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特開2023-80172パルス音響波皮膚クリアリングシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080172
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】パルス音響波皮膚クリアリングシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/00 20060101AFI20230601BHJP
   A61N 5/067 20060101ALI20230601BHJP
   A61N 7/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61B 18/20 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A61B17/00 700
A61N5/067
A61N7/00
A61B18/20
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023062294
(22)【出願日】2023-04-06
(62)【分割の表示】P 2018550349の分割
【原出願日】2017-03-23
(31)【優先権主張番号】62/312,372
(32)【優先日】2016-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】515245583
【氏名又は名称】ソリトン, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100162824
【弁理士】
【氏名又は名称】石崎 亮
(72)【発明者】
【氏名】カペッリ, クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ロバートソン, デイビッド
(57)【要約】
【課題】組織内の空胞を分散させるための組織の音響治療のための方法および方法のためのシステムを提供する。
【解決手段】本方法およびシステムのうちのいくつかは、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせることを含む。本方法のうちのいくつかは、空胞を含む組織の場所を識別すること、および/または空胞を含む組織に音響波発生器を(例えば、音響的に)結合することを含む。一実施形態において、方法は、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせた後、レーザを用いて空胞を含む皮膚を治療することをさらに含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織内の空胞を分散させるための前記組織の音響治療のための方法であって、前記方法は、
空胞を含む組織の場所を識別することと、
前記空胞を含む前記組織に音響波発生器を結合することと、
前記音響波発生器から前記空胞を含む前記組織の中へパルス音響波を向かわせることと を含む、方法。
【請求項2】
空胞を含む前記組織は、レーザを用いて前もって治療されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記音響波発生器から前記空胞を含む前記組織の中へパルス音響波を向かわせた後、レーザを用いて空胞を含む皮膚を治療することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
皮膚は、約0.1分~約10分にわたって音響波発生器を用いて治療される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記レーザ治療は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を伴うレーザを前記標的皮膚に印加することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記レーザは、Q-スイッチレーザまたはピコ秒レーザを備えている、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記レーザ治療は、入れ墨除去を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項8】
前記レーザ治療は、レーザ皮膚面再生を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項9】
前記レーザ治療は、母斑のレーザ除去を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項10】
前記レーザ治療は、皮膚病変のレーザ除去を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項11】
前記レーザ治療は、レーザ植毛を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項12】
前記レーザ治療は、レーザ瘢痕除去を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項13】
前記レーザ治療は、レーザ支援減毛を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項14】
前記レーザ治療は、血管病変のレーザ除去を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項15】
前記レーザ治療は、レーザ唇美白化を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項16】
前記レーザ治療は、黒皮症のレーザ治療を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項17】
前記音響波発生器から前記空胞を含む前記組織の中へパルス音響波を向かわせた後、レーザを用いて空胞を含む前記皮膚を治療することと、
単一の治療セッションにおいて少なくとも2回の反復に対して交互する様式で向かわせることおよび治療することを繰り返すことと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項18】
レーザを用いて空胞を含む前記皮膚を治療することは、前記パルス音響波を向かわせることの10分以内に実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記パルス音響波を向かわせることの少なくとも2回の後続の反復は、10分またはそれ未満以内に実施される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
パルス音響波発生器を備えている皮膚クリアリングシステムであって、前記パルス音響波発生器は、パルス音響波を発生させ、前記発生させられた波を皮膚に向かわせ、表皮および皮内空胞をクリアにするように構成されている、皮膚クリアリングシステム。
【請求項21】
前記発生させられた音響波は、約700KHz~約100Mhzの周波数を有する、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項22】
前記発生させられた音響波は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を有する、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項23】
前記発生させられた音響波は、約10Hz~約1KHzのパルスレートを有する、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項24】
前記発生させられた波のメカニカルインデックスMIは、約0.15~約1.9である、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項25】
前記パルス音響波発生器は、高速パルス電気水圧衝撃波発生器を含み、前記高速パルス電気水圧衝撃波発生器は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、
前記チャンバの中に配置されている媒体と、
前記チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極およびコンデンサと、
電圧パルスを前記チャンバの中の前記複数の電極およびコンデンサに印加するように構成されているパルス発生システムと
を備えている、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項26】
前記パルス音響波発生器は、約10Hz~約5MHzのレートのパルスで前記音響波を発生させるように構成されている、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項27】
前記パルス音響波発生器は、メガソニック波発生器を含む、請求項20に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項28】
前記メガソニック波発生器は、約700KHz~約20Mhzの周波数を伴うパルス音響波を生成するように構成されている、請求項27に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項29】
前記メガソニック波発生器は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を伴うパルス音響波を生成するように構成されている、請求項27に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項30】
前記メガソニック波発生器は、約10Hz~約1KHzのパルスレートを伴うパルス音響波を生成するように構成されている、請求項27に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項31】
前記メガソニック波発生器の電力は、前記メカニカルインデックス(MI)が約0.15~1.8であるように設定されている、請求項27に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項32】
前記高速パルス電気水圧発生器は、ピーク圧力出力が約0.8MPa~20MPaであるように設定されている、請求項27に記載の皮膚クリアリングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第62/312,372号(2016年3月23日出願)に対する優先権を主張し、上記出願は、その全体が参照により引用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明の実施形態は、概して、衝撃波の治療用の使用に関する。より具体的には、限定ではないが、本発明の実施形態は、皮膚クリアリングシステム(dermal clearing system)および同システムの用途で使用するための治療用衝撃波(治療用の使用を伴う衝撃波)を発生させるための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
衝撃波は、ある医学的および審美的治療で使用されてきた。「衝撃波」または衝撃波は、概して、圧力の突然かつ急激な変化を生じる、(例えば、爆発または雷光に起因する)音響現象を指すために使用される。これらの急激な圧力変化は、空気、水、ヒト軟組織等の弾性媒体、または骨等のある固体物質を通して進行することができ、および/またはそのような弾性媒体において非弾性応答を誘発することができる、強いエネルギー波を生成することができる。治療的使用のための衝撃波を生成する方法は、(1)電気水圧またはスパーク間隙(EH)、(2)電磁またはEMSE、および(3)圧電を含む。各々は、それ自体の独特の物理的原理に基づく。
【0004】
(A.衝撃波発生のためのデバイスおよびシステム)
本発明者らのうちの1人による、米国特許出願第13/574,228号(国際公開第WO2011/091020号(特許文献1)として公開された第PCT/US2011/021692号の国内段階出願)は、変換器を使用して、高いパルスレートで衝撃波を生成するためのデバイスを開示する。そのデバイスは、1MHz~1000MHzの少なくとも1つの周波数を有する音響波を放出するように構成される、音響波発生器と、音響波発生器に結合される衝撃波筐体と、衝撃波筐体内に配置される衝撃波媒体とを含み、本装置は、音響波発生器が、音響波を放出する場合、音響波の少なくとも一部が、衝撃波媒体を通して進行し、衝撃波を形成するであろうように構成される。そのデバイスは、患者内の粒子に患者の1つ以上の細胞を断裂させるように構成される、衝撃波を形成するように、作動されることができ、衝撃波が粒子に細胞のうちの1つ以上の細胞を断裂させるように、衝撃波は、患者の細胞に向かわせられることができる。本音響変換器デバイスは、高い周波数またはパルスレートで、高出力衝撃波を生成することができる。
【0005】
衝撃波を生成するための他のシステムは、電気水圧(EH)波発生器を含むことができる。EHシステムは、概して、他の方法と類似するレベルのエネルギーを送達することができるが、より広い面積にわたってそのエネルギーを送達し、したがって、より短い周期にわたって、より多くの量の衝撃波エネルギーを標的組織に送達するように構成され得る。EHシステムは、概して、衝撃波を開始するように、電極(すなわち、スパークプラグ)を組み込む。EHシステムでは、エンクロージャに含まれた処理済み水に浸漬された電極に電気が印加されたときに、高エネルギー衝撃波が発生させられる。電荷が発射されたとき、少量の水が電極の先端で蒸発させられ、蒸発した水の急速でほぼ瞬時の拡張が、液体水を通して外向きに伝搬する衝撃波を生成する。いくつかの実施形態では、水は、楕円体エンクロージャに含まれる。これらの実施形態では、衝撃波は、楕円体エンクロージャの側面から跳ね返り、治療される面積の場所と一致する焦点に収束し得る。
【0006】
例えば、米国特許第7,189,209号(第‘209号特許)(特許文献2)は、音響衝撃波を印加することによって、骨および筋骨格環境ならびに軟組織と関連付けられる病的状態を治療する方法を説明する。第‘209号特許は、衝撃波が、微小破壊を含む、その中の局所的外傷および細胞アポトーシスを誘発するとともに、細胞動員等の造骨性応答を誘発するために、分子の骨、軟骨、腱、筋膜、および軟組織モルフォゲンならびに成長因子の形成を促し、血管新生を誘発することを説明する。第‘209号特許は、その方法のいくつかの具体的実装を請求する。例えば、第‘209号特許は、ヒト患者において糖尿病性足潰瘍または褥瘡の部位または疑わしい部位の場所を特定するステップと、音響衝撃波を発生させるステップと、特定された場所の全体を通して音響衝撃波を集束させるステップと、微小損傷および血管新生の増加を誘発するように、特定された部位への治療あたり500~約2,500発超の音響衝撃波を印加し、それによって、治癒を誘発または加速するステップとを含む、糖尿病性足潰瘍または褥瘡を治療する方法を請求する。第‘209号特許は、約0.5Hz~4Hzの周波数範囲と、治療部位毎の治療持続時間および/または不都合に大きい全ての部位に対する「治療あたりの合計時間」をもたらし得る、治療部位あたり約300~2,500または約500~8,000発の音響衝撃波の印加とを開示する。例えば、第‘209号特許は、約20分~3時間に及ぶ、異なる実施例に対する治療あたりの合計時間を開示する。
【0007】
米国特許第5,529,572号(第‘572号特許)(特許文献3)は、組織に治療効果を生じさせるための電気水圧で発生させられた衝撃波の使用の別の実施例を含む。第‘572号特許は、衝撃波源からの距離の関数として実質的に一定の強度を有する、実質的に平面的な平行圧縮衝撃波を骨に受けさせるステップを含み、該平行衝撃波は、50~500気圧の強度で骨に印加される、(骨粗鬆症を治療するように)骨の密度および強度を増加させる方法を説明する。第‘572号特許は、骨への動的な反復荷重を生成して平均骨密度を増加させ、それによって、骨折に対して骨を強化するための非集束衝撃波の印加を説明する。第‘572号特許で説明されるように、「非集束衝撃波は、好ましくは、例えば、10cm2~150cm2の面積を覆うように、治療される骨の比較的広い表面にわたって印加される。衝撃波の強度は、50~500気圧であってもよい。各衝撃波は、従来の砕石器のように、数マイクロ秒の持続時間のものであり、好ましくは、各治療において5~30分にわたって毎秒1~10発の衝撃波の頻度で印加される。治療の回数は、特定の患者に依存する。」
【0008】
第US2004/0006288号(特許文献4)としても公開されている、米国特許出願第10/415,293号(第‘293号出願)は、組織への治療効果を提供するためのEH発生衝撃波の使用の別の実施形態を開示する。第‘293号出願は、血管構造から堆積物を少なくとも部分的に分離するための治療用音響衝撃波の発生のためのデバイス、システム、および方法を開示する。第‘293号出願は、本デバイスが、1cm2につき(治療されている血管単位の長さあたりに関して)治療部位あたり約100~約5,000のパルス数を用いて、毎分約50~約500発のパルスのパルスレート(すなわち、0.83Hz~8.33Hz)で、衝撃波を生成できることを説明する。
【0009】
(B.衝撃波速度)
従来技術の文献は、衝撃波を提供するためにEHシステムを使用する、より速いパルスレートが、組織損傷につながり得ることを示している。例えば、ある研究(Delius,Jordan,&他,1988)[2]では、腎臓が3,000発の衝撃波に暴露されたイヌの群において、正常なイヌ腎臓への衝撃波の影響が検査された。群は、それぞれ、100Hz~1Hzであった衝撃波投与率のみで異なった。24~30時間後に剖検が行われた。肉眼的および組織学的に、衝撃波が(1Hzと対比して)100Hzのレートで投与された場合に、有意に多くの出血が腎実質で起こった。結果は、腎臓損傷が衝撃波投与率に依存していることを示した。
【0010】
別の研究(Madbouly&他,2005)[7]では、遅い衝撃波砕石術速度(SWL)が、速い衝撃波砕石術速度と比較して、より少ない数の総衝撃波での有意に高い成功率と関連付けられた。本論文では、著者らは、人体実験が、SWL誘発性腎損傷の発生の減少、またはより遅い試験SWL速度が使用されたときの麻酔の必要性もどのように示したかを議論した。
【0011】
さらに別の研究(Gillitzer&他,2009)[5]では、毎分60発から30発の衝撃波に送達速度を減速することもまた、ブタモデルにおいて実際の血管系の完全性への顕著な保護効果を提供する。これらの所見は、体外衝撃波砕石術の安全性および有効性を向上させるための低減したパルスレート周波数の潜在的方略を支持する。
【0012】
軟組織は、1Hz~10Hzのパルスレート(PR)のために弾性挙動から粘性挙動に遷移し得る。結果として、1Hz~10Hzのパルスレートにおける衝撃波からの組織への潜在的損傷は、典型的砕石術電力レベルが使用されるときに予測不可能である。おそらく結果として、従来技術は、より遅いパルスレートおよび長い治療あたりの合計回数(TTPT)を教示する。例えば、現在公知であるEH衝撃波システムは、概して、10Hz未満のパルスレートを送達し、長い治療あたりの合計時間(TTPT)(例えば、単一の治療部位のためでさえも数分または数時間ものTTPT周期)を要求する。典型的であり得るように、治療が複数の治療部位におけるデバイスの再配置を要求するとき、TTPTは、多くの患者および治療必要性にとって大きくかつ潜在的に非実用的になる。
【0013】
長い治療時間は、体外衝撃波砕石術のために容認可能であり得るが、医療機関で組織への非砕石術治療効果を提供するための衝撃波の使用は、非実用的ではないとしても準最適である。例えば、治療の費用は、多くの場合、(例えば、治療の投与に配分される、労働、設備、および他のリソース資源に起因して)治療を投与するために必要とされる時間とともに増加する。さらに、費用に加えて、ある時点で、治療を患者に提供することの持続時間は、治療を受ける患者および治療を提供する医療スタッフにとって耐え難くなる。
【0014】
(C.粘弾性物質としての組織)
従来技術で見出されるパルスレートへの感受性の1つの理由は、部分的に組織の緩和時間によるものであり得る。細胞は、弾性および粘性特性の両方を有し、したがって、粘弾性物質である。殆どの従来の物質と異なり、細胞は、印加された応力または内部応力の程度に応じて、それらの弾性係数と高度に非線形である(Kasza,2007)[6]。ある研究(Fernandez (2006)[3]は、線形領域からべき乗法則歪み硬化までの遷移を示す、架橋アクチンネットワークを有するゲルとして、線維芽細胞をモデル化できることを示唆する。
【0015】
別の論文の著者ら(Freund,Colonius,& Evan,2007)[4]は、多くの衝撃の累積剪断力が損傷を与え、機構は、歪んでいない状態に弛緩するために組織のための衝撃間に十分な時間があるかどうかに依存し得ることを仮定している。それらの粘性流体モデルは、起こるであろう任意の変形回復が、衝撃後の最初の0.15秒までにほぼ完了することを示唆した。結果として、それらの細胞損傷のための機構のモデルは、約6Hzより遅い衝撃速度に関しては、衝撃速度とは無関係であろう。しかしながら、間隙物質の実際の粘弾性は、約1秒の緩和時間とともに、衝撃送達速度へのその感受性を導入することが期待されるであろう。間隙物質が約1秒の緩和時間を有すると仮定すると、著者らは、約1Hzより遅い送達速度に関して、損傷の有意な減少を期待するであろう。逆に、損傷は、より速い送達速度については増加するはずである。それらのモデルの含意として、減速する送達速度および広がる焦点ゾーンの両方が損傷を減少させるはずである。
【0016】
(D.レーザベースの皮膚治療)
治療医学の別の分野では、レーザベースの皮膚治療の使用が、入れ墨除去、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛または脱毛、レーザ瘢痕除去、および多数の他の種々の手技で使用されてきた。これらの治療のそれぞれへの身体の自然な反応は、治療の有効性に課題を提起する。
【0017】
例えば、入れ墨除去との関連で、レーザ出力への入れ墨のある面積の暴露は、現在、後続のレーザ暴露の有効性を低減させる傾向がある、治療面積内の「白化」状態を生じる。入れ墨治療中に、レーザ波長および出力が入れ墨に影響を及ぼすために適切である場合、「白化」反応が典型的に起こる。即時白化反応は、入れ墨顔料粒子へのレーザ暴露と関連付けられる急速加熱またはエネルギー伝達に起因する、空胞の発生の結果である。白化と関連付けられる皮膚空胞は、初期治療後のレーザ有効性の損失をもたらす、レーザ光の減衰または散乱をもたらす。さらに、皮膚空胞は、ある時間周期にわたって皮膚の中に残留し、同一のセッションにおける後続のレーザ暴露の有効性を制限する。
【0018】
レーザ発生皮膚空胞は、概して、表皮・真皮境界に、および個々の顔料粒子集団の周囲に位置する。
【0019】
表皮・真皮境界に位置する空胞は、表皮内のメラニンによるレーザ光吸収からの局部加熱によって生成されると考えられる。顔料粒子凝集の周囲に位置する空胞は、真皮内の顔料粒子凝集のレーザ光吸収からの急速加熱の直接結果であると考えられる。
【0020】
レーザ後白化反応は、最後のレーザ暴露後の約20分間またはそれを上回って減退し得る。そのような減退は、経時的にガスを含む空胞内容物の消散および吸収によって引き起こされる、表在性空胞の解消によって証明され得る。
【0021】
白化は、少なくとも部分的に、第1のレーザ通過によって引き起こされる治療面積内の皮膚空胞の存在が、1つ以上の後続のレーザ通過における光の送達を減衰もしくは弱化させ得るため、問題である。例えば、空胞に影響を与える光は、治療面積から離れた方向を含む、複数の方向に散乱し得る。したがって、空胞の存在は、レーザ治療有効性を低減させる。
【0022】
現在、入れ墨を除去するための主要なアプローチは、レーザの使用を通したものである。しかしながら、入れ墨部位の単一のレーザ治療後、レーザは、前述の理由により、もはや効果的ではなくなる。結果として、レーザを使用して入れ墨を除去するために、何ヶ月にもわたる複数のセッションが要求される。
【0023】
入れ墨除去プロセスを加速する強い所望がある。そうするために、同日内の入れ墨部位の反復レーザ治療が追求されてきた。R20方法と呼ばれる、1つのアプローチは、レーザを用いて入れ墨部位を治療し、レーザ治療は、空胞が部位において再吸収されることを可能にするように、少なくとも20分離間される(例えば、Kossida他,Optical tattoo removal in a single laser session based on the method of repeated exposures,J.Am.Acad.Dermatology 2012 Feb.66 (2): 271-7を参照)。多忙な業務のために、本アプローチは、患者が長周期にわたって診察室にいることを要求するため実用的ではない。
【0024】
直近では、本問題を克服するために、第US2013/0165839号(特許文献5)としても公開されている、米国特許出願第13/753,816号(第’816号出願)は、入れ墨のレーザ治療によって引き起こされる白化を阻止または低減させるペルフルオロデカリン(PFD)の使用を開示する。第’816号出願は、罹患した皮膚上でPFDを使用することによって、レーザが20分間待つことなく迅速に連続して印加され得ることを開示する。
【0025】
PFDは、低い表面張力を伴い、血液および水中で不溶性である、無色の不活性化合物である液体である。残念ながら、PFDは、非常に不良な皮膚浸透を有する。結果として、これは、化粧品で広く使用されている。結果として、PFDは、表面的に(例えば、表皮・真皮境界)位置する空胞によって引き起こされる白化を低減させることに優れている。しかしながら、その不良な皮膚浸透に起因して、以前に治療された皮内顔料粒子を包囲および遮蔽する空胞は、影響を受けない。したがって、PFDは、白化の出現を低減させることにおいて利益を提供するが、入れ墨部位への反復レーザ治療の有効性を改良することにおいて限定された利益のみを提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0026】
【特許文献1】国際公開第2011/091020号
【特許文献2】米国特許第7,189,209号明細書
【特許文献3】米国特許第5,529,572号明細書
【特許文献4】米国出願公開第2004/0006288号明細書
【特許文献5】米国出願公開第2013/0165839号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
本方法、装置、およびシステムの実施形態は、表面的に、および/または真皮のより深くに(例えば、顔料粒子凝集に隣接して)位置する皮膚空胞、ならびに表皮内の空胞を分散および/または排除することによって、皮膚クリアリングを提供するように構成されることができる。本方法、装置、およびシステムは、それによって、迅速に連続して同一の治療面積にわたってより効果的な反復レーザ治療を可能にすることができる。
【0028】
(例えば、組織内の空胞を分散させる組織の音響治療のための)本方法のいくつかの実施形態は、空胞を含む組織の場所を識別するステップと、空胞を含む組織に音響波発生器を結合するステップと、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせるステップとを含む。
【0029】
本方法のいくつかの実施形態では、空胞を含む組織は、レーザを用いて前もって治療されている。
【0030】
本方法のいくつかの実施形態はさらに、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせた後、レーザを用いて空胞を含む組織を治療するステップを含む。いくつかの実施形態では、皮膚は、約0.1分~約10分にわたって音響波発生器を用いて治療される。いくつかの実施形態では、レーザ治療は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を伴うレーザを標的皮膚に印加するステップを含む。いくつかの実施形態では、レーザは、Q-スイッチレーザまたはピコ秒レーザを備えている。
【0031】
本方法のいくつかの実施形態では、レーザ治療は、入れ墨除去、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛、レーザ瘢痕除去、レーザ支援減毛、血管病変のレーザ除去、レーザ唇美白化、および/または黒皮症のレーザ治療を含む。
【0032】
本方法のいくつかの実施形態はさらに、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせた後、レーザを用いて空胞を含む皮膚を治療するステップと、単一の治療セッションにおいて少なくとも2回の反復に対して交互する様式で向かわせるステップおよび治療するステップを繰り返すステップとを含む。いくつかの実施形態では、レーザを用いて空胞を含む皮膚を治療するステップは、パルス音響波を向かわせるステップの10分以内に実施される。本方法のいくつかの実施形態では、パルス音響波を向かわせるステップの少なくとも2回の後続の反復は、10分またはそれ未満以内に実施される。
【0033】
本システム(例えば、皮膚クリアリングシステム)のいくつかの実施形態は、パルス音響波を発生させ、発生させられた波を皮膚に向かわせ、表皮および皮内空胞をクリアにする(clear)ように構成される、パルス音響波発生器を備えている。
【0034】
本システムのいくつかの実施形態では、発生させられた音響波は、約700KHz~約100Mhzの周波数を有する。
【0035】
本システムのいくつかの実施形態では、発生させられた音響波は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を有する。
【0036】
本システムのいくつかの実施形態では、発生させられた音響波は、約10Hz~約1KHzのパルスレートを有する。
【0037】
本システムのいくつかの実施形態では、発生させられた波のメカニカルインデックスMIは、約0.15~約1.9である。
【0038】
本システムのいくつかの実施形態では、パルス音響波発生器は、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、チャンバの中に配置されている媒体と、チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成される、複数の電極およびコンデンサと、電圧パルスをチャンバの中の複数の電極およびコンデンサに印加するように構成される、パルス発生システムとを備えている、高速パルス電気水圧衝撃波発生器を含む。
【0039】
本システムのいくつかの実施形態では、パルス音響波発生器は、約10Hz~約5MHzのレートのパルスで音響波を発生させるように構成される。
【0040】
本システムのいくつかの実施形態では、パルス音響波発生器は、メガソニック波発生器を含む。いくつかの実施形態では、メガソニック波発生器は、約700KHz~約20Mhzの周波数を伴うパルス音響波を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、メガソニック波発生器は、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を伴うパルス音響波を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、メガソニック波発生器は、約10Hz~約1KHzのパルスレートを伴うパルス音響波を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、メガソニック波発生器の電力は、メカニカルインデックス(MI)が約0.15~1.8であるように設定される。
【0041】
本システムのいくつかの実施形態では、高速パルス電気水圧発生器は、ピーク圧力出力が約0.8MPa~20MPaであるように設定される。
【0042】
用語「結合される」は、必ずしも直接的ではなく、かつ必ずしも機械的ではないが、「接続される」として定義され、「結合される」2つの項目は、相互と一体であり得る。用語「a」および「an」は、本開示が別様に明示的に要求しない限り、1つ以上のものとして定義される。用語「実質的に」は、当業者によって理解されるように、規定されるものを必ずしも完全ではないが、「大部分は」として定義される(かつ規定されるものを含む、例えば、実質的に90度は、90度を含み、実質的に平行は、平行を含む)。任意の開示される実施形態では、用語「実質的に」、「およそ」、および「約」は、割合が、0.1、1、5、および10パーセントを含む、規定されるものの「[ある割合]以内」で代用され得る。
【0043】
「comprise(~を備えている)」(および「comprises」ならびに「comprising」等の任意の形態のcomprise)、「have(~を有する)」(および「has」ならびに「having」等の任意の形態のhave)、「include(~を含む)」(および「includes」ならびに「including」等の任意の形態のinclude)、および「contain(~を含む)」(および「contains」ならびに「containing」等の任意の形態のcontain)は、制限のない連結動詞である。結果として、1つ以上の要素を「備えている」、「有する」、「含む」、もしくは「含む」システムまたは装置は、それらの1つ以上の要素を保有するが、それらの要素のみを保有することに限定されない。同様に、1つ以上のステップを「備えている」、「有する」、「含む」、もしくは「含む」方法は、それらの1つ以上のステップを保有するが、それらの1つ以上のステップのみを保有することに限定されない。
【0044】
さらに、ある方法で構成される構造(例えば、装置の構成要素)は、少なくともその方法で構成されるが、また、具体的に説明されるもの以外の方法で構成されることもできる。
【0045】
本システム、装置、および方法のうちのいずれかの任意の実施形態は、説明されるステップ、要素、および/または特徴のうちのいずれかを備えている/含む/含む/有するのではなく、それから成る、もしくは本質的に成ることができる。したがって、請求項のうちのいずれかでは、用語「~から成る」または「本質的に~から成る」は、別様に制限のない連結動詞を使用して記載されるであろうものから、所与の請求項の範囲を変更するために、上記に記載される制限のない連結動詞のうちのいずれかに代用されることができる。
【0046】
上記で説明される実施形態およびその他と関連付けられる詳細が、以下に提示される。
【0047】
以下の図面は、限定ではなく、一例として図示する。簡潔性および明確性のため、所与の構造の全ての特徴が、常時、その構造が現れる全ての図に標識化されるわけではない。同じ参照番号は、必ずしも、同じ構造を指すわけではない。むしろ、同一の参照番号は、同じではない参照番号であり得るような類似特徴または類似機能性を伴う特徴を示すために使用され得る。図は(特に注記がない限り)一定の縮尺で描かれ、描写された要素のサイズは、少なくとも図中で描写される実施形態について相互に対して正確であることを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1図1は、本電気水圧(EH)衝撃波発生システムの第1の実施形態のブロック図を描写する。
【0049】
図2図2は、本EH衝撃波発生システムのいくつかの実施形態のための手持ち式プローブの断面側面図を描写する。
【0050】
図2A図2Aは、図2のプローブ等の本手持ち式プローブの実施形態とともに使用可能である除去可能スパークヘッドの第1の実施形態の断面側面図を描写する。
【0051】
図2B図2Bは、図2のプローブ等の本手持ち式プローブの実施形態とともに使用可能である除去可能スパークヘッドの第2の実施形態の切断側面図を描写する。
【0052】
図2C図2Cは、図2のプローブ等の本手持ち式プローブの実施形態とともに使用可能である除去可能スパークヘッドの第3の実施形態の切断側面図を描写する。
【0053】
図3図3A-3Bは、図1のシステムおよび/または図2の手持ち式プローブにおけるエネルギーサイクルまたは電圧パルスの時限印加の一実施例のタイミング図を描写する。
【0054】
図4図4は、標的組織内に図1のシステムおよび/または図2の手持ち式プローブのシステムによって放出することができる波形を描写する。
【0055】
図5図5は、本システムのいくつかの実施形態で、またはそれらとともに使用するためのマルチギャップパルス発生システムの一実施形態の概略図を描写する。
【0056】
図6図6は、高周波(RF)動力音響アブレーションシステムの実施形態のブロック図を描写する。
【0057】
図7A図7Aは、第1のプロトタイプスパークチャンバ筐体の斜視図および断面図を描写する。
図7B図7Bは、第1のプロトタイプスパークチャンバ筐体の斜視図および断面図を描写する。
【0058】
図8図8は、スパークチャンバ筐体の第2のプロトタイプ実施形態の断面図を描写する。
【0059】
図9図9は、プロトタイプパルス発生システムのための電子回路の概略図を描写する。
【0060】
図10図10は、本方法の一実施形態の概念フローチャートを描写する。
【0061】
図11図11は、スパークヘッドまたはモジュールを有する本プローブのさらなるプロトタイプ実施形態の分解斜視図を描写する。
【0062】
図12A図12Aは、図11のプローブのアセンブリの部品を描写する。
図12B図12Bは、図11のプローブのアセンブリの部品を描写する。
【0063】
図13A図13Aは、図11のプローブの斜視図および側面断面図を描写する。
図13B図13Bは、図11のプローブの斜視図および側面断面図を描写する。
【0064】
図13C図13Cは、図11のプローブのスパーク間隙の拡大側面断面図を描写する。
【0065】
図14図14は、プロトタイプパルス発生システムのための電子回路の第2の実施形態の概略図を描写する。
【0066】
図15図15は、超音波発生器プローブの断面図を描写する。
【0067】
図16図16は、単一のレーザ治療を受けた青色入れ墨顔料を含む皮膚の組織画像を描写する。
【0068】
図17図17は、3回のレーザ治療(3回のレーザの印加)を受けた黒色入れ墨顔料を含む皮膚の組織画像を描写する。
【0069】
図18図18は、高速パルス衝撃波が後に続く、レーザ治療の3回の印加を用いて治療された黒色入れ墨顔料を含む皮膚の組織画像を描写する。
【0070】
図19図19は、皮内空胞のサイズを図示する、皮膚の組織画像を描写する。
【発明を実施するための形態】
【0071】
図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれておらず、開示される実施形態は、ある時は、図式的に、かつ部分図で図示されることを理解されたい。ある事例では、開示される方法および装置の理解のために必要ではない、または他の詳細を知覚しにくくする詳細は、省略されている場合がある。当然ながら、本開示は、本明細書に図示される特定の実施形態に限定されないことを理解されたい。
【0072】
本システムおよび装置のある実施形態は、予測可能かつ一貫した様式において、高周波数衝撃波を発生させるように構成される。いくつかの実施形態では、発生させられたEH衝撃波は、医療および/または審美的治療用途で(例えば、患者の標的組織に向かわせられ、および/または送達されるときに)使用することができる。本システムが使用され得る、医療および/または審美的治療用途の実施例は、その全てがそれらの全体で本明細書に組み込まれる、(1)第US 2013/0046207号として公開される、米国特許出願第13/574,228号、(2)第US 2013/0018287号として公開される、米国特許出願第13/547,995号、(3)第US 2014/0257144号として公開される、米国特許出願第13/798,710号、および(4)第PCT/US2014/021746号で開示されている。本システムによって発生させられるEH衝撃波は、十分な機械的応力を与えて、(例えば、膜劣化損傷を通して)標的組織の細胞を断裂させるように構成することができる。
【0073】
標的細胞(標的組織の細胞)が、発生させられたPR衝撃波に暴露されると、細胞は、細胞の異なる成分の密度および剪断弾性係数等の細胞の空間的異質性パラメータに起因して、機械的応力の急勾配を被る。例えば、細胞の内側の密集および/または非弾性成分は、より軽量の成分と比較して、衝撃波に曝されると、より大きな機械的応力を受ける。特に、衝突面に暴露される細胞構造内のより高い密度の粒子または成分の加速は、典型的には、非常に大きい。同時に、細胞構造を構成するより低い密度の生物学的構造への衝突は、そのような圧力の大きな勾配に暴露されると、より低い密度の生物学的構造の弾性が、概して、それらを低コンプライアンス物質として作用させるため、有意に減少される。機械的応力の差異は、細胞内の密集および/または非弾性成分の移動をもたらす。
【0074】
細胞が、ある周波数およびエネルギーレベルにおいて、反復衝撃波に暴露されると、密集および/または非弾性成分は、細胞を破壊し、それによって、細胞を断裂させるまで、反復的に移動される。特に、細胞構造の特性不整合および経験変形を被る細胞の能力は、衝突面に暴露されると、説明されるような細胞破壊につながる。細胞構造の断裂の現象を説明するための可能性として考えられる理論の1つは、参照することによってその全体で本明細書に組み込まれる、(Burov,V.A.,2002)[1]で見出すことができる。
【0075】
Burov[1]によって議論されるように、細胞が、これらの圧力面によって衝突されると、一体型ユニットとして発振し得る間、機械的応力の急勾配が、空間的異質性パラメータ(すなわち、密度および剪断弾性引張応力)の結果、細胞の内側に発生され得る。
本概念は、質量m1およびm2と、ボールの密度とわずかに異なる(それぞれ、ρ1およびρ2だけ)、速度μo(t)でボールの周囲で発振する液体の密度(ρ0)を伴う、2つの連結されたボールとして、生物学的構造をモデル化することによって図示され得る。ポテンシャル流に対する抵抗のみ、考慮される場合、連結に印加される力は、式(1)に示されるように計算される。
【数1】
【0076】
式(1)およびその変数の付加的議論はさらに、[1]に提供される。例えば、ボール半径(R)が、約10μmであって、ボールの密度間の差異が、0.1ρ0である場合、109dyne/cm2の応力F/(πR2)mをもたらす。これは、細胞膜を断裂させるために十分である。本装置の実施形態は、制御された様式において、以下にさらに議論される、医療および/または審美的治療用途を有する、標的損傷をある細胞に生じさせるために使用され得る衝撃波を発生させる。
【0077】
細胞断裂の現象を説明するための別の可能性として考えられ得る理論は、細胞構造内のより密集した物質中の蓄積剪断応力である。粒子(例えば、顔料粒子)を伴う細胞等の異質媒体では、衝撃波は、漸進的(すなわち、蓄積された)剪断機構によって、細胞膜を崩壊させる。一方、均質媒体では、衝撃波による圧縮は、あったとしても、最小限の損傷を膜に生じさせる。異質媒体を通過するにつれて、衝撃波を微視的に集束および集束解除することは、局所剪断の増加をもたらす、局所的に衝撃波の強化または脆弱化をもたらすことができる。細胞膜の相対的剪断運動は、細胞構造の異質性の規模に応じて生じる。衝撃波が、異質性の領域(例えば、粒子を含む細胞)に衝打すると、入射波と位相がずれた粒子運動が、細胞破壊エネルギー伝達(例えば、剪断応力)を発生させると考えられる。位相がずれた運動(例えば、剪断応力)は、細胞膜に微視的損傷を生じさせ、剪断応力の付加的連続蓄積に伴って、細胞膜崩壊へと前進的に増大し得る。
【0078】
衝撃波への反復暴露の漸進的剪断機構は、細胞膜の動的疲労と見なされ得る。動的疲労からの損傷は、3つの要因、すなわち、(1)印加される応力または歪み、(2)歪みが印加される速度、および(3)歪みサイクルの蓄積数に依存する。これらの3つの要因は、異質性を伴う細胞に、特定の印加される歪み、歪み速度、および歪みサイクルにおいて、比較的により同質性と比較して、壊滅的細胞膜崩壊を被らせるように操作されることができる。
【0079】
要因操作は、衝撃波の数、各衝撃波間の時間量、および印加される衝撃波の強度等、ある特性のEH衝撃波を提供することによって行なうことができる。上記で議論されるように、組織が、その非歪み状態に弛緩するための衝撃波間の時間が多すぎる場合、細胞は、崩壊により抵抗性となるであろう。したがって、EHシステムの実施形態では、5Hzより大きい、100Hzより大きい、および1MHzより大きいパルスレートでの衝撃波が、組織の動的疲労を達成し、組織に弛緩時間をもたらさないように、標的細胞構造に送達される。
【0080】
第3の可能性として考えられる理論は、EH衝撃波が、細胞構造内に含まれる粒子の直接移動と、細胞を断裂する動的疲労の影響の組み合わせを生じさせるものである。粒子含有細胞は、異質性を呈する細胞構造の明白な実施例であるが、その説明は、本開示の範囲を限定するよう意図されない。代わりに、本明細書に開示される実施形態は、異なる有効密度領域を有する細胞構造等、異質性を呈する他の細胞構造を断裂する、またはそれに対して損傷を生じさせるために使用されることができる。開示される側面に従って発生される衝撃波のパラメータは、少なくとも本明細書に説明されるような細胞損傷を生じさせる、異なる有効密度の領域(すなわち、異質性)に基づいて、調節されることができる。異質性は、単一細胞内の領域、異なるタイプの細胞の領域、または両方の組み合わせであることができる。ある実施形態では、細胞内の異質性の領域は、細胞の有効密度を上回る有効密度を有する領域を含む。一具体的実施例では、線維芽細胞の有効密度は、約1.09g/cm3であって、細胞内の異質性の領域は、密度2.25g/cm3を伴う黒鉛等、1.09g/cm2を上回る有効密度を有する細胞内に含まれる粒子であろう。ある実施形態では、細胞間の細胞異質性の領域は、異なるタイプの細胞を伴う領域を含み、各細胞タイプは、線維芽細胞および脂肪細胞または毛嚢等、異なる有効密度を有する。本開示は、異質性を含む細胞構造のさらなる実施例を以下に提供する。
【0081】
ここで図面、より具体的には、図1を参照すると、制御された様式で衝撃波を電気水圧で発生させるための本装置またはシステムの一実施例のブロック図が、その中に示され、参照数字10によって指定されている。示されるもの等のいくつかの実施形態では、システム10は、(例えば、図2のように第1の筐体を伴う)手持ち式プローブと、(例えば、可撓性ケーブルまたは同等物を介して手持ち式プローブに結合される第2の筐体の中の、またはそれを伴う)別個のコントローラまたはパルス発生システムとを含む。他の実施形態では、本システムは、単一の筐体の中に配置される単一の手持ち式装置を含む。
【0082】
示される実施形態では、装置10は、チャンバ18および衝撃波出口20を画定する筐体14と、チャンバ18の中に配置される液体(54)と、チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成される、(例えば、スパークヘッドまたはモジュール22の中の)複数の電極と、10Hz~5MHzのレートで電圧パルスを電極に印加するように構成されるパルス発生システム26とを備えている。本実施形態では、液体の一部が蒸発させられて液体および衝撃波出口を通して衝撃波を伝搬するように、容量/誘導コイルシステム26は、電圧パルスを電極に印加するように構成される。
【0083】
示される実施形態では、パルス発生システム26は、交流電源(例えば、壁コンセント)とともに使用するために構成される。例えば、本実施形態では、パルス発生システム26は、110V壁コンセントに挿入されるように構成される、プラグ30を備えている。示される実施形態では、パルス発生システム26は、容量/誘導コイルシステムを備え、その一実施例が、図6を参照して以下で説明される。他の実施形態では、パルス発生システム26は、本開示で説明されるように、高い電圧を電極に周期的に印加して、個別のスパーク間隙中で液体を蒸発させるために十分な電力の電気スパークを発生させるように構成される、任意の好適な構造または構成要素を備えていることができる。
【0084】
示される実施形態では、パルス発生システム26は、例えば、2つまたはそれを上回る導体を含み得る、および/または衝撃を防止するようにゴムもしくは他の種類の電気絶縁材料で厳重に遮蔽され得る、高電圧ケーブル34を介して、スパークヘッドまたはモジュール22の中の電極に(例えば、除去可能に)結合される。いくつかの実施形態では、高電圧ケーブル34は、それを通してチャンバ18を液体で充填することができる、および/またはそれを介して(例えば、複合接続36を介して)チャンバ18を通して液体を循環させることができる、1つ以上の(例えば、2つの)液体管腔をさらに含む、複合テザーまたはケーブルである。示される実施形態では、装置10は、手持ち式プローブまたはハンドピース38を備え、ケーブル34は、2つまたはそれを上回る電導体44を介してスパークヘッドまたはモジュール22に結合される、高電圧コネクタ42を介してプローブ38に除去可能に結合される。示される実施形態では、プローブ38は、ヘッド46と、ハンドル50とを備え、プローブ38は、施術者がハンドル50を把持して手術中にプローブ38を位置付けることを可能にするように、ポリマーまたは他の電気絶縁材料を含むことができる。例えば、ハンドル50は、プラスチックで成型される、および/またはゴム等の電気絶縁材料でコーティングされることができる。
【0085】
示される実施形態では、液体54(例えば、蒸留水等の誘電液体)がチャンバ18の中に配置される(例えば、実質的にチャンバ18を充填する)。本実施形態では、液体の一部が蒸発させられて液体および衝撃波出口20を通して衝撃波を伝搬するように、スパークヘッド22は、電極が(例えば、10Hz~5MHzのレートで)パルス発生システム26から電圧パルスを受容することができるように、チャンバ18の中に位置付けられ、液体によって包囲される。示される実施形態では、プローブ38は、チャンバ18と出口20との間に音響遅延チャンバ58を含む。本実施形態では、音響遅延チャンバは、(例えば、液体54と同一の種類の)液体62で実質的に充填され、衝撃波が形成する、および/または出口20に向かって向かわせられることを可能にするために十分である、長さ66を有する。いくつかの実施形態では、長さ66は、2ミリメートル(mm)~25ミリメートル(mm)であってもよい。示される実施形態では、チャンバ18および音響遅延チャンバ58は、音波および/または衝撃波がチャンバ18から音響遅延チャンバ58の中へ進行することを可能にする、無響(音響浸透性または透過性)材料の層によって分離される。他の実施形態では、液体62は、液体54とは異なり得る(例えば、液体62は、気泡、水、油、鉱油、および/または同等物を含み得る)。気泡等のある特徴は、衝撃波の形成を増加させるように、液体54の音響挙動の非線形性を導入する、および/または向上させ得る。さらなる実施形態では、チャンバ18および音響遅延チャンバ54は、一体であり得る(すなわち、単一のチャンバを備え得る)。さらなる実施形態では、音響遅延チャンバ54は、中実部材(例えば、ポリウレタン等のエラストマー材料の中実円筒)と置換され得る。示される実施形態では、プローブ38はさらに、示されるように、音響遅延チャンバの遠位端で筐体に除去可能に結合される出口部材70を含む。部材70は、組織74に接触するように構成され、除去され、滅菌されるか、または患者間で交換されるかのいずれかを行うことができる。部材70は、衝撃波が出口20を介して音響遅延チャンバ58から退出することを可能にするように、音響的に浸透性であるポリマーまたは他の材料(例えば、低密度ポリエチレンまたはシリコーンゴム)を含む。組織74は、例えば、装置10で治療されるヒト皮膚組織であり得、例えば、入れ墨、染み、皮下病変、または基底細胞異常を含み得る。いくつかの実施形態では、潤滑させ、組織74の中への付加的な音響伝達を提供するように、音響結合ゲル(図示せず)が、部材70と組織74との間に配置され得る。
【0086】
示される実施形態では、プローブ38は、材料(例えば、ガラス)を含み、音響ミラーに入射する音波および/または衝撃波の大部分を反射するように構成される、音響ミラー78を含む。示されるように、音響ミラー58は、(音響遅延チャンバを介して)出口20に向かって(例えば、スパークヘッド22から生じる)音波および/または衝撃波を反射するように角度を成すことができる。示される実施形態では、筐体14は、(例えば、出口20を標的組織に位置付けるように、衝撃波の印加中に、または衝撃波の印加に先立って)ユーザが標的細胞を備えている患者の領域(例えば、組織74)を(窓82、チャンバ18、チャンバ58、および部材70を通して)視認することを可能にするように構成される、半透明または透明窓82を備えていることができる。示される実施形態では、窓82は、窓に入射する音波および/または衝撃波の大部分を反射するように構成される、音響反射材料(例えば、ガラス)を含む。例えば、窓82は、スパークヘッド22で生成される高エネルギー音響パルスに耐えるために十分な厚さおよび強度の透明ガラス(例えば、約2mmの厚さおよび50%より大きい光学透過効率を有する、強化厚板プレートガラス)を含むことができる。
【0087】
図1では、ヒトの眼86が、窓82を通して標的組織を視認するユーザを示すが、標的組織は、カメラ(例えば、デジタルスチルおよび/またはビデオカメラ)を介して、窓82を通して「視認」され得ると理解されたい。直接または間接的観察によって、現存の入れ墨等の標的組織に従って、および組織の色の変化等の音響エネルギーの適応によって、音響エネルギーは、位置付けされ、印加され、かつ再配置されることができる。しかしながら、ユーザがスパークヘッド22を視認することができる場所にスパークヘッド22が配置される場合、スパークヘッド22からの結果として生じるスパークの輝度は、明るすぎてユーザが快適に視認できない場合があり、示される実施形態では、プローブ38は、複数の電極が、窓82および出口20を通して(例えば、標的組織)の領域を視認するユーザにとって可視的ではないように構成される。例えば、示される実施形態では、プローブ38は、スパークヘッド22と窓82との間に配置される光学遮蔽体90を含む。遮蔽体90が、ユーザの眼まで直接進行するスパークヘッド22からの光を実質的に遮断するために十分大きいが、その光を遮断するために必要とされる以上に窓82および出口20を通した視野に干渉しないように、遮蔽体90は、例えば、窓82の対応する幅および/または長さより小さい幅および/または長さを有することができる。遮蔽体90は、例えば、ステンレス鋼等の金属の薄いシートまたは他の不透明材料を含むことができるか、またはスパーク間隙でスパークの輝度によって光学的にアクティブ化されて暗くされる、溶接ガラス(例えば、フォトセルまたは他の感光性材料によって暗くされるLCD)を含むことができる。スパークヘッド22からの点光源および結果として生じる所望の平面波形の効果を維持するために、スパーク間隙ヘッドからの結果として生じるスパークを遮蔽する音響効果が考慮されなければならない。遮蔽体90が、パルス広がりを防止するように、音響反射材料を含む場合、遮蔽体とスパークヘッド22の中の電極間のスパーク間隙との間の距離は、(例えば、交差波が過剰な反響または残響を生成しないように)遮蔽体から反射される音波および/または衝撃波と、スパークヘッド22から生じるスパークヘッド22との間の(例えば、少なくとも破壊的な)干渉を最小限化するように選択され得る。約1,500m/秒の蒸留水等の媒体中の音波の速度で、スパークヘッドと遮蔽体との間の距離は、発生源から1/2および3/4波長にあるように計算され得る。
【0088】
スパークヘッド22(例えば、スパークヘッド22の中の電極)は、アクティブ化の持続時間を限定することによって延長させられ得る、限定された寿命を有し得る。示される実施形態では、電圧パルスをスパークヘッド22の中の電極に印加するようにスイッチ94が作動され得るように、装置10は、コネクタ42を通してスイッチワイヤまたは他の接続98を介してパルス発生システム26に結合される、スイッチまたはトリガ94を含む。
【0089】
図2は、本EH衝撃波発生システムおよび装置のいくつかの実施形態とともに使用するための本手持ち式プローブまたはハンドピースの第2の実施形態38aの断面側面図を描写する。プローブ38aは、いくつかの点でプローブ38に実質的に類似し、したがって、ここでは差異が主に説明される。例えば、プローブ38aはまた、スパークヘッドまたはモジュール22aの複数の電極が、窓82aおよび出口20aを通して(例えば、標的組織の)領域を視認するユーザにとって可視的ではないように構成される。しかしながら、光学遮蔽体を含むのではなく、プローブ38aは、スパークヘッド22a(およびスパークヘッドの電極)が、窓82aおよび出口20aを通して延在する光学経路からオフセットされるように構成される。本実施形態では、音響ミラー78aは、チャンバ18aの境界を画定するように、およびスパークヘッド22aから出口20aへ音響波および/または衝撃波を向かわせるように、示されるように、スパークヘッド22aと出口20aとの間に位置付けられる。示される実施形態では、音響ミラー78aが窓82aとチャンバ18aとの間に配置され、音波および/または衝撃波が窓82aに直接入射しないため(すなわち、音波および/または衝撃波が音響ミラー78aによって主に反射されるため)、窓82aは、ポリマーまたは他の音響浸透性もしくは透過性材料を含むことができる。
【0090】
示される実施形態では、スパークヘッド22aは、複数のスパーク間隙を画定する複数の電極100を含む。複数のスパーク間隙の使用は、所与の周期で送達されることができるパルスの数を倍増することができるため、有利であり得る。例えば、パルスがスパーク間隙の中である量の液体を蒸発させた後、蒸気は、その液体状態に戻らなければならないか、または依然として液体状態である液体の異なる部分によって変位させられなければならないかのいずれかである。後続のパルスが付加的な液体を蒸発させることができる前に、スパーク間隙が水で再充填されるために要求される時間に加えて、スパークはまた、電極を加熱する。したがって、所与のスパーク速度について、スパーク間隙の数を増加させることにより、各スパーク間隙が発射されなければならない速度を低減させ、それによって、電極の寿命を延長させる。したがって、10個のスパーク間隙が、可能性として考えられるパルスレートおよび/または電極寿命を潜在的に10倍増加させる。
【0091】
上述のように、高いパルスレートは、電極上の疲労を増加させ、および/または蒸発させられた後に蒸気が液体状態に戻るために必要な時間を増加させ得る、大量の熱を発生させ得る。いくつかの実施形態では、本熱は、スパークヘッドの周囲で液体を循環させることによって、本熱を管理することができる。例えば、図2の実施形態では、プローブ38は、示されるように、チャンバ18aから個別のコネクタ112および116まで延在する、導管104および108を含む。本実施形態では、コネクタ112および116は、チャンバ18aを通して(例えば、かつ熱交換器を通して)液体を循環させるように、ポンプに結合されることができる。例えば、いくつかの実施形態では、パルス発生システム26(図1)は、直列であり、導管または同等物を介してコネクタ112および116に結合されるように構成される、ポンプおよび熱交換器を備えていることができる。いくつかの実施形態では、チャンバを通して循環させられる液体を濾過するように、スパーク発生システム(例えば、26)内のプローブ38aの中に、および/またはプローブとスパーク発生システムとの間にフィルタが、含まれることができる。
【0092】
加えて、高いパルスレートでの電極100の限定された寿命に起因して、本プローブのいくつかの実施形態は、使い捨てであり得る。代替として、いくつかの実施形態は、ユーザが電極を交換することを可能にするように構成される。例えば、図2の実施形態では、スパークヘッド22aは、プローブ38aから除去可能であるように構成される。例えば、スパークヘッド22aは、ハンドル50aを通して除去可能であり得る、またはハンドル50aは、ヘッド46からのハンドル50aの除去に応じて、スパークヘッド22aをヘッド46aから除去して交換することができるように、(例えば、ねじ山または同等物を介して)ヘッド46aに除去可能に結合され得る。
【0093】
図2で図示されるように、標的組織への各衝撃波の印加は、出口20aから伝搬し、組織74を通して外向きに進行する波形118を含む。示されるように、波形74は、外向きに移動するにつれて、その拡張に従って、および組織74に接触する出口部材70aの外面の形状に部分的に従って、湾曲される。図1の実施形態等の他の実施形態では、接触部材の外側形状は、出口20aを通過し、標的組織を通して伝搬するにつれて、波形のある性質に影響を及ぼすように、平面的であり得るか、または別様に成形され得る。
【0094】
図2Aは、除去可能スパークヘッドまたはモジュール22aの第1の実施形態の拡大断面図を描写する。示される実施形態では、スパークヘッド22aは、スパークチャンバ124を画定する側壁120と、スパークチャンバの中に配置される複数の電極100a、100b、100cとを備えている。示される実施形態では、スパークチャンバ124は、液体54(図1)に類似し得る液体128で充填される。側壁120の少なくとも一部は、電極で発生させられる音波および/または衝撃波が、側壁120を通して、およびチャンバ18aを通して進行することを可能にするように構成される、音響浸透性または透過性材料(例えば、ポリウレタン等のポリマー)を含む。例えば、示される実施形態では、スパークヘッド22aは、音響反射性かつ音響浸透性のキャップ部材136であるように構成され得る、カップ形状部材132を含む。本実施形態では、キャップ部材136は、電極から生じる拡張波形の湾曲形状に近似するように、および適度な圧力を印加されたときに皮膚を圧縮するように、ドーム形状である。キャップ部材136は、Oリングまたはガスケット140および保定カラー144を用いて、カップ形状部材132に結合されることができる。示される実施形態では、カップ形状部材132は、(例えば、2インチまたはそれを下回る直径を伴う)円形断面を伴う円筒形状を有する。本実施形態では、カップ形状部材は、プローブ38a(図2)のヘッド46a内の対応する溝と整合して、プローブに対してスパークヘッド22aの位置を係止するように構成される、バイオネット型ピン148、152を含む。
【0095】
示される実施形態では、電極コア156は、導体160a、160b、160cを有し、開口164を通して延在し、グロメット168で密閉される開口164と電極コア156との間の界面を伴う。示される実施形態では、中心導体160aが、コア156の中心を通して延在し、対応する中心電極100aへの接地としての役割を果たす。周辺導体160b、160cは、電極100aと100bとの間および電極100aと100cとの間のスパーク間隙を横断してスパークを発生させるように、周囲電極100b、100cと連通している。2つのスパーク間隙が示されているが、任意の数のスパーク間隙が使用され得、かつスパーク間隙の間隔およびサイズのみによって限定され得ることを理解されたい。例えば、他の実施形態は、3、4、5、6、7、8、9、10、またはさらにそれを上回るスパーク間隙を含む。
【0096】
図2Bは、除去可能スパークヘッドまたはモジュール22bの第2の実施形態の拡大側面図を描写する。示される実施形態では、スパークヘッドまたはモジュール22bは、スパークチャンバ124aを画定する側壁120aと、スパークチャンバの中に配置される複数の電極100d-1、100d-2、100、100fとを備えている。示される実施形態では、スパークチャンバ124aは、液体128および/または54に類似し得る液体128aで充填される。側壁120aの少なくとも一部は、電極で発生させられる音波および/または衝撃波が、側壁120aを通して、およびチャンバ18aを通して進行することを可能にするように構成される、音響浸透性または透過性材料(例えば、ポリウレタン等のポリマー)を含む(図2)。例えば、示される実施形態では、スパークヘッド22bは、音響反射性かつ音響浸透性のキャップ部材136aであるように構成され得る、カップ形状部材132aを含む。本実施形態では、キャップ部材136aは、電極から生じる拡張波形の湾曲形状に近似するように、および適度な圧力を印加されたときに皮膚を圧縮するように、ドーム形状である。キャップ部材136aは、Oリングまたはガスケット(示されていないが140に類似する)および保定カラー144aを用いて、カップ形状部材132aに結合されることができる。示される実施形態では、カップ形状部材132aは、(例えば、2インチまたはそれを下回る直径を伴う)円形断面を伴う円筒形状を有する。いくつかの実施形態では、カップ形状部材はまた、プローブ38aのヘッド46a内の対応する溝と整合して、プローブに対してスパークヘッド22bの位置を係止するように構成される、バイオネット型ピン(示されていないが148、152に類似する)を含むこともできる。
【0097】
示される実施形態では、導体160d、160e、160fは、示されるように、側壁132aの(出口キャップ部材136aの反対側の)後部分を通して延在する。本実施形態では、中心導体160bおよび周辺導体160a、160cは、グロメットおよび同等物が側壁と導体との間の界面を密閉するために必要ではないように、側壁120aに成型されることができる。示される実施形態では、中心導体160dは、相互と電気的に連通もしている、対応する中心電極100d-1および100d-2への接地としての役割を果たす。周辺導体160e、160fは、電極100d-1と100eとの間および電極100d-2と100fとの間のスパーク間隙を横断してスパークを発生させるように、周囲電極100e、100fと連通している。2つのスパーク間隙が示されているが、任意の数のスパーク間隙が使用され得、かつスパーク間隙の間隔およびサイズのみによって制限され得ることを理解されたい。例えば、他の実施形態は、3、4、5、6、7、8、9、10、またはさらにそれを上回るスパーク間隙を含む。
【0098】
示される実施形態では、中心電極100d-1および100d-2は、側壁120aからキャップ部材136aに向かってチャンバ124aの中へ延在する伸長部材172によって担持され、かつそれと一体であり得る。本実施形態では、部材172は、電極100d-1、100d-2に隣接する部材の遠位端が、矢印180によって示されるように、電極100eと100fとの間で前後に枢動することを可能にするように、(側壁120aに対して固定される)ヒンジ176に搭載される。示される実施形態では、部材172の遠位部分は、ばねアーム184によって電極100eに向かって付勢される。本実施形態では、ばねアーム184は、電極100eからの初期スパーク間隙距離に電極100d-1を位置付けるように構成される。電極100d-1および100eを横断する(例えば、本開示の他の場所で説明されるようにパルス発生システムを介した)電位の印加に応じて、スパークは、電気パルスを放出して、これら2つの電極の間で液体を蒸発させるように、これら2つの電極の間でアーク放電するであろう。これら2つの電極の間の蒸気の膨張は、電極100fに向かって下向きに部材172および電極100d-2を駆動する。部材172が下向きに進行する周期中に、電極100d-2と100fとの間の距離が十分に小さくなるときに、スパークがこれら2つの電極の間でアーク放電し、電気パルスを放出してこれら2つの電極の間で液体を蒸発させるように、パルス発生システムは、再充電し、電極100d-2と100fとの間に電位を印加することができる。電極100d-2と100fとの間の蒸気の膨張は、次いで、電極100eに向かって上向きに部材172および電極100d-1を駆動する。部材172が上向きに進行する周期中に、電極100d-1と100eとの間の距離が十分に小さくなるときに、スパークがこれら2つの電極の間でアーク放電し、電気パルスを放出してこれら2つの電極の間で液体を蒸発させ、サイクルを再度開始させるように、パルス発生システムは、再充電し、電極100d-1と100eとの間に電位を印加することができる。このようにして、部材172は、電位が電極に印加されなくなるまで、電極100eと100fとの間で発振する。
【0099】
特に液体中での高速および高エネルギー電気パルスへの暴露は、電極が固定位置で保持される(例えば、電極が交換および/または調節されることを要求する)場合に電極間のスパーク間隙距離を変動させ得る、急速な酸化、浸食、および/または他の劣化に電極を曝す。しかしながら、図2Bの実施形態では、電極100eと100fとの間の部材172および電極100d-1、100d-2の枢動は、スパーク毎のスパーク間隙を効果的に調節する。具体的には、電流が電極間でアーク放電する、電極間の距離は、電極材料および電位の関数である。したがって、隣接電極(例えば、100d-1および100e)の最も近い表面が(たとえ浸食されても)所与の実施形態のスパーク間隙距離に到達すると、スパークが電極間で発生させられる。したがって、部材172は、電極100d-1と100eとの間および電極100d-2と100fとの間のそれぞれのスパーク間隙を自己調節するように構成される。
【0100】
図2Bのような本可動電極の利点の別の実施例としては、一対のみの電極が任意の所与の時間にアーク放電距離内にあるように、電極が位置付けられている限り、複数のコイルが要求されず、そのような単一のコイルまたはコイルシステムは、部材172が1つの電極から次の電極まで枢動するために要するより少ない時間で再充電するように構成される。例えば、図2Bの実施形態では、電位が電極100eおよび100fに同時に印加されてもよく、共通接地としての役割を果たす電極100d-1および100d-2を伴い、電位は、(示される配向で)部材172が水平に対して上向きに枢動させられたときに、スパークが電極100d-1と100eとの間でのみアーク放電し、かつ部材172が水平に対して下向きに枢動させられたときに電極100d-2と100fとの間でのみアーク放電するようなものである。したがって、部材172が上記で説明されるように上向きおよび下向きに枢動すると、単一のコイルまたはコイルシステムは、周囲電極100e、100fの両方に接続され、周囲電極のそれぞれを通して交互に放電され得る。そのような実施形態では、パルスレートは、部材172およびばねアーム184の物理的性質を選択することによって、調節されることができる。例えば、システムの共振周波数、それによって、スパークヘッドまたはモジュール22bのパルスレートを調節するように、部材172の性質(例えば、質量、剛性、断面形状および面積、長さ、および/または同等物)、およびばねアーム184の性質(例えば、ばね定数、形状、長さ、および/または同等物)が、変動されることができる。同様に、液体128aの粘性が選択または調節され得る(例えば、アーム172の進行速度を低減させるように増加させられる、またはアーム172の進行速度を増加させるように減少させられる)。
【0101】
図2Bのような本可動電極の利点の別の実施例としては、スパークヘッド22bが、指定有用寿命後に動作不能であるか、または限定された有効性であるように、電極の性質(例えば、形状、断面積、奥行、および同等物)は、スパークヘッドの既知の有効または有用寿命(例えば、1回の30分間治療)を達成するように構成することができる。そのような特徴は、例えば、治療される患者また面積間の潜在的な二次汚染を最小限化するために、新しい滅菌スパークヘッドが、治療される患者または面積毎に使用されることを確実にする等、スパークヘッドが単回治療後に廃棄されることを確実にするように、有用であり得る。
【0102】
図2Cは、除去可能スパークヘッドまたはモジュール22cの第3の実施形態の拡大切断側面図を描写する。スパークヘッド22cは、以下の記述を除いて、スパークヘッド22bに実質的に類似し、したがって、類似参照数字が、スパークヘッド22bの対応する構造に類似するスパークヘッド22cの構造を指定するために使用される。スパークヘッド22bに対する主な差異は、ビーム自体の撓曲が、スパークヘッド22bに関して上記で説明されるように、矢印180によって示される上または下方向への電極100d-1および100d-2の移動を提供するように、スパークヘッド22cがヒンジを有していないビーム172aを含むことである。本実施形態では、スパークヘッド22cの共振周波数は、特に、ビーム172aの物理的性質(例えば、質量、剛性、断面形状および面積、長さ、および/または同等物)に依存している。スパークヘッド22bのばねアーム184に関して説明されるように、電極100d-1が、最初に、電極100eからの初期スパーク間隙距離に位置付けられるように、ビーム172aは、電極100eに向かって付勢されるように構成される。スパークヘッド22cの機能は、ヒンジ176およびばねアーム184が不必要であるように、ビーム172a自体が屈曲して、移動に対するある程度の抵抗を提供することを除いて、スパークヘッド22bの機能に類似する。
【0103】
示される実施形態では、スパークヘッド22bはまた、それを介して液体がスパークチャンバ124bを通して循環され得る、液体コネクタまたはポート188、192も含む。示される実施形態では、スパークヘッド22bの近位端196は、液体のための2つの管腔(コネクタまたはポート188、192)と、2つまたはそれを上回る(例えば、示されるように3つの)電導体(コネクタ160d、160e、160f)とを伴う、複合接続としての役割を果たす。そのような実施形態では、近位端196の複合接続は、2つの液体管腔(コネクタまたはポート188、192に対応する)と、2つまたはそれを上回る電導体(例えば、コネクタ160dに接続するための第1の電導体および両方の周辺コネクタ160e、160fに接続するための第2の電導体)とを有する、複合テザーまたはケーブルに(直接的に、またはプローブもしくはハンドピースを介して)結合され得る。そのような複合テザーまたはケーブルは、ポンプがリザーバとスパークチャンバとの間で液体を循環させることができるように、スパークヘッド(および例えば、スパークヘッドが結合されるプローブまたはハンドピース)を、液体リザーバおよびポンプを有するパルス発生システムに結合することができる。いくつかの実施形態では、コネクタまたはポート188、192が、スパークヘッドが結合されるハンドピースのより大きいチャンバ(例えば、18a)を通して液体が循環させられることを可能することができるように、キャップ部材136aは、省略される。同様に、(例えば、スパークヘッドおよびプローブをともに圧接すること、および/またはプローブに対してスパークヘッドを捻転もしくは回転させることを介して)スパークモジュールがハンドピースに結合されると、スパークヘッドの電気および液体コネクタが、プローブまたはハンドピースの個別の電気および液体コネクタに同時に接続されるように、スパークヘッド22aが結合されるように構成されるプローブまたはハンドピースは、スパークヘッドの個別の電気コネクタ(160d、160e、160f)および液体コネクタ(188、192)に対応する、電気および液体コネクタを含むことができる。
【0104】
本実施形態では、数Hzから何KHzも(例えば、最大5MHz)のパルスレートが採用され得る。複数のパルスまたは衝撃波によって生成される疲労事象が、概して、より高いパルスレートで累積的であるため、長い静止の持続時間によって離間される、いくつかの高出力衝撃波ではなく、迅速に連続して適度な出力の衝撃波を使用することによって、治療時間が有意に短縮され得る。上記のように、本実施形態のうちの少なくともいくつか(例えば、複数のスパーク間隙を伴う実施形態)は、より高速で衝撃波の電気水圧発生を可能にする。例えば、図3Aは、本実施形態の電極に印加された電圧パルスの2つのシーケンスのみを示すように拡大されたタイミング図を描写し、図3Bは、本実施形態の電極に印加された、より多数の電圧パルスを示す、タイミング図を描写する。
【0105】
スパークモジュール22a、22b、22cのうちのいずれかに類似する付加的な実施形態では、個別の側壁(120、120a、120b)の一部は、個別のスパークチャンバ(124、124a、124b)も省略されるように、省略されるか、または対応するハンドピースのより大きいチャンバ(例えば、18または18a)中の液体が電極間で自由に循環され得るように、開いたままにされ得る。そのような実施形態では、スパークチャンバ(例えば、側壁120、120a、120b)は、液体コネクタを含むことができる、または液体は、(例えば、図2で描写されるように)スパークチャンバから独立している流体ポートを通して循環し得る。
【0106】
図3Aに示されるパルス列またはシーケンス200の部分は、その間の遅延周期212とタイミングが合わされたパルス群204および208を含む。バーストまたは群(例えば、204、208)は、1つまたは2つほども少ない、もしくは何千もの多くのパルスを含み得る。一般に、各群204、208は、事象(すなわち、スパーク間隙を横断するスパーク)をトリガするように電極に印加される、いくつかの電圧パルスを含むことができる。遅延周期212の持続時間は、各スパーク間隙を横断して電極の冷却を可能にするように、および電子機器の再充電を可能にするように設定することができる。本開示の実施形態に使用されるように、パルスレートとは、電圧パルス群(それぞれ、1つ以上のパルスを有する)が電極に印加される割合を指し、2つまたはそれを上回るパルスを有する、パルス群内の個々のパルスが、図3A-3Bで図示されるように、より大きい周波数で印加されることを意味する。これらのパルス群の各々は、1つの衝撃波または複数の衝撃波を発生させるように構成することができる。
【0107】
本システムおよび装置を用いて送達される、複数のバーストまたは群204および208によって開始される一連の事象(スパーク)は、何分にもわたって印加される必要があり得る、より低いパルスレートに対して治療時間を短縮することができる、より高いパルスレート(PR)を備えていることができる。入れ墨は、例えば、広い領域を包含し得、したがって、(例えば、本開示のより高いパルスレートで)急速な細胞破壊が達成されない限り治療するために時間がかかる。上記の従来技術のシステムと対照的に、本実施形態は、(例えば、10Hz、30Hz、50Hz、1,000Hz、10,000Hz、1,000,000Hz、500,000Hz、および/または5,000,000Hzのうちのいずれか1つより大きい、またはそれらのうちのいずれか2つの間である)毎秒10~5,000発またはそれを上回るパルスの比較的高いパルスレート216で、衝撃波を送達するように構成されることができる。
【0108】
図4は、プローブ38または38aのいずれかによって、ある体積の組織の中へ放出することができ、入れ墨の排除に有用であり得る形態である、波形を描写する。パルス300は、比較的高電圧のパルスで本EHスパークヘッドによって発生させられる、インパルスにとって典型的な形状のものである。例えば、パルス300は、急速な立ち上がり時間、短い持続時間、およびリングダウン周期を有する。縦軸Vaの単位は、オシロスコープ上で表示され得るように恣意的である。実際の音響パルス振幅は、少なくとも累積エネルギー送達が上記で議論されるように効果的であり得るため、本実施形態の種々のものでは、50μPaほども低く、かつ数MPaほども高くあり得る。個々の時間周期304は、それぞれ、それらの鮮鋭度ならびに短い立ち上がりおよび立ち下がり時間に起因して、当技術分野では「衝撃波」パルスと称される短いパルス長に対応する、100ナノ秒であってもよい。例えば、<30ナノ秒の立ち上がり時間は、本開示の目的で衝撃波と見なされ、速度は、組織(例えば、真皮)内の小さい細胞規模の構造を横断して、比較的大きい圧力・時間圧力勾配を生成するために特に効果的である。実際には粒子状含量である入れ墨「インク」を含む真皮構造の急速な圧縮および減圧は、経時的に顔料含有細胞の疲労および破壊をもたらし、上記で説明されるような本方法の1つの基礎的機構であると考えられる。例えば、比較的短い時間周期内に高いパルスレートで、および色素沈着した細胞を破断させるために十分なエネルギーレベルで印加されたときに、そのような衝撃波を用いた組織の撹拌が効果的であることが示されており、閉じ込められた粒子状物質の解放および身体の中への顔料粒子の後続の散布をもたらし、それによって、入れ墨の外観を低減させる。入れ墨「インク」除去に必要とされる疲労を生成するように、治療される面積に、複数回、好ましくは、何百回から何百万回も印加され得る、短いパルス波形300を有する必要があると考えられる。
【0109】
図5は、本システムのいくつかの実施形態で、またはそれとともに使用するためのパルス発生システムの一実施形態400の概略図を描写する。示される実施形態では、回路400は、磁気貯蔵または誘導型コイル404a、404b、404c(例えば、自動車点火システムで使用されるものに類似する)をそれぞれ伴う、複数の電荷貯蔵/放電回路を備えている。図示されるように、コイル404a、404b、404cの各々は、自動車点火システムのある側面と同様に、各コイルを通して流動することを可能にされる電流を限定するように、抵抗器408a、408b、408cを介して接地され得る。抵抗器408a、408b、408cの各々は、専用抵抗器を備えていることができる、またはコイル自体の長さおよび性質が、所望のレベルの抵抗を提供するように選択され得る。自動車点火システムで使用されるタイプの構成要素の使用は、費用を削減し、カスタム構成要素に対する安全性を向上させ得る。示される実施形態では、回路400は、スパークヘッド22bが、2つの代わりに3つのスパーク間隙412a、412b、412cを含み、3つのスパーク間隙のそれぞれが、複数の周囲電極と協働する共通電極(例えば、100a)ではなく別個の一対の電極によって画定されることを除いて、スパークヘッド22aに類似するスパークヘッド22bを含む。本回路は、図2Aに示されるように、共通電極22aで画定されるスパーク間隙を横断してスパークを発生させるように、スパークヘッド22aの周囲電極100b、100cに結合され得ることを理解されたい。示される実施形態では、各回路は、同様に機能するように構成される。例えば、回路がスイッチ420aで断絶されたときに、コイルの磁場が崩壊し、スパーク間隙412aを横断してコンデンサ424aの急速な放電をもたらす、いわゆる起電力またはEMFを発生させるように、コイル404aは、短い持続時間にわたって電流を収集して貯蔵するように構成される。
【0110】
コイルのサイズおよび誘導リアクタンス、コイル巻線の抵抗、ならびに他の要因等の要因による影響を受け得る、コイル404aのRLまたは抵抗器インダクタンス時定数は、概して、コイルのワイヤの抵抗を克服するためにかかる時間およびコイルの磁場が蓄積するための時間に対応し、その後、磁場が崩壊し、エネルギーが回路を通して放出され、回路の抵抗を克服するためにかかる時間によって再度制御される、放電が続く。本RL時定数は、概して、コイルの最大充電・放電サイクル速度を判定する。充電・放電サイクル速度が速すぎる場合、コイルにおける利用可能な電流が低すぎ、結果として生じるスパークインパルスが弱くあり得る。複数のコイルの使用は、パルス群(例えば、図3Aで図示されるような204、208)毎の複数のコイルを迅速に連続して発射することによって、本限界を克服することができる。例えば、2つのコイルは、(複合)電流および結果として生じるスパークインパルスを倍増することによって、実用的な充電・放電速度を倍増することができ、(示されるような)3つのコイルは、有効充電・放電速度を効果的に3倍にすることができる。複数のスパーク間隙を使用するとき、タイミングは、スパークインパルスの適正な発生ならびに結果として生じる液体蒸発および衝撃波にとって非常に重要であり得る。したがって、コントローラ(例えば、マイクロコントローラ、プロセッサ、FPGA、および/または同等物)は、スイッチ420a、420b、420cの開放ならびにコンデンサ424a、424b、424cの結果として生じる放電および衝撃波の発生のタイミングを制御するように、制御点428a、428b、428cの各々に結合され得る。
【0111】
図6は、高周波(RF)動力音響衝撃波発生システムの実施形態500のブロック図を描写する。示される実施形態では、システム500は、実用的な高調波または音響エネルギー(例えば、衝撃波)を生成するように、変換器512から標的組織508までの音響経路を提供する、(例えば、上記で説明される音響遅延チャンバ58または非線形部材のような)非線形媒体504を備えている。示される実施形態では、変換器512は、帯域通過フィルタおよびチューナ516、RF電力増幅器520、ならびに制御スイッチ524を通して給電および制御される。本システムは、スイッチ524の作動がパルス発生器528をアクティブ化し、所定の様式で増幅器520を駆動する時限RFパルスを生成するように構成される。典型的な駆動波形は、例えば、正弦波バースト(例えば、迅速に連続する複数の正弦波)を備え得る。例えば、いくつかの実施形態では、典型的なバーストは、10ミリ秒のバースト長を有し、0.1マイクロ秒(100MHzの周波数)~2マイクロ秒(50kHzの周波数)超の周期持続時間を有する正弦波を備え得る。
【0112】
本方法の実施形態は、標的細胞(例えば、組織74)を備えている患者の領域に隣接して、本装置(例えば、10、38、38a、500)の実施形態を位置付けるステップと、衝撃波を標的細胞に伝搬するように、スパーク発生(例えば、容量/誘導コイル)システム(例えば、26、400)をアクティブ化するステップとを含む。いくつかの実施形態では、領域は、本装置を位置付けている間に、および/または衝撃波が発生させられ、領域に送達されている間に、窓(例えば、82、82a)を通して視認される。いくつかの実施形態はさらに、パルス発生システムをアクティブ化するステップに先立って、除去可能スパークヘッドまたはモジュール(例えば、22a、22b)を装置の筐体に結合するステップを含む。
【0113】
本方法のなおも他の実施形態は、皮膚がレーザを用いて治療されるときに形成される皮内空胞を排除する。そのような方法は、皮内空胞を形成させるレーザを用いて組織片を治療し、音響波発生器が、皮内空胞を破壊および分散させる周波数、パルスレート、ならびに強度において高速パルス音響波を皮膚に印加する、音響波発生器を用いて、空胞含有組織を治療するステップを含み得る。皮内空胞の皮膚クリアリングのための説明されるシステムおよび方法のこれらの実施形態は、音響機械的効果を利用し、空胞の断片化および周囲組織の中への吸収を誘発する。本方法の一実施形態は、以下のステップのうちの1つ以上のもの、すなわち、空胞を含む組織に音響波発生器を結合するステップと、音響波発生器から空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせるステップとを含み得る。空胞を含む組織の中へパルス音響波を向かわせるステップは、空胞の断片化および周囲組織の中への空胞内容物の吸収をもたらす、空胞への音響機械的効果を開始するであろう。本空胞断片化および吸収は、皮膚クリアリングにつながる。
【0114】
本方法およびシステムのいくつかの実施形態では、音響波発生器は、超音波発生器または衝撃波発生器を備え得る。いくつかの実施形態では、音響波発生器は、750KHz、800KHz、850KHz、900KHz、950KHz、1MHz、2MHz、5MHz、10MHz、20MHz、30MHz、40MHz、50MHz、60MHz、70MHz、80MHz、または90MHzを含む、約700KHz~約100MHzの周波数を伴うパルス音響波を生成するように構成されることができる。
【0115】
いくつかの実施形態では、音響波発生器は、0.1マイクロ秒、0.2マイクロ秒、0.3マイクロ秒、0.4マイクロ秒、0.5マイクロ秒、0.6マイクロ秒、0.7マイクロ秒、0.8マイクロ秒、または0.9マイクロ秒を含む、約1ナノ秒~1マイクロ秒のパルス持続時間を伴うパルス音響波を生成するように構成されることができる。
【0116】
いくつかの実施形態では、音響波発生器は、50Hz、100Hz、200Hz、300Hz、400Hz、500Hz、600Hz、700Hz、800Hz、または900Hzを含む、約10Hz~1KHzのパルスレートを伴うパルス音響波を生成するように構成されることができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、説明されるシステムの電力は、メカニカルインデックスが、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、または1.8を含む、約0.15~1.9であるように設定される。MIは、方程式(2)に示されるように計算される。
【数2】
【0118】
式中、P[MPA]は、音響波圧力の振幅であり、f[MHz]は、超音波周波数である。いくつかの実施形態では、説明されるシステムの出力は、ピーク圧力出力が0.8MPa~20MPaであるように設定される。
【0119】
実施形態では、音響波は、高速パルス電気水圧(EH)衝撃波発生器またはメガソニック波発生器から発生させられる。いくつかの実施形態では、衝撃波の電気水圧発生のための開示されるシステムは、チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、チャンバの中に配置される液体と、チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成される、(例えば、スパークヘッドもしくはモジュールの中の)複数の電極と、約10Hz~約5MHzの割合において電圧パルスを電極に印加するように構成されるパルス発生システムとを備えている。一実施形態では、パルス発生システムは、電圧パルスを電極に直接印加するように構成される。
【0120】
一実施形態では、メガソニック波発生器は、1.0~9.0MHzの周波数、1ナノ秒~1マイクロ秒のパルス持続時間、50Hz~500Hzのパルスレート、およびメカニカルインデックス(MI)が0.15~1.9であるように設定される電力を伴うパルス音響波を生成するように構成される。
【0121】
高速レーザベースの入れ墨除去のための本方法の他の実施形態は、レーザを用いて入れ墨のある皮膚を治療し、次いで、音響波発生器を用いて入れ墨部位を治療するステップを含む。音響波発生器は、皮内空胞を破壊および分散させる周波数、パルスレート、ならびに強度において高速パルス音響波を皮膚に印加する。これらの実施形態は、従来技術方法では可能ではなかったものである、迅速に連続して同一の治療面積にわたって反復レーザ治療を可能および有効にする。
【0122】
ある実施形態では、説明されるパルス音響波レーザ後皮膚クリアリングシステムおよび方法によって使用されるレーザは、任意の高出力皮膚レーザシステムであってもよい。より具体的には、いくつかの実施形態では、レーザは、Q-スイッチ(QS)レーザおよび/またはピコ秒レーザシステムを使用した。
【0123】
他の実施形態は、ペルフルオロデカリン、グリセロール等の局所および皮内皮膚クリアリング剤と併せて、パルス音響波皮膚クリアリングシステムおよび方法を使用する。
【0124】
(実験結果)
実験が、皮内空胞を排除することを意図した、レーザ治療された皮膚に音響波発生器によって発生させられた高速パルス音響波の効果を観察するように、ゲッチンゲンミニブタで行われた。研究が、高速パルス電気水圧(EH)衝撃波発生器を使用したレーザ治療の結果として、皮内空胞によって引き起こされた「白化」の排除を実証するように行われた。
【0125】
本開示のある実施形態によって発生させられる高周波数衝撃波およびそれらを発生させる制御された予測可能な様式は、多くの用途を有するが、本開示のある実施形態および発生させられた衝撃波は、治療用途で特に有用である。具体的には、レーザ皮膚治療から形成される患者の皮膚空胞を排除する際に有用である。
【0126】
図7A-7Bおよび8は、2つの異なるプロトタイプスパークチャンバ筐体を描写する。図7A-7Bの実施形態は、説明された実験で使用された、スパークチャンバ筐体の第1の実施形態600を描写する。筐体600は、いくつかの点に関して、プローブ38aのヘッド46aを画定する筐体14aの部分に類似する。例えば、筐体600は、液体がスパークチャンバ612を通して循環させられることを可能にするように、付属品604、608を含む。示される実施形態では、筐体600は、(例えば、以下で説明される実験では、0.127ミリメートルまたは0.005インチの)スパーク間隙628を画定するように、それを通して電極624を挿入することができる、電極支持体616および620を含む。しかしながら、筐体600は、最初にスパーク間隙から壁の中へ後方に進行する衝撃波を反射するように成形される、楕円形の内面を有する。そうすることは、スパーク間隙で発生させられる衝撃波毎に、スパーク間隙から出口640に伝搬する第1または一次衝撃波を生成し、その後、最初に楕円形の内壁に伝搬し、次いで、出口640に後方反射される二次衝撃波が続くという利点を有する。
【0127】
本実施形態では、支持体616および620は、付属品604、608と整合させられない(それに対してチャンバ612の周囲で約30度回転させられる)。示される実施形態では、筐体600は、半球形状を有し、電極624は、衝撃波出口640の中心を通る中心軸636とチャンバ612の周囲644との間の角度632が約57度であるように位置付けられる。他の実施形態は、本角度掃引を限定し、それによって、それより小さい出口を通して音波および/または衝撃波を向かわせるように構成することができる。例えば、図8は、スパークチャンバ筐体の第2の実施形態600aの断面図を描写する。筐体600aは、付属品604a、608aが支持体616a、620aに対して90度回転させられることを除いて、筐体600に類似する。筐体600aはまた、チャンバ612aが半球形の後または近位部分と、円錐台形の前または遠位部分とを含むという点で異なる。本実施形態では、電極624aは、衝撃波出口640aの中心を通る中心軸636aとチャンバ612aの周囲644aとの間の角度632aが約19度であるように位置付けられる。
【0128】
図9は、本実験手順で図7A-7Bのスパークチャンバ筐体とともに使用される、プロトタイプパルス発生システムのための電子回路の概略図を描写する。概略図は、当技術分野で公知である記号を含み、上記で説明されるものに類似するパルス発生機能性を達成するように構成される。描写される回路は、本衝撃波ヘッド(例えば、46、46a等)の実施形態を用いて緩和放電モードで動作することが可能である。示されるように、回路は、110V交流(AC)電源と、オン・オフスイッチと、タイマ(「制御ブロック」)と、3kVまたは3,000Vの二次電圧を有する昇圧器とを備えている。二次AC電圧は、全波構成の一対の高電圧整流器によって整流される。これらの整流器は、その全てが高電圧エネルギーをともに一時的に貯蔵する、並列の一対の抵抗器(100kΩおよび25kΩ)によってそれぞれ保護される、一対の反対方向に分極された25mFコンデンサを充電する。衝撃波チャンバのインピーダンスが低く、電圧充電が高いとき、閾値電圧が達成されたときに伝導する大きいスパーク間隙である、イオン化スイッチの補助により、放電が開始する。正および負の電圧が電極の各々に流動するため、電極間の電位は、最大約6kVまたは6,000Vであり得る。電極間の結果として生じるスパークは、急速に膨張する気泡への液体の一部の蒸発をもたらし、これが衝撃波を発生させる。スパーク中に、コンデンサが放電し、変圧器および整流器による再充電の準備ができる。以下で説明される実験では、放電は、約30Hzであり、自然な充電および放電速度(故に、用語「緩和振動」)のみによって調整された。他の実施形態では、放電速度は、より高く(例えば、図5のマルチギャップ構成等に関して、100Hzほども高く)あり得る。
【0129】
本EH衝撃波発生システムおよび装置のさらなる実施形態は、図11-13Cで描写される。プローブ38bは、いくつかの点に関してプローブ38および38aに類似し、したがって、ここでは差異が主に説明される。本実施形態では、プローブ38bは、チャンバ18bおよび衝撃波出口20bを画定する筐体14bと、チャンバ18bの中に配置される液体(54)と、チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隔を画定するように構成される(例えば、スパークヘッドまたはモジュール22dの中の)複数の電極とを備え、10Hz~5MHzのレートで電圧パルスを電極に印加するように構成される、パルス発生システム26に結合されるように構成される。
【0130】
示される実施形態では、スパークヘッド22dは、側壁または本体120dと、スパーク間隙を画定する複数の電極100gとを含む。本実施形態では、プローブ38bは、示されるように、その一方がスパークヘッド22dに結合され、他方が筐体14bに結合される、液体コネクタまたはポート112bおよび116bを介して、液体がチャンバ18bを通して循環させられることを可能にするように構成される。本実施形態では、筐体14bおよび筐体120dが協働してチャンバ18bを画定するように(例えば、スパークヘッド22dおよび筐体14bが、協働してチャンバを画定する相補的な放物表面を含むように)、筐体14bは、示されるように、スパークヘッド22dを受容するように構成される。本実施形態では、筐体14bおよびスパークヘッド22dは、協働してチャンバ18bを画定する、その個別の表面を覆う音響反射裏地700、704を含む。本実施形態では、スパークヘッド22dの筐体120dは、液体コネクタ112bとチャンバ18bとの間に延在し、循環する水が近接近して、および/またはスパーク間隙を通して流動するであろうように、電極100gの間のスパーク間隙と整合させられる、(例えば、スパークヘッド22dの中心縦軸に沿って)チャネル188bを含む。示される実施形態では、筐体14bは、接続116bとチャンバ18bとの間に延在するチャネル192bを含む。本実施形態では、筐体120dは、弾性ガスケットまたはOリング140aを受容して、スパークヘッド22dと筐体14bとの間の界面を密閉するように構成される、溝708を含み、筐体14bは、キャップ部材136bがリングおよび保定カラー144bによって筐体14bに固着されたときに、弾性ガスケットまたはOリング140bを受容して、筐体14bとキャップ部材136bとの間の界面を密閉するように構成される、溝712を含む。
【0131】
示される実施形態では、電極100gの各々は、平坦棒部分724と、円筒形部分728が、示されるように、スパークヘッド22d内の対応する開口部732を通してチャンバ18bの中へ延在することができるように、棒部分724と電気連通している(例えば、一体である)(例えば、耐久性のためにタングステンを含む)、垂直円筒形部分728とを含む。いくつかの実施形態では、円筒形部分728の側面の一部は、例えば、部分728と筐体120bとの間の界面を密閉するため等、電気絶縁および/または弾性材料(例えば、シュリンクラップ)で覆うことができる。本実施形態では、筐体120bはまた、電極100gの棒部分724を受容するように構成される、縦溝732も含む。示される実施形態では、円筒形部分736を内向きに圧接して電極100gの円筒形部分の間のスパーク間隙を調節するように、位置決めねじ736が緊締され得るように、筐体38gはまた、スパークヘッド22dが筐体38gの中に配置されたときに電極100gの円筒形部分732と整合して位置付けられる、位置決めねじ736も含む。いくつかの実施形態では、スパークヘッド22dは、筐体38bに恒久的に接着されるが、しかしながら、他の実施形態では、スパークヘッド22dは、例えば、個別に、または新しいもしくは交換用スパークヘッド22dの一部として、電極100gの交換を可能にするため等、筐体38bから除去可能であり得る。
【0132】
図14は、プロトタイプパルス発生システムのための電気回路の第2の実施形態の概略図を描写する。図14の回路は、図14の回路が、イオン化スイッチの代わりにトリガされたスパーク間隙の配列を含み、かつ図9の回路内の対応する構成要素とは異なる性質を伴うある構成要素(例えば、100kΩ抵抗器の代わりに200kΩ抵抗器)を含むことを主に除いて、図9の回路と実質的に類似する。図14の回路では、ブロック「1」は、一次コントローラ(例えば、プロセッサ)に対応し、ブロック「2」は、電圧タイマコントローラ(例えば、発振器)に対応し、その両方が、いくつかの実施形態では、単一のユニットに組み込まれ得る。
【0133】
図15は、超音波発生器プローブの実施形態の断面図を描写する。一実施形態では、電力ケーブル1507は、金属外側ケーシング1501の近位端に取り付けられる。ケーシング1501は、遮音材1506と、バッキングブロック1502と、圧電性結晶1504と、交流電位差を結晶1504に印加する電極1503とを含み得る。実施形態では、ケーシング1501の遠位端は、プラスチック「ノーズ」1505によって冠着される。
【0134】
(A.入れ墨)
入れ墨は、本質的に、インク粒子の凝集体を含む、線維芽細胞、マクロファージ、および同等物等の貪食細胞である。捕捉されたインク粒子は、細胞の生物学的構造より密集しているため、入れ墨またはインク粒子を含む細胞は、その構造中の弾性に大きな差異を有する。衝撃波に曝されると、インク粒子を含む細胞は、密集粒子を含んでいない他の細胞と比較して、より大きな機械的歪みを受ける。衝撃波は、特定の弾性差異を有していない無傷線維芽細胞を残しながら、特定の細胞を断裂するために十分な最適周波数および振幅で送達され、インク粒子を加速させるように構成することができる。入れ墨および細胞から放出される粒子の除去の生物学的プロセスの詳細は、以下にさらに議論される。
【0135】
入れ墨インクおよび染料は、歴史的には、自然に見出される物質に由来しており、概して、着色された粒子および他の不純物の異質懸濁液を含む。一実施例は、水等の液体中の炭素粒子の懸濁液を含む、墨である。入れ墨は、概して、入れ墨インクを真皮中に適用することによってもたらされ、インクは、概して、実質的に、恒久的に残留する。本技法は、入れ墨針の上下移動と組み合わせて、皮膚の弾性によって生じる交互圧力-吸引作用によって、皮膚を通して顔料懸濁液を導入する。皮膚中に導入される顔料のための水および他の担体は、組織を通して拡散し、吸収される。殆どの場合、顔料の20%~50%は、体内に散布される。しかしながら、不溶性顔料粒子の残存部分は、留置された真皮内に堆積される。入れ墨がされた皮膚には、顔料粒子が、概して、細胞によって貪食され、細胞の細胞質中で(すなわち、二次リソソームとして知られる膜結合構造中で)顔料凝集体をもたらす。結果として生じる顔料凝集体(「粒子凝集体」)は、直径が数マイクロメートルまで及び得る。皮膚が治癒すると、顔料粒子は、細胞内の皮膚組織の間質腔内に残留する。入れ墨インクは、概して、細胞中の比較的大量の不溶性顔料粒子に起因する細胞の不動性に起因して、排除しにくい。入れ墨は、経時的に薄れ得るが、概して、入れ墨がされた人物の生涯を通じて残留するであろう。
【0136】
入れ墨インクは、典型的には、アルミニウム(顔料の87%)、酸素(顔料の73%)、チタン(顔料の67%)、および炭素(顔料の67%)から成る。入れ墨インク組成物に対する元素の相対的寄与は、異なる化合物間で大きなばらつきがあった。少なくとも1つの研究が、表1に示されるように、3つの市販の入れ墨インクの粒子サイズを判定している。
【表1】
【0137】
(B.入れ墨除去)
従来の入れ墨(装飾、美容、および再建用)では、前述のように、顔料または染料が、真皮内に投与され、入れ墨を形成すると、顔料または染料は、概して、恒久的に定位置に残留する。
【0138】
入れ墨の一般的永続性にもかかわらず、個人は、種々の理由から、心変わりし、入れ墨の除去を所望し得る。例えば、経時的に、人々は、心境が変化する(または、考え直す)場合があり、装飾入れ墨の設計を除去または変更することを所望し得る。別の実施例として、アイライナー、眉、または唇の着色等の美容入れ墨を伴う個人は、ファッションが変化するにつれて、入れ墨された色または面積を変更することを所望し得る。残念ながら、現在、入れ墨を除去するための単純かつ成功している方法は存在しない。現在、従来の入れ墨(例えば、顔料含有皮膚)を除去する方法として、塩研磨法、凍結手術療法、外科的切除、およびCO2-レーザが挙げられ得る。これらの方法は、感染症等の潜在的合併症と関連付けられた侵襲的手技を要求し、通常、顕著な瘢痕化をもたらし得る。より最近では、Q-スイッチレーザの使用が、入れ墨の除去のために広く受け入れられている。パルス持続時間を制限することによって、インク粒子は、概して、超高温に到達し、隣接する正常皮膚への比較的最小損傷を伴って、入れ墨インク顔料含有細胞の破壊をもたらす。これは、皮膚剥離または二酸化炭素レーザによる治療等、非選択的入れ墨除去方法後、多くの場合、もたらされる瘢痕化を有意に減少させる。Q-スイッチレーザ放射による入れ墨除去の機構は、依然として、不明なところが多くあり得る。Q-スイッチレーザは、選択的写真熱融解および熱力学的選択性の機構によって、入れ墨のより具体的除去を可能にすると考えられる。具体的には、細胞内の顔料粒子は、レーザ光を吸収し、粒子の加熱を生じさせ、該粒子を含む細胞の熱破壊をもたらすことが可能であると考えられる。これらの細胞の破壊は、粒子の放出をもたらし、次いで、通常吸収プロセスを通して、組織から除去され得る。
【0139】
Q-スイッチレーザは、入れ墨の除去のためのいくつかの代替より優れている場合があるが、完璧ではない。一部の入れ墨は、選択的写真熱融解を通して達成される、予測される高粒子温度にもかかわらず、あらゆるレーザ療法に抵抗する。明確にするために、一部の入れ墨の崩壊に関して引用される理由として、顔料の吸収スペクトル、顔料の深度、およびいくつかのインクの構造特性が挙げられる。Q-スイッチルビーレーザによるレーザ入れ墨治療後の有害事象として、肌質変化、瘢痕化、および/または色素変性が挙げられ得る。一過性の低色素沈着および肌質変化が、それぞれ、Q-スイッチアレキサンドライトレーザによって治療された患者の最大50および12%において報告されている。高色素沈着および肌質変化は、Q-スイッチNd:YAGレーザの稀な有害事象であって、低色素沈着変化の発生は、概して、ルビーレーザを用いた場合より低い。局所性および全身性アレルギー反応の発症もまた、Q-スイッチルビーおよびNd:YAGレーザによる入れ墨除去の手に負えない(稀であっても)合併症である。加えて、レーザ治療は、リドカインによる局所注射または局所麻酔クリームの使用が、典型的には、レーザ治療に先立って使用されるほど、痛みを伴い得る。最後、レーザ除去は、概して、複数回の治療セッション(例えば、5~20回)を要求し、最大限の排除のための高価な機器を要求し得る。典型的には、多くの波長が、多色入れ墨を治療するために必要とされるため、1つのレーザシステムのみが、全ての利用可能なインクおよびインクの組み合わせを除去するために使用されることができない。複数回の治療でも、レーザ療法は、入れ墨顔料の50~70%のみ排除することが可能であって、残留染みをもたらし得る。
【0140】
従来のレーザ入れ墨除去の効果を調査する際に、実験は、入れ墨部位がレーザをパルスされたときに、対照および試験黒色入れ墨部位の両方への初期QSレーザ治療が鋭いスナップ音をもたらしたことを示した。加えて、未治療入れ墨面積への各レーザパルスは、黒色入れ墨部位上の即時「白化」をもたらした。
【0141】
前もって入れ墨を入れられた、およそ30Kgの質量を有するゲッチンゲンミニブタが、麻酔をかけられた。黒色入れ墨から成る対照部位および試験部位は、QSレーザ(1,054波長、5Hz、5mmスポットサイズ、1.1W出力)を用いて治療された。レーザ治療の直後、試験部位は、2分にわたって(第US2014/021746号で説明されるような)高速パルス電気水圧衝撃波発生器を用いて治療された。EH衝撃波発生器は、50Hzのパルスレートにおいて2MPa~3.5MPaのピーク圧力を有する平面衝撃波を生成した。高速パルスEH衝撃波治療後、対照部位および試験部位は、もう一度、QSレーザを用いて治療された。試験部位は、次いで、再度、高速パルスEH衝撃波発生器を用いて治療された。本治療プロトコルは、対照部位および試験部位がQSレーザを用いて合計3回治療されるように、もう一度繰り返された。試験部位において、各QSレーザ治療の後には、高速パルスEH衝撃波治療が続いた。全ての治療後、各入れ墨は、組織学的検査のために生検された。
【0142】
(方法)
試験部位に関して、2分にわたってEH衝撃波治療を印加するステップは、入れ墨の色の復帰および「白化」の損失をもたらした。本時間周期中に、対照部位の「白化」の消散は観察されなかった。さらに、2回目のレーザパルスがEH発生器で治療された試験部位に印加されたとき、レーザパルスは、もう一度、鋭いスナップ音および黒色入れ墨部位の即時かつ実質的な「白化」をもたらした。2回目のレーザパルスをすでに「白化した」対照部位に印加するステップは、わずかな付加的「白化」のみとともに、鈍い音をもたらした。EH衝撃波を用いた3回目のレーザ治療の結果は、最初の2回に類似した。
【0143】
視覚および聴覚所見は、音響波が皮内空胞を排除できたという証拠を提供する。これは、入れ墨部位においてレーザ治療を繰り返す能力を提供した。視覚的に、黒色入れ墨部位における色の復帰を伴う皮膚「白化」の排除は、非効果的な反復レーザ性能をもたらす皮内空胞が排除されたことを示す。
【0144】
EHで治療された部位に関して、前もって治療された試験入れ墨部位へのレーザパルスは、もう一度、鋭いスナップ音の発生をもたらした。これは、レーザ光が、もう一度、黒色入れ墨顔料に到達することができ、過熱顔料からの微小爆発によって引き起こされるスナップ音をもたらしたことを示す。対照的に、前もって治療された対照入れ墨部位へのレーザパルスは、鈍い音のみをもたらした。これは、レーザ光が、皮膚空胞による光散乱から生じるレーザ減衰に起因して、黒色入れ墨顔料に到達するその能力を限定され、それによって、所望の顔料微小爆発を引き起こすレーザの能力を限定したことを示す。
【0145】
表皮および/または皮内空胞を生成するレーザ皮膚治療の実施例は、レーザ入れ墨除去、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛、レーザ瘢痕除去、レーザ支援減毛、血管病変のレーザ除去、レーザ唇美白化、または黒皮症のレーザ治療を含む。これらは、レーザ皮膚治療によって引き起こされる空胞の破裂または破壊によって補完もしくは支援されることができる、非限定的な例示的治療にすぎない。いくつかの実施形態では、レーザ皮膚治療によって引き起こされる空胞の破壊または分散は、上記で議論されるように、高周波数衝撃波の伝搬に付随して生じる非線形プロセスに続発する、具体的細胞の非熱的細胞膜劣化によって引き起こされ得る。
【0146】
本方法のいくつかの一般的実施形態は、少なくとも1つの皮膚空胞が破裂または分散するまで、(例えば、本装置のうちの1つ以上のものを介して)複数の発生させられた衝撃波を、少なくとも1つの不均質性の領域を備えている少なくとも1つの皮膚空胞に送達するステップを含む。いくつかの実施形態では、衝撃波は、24時間周期でわずか30分にわたって送達される。いくつかの実施形態では、衝撃波は、24時間周期でわずか20分にわたって送達される。いくつかの実施形態では、200~5,000個の衝撃波が、衝撃波出口の複数の位置の各々において30秒~20分で送達される。
【0147】
図16は、単一のレーザ治療を受けた青色入れ墨顔料を含む皮膚の組織画像を提供する。画像から分かり得るように、表皮・真皮境界において、および入れ墨顔料粒子凝集1601に隣接して、著しい空胞形成1602がある。
【0148】
図17および18は、それぞれ、研究の完了後の対照部位および試験部位から採取された生検の組織画像を提供する。より具体的には、図17は、レーザ治療のみを用いて3回治療された対照黒色入れ墨部位を描写する。図17から分かり得るように、対照部位は、表皮・真皮境界において、および黒色入れ墨顔料集団の周囲の両方で、有意量の微小気泡を有した。現在の理解の下で、表皮・真皮境界1701における空胞は、視覚的に、レーザ治療後に見られる「白化」の主な原因である。しかしながら、より重要なこととして、真皮内の顔料粒子1702の周囲にある空胞は、おそらく、反復レーザ治療によるレーザ無効性の別の原因である。
【0149】
図18は、付随する高速パルス衝撃波治療とともにレーザ治療を用いて3回治療された試験黒色入れ墨部位を描写する。図18は、黒色顔料粒子がレーザによって正常に治療されたことを示す、脱色顔料1801の有意な証拠があることを示す。加えて、図18は、図17の対照部位からの対応する組織と比較して、最小限の空胞1802を含む、組織の一部を描写する。本結果は、レーザ治療された入れ墨部位からの「白化」が最小限にされることができ、単一セッションにおける入れ墨部位の反復治療を可能にするという確かな証拠を提供する。
【0150】
図10は、装置10を使用して、衝撃波を標的組織に向かわせる方法700の一実施形態を図示する。示される実施形態では、方法700は、患者の組織712の標的細胞708が、治療のために識別される、ステップ704を含む。例えば、組織712は、皮膚組織を含むことができ、および/または標的細胞708は、皮膚組織内または付近に入れ墨顔料ならびに/もしくは空胞を含む細胞を含むことができる。示される実施形態では、方法700はまた、プローブ38で生じる衝撃波を標的細胞708に向かって向かわせることができるように、プローブまたはハンドピース38が隣接組織712の中に配置される、ステップ716も含む。示される実施形態では、方法700はまた、パルス発生システム26がプローブ38に結合される、ステップ720も含む。示される実施形態では、方法700はまた、プローブ38内の電極を横断してスパークを発生させて、示されるように標的細胞708に送達するためにプローブ38で衝撃波を発生させるように、パルス発生システム26がアクティブ化される、ステップ724も含む。示される実施形態では、方法700はまた、パルス発生システム26がプローブ38から結合解除され、プローブ38が組織712から除去されるか、または組織712に対して移動させられる、随意のステップ728も含む。示される実施形態では、標的細胞708がステップ728から省略され、それらの破壊を表す。本方法の他の実施形態は、図10に図示されるステップの一部または全部を含み得る。
【0151】
(C.皮内空胞上の音響波の使用)
音響波は、医用画像および薬物送達に使用される造影剤微小気泡の破壊のために以前から使用されてきた(Chatterjee D.,他,Ultrasound-medicated destruction of contrast microbubbles used for medical imaging and drug deliver,Physics of Fluid 17,100603 (2005)に示される通り)。これらの気泡の破壊は、典型的には、身体の中へのガスの拡散を可能にする、カプセル化膜を破裂させることの結果である。
【0152】
これらの造影剤微小気泡ならびに従来技術におけるその他は、典型的には、直径が2マイクロメートル未満であり、表面活性物質の安定化層内に液体またはガスをカプセル化することによって形成される。従来技術で開示されるように、より大きい表面対体積比を伴うより小さい気泡は、より強い拡散のため、あまり安定していないと考えられる。造影剤微小気泡の小さいサイズにもかかわらず、気泡の有意な破壊は、使用される音圧に応じて、4~10分かかる。
【0153】
図19に示されるように、レーザ治療された皮膚によって引き起こされる皮内空胞は、<2マイクロメートルから>100マイクロメートルまでサイズが変動する。これらの皮内空胞は、従来技術で見出される造影剤微小気泡のようにカプセル化されない。20分後に消散し始める表在性皮膚空胞と異なり、これらの深部皮膚空胞は、比較的安定している。レーザ治療から2時間後の組織学的分析は、入れ墨顔料粒子凝集の周囲に存在する有意数の深部空胞を示す。48時間後でさえも、これらの深部空胞は、依然として存在し、気泡と異なり、空胞が比較的安定していることを示す。しかしながら、この時までに、それらは、流体またはフィブリン物質で充填されている。これは、空胞が従来技術で見られたものに類似する気泡ではないという証拠を提供する。
【0154】
深部皮膚空胞のサイズを前提として、パルス音響波がこれらの空胞を迅速にクリアにするために正常に使用されたときに、それらの高い安定性にもかかわらず、予期しない結果が達成された。
【0155】
(D.付加的疾病および症状を治療する方法)
入れ墨除去に加えて、本方法の実施形態は、前述で議論された表皮ならびに皮内空胞をもたらす種々のレーザベースの皮膚治療を補完および/または支援する高周波数衝撃波の印加を含み得る。本システムおよび方法のいくつかの実施形態は、表在性および深部空胞の即時形成をもたらす、任意のレーザ手技を支援するために使用され得る。入れ墨の除去と同様に、表皮および皮内空胞の形成は、空胞による後続のレーザパルスの遮蔽または遮断に起因して、反復有効レーザ治療の能力を限定する。結果として、反復レーザ治療は、通常、長い持続時間の休止周期なく投与されることができない。
【0156】
例えば、本システムおよび方法の実施形態から利益を得るであろう、そのような付加的レーザベースの治療は、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛、レーザ瘢痕除去、レーザ支援減毛、血管病変のレーザ除去、レーザ唇美白化、および/または黒皮症のレーザ治療を含み得る。
【0157】
本方法またはシステムが実装され得る、いくつかの実施形態は、患者上の色素性表皮および/または真皮病変を治療するためにレーザを使用するシステムもしくは方法を含む。そのような治療は、532nm(周波数倍増Nd:YAG)レーザまたは1,064nmレーザの使用を含み得、かつ黒子、カフェオレ斑、そばかす、および/または真皮色素性病変の治療を含み得る。
【0158】
他の実施形態では、本方法およびシステムは、中深度非切除皮膚面再生および/またはしわならびに座瘡瘢痕の非切除皮膚面再生を含む、レーザ皮膚面再生中に使用され得る。そのような実施形態は、周波数倍増532nmQ-スイッチレーザまたはQ-スイッチNd:YAG1,064nmレーザを使用し得る。
【0159】
付加的実施形態は、黒皮症のレーザ治療で本方法およびシステムを実装するステップを含む。そのような実施形態は、694nmQ-スイッチルビーレーザ、755nmQ-スイッチアレキサンドライトレーザ、532nm周波数倍増Q-スイッチNd:YAGレーザ、および/または1,064nmQ-スイッチNd:YAGレーザの使用を含み得る。付加的実施形態は、Q-スイッチレーザを使用するレーザ支援減毛、Hoya ConBioからのMedliteTMレーザを使用する血管病変のレーザ治療、またはQ-スイッチ532nmレーザを使用するレーザ唇美白化で本方法およびシステムを実装するステップを含む。
【0160】
上記の仕様および実施例は、例示的実施形態の構造および使用の説明を提供する。ある実施形態が、ある程度の詳細で、または1つ以上の個々の実施形態を参照して、上記に説明されているが、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に多数の変更を行うことができる。したがって、本デバイスの種々の例証的実施形態は、開示される特定の形態に限定されることを意図されない。むしろ、それらは、請求項の範囲内にある、あらゆる修正および代替を含み、示されるもの以外の実施形態は、描写された実施形態の特徴のうちのいくつかまたは全てを含み得る。例えば、構成要素は、一体構造として組み合わせられ得る。さらに、適切な場合、上記で説明される実施例のいずれかの側面は、同等または異なる性質を有し、同一または異なる問題に対処する、さらなる実施例を形成するように、説明される他の実施例のうちのいずれかの側面と組み合わせられ得る。同様に、上記で説明される利益および利点は、1つの実施形態に関し得るか、またはいくつかの実施形態に関し得ると理解されるであろう。
【0161】
請求項は、そのような限定が、それぞれ、語句「~のための手段」または「~のためのステップ」を使用して、所与の請求項に明示的に列挙されない限り、手段プラスまたはステッププラス機能の限定を含むものと意図されず、そのように解釈されるべきではない。
【0162】
[実施形態1]
皮膚クリアリングシステムであって、前記皮膚クリアリングシステムは、
パルス音響波発生器であって、前記パルス音響波発生器は、複数のパルス音響波を発生させ、前記発生させられた波を皮膚に向かわせるように構成されており、前記パルス音響波発生器は、前記パルス音響波発生器が前記複数のパルス音響波を発生させる前にレーザ光を放出するように構成されているレーザ光源とともに動作可能である、パルス音響波発生器と、
前記パルス音響波発生器に結合されているコントローラであって、前記コントローラは、前記パルス音響波の発生が無効にされかつレーザ光が前記レーザ光源によって前記皮膚に印加される第1の時間周期の満了に基づいて、第2の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にするように構成されている、コントローラと
を備え、
前記第2の時間周期中に前記皮膚に送達される前記パルス音響波は、前記第1の時間周期中に前記レーザ光源の結果として発生させられる表皮および皮内空胞の少なくとも一部をクリアにし、
前記第2の時間周期は、30秒より大きいまたは30秒に等しく、前記第1の時間周期および前記第2の時間周期の各々は、10分より小さいまたは10分に等しい、皮膚クリアリングシステム。
[実施形態2]
前記発生させられた音響波は、700KHz~100Mhzの周波数を有し、前記コントローラは、前記パルス音響波の発生が無効にされかつレーザ光が前記レーザ光源によって前記皮膚に印加される第3の時間周期の満了に基づいて、第4の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にするように構成されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態3]
前記コントローラは、1ナノ秒~1マイクロ秒のパルス持続時間で前記パルス音響波を発生させるように構成されており、前記コントローラは、前記第2の時間周期において前記パルス音響波を向かわせることの10分以内に、前記第4の時間周期において前記パルス音響波を向かわせるように構成されている、実施形態2に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態4]
前記コントローラは、10Hz~1KHzのパルスレートで前記パルス音響波を発生させるように構成されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態5]
前記コントローラは、0.15~1.9のメカニカルインデックスMIを有するパルス音響波を発生させるように構成されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態6]
前記パルス音響波発生器は、高速パルス電気水圧衝撃波発生器を含み、前記高速パルス電気水圧衝撃波発生器は、
チャンバおよび衝撃波出口を画定する筐体と、
前記チャンバの中に配置されている媒体と、
前記チャンバの中に配置され、1つ以上のスパーク間隙を画定するように構成されている複数の電極およびコンデンサと、
電圧パルスを前記チャンバの中の前記複数の電極およびコンデンサに印加するように構成されているパルス発生システムと
を備えている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態7]
前記コントローラは、10Hz~5MHzのレートのパルスで前記音響波を発生させるように構成されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態8]
前記パルス音響波発生器は、メガソニック波発生器を含み、
前記メガソニック波発生器は、
700KHz~20Mhzまたは10Hz~1KHzの周波数、および/または
1ナノ秒~1マイクロ秒のパルス持続時間
を伴うパルス音響波を生成するように構成されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態9]
前記パルス音響波発生器は、メガソニック波発生器を含み、
前記メガソニック波発生器の電力は、メカニカルインデックス(MI)が0.15~1.8であるように設定されている、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態10]
前記高速パルス電気水圧発生器は、ピーク圧力出力が0.8MPa~5MPaであるように設定されている、実施形態6に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態11]
前記第2の時間周期は、30秒~2分である、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態12]
前記コントローラは、
前記レーザ光源の動作に対応する前記第1の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
前記レーザ光源の動作に対応する第3の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
レーザ光が前記皮膚に印加される前記第3の時間周期の満了に基づいて、第4の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にすることと、
前記レーザ光源の動作に対応する第5の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
レーザ光が前記皮膚に印加される前記第5の時間周期の満了に基づいて、第6の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にすることと
を行うようにさらに構成されており、
前記第4の時間周期および前記第6の時間周期中に前記皮膚に送達される前記パルス音響波は、前記レーザ光源によって発生させられる表皮および皮内空胞の少なくとも一部をクリアにし、
前記第2の時間周期中、前記第4の時間周期中、および、前記第6の時間周期中に前記パルス音響波を向かわせることは、相互の10分以内に実施される、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態13]
前記第1の時間周期、前記第3の時間周期、および、前記第5の時間周期は、24時間周期内に生じ、
前記クリアにされた表皮および皮内空胞のうちの少なくとも一部は、深部皮膚空胞ではなく、かつ/または
前記パルス音響波発生器は、前記第2の時間周期中、前記第4の時間周期中、および/または、前記第6の時間周期中、0.1分~10分の間、前記皮膚を治療するように構成されている、実施形態12に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態14]
前記レーザ光源を備える皮膚レーザシステムをさらに備え、前記皮膚レーザシステムは、前記第1の時間周期中、前記第3の時間周期中、および、前記第5の時間周期中にレーザ光を発生させるように構成されており、
前記レーザ光源は、Q-スイッチレーザまたはピコ秒レーザを備え、
前記皮膚レーザシステムは、1ナノ秒~1マイクロ秒のパルス持続時間を伴う前記レーザを標的皮膚に印加するように構成されている、実施形態12に記載の皮膚クリアリングシステム。
[実施形態15]
前記レーザ光源によって提供されるレーザ治療は、入れ墨除去、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛、レーザ瘢痕除去、レーザ支援減毛、血管病変のレーザ除去、レーザ唇美白化、および、黒皮症のレーザ治療を含む群から選択される治療を含む、実施形態1に記載の皮膚クリアリングシステム。
図1
図2
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【手続補正書】
【提出日】2023-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚クリアリングシステムであって、前記皮膚クリアリングシステムは、
レーザ光を放出し、放出された前記レーザ光を第1の時間周期中に皮膚に向かわせるように構成されたレーザ光源と、
複数のパルス音響波を発生させ、発生させられた前記複数のパルス音響波を前記皮膚に向かわせて、前記レーザ光源の結果として発生させられる表皮及び非カプセル化皮内空胞をクリアにするように構成され、レーザ光を放出するように構成された前記レーザ光源とともに動作可能であるパルス音響波発生器と、
前記パルス音響波発生器に結合されており、前記パルス音響波の発生が無効にされ且つレーザ光が前記レーザ光源によって前記皮膚に印加される前記第1の時間周期の満了に基づいて、第2の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にするように構成されているコントローラと、
を備え、
前記第2の時間周期中に前記皮膚に送達される前記パルス音響波は、前記第1の時間周期中に前記レーザ光源の結果として発生させられる前記表皮及び前記皮内空胞の少なくとも一部をクリアにする、皮膚クリアリングシステム。
【請求項2】
前記第2の時間周期は、10分以下である、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項3】
前記第1の時間周期は、前記第2の時間周期の10分以内である、請求項2に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記レーザ光源の動作に対応する前記第1の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
前記レーザ光源の動作に対応する第3の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項5】
前記コントローラは、
レーザ光が前記皮膚に印加される前記第3の時間周期の満了に基づいて、第4の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にすることと、
前記レーザ光源の動作に対応する第5の時間周期中、前記パルス音響波の発生を無効にすることと、
レーザ光が前記皮膚に印加される前記第5の時間周期の満了に基づいて、第6の時間周期中の前記パルス音響波の発生を有効にすることと、
を行うようにさらに構成されており、
前記第4の時間周期及び前記第6の時間周期中に前記皮膚に送達される前記パルス音響波は、前記レーザ光源によって発生させられる表皮及び皮内空胞の少なくとも一部をクリアにする、請求項4に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項6】
前記第1の時間周期、前記第3の時間周期、及び前記第5の時間周期は、24時間周期内に生じる;
クリアにされた前記表皮及び前記皮内空胞のうちの少なくとも一部は、深部皮膚空胞ではない;
前記パルス音響波発生器は、前記第2の時間周期中、前記第4の時間周期中、又は前記第6の時間周期中、約0.1分~約10分の間、前記皮膚を治療するように構成されている;
又は、これらの組み合わせである、請求項5に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項7】
前記レーザ光源を備える皮膚レーザシステムをさらに備え、前記皮膚レーザシステムは、前記時間周期の1つ以上においてレーザ光を発生させるように構成されており、
前記レーザ光源は、Q-スイッチレーザ又はピコ秒レーザを備え、
前記皮膚レーザシステムは、約1ナノ秒~約1マイクロ秒のパルス持続時間を伴う前記レーザを前記皮膚に印加するように構成されている、請求項5に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項8】
前記レーザ光源によって提供されるレーザ治療は、入れ墨除去、レーザ皮膚面再生、母斑のレーザ除去、皮膚病変のレーザ除去、レーザ植毛、レーザ瘢痕除去、レーザ支援減毛、血管病変のレーザ除去、レーザ唇美白化、及び、黒皮症のレーザ治療を含む群から選択される治療を含む、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項9】
前記表皮及び前記皮内空胞は、レーザ光で組織を処理することによって形成され、
前記表皮及び前記皮内空胞には、入れ墨顔料粒子凝集が含まれない、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項10】
前記表皮及び前記皮内空胞は、レーザ発生のものである、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。
【請求項11】
前記表皮及び前記皮内空胞は、前記レーザ光源による急速加熱及び/又はエネルギー伝達の結果として生成される、請求項1に記載の皮膚クリアリングシステム。