照射ヘッド110からの偏光光Wによる照射境界部Z同士の間に形成された照射境界部132を、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110における照射境界部132とワークXの搬送方向に沿って重ならないように並べる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と前記光源に対応する偏光素子とを有する光源セットをワークの搬送方向に直交する方向に複数並べた照射ヘッドを複数備えており、
複数の前記照射ヘッドは、前記ワークの搬送方向に並べて配設されており、
ひとつの前記光源セットにおける前記偏光素子と、この前記光源セットに隣り合う別の前記光源セットにおける前記偏光素子との間には、境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドにおける前記境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドにおける前記境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重なるように並んでおり、
前記各照射ヘッドに含まれる複数の前記光源セットから照射される各偏光光の前記ワークにおける各照射範囲の間には、照射境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重ならないように配置されている
偏光光照射装置。
【請求項2】
ひとつの前記光源セットは、複数の前記光源と、ひとつの前記偏光素子とで構成されている
請求項1に記載の偏光光照射装置。
【請求項3】
前記光源は、放電灯と、前記放電灯からの光を反射させる反射鏡とを備えている
請求項1または2に記載の偏光光照射装置。
【請求項4】
前記光源は、LEDを備えている
請求項1または2に記載の偏光光照射装置。
【請求項5】
前記光源セットからの前記偏光光の前記ワークに対する照射角度を前記ワークの搬送方向に直交する方向に調整する調整機構をさらに備えている
請求項1から4のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。
【請求項6】
前記光源セットからの前記偏光光の前記ワークに対する照射角度を前記ワークの搬送方向に調整する第2調整機構をさらに備えている
請求項1から5のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。
【請求項7】
前記照射ヘッドに対して、前記光源、あるいは、前記光源および前記偏光素子を収容したカセットが取り付けられるようになっている
請求項1から6のいずれか1項に記載の偏光光照射装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の偏光光照射装置と、
ワーク搬送装置とを備える
露光装置。
【請求項9】
光源と前記光源に対応する偏光素子とを有する光源セットをワークの搬送方向に直交する方向に複数並べた照射ヘッドを複数備えており、
複数の前記照射ヘッドは、前記ワークの搬送方向に並べて配設されており、
ひとつの前記光源セットにおける前記偏光素子と、この前記光源セットに隣り合う別の前記光源セットにおける前記偏光素子との間には、境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドにおける前記境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドにおける前記境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重なるように並んでいる偏光光照射装置からの偏光光を前記ワークに照射する偏光光照射方法であって、
前記各照射ヘッドに含まれる複数の前記光源セットから照射される前記各偏光光の前記ワークにおける各照射範囲の間には、照射境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重ならないように配置されている
偏光光照射方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に液晶パネルを製造する際の露光用に用いられる偏光光照射装置、これを備える露光装置、および偏光光照射方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの製造には液晶配向処理が必要であり、従前より、ガラス基板の表面を物理的に擦るラビング処理が行われてきた(例えば、特許文献1)。このラビング処理とは、ガラス基板上に形成された有機高分子膜を毛足の長い布等で所定の方向に擦ることにより、液晶分子を一定方向に配向させることのできる膜を形成する処理方法である。
【0003】
しかし、ラビング処理には、均一性に乏しいこと、TFTの静電破壊が生じる可能性があること、さらに、ラビング時に生じる粉末ごみが付着するといった信頼性に係わる問題があった。
【0004】
このようなラビング方式の問題に対応するため、現在では、光配向処理を実施できる露光装置が提案されており、この露光装置には、光源としてロングアークの水銀灯での使用が試みられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、1枚で大面積のワークに対応できるような大型の露光装置が求められるようになってくると、ひとつのロングアークの水銀灯を光源として用いることが難しくなり、代わって複数の光源およびこれらに対応する複数の偏光素子を用いることが必要となってくる。
【0007】
複数の光源および複数の偏光素子を用いる場合、例えば、ひとつの光源とこれに対応する偏光素子とで構成される光源セットを多連化して照射ヘッドを構成し、複数の照射ヘッドをワークの搬送方向に並べて偏光光照射装置が構成される。
【0008】
このようにして偏光光照射装置を構成すると、互いに隣り合う光源セット同士の間に境界部が生じる。この境界部では、他の領域に比べて照度が低くなってしまうことから、ワークに対する偏光光照射エネルギー分布の均一性が悪化するという問題が生じていた。なお、誤って無偏光光を照射してしまうことを防止するため、この境界部に目隠し等の遮光対策が取られている場合もある。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、光源とこれに対応する偏光素子とを有する光源セットを多連化した照射ヘッドを複数使用して偏光光照射装置を構成した場合において、ワークに対する偏光光照射エネルギー分布の均一性を高めることができる偏光光照射装置、これを備える露光装置、および偏光光照射方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面によれば、
光源と前記光源に対応する偏光素子とを有する光源セットをワークの搬送方向に直交する方向に複数並べた照射ヘッドを複数備えており、
複数の前記照射ヘッドは、前記ワークの搬送方向に並べて配設されており、
ひとつの前記光源セットにおける前記偏光素子と、この前記光源セットに隣り合う別の前記光源セットにおける前記偏光素子との間には、境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドにおける前記境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドにおける前記境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重なるように並んでおり、
前記各照射ヘッドに含まれる複数の前記光源セットから照射される各偏光光の前記ワークにおける各照射範囲の間には、照射境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重ならないように配置されている
偏光光照射装置が提供される。
【0011】
好適には、
ひとつの前記光源セットは、複数の前記光源と、ひとつの前記偏光素子とで構成されている。
【0012】
好適には、
前記光源は、放電灯と、前記放電灯からの光を反射させる反射鏡とを備えている。
【0013】
好適には、
前記光源は、LEDを備えている。
【0014】
好適には、
前記偏光光照射装置は、前記光源セットからの前記偏光光の前記ワークに対する照射角度を前記ワークの搬送方向に直交する方向に調整する調整機構をさらに備えている。
【0015】
好適には、
前記偏光光照射装置は、前記光源セットからの前記偏光光の前記ワークに対する照射角度を前記ワークの搬送方向に調整する第2調整機構をさらに備えている。
【0016】
好適には、
前記照射ヘッドに対して、前記光源、あるいは、前記光源および前記偏光素子を収容したカセットが取り付けられるようになっている。
【0017】
本発明の別の局面によれば、
上述した偏光光照射装置を備える露光装置が提供される。
【0018】
本発明の別の局面によれば、
光源と前記光源に対応する偏光素子とを有する光源セットをワークの搬送方向に直交する方向に複数並べた照射ヘッドを複数備えており、
複数の前記照射ヘッドは、前記ワークの搬送方向に並べて配設されており、
ひとつの前記光源セットにおける前記偏光素子と、この前記光源セットに隣り合う別の前記光源セットにおける前記偏光素子との間には、境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドにおける前記境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドにおける前記境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重なるように並んでいる偏光光照射装置からの偏光光を前記ワークに照射する偏光光照射方法であって、
前記各照射ヘッドに含まれる複数の前記光源セットから照射される前記各偏光光の前記ワークにおける各照射範囲の間には、照射境界部が形成されており、
ひとつの前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部は、この前記照射ヘッドに隣り合う別の前記照射ヘッドから照射される前記各偏光光による前記照射境界部と前記ワークの搬送方向に沿って重ならないように配置されている
偏光光照射方法が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明に係る偏光光照射装置、これを備える露光装置、および偏光光照射方法によれば、ひとつの照射ヘッドにおける偏光素子同士の間の境界部が、この照射ヘッドに隣り合う別の照射ヘッドにおける偏光素子同士の間の境界部とワークの搬送方向に沿って重なるように並んでおり、かつ、ひとつの照射ヘッドから照射される各偏光光による照射境界部が、この照射ヘッドに隣り合う別の照射ヘッドから照射される各偏光光による照射境界部とワークの搬送方向に沿って重ならないように配置されている。
【0020】
これにより、ひとつの照射ヘッドとこれに隣り合う別の照射ヘッドとにおける境界部がワークの搬送方向に沿って重なるように並べればよいので、各照射ヘッドの位置決めが容易であり、かつ、ワークに照射される偏光光における照射境界部がワークの搬送方向に沿って重ならないので、ワークに対する偏光光照射エネルギー分布の均一性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明が適用された偏光光照射装置100を含む露光装置10を示す図である。
【
図2】偏光光照射装置100を上方から見おろした状態における、偏光素子122の配置状態を示す図である。
【
図3】偏光光照射装置100を上方から見おろした状態における、照射境界部132の配置状態を示す図である。
【
図4】別の例に係る、偏光光照射装置100を上方から見おろした状態における、照射境界部132の配置状態を示す図である。
【
図5】さらに別の例に係る、偏光光照射装置100を上方から見おろした状態における、照射境界部132の配置状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(露光装置10の構成)
本発明が適用された実施形態に係る偏光光照射装置100を備える露光装置10について以下に説明する。露光装置10は、主に液晶パネルに用いられる光配向膜(ワークX)を製造するのに用いられる。この露光装置10は、
図1に示すように、大略、ワーク搬送装置20と、偏光光照射装置100とを備えている。
【0023】
ワーク搬送装置20は、露光装置10によって露光される光配向膜(ワークX)を所定の方向(ワークXの搬送方向)略水平搬送するための装置であり、公知の搬送装置が使用される。公知の搬送装置とは、例えば、偏光光照射装置100に対してワークXを載置するステージを移動させる方式や、ロール状にした長尺フィルム上のワークX(光配向膜)を別の芯材で巻取っていくことにより、偏光光照射装置100に対してワークXを移動させる方式等である。
【0024】
(偏光光照射装置100の構成)
本実施形態に係る偏光光照射装置100は、ワークXの搬送方向に並べて配設された複数(図中では2つ)の照射ヘッド110を備えている。
【0025】
照射ヘッド110は、大略、照射ヘッド本体112と、複数の光源セット114と、調整機構115とを有している。
【0026】
照射ヘッド本体112は、ワークXの搬送方向に直交する方向に延びる、複数の光源セット114を収容するケース116と、このケース116の長手方向両端にそれぞれ回動可能に取り付けられており、ケース116をワーク搬送装置20の上方に支持する一対の支持部材118とを有している。
【0027】
これにより、ケース116はワークX(およびワーク搬送装置20)に対する角度を自由に設定することができる。
【0028】
ケース116に収容される光源セット114は、それぞれ光源120と偏光素子122とを有している。
【0029】
光源120は、ワークXの露光に必要な波長の光を放射する部材であり、本実施形態では、放電灯124と、この放電灯124からの光を所定の向きに反射させる反射鏡126とを有している。なお、光源120は放電灯124に限定されるものではなく、例えばLEDといった他のタイプのものを採用することができる。
【0030】
偏光素子122は、光源120からの光を偏光する部材であり、本実施形態では、ケース116の底面(ワークXに向かう面)に形成された開口128の位置に、ワイヤーグリッド式の偏光素子122が配設されている。もちろん、偏光素子122の形式は、ワイヤーグリッド式に限定されるものではなく、どのような形式で偏光を行ってもよい。
【0031】
このような複数の光源120は、ケース116内でワークXの搬送方向に直交する方向に並べて配置されている。つまり、ケース116の底面に形成された開口128もワークXの搬送方向に直交する方向に延びるように配設されている。
【0032】
また、
図2に示すように、ひとつの光源セット114における偏光素子122と、この光源セット114に隣り合う別の光源セット114における偏光素子122との間には、境界部130が形成されている。
【0033】
さらに、ひとつの照射ヘッド110における境界部130は、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110における境界部130とワークXの搬送方向に沿って重なるように並んでいる。
【0034】
図1に戻り、調整機構115は、各光源セット114からの偏光光WのワークXに対する照射角度を当該ワークXの搬送方向に直交する方向に調整するための機構である。本実施形態では、各光源セット114それぞれに対応する調整機構115が各照射ヘッド本体112内に収容されている。なお、
図1では、ひとつの光源セット114にのみ調整機構115を描いているが、実際には、個々の光源セット114に調整機構115が設けられている。
【0035】
図3に示すように、各照射ヘッド110に含まれる複数の光源セット114から照射される各偏光光WのワークXにおける各照射範囲Zの間には、照射境界部132が形成されている。そして、調整機構115を用いて調整することにより、ひとつの照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132は、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132とワークXの搬送方向に沿って重ならないように配置されている。なお、照射境界部132は、照度がゼロ(mW/cm
2)の部分に限定されるものではなく、隣接する光源セット114からの偏光光Wと重なって照射範囲Z内よりも照度が低い部分や、逆に照度が高い部分も考えられる。
【0036】
なお、上述のように、ひとつの照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132がこの照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132とワークXの搬送方向に沿って重ならないように、各照射ヘッド110に収容された光源セット114のワークXに対する取付け角度が予め調整されている場合、調整機構115は必須の構成要素ではない。
【0037】
(偏光光照射装置100および露光装置10の特徴)
本実施形態に係る偏光光照射装置100、およびこれを備える露光装置10によれば、ひとつの照射ヘッド110における偏光素子122同士の間の境界部130が、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110における偏光素子122同士の間の境界部130とワークXの搬送方向に沿って重なるように並んでおり、かつ、ひとつの照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132が、この照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132とワークXの搬送方向に沿って重ならないように配置されている。
【0038】
これにより、ひとつの照射ヘッド110とこれに隣り合う別の照射ヘッド110とにおける境界部130がワークXの搬送方向に沿って重なるように並べればよいので、各照射ヘッド110の位置決めが容易であり、かつ、ワークXに照射される偏光光Wにおける照射境界部132がワークXの搬送方向に沿って重ならないので、ワークXに対する偏光光照射エネルギー分布の均一性を高めることができる。
【0039】
(変形例1)
上述した実施形態では、照射ヘッド本体112に対して光源セット114を直接収容するようになっていたが、これに変えて、光源セット114を収容して照射ヘッド本体112よりも小さいカセットを用意し、当該カセットを照射ヘッド本体112に収容するようにしてもよい。
【0040】
なお、ひとつのカセットに対してひとつの光源セット114が収容されるようにしてもよいし、ひとつのカセットに対して複数の光源セット114が収容されるようにしてもよい。
【0041】
(変形例2)
ひとつの照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132がこの照射ヘッド110に隣り合う別の照射ヘッド110から照射される各偏光光Wによる照射境界部132とワークXの搬送方向に沿って重ならないようにする態様としては、
図4に示すように、個々の照射ヘッド110からの各偏光光Wによる照射境界部132がワークXの搬送方向に沿って互いに重ならないようにしてもよいし、
図5に示すように、互いに隣り合う照射ヘッド110からの各偏光光Wによる照射境界部132がワークXの搬送方向に沿って互いに重ならなければ、ふたつ隣りの照射ヘッド110からの各偏光光Wによる照射境界部132とはワークXの搬送方向に沿って互いに重なってもよい。
【0042】
(変形例3)
上述した実施形態では、各光源セット114からの偏光光WのワークXに対する照射角度を当該ワークXの搬送方向に直交する方向に調整するための調整機構115が設けられていたが、これに加えて、あるいは、これに変えて、各光源セット114からの偏光光WのワークXに対する照射角度を当該ワークXの搬送方向に調整するための第2調整機構(図示せず)を設けてもよい。
【0043】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
10…露光装置、20…ワーク搬送装置
100…偏光光照射装置、110…照射ヘッド、112…照射ヘッド本体、114…光源セット、115…調整機構、116…ケース、118…支持部材、120…光源、122…偏光素子、124…放電灯、126…反射鏡、128…(ケース116の)開口、130…境界部、132…照射境界部
X…ワーク(光配向膜)、W…偏光光、Z…(偏光光Wの)照射範囲