(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080056
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022190219
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0167056
(32)【優先日】2021-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 燦 亨
(72)【発明者】
【氏名】公 拮 ウ
(72)【発明者】
【氏名】梁 至 希
(72)【発明者】
【氏名】李 康 俊
【テーマコード(参考)】
4M118
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AA05
4M118AB01
4M118BA14
4M118CA04
4M118CA07
4M118CA09
4M118CB20
4M118DD04
4M118EA14
4M118FA27
4M118FA28
4M118GC08
4M118GD04
4M118GD07
4M118HA25
(57)【要約】
【課題】暗電流特性を改善して光特性効率及び感度を向上させたイメージセンサを提供する。
【解決手段】本発明のイメージセンサは、基板内に配置された光電変換素子領域と、基板の第1面から第1面に対向する第2面の方向に形成され、平面図上で、光電変換素子領域を囲み、光電変換素子領域の側面に隣接する第1領域及び光電変換素子領域の各コーナーに隣接する第2領域を有する分離構造物と、を備え、分離構造物は、平面図上で、光電変換素子領域をそれぞれ囲む第1分離層、第1分離層を囲む第2分離層、第1領域で第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン、及び第2領域で第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターンを含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板及び前記第1基板上の第1回路素子を含む第1チップ構造物と、
前記第1チップ構造物上の第2チップ構造物と、を備え、
前記第2チップ構造物は、
前記第1チップ構造物に向かい合う第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する第2基板と、
前記第2基板の前記第1面に配置される第2回路素子と、
前記第2基板の前記第2面上の反射防止層と、
前記反射防止層上のカラーフィルタと、
前記カラーフィルタ上のマイクロレンズと、
前記第2基板内の分離構造物と、
前記分離構造物によって互いに離隔される前記第2基板内の光電変換素子領域と、を含み、
前記分離構造物は、前記光電変換素子領域の側面に隣接する第1領域及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する第2領域を有し、
前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域をそれぞれ囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第1領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン、及び前記第2領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターンを含み、
前記第2ギャップフィルパターンは、平面図上で前記第1ギャップフィルパターンに接触することを特徴とするイメージセンサ。
【請求項2】
前記第2ギャップフィルパターンは、前記光電変換素子領域の各コーナーの一部に向かい合う凹状の領域を含み、
前記第2ギャップフィルパターンの前記凹状の領域は、前記第2分離層に接触することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第2ギャップフィルパターンは、平面図上で互いに離隔されて配置されることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第2ギャップフィルパターンの各端部は、前記光電変換素子領域の側面間に延び、
前記第2ギャップフィルパターンの各端部面は、前記第1ギャップフィルパターンに向かって凸状の曲面を有することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記分離構造物は、前記第1分離層と前記第2分離層との間に配置されるライナー層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記分離構造物は、前記第1分離層の内側面に接触して前記第1ギャップフィルパターン及び前記第2ギャップフィルパターンを覆うキャッピング層を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第2基板の前記第1面の活性領域を定義する素子分離層を更に含み、
前記分離構造物は、前記素子分離層を貫通することを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
基板内に配置された光電変換素子領域と、
前記基板の第1面から前記第1面に対向する第2面の方向に形成され、平面図上で、前記光電変換素子領域を囲み、前記光電変換素子領域の側面に隣接する第1領域及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する第2領域を有する分離構造物と、を備え、
前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域をそれぞれ囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第1領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン、及び前記第2領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターンを含むことを特徴とするイメージセンサ。
【請求項9】
前記第1ギャップフィルパターンは、平面図上で、前記光電変換素子領域のうちの第1方向に互いに隣接する光電変換素子領域間に配置され、
前記第2ギャップフィルパターンは、平面図上で、前記光電変換素子領域のうちの前記第1方向に斜めである第2方向に互いに隣接する光電変換素子領域間に配置されることを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項10】
前記第2ギャップフィルパターンは、前記第1ギャップフィルパターンと互いに接触することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項11】
前記第2ギャップフィルパターンは、前記光電変換素子領域のコーナー毎に隣接して配置され、前記第1ギャップフィルパターンによって互いに離隔されることを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項12】
前記分離構造物は、平面図上で格子パターンをなし、
前記第2領域は、前記格子パターンの交差する領域であることを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項13】
前記第2ギャップフィルパターンは、それぞれ平面図上で十字(cross)状を有することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項14】
前記第1ギャップフィルパターンに接触する前記第2ギャップフィルパターンの側面は、前記第1ギャップフィルパターンに向かって凸状の曲面を有することを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項15】
前記分離構造物は、前記第1分離層と前記第2分離層との間に配置されるライナー層を更に含み、
前記ライナー層は、前記第1分離層及び前記第2分離層とは異なる物質を含むことを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項16】
前記第2ギャップフィルパターンは、前記第1ギャップフィルパターンとは異なる物質を含むことを特徴とする請求項8に記載のイメージセンサ。
【請求項17】
基板内に配置された光電変換素子領域と、
前記基板の第1面から前記第1面に対向する第2面の方向に形成されて前記光電変換素子領域を囲む分離構造物と、を備え、
前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域を囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第2分離層に接触する第1ギャップフィルパターン、及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する領域に前記第2分離層と接触する第2ギャップフィルパターンを含み、
前記第2ギャップフィルパターンは、前記第1ギャップフィルパターンによって互いに離隔されて配置されることを特徴とするイメージセンサ。
【請求項18】
前記第1ギャップフィルパターンは、前記第2ギャップフィルパターン間に配置されることを特徴とする請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項19】
前記第1ギャップフィルパターンは、前記光電変換素子領域の側面に垂直な第1方向に第1最小幅を有し、
前記第2ギャップフィルパターンは、前記第1方向に斜めであり、前記基板の上面に平行な第2方向に第2最小幅を有し、
前記第1最小幅は、前記第2最小幅よりも小さいことを特徴とする請求項17に記載のイメージセンサ。
【請求項20】
前記第2最小幅は、前記第1最小幅の1.3倍~4倍であることを特徴とする請求項19に記載のイメージセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
画像を撮影して電気的信号に変換するイメージセンサは、デジタルカメラ、携帯電話用カメラ、携帯用ビデオカメラなどの一般消費者向け電子機器だけではなく、自動車、セキュリティ装置、ロボットなどに装着されるカメラにも用いられる。このようなイメージセンサは、小型化及び高い解像度が要求されるため、これを満たすための様々な研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、暗電流特性を改善して光特性効率及び感度を向上させたイメージセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるイメージセンサは、第1基板及び前記第1基板上の第1回路素子を含む第1チップ構造物と、前記第1チップ構造物上の第2チップ構造物と、を備え、前記第2チップ構造物は、前記第1チップ構造物に向かい合う第1面及び前記第1面に対向する第2面を有する第2基板と、前記第2基板の前記第1面に配置される第2回路素子と、前記第2基板の前記第2面上の反射防止層と、前記反射防止層上のカラーフィルタと、前記カラーフィルタ上のマイクロレンズと、前記第2基板内の分離構造物と、前記分離構造物によって互いに離隔される前記第2基板内の光電変換素子領域と、を含み、前記分離構造物は、前記光電変換素子領域の側面に隣接する第1領域及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する第2領域を有し、前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域をそれぞれ囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第1領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン、及び前記第2領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターンを含み、前記第2ギャップフィルパターンは、平面図上で前記第1ギャップフィルパターンに接触する。
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるイメージセンサは、基板内に配置された光電変換素子領域と、前記基板の第1面から前記第1面に対向する第2面の方向に形成され、平面図上で、前記光電変換素子領域を囲み、前記光電変換素子領域の側面に隣接する第1領域及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する第2領域を有する分離構造物と、を備え、前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域をそれぞれ囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第1領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン、及び前記第2領域で前記第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターンを含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様によるイメージセンサは、基板内に配置された光電変換素子領域と、前記基板の第1面から前記第1面に対向する第2面の方向に形成されて前記光電変換素子領域を囲む分離構造物と、を備え、前記分離構造物は、平面図上で、前記光電変換素子領域を囲む第1分離層、前記第1分離層を囲む第2分離層、前記第2分離層に接触する第1ギャップフィルパターン、及び前記光電変換素子領域の各コーナーに隣接する領域に前記第2分離層と接触する第2ギャップフィルパターンを含み、前記第2ギャップフィルパターンは、前記第1ギャップフィルパターンによって互いに離隔されて配置される。
【0008】
一実施形態によるイメージセンサの製造方法は、基板をエッチングしてライン領域及びクロス領域を有する分離トレンチを形成する段階と、前記分離トレンチ内に第1分離層を形成する段階と、前記分離トレンチ内の前記第1分離層上に第2分離層を形成する段階と、前記ライン領域で前記分離トレンチを充填し前記クロス領域で前記分離トレンチを部分的に充填して前記第2分離層上に第1ギャップフィル物質層を形成する段階と、前記第1ギャップフィル物質層をエッチングして前記ライン領域で第1ギャップフィルパターンを形成し前記クロス領域で前記第2分離層を露出させる段階と、前記クロス領域に前記分離トレンチを充填して前記第2分離層に接触する第2ギャップフィル物質層を形成する段階と、前記第2ギャップフィル物質層をエッチングして前記クロス領域に前記第2分離層に接触する第2ギャップフィルパターンを形成する段階と、前記第1ギャップフィルパターン及び前記第2ギャップフィルパターン上にキャッピング層を形成する段階と、を有する。
【0009】
他の実施形態よるイメージセンサの製造方法は、第1基板、前記第1基板上の第1回路素子、前記第1回路素子上の第1配線構造物、及び前記第1配線構造物を覆う第1絶縁層を含む第1構造物を形成する段階と、第2基板、前記第2基板内の光電変換素子領域、前記第2基板の第1面から前記第1面に対向する第2面の方向に形成される分離構造物、前記第2基板の第1面上の第2回路素子、第2配線構造物、及び前記第2配線構造物を覆う第2絶縁層を含む第2構造物を形成する段階と、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層とが互いに接触するように前記第1構造物と前記第2構造物とを互いに接合する段階と、を有し、前記分離構造物を形成する段階は、前記第2基板をエッチングしてライン領域及びクロス領域を有する分離トレンチ並びに前記分離トレンチによって離隔される半導体パターンを形成する段階と、前記分離トレンチ内に複数の層を形成する段階と、前記ライン領域に前記分離トレンチを充填する第1ギャップフィルパターンを形成する段階と、前記クロス領域に前記分離トレンチを充填して前記第1ギャップフィルパターンに接触する第2ギャップフィルパターンを形成する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、分離トレンチのライン領域に第1ギャップフィルパターンを配置し、分離トレンチのクロス領域に第2ギャップフィルパターンを配置することで、暗電流特性が改善されて光特性効率及び感度を向上させたイメージセンサ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの一例を示した概略的な平面図である。
【
図1b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物を含む領域を拡大して示した図である。
【
図2a】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図である。
【
図2b】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図である。
【
図2c】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の一例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるイメージセンサの他の例を示した概略的な平面図である。
【
図4a】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図である。
【
図4b】本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図である。
【
図5a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図5b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図5c】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図5d】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図5e】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図5f】本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるイメージセンサの更に他の例を示した概略的な平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を工程順によって示したフローチャートである。
【
図8】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するために分離トレンチを形成した基板を示した図である。
【
図9a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9c】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9d】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9e】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9f】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図9g】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図10a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図10b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図11a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図11b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図12】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を工程順によって示したフローチャートである。
【
図13a】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図13b】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を説明するための工程順によって示した図である。
【
図13c】本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を説明するための工程順によって示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1aは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの一例を示した概略的な平面図として、イメージセンサの一部を拡大した平面状態を示し、
図1bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物を含む領域を拡大して示した図として、
図1aのイメージセンサの「A」領域を拡大して示した図であり、
図2a及び
図2bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図であって、
図2aは
図1aのイメージセンサを切断線I-I’線に沿って切断した断面を示した図であり、
図2bは
図1aのイメージセンサを切断線II-II’線に沿って切断した断面を示した図であり、
図2cは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の一例を含む領域を拡大して示した図として、
図2aの「B1」領域及び
図2bの「B2」領域をそれぞれ拡大して示した図である。
【0014】
図1a~
図2bを参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1000は、第1チップ構造物100及び第2チップ構造物200を含む。第2チップ構造物200は、第1チップ構造物100上に配置される。第1チップ構造物100はロジックチップであり、第2チップ構造物200は複数のピクセル領域PXを含むイメージセンサチップである。一実施形態において、第1チップ構造物100は、ロジックチップ及びメモリチップを含む積層チップ構造物である。
【0015】
第1チップ構造物100は、第1基板101、第1基板101上の活性領域を限定する第1素子分離層110、第1基板101上の第1回路素子120、並びに第1回路素子120上の第1配線構造物130及び第1絶縁層140を含む。
【0016】
第1基板101は、半導体物質、例えばIV族半導体、III-V族化合物半導体、又はII-VI族化合物半導体を含む。第1回路素子120は、ゲート122及びソース/ドレイン124を含むトランジスタなどの素子を含む。第1絶縁層140は、第1基板101上の第1回路素子120及び第1配線構造物130を覆い、複数の絶縁層を含む。例えば、第1絶縁層140は、シリコン酸化物層、低誘電体層、又はシリコン窒化物層のうちの少なくとも2種類以上を含む多層で形成される。
【0017】
第2チップ構造物200は、互いに対向する第1面201S1と第2面201S2とを有する第2基板201、第2基板201の第1面201S1に配置されて活性領域を限定する第2素子分離層210、第2基板201の第1面201S1と第1チップ構造物100との間に配置される第2回路素子220、第2配線構造物230、及び第2絶縁層240、第2基板201内の光電変換素子領域PD、第2基板201を貫通して光電変換素子領域PDを囲む分離構造物IS、第2基板201の第2面201S2上に配置された絶縁構造物270、絶縁構造物270上のカラーフィルタ280、及びカラーフィルタ280上のマイクロレンズ290を含む。
【0018】
第2基板201は、半導体物質、例えばIV族半導体、III-V族化合物半導体、又はII-VI族化合物半導体を含む。例えば、第2基板201は単結晶シリコン基板である。
【0019】
第2素子分離層210は、例えばシャロートレンチ素子分離(shallow trench isolation:STI)工程によって形成される。第2素子分離層210は、第2基板201の第1面201S1から第2基板201内に一部が延びる。第2素子分離層210は、絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせで形成される。
【0020】
第2回路素子220は、トランスファーゲートTG、浮遊拡散領域FD、及び回路トランジスタ221を含む。回路トランジスタ221は、ゲート222及びソース/ドレイン224を含む。トランスファーゲートTGは、隣接する光電変換素子領域PDから隣接する浮遊拡散領域FDに電荷を転送する。回路トランジスタ221は、ソースフォロワトランジスタ、リセットトランジスタ、又は選択トランジスタのうちの少なくとも一つである。トランスファーゲートTGは、第2基板201の第1面201S1から第2基板201の内部に延びる部分を含む垂直トランスファーゲートである。
【0021】
第2配線構造物230は、それぞれ異なる高さレベルに位置する多層の配線及び多層の配線を電気的に連結して多層の配線を第2回路素子220に電気的に連結するビアを含む。
【0022】
第2絶縁層240は、第2基板201の第1面201S1の下の第2回路素子220及び第2配線構造物230を覆い、複数の絶縁層を含む。例えば、第2絶縁層240は、シリコン酸化物層、低誘電体層、又はシリコン窒化物層のうちの少なくとも2種類以上を含む多層で形成される。第2絶縁層240は、第1絶縁層140に接触してボンディングされる。
【0023】
光電変換素子領域PDは、第2基板201の内部に形成され、分離構造物ISによって互いに離隔される。ピクセル領域PXは、光電変換素子領域PDを含む領域として定義される。例えば、各ピクセル領域PXは、1つの光電変換素子領域PDを含む。光電変換素子領域PDは、入射光に対応する電荷を生成及び蓄積する。例えば、光電変換素子領域PDは、フォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトゲート、ピンドフォトダイオード(pinned photo diode:PPD)、及びこれらの組み合わせを含む。
【0024】
分離構造物ISは、各光電変換素子領域PDを含むピクセル領域PXを囲むように配置される。分離構造物ISは、第2基板201を貫通する分離トレンチDT内に配置される。分離構造物ISは、第2基板201の第1面201S1から第1面201S1に対向する第2面201S2の方向に形成される。例えば、分離構造物ISの少なくとも一部は、第2基板201を貫通する。他の例において、分離構造物ISは、第2基板201を完全に貫通することなく、部分的に貫通するように配置される。分離構造物ISは、第2素子分離層210の一部に連結される。例えば、分離構造物ISは、第2素子分離層210を貫通する。
【0025】
分離構造物ISは、
図1a及び
図1bに示したように、光電変換素子領域PDの側面Sに隣接する第1領域LR及び光電変換素子領域PDの各コーナーCに隣接する第2領域CRを有する。第2領域CRは、平面図上で、分離構造物ISの格子パターンの交差する領域であり、例えばX方向に延びるパターンとY方向に延びるパターンとが交差する領域を含む。
【0026】
分離構造物ISは、平面図上で、各光電変換素子領域PDを囲む第1分離層251及び第2分離層252を含む。第1分離層251は光電変換素子領域PDをそれぞれ囲み、第2分離層252は第1分離層251をそれぞれ囲む。第1分離層251及び第2分離層252は、第1領域LRから第2領域CRに延び、第2領域CRの光電変換素子領域PDの各コーナーを囲むようにラウンドされた部分を含む。
【0027】
分離構造物ISは、第1領域LRで第2分離層252間の空間の少なくとも一部を満たす第1ギャップフィルパターン261、及び第2領域CRで第1分離層252間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターン262を更に含む。第2ギャップフィルパターン262は、第1ギャップフィルパターン261と互いに接触する。第2ギャップフィルパターン262は、複数の光電変換素子領域PDの各コーナーに隣接して配置され、第1ギャップフィルパターン261によって互いに離隔されて配置される。第1ギャップフィルパターン261は、平面図上で、第1方向(X方向又はY方向)に隣接する光電変換素子領域PD間に配置され、第2ギャップフィルパターン262は、平面図上で、第1方向に斜めであり第2基板201の第2面201S2に平行な第2方向(W1方向又はW2方向)に互いに隣接する光電変換素子領域PD間に配置される。第1方向(X方向又はY方向)に、第1ギャップフィルパターン261は第1最小幅W1を有し、第2方向(W1方向又はW2方向)に、第2ギャップフィルパターン262は第2最小幅W2を有し、第1最小幅W1は第2最小幅W2よりも小さい。一例として、第2最小幅W2は第1最小幅W1の約1.3倍~約4倍又は約1.8倍~約2.2倍である。第1ギャップフィルパターン261は第1最小幅W1を有する第1部分及び第1最小幅W1よりも大きい幅W1eを有する第2部分を含み、第2ギャップフィルパターン262は第2最小幅W2を有する第1部分及び第2最小幅W2よりも大きい幅W2eを有する第2部分を含む。
【0028】
第2ギャップフィルパターン262は、平面図上で、十字(cross)状を有する。第1ギャップフィルパターン261に接触する第2ギャップフィルパターン262の側面は、第1ギャップフィルパターン261に向かって凸状の曲面である。本明細書において、他の要素に「向かって」曲面であるとして説明する第1要素の表面は、第1要素の「凸状」の表面である。第2ギャップフィルパターン262は、平面図上で、光電変換素子領域PDの各コーナーCの一部に向かい合う凹状の領域CSを含む。凹状の領域CSは、第2分離層252に接触する。
【0029】
分離構造物ISは、第1分離層251間に、第1分離層251と第2分離層252との間に配置されるライナー層253と第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262とを覆うキャッピング層268を更に含む。ライナー層253は、平面図上で、第1分離層251をそれぞれ囲む。ライナー層253は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせからなる。第1分離層251は、第2分離層252及びライナー層253よりも第2基板201の第1面201S1に向かって更に長く延び、キャッピング層268に接触する。キャッピング層268は、シリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせからなる。
【0030】
一例として、第2ギャップフィルパターン262は、第1ギャップフィルパターン261とは異なる物質を含み、第2分離層252と同一の物質を含む。一例として、第1分離層251は、第2分離層252とは異なる物質を含む。ライナー層253は、第1分離層251及び第2分離層252とは異なる物質を含む。第1分離層251は、絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせからなる。第2分離層252は、半導体物質、例えばn型又はp型不純物でドープされたポリシリコン又はアンドープ(undoped)ポリシリコンを含む。第1ギャップフィルパターン261は、絶縁物質、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、シリコン酸窒化物、又はこれらの組み合わせからなる。第2ギャップフィルパターン262は、半導体物質、例えばn型又はp型不純物でドープされたポリシリコン又はアンドープ(undoped)ポリシリコンを含む。n型不純物は、リン(P)、ヒ素(As)、ビスマス(Bi)、又はアンチモン(Sb)のうちの少なくとも一つを含み、p型不純物元素は、ホウ素(B)、インジウム(In)、又はガリウム(Ga)のうちの少なくとも一つを含む。
【0031】
これとは異なり、分離構造物ISをなす第1及び第2分離層(251、252)、並びに第1及び第2ギャップフィルパターン(261、262)は、それぞれ導電物質、例えばチタン窒化物(TiN)、タンタル窒化物(TaN)、タングステン窒化物(WN)、チタン(Ti)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、又は銅(Cu)のうちの少なくとも一つを含むこともできる。
【0032】
第1分離層251、第2分離層252、ライナー層253、第1ギャップフィルパターン261、及び第2ギャップフィルパターン262のそれぞれは、イメージセンサ1000の分離構造物ISの構造を明確に説明するために拡大縮小表示(又は強調表示や簡略化表示)されており、実際の製品の各構成要素は、図示したものよりも比較的薄い厚さを有する。一方、第2分離層252は、第1分離層251よりも厚い厚さを有するが、これに限定されず、分離構造物ISをなす各構成要素の厚さは互いに同一であるか又は互いに異なる。
【0033】
本発明の一実施形態によると、第2ギャップフィルパターン262に負の電圧を印加する。第2ギャップフィルパターン262を介して負の電圧が第2ギャップフィルパターン262に接触する第2分離層252に印加される。光電変換素子領域PDで生成された正電荷が光電変換素子領域PDを囲む第2分離層252を介して除去される。イメージセンサ1000によって生成される電気的信号に基づくイメージの品質を低下させる暗電流を潜在的に減少させる。結果的に、第2ギャップフィルパターン262が第2分離層252に接触することで、イメージセンサの暗電流特性が改善される(例えば、イメージセンサ1000は、内部の暗電流が減少するように構成され、従ってイメージセンサ1000は、暗電流の減少によってイメージ生成性能が向上する)。
【0034】
一方、第2ギャップフィルパターン262が例えばポリシリコン層を含み、ポリシリコン層が第2分離層252間で分離トレンチDTの内側空間の全体をギャップフィルする物質層として利用される場合、入射した光の一部が光電変換素子領域PDではなく、ポリシリコン層に吸収されて光特性効率が低下することがある。本実施形態によると、第1領域LRからギャップフィル物質層に第1ギャップフィルパターン261を形成し、第2領域CRからギャップフィル物質層に第2ギャップフィルパターン262を形成する。第2ギャップフィルパターン262を光電変換素子領域PDのコーナーに隣接して局部的に配置させることで(例えば、光電変換素子領域PDのコーナーに隣接する第2領域CRで第2分離層間の空間の少なくとも一部を満たす第2ギャップフィルパターン262を配置させることで)、入射した光の一部がポリシリコン層に吸収されることを最小限に抑え、光電変換素子領域PDのコーナーに隣接する第2ギャップフィルパターン262に基づいてこのような吸収を減少させるため、イメージセンサ1000の性能が向上し、光特性効率が向上する。
【0035】
即ち、第2領域CRにおける第2ギャップフィルパターン262は、第2分離層252に接触しているため、第2分離層252に負の電圧を印加する電気的連結通路を提供して、イメージセンサの暗電流特性を改善させながら、同時に第2領域CRに第2ギャップフィルパターン262を局部的又は断続的に配置させることで、イメージセンサの光特性効率及び感度を向上させることができる。
【0036】
絶縁構造物270は、第2基板201及び分離構造物ISを覆う。絶縁構造物270は、屈折率を調節して入射した光が高い透過率で光電変換素子領域PDに進行するようにする反射防止層を含む。絶縁構造物270は、順に積層された複数の絶縁層を含む。例えば、絶縁構造物270は、順に積層された第1層271、第2層272、第3層273、及び第4層274を含む。第1~第4層(271、272、273、274)は、アルミニウム酸化物、ハフニウム酸化物、シリコン酸窒化物、シリコン酸化物、及びシリコン窒化物のうちの少なくとも一つを含む。
【0037】
カラーフィルタ280は、特定の波長の光を通過させて光電変換素子領域PDに到達させる。例えば、カラーフィルタ280は、樹脂に金属又は金属酸化物を含む顔料(pigment)を混合した物質で形成される。カラーフィルタ280は、緑色フィルタ、赤色フィルタ、及び青色フィルタを含む。実施形態によって、カラーフィルタ280は省略され、イメージセンサ1000は、カラーフィルタ280と共に、又はカラーフィルタ280に代替して有機光電変換膜を含む。
【0038】
マイクロレンズ290は、各光電変換素子領域PDに垂直方向Zに重なる。マイクロレンズ290は、入射する光を集光させるために、第2基板201から離れる方向に凸状である。マイクロレンズ290は、入射する光を光電変換素子領域PD内に集光させる。マイクロレンズ290は、透明なフォトレジスト物質又は透明な熱硬化性樹脂物質で形成される。例えば、マイクロレンズ290は、TMR系列の樹脂(Tokyo Ohka Kogyo,Co.製品)又はMFR系列の樹脂(Japan Synthetic Rubber Corporation製品)で形成されるが、これらの物質に限定されるものではない。
【0039】
図3は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの他の例を示した概略的な平面図であり、
図4a及び
図4bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサを示した断面図であって、
図4aは
図3のイメージセンサを切断線III-III’線に沿った断面を示した図であり、
図4bは
図3のイメージセンサを切断線IV-IV’線に沿った断面を示した図である。
【0040】
図3~
図4bを参照すると、本実施形態によるイメージセンサ1000Aの第2チップ構造物200では、分離構造物ISがライナー層253を含まない。第2分離層252は、第1分離層251を囲み、第1分離層251に直接接触する。第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262のそれぞれは、第1分離層251に接触する部分を含む。
【0041】
図5a、
図5b、
図5c、
図5d、
図5e、及び
図5fは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの分離構造物の多様な例を含む領域を拡大して示した図として、
図2cの「B1」領域及び「B2」領域に対応する領域をそれぞれ拡大して示した図である。
【0042】
図5aを参照すると、イメージセンサ1000Bにおいて、第2基板201の第1面201S1を基準にしてみたとき、第1ギャップフィルパターン261の下面及び第2ギャップフィルパターン262の下面は、
図2cに示した実施形態よりも更に低く位置する。例えば、第1ギャップフィルパターン261の下面及び第2ギャップフィルパターン262の下面は、第2素子分離層210の第2基板201内の上面と実質的に同じレベルに配置される。但し、これに限定されず、第1ギャップフィルパターン261の下面及び第2ギャップフィルパターン262の下面は第2素子分離層210の第2基板201内の上面よりも高いレベルに配置され、第1ギャップフィルパターン261の下面は第2ギャップフィルパターン262の下面とは互いに異なるレベルに配置され得る。
【0043】
図5bを参照すると、イメージセンサ1000Cにおいて、第2基板201の第1面201S1を基準にしてみたとき、第1ギャップフィルパターン261の下面及び第2ギャップフィルパターン262の下面は、それぞれ凹状の下面を有する。第1ギャップフィルパターン261の下面の形状は第1ギャップフィルパターン261をエッチングする段階で形成され、第2ギャップフィルパターン262の下面の形状は第2ギャップフィルパターン262をエッチングする段階で形成される、各形状は実施形態に応じて多様に変更される。
【0044】
図5cを参照すると、イメージセンサ1000Dにおいて、第1ギャップフィルパターン261の下面及び第2ギャップフィルパターン262の下面は、それぞれ凹状の下面を有し、
図5bの場合よりも第2ギャップフィルパターン262の下面は、第2基板201の第1面201S1を基準にしてより深いリセスを提供する。リセスは、互いに向かい合う第2分離層252の内側面の間に延び、その上端は第2ギャップフィルパターン262の上面よりも低いか又は同じレベルに配置される。
【0045】
図5dを参照すると、イメージセンサ1000Eは、分離構造物ISが貫通する第2素子分離層210を含まない。分離構造物ISが第2回路素子220の間で活性領域を限定する素子分離層として機能する。
【0046】
図5eを参照すると、イメージセンサ1000Fにおいて、分離構造物ISの第2ギャップフィルパターン262の一部262aは、第1領域LRの第1ギャップフィルパターン261の内部にキャッピング層268から第1ギャップフィルパターン261の上端に向かう方向に延びるように配置される。第1領域LRで第1ギャップフィル物質層(
図9bの261’参考)が分離トレンチDTの内部を完全に充填できずに内部にシーム(seam)が形成された場合、第1ギャップフィル物質層261’をエッチングする過程(
図9c)で第1ギャップフィルパターン261に所定深さのリセス部が形成される。第2ギャップフィルパターン262の一部262aは、第2ギャップフィル物質層(
図9dの262’)を形成するとき、リセス部が第2ギャップフィル物質層262’によって充填されることによって形成される。第1領域LRで、第2ギャップフィルパターン262の一部262aは、第2分離層252に接触せずに、第2基板201の第2面201S2に向かって幅が減少する形状を有する。例えば、第2ギャップフィルパターン262の一部262aは、第2基板201の第2面201S2に向かって尖った形状を有する。
【0047】
図5fを参照すると、イメージセンサ1000Gにおいて、
図5eのイメージセンサと類似に、分離構造物ISの第2ギャップフィルパターン262の一部262a’は第1領域LRの第1ギャップフィルパターン261の内部にキャッピング層268から第1ギャップフィルパターン261の上端に向かう方向に延びるように配置され、第2ギャップフィルパターン262の一部262a’は第2分離層252に接触する。
図5fの実施形態は、例えば
図5eの実施形態よりも第1領域LRにおける第1ギャップフィル物質層261’のエッチングが更に過度に行われた場合に該当する。
【0048】
図6は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの更に他の例を示した概略的な平面図である。
【0049】
図6を参照すると、イメージセンサ1000Hは、Q-cellパターンからなるピクセル領域PXを含む第2チップ構造物200を含み、例えば、互いに隣接する4つの光電変換素子領域PDが1つのマイクロレンズ290を共有し、互いに隣接する4つの光電変換素子領域PDを互いに連結する連結領域PD_Cが4つの光電変換素子領域PDの中央に配置される。これにより、イメージセンサ1000Fのダイナミックレンジ(dynamic range)を最適化することができる。一方、4つの光電変換素子領域PDの各コーナーに隣接する領域に第2ギャップフィルパターン262を断続的に配置することで、イメージセンサの光特性効率及び感度を向上させることができる。
【0050】
図7は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を工程順によって示したフローチャートであり、
図8は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するために分離トレンチを形成した基板を示した図であり、
図9a、
図9b、
図9c、
図9d、
図9e、
図9f、及び
図9gは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図として、
図8の基板の切断線V-V’及びVI-VI’線に沿って切断した断面に対応する領域を示した図であり、
図10a、
図10b、
図11a、及び
図11bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の一例を説明するための工程順によって示した図である。
【0051】
図7、
図8及び
図9aを参照すると、第2基板201をエッチングしてライン領域LR及びクロス領域CRを有する分離トレンチDTを形成し(段階S10)、分離トレンチDT内に第1分離層251、ライナー層253、及び第2分離層252を形成する(段階S20)。
【0052】
先ず、第2基板201を用意し、第2基板201の第1面201S1上にマスクパターンMKを形成し、マスクパターンMKを用いて第2基板201にエッチング工程を行って浅い分離トレンチSTを形成し、浅い分離トレンチSTに素子分離膜210’を形成する。素子分離膜210’は、浅い分離トレンチSTを完全に充填し、マスクパターンMKを覆う。素子分離膜210’の上面は、第2基板201の第1面201S1よりも高いレベルに形成される。
【0053】
次に、素子分離膜210’上にマスク(図示せず)を形成し、素子分離膜210’及び第2基板201を異方性エッチングして分離トレンチDTを形成する。分離トレンチDTは、
図9に示したように、格子パターンの形態に形成され、一例として、分離トレンチDTは、X方向に延びる第1ラインパターン及びY方向に延びる第2ラインパターンを含む。分離トレンチDTは、平面図上で、ライン状を有するライン領域LRと、第1及び第2ラインパターンが交差する領域を含むクロス領域CRとを含む。分離トレンチDTによって、
図8に示したように、第2基板201にX方向及びY方向にマトリックス状に配列されて分離トレンチDTによって離隔される半導体パターン201Pが形成される。ライン領域LRにおける半導体パターン201Pの側面S間の第1距離d1は、クロス領域CRにおける半導体パターン201PのエッジC間の第2距離d2よりも小さい。
【0054】
次に、分離トレンチDT内に分離トレンチDTの内側面及び底面をコンフォーマルに覆う第1分離層251を形成し、分離トレンチDT内の第1分離層251上にライナー層253を形成し、分離トレンチDT内のライナー層253上に第2分離層252を形成する。実施形態によってライナー層253を形成することは省略され、この場合、第2分離層252は第1分離層251上に形成される。第2分離層252は、分離トレンチDT上に形成されてから、エッチング工程によって浅い分離トレンチSTの下面よりも低いレベルにリセスされる。第2分離層252の上部の側面は、分離トレンチDTの内壁に向かって傾くが、これに限定されない。
【0055】
図7及び
図9bを参照すると、ライン領域LRで分離トレンチDTを充填し、クロス領域CRで分離トレンチDTを部分的に充填する第1ギャップフィル物質層261’を形成する(段階S30)。
【0056】
第1ギャップフィル物質層261’は、ライン領域LRで分離トレンチDTを完全に充填して分離トレンチDT上に延びるように形成される。ライン領域LRよりもクロス領域CRにおける半導体パターン201P間の空間が更に広いため、第1ギャップフィル物質層261’は、クロス領域CRで分離トレンチDTを部分的に充填する。例えば、第1ギャップフィル物質層261’は、クロス領域CRで分離トレンチDTが完全にギャップフィルされない。第1ギャップフィル物質層261’は、クロス領域CRで第2分離層252及びライナー層253をコンフォーマルに覆うように形成される。
【0057】
図7及び
図9cを参照すると、第1ギャップフィル物質層261’をエッチングして、ライン領域LRに第1ギャップフィルパターン261を形成し、クロス領域CRで第2分離層252を露出させる(段階S40)。
【0058】
第1ギャップフィル物質層261’は、ライン領域LRで上部から一部除去されて、その上端が第2基板201の第1面201S1よりも低いレベル、例えば浅い分離トレンチSTの下端よりも低いレベルに形成される。第1ギャップフィル物質層261’はエッチングされてライン領域LRで第1ギャップフィルパターン261として形成される。クロス領域CRで第2分離層252を覆う第1ギャップフィル物質層261’の一部を除去して第2分離層252を露出させる。
【0059】
図7及び
図9dを参照すると、クロス領域CRで分離トレンチDTを充填する第2ギャップフィル物質層262’を形成する(段階S50)。
【0060】
第2ギャップフィル物質層262’は、クロス領域CRで第2分離層252に接触し、分離トレンチDTを少なくとも一部充填するように形成される。第2ギャップフィル物質層262’は、第2基板201の第1面201S1上に蒸着され、ライン領域LRで第1ギャップフィルパターン261を一部覆う。
【0061】
図7及び
図9eを参照すると、第2ギャップフィル物質層262’をエッチングして、クロス領域CRに第2ギャップフィルパターン262を形成する(段階S60)。
【0062】
第2ギャップフィル物質層262’は、クロス領域CRで上部から一部除去されて、その上端が第2基板201の第1面201S1よりも低いレベル、例えば浅い分離トレンチSTの下端よりも低いレベルに形成される。第2ギャップフィル物質層262’はエッチングされて、クロス領域CRで第2ギャップフィルパターン262として形成される。第2ギャップフィルパターン262は、ライン領域LRに配置される第1ギャップフィルパターン261によって互いに離隔され、クロス領域CRのみに局部的に配置される。第2ギャップフィルパターン262の上端は、浅い分離トレンチSTの下端と実質的に同じレベルに形成される。第2ギャップフィルパターン262が形成されながら、ライン領域LRで第1ギャップフィルパターン261の一部を覆う第2ギャップフィル物質層262’の一部も除去される。
【0063】
図7及び
図9fを参照すると、ライナー層253を一部除去する(段階S70)。
【0064】
第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262上に露出するライナー層253を第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262に対して選択的に除去する。ライナー層253を除去することで、第2基板201上の第1分離層251が露出する。段階S20でライナー層253を形成していない場合、本段階は省略される。
【0065】
図7及び
図9gを参照すると、第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262上にキャッピング層268を形成する(段階S80)。
【0066】
第1ギャップフィルパターン261及び第2ギャップフィルパターン262を覆い、第1分離層251の内側面に接触するキャッピング層268を形成する。キャッピング層268は、分離トレンチDTの上部領域を充填する。キャッピング層268は、第2基板201上に絶縁膜を蒸着した後、平坦化工程を行って形成される。平坦化工程を行う際に、第2基板201の第1面201S1上の素子分離膜210’の一部が除去されて、浅い分離トレンチSTを充填する素子分離層210が形成される。一例において、マスクパターンMKは、平坦化工程を行った後に除去され、これによって第2基板201の第1面201Sの損傷が防止される。
【0067】
次に、
図10a及び
図10bを参照すると、半導体パターン201P内に不純物をドープして光電変換素子領域PDを形成し、第2基板201の第1面201S1にトランスファーゲートTG、浮遊拡散領域FD、及び回路トランジスタ221を含む第2回路素子220、第2配線構造物230、及び第2絶縁層240を形成する。具体的に、第2回路素子220を形成することは、素子分離層210によって限定される活性領域上にトランスファーゲートTG及びゲート222を形成すること、活性領域に不純物をドープして浮遊拡散領域FD及びソース/ドレイン224を形成することを含む。第2基板201の第1面201S1上に第2絶縁層240をなす複数の層と、第2絶縁層240内に第2配線構造物230を形成する。
【0068】
図11a及び
図11bを参照すると、第1基板101、第1素子分離層110、第1回路素子120、第1配線構造物130、及び第1絶縁層140を含む第1チップ構造物100を用意し、
図10a及び
図10bの基板構造物を上下に反転して、これを第1チップ構造物100にボンディングする。第1絶縁層140と第2絶縁層240とが互いに直接接触してボンディングされる。
【0069】
第2基板201の一部を除去して第2基板201の垂直厚さを減少させる。第2基板201の垂直厚さの減少は、第1面201S1の反対側である第2面201S2’からグラインディング(grinding)又は研磨(polishing)することと、異方性及び等方性エッチングすることを含む。これにより、第1分離層251、第2分離層252、ライナー層253、第1ギャップフィルパターン261、及び第2ギャップフィルパターン262がそれぞれ一部除去されて表面が露出する。これにより、第2基板201を貫通する分離構造物ISが形成される。
【0070】
再び、
図2a及び
図2bを参照すると、第2基板201の第2面201S2上に絶縁構造物270、カラーフィルタ280、及びマイクロレンズ290を形成して第2チップ構造物200を完成する。これにより、第1チップ構造物100及び第1チップ構造物100上の第2チップ構造物200を含むイメージセンサ1000を製造する。
【0071】
図12は、本発明の一実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を工程順によって示したフローチャートとして、クロス領域CRで第2分離層252を露出させるために第1ギャップフィル物質層261’をエッチングする方法の一部の他の例を説明するためのフローチャートであり、
図13a、
図13b、及び
図13cは、本実施形態によるイメージセンサの製造方法の他の例を説明するための工程順によって示した図として、
図8の基板の切断線V-V’及びVI-VI’線に沿って切断した断面に対応する領域を示した図である。
【0072】
図12~
図13cを参照すると、クロス領域CRで第2分離層252を露出させる段階(段階S40)は、ライン領域LRで第1ギャップフィル物質層261’を覆い、クロス領域CRで第1ギャップフィル物質層261’を露出させるフォトレジストパターンPRを形成する段階(段階S41)と、フォトレジストパターンPRをエッチングマスクとしてクロス領域CRで第1ギャップフィル物質層261’をエッチングする段階(段階S42)と、フォトレジストパターンPRを除去する段階(段階S43)と、を含む。
【0073】
先ず、
図13aを参照すると、第1ギャップフィル物質層261’上にフォトレジストを形成してフォトリソグラフィ工程を行い、クロス領域CRで第1ギャップフィル物質層261’を露出させるようにフォトレジストをオープンしてフォトレジストパターンPRを形成する。
【0074】
次に、
図13bを参照すると、エッチング工程を行ってフォトレジストパターンPRのオープンされた領域を介してクロス領域CRから第1ギャップフィル物質層261’を除去する。第1ギャップフィル物質層261’は、クロス領域CRの分離トレンチDT内に残存しない。これによって、第2分離層252が露出する。
【0075】
次に、
図13cを参照すると、ストリップ工程及びアッシング工程を行ってフォトレジストパターンPRを除去する。イメージセンサを製造する以外の他の工程段階は、
図7~
図11bを参照して説明した工程段階と同一である。
【0076】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想から逸脱しない範囲で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0077】
100、200 第1、第2チップ構造物
101、201 第1、第2基板
110、210 第1、第2素子分離層
120、220 第1、第2回路素子
122、222 ゲート
124、224 ソース/ドレイン
130、230 第1、第2配線構造物
140、240 第1、第2絶縁層
201P 半導体パターン
201S1 基板の第1面
201S2、201S2’ 基板の第2面
210’ 素子分離膜
221 回路トランジスタ
251、252 第1、第2分離層
253 ライナー層
261、262 第1、第2ギャップフィルパターン
261’、262’ 第1、第2ギャップフィル物質層
262a、262a’ 第2ギャップフィルパターンの一部
268 キャッピング層
270 絶縁構造物
271~274 第1層~第4層
280 カラーフィルタ
290 マイクロレンズ
1000、1000B、1000C、1000D、1000E、1000F、1000G、1000H イメージセンサ
C 光電変換素子領域のコーナー
CR、LR 第2、第1領域
CS 凹状の領域
DT 分離トレンチ
FD 浮遊拡散領域
IS 分離構造物
MK マスクパターン
PD 光電変換素子領域
PD_C 連結領域
PR フォトレジストパターン
PX ピクセル領域
S 光電変換素子領域の側面
ST 浅い分離トレンチ
TG トランスファーゲート