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特開2023-80048デジタルデータのローカル解読を備えた表示デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080048
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】デジタルデータのローカル解読を備えた表示デバイス
(51)【国際特許分類】
   H04L 9/08 20060101AFI20230601BHJP
   G06F 21/60 20130101ALI20230601BHJP
   G06F 21/84 20130101ALI20230601BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230601BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20230601BHJP
   G09G 3/32 20160101ALI20230601BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
H04L9/08 C
G06F21/60 360
G06F21/84
G09G3/20 621E
G09G3/20 680E
G09G3/20 633Q
G09G3/20 633H
G09G3/20 632B
G09G3/20 631U
G09G3/3225
G09G3/32 A
G09G5/00 510V
G09G5/00 555A
G09G5/00 555D
G09G5/00 550X
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189320
(22)【出願日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】2112666
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】502124444
【氏名又は名称】コミッサリア ア レネルジー アトミーク エ オ ゼネルジ ザルタナテイヴ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ・マンゲ
【テーマコード(参考)】
5C080
5C182
5C380
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA07
5C080AA10
5C080BB06
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD09
5C080DD15
5C080DD25
5C080EE05
5C080EE17
5C080EE28
5C080EE29
5C080FF03
5C080FF11
5C080FF13
5C080GG10
5C080GG11
5C080GG12
5C080JJ02
5C080KK04
5C182AA02
5C182AB02
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA06
5C182BA57
5C182BA65
5C182BB04
5C182BB12
5C182BC11
5C182BC29
5C182BC32
5C182BC33
5C182CA01
5C182CA02
5C182CA12
5C182CA22
5C182CB52
5C182CC25
5C182DA14
5C182DA22
5C182DA44
5C182DA68
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB28
5C380AB34
5C380AB40
5C380AC04
5C380AC08
5C380BA22
5C380BB03
5C380BB12
5C380CA04
5C380CA10
5C380CA12
5C380CA14
5C380CA39
5C380CE15
5C380CE16
5C380CE17
5C380CE21
5C380CF07
5C380CF09
5C380CF22
5C380CF48
5C380CF62
5C380CF63
5C380CF64
5C380CF66
5C380DA02
5C380DA06
5C380DA07
5C380DA19
5C380DA34
5C380DA37
5C380DA41
5C380DA47
5C380DA55
5C380DA56
5C380GA17
(57)【要約】
【課題】表示デバイスのピクセルへの画像またはビデオ信号の送信の安全性を向上させるアーキテクチャを有する表示デバイスを提供すること。
【解決手段】表示ブロックのアレイであって、各表示ブロックが、発光素子(118)と発光素子用の駆動回路(122)とを備える。表示ブロックのアレイと、
表示ブロックに関連付けられた制御回路(114)のアレイと、
表示される暗号化されたデジタル信号を受信し、表示される前記暗号化されたデジタルデータを前記制御回路に送るビデオカードとを少なくとも含み、
各制御回路が、
暗号化されたデジタルデータを受信し記憶する第1のメモリ回路(116)と、
解読鍵を記憶する第2のメモリ回路(124)と、
解読鍵を使用して暗号化されたデジタルデータを解読する解読回路(136)とを含む、表示デバイス(100)。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示ブロック(106)のアレイ(102)であって、各表示ブロック(106)が、画像のいくつかのピクセルを表示するように構成され、いくつかの発光素子(118)と、前記表示ブロック(106)の前記発光素子(118)によって表示されるようになっているデジタルデータから前記表示ブロック(106)の前記発光素子(108)の制御信号を生成するように構成された少なくとも1つの駆動回路(122)とを備える、表示ブロック(106)のアレイ(102)と、
制御回路(114)のアレイであって、各々が、少なくとも1つの表示ブロック(106)に結合され関連付けられた制御回路(114)のアレイと、
表示ブロック(106)の前記アレイ(102)によって表示される暗号化されたデジタル信号を受信するように構成された少なくとも1つの入力(110)と、データ分散回路によって制御回路(114)の前記アレイ(102)に結合された少なくとも1つのデジタルデータ出力(112)とを備えるビデオカード(108)であって、前記暗号化されたデジタル信号を復号し、前記発光素子(118)によって表示されるようになっている前記暗号化されたデジタルデータを前記制御回路(114)に送るように構成され、前記暗号化されたデジタルデータが、前記ビデオカードによって受信された前記デジタル信号から導出され、表示ブロック(106)の前記アレイ(102)に適合されたフォーマットで符号化される、ビデオカード(108)とを少なくとも含み、
各制御回路(114)が、
前記関連する表示ブロック(106)の前記発光素子によって表示されるようになっている前記デジタルデータに対応する前記暗号化されたデジタルデータを受信し記憶するように構成された第1のメモリ回路(116、162、164)と、
解読鍵を記憶するように構成された第2のメモリ回路(124)と、
前記第1および第2のメモリ回路(116、162、164、124)に結合され、前記解読鍵を使用して前記暗号化されたデジタルデータに対して解読動作を実行するように構成された解読回路(136)とを備え、
前記解読動作が、各制御回路(104)の前記解読回路(136)において、前記制御回路(114)が関連付けられた前記表示ブロックによってピクセルを表示するために使用されるビットのグループに対して実行される、表示デバイス(100)。
【請求項2】
各解読回路(136)は、前記解読動作において使用される初期設定ベクトルなどの追加の解読データを入力として受信するように構成される、請求項1に記載の表示デバイス(100)。
【請求項3】
各制御回路(114)は、前記制御回路(114)に関連付けられた2進数を記憶するように構成された第3のメモリ回路(134)を含み、前記制御回路(114)の前記解読回路(136)は、前記制御回路(114)に関連付けられた前記2進数をさらに使用して前記解読動作を実行するように構成される、請求項1または2に記載の表示デバイス(100)。
【請求項4】
前記表示デバイス(100)は、少なくとも1つの暗号化されたセッション鍵を入力として受信するように構成され、前記暗号化されたセッション鍵用の少なくとも1つの解読ユニット(152)をさらに含み、前記少なくとも1つの解読ユニット(152)は、前記解読ユニット(152)に記憶された少なくとも1つの秘密鍵を使用するように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項5】
各制御回路(114)は、前記暗号化されたセッション鍵用の解読ユニット(152)を備える、請求項4に記載の表示デバイス(100)。
【請求項6】
各解読ユニット(136)は、前記解読ユニット(136)によってすでに解読されたデジタルデータおよび/または前記関連する制御回路(114)によってすでに受信された暗号化されたデジタルデータおよび/または少なくとも1つの制御回路(114)の前記解読回路によってすでに解読されたデジタルデータを使用して前記解読動作を実行するように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項7】
各制御回路(114)は、前記解読動作を実施した後に前記解読されたデジタルデータに対して解凍動作を実行するように構成された解凍回路(158)をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項8】
前記解読動作を実施する前に受信された前記暗号化されたデジタルデータ用のバッファ記憶メモリを形成するように構成された少なくとも1つのFIFO型メモリ(164)をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項9】
前記制御回路(114)の各々が結合された少なくとも1つのデータバス(161)を含み、各制御回路(114)の前記第1のメモリ回路(162、164)は、前記制御回路(114)に関連付けられた前記表示ブロック(106)の前記発光素子(118)によって表示されるようになっている前記暗号化されたデジタルデータを識別するように構成されたデータ受信回路を形成する、請求項1から8のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項10】
前記制御回路(114)の前記第1のメモリ回路(116)は、ある制御回路から別の制御回路に直列に結合されたシフトレジスタを含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項11】
各制御回路(114)は、前記関連する表示ブロック(106)とは異なるチップによって形成されるか、または各制御回路(114)は、前記関連する表示ブロック(106)に組み込まれる、請求項1から10のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)。
【請求項12】
暗号化デバイス(200)と請求項1から11のいずれか一項に記載の表示デバイス(100)との間でデジタルデータを安全に送信するための方法であって、
表示ブロック(106)の前記アレイ(102)の特性、各表示ブロック(106)の特性、および追加の暗号化データを前記表示デバイス(100)から前記暗号化デバイス(200)に送るステップと、
前記暗号化デバイス(200)によって前記追加の暗号化データから送られる前記デジタルデータを暗号化し、表示ブロック(106)の前記アレイ(102)の特性を使用して、場合によっては、前記追加の暗号化データに関連付けられた追加の解読データを生成するステップと、
前記暗号化されたデジタルデータを、場合によっては、暗号化されていることも暗号化されていないこともある前記追加の解読データを伴って前記表示デバイス(100)に送るステップと、
前記表示デバイス(100)によって、場合によっては、前記追加の解読データおよび場合によっては表示ブロック(106)の前記アレイ(102)の追加のデータ特性を使用して、前記暗号化されたデジタルデータを解読するステップとを含む方法。
【請求項13】
前記暗号化されたデジタルデータを前記表示デバイス(100)に送る前に、前記追加の暗号化データの一部である公開鍵を前記表示デバイス(100)から前記暗号化デバイス(200)に送るステップと、
前記公開鍵によって暗号化されたセッション鍵を暗号化するステップであって、前記セッション鍵が、送られる前記デジタルデータを暗号化するために使用され、前記暗号化されたセッション鍵が、前記暗号化デバイス(200)から前記表示デバイス(100)に追加の解読データとして送られる、ステップとをさらに含み、
前記解読は、前記表示デバイス(100)に記憶された秘密鍵によって解読された前記セッション鍵を用いて実施される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記デジタルデータを暗号化する前に、前記表示デバイス(100)に送られる前記デジタルデータを圧縮するステップと、
前記デジタルデータを解読した後、前記解読されたデジタルデータを解凍するステップとをさらに含む、請求項12または13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピクセルアレイ表示デバイスの分野に関する。本発明は有利には、大型画面の製造に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビ画面またはコンピュータ画面などの表示デバイスは、ビデオケーブル、たとえばHDMI(登録商標)ケーブルを通じてビデオ信号を受信する。ビデオ信号は、画像のピクセルごとに表示される輝度値(一般にピクセルごとに少なくとも3つの値、すなわち、RGBピクセルの場合は色ごとに1つの値)を圧縮なしにコーディングするデジタル信号に相当する。このビデオ信号は、たとえば、表示デバイスがビデオケーブルを介して接続されたデバイス(コンピュータ、デコーダなど)のグラフィックスカードによって算出される。
【0003】
実際には、表示デバイスによって受信されたビデオ信号は、様々なデータ復号、変換、および分散動作を表示デバイスのピクセルアレイに対して実行するビデオカードによって受信される。ビデオカードは、ピクセルアレイを対象とするデータのデジタル-アナログ変換のすべてまたは一部を実行することができる。ビデオカードにおいてデジタル-アナログ変換が実行される最も一般的な場合には、ビデオカードは、ピクセルアレイによって表示できるアナログ値を出力する。ビデオカードがピクセルにデジタル値を送る場合、ビデオカードは、たとえば、PWM(パルス幅変調)またはBCM(2値コード化変調)制御信号を含む、各ピクセルの表示時間を制御するためのピクセル制御信号のセットを確実に生成する必要がある。ピクセル制御信号のこれらの例では、各ピクセルが「オン/オフ方式」、または言い換えれば「送信する/送信しない」方式で制御されるときにはデジタル-アナログ変換は行われない。
【0004】
表示デバイスの各ピクセルは一般に、デバイスによって表示される画像の各々の1つのピクセルを表示するための複数の発光素子を備える。ピクセルは一般に、強度を変調することができ、各々が赤色、緑色、および青色のうちの1つに専用に使用される少なくとも3つの発光素子を含む。各発光素子は、この要素の目標色において直接強度を変調されるか(OLEDの場合)、または目標色を取得するようにフィルタ処理されおよび/もしくは蛍光体を添加される青色光源で構成された(他のタイプのLEDの場合)光エミッタ、あるいはピクセルに共通する光源によって放出された白色光から目標色を取得するために適切な色フィルタに結合された光変調器(液晶の場合)を含むことができる。
【0005】
デジタル-アナログ変換後に取得されるアナログ値またはピクセルごとの放出時間は、ピクセルの発光素子の各々によって表示される光強度レベルに比例する。各発光素子は、発光素子による発光信号の表示を制御するために選択トランジスタに結合することができる。表示デバイスはまた、選択トランジスタを制御する行ドライバと、ピクセルに表示されるデータに対応する値を送る列ドライバとを含む。
【0006】
たとえば、2つのコンピュータ間で(表示デバイスによって表示されるようになっている画像またはビデオに対応する)データを確実に交換するために、(対称鍵または非対称鍵などを用いた)暗号化方法が使用される。データは、第1のコンピュータによって暗号化され、次いで、それを解読する第2のコンピュータに送られる。解読されたデータは次いで、第2のコンピュータのグラフィックスカードによってビデオ信号に変換され、ビデオ信号は、第2のコンピュータが接続された表示デバイスに送られる。
【0007】
そのような構成では、グラフィックスカードによって表示デバイスに送られるビデオ信号は、暗号化されず、したがって、攻撃を受けやすい。たとえば、解読が実行される第2のコンピュータ内においてデータの傍受が可能である。
【0008】
米国特許第7,206,943号は、コンピュータとコンピュータに結合された画面との間で暗号化を実行する方法を提供する。この目的のために、解読専用の集積回路が、画面のビデオカードの上流側で画面に付加される。この解決手段は、コンピュータと画面との間にリンクを確保するが、コンピュータによって送受信されるデータは依然として画面内で攻撃を受けやすい。
【0009】
同様の解決手段がEP1343321および“Implementing Cryptography on TFT Technology for Secure Display Applications” P. Oikonomakosら、CARDIS’06: Proceedings of the 7th IFIP WG 8.8/11.2 international conference on Smart Card Research and Advanced Applications、2006年4月、32~47頁に記載されている。しかし、これらの解決手段には同じ欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第7206943号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第1343321号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2016/012772号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2015/277840号明細書
【特許文献5】韓国公開特許第2017-0040164号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】P.Oikonomakosら、“Implementing Cryptography on TFT Technology for Secure Display Applications”CARDIS’06:Proceedings of the 7th IFIP WG 8.8/11.2 international conference on Smart Card Research and Advanced Applications、2006年4月、32~47頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の1つの目的は、表示デバイスのピクセルへの画像またはビデオ信号の送信の安全性を向上させるアーキテクチャを有する表示デバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的のために、本発明は、
表示ブロックのアレイであって、各表示ブロックが、画像のいくつかのピクセルを表示するように構成され、いくつかの発光素子と、表示ブロックの発光素子によって表示されるようになっているデジタルデータから表示ブロックの発光素子についての制御信号を生成するように構成された少なくとも1つの駆動回路とを備える、表示ブロックのアレイと、
制御回路のアレイであって、各々が、少なくとも1つの表示ブロックに結合され関連付けられた、制御回路のアレイと、
表示ブロックのアレイによって表示される暗号化されたデジタル信号を受信するように構成された少なくとも1つの入力と、制御回路のアレイに結合された少なくとも1つの出力とを備え、暗号化されたデジタル信号を復号し、発光素子によって表示され、表示ブロックのアレイに適合されたフォーマットで符号化されるようになっている暗号化されたデジタルデータを制御回路に送るように構成されたビデオカードとを少なくとも含み、
各制御回路が、
関連する表示ブロックの発光素子によって表示されるようになっているデジタルデータに対応する暗号化されたデジタルデータを受信し記憶するように構成された第1のメモリ回路と、
解読鍵を記憶するように構成された第2のメモリ回路と、
第1および第2のメモリ回路に結合され、解読鍵を使用して暗号化されたデジタルデータに対して解読動作を実行するように構成された解読回路とを備え、
解読動作が、各制御回路の解読回路において、前記制御回路が関連付けられた表示ブロックによってピクセルを表示するために使用されるビットのグループに対して実行される、表示デバイスを提供する。
【0014】
この表示デバイスは、従来の行/列アドレス指定を表示ブロックアドレス指定で置き換えるのを可能にする。このことは、ビデオカードの下流側の電子回路、すなわち、表示ブロックおよび駆動回路に関連付けられた制御回路を使用することによって可能になる。表示されるデータに対するいくつかの動作をグループ化することを可能にするこの構成によって、発光素子をアドレス指定するのに必要な配線が簡略化され、より少ない配線で済むようになる。加えて、一般に発光素子のアレイの周辺に配設される電子チップがなくなり、行または列の配線をなくすことができ、それによって、この構成は大型画面を製造するうえで特に有利である。
【0015】
従来の表示デバイスと本発明の表示デバイスとの主な違いは、本明細書ではビデオカードから出力として送られるデータがデジタルであり、発光素子用の制御信号の生成が、発光素子を備える各表示ブロック内で行われることである。
【0016】
この表示デバイスでは、表示ブロックのアレイが、表示デバイスによって受信された暗号化されたデジタルデータに対する解読動作を、従来技術とは異なりこのアレイの外部ではなく、アレイ内で実行するのを可能にするすべての素子を含む。したがって、表示されるデータは、表示ブロックのアレイによって表示されるまで保護される。また、データ解読動作は、そのようなデータがビデオカードから表示ブロックのアレイに送信された後に実施され、それによって、表示されるデータの安全性が向上する。表示されるデータの安全性はまた、表示ブロックの各々を対象とするデータが暗号化されることによって向上する。
【0017】
いくつかのビットのグループに対して暗号化/解読アルゴリズムが実施されるので、表示ブロックへの上記のような割り振りは、特に、表示されるデジタルデータの暗号化/解読を実施するように適合される。したがって、暗号化/解読について検討されるビットの各グループは、デバイスの表示ブロックのうちの1つによるピクセルの表示に関するビットのグループに対応することができる。
【0018】
表示ブロックは、表示ブロックのグループとしてグループ化されてもよく、各グループはいくつかの表示ブロックを含む。ビデオカードは、表示されるデジタルデータを様々なグループに並行して送ることができ、それによって、表示ブロックのアレイ内のデータ伝送速度を最適化する。
【0019】
表示デバイスの、ドライバカードと呼ばれることもあるビデオカードは、たとえばHDMIケーブルなどのケーブルを介して表示デバイスの外部からデジタルデータを受信してもよい。ビデオカードは、特に様々な表示ブロックにデジタルデータを送るために使用され、役割が完全なデジタル画像データを定義して表示デバイスに送ることであるグラフィックスカード(たとえば、コンピュータの一部、復号器、など)には対応しない。
【0020】
ビデオカードは、1つまたは複数の集積回路を含み、制御回路および表示ブロックのアレイの駆動専用に使用される電子カードに相当する。ビデオカードは、入力として受信されるデジタル信号から制御回路のアレイに対する様々なデータ復号、変換、および分散動作を実行する。本発明による表示デバイスでは、ビデオカードは、発光素子を対象とするデータのデジタル-アナログ変換を実行しない。ビデオカードは、たとえば、PWM(パルス幅変調)またはBCM(2値コード化変調)制御信号を含む制御信号のセットを確実に生成し得る。加えて、ビデオカードは、デジタル集積回路のみを備えてもよく、製造が容易になる。
【0021】
ビデオカードは、受信されたデジタル信号の復号を実行し、次いで、取得されたデジタルデータの、表示ブロックのアレイに適合されたフォーマットに従った新規の符号化、すなわち、制御回路、発光素子のタイプ、およびそのようなデータを表示ブロックにおいて分散させるために使用される要素に適合されたフォーマットでの新規の符号化を実行するように構成される。
【0022】
発光素子用の制御信号は、発光素子の各々を制御して、表示ブロックのアレイによる画像の表示の持続期間に対応する表示参照期間の間ある輝度値を表示する。
【0023】
ビデオカードの出力は、データ分散回路またはネットワークによって制御回路のアレイに結合されたデジタルデータ出力に対応する。
【0024】
さらに、発光素子によって表示されるようになっているデジタルデータは、ビデオカードによって受信され表示ブロックのアレイによって表示されるようになっているデジタル信号から導出される。
【0025】
有利には、各表示ブロックは、他の表示ブロックとは異なるモジュールに対応してもよく、制御回路のアレイが位置する媒体、たとえば単一の媒体に転送されてもよい。そのようなピクセルは、コスト上の理由で半導体ウェハではない媒体を使用する必要がある大型画面の製造に特にうまく適合されているので非常に有利である。また、そのようなモジュールの形をした表示ブロックを製造すると、モジュール間で媒体表面が利用可能になるので、これらのブロックの電源ライン用により大きい空間がもたらされ、それによって、アクセス抵抗を低減させることが可能になる。この構成はまた、デバイスの導体線を単一の段で製造するのを可能にする。
【0026】
表示ブロックおよび制御回路が位置する媒体は、プリント基板型の媒体であってもよく、またはより一般的には、たとえば行および列の形態で導電接続部が形成される少なくとも1つの基板に相当してもよい。この基板は、たとえばガラス、プラスチック、または金属を含んでもよい。接続行および列は、たとえばスクリーン印刷、インクジェット印刷などによってこの基板上に形成されてもよい。
【0027】
各制御回路は、たとえば、第4のメモリ回路と呼ばれる別のメモリ回路をさらに含んでもよく、このメモリ回路は、解読回路から出力された解読されたデジタルデータを記憶するように構成される。
【0028】
各解読回路は、解読動作に使用される初期設定ベクトルなどの追加の解読データを入力として受信するように構成されてもよい。そのような初期設定ベクトルをデータの暗号化および解読に使用すると、表示されるデジタルデータの安全性が向上する。
【0029】
各制御回路は、制御回路に関連付けられた2進数(制御回路のシリアルナンバーに対応する数と見なされてもよい)を記憶するように構成された第3のメモリ回路を含んでもよく、制御回路の解読回路は、制御回路に関連付けられた2進数をさらに使用することによって解読動作を実行するように構成されてもよい。そのような2進数をデータの暗号化および解読に使用すると、表示されるデジタルデータの安全性が向上する。
【0030】
表示デバイスは、少なくとも1つの暗号化されたセッション鍵を入力として受信するように構成され、暗号化されたセッション鍵用の少なくとも1つの解読ユニットをさらに含んでもよく、解読ユニットは、解読ユニットに記憶された少なくとも1つの秘密鍵を使用するように構成される。この構成では、デジタルデータが非対称暗号化を通じて表示デバイスに送信されてもよく、それによって、制御回路へのそのようなデータの送信の安全性が向上し、鍵配布が容易になる。セッション鍵は、対称鍵であってもよく、公開鍵を使用して取得されてもよい。
【0031】
有利には、各制御回路は、暗号化されたセッション鍵用の解読ユニットを含んでもよい。したがって、解読されたセッション鍵は、解読ユニットから制御回路には送信されず、データに対する安全性がさらに向上する。
【0032】
各解読回路は、解読回路によってすでに解読されたデジタルデータおよび/または関連する制御回路によってすでに受信された暗号化されたデジタルデータおよび/または少なくとも1つの他の制御回路の解読回路(たとえば、解読回路が属する制御回路の近傍の制御回路に相当する)によってすでに解読されたデジタルデータを使用して解読動作を実行するように構成されてもよい。表示される画像に対応するデジタルデータを解読するために、暗号化および解読は、表示デバイスによってすでに表示された少なくとも1つの画像の暗号化されおよび/または解読されたデジタルデータを使用して実行されてもよく、このことは、別の解読回路によるデータ解読を待つ必要がなくなる利点を有する。また、暗号化および解読は、たとえば、データ解読が実行されるブロックと同じ行の一部である別の表示ブロックによって表示されるようになっている表示される画像から得たデータを使用して実行することも可能である。
【0033】
各制御回路は、解読動作を実施した後に、解読されたデジタルデータに対して解凍動作を実行するように構成された解凍ユニットをさらに含んでもよい。
【0034】
表示デバイスは、解読動作を実施する前に受信された暗号化されたデジタルデータ用のバッファ記憶メモリを形成するように構成された少なくとも1つのFIFO(先入れ先出し)メモリをさらに含んでもよい。有利には、各制御回路がそのようなバッファメモリを備えてもよい。そのようなバッファメモリによって、特に圧縮が実施されるときに受信された暗号化されたデジタルデータの率のばらつきを吸収することが可能である。特定の実施形態では、このFIFOメモリは、第1のメモリ回路の一部であってもよい。
【0035】
特定の構成では、表示デバイスは、制御回路の各々が結合された少なくとも1つのデータバスを含んでもよく、各制御回路の第1のメモリ回路は、制御回路に関連付けられた表示ブロックの発光素子によって表示されるようになっている暗号化されたデジタルデータを識別するように構成されたデータ受信回路を形成してもよい。
【0036】
この特定の構成では、様々な表示ブロックにおける様々なデジタルデータ部分のルーティングがアドレス指定によって実行されてもよい。この構成は、デジタルデータ部分のサイズにかかわらず、すなわち、各表示ブロックの対象となるデジタルデータの量にかかわらず、このサイズが表示ブロックごとに一定であるか否かにかかわらずに実施することができる。
【0037】
別の特定の構成では、制御回路の第1のメモリ回路は、1つの制御回路から別の制御回路へと直列に結合されたシフトレジスタを備えてもよい。そのような構成は、表示ブロックに送られるデジタルデータ部分のサイズが一定であるときに実施されてもよい。
【0038】
各制御回路は、関連する表示ブロックとは異なるチップによって形成され得る(すべての表示ブロックが同一であってもよいという利点を有する)か、または各制御回路は、関連する表示ブロックに統合され得る。
【0039】
発光素子用の駆動回路は、PWMもしくはBCM変調器、またはデジタル-アナログ変換器を備えてもよい。
【0040】
本発明は、上述のように暗号化デバイスと表示デバイスとの間でデジタルデータを安全に送信するための方法であって、
表示ブロックのアレイの特性、各表示ブロックの特性、および追加の暗号化データを表示デバイスから暗号化デバイスに送るステップと、
暗号化デバイスによって送られるデジタルデータを追加の暗号化データから暗号化し、表示ブロックのアレイの特性を使用し、場合によっては、追加の暗号化データに関連付けられた追加の解読データを生成するステップと、
暗号化されたデジタルデータを、場合によっては、暗号化されていることも暗号化されていないこともある追加の解読データとともに、表示デバイスに送るステップと、
場合によっては追加の解読データおよび場合によっては表示ブロックのアレイの追加のデータ特性を使用して、表示デバイスによって、暗号化されたデジタルデータを解読するステップとを少なくとも含む方法にも関する。
【0041】
この方法は、
暗号化されたデジタルデータを表示デバイスに送る前に、追加の暗号化データの一部である公開鍵を表示デバイスから暗号化デバイスに送るステップと、
公開鍵を用いてセッション鍵を暗号化するステップであって、セッション鍵が、送られるデジタルデータを暗号化するために使用され、暗号化されたセッション鍵が、追加の解読データとして暗号化デバイスから表示デバイスへ送られる、ステップとをさらに含んでもよく、
解読は、表示デバイスに記憶された秘密鍵を用いて解読されたセッション鍵を用いて実施されてもよい。
【0042】
上記で説明したようにセッション鍵を使用することは、この方法を実施する1つの可能性に相当する。しかし、この方法は異なるように実施されてもよい。
【0043】
この方法は、
デジタルデータを暗号化する前に、表示デバイスに送られるデジタルデータを圧縮するステップと、
デジタルデータを解読した後に、解読されたデジタルデータを解凍するステップとをさらに含んでもよい。
【0044】
有利には、圧縮は、サイズが、そのようなデータを暗号化するときに使用されるデータブロックのサイズに適合するデータブロックにおいて実施されてもよい。
【0045】
本出願の本文全体にわたって、「結合された」という用語は、2つの要素間の、間に中間要素を含まない直接的な接続を指すか、またはこの2つの要素間の間接的な接続、すなわち、少なくとも1つの中間要素を通じて形成される接続を指してもよい。
【0046】
本発明は、純粋に例示のために与えられた実施形態の例の説明を、制限のためではなく添付の図面を参照しながら読んだときによりよく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1】第1の実施形態による、本発明の目的である表示デバイスを概略的に示す図である。
図2】第1の実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図3】第2の実施形態による、本発明の目的である表示デバイスを概略的に示す図である。
図4】第2の実施形態の代替実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図5】第3の実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図6】第3の実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図7】第4の実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図8】第5の実施形態による、表示デバイスの制御回路および制御回路が関連付けられた表示ブロックの一部を概略的に示す図である。
図9】暗号化デバイスに結合された、本発明の目的である表示デバイスを概略的に示す図である。
図10】本発明の目的である表示デバイスの発光素子および制御電子機器を一体化する電子チップの実施形態の例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
以下に説明する様々な図の同一、同様、または同等の部分は、ある図から別の図への切替えを容易にするように同じ参照符号を有する。
【0049】
図をより読みやすくするために図示した様々な部分は必ずしも一様な縮尺で描かれてはいない。
【0050】
様々な可能性(代替実施形態および実施形態)は、互いに網羅的ではないと理解されるものとし、かつこれらの可能性は互いに組み合わされてもよい。
【0051】
以下に、第1の実装形態による表示デバイス100について図1および図2に関連して説明する。
【0052】
デバイス100は、表示ブロック106のアレイ102を備える。アレイ102内の各表示ブロック106は、デバイス100によって表示されるようになっている画像の少なくとも1つのピクセルを表示するように構成される。本明細書で説明する実施形態の例では、各表示ブロック106は、デバイス100によって表示されるようになっている各画像のいくつかのピクセルを表示するように構成される。
【0053】
各表示ブロック106は、いくつかの異なる発光素子118を含む。発光素子118は、たとえばLED(もしくはマイクロLED)またはOLEDに相当する。
【0054】
1つまたは複数の発光素子118に加えて、各表示ブロック106はまた、表示ブロック106の発光素子118によって表示されるようになっている解読されたデジタルデータを記憶するように構成されたメモリ回路120と、表示ブロック106の発光素子118によって表示され、表示ブロック106のメモリ回路120に記憶されるようになっている解読されたデジタルデータからこれらの発光素子118用の制御信号を生成するように構成された駆動回路122とを含む。各メモリ回路120および各駆動回路122は、1つまたは複数の発光素子118に関連付けられてもよい。
【0055】
たとえばCMOS技術に従ってこれらの電子回路120、122を表示ブロック106内に発光素子118とともに一体化することは、EP3381060A1およびF.Templierら、“A New Approach for Fabricating High-Performance MicroLED Displays”SID Symposium Digest of Technical Papers、Volume 50(1)、2019年6月1日の各文献に記載されたように実行されてもよい。たとえば、発光素子118に対応するLEDおよび異なる表示ブロック106の電子回路120、122をそれぞれに異なる基板103上に作製し、次いで切り出し、それぞれに異なるモジュール105の形に組み立て(各表示ブロック106が他の表示ブロック106とは異なるモジュール105に対応する)、最終的に媒体107に転写してもよく、媒体107は、1つもしくは複数のプリント基板または上述のような1つもしくは複数の基板に対応し、これらのプリント基板または基板は、デバイス100の他の要素用の媒体としても使用されるようになっている。
【0056】
図10は、モジュール105の形における表示ブロック106のそのような一体化の実装形態を概略的に示す。この図の例では、赤色、緑色、および青色の各々を放出することを目的とした発光素子118は、これらの色の各々について参照されるそれぞれに異なる半導体ウェハ103a、103b、および103c上に作製される。電子回路(この例では回路120および122)は、CMOS技術に従って別の半導体ウェハ103d上に作製される。ウェハ103a、103b、および103c上に作製された発光素子118は、切り出され、ウェハ103d上で組み立てられる。得られた表示ブロック106は、独立したモジュール105として切り出される。代替的に、発光素子118は、単一のウェハ上に作製されてもよく、これらの発光素子118による異なる色の放出は、赤色または緑色の発光を行うようになっている発光素子118上に蛍光体を添加することによって得られる。この場合、発光素子118が作製されたウェハを、事前に発光素子118を切り出すことなくウェハ103dに取り付けることができる。
【0057】
各モジュール105は、表示ブロック106の様々な発光素子118を備える表示ブロック106を形成し、表示ブロック106の様々な発光素子118は、表示ブロックの電子回路が作製されたCMOS部品上に配設される。これらのモジュール105は次いで、図10に参照符号107を有する媒体に転写され、互いに所望の距離をおいて配設される。
【0058】
したがって、各モジュール105は、1つもしくは複数の電子チップ(有利には、マイクロ電子部品製造方法に従って得られる)の小型アセンブリを形成し、電子チップは、転写媒体に対応する接続パッドに固定され電気的に接続されるようになっている接続パッドを含む接続面を備える。したがって、各モジュール105は、モノリシックチップまたはいくつかの電気的に接続されたモノリシックチップのアセンブリを備え、たとえば、同一または同様の複数のモジュールが同じ転写基板に取り付けられ、各モジュールは、たとえば表示デバイスの表示ブロックに対応する。例として、説明する表示デバイスの基本モジュールの各々は、複数のLEDおよびトランジスタベースの制御回路を備え、特許出願WO2017089676に記載された方法と同じまたは同様な方法に従って製造されてもよい。
【0059】
代替的に、特に表示デバイス100が仮想現実グラスに一体化された画面などの小型画面に対応するとき、表示デバイス100のすべての回路が同じ半導体基板上に作製されてもよい。
【0060】
デバイス100は、カラー画面に相当してもよく、デバイス100によって表示される画像の各ピクセルは、たとえば3つの異なる発光素子118を用いて得られ、各発光素子118は、赤色、緑色、または青色のうちの1つの発光信号を放出することを目的とした。
【0061】
代替的に、デバイス100によって表示される画像の各ピクセルは、たとえば、デバイス100が画像をいくつかの視点で同時に表示することを目的としたマルチスコピックデバイスであるときなどのように、3つよりも多くの異なる発光素子118によって表示されてもよく、たとえば、この場合、表示される画像の視点があるので、デバイス100によって表示される画像の各ピクセルは、多くの異なる発光素子118または発光素子118のセットによって表示される。そのような代替実施形態について以下に詳細に説明する。
【0062】
代替的に、デバイス100によって表示される画像の各ピクセルは、たとえば、デバイス100が単色画面に相当するときには単一の発光素子118を用いて得られてもよい。
【0063】
図1に示す特定の構成では、アレイ102はいくつかのグループに分割される。各グループ104はいくつかの表示ブロック106を備える。
【0064】
実施形態の一例によれば、グループ104は、表示ブロック106の行を形成する。表示ブロック106は、たとえばデバイス100によって表示される画像の8x8ピクセルのブロックを表示するように構成される。他のサイズの表示ブロック106が可能であり、たとえば、デバイス100によって表示される画像の16x16ピクセル、32x32ピクセルなどのブロックを表示するように構成される。
【0065】
別の構成では、アレイ102が1つのグループ104のみを有し、アレイ102内のすべての表示ブロック106がそのグループ104の一部となることが可能である。
【0066】
デバイス100は、デバイス100によって表示されるようになっている画像またはビデオに対応する少なくとも部分的に暗号化されたデジタル信号を受信するように構成された入力110を含むビデオカード108を含む。入力110はたとえば、HDMIタイプの入力である。
【0067】
ビデオカード108は、入力110上で受信され、デバイス110によって表示される1つまたは複数の画像に対応する暗号化されたデジタルデータを記憶するための少なくとも1つのメモリ(図1には示されていない)をさらに含んでもよい。このメモリまたはこれらのメモリは有利には、FIFOタイプのメモリである。
【0068】
ビデオカード108の入力110上でデバイス100によって受信される画像またはビデオ信号は、コンピュータ、デコーダなどの電子デバイスまたはコンピューティングデバイスから取得されてもよい。図9は、表示デバイス100によって表示されるデータの暗号化を実行することを目的としたデバイス200に結合された表示デバイス100を概略的に示す。デバイス100、200間のリンク202は、たとえばHDMIケーブル、または場合によっては、デバイス100、200間の暗号化データもしくは解読用の追加のデータの転送用の追加のケーブルによって形成される。したがって、デバイス200がコンピュータに相当し、表示デバイス100がこのコンピュータに接続された画面に相当するときのように、デバイス200が表示デバイス100の近くに位置することが可能である。代替的に、デバイス200が、表示デバイス100から離れて位置し、インターネットなどのコンピューティングネットワークを介して表示デバイス100に結合されることが可能である。選択される構成は、確保される回線、すなわち、HDMIリンクのローカル確保、リモートユーザとの交換などに依存する。
【0069】
ビデオカード108は、各々が少なくとも1つのグループ104に結合された1つまたは複数の出力112を含む。図1に示す例では、各出力112は、単一のグループ104に結合される。ビデオカード108は、入力として受信された暗号化されたデジタル信号を復号し、暗号化されたデジタルデータをアレイ102に適合されたフォーマットに符号化し、得られたデータを出力112に結合された表示ブロック106によって表示できるように出力112の各々に送る。すべての表示ブロック106が同じグループ104の一部であるとき、ビデオカード108は、1つの出力112のみを含んでもよい。
【0070】
アレイ102内の表示ブロック106は、上記で説明した例とは異なるように構成されたグループ104に割り振られてもよい。
【0071】
図1に示す例では、ビデオカード108の出力112は、表示ブロック106のグループ104に直接接続される。代替的に、グループ104の数が単一のチップに利用可能な出力112の数に対して大きすぎる場合、ビデオカード108は、ビデオカード108についてすでに説明した機能を実行する主回路と、主回路とグループ104との間に挿入された中間回路(図1に示す構成では使用されない)を有してもよい。主回路の各出力は、中間回路に接続されてもよく、各中間回路は、暗号化されたデジタルデータを確実に分散させ様々なグループ104に割り振るために各々がグループ104に接続されたいくつかの出力を含んでもよい。
【0072】
デバイス100はまた、各々が表示ブロック106に結合され関連付けられた制御回路114のアレイを含む。制御回路114の各々は、関連する表示ブロック106が属するグループ104に送られ、関連する表示ブロック106の発光素子118によって表示されるようになっているデジタルデータの一部を解読し、記憶し、関連する表示ブロック106に送るように構成される。
【0073】
以下に、第1の実施形態による表示デバイス100の制御回路114のうちの1つの実施形態の例について図2に関連して説明する。
【0074】
各制御回路114は、暗号化されたデータを受信するための回路を形成し、この実施形態の例では、シフトレジスタ116に対応する第1のメモリ回路を含む。暗号化されたデジタルデータは、同じグループ104の制御回路114のシフトレジスタ116同士を直列に接続することによってそのグループ内または各グループ104内で送信される。各制御回路114は、ある制御回路114から別の制御回路に送信されるデータの振幅レベルが維持されるように増幅器117またはバッファを含んでもよい。そのグループ104または各グループ104では、第1の制御回路114のシフトレジスタ116は入力がビデオカード108の出力112もしくは出力112のうちの1つに接続されるか、またはビデオカード108が中間回路を含むときにそのような中間回路のうちの1つの出力のうちの1つに接続される。シフトレジスタ116の同期は、シフトレジスタ116のクロック入力に接続された配線138を介して送信されるクロック信号によって制御されてもよい。このクロック信号は、アレイ102内のすべての制御回路114のシフトレジスタ116を同期させてもよい。
【0075】
代替的に、各グループ104内で、暗号化されたデジタルデータは、制御回路114のすべてが並列に結合されたデータバス上で送信されてもよい。回路114の各々による、その回路114を対象とする暗号化されたデジタルデータの識別は、この場合、データに関連付けられたアドレスを復号することによって実行されてもよく、この復号は、制御回路114の各々に一体化されたアドレス復号回路によって実行される。この場合、暗号化されたデジタルデータを制御回路114の各々内に確実に記憶する回路は、シフトレジスタでなくてもよい。
【0076】
図1に示す例では、制御回路114は、表示ブロック106を備えるチップとは異なる電子チップの形をしている。代替的に、制御回路114の各々が関連する表示ブロック106を有するチップと同じチップ内に形成することが可能であり、それによって、チップ上で表示ブロック106の制御回路114とメモリ回路120との間でのデータの分散が容易になる。
【0077】
メモリ回路120の各々は、メモリ回路120に結合された発光素子118によって表示されるようになっている解読されたデジタルデータを記憶するように構成される。各メモリ回路120の記憶容量は、メモリ回路120に結合された1つまたは複数の発光素子118によって表示され、ここではデバイス100によって表示される画像のピクセルを表示することを目的としたデータが、少なくともコーディングされるビットの数(たとえば、8)に対応する。
【0078】
各表示ブロック106内の特定の構成では、表示される解読されたデジタルデータは、メモリ回路120(この目的のためにシフトレジスタを含む)を直列に接続することによって伝搬させられる。図2では、あるメモリ回路120の出力と後続のメモリ回路120の入力との間のリンクは、あるメモリ回路120から別のメモリ回路120に送信されるデータ信号のレベルを維持するために増幅器またはバッファ121を含む。
【0079】
代替構成では、表示される解読されたデジタルデータを、並列に接続された表示ブロック106のすべてのメモリ回路120にわたって伝搬させてもよい。解読されたデジタルデータのアドレス指定は、この場合、各メモリ回路120が、メモリ回路120を対象とするデータを、アドレス復号回路を介して識別するように実行される。
【0080】
デバイス100によってビデオカード108の入力110上で受信され、次いでビデオカード108によって制御回路114に送信されるデジタルデータは、暗号化され、制御回路114内で解読されるようになっている。この解読を実行するために、各制御回路114は、このデータ解読を実施する電子回路を含む。
【0081】
すでに指摘したように、各制御回路114は、関連する表示ブロック106の発光素子118によって表示されるようになっているデジタルデータに対応する暗号化されたデジタルデータを受信して記憶するように構成された第1のメモリ回路を含む。本明細書で説明する第1の実施形態では、この第1のメモリ回路はシフトレジスタ116に相当する。
【0082】
各制御回路114はまた、少なくとも1つの解読鍵を含む暗号化特性を記憶するように構成された第2のメモリ回路124を含む。この解読鍵は有利には、対称鍵、すなわち、表示デバイス100によって受信された暗号化されたデジタルデータを暗号化するために使用される鍵と同様の鍵である。さらに、この解読鍵は有利には、表示デバイス100によるそれぞれに異なる画像の表示間、たとえば、各画像の表示上で定期的に修正されるようになっているか、またはそれぞれに異なるセッションに対応するセッション鍵に相当する。解読鍵は好ましくは、表示デバイス100とデジタルデータを暗号化するデバイスとの間で交換されるが、この場合、暗号化されたデジタルデータとは別に交換されるかどうかにかかわらず交換され、表示デバイス100とデータの暗号化を実行したデバイスとの間で暗号化されたデジタルデータの送信に使用されるケーブルと異なるケーブルであるかどうかにかかわらずにケーブルを介して交換される。
【0083】
図2の実施形態の例では、各制御回路114はまた、初期設定ベクトルなどの追加の解読データを入力として受信してもよく、この解読データは、たとえば、初期にデータの暗号化の間に選択されるランダムな2進数に相当し、暗号化のデータは、この暗号化の間に入力データとして使用され、表示デバイス100に送信される。そのような初期設定ベクトルの使用は、任意であり、同じ結果をもたらす同じ暗号化鍵を用いて暗号化された同じ画像の2つの暗号化を回避することを可能にする。すべての制御回路114によって受信される初期設定ベクトルは同じであってもよく、それによって、初期設定ベクトルを制御回路114に送るためのアドレス指定を実施することが不要になる。
【0084】
図2に示す実施形態の例では、解読鍵および初期設定ベクトルは、制御回路114の各々が、初期設定ベクトルおよび解読鍵などの追加の解読データをデータの解読において使用する前に記憶しておくように構成された第2のメモリ回路124を介して接続された同じ配線126上で送信される。さらに、この実施形態の例では、第2のメモリ回路124によるデータの受信は、第2のメモリ回路124が接続された配線132を介して送信されるクロック信号によって同期化される。代替的に、第2のメモリ回路124は、シフトレジスタ116(2本の配線132、138の一方が省略されてもよい)を同期させるために使用されるクロック信号と同じクロック信号によって同期化される。
【0085】
図2に示す実施形態の例では、各制御回路114は、任意で、別の2進数が記憶される記憶素子134を含み、この2進数は、シリアルナンバーと呼ばれ、制御回路114に関連付けられ(各制御回路114は他の制御回路のシリアルナンバーを有する)、データの暗号化でも使用されるパラメータに相当する。このシリアルナンバーは、たとえば、固定値の数であり、たとえば、制御回路114を形成するチップの導電トラックによってハードコーディングすることができ、すなわち、読み取り専用メモリ、制御回路114内にコーディングすることができ、各導電トラックが電源ラインに接続されるかそれともグランドに接続されるかに応じて、シリアルナンバーに対応する2進数「0」および「1」のシーケンスを定義する。このようなシリアルナンバーを使用すると、実行される暗号化がより複雑になり、同一のデジタルデータについての同一の暗号化結果が回避される。そのようなシリアルナンバーを使用するとき、シリアルナンバーのリストがデータの暗号化の前に追加の暗号化データの一部として暗号化デバイスに送信される。
【0086】
各制御回路114はまた、第1のメモリ回路(図2の例ではシフトレジスタ116)、第2のメモリ回路124、および記憶素子134に結合された入力を含み、解読鍵(および図2の例では初期設定ベクトルおよびシリアルナンバー)を使用してレジスタ116に記憶された暗号化されたデジタルデータの解読を実行するように構成された解読回路136を含む。この解読動作は、たとえば、暗号化されたデジタルデータと解読鍵との間で実行されるブロック解読アルゴリズムに相当し、解読鍵には、シリアルナンバーおよび初期設定ベクトルが関連付けられてもよい。
【0087】
第1の実施形態では、各制御回路114はまた、別のメモリ回路140を含み、このメモリ回路140は、たとえば、第4のメモリ回路と呼ばれ、解読回路136から出力された解読されたデジタルデータを記憶するように構成される。
【0088】
メモリ回路140の記憶容量は、たとえば、各表示ブロック106によって表示されるデータがコーディングされるビットの総数に少なくとも等しい。たとえば、各々が、8ビットでコーディングされたデータを表示する単一の発光素子118を備える8x8ピクセルのブロック106の場合、そのようなメモリ回路140の各々の容量は、たとえば512ビットに等しい。
【0089】
表示デバイス100によって受信される暗号化されたデジタルデータは、表示デバイス100のアレイ102の特性、たとえば、アレイ102の寸法、アレイ102によって表示可能なピクセルの総数、表示ブロック106の数、アレイ102内のこれらの表示ブロック106の配置、表示ブロック106当たりに表示可能なピクセルの数、各ピクセルを表示する発光素子118の数、表示ブロック106に関連付けられたシリアルナンバーのリストなどを考慮に入れてすでに暗号化されている。
【0090】
ここで、データ解読は、表示ブロック106当たりに実行される。言い換えれば、表示ブロック106の各々によって表示されるようになっているデジタルデータは一緒に解読される。したがって、各表示ブロック106の特性、すなわち、ビット数単位の各表示ブロック106のサイズ、使用されるアルゴリズム、可能なシリアルナンバー、アレイ102内の各表示ブロック106の位置が暗号化デバイスに送信される。さらに、鍵交換方法、たとえば、対称鍵交換または公開鍵によるセッション鍵暗号化も暗号化デバイスに送信される。表示ブロック106ごとに異なるセッション鍵が使用され得るか、またはセッション鍵が定期的に交換され得る。
【0091】
さらに、各表示ブロック106におけるデータについて実行される暗号化および解読はサブブロックシーケンスで実行されてもよい。たとえば、表示ブロック106ごとに対象となるデータに128ビットデータブロックを使用するAES型暗号化が順次または並行して数回実施されてもよい。
【0092】
デジタルデータは、解読回路136によって解読され、メモリ回路140に記憶された後、表示ブロック106のメモリ回路120に送られる。
【0093】
図2に示す実施形態の例では、各メモリ回路120は、ラッチ144(「ラッチ」回路、記憶容量がシフトレジスタ142の記憶容量に少なくとも等しい)に結合されたシフトレジスタ142(このメモリ回路120に関連付けられた発光素子118によって表示されるデータがコーディングされるビットの数に等しい数のビットを記憶することができる)を含む。表示ブロック106のレジスタ142のうちで、たとえば、表示ブロック106によって表示されるデータの第1のピクセルを表示するためのレジスタ142は、関連する制御回路114のメモリ回路140に記憶された解読されたデジタルデータを入力として受信する。シフトレジスタ142同士は、各表示ブロック106内に増幅器121またはバッファを介し、シフトレジスタ142のデータ入力および出力を介して直列に結合される。表示ブロック106内のシフトレジスタ142のすべてが、シフトクロック信号を入力として受信し、シフトクロック信号は、制御回路114またはビデオカード108によって生成され、参照される配線146を通過し、また、メモリ回路140に入力として適用され、レジスタ142内のデータのシフティングを制御する。表示ブロック106のラッチ144は、記憶トリガ信号を受信し、記憶トリガ信号は、たとえば、制御回路114またはビデオカード108によって生成され、ラッチ144内のシフトレジスタ142内に存在するデジタル値の記憶を制御する。この記憶トリガ信号は、図2において、参照符号148を有する配線を通過する。
【0094】
表示制御信号または変換クロック信号は、配線150を通過し、駆動回路122に入力として適用され、解読されたデジタルデータの、発光素子118への入力として適用される制御信号への変換を制御する。本明細書で説明する実施形態の例では、各回路122は、回路122が結合された発光素子118によって表示されるデジタルデータをPWM(パルス幅変調)変調アナログ信号に変換するPWM変調器に相当する。各駆動回路122の出力は、発光素子118のうちの1つに結合される。変換クロック信号は、制御回路114またはビデオカード108によって生成されてもよい。変換クロック信号の周波数としてはちらつきの問題を回避するほど高い周波数、たとえば、デバイス100の画像表示周波数の100倍~1000倍の周波数、または数MHzもしくは数10MHzなどのずっと高い周波数(高周波数を使用することは、この信号の周波数に対する精度の必要性を低減させる利点を有する)が選択される。
【0095】
上記で説明したPWM変調器の代替実施形態として、各駆動回路122がBCM(2値コード変調)変調器に相当することが可能である。ピクセルのアレイの表示に適用されるそのような変調の詳細は、文献EP3550550A1に記載されている。
【0096】
別の代替実施形態によれば、各駆動回路122は、PWMまたはBCM変調器ではなく、発光素子118のうちの1つの発光を駆動するアナログ信号を出力するデジタル-アナログ変換器を含んでもよい。各デジタル-アナログ変換器は、ラッチ144のうちの1つに記憶された表示されるデジタルデータを発光素子118の入力に送られる電流に変換し、この電流の値は、たとえば、発光素子118の特性に適合された変換曲線に従って決定される。
【0097】
しかし、デジタル-アナログ変換器と比較して、PWMまたはBCM変調器は、より扱いやすく、表示素子への入力として同じ最大振幅のアナログ信号を送り、発光素子118の制御を容易にする利点を有する。
【0098】
シフトレジスタ142は表示ブロック106内で使用されるので、表示される画像の各ピクセルに対応するデジタルデータの量としては、表示ブロック106の発光素子118によって表示されるすべてのピクセルについて同一である量が選択される。
【0099】
各表示ブロック106内で、シフトレジスタ142は、行状、列状、蛇行状などの様々な方法で直列に接続されてもよい。各表示ブロック106内のレジスタ142同士の接続パターンは、暗号化時に考慮され、それによって、各レジスタ142は、実際にレジスタを対象とするデータを発光素子118に送る。
【0100】
さらに、すでに説明した実施形態の例では、表示される画像のピクセルを表示することを目的とした回路の各アセンブリがデータ信号、シフトレジスタ142を制御するシフトクロック信号、PWMまたはBCM変調器を対象とする変換クロック信号、およびラッチ144を制御する記憶トリガ信号を入力として受信する。代替的に、画像のピクセルを表示するための回路は、単一の信号のみを受信してもよい。この単一の信号では、データが、以下のようなパルス持続時間を使用してコーディングされてもよく、たとえば、
短持続時間(たとえば、周期の3分の1に等しい)のハイ状態がビットを第1の状態(たとえば、「0」)にコーディングし、
長持続時間(たとえば、周期の3分の2)のハイ状態がビットを第2の状態(たとえば、「1」)にコーディングし、
周期全体にわたるロー状態がリセットに相当し、レジスタ142内のデータの表示を制御する。
【0101】
この構成では、制御回路114と回路120、122との間で、追加の回路が、単一の受信された信号から、デジタルデータ信号、シフトレジスタ142を制御するシフトクロック信号、およびレジスタ142に存在するデータ値の、ラッチ144への記憶を制御する記憶トリガ信号を生成する。この構成は、回路120および120の入力および出力に接続される配線の数を制限し、それによって、デバイス100の製造を容易にする利点を有する。
【0102】
上記で説明した実施形態の例では、制御回路114ごとに変わる記憶されたシリアルナンバーを除いてすべての制御回路114が同一である。
【0103】
代替実施形態では、各制御回路114は、シリアルナンバーおよび/または初期設定ベクトルを考慮しなくてもよい。この場合、これらの要素は、デジタルデータの暗号化時にもまたは解読時にも使用されない。
【0104】
第1の実施形態による表示デバイス100を用いると、表示されるデジタルデータを安全に送信するための方法であって、
表示ブロック106のアレイの特性、および表示デバイス100によって表示されるデジタルデータを含む追加の暗号化データを表示デバイス100から暗号化デバイスに送るステップと、
追加の暗号化データから取得された少なくとも1つのセッション鍵を使用し、アレイ102の特性を使用して暗号化デバイスによって(暗号化方式で)送られるデジタルデータを暗号化するステップと、
場合によっては、暗号化されたデータであるか暗号化されていないデータであるかにかかわらず追加の解読データを伴って、暗号化されたデジタルデータを表示デバイス100に送るステップと、
表示デバイス100によって、表示デバイス100の各制御回路114に記憶されていたセッション鍵を使用し、場合によっては、追加の解読データ、および場合によっては表示ブロック106のアレイ102の他の追加のデータ特性を使用して、暗号化されたデジタルデータを解読するステップとを実施する方法を実施することが可能である。
【0105】
いずれの場合も、追加の暗号化データは、表示デバイス100からデバイス200に送られ、追加の解読データはデバイス200から表示デバイス100に送られる。
【0106】
第2の実施形態では、すべての制御回路120に送信される解読鍵は、公開鍵を用いて暗号化された対称型セッション鍵に相当することが可能である。暗号化されたセッション鍵が、暗号化されたデジタルデータを解読するために使用できるように、使用される公開鍵に対応する秘密鍵を含むデバイス100において解読される。この第2の実施形態は、解読をより高速にし、解読に関連するエネルギー消費量を低減させる。たとえば、公開鍵を表示デバイス100の特性とともに暗号化デバイスに送信することが可能である。
【0107】
この暗号化されたセッション鍵の解読は、表示ブロック106の外部に位置する1つまたは複数の解読ユニット152によって実行されてもよく、解読ユニット152は、暗号化されたセッション鍵を入力として受信し、これらのユニットに記憶された秘密鍵を使用してこのセッション鍵の解読を実行する。解読されたセッション鍵は次いで、解読ユニット152の出力からすべての制御回路114に送信される。
【0108】
図3は、そのような構成におけるデバイス100を概略的に示す。図3に示す構成では、各解読ユニット152は、グループ104のうちの1つに関連付けられる。いくつかの解読ユニット152を用いると、解読ユニットごとに異なるセッション鍵を使用することが可能である。別の代替実施形態では、デバイス100がビデオカード108に配設された単一の解読ユニット152を含むことが可能である。解読されたセッション鍵はこの場合、この解読ユニット152の出力からすべての制御回路114に送信される。これらのケースはどちらも、アレイ102内のいくつかの位置に秘密鍵を書き込むことを回避し、公開鍵と秘密鍵のペアの初期管理および分散をより簡単にし、秘密鍵の複製をより少ないコンピュータチップに制限することによって安全性を向上させる。
【0109】
代替的に、暗号化されたセッション鍵の解読は、各制御回路114内で実行されてもよい。図4は、そのような代替実施形態による制御回路114の実施形態の例を概略的に示す。
【0110】
この代替実施形態による、図4に示す制御回路114は、図2に関連してすでに説明したすべての要素を備える。これらの要素に加えて、制御回路114は、暗号化されたセッション鍵および制御回路114の別のメモリ回路154に記憶された秘密鍵を入力として受信する解読ユニット152を備える。この他のメモリ回路154の初期プログラミングは、安全な環境、たとえば工場において実行される。ユニット153によって解読が実行された後、解読されたセッション鍵は別の記憶素子128に記憶され、記憶素子128の出力は解読ユニット136に接続されている。
【0111】
暗号化されたデータを表示デバイス100に送る前に、表示デバイス100は、暗号化されたデジタルデータが表示デバイス100の特性(アレイ102の特性および構成、制御回路114に記憶されたシリアルナンバーのリストなど)に適合されるように、記憶された秘密鍵に対応する公開鍵、および使用される暗号化アルゴリズムの特性に対応する追加の暗号化データを、デジタルデータを暗号化することを目的とした暗号化デバイスに送る。暗号化デバイスは次いで、好ましくはランダムなセッション鍵を選択し、このセッション鍵を使用してデータを暗号化し、場合によっては、ランダムな初期設定ベクトルおよび受信された他の暗号化情報を決定する。次いで、暗号化されたデジタルデータおよび追加の解読データ(公開鍵を用いて暗号化されたセッション鍵、初期設定ベクトル、および場合によっては、たとえば、表示デバイス100が複数の暗号化方法を用いて動作するように適合されている場合に使用される暗号化方法などのその他の情報)が、たとえば、暗号化デバイスから送られるコンテナファイルにおいて表示デバイス100に送信される。暗号化情報は、暗号化されたデータを送信するために使用されるケーブルと異なる場合も異ならない場合もあるケーブルを介して表示デバイス100に送信されてもよい。表示デバイス100は次いで、セッション鍵を解読し、セッション鍵を使用して暗号化されたデジタルデータを解読し表示する。
【0112】
すでに説明したどちらの実施形態でも、いくつかの画像を連続的に表示する際、表示デバイス100に送信される追加の解読データ(解読鍵および/またはシリアルナンバーおよび/または初期設定ベクトル)はすべての画像について同一であっても同一でなくてもよい。たとえば、初期設定ベクトルおよび/または解読鍵は、各画像の表示間または画像のいくつかのグループの表示間で変わってもよい。
【0113】
上記の実施形態のどちらでも、各画像は暗号化され、表示デバイス100に送られ、次いで、表示デバイス100によって表示されるすでに解読されたデータとは独立して表示デバイス100によって解読される。
【0114】
第3の実施形態では、各表示ブロック106によって表示されるようになっているデータの暗号化および解読を、その表示ブロック106によって表示される前の画像のデータの一部を使用して実行することが可能である。
【0115】
したがって、表示ブロック106の対象とする画像nのデジタルデータは、セッション鍵(および場合によっては初期設定ベクトルおよび/またはシリアルナンバー)を使用して、また画像nの直前の画像または直前ではない画像のその表示ブロック106の暗号化されていないデジタルデータから暗号化されてもよい。第1の画像を表示する場合、前の画像の暗号化されたデジタルデータが存在しないので、代わりにデフォルト値、たとえば「すべてゼロ」が使用される(新しい鍵をロードする際のメモリ回路140のブランクメモリ初期設定)。
【0116】
図5は、前の画像の暗号化されていないデータを使用して暗号化されたデジタルデータの解読を実行するように適合された制御回路114を示す。
【0117】
さらに、図2および図4に関連してすでに説明した制御回路114と比較して、図5に示す解読回路136は、入力された、メモリ回路140内に位置する、画像nの暗号化されたデジタルデータおよび画像n-1の解読されたデジタルデータ、ならびに初期設定ベクトルを入力として受信する。画像nの暗号化されたデジタルデータおよび画像n-1の解読されたデジタルデータは、解読回路136によって(たとえば、XORを実行することによって)組み合わされる。出力されたデジタルデータはセッション鍵と組み合わされて、画像nの解読されたデジタルデータが取得される。
【0118】
代替的に、画像nのデータの暗号化および解読は、画像n-1の解読されたデジタルデータに加えて、画像n-2の暗号化されたデジタルデータ、または場合によっては、1つもしくは複数の他の前の画像の暗号化されならびに/または解読されたデジタルデータを伴うと考えられる。この場合、解読回路136は、前の画像の暗号化されたデジタルデータをメモリ内に維持してもよい。
【0119】
別の代替実施形態によれば、暗号化および解読は、前の画像のうちの1つまたは複数の暗号化されたデジタルデータを使用するが、そのような画像の暗号化されていないデジタルデータを使用せずに実行されてもよい。
【0120】
別の構成では、各制御回路114において解読することを目的としたデータの暗号化および解読は、別の制御回路114、たとえば隣接する制御回路内で解読することを目的としたデジタルデータを、追加の暗号化および解読データとして使用して実行されてもよい。図6は、そのような構成を示し、第1の制御回路114のメモリ回路120に記憶された解読されたデータは、増幅器123を介して第2の制御回路114の解読回路136の入力に送られる。
【0121】
一実施形態の例によれば、
表示デバイス100は、75インチ(1.905m対角線)に等しいサイズおよび4K解像度(3,840x2,160ピクセルを備えるアレイ102)の画面に相当し、
各ピクセルは、3つの発光素子118によって表示され、
ピッチ(すなわち、2つの隣接するピクセルを表示する発光素子間の距離)は432μmに等しく、
デジタルデータは、ピクセル当たり10ビットを含み、
デバイス100の表示周波数は100Hzであり、
表示デバイス100に表示されるデジタルデータの総データ転送速度は25Gbit/sである。
【0122】
表示ブロック106の各々は、8x8ピクセルのブロックを表示するように構成され、480ブロック106の270行として配置される。この場合、各行は92Mbit/sのデジタルデータ転送速度を受信する。
【0123】
表示デバイス100は、この場合、各々が表示ブロック106に関連付けられた129,600個の制御回路114を備える。各画像について、各表示ブロック106は、1,920ビットの暗号化されたデジタルデータを受信する。第1の画像について、各ブロック106は、同じ解読鍵、たとえば、256ビットを受信し、場合によっては、追加のデータ(初期設定ベクトル、使用されるアルゴリズムの識別情報)用にほぼ同じ量のビットを受信する。暗号化/解読アルゴリズムとしては、1,920ビットのブロックを処理するアルゴリズムが選択されるものとする。アルゴリズムが処理されるブロック用のより大きい整数が必要である場合、欠落ビットは任意の値、たとえばゼロに設定されてもよい。アルゴリズムは、より小さいブロックを順次処理することによってこれらのブロックを処理することが可能であってもよい。
【0124】
すべての実施形態において、通常、画像専用に使用される伝送チャネルを通じたトランスポートを容易にするために、たとえば、ある表示ブロック106を対象とする暗号化されたデジタルデータのビットの少なくとも一部で、暗号化情報(解読鍵、初期設定ベクトル)を表示デバイス100に送信するときに、暗号化情報を暗号化されたデジタルデータと混合することが可能である。これらの表示ブロック106はこの場合、いずれのデジタルデータも表示しなくてもよく、または近傍の表示ブロック106のデジタルデータを表示してもよい。
【0125】
代替的に、解読鍵、または解読鍵が取得されるデータ(たとえば、パスワード)が、手動でデバイス100に入力されてもよい。
【0126】
すべての実施形態では、デバイス100によって受信されるデータは、受信されるデジタルデータが暗号化されているかどうかを示す少なくとも1つのビットを含む。この場合、デバイス100は、そのようなビットの値に応じて受信されたデータの解読の実行または不実行を決定する。追加データの量を制限するために、たとえば、ブロック106当たりに、その特定のブロックが暗号化されているかどうかを示すために単一のビットを追加してもよい。
【0127】
さらに、すべての実施形態において、各解読回路136は、制御回路114によって受信される少なくとも1つの認証ビット、またはnビット符号化パスワードの値に応じて解読の実行または不実行を決定してもよい。この認証ビットまたはパスワードは、それ自体が安全性のレベルを増大させるように暗号化されてもよく、表示デバイス100から生成されてもよく、または外部から表示デバイス100によって受信されてもよい。たとえば、解読は、前の認証ステップの結果に応じて認証または不認証が決定されてもよく、たとえば、表示デバイス100上のスマートカード、スイッチトリガ、または指紋センサーなどのバイオメトリックセンサーを使用して認証または不認証が決定されてもよい。認証検証を行う回路は、制御回路114と一体化されてもよく、またはビデオカード108と制御回路114との間に組み込まれてもよい。バイオメトリックセンサーを使用すると、認証された人のみが表示をトリガすることができ、したがって、表示デバイス100上で送信される秘密画像にアクセスすることができる。
【0128】
表示デバイス100によって受信される暗号化されたデジタルデータが暗号化の前に圧縮されてもよい。そのような第4の実施形態による制御回路114が、図7に示されており、制御回路114は、メモリ回路140に記憶された解読されたデジタルデータを解凍するための回路158を含む。解読され解凍されたデジタルデータは次いで、別のメモリ回路160に記憶され、データはそこからメモリ回路120に送られる。
【0129】
図7に示す例では、すでに図4に関連して説明した制御回路114の要素と同じ要素によってデータの解読が実行される。しかし、デバイス100に送信され解読されるデータは圧縮されているので、制御回路114の様々な要素の記憶容量は、圧縮されていないデータを解読するのに必要な記憶容量よりも少なくてもよい。
【0130】
一例として、データの圧縮および解凍はJPEGフォーマットに従って実行されてもよい。他のデータ圧縮/解凍フォーマットが可能である。ブロックのサイズとしては、解凍アルゴリズムに適合するサイズ、たとえば、JPEGの場合には24ビットの8x8ピクセルのブロック、またはこのサイズの整数倍数が選択されてもよい。解凍に共通のデータが必要とされる場合、そのデータは暗号化されたデータに組み込まれ、解凍時に利用可能になるものとする。
【0131】
圧縮をこのように実行すると、デバイス100に送られるデータのデータ転送速度が低減するとともに、デバイス100内を流れ制御回路114に送られるデータのデータ転送速度が低減する。
【0132】
この第4の実施形態は、すでに説明した実装形態および代替実施形態、すなわち、対称または非対称解読鍵の使用、ある画像のデータの、別の画像のデータを使用した暗号化または別の画像のデータを使用しない暗号化、ある画像のデータの一部の、同じ画像の他のデータを使用した暗号化または同じ画像の他のデータを使用しない暗号化と組み合わされてもよい。
【0133】
この第4の実施形態では、表示される解読されたデジタルデータを、互いに並列に接続された表示ブロック106のすべてのメモリ回路120内を伝搬させることが可能である。この場合、解読されたデジタルデータのアドレス指定は、各メモリ回路120がアドレス復号回路を介してメモリ回路120を対象とするデータを識別するように実行される。そのような構成は、各制御回路114に意図される圧縮されるデータの量が可変であるときに企図され得る。
【0134】
図8は、第5の実施形態による制御回路114を示す。この第5の実施形態では、たとえば、ランレングス符号化(RLE)アルゴリズムによってデータの圧縮および解凍が実行される。
【0135】
暗号化されたデジタルデータをこれらの回路の直列リンクを介して制御回路114に伝搬させる前述の実施形態の例とは異なり、圧縮され暗号化されたデータを、すべての制御回路114が並列に接続されたデータバス161上で伝搬させる。この例では、バス161は、暗号化され圧縮されたデジタルデータが送信される配線と、クロック信号が送信される配線と、リセット信号が送信される配線とを含む。バス161を介して送られるデジタルデータはアドレス指定され、各制御回路114は、アドレス復号回路162を含み、アドレス復号回路162は次に、受信されるようになっているデータをメモリ164内に送る。
【0136】
これは、前述の実施形態とは異なり、RLE圧縮アルゴリズムが可変圧縮比によってデータを圧縮し、それによって、可変サイズの暗号化されたデータが得られるので、この場合有用である。アドレス指定を使用して暗号化されたデジタルデータを表示ブロック106に分散させると、それぞれに異なる表示ブロック106に対してそれぞれに異なるサイズのデータが与えられる。
【0137】
このことは、可変圧縮比を有するあらゆる圧縮アルゴリズムに当てはまる。
【0138】
さらに、この場合のメモリ164は、FIFO(「先入先出」)型であり、圧縮比のばらつきに起因するデータ転送速度のばらつきを吸収する。
【0139】
図8における制御回路114の解読および解凍要素は、図7に関連してすでに説明した解読および解凍要素と同様である。
【0140】
データの解凍は、そのようなデータの解読後に実施される。加えて、デジタルデータは、暗号化される前に圧縮され、次いで表示デバイス100に送られる。
【0141】
図8に示す構成の代替実施形態によれば、FIFO型メモリ164は、アドレス復号回路162と解読回路136との間ではなく、メモリ回路140と解凍回路158との間に結合されてもよい。
【0142】
この第5の実施形態は、すでに説明した実装形態および代替実施形態、すなわち、対称または非対称解読鍵の使用、ある画像からの、別の画像からのデータを使用した暗号化または別の画像からのデータを使用しない暗号化、ある画像からのデータの一部の、同じ画像からの他のデータを使用した暗号化または同じ画像からの他のデータを使用しない暗号化と組み合わされてもよい。
【0143】
すべての実施形態において、ビデオカード108は、FIFO型メモリを含んでもよく、データ転送速度におけるばらつきを吸収しならびに/または表示されるデータを事前に受信する。
【0144】
すでに説明した構成では、データは、電源に使用される配線とは異なる配線上で送信される。代替的に、デジタルデータを電源信号に変調することによって送信することが可能である。この場合、ピクセルにおいて追加の復調ステップが実施される。そのような代替構成の実施形態の詳細は、文献EP3649672A1において説明されており、本発明にも同様に適用することができる。
【0145】
表示デバイス100は、デジタルデータの表示専用の要素に加えて、送信エラー(パリティコード、エラー訂正、シグナリングビットなど)を管理するための回路を含んでもよい。
【0146】
すべての実施形態および代替実施形態において、制御回路114および/またはビデオカード108は、表示されるデジタルデータおよびクロック信号を各グループ104および/または表示ブロック106に送ることに加えて、表示されるデータをグループ104および/または表示ブロック106に送る前に表示されるデータの1回または複数回のデジタル処理を実行してもよい。このデータのデジタル処理は、たとえば、輝度補正(結果的に発光素子に送られるアナログ信号の強度を調整する)、ガンマ補正(結果的にアレイ102全体の色補正曲線に従って発光素子に送られるアナログ信号の値に調整係数を適用する)、またはピクセル較正(結果的に補正される色に従って発光素子に送られるアナログ信号の値に調整係数を適用する)に相当してもよい。さらに、そのようなデジタル処理の1回または複数回の処理はまた、各ピクセルにおいて直接実行されてもよく、この場合、ピクセル内にデジタルデータ処理回路が追加される。
【0147】
上述の実施形態の様々な例では、使用される解読鍵は、第2の実施形態と同様に、公開鍵を用いて暗号化され、秘密鍵を用いて解読されるセッション鍵に相当する。代替的に、他の種類の鍵配布を適用してもよい。
【0148】
すべての実施形態において、表示されるデジタルデータの一部のみを暗号化することが可能である。
【0149】
すべての実施形態において、メモリユニット140(またはデータが圧縮されるときは160)に記憶されたデータを取り出すことによって表示されたデータのスクリーンショットを実行することが可能である。
【0150】
すべての実施形態において、有利には、表示デバイス100を使用して、ユーザが機密コードの入力を促されるコード検証窓を表示することができる。そのような使用は、表示デバイス100によって安全性がもたらされるので有利である。たとえば、表示デバイス100がコンピュータ画面に相当するとき、コンピュータ自体(CPU+GPU)は表示デバイス100によって表示される数字の位置を認識しない。たとえば、ユーザに機密コードを入力しチューリングテストを実行するように求めることが可能である。特に有利な構成は、タッチセンサー式の表示デバイス100を有することであり、その理由は、この場合、要求されたコードを入力した後給送される応答を暗号化することが可能であるからである。
【0151】
上述の実施形態および実施例のすべての代替として、データ送信の他のモード、たとえば、光、無線などを検討することが可能である。
【符号の説明】
【0152】
100 表示デバイス
102 アレイ
103 基板
103a、103b、103c、103d ウェハ、半導体ウェハ
104 グループ
105 モジュール
106 表示ブロック
107 媒体
106 表示ブロック
108 ビデオカード
110 入力
112 出力
114 制御回路
116 シフトレジスタ
117 増幅器
118 発光素子
120 メモリ回路
122 駆動回路
123 増幅器
124 第2のメモリ回路
126 配線
128 記憶素子
132 配線
134 記憶素子
136 解読回路、解読ユニット
138 配線
140 メモリ回路
142 レジスタ、シフトレジスタ
144 ラッチ
146 配線
148 配線
152 解読ユニット
153 ユニット
154 メモリ回路
158 解凍回路
160 メモリ回路
161 データバス
162 アドレス復号回路
164 メモリ
200 デバイス
202 リンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】