(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080184
(43)【公開日】2023-06-08
(54)【発明の名称】景品取得ゲーム装置
(51)【国際特許分類】
A63F 9/00 20060101AFI20230601BHJP
A63F 9/30 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A63F9/00 513
A63F9/30 502C
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023064069
(22)【出願日】2023-04-11
(62)【分割の表示】P 2022002031の分割
【原出願日】2016-08-30
(71)【出願人】
【識別番号】000132471
【氏名又は名称】株式会社セガ
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100080953
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 克郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 將大
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 格広
(72)【発明者】
【氏名】犬山 敬悟
(72)【発明者】
【氏名】前田 一樹
(57)【要約】
【課題】種々の設置態様に対応して、容易に適切なタイミングで演出を実行させることが
可能な景品取得ゲーム装置を提供する。
【解決手段】景品取得ゲーム装置1は、グループ番号の設定を受け付ける設定用パネル2
13と、発光部である電飾部8、屈曲部62及び正面部63の発光を制御する制御装置2
3と、を備える。制御装置23は、通信装置24が他の景品取得ゲーム装置1から取得信
号を受信したことに基づいて演出を実行するものである。制御装置23は、演出の実行を
開始するタイミングである演出開始タイミングを、当該制御装置23を備える景品取得ゲ
ーム装置1に設定されたグループ番号に基づいて決定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤ操作に基づいて景品を取得する景品取得ゲーム装置であって、
景品を収容する収容空間を有する筐体と、
前記収容空間において景品の取得動作を行う景品取得部と、
前記筐体の外部に光を発する発光部と、
他の景品取得ゲーム装置との間で信号の送受信を行う通信装置と、
装置IDの設定を受け付けるID設定部と、
前記発光部の発光を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
該制御装置を備える景品取得ゲーム装置において景品が取得された場合に、前記通信装
置により他の景品取得ゲーム装置に取得信号を送信する取得信号送信部と、
前記発光部を所定のパターンで発光させる演出を実行する演出実行部と、を有するとと
もに、
前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置から前記取得信号を受信したことに基づいて前
記演出を実行するものであり、
前記演出の実行を開始するタイミングである演出開始タイミングを、該制御装置を備え
る景品取得ゲーム装置に設定された前記装置IDに基づいて決定することを特徴とする景
品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記演出開始タイミングを、前記装置ID毎に異ならせることを特徴
とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
該制御装置を備える景品取得ゲーム装置において景品が取得されたことに基づいて前記
演出を実行するものであり、
該景品取得ゲーム装置において景品が取得された場合は、前記通信装置が他の景品取得
ゲーム装置から前記取得信号を受信した場合よりも前記演出開始タイミングを早めること
を特徴とする請求項2に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
該制御装置を備える景品取得ゲーム装置において景品の取得が不能になった場合に、前
記通信装置により他の景品取得ゲーム装置にエラー信号を送信するエラー信号送信部を有
するとともに、
前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置から前記エラー信号を受信した場合に、前記演
出の実行時とは異なるパターンで前記発光部を発光させるエラー報知を実行することを特
徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置から前記エラー信号を受信し
た場合に、前記演出よりも前記エラー報知を優先的に実行することを特徴とする請求項4
に記載の景品取得ゲーム装置。
【請求項6】
前記制御装置は、
前記装置IDの設定を受け付けるID設定モードと、他のモードと、を実行し、
前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置からモード切替信号を受信した場合に、前記他
のモードから前記ID設定モードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の景品取
得ゲーム装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤ操作に基づいて景品を取得する景品取得ゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが景品取得部を操作し、筐体内に収容されている景品を取得する景品取得ゲー
ム装置がアミューズメント施設等で用いられている。このような景品取得ゲーム装置とし
て、プレイヤが景品を取得した際に、光等を発する演出を実行するものが知られている。
当該演出により、プレイヤの達成感を増幅させたり、景品取得ゲーム装置の周囲に居るプ
レイヤ候補(すなわち、景品取得ゲーム装置のプレイヤに成り得る者)のプレイ意欲を喚
起したりすることができる。
【0003】
例えば、特許文献1には、通信可能な景品取得ゲーム装置が開示されている。当該景品
取得ゲーム装置は、景品が取得されたことを示す景品取得情報を、同一のアミューズメン
ト施設等に設置された他の景品取得ゲーム装置との間で送受信するとともに、受信した景
品取得情報に基づいて演出を実行する。複数の景品取得ゲーム装置を用いて演出を実行す
ることにより、当該演出を多彩なものにするとともに、その効果を高めることが可能にな
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
設置される景品取得ゲーム装置の数や、その位置、向き等は、アミューズメント施設等
の設置環境毎に異なる。また、一つの設置環境においても、他種のゲーム装置も含めたレ
イアウトの都合等により、景品取得ゲーム装置の数等に変更が生じることがある。
【0006】
しかしながら、従来の景品取得ゲーム装置では、このような種々の設置態様に対応して
適切な演出を実行することが容易ではなかった。すなわち、各景品取得ゲーム装置が演出
の実行を開始するタイミングを設定するために、アミューズメント施設等の管理者が多大
な手間を強いられていた。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、種々の設置態様に
対応して、容易に適切なタイミングで演出を実行させることが可能な景品取得ゲーム装置
を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、プレイヤ操作に基づいて景品を取得する景品取
得ゲーム装置であって、景品を収容する収容空間を有する筐体と、収容空間において景品
の取得動作を行う景品取得部と、筐体の外部に光を発する発光部と、他の景品取得ゲーム
装置との間で信号の送受信を行う通信装置と、装置IDの設定を受け付けるID設定部と
、発光部の発光を制御する制御装置と、を備える。制御装置は、該制御装置を備える景品
取得ゲーム装置において景品が取得された場合に、通信装置により他の景品取得ゲーム装
置に取得信号を送信する取得信号送信部と、発光部を所定のパターンで発光させる演出を
実行する演出実行部と、を有するとともに、通信装置が他の景品取得ゲーム装置から取得
信号を受信したことに基づいて演出を実行するものである。制御装置は、演出の実行を開
始するタイミングである演出開始タイミングを、該制御装置を備える景品取得ゲーム装置
に設定された装置IDに基づいて決定する。
【0009】
上記構成によれば、景品取得ゲーム装置は、自身に設定された装置IDに基づいて演出
開始タイミングを決定する。したがって、アミューズメント施設等の管理者は、各景品取
得ゲーム装置に設定する装置IDを適宜選択するこという簡便な作業によって、各景品取
得ゲーム装置の演出開始タイミングを設定することができる。この結果、アミューズメン
ト施設等における景品取得ゲーム装置の種々の設置態様に対応して、容易に適切なタイミ
ングで演出を実行させることが可能になる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、種々の設置態様に対応して、容易に適切なタイミングで演出を実行さ
せることが可能な景品取得ゲーム装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施形態に係る景品取得ゲーム装置の設置状態を示す斜視図である。
【
図4】景品取得ゲーム装置が設置されたアミューズメント施設の見取図である。
【
図6】景品取得ゲーム装置が設置されたアミューズメント施設の見取図である。
【
図7】制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図8】制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。
【
図10】景品取得ゲーム装置が設置されたアミューズメント施設の見取図である。
【
図11】景品取得ゲーム装置が設置されたアミューズメント施設の見取図である。
【
図12】他の実施形態における設定用パネルを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易
にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、
重複する説明は省略する。
【0013】
まず、
図1を参照しながら、実施形態に係る景品取得ゲーム装置1(以下、単に「ゲー
ム装置1」とも称する)の構成について説明する。
図1は、実施形態に係るゲーム装置1
の設置状態を示す斜視図である。
【0014】
図1は、ゲーム装置1を幅方向及び奥行方向に2機ずつ並べて設置した状態を示してい
る。ゲーム装置1は、アミューズメント施設Aの床面に載置される。ゲーム装置1は、稼
働時は当該床面に固定されるものの、アミューズメント施設Aのレイアウト変更の際など
には管理者によって適宜移動させることができるように構成されている。
【0015】
ゲーム装置1の筐体10の一側部には、操作受付部21が設けられている。プレイヤは
、ゲーム装置1において景品取得ゲームをプレイする際に、操作受付部21に対して入力
操作を行う。
【0016】
尚、本願では、操作受付部21が設けられる一側部と正対するように筐体10を見て、
手前側を正面側と称し、奥側を背面側と称する。また、正面側から背面側に向かう方向を
奥行方向と称し、奥行方向と直交する水平方向を幅方向と称する。
【0017】
ゲーム装置1の筐体10は、機能部2及び収容部3を備えている。機能部2は、筐体1
0の下部に設けられ、ゲーム装置1を稼働させる種々の電子機器が収容されている部分で
ある。
【0018】
収容部3は、透明なアクリル樹脂によって形成されており、景品Gを収容する収容空間
30を区画形成している。収容空間30は、略直体形状を呈する空間である。収容空間3
0の底面には、穴31が形成されている。穴31は、機能部2に開設されている取出口2
2と連通している。
【0019】
尚、本願における「透明」の意味は、入射した光を損失無く透過させる媒体の性質に限
定されるものではない。すなわち、本願における「透明」の意味には、入射した光の一部
を吸収する媒体の性質である所謂「半透明(乳白色)」も含まれる。
【0020】
収容空間30には、クレーン4が配置されている。クレーン4は不図示のアクチュエー
タを有しており、収容空間30において奥行方向、幅方向及び鉛直方向に移動することが
できる。クレーン4は、吊り下げられる本体41と、本体41から延びるアーム42,4
2と、を有している。本体41は、アーム42,42を、互いに接近及び離反するように
移動させることにより、景品Gの把持及び解放を行うことができる。
【0021】
このようなゲーム装置1がプレイヤに提供する景品取得ゲームは、操作受付部21に対
するプレイヤの入力操作(以下「プレイヤ操作」とも称する。)に基づいてクレーン4を
移動させ、収容空間30に収容されている景品Gを取得するものである。以下、本景品取
得ゲームのシーケンスについて簡単に説明する。
【0022】
ゲーム装置1は、不図示の硬貨投入口に所定枚数の硬貨が投入されたことをトリガとし
て、プレイヤ操作の待機を開始する。後述するように、操作受付部21には、第1ボタン
211及び第2ボタン212が設けられている(
図2参照)。ゲーム装置1は、硬貨投入
口に硬貨が投入されると、まず第1ボタン211の押下を待機する。
【0023】
プレイヤが手指で第1ボタン211を押下すると、クレーン4は、収容空間30で初期
位置から幅方向に移動する。クレーン4は、第1ボタン211が押下されている間移動し
、プレイヤが第1ボタン211から手指を離すと停止する。クレーン4が停止すると、ゲ
ーム装置1は、次に第2ボタン212の押下を待機する。
【0024】
プレイヤが手指で第2ボタン212を押下すると、クレーン4は、収容空間30で奥行
方向に移動する。クレーン4は、第2ボタン212が押下されている間移動し、プレイヤ
が第2ボタン212から手指を離すと停止する。
【0025】
次に、クレーン4は、アーム42,42を互いに離間させた状態で降下する。そして、
クレーン4は、景品Gの近傍で停止すると、アーム42,42を互いに接近させる。アー
ム42,42が景品Gの適切な部位と当接していれば、クレーン4は景品Gを把持するこ
とができる。
【0026】
次に、クレーン4は、上昇し、前述した初期位置まで戻る。当該初期位置においてクレ
ーン4がアーム42,42を互いに離反させると、それまで把持していた景品Gが開放さ
れて穴31に落下する。プレイヤは、機能部2に開設されている取出口22を介して当該
景品を受け取ることができる。
【0027】
図2を参照しながらゲーム装置1の構成について詳細に説明する。
図2は、ゲーム装置
1を示す斜視図である。
【0028】
ゲーム装置1の筐体10は、その中央部を境として幅方向に略面対称となるように構成
されている。このため、ゲーム装置1の筐体10は、最大で2人のプレイヤが同時にプレ
イすることができる。ゲーム装置1を構成する複数の部材のうち、同一の機能を有するも
のについては同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0029】
操作受付部21は、第1ボタン211、第2ボタン212及び設定用パネル213を有
している。
【0030】
第1ボタン211及び第2ボタン212は公知の入力機器であり、押下されることによ
って操作信号を送信する。プレイヤは、第1ボタン211を押下することにより、クレー
ン4を幅方向に移動させることができる。また、プレイヤは、第2ボタン212を押下す
ることにより、クレーン4を奥行方向に移動させることができる。
【0031】
設定用パネル213は、種々の情報を表示するとともに、アミューズメント施設Aの管
理者やユーザからの入力操作を受け付ける機器である。例えば、設定用パネル213とし
て、静電容量方式のタッチパネルを採用することができる。
【0032】
機能部2の内部には制御装置23、通信装置24、景品取得センサ25(
図3参照)、
及びエラー検知センサ26(
図3参照)が配置されている。
【0033】
制御装置23は、所謂ECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)であり、不
図示の電子素子を複数搭載している。制御装置23は、操作受付部21から受信する操作
信号に基づいてクレーン4のアクチュエータ等に制御信号を送信し、それらの動作を制御
する。また、後述するように、制御装置23は、電飾部8や発光ユニット9に制御信号を
送信し、それらの動作を制御する。
【0034】
通信装置24は、信号の送受信を行う機器である。通信装置24は、所定のプロトコル
に従って、同一のアミューズメント施設Aに設置された他のゲーム装置1の通信装置24
と無線通信を行う。尚、信号の送受信は、無線通信に限らず、CANバス等を用いた有線
通信により行ってもよい。
【0035】
景品取得センサ25は、景品Gが収容空間30から取出口22に排出されたことを検知
する機器である。すなわち、景品取得センサ25は、前述した景品取得ゲームによって景
品Gが取得されたことを検知する。景品取得センサ25は、景品Gが取得されたことに基
づいて検知信号を送信する。
【0036】
エラー検知センサ26は、ゲーム装置1に生じた異常の検知に用いられる機器である。
エラー検知センサ26が検知可能な異常には、収容空間30の景品Gが尽きたことや、穴
31における景品Gの詰まり、硬貨投入口における硬貨の詰まり等がある。すなわち、エ
ラー検知センサ26は、ゲーム装置1において景品Gの取得が不能になったことを検知す
る。エラー検知センサ26は、景品Gの取得が不能になったことに基づいて検知信号を送
信する。
【0037】
収容部3の上方には、電飾部8が配置されている。電飾部8は、筐体10の外部に光を
発する発光部である。電飾部8は、不図示の複数の発光ダイオードが、幅方向に直線状に
並ぶように配置されている。当該発光ダイオードは、受信する信号に応じて、発光色が少
なくとも赤/緑/青に変化する所謂フルカラーLEDである。当該発光ダイオードが発し
た光は、発光ダイオードの正面側に配置された導光部材の内部で反射しながら正面側に導
かれ、導光部材の端部から出射する。尚、光源は発光ダイオードに限られず、冷陰極管な
ど他の形態の光源を用いることも可能である。
【0038】
収容部3は、正面板5と、側面板6とを有している。
【0039】
正面板5は、正面側における収容空間30の端部を区画する部材である。正面板5は、
第1正面板51及び第2正面板52を有している。第1正面板51及び第2正面板52は
、いずれも、透明なアクリル樹脂によって形成されている。
【0040】
第1正面板51及び第2正面板52は、いずれも幅方向にスライド移動可能に配置され
ている。また、第1正面板51は、第2正面板52よりも背面側に配置されている。すな
わち、正面板5は、幅方向に開閉する引違い戸である。アミューズメント施設Aの管理者
は、この正面板5を開くことによって収容空間30を開放し、景品Gの補充や、クレーン
4のメンテナンスを行うことができる。
【0041】
側面板6は、幅方向における収容空間30の端部を区画する部材である。側面板6は、
透明なアクリル樹脂によって形成されている。側面板6の正面側の端部は、曲げ加工が施
されており、平面視で略L字形状を呈している。すなわち、側面板6は、側面部61及び
正面部63と、側面部61と正面部63とを連結するように屈曲する屈曲部62と、を有
している。
【0042】
側面板6の背面側端部には、発光ユニット9(
図3参照)が配置されている。発光ユニ
ット9は複数の発光ダイオードを有している。複数の発光ダイオードは、側面部61の背
面側端部と対向するとともに、発した光が側面部61の内部に入射するように配置されて
いる。側面部61の内部に入射した光は反射しながら正面側に導かれ、屈曲部62や正面
部63から出射する。すなわち、屈曲部62及び正面部63は、筐体10の外部に光を発
する発光部である。
【0043】
図3を参照しながら制御装置23について詳述する。
図3は、制御装置23の構成を示
すブロック図である。制御装置23は、その一部又は全部が、アナログ回路で構成される
か、デジタルプロセッサとして構成される。いずれにしても、受信した信号に基づいて制
御信号を送信する機能を果たすため、制御装置23には機能的な制御ブロックが構成され
る。
【0044】
図3は、制御装置23を機能的な制御ブロック図として示している。尚、制御装置23
を構成するアナログ回路又はデジタルプロセッサに組み込まれるソフトウェアのモジュー
ルは、必ずしも
図3に示される制御ブロックのように分割されている必要はない。すなわ
ち、実際のアナログ回路やモジュールは、
図3に示される複数の制御ブロックの働きをす
るものとして構成されていても構わず、更に細分化されていても構わない。後述する処理
を実行できるように構成されていれば、制御装置23の実際の構成は当業者が適宜変更で
きる。
【0045】
制御装置23は、第1ボタン211、第2ボタン212、設定用パネル213、景品取
得センサ25、及びエラー検知センサ26と接続され、それらから操作信号や検知信号を
受信可能に構成されている。また、制御装置23は、クレーン4、電飾部8、発光ユニッ
ト9とも接続され、それぞれに制御信号を送信可能に構成されている。さらに、制御装置
23は、通信装置24とも接続され、相互に信号を送受信可能に構成されている。
【0046】
制御装置23は、クレーン制御部231と、演出実行部232と、エラー報知実行部2
33と、記憶部234と、を有している。
【0047】
クレーン制御部231は、クレーン4の動作を制御する機能部である。具体的には、ク
レーン制御部231は、第1ボタン211及び第2ボタン212から受信する操作信号に
基づいて所定の演算を行い、制御信号を生成する。クレーン制御部231は、この制御信
号をクレーン4のアクチュエータに送信するとともに、当該アクチュエータに所定の動作
を行わせることによってクレーン4を制御する。
【0048】
演出実行部232は、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを発光
させる機能部である。また、演出実行部232は、景品取得センサ25から検知信号を受
信した場合に、取得信号を生成するとともに、当該取得信号を通信装置24によって他の
ゲーム装置1に送信する。
【0049】
演出実行部232は、景品取得センサ25から検知信号を受信した場合に、電飾部8及
び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパターンで発光させる演出を実行
する。さらに、演出実行部232は、通信装置24が他のゲーム装置1から取得信号を受
信した場合にも、電飾部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパタ
ーンで発光させる演出を実行する。
【0050】
エラー報知実行部233は、電飾部8に制御信号を送信し、電飾部8を発光させる機能
部である。また、エラー報知実行部233は、エラー検知センサ26から検知信号を受信
した場合に、エラー信号を生成するとともに、当該エラー信号を通信装置24によって他
のゲーム装置1に送信する。
【0051】
エラー報知実行部233は、他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場合に、電飾
部8及び発光ユニット9に制御信号を送信し、それらを所定のパターンで発光させるエラ
ー報知を実行する。
【0052】
記憶部234は、種々の情報を記憶する部分であり、例えば不揮発性メモリによって構
成される。記憶部234にはマップ等の情報が予め記憶されている。当該情報はクレーン
制御部231等によって読み出され、所定の演算に用いられる。また、記憶部234は、
設定用パネル213によって設定されるグループ番号を記憶することができる。グループ
番号については後述する。
【0053】
以上の説明のように構成されたゲーム装置1は、自機又は同一のアミューズメント施設
Aに設置された他のゲーム装置1において景品Gが取得されたことに基づいて、演出を実
行する。当該演出は、景品Gを取得したプレイヤの達成感を増幅させたり、景品取得ゲー
ム装置の周囲に居るプレイヤ候補のプレイ意欲を喚起したりすることを目的として行われ
る。
【0054】
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1に設定されたグループ
番号に基づいて、演出の実行を開始するタイミング(以下、当該タイミングを「演出開始
タイミング」とも称する。)を決定する。グループ番号は、本発明における「装置ID」
に相当し、ゲーム装置1の管理者が任意に設定できるものである。また、グループ番号は
、同一のものを複数のゲーム装置1に設定することができるし、1機のゲーム装置のみに
設定することもできる。
【0055】
図4乃至
図6を参照しながらグループ番号の設定について説明する。
図4は、ゲーム装
置1が設置されたアミューズメント施設Aの見取図である。
図5は、ゲーム装置1にグル
ープ番号を設定する際の設定用パネル213を示す模式図である。
図6は、グループ番号
が設定されたゲーム装置1が設置されたアミューズメント施設Aの見取図である。
【0056】
図4に示されるように、アミューズメント施設Aには、管理者が待機する場所であるカ
ウンターの他、28機のゲーム装置1が設置されている。
図4は、所定の配列で設置され
ているゲーム装置1を、符号1A~1Dによって示している。具体的には、カウンターか
ら見てアミューズメント施設Aの最も奥側の位置において、一列に配列されている6機の
ゲーム装置1が、符号1Dによって示されている。また、2行×2列で配列されている2
0機のゲーム装置1が、アミューズメント施設Aの奥側のものから順に符号1B,1C,
1Dによって示されている。また、背面を対向させるように配列され、カウンターの近傍
に設置された2機のゲーム装置1が、符号1Eによって示されている。
【0057】
図4は、各ゲーム装置1にグループ番号が設定されていない状態を示している。アミュ
ーズメント施設Aの管理者は、各ゲーム装置1に演出を実行させるにあたり、各ゲーム装
置1にグループ番号を設定する。
【0058】
管理者は、グループ番号の設定を開始するために、複数のゲーム装置1Aのうちの1機
であるゲーム装置1A0において、アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装
置1に実行させるモードの切替操作を行う。具体的には、管理者は、ゲーム装置1A0の
設定用パネル213に対して所定の入力操作を行うことにより、全てのゲーム装置1に「
グループ番号設定モード」の実行を開始させることができる。このグループ番号設定モー
ドは、本発明における「ID設定モード」に相当するモードである。
【0059】
管理者による入力操作を受け付けたゲーム装置1A0の制御装置23は、通信装置24
によって他のゲーム装置1にモード切替信号を送信する。これにより、ゲーム装置1A0
、及び、モード切替信号を受信した他のゲーム装置1の制御装置23が実行するモードが
、他のモードからグループ番号設定モードに切り替えられる。
【0060】
グループ番号設定モード実行中の各ゲーム装置1の制御装置23は、設定用パネル21
3に、当該ゲーム装置1に設定可能なグループ番号を表示させる。
図5に示される例では
、アイコン状のグループ番号I~VIIIが、管理者にグループ番号の設定を促すメッセ
ージとともに設定用パネル213に表示されている。管理者は、アミューズメント施設A
を移動しながら、各ゲーム装置1の設定用パネル213に対して入力操作し、当該ゲーム
装置1に設定するグループ番号を設定する。詳細には、管理者は、各ゲーム装置1に設定
するグループ番号に対応するアイコンを手指で押すことにより、当該ゲーム装置1に設定
するグループ番号を選択する。選択されたグループ番号は、各ゲーム装置1の記憶部23
4に記憶される。
【0061】
以下、
図6に示されるようにグループ番号が設定された場合を例にとって説明する。図
6は、各ゲーム装置1に設定されたグループ番号を、各ゲーム装置1と重畳させて示して
いる。すなわち、ゲーム装置1A~1Dには、グループ番号I~IVが順に設定されてい
る。また、ゲーム装置1Eには、ゲーム装置1Dと同様にグループ番号IVが設定されて
いる。
【0062】
図7乃至
図10を参照しながら、各ゲーム装置1が実行する演出について説明する。図
7及び
図8は、制御装置23が実行する処理を示すフローチャートである。
図9は、演出
を説明するタイムチャートである。
図10は、演出を実行しているゲーム装置1が設置さ
れたアミューズメント施設Aの見取図である。尚、簡便のため、詳細には制御装置23の
演出実行部232等の各機能部において実行している処理も、総括して制御装置23が実
行するものとして説明する。
【0063】
制御装置23は、ゲーム装置1の稼働時、
図7に示される処理を実行する。まず、制御
装置23は、ステップS11で、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品G
が取得されたか否かを判定する。具体的には、制御装置23は、景品取得センサ25から
検知信号を受信したか否かを判定する。当該ゲーム装置1において景品Gが取得されたと
判定した場合(S11:YES)、制御装置23は、ステップS12の処理に進む。
【0064】
次に、制御装置23は、ステップS12で、取得信号を生成して送信する。この取得信
号には、当該制御装置23を備えるゲーム装置1に設定されているグループ番号に対応す
るデータが付加されている。制御装置23は、通信装置24により他のゲーム装置1に取
得信号を送信する。
【0065】
次に、制御装置23は、ステップS13で、演出の実行を開始する。具体的には、制御
装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を開始し、両者を所定のパ
ターンで発光させる。当該発光パターンとしては、所定周期の点滅や、発光色の変化等、
種々の形態を採用することができる。これにより、電飾部8、屈曲部62及び正面部63
が筐体10の外部に光を発する。
【0066】
次に、制御装置23は、ステップS14で、演出の実行開始から時間Ttが経過したか
否かを判定する。当該時間Ttは、予め定められた値である。制御装置23は、演出の実
行開始から時間Ttが経過したと判定した場合、ステップS15の処理に進む。
【0067】
次に、制御装置23は、ステップS15で、演出の実行を停止する。具体的には、制御
装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を停止し、両者の発光を停
止させる。
【0068】
このように、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品G
が取得された場合、
図7のステップS12以降の処理を実行する。一方、他のゲーム装置
1において景品Gが取得された場合に制御装置23が実行する処理について、
図8を参照
しながら説明する。
【0069】
まず、制御装置23は、ステップS21で、通信装置24が他のゲーム装置1から取得
信号を受信したか否かを判定する。制御装置23は、通信装置24が他のゲーム装置1か
ら取得信号を受信したと判定した場合(S21:YES)、ステップS22の処理に進む
。
【0070】
次に、制御装置23は、ステップS22で、当該制御装置23を備えるゲーム装置1に
よる演出開始タイミングを決定する。ここでは、演出実行部232が、記憶部234に記
憶されているグループ番号を読み出すとともに、当該グループ番号に基づいて所定の演算
を行うことにより、演出開始タイミングを決定する。すなわち、演出開始タイミングは、
グループ番号に対応したものになる。
【0071】
次に、制御装置23は、ステップS23で、演出開始タイミングが到来したか否かを判
定する。制御装置23は、演出開始タイミングが到来するまで、演出の実行を開始するこ
となく待機する(S21:NO)。そして、制御装置23は、演出開始タイミングが到来
したと判定した場合(S21:YES)、ステップS24の処理に進む。
【0072】
次に、制御装置23は、ステップS24で、演出の実行を開始する。具体的には、制御
装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を開始し、両者を所定のパ
ターンで発光させる。当該発光パターンは、前述したステップS13における発光パター
ンと同一であってもよいし、異なるものであってもよい。これにより、電飾部8、屈曲部
62及び正面部63が筐体10の外部に光を発する。
【0073】
次に、制御装置23は、ステップS25で、演出の実行開始から時間Tpが経過したか
否かを判定する。当該時間Tpは、予め定められた値である。制御装置23は、演出の実
行開始から時間Tpが経過したと判定した場合(S25:YES)、ステップS26の処
理に進む。
【0074】
次に、制御装置23は、ステップS26で、演出の実行を停止する。具体的には、制御
装置23は、電飾部8及び発光ユニット9への制御信号の送信を停止し、両者の発光を停
止させる。
【0075】
図9は、I~IVの各グループ番号が設定されたゲーム装置1における演出の実行状態
を示すタイムチャートである。ここでは、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1
Cのいずれかにおいて景品Gが取得された場合が示されている。
【0076】
時刻t11で、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cのいずれかにおいて景
品Gが取得されると、当該ゲーム装置1Cの制御装置23は、他のゲーム装置1に取得信
号を送信する(以下、景品Gが取得されたゲーム装置1Cを「ゲーム装置1Cg」と称し
、他のゲーム装置1Cを「ゲーム装置1Cn」と称する。)。ゲーム装置1Cgの制御装
置23は、この時刻t11に演出の実行を開始する。
【0077】
一方、ゲーム装置1Cnの制御装置23は、ゲーム装置1Cgから受信した取得信号に
基づいて演出開始タイミングを決定する。ここでは、当該制御装置23は、同じグループ
番号IIIが設定されたゲーム装置1Cgにおいて景品Gが取得されたことから、演出開
始タイミングを時刻t11に設定する。すなわち、グループ番号IIIが設定されたゲー
ム装置1Cは、同一タイミングで演出の実行を開始する。
【0078】
グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aの制御装置23は、時刻t11にゲーム装
置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t11に決定する
。すなわち、グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aは、グループ番号IIIが設定
されたゲーム装置1Cと同一タイミングで演出の実行を開始する。
【0079】
グループ番号IIが設定されたゲーム装置1Bの制御装置23は、時刻t11にゲーム
装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t11から時間
Ti経過後の時刻t12に決定する。当該時間Tiは予め定められた値である。これによ
り、グループ番号IIが設定されたゲーム装置1Bでは、グループ番号I,IIIが設定
されたゲーム装置1A,1Cから時間Tiだけ遅れたタイミングで演出の実行が開始され
る。
【0080】
尚、グループ番号Iが設定されたゲーム装置1Aにおいて景品Gが取得された場合、グ
ループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cの制御装置23は、演出開始タイミングを
時刻t13に決定する。時刻t13は、時刻t12から時間Ti経過後の時刻である。図
9に示される例では、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cは、時刻t13に
おいても演出の実行を継続している。
【0081】
グループ番号IVが設定されたゲーム装置1D,1Eの制御装置23は、時刻t11に
ゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて、演出開始タイミングを時刻t13か
ら時間Ti経過後の時刻t14に決定する。これにより、グループ番号IVが設定された
ゲーム装置1D,1Eでは、グループ番号I,IIIが設定されたゲーム装置1A,1C
から遅れたタイミングで演出の実行が開始される。
【0082】
グループ番号I,II,IVが設定されたゲーム装置1A,1B,1D,1Eの制御装
置23は、いずれも演出の実行開始から時間Tpが経過したことに基づいて、演出の実行
を停止する。これに対し、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cの制御装置2
3は、演出の実行開始から時間Ttが経過したことに基づいて、演出の実行を停止する。
時間Ttは、時間Tpよりも大きい値である。
【0083】
尚 、ゲーム装置1Cgにおいて景品Gが取得された場合に、ゲーム装置1Cgのみ、
その演出開始タイミングを、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置1Cとは異
ならせてもよい。すなわち、景品Gが取得されたゲーム装置1Cgのみ、演出開始タイミ
ングを時刻t11に設定するとともに、演出の実行開始から時間Ttが経過したことに基
づいて、演出の実行を停止する。一方、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置
1Cの制御装置23は、時刻t11にゲーム装置1Cgから受信した取得信号に基づいて
、演出開始タイミングを時刻t11から時間Ti経過後の時刻t13に決定する。これに
より、グループ番号IIIが設定された他のゲーム装置1Cでは、グループ番号IIが設
定されたゲーム装置1Bから時間Tiだけ遅れたタイミングで演出の実行が開始される。
【0084】
ゲーム装置1Cの制御装置23が演出の実行を停止する時刻t16は、ゲーム装置1A
,1B,1D,1Eの制御装置23が演出の実行を停止するタイミングよりも後である。
すなわち、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cでは、他のグループ番号が設
定されたゲーム装置1A,1B,1D,1Eよりも長時間にわたって演出が実行される。
【0085】
このように演出開始タイミングを決定することにより、
図10に矢印で示されるように
、グループ番号IIIが設定されたゲーム装置1Cにおける演出実行中に、アミューズメ
ント施設Aの奥側に設置されているゲーム装置1Aから、カウンター側に設置されている
ゲーム装置1D,1Eにかけて、順に景品獲得演出の実行を開始する。これにより、アミ
ューズメント施設Aにおいて光が移動するかのような演出を実行することができる。すな
わち、アミューズメント施設Aに設置された複数のゲーム装置1を用いて、一体感や規則
性に富んだ演出を実行することができる。
【0086】
尚、制御装置23が演出の実行を開始するタイミングは、景品Gの取得時に限られない
。例えば、景品取得ゲームの開始時(つまり、ゲーム装置1への所定の料金の支払い時)
や、プレイヤからのボタン操作の受付時、予め設定された回数プレイされても景品Gが取
得されなかった場合、設定時間の到来を含む所定の時間条件の成立時等、種々のタイミン
グで演出の実行を開始してもよい。この場合、景品取得ゲームの開始やボタン操作受付等
については、各ゲーム装置1の制御装置23が、そのタイミングの到来を判定する。また
、所定の時間条件の成立については、各ゲーム装置1のうちいずれか1機のゲーム装置1
の制御装置23がそのタイミングの到来を判定し、他のゲーム装置1に信号を送信する。
【0087】
また、各ゲーム装置1は、アミューズメント施設Aに設置されたいずれかのゲーム装置
1において異常が発生した場合に、当該異常を管理者に報知するためのインジケータ機能
を有している。ここで、ゲーム装置1において異常が発生した場合とは、各ゲーム装置1
のクレーン4等の機構に異常が発生して景品取得ゲームをプレイできない場合や、収容空
間30内に景品Gが無くなったために景品取得ゲームを提供できない場合等が挙げられる
。
【0088】
例えば、
図11に示されるように、1機のゲーム装置1Aにおいて景品Gの取得が不能
になった場合について説明する。カウンターに最も近いゲーム装置1E0の制御装置23
のみ、管理者によって予めインジケータ機能が有効とされている。
【0089】
この場合、1機のゲーム装置1Aにおいて景品Gの取得が不能になると、当該ゲーム装
置1Aの制御装置23は、当該ゲーム装置1Aの電飾部8によってエラー報知を実行する
とともに、ゲーム装置1E0にエラー信号を送信する。ゲーム装置1E0の制御装置23
は、ゲーム装置1Aから受信したエラー信号に基づいてエラー報知を実行する。
【0090】
アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装置1でエラー報知を実行すると、
演出の美観を損なうおそれがある。この点、本形態では、管理者が予めインジケータ機能
を有効にしているゲーム装置1E0のみでエラー報知を実行することにより、演出の美観
を保護することが可能になる。
【0091】
ゲーム装置1E0の制御装置23は、エラー報知として、演出の実行時とは異なるパタ
ーンで、電飾部8を発光させる。
図11に示される例では、制御装置23は、電飾部8に
配置されている複数の発光ダイオードのうち、幅方向両端部に配置された一部の発光ダイ
オードのみを発光させている。また、当該発光ダイオードの発光色も、演出の実行時のも
のとは異なる。
【0092】
さらに、ゲーム装置1E0の制御装置23は、ゲーム装置1E0の設定用パネル213
に、異常が発生したゲーム装置1Aを特定する情報を表示する。管理者が異常に気付き、
異常が発生したゲーム装置1Aのメンテナンス等が行われると、ゲーム装置1Aの制御装
置23は、ゲーム装置1E0にメンテナンス完了信号を送信する。ゲーム装置1E0の制
御装置23は、ゲーム装置1E0から受信したメンテナンス完了信号に基づいて、エラー
報知の実行を停止する。なお、異常が発生したゲーム装置1Aを特定する情報の報知は、
設定用パネル213による報知に限らず、電飾部8に配置されている複数の発光ダイオー
ドの発光パターンや発光色で報知してもよい。
【0093】
また、異常が発生したゲーム装置1Aの制御装置23は、エラー報知よりも演出を優先
的に実行する。そして、ゲーム装置1E0の制御装置23は、演出よりもエラー報知を優
先的に実行する。具体的には、ゲーム装置1E0の制御装置23は、演出実行中にゲーム
装置1Aからエラー信号を受信した場合は、当該演出を中断してエラー報知の実行を開始
する。以上の処理により、ゲーム装置1E0でエラー報知がなされることで、カウンター
から離れたゲーム装置1Aにおいて異常が発生した場合であっても、カウンターに常駐す
る管理者が容易に異常に気付くことができ、稼働不能による機会損失を少なくすることが
できる。
【0094】
続いて、本実施形態のゲーム装置1が奏する効果について説明する。
【0095】
ゲーム装置1は、自身に設定されたグループ番号(装置IDに相当)に基づいて、演出
開始タイミングを決定する。したがって、アミューズメント施設Aの管理者は、各ゲーム
装置1に設定するグループ番号を適宜選択するという簡便な作業によって、各ゲーム装置
1の演出開始タイミングを設定することができる。この結果、アミューズメント施設Aに
おけるゲーム装置1の種々の設置態様に対応して、容易に適切なタイミングで演出を実行
させることが可能になる。
【0096】
また、制御装置23は、演出開始タイミングを、グループ番号毎に異ならせる。この構
成によれば、アミューズメント施設Aにおいて光が移動するかのような演出を実行し、そ
の効果を高めることが可能になる。
【0097】
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gが取得
されたことに基づいて演出を実行するものである。制御装置23は、当該ゲーム装置1に
おいて景品Gが取得された場合は、他のゲーム装置1から取得信号を受信した場合よりも
演出開始タイミングを早める。この構成によれば、景品Gを取得したプレイヤの達成感を
迅速かつ効果的に増幅させることが可能になる。
【0098】
また、制御装置23は、当該制御装置23を備えるゲーム装置1において景品Gの取得
が不能になった場合に、通信装置24により他のゲーム装置1にエラー信号を送信するエ
ラー報知実行部233(エラー信号送信部に相当)を有する。制御装置23は、通信装置
24が他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場合に、演出の実行時とは異なるパタ
ーンで電飾部8、屈曲部62及び正面部63(発光部に相当)を発光させるエラー報知を
実行する。この構成によれば、景品Gの取得が不能になった場合に、演出の実行時とは異
なるパターンで電飾部8、屈曲部62及び正面部63を発光させることにより、アミュー
ズメント施設Aの管理者に、点検や修理等の必要性を確実に認識させることが可能になる
。
【0099】
また、制御装置23は、通信装置24が他のゲーム装置1からエラー信号を受信した場
合に、演出よりもエラー報知を優先的に実行する。この構成によれば、アミューズメント
施設Aの管理者に、点検や修理等を迅速に促すことが可能になる。
【0100】
また、制御装置23は、グループ番号の設定を受け付けるグループ番号設定モード(「
ID設定モード」に相当)と、他のモードと、を実行する。制御装置23は、他のゲーム
装置1からモード切替信号を受信した場合に、他のモードからグループ設定モードに切り
替える。この構成によれば、アミューズメント施設Aに設置された全てのゲーム装置1の
グループ番号の設定を開始する際に、1機のゲーム装置1から他のゲーム装置1にモード
切替信号を送信させることにより、全てのゲーム装置1をグループ番号設定モードに切り
替えることが可能になる。
【0101】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこ
れらの具体例に限定されない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加え
たものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体
例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定
されず、適宜変更することができる。
【0102】
図5を参照しながら説明したように、上記実施形態に係るゲーム装置1は、設定用パネ
ル213に表示されたアイコン状のグループ番号I~VIIIを管理者が手指で触れてグ
ループ番号を設定するように構成されている。しかしながら、本発明はこの形態に限定さ
れない。
【0103】
例えば、グループ番号設定モードにおいて、各ゲーム装置1の設定用パネル213に図
12に示されるアイコンを表示させてもよい。当該表示は、グループ番号を追加しながら
各ゲーム装置1にグループ番号を設定することを管理者に促すものである。具体的には、
管理者は、同一のグループ番号を設定したいゲーム装置1において、「前と同じグループ
番号」アイコンを押す。例えば、管理者が6機のゲーム装置1Aにグループ番号Iを設定
したい場合は、移動しながらゲーム装置1Aにおいて「前と同じグループ番号」アイコン
を押す。次に、管理者が8機のゲーム装置1Bにグループ番号IIを設定したい場合は、
まず1機のゲーム装置1Bにおいて「新規グループ番号」を押す。次に、管理者は移動し
ながら残り7基のゲーム装置1Bにおいて「前と同じグループ番号」を押す。
【符号の説明】
【0104】
1,1A,1B,1C,1D,1E:景品取得ゲーム装置
4:クレーン(景品取得部)
8:電飾部(発光部)
23:制御装置
24:通信装置
30:収容空間
62:屈曲部(発光部)
63:正面部(発光部)
213:設定用パネル(ID設定部)
232:演出実行部
233:エラー報知実行部(エラー信号送信部)
【手続補正書】
【提出日】2023-04-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤ操作に基づいて景品を取得する景品取得ゲーム装置であって、
景品を収容する収容空間を有する筐体と、
前記収容空間において景品の取得動作を行う景品取得部と、
前記筐体の外部に光を発する発光部と、
他の景品取得ゲーム装置との間で信号の送受信を行う通信装置と、
前記発光部の発光を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、
該制御装置を備える景品取得ゲーム装置において設定時間の到来を含む所定の時間条件が成立した場合に、前記通信装置により他の景品取得ゲーム装置に前記所定の時間条件が到来したことを示す信号を送信する信号送信部と、
前記発光部を所定のパターンで発光させる演出を実行する演出実行部と、を有するとともに、
前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置から前記信号を受信したことに基づいて前記演出を実行するものであり、
前記景品取得ゲーム装置において前記所定の時間条件が成立した場合は、前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置から前記信号を受信した場合よりも前記演出開始タイミングを早めること
を特徴とする景品取得ゲーム装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
装置IDの設定を受け付けるID設定モードと、他のモードと、を実行し、
前記通信装置が他の景品取得ゲーム装置からモード切替信号を受信した場合に、前記他のモードから前記ID設定モードに切り替えること、および、
前記演出の実行を開始するタイミングである演出開始タイミングを、該制御装置を備える景品取得ゲーム装置に設定された前記装置IDに基づいて決定すること
を特徴とする請求項1に記載の景品取得ゲーム装置。