(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080446
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/42 20060101AFI20230602BHJP
A61F 13/511 20060101ALI20230602BHJP
A61F 13/537 20060101ALI20230602BHJP
A61F 13/539 20060101ALI20230602BHJP
A61F 13/535 20060101ALI20230602BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20230602BHJP
A61F 13/15 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
A61F13/42 B
A61F13/511 100
A61F13/511 500
A61F13/537 200
A61F13/537 310
A61F13/539
A61F13/535 200
A61F13/53 300
A61F13/15 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193789
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱野 椋子
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200AA13
3B200BA02
3B200BA04
3B200BA16
3B200BB05
3B200BB20
3B200CA02
3B200CA11
3B200DA13
3B200DB05
3B200DC06
3B200DF02
(57)【要約】
【課題】トップシート側から体液吸収量を判定可能な吸収性物品の提供。
【解決手段】液透過性のトップシート10と、液不透過性のバックシート30と、これらの間に配置される吸収体20とを備え、トップシート10は、吸収体20の色の変化を視認可能であり、トップシート10と吸収体20との間に配置され、吸収体20の少なくとも肌側表面を覆う被覆シート70と、トップシート10の肌側表面を長手方向に延びて、非肌側に凹んで吸収体20の内部まで達し、トップシート10及び被覆シート70が内部空間に入り込んだエンボス溝60とをさらに有し、覆シート70には着色エリア71が設けられ、着色エリア71は、体液の吸収により吸収体20中に拡散する水溶性着色剤及び水溶性バインダーを含み、エンボス溝60の底面には、トップシート10と、着色エリア71と、吸収体20とが接合した接合領域72を有する、吸収性物品。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記トップシートは、前記吸収体の色の変化を視認可能であり、
前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、前記吸収体の少なくとも肌側表面を覆う被覆シートと、
前記トップシートの肌側表面を長手方向に延びて、非肌側に凹んで前記吸収体の内部まで達し、前記トップシート及び前記被覆シートが内部空間に入り込んだエンボス溝と、をさらに有し、
前記被覆シートには着色エリアが設けられ、前記着色エリアは、体液の吸収により前記吸収体中に拡散する水溶性着色剤と、水溶性バインダーと、を含み、
前記エンボス溝の底面には、前記トップシートと、前記着色エリアと、前記吸収体とが接合した接合領域を有する、吸収性物品。
【請求項2】
前記着色エリアの厚さ方向非肌側に配置され、前記水溶性着色剤の体液吸収による前記吸収体中への拡散を促進する拡散促進部をさらに有する、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記拡散促進部が、前記吸収体の肌側表面を長手方向に延び、非肌側に凹むように設けられた1又は複数の凹溝である、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記拡散促進部が、前記エンボス溝の底面において、前記着色エリアの非肌側に設けられ、坪量が前記吸収体中のその他の領域よりも低い低坪量領域であり、前記トップシートと前記着色エリアと前記低坪量領域とが接合されて前記接合領域を形成している、請求項2又は請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記接合領域における接合強度が0Nより大きく0.2N以下である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記着色エリアは、着色部と非着色部とから構成されている、請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記着色部と前記非着色部とが、長手方向、幅方向及又はこれらの方向に交差する斜め方向に、交互に配置されている、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記被覆シートは、親水性不織布又はパルプシートを含む、請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記水溶性着色剤は、食品添加用色素である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記エンボス溝の少なくとも一部が熱融着されている、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
体液を吸収するための吸収性物品として、バックシート側を下着に固定して使用される、生理用ナプキンや軽失禁パッド等のパッド製品が知られている。パッド製品は、体液をある程度吸収した後に廃棄されるが、体液吸収量が少ないパッド製品をその都度交換していると、使用者の経済的な負担が増す。経済的な負担を軽減するための方法として、体液排出量が少ない場合、排出の都度新しいパッド製品に交換するのではなく、排出量がある程度になるまで使い続けた後に、交換する方法がとられている。使用者が体液の排出の程度を認識する技術は様々提案されている。
【0003】
特許文献1には、液体透過性のトップシートと、液体不透過性のバックシートと、両シート間に配置された液体を保持するための吸収体とを有し、トップシートの表面にメッシュ状の目盛を有する吸液性物品が記載されている(請求項1)。この吸液性物品によれば、トップシート表面にメッシュ状の目盛が存在することから、液体痕(血痕等)が占めているメッシュ数を数えること(液体痕の面積を計測すること)で、吸収した液体量(質量又は体積)を評価することが可能になると記載されている(段落0010)。
【0004】
特許文献2には、前胴回りと、後胴回りと、これらの間の股下とに区分され、一対の脚回り開口部を有し、股下を跨いで前胴回り及び後胴回りに延びる吸収体を備える使い捨ておむつにおいて、脚回り開口部に沿って、股下を跨ぎ前胴回りから後胴回りに延びるレッグ弾性部材と、前胴回り及び後胴回りを幅方向に延び、使い捨ておむつを着用者の身体に保持する胴回り保持部と、吸収体が配置された股下と重なる領域に形成された伸縮可能なクロッチ伸縮部とを備え、クロッチ伸縮部は胴回り保持部及びレッグ弾性部材と離間して設けられ、クロッチ伸縮部の長手方向の前胴回り側及び後胴回り側に非伸縮領域が設けられ、クロッチ伸縮部を跨いで長手方向に延び、水分と接触すると視覚的に変化するインジケーターを備え、変化は、使い捨ておむつの非肌当接面側から視認可能である使い捨ておむつが記載されている(請求項1)。特許文献2によれば、着用者に対する装着を安定させ、インジケーターを適切に反応させることができる使い捨ておむつが提供されると記載されている(段落0018)。
【0005】
特許文献3には、液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体とを備え、バックシートの外面側に、吸収体による体液の吸収の広がりを示す少なくとも1つの吸収領域と、該吸収領域における吸収体の体液吸収量の数値とが表示されている吸収性物品が記載されている(請求項1)。特許文献3によれば、吸収性物品のバックシートの外面に、吸収領域と、それに対応した吸収体の吸収量の数値を表示することで、3桁等の数値であっても鮮明に表示することができ、吸収性物品の具体的な吸収量の値を容易かつ確実に視認可能となることで、吸収性物品の使用者や介護者が尿等をどの位の量だけ吸収したか視認でき、まだ使用可能か交換時期時かの判断が容易にできると記載されている(段落0006)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-153506号公報
【特許文献2】特開2014-094194号公報
【特許文献3】特開2015-128531号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
尿が排泄された場合、特許文献1では、透明な尿が目盛のどの場所に達しているのか、視覚的に認識しにくいという問題がある。特に、トップシートは通常、衛生的な白色の不織布が用いられているため、トップシート上に尿が排泄されたとしても、白色のトップシート上の透明な尿の拡散状態を認識しにくいという問題がある。
【0008】
特許文献2及び特許文献3は、バックシートの非肌側から尿の吸収量の程度を把握しなければならず、例えば、下着にバックシート側を張り付ける軽失禁パッドやライナー等のパッド製品であれば、着用者が使用中のパッド製品を下着や専用アウターから剥がして確認する手間が必要である。
【0009】
このように、前述の従来技術では、使用者や使用者を介助又は介護する者が、吸収性物品にどのくらいの量の体液が吸収されたのかを認識する際に、視覚的に認識しにくく、手間がかかるという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、トップシート側から体液吸収量を判定可能な吸収性物品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、吸収体の少なくとも肌側表面を覆う被覆シートを設け、かつ該被覆シート中に水溶性着色剤及び水溶性バインダーで構成された着色エリアを設け、トップシートの肌側表面に該着色エリアに沿って長手方向に延び、吸収体の内部に達するエンボス溝を設け、エンボス溝の底面でトップシートと着色エリアと吸収体とを接合することで、吸収体における体液吸収領域を色の変化として視覚で確認できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明は、下記の吸収性物品を提供する。
【0012】
(1)液透過性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、これらの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、
前記トップシートは、前記吸収体の色の変化を視認可能であり、
前記トップシートと前記吸収体との間に配置され、前記吸収体の少なくとも肌側表面を覆う被覆シートと、
前記トップシートの肌側表面を長手方向に延びて、非肌側に凹んで前記吸収体の内部まで達し、前記トップシート及び前記被覆シートが内部空間に入り込んだエンボス溝と、をさらに有し、
前記被覆シートには着色エリアが設けられ、前記着色エリアは、体液の吸収により前記吸収体中に拡散する水溶性着色剤と、水溶性バインダーと、を含み、
前記エンボス溝の底面には、前記トップシートと、前記着色エリアと、前記吸収体とが接合した接合領域を有している、吸収性物品。
(2)前記着色エリアの厚さ方向非肌側に配置され、前記水溶性着色剤の体液吸収による前記吸収体中への拡散を促進する拡散促進部をさらに有する、上記(1)の吸収性物品。
(3)前記拡散促進部が、前記吸収体の肌側表面を長手方向に延び、非肌側に凹むように設けられた1又は複数の凹溝である、上記(2)の吸収性物品。
(4)前記拡散促進部が、前記エンボス溝の底面において、前記着色エリアの非肌側に設けられ、坪量が前記吸収体中のその他の領域よりも低い低坪量領域であり、前記トップシートと前記着色エリアと前記低坪量領域とが接合されて前記接合領域を形成している、上記(2)の吸収性物品。
(5)前記接合領域における接合強度が0Nより大きく0.2N以下である、上記(1)乃至(4)のいずれか吸収性物品。
(6)前記着色エリアは、着色部と非着色部とから構成されている、上記(1)乃至(5)のいずれかの吸収性物品。
(7)前記着色部と前記非着色部とが、長手方向、幅方向及び/又はこれらの方向に交差する斜め方向に、交互に配置されている、上記(1)乃至(6)のいずれかの吸収性物品。
(8)前記被覆シートは、親水性不織布又はパルプシートを含む、上記(1)乃至(7)のいずれかの吸収性物品。
(9)前記水溶性着色剤は、食品添加用色素である、上記(1)乃至(8)のいずれかの吸収性物品。
(10)前記エンボス溝の少なくとも一部が熱融着されている、上記(1)乃至(9)のいずれかの吸収性物品。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、トップシート側から体液吸収量を判定可能な吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本実施形態に係る吸収性物品の構成を模式的に示す平面図である。(a)は体液吸収前の状態を示し、(b)は体液吸収後の状態を示す。
【
図2】
図1に示すX-X切断面線における模式断面図である。(a)は体液吸収前の状態を示し、(b)は体液吸収後の状態を示す。
【
図3】本実施形態に係る吸収性物品の変形例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書において、吸収性物品50の着用とは、体液吸収の前後を問わず、着用者の身体に装着した状態をいう。吸収性物品50の、長手方向とは、吸収性物品50を着用したときに着用者の股間部を介して前後に亘る、図中Yで示す方向であり、幅方向とは長手方向に対して略直交する、図中Xで示す方向であり、厚さ方向とは各構成部材を積層する、図中Zで示す方向である。吸収性物品50及びその各構成部材の肌側表面とは着用者の肌に当接する表面又は該肌を臨む表面であり、非肌側表面とは着用者の衣類に当接する表面又は衣類を臨む表面である。体液とは、尿、血液や軟便中の水分等の体内から体外に排出された液体をいう。
【0016】
<吸収性物品>
以下、図面を参照しつつ、本実施形態に係る吸収性物品50について説明する。
図1乃至
図2は、本実施形態に係る吸収性物品50を示す。
図3乃至
図4は、吸収性物品50の変形例を示す。各図は、吸収性物品50及び各構成部材の形状や、寸法の大小関係等を規定するものではない。
【0017】
本実施形態の吸収性物品50は、ベビー用、成人用及び高齢者用の種々の吸収性物品として使用でき、その中でも、軽失禁パッド、軽失禁ライナー、生理用ナプキン、おりものシート等のパッド製品として特に好適に使用できる。吸収性物品50の、長手方向の寸法は例えば100mm以上800mm以下の範囲であり、幅方向の寸法は例えば50mm以上500mm以下の範囲である。各寸法を前述の数値範囲内にすると、パッド製品に適した吸収性物品50が得られる。
【0018】
本実施形態の吸収性物品50は、
図1及び
図2に示すように、肌側に位置する、液透過性のトップシート10と、トップシート10に対向配置され、非肌側に位置する液不透過性のバックシート30と、トップシート10とバックシート30との間に配置される吸収体20と、トップシート10と吸収体20との間に配置され、吸収体20の肌側表面を少なくとも覆う被覆シート70と、トップシート10の肌側表面を長手方向に延びて、非肌側に凹んで吸収体20の内部まで達し、トップシート10及び被覆シート70が内部空間に入り込んだエンボス溝60とを含み、被覆シート70には着色エリア71が設けられ、着色エリア71は、体液の吸収により吸収体20中に拡散する水溶性着色剤と水溶性バインダーとを含み、エンボス溝60の底面には、トップシート10と、着色エリア71と、吸収体20とが接合した接合領域72を有している。
【0019】
本実施形態によれば、排尿時に体液が被覆シート70の着色エリア71に到達すると、着色エリア71の水溶性バインダーに続いて水溶性着色剤が溶け出して吸収体20中に拡がって着色エリア71の色が薄くなるため、着用者は、その色が薄くなることを視覚的に認識して、吸収体20の体液吸収量を確認することができる。吸収性物品50を、着用者の主に下腹部に当接する前側部と、主に臀部に当接する後側部と、これらの間に介在し着用者の主に股間部に当接する股部に区分したとき、股部に尿等の体液が排泄され、股部周辺の着色エリア71だけでなく、さらに前側部又は後側部の着色エリア71も色がぼやけると、体液が吸収体20全体で吸収されたことが分かり、交換時期が来たことを使用者は視覚的認識することができる。
また、この着色の変化は、吸収性物品50のトップシート10側から直接見ることができるため、排尿時等に下着や専用アウターから使用中の吸収性物品50を剥離せず、その真上から、色の変化(色の薄まり)を確認でき、色の変化を元に交換時期を把握することができる。つまり、トイレの個室等で簡易的に排尿量の程度を把握することができる。
【0020】
本実施形態の吸収性物品50は、トップシート10、吸収体20、バックシート30、エンボス溝60、及び被覆シート70を基本構成単位とし、例えば、前述のような立体ギャザー40の配設、キャリアシート(不図示)による吸収体20の被覆等の、公知の様々な改変を加えることができる。以下、本実施形態の吸収性物品50の構成部材について、トップシート10、吸収体20、エンボス溝60、被覆シート70、バックシート30、及び立体ギャザー40の順で更に詳しく説明する。
【0021】
<トップシート>
吸収性物品50の工業分野では、トップシート10は厚さ0.1mm~0.4mm程度の非常に薄いシート状基材であり、被覆シート70の着色エリア71に含まれる水溶性着色剤による吸収体20の色の変化であれば、特段の処理を施さなくても視認可能である。本実施形態では、後述するエンボス溝60を設けることで、吸収体20の色の変化をさらに明瞭に視認できる。トップシート10は、吸収体20に向けて体液を速やかに通過させて吸収体20の面方向に体液を拡散させる液透過性のシート状基材である。トップシート10は、着用者の肌に直接当接してもよいように、柔らかな感触で、肌に刺激を与えない基材が好ましく、また色の変化の視認性から、シート状基材は白色又は半透明性であることが好ましい。
【0022】
トップシート10を構成するシート状基材としては、例えば、親水性シート、同種又は異種の親水性シートの積層体である複合不織布、開口ポリエチレンフィルム等の開口性フィルム、ポリエチレンフォーム、ウレタンフォーム等の発泡フィルム等が挙げられる。親水性シートとしては、例えば、ポリプロピレンやポリエチレン等の合成樹脂からなる合成繊維、レーヨン等の再生繊維、綿等の天然繊維等を用いて作製された、エアスルー不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布等が挙げられる。これらの中でも各不織布が好ましい。
【0023】
トップシート10には、液透過性を向上させる観点から、エンボス加工や穿孔加工を表面に施してもよい。トップシート10は、肌への刺激を低減させる観点から、ローション、酸化防止剤、抗炎症成分、pH調整剤、抗菌剤、保湿剤等の1種又は2種以上を含有してもよい。トップシート10の坪量は、強度、加工性及び液戻り量の観点から、例えば、15g/m2以上40g/m2以下の範囲、又は19g/m2以上35g/m2以下の範囲である。トップシート10の形状は特に制限されず、漏れがないように体液を吸収体20に誘導するために必要とされる、吸収体20の一部又は全部を覆う形状であればよい。
【0024】
<吸収体>
吸収体20は、その長手方向の寸法(最大長さ)が、例えば、100mm以上800mm以下の範囲、150mm以上500mm以下の範囲、又は270mm以上500mm以下の範囲である。吸収体20の幅方向の寸法(最大幅)は、例えば、50mm以上500mm以下の範囲、60mm以上400mm以下の範囲、又は70mm以上105mm以下の範囲である。また、吸収体20の平面視形状が砂時計型である場合は、長手方向寸法が180mm以上800mm以下の範囲、着用者の腹部及び背部にそれぞれ当接する前部及び後部の幅方向寸法がともに60mm以上400mm以下の範囲であり、着用者の股間部に当接する中央部の幅方向寸法が90mm以上250mm以下の範囲である。吸収体20の平面視形状としては、例えば、砂時計型、Iの字状、長方形、4角が丸まった角丸四角形、長円等が挙げられる。
吸収体20としては、例えば、吸収性繊維と高吸収性ポリマーとを含むフラッフ吸収体が挙げられる。
【0025】
(吸収性繊維)
吸収性繊維は、一般に生理用ナプキンや紙おむつ、尿取りパッド等の吸収性物品に使用されるものであれば特に制限はなく、例えば、フラッフパルプ、コットン、レーヨン、アセテート、ティシュー、吸収紙、親水性不織布等を挙げることができる。これらの中でも、吸収性の観点から、フラッフパルプを使用することが好ましい。フラッフパルプとしては、木材パルプ(例えば、サウザンパインやダグラスファー等の針葉樹晒クラフトパルプ(N-BKP))、合成繊維、樹脂繊維、非木材パルプ等を綿状に解繊したものを挙げることができる。吸収体20に、基材としての吸収性繊維にフラッフパルプを用いた場合、吸収性繊維の坪量は、肌触りや体液吸収量等の観点から、例えば、100g/m2以上800g/m2以下の範囲、325g/m2以上615g/m2以下の範囲である。
【0026】
(高吸収性ポリマー)
高吸収性ポリマー(以下「SAP」ともいう)としては、体液を吸収し、かつ、逆流を防止できるものであれば特に制限はなく、ポリアクリル酸塩、ポリアスパラギン酸塩、(デンプン-アクリル酸)グラフト共重合体、(アクリル酸-ビニルアルコール)共重合体、(イソブチレン-無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物等が挙げられる。これらの中でも、重量当たりの吸収量の観点から、ポリアクリル酸塩が好ましく、ポリアクリル酸アルカリ金属塩がより好ましく、ポリアクリル酸ナトリウムが更に好ましい。高吸収性ポリマーは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0027】
高吸収性ポリマーは、例えば、粒子状、繊維状等の形態で用いられるが、取扱い易さ等の観点から好ましくは粒子状で用いられる。このとき、粉体としての流動性が悪い微粉末の高吸収性ポリマーの使用を避け、中位粒子径を有する高吸収性ポリマーを用いることにより、吸収に関する基本性能を高め、かつ、吸収体20が体液を吸収した後に硬化することにより発生するごつごつとした触感を低減することができる。高吸収性ポリマー12の中位粒子径は、例えば、50μm以上600μm以下の範囲又は100μm以上500μm以下の範囲である。吸収体20における高吸収性ポリマーの含有量は、吸収体20全量の40重量%以上の範囲、又は40重量%以上70重量%以下の範囲である。
【0028】
吸収体20において、吸収性繊維及びSAPの形態は、吸収性繊維中にSAP粒子を混合して形成したものでもよく、吸収性繊維間にSAP粒子を固着したSAPシートでもよい。前述のフラッフ吸収体以外にも、吸収体20として、複数の親水性シートとこれらの間に固着担持された高吸収性ポリマーとを含む吸収性シートを使用することもできる。SAP粒子の吸収体20からの漏洩防止や吸収体20の形状の安定化の観点から、吸収体20の下又は吸収体20を全体に包むように、キャリアシートを設けてもよい(不図示)。キャリアシートの基材としては親水性を有するものであればよく、ティシュー、吸収紙、エアレイド不織布等の親水性不織布を挙げることができる。キャリアシートを複数備える場合は、複数のキャリアシートの基材は同一でも異なっていてもよい。
【0029】
(エンボス溝)
本実施形態のエンボス溝60は、
図1及び
図2に示すように、トップシート10肌側表面の幅方向のほぼ中央を長手方向に延び、トップシート10肌側表面から非肌側に凹んで、その底面が吸収体20の内部にまで達する有底の溝である。本実施形態では、トップシート10及び被覆シート70は、
図1及び
図2に示すように、重なってエンボス溝60の内部空間に入り込み、エンボス溝60の内壁面及び底面を構成している。本実施形態では、エンボス溝60の底面に被覆シート70の相対的に濃い着色エリア71が位置するように構成し、トップシート10と着色エリア71とその厚さ方向非肌側の吸収体20の一部とを接合して接合領域72とすることで、着用者は、被覆シートの70の濃い着色エリア71をトップシート越しに視認しやすくなる。
【0030】
また、本実施形態では、着色エリア71は、四角形(ほぼ正方形)の着色部と非着色部とが長手方向及び幅方向にそれぞれ交互に並ぶように構成されている。また、後述するように、着色部は水溶性着色剤と水溶性バインダーとを含んでいる。体液はエンボス溝60により長手方向に拡散され、体液が到達した着色エリア71の水溶性着色剤はほぼ均一に分散するため、着色部と非着色部との色差(コントラスト比)が消失し、
図1(b)及び
図2(b)に示す視認性の良好な、相対的に薄い着色エリア71が形成される。エンボス溝60の深さは、吸収体20の厚さの20%以上70%以下の範囲とする。一方、後述するように、拡散促進部として、吸収体20に凹溝又は低坪量部を設ける場合は、この数値範囲に限定されない。
【0031】
エンボス溝60は、例えば、一対の加温しないプレスロール対を用いて形成できる。前述のプレスロール対において、一方のロールはその表面にエンボス溝の内部空間形状に対応する凸部形状を有し、他方のロールは表面がフラットである。このプレスロール対の間に、トップシート10、被覆シート70、及び吸収体20をこの順に重ね合わせた積層体を通過させることで、トップシート10及び被覆シート70を吸収体20側に向けて凹となるエンボス溝60が形成される。また、エンボス溝60の底面においてトップシート10と着色エリア71と吸収体20の一部とは、着色エリア71の着色部に含まれる水溶性バインダーで接合されるが、トップシート10の非肌側又は吸収体20の肌側表面に別の接着剤(例えば水溶性バインダー)層を形成し、トップシート10と着色エリア71と吸収体20の一部とを接合してもよい。この接合により、被覆シート70に形成した着色エリア71をトップシート10越しに見やすくすることができる。
【0032】
このとき、接合強度は特に限定されないが、例えば0Nより大きく0.2N以下の範囲である。これは一対のプレスロールが加温されていないことにより、接合は主に着色エリア71の着色部に含まれる水溶性バインダーによる。接合強度が弱いと、排尿後に吸収体20が厚さ方向に膨潤する際の力で、トップシート10と被覆シート70とが剥離し、エンボス溝60の形状が崩壊し易くなる傾向が生じ、着色エリア71の変色のぼやけが生じる傾向がある。適度な強度で接合することで、エンボス溝60が良好な維持され、着用者は尿の吸収状態を明確に把握することができる。エンボス溝60において被覆シート70とトップシート10とを接合せずに、トップシート10と被覆シートとが厚さ方向に離れていると、トップシート10越しに着色エリア71の色の変化が、接合した場合に比べて見にくくなるが、それでも視認可能である。
【0033】
また、一対の加温しないプレスロールの代わりに、加温するプレスロール(一方の凸部形状の先端に、細かい凹凸を設けてもよい)を用いたチャンネルエンボスや高周波エンボス等の一般的な方法により、トップシート10から吸収体20に至る領域に熱融着部を有するチャネルエンボスを設けてもよい。この場合、接合強度が比較的強いので、排尿後に吸収体20が厚さ方向に膨潤する際の力で、トップシート10と被覆シート70とが吸収体20から剥離しにくくなるため、剥離は起きず、色の変化で尿の吸収状態を明確に把握することができる。
【0034】
エンボス溝60は、1本に限定されず、複数本でもよい。
図3に示す吸収性物品50Aは、トップシート10の肌側表面から吸収体20の内部に達し、その底面にトップシート10、被覆シート70の着色エリア71及び吸収体20の肌側表面が接合されたエンボス溝60が長手方向に延びてほぼ平行に2本形成されている。吸収性物品50Aにおいても、相対的に濃い色の当初の着色エリア71が体液の吸収により相対的に薄い色に変化し、かつ当初よりも広い領域にわたる着色エリア71になり、体液吸収量を認識し、新品への取替時期をほぼ正確に判断することができる。吸収性物品50Aによれば、長手方向だけでなく、幅方向の体液吸収の程度をも認識することができる。
【0035】
(拡散促進部)
本実施形態では、着色エリア70の厚さ方向非肌側に、水溶性着色剤の体液吸収による吸収体20中への拡散を促進する拡散促進部(不図示)を配置してもよい。拡散促進部としては、例えば、吸収体20の肌側表面を長手方向に延び、非肌側に凹む1又は複数の凹溝(不図示)、エンボス溝60の底面において、着色エリア71の非肌側に設けられ、坪量が吸収体20中のその他の領域よりも低い低坪量領域(不図示)等が挙げられる。低坪量領域を設ける実施形態では、トップシート10と着色エリア71と低坪量領域とが厚さ方向に接合されて接合領域72を形成する。凹溝を設ける実施形態では、凹溝は吸収体20全体の機械的強度等に応じて適宜選択すればよいが、例えば幅3mm以上20mm以下、深さ3mm以上10mm以下の範囲に形成される。凹溝の本数も特に制限されないが、例えば、1本以上3本以下程度である。また、トップシート10と着色エリア71と低坪量領域との接合領域における接合強度は例えば0Nより大きく0.2N以下の範囲である。
【0036】
前述のように、被覆シート70の着色エリア71が形成された領域と、その領域に厚さ方向に接する吸収体20の肌側表面及びその周辺領域を、吸収体20内のそれ以外の領域よりも低坪量領域(不図示)とし、トップシート10と着色エリア71と低坪量領域とを接合して接合領域72とすることで、着色エリア71中の水溶性着色剤が吸収体20内の体液の流れに沿って拡散し易くなり、着色エリア71の相対的に濃い色調から相対的に薄い色調への色変化の視認性が向上する。接合強度は、例えば前述の範囲である。また、前述のようなエンボス溝60を設け、エンボス溝60の内壁及び底面周辺の吸収体20を低坪量領域としてもよい。吸収体20内の低坪量領域は、厚さ方向に複数層積層して形成された吸収体20(少なくともその最上層において、幅方向中央に厚さ方向に貫通するスリット設けられている)で構成されてもよいが、その他の公知の方法で形成してもよい。
【0037】
エンボス溝60とともに前述のような拡散促進部を設けることで、吸収体20中で体液が拡散し易くなり、吸収体20全体を体液吸収に有効的に活用することができ、また、エンボス溝60の底面又は低坪量領域の直上には着色エリア71が設けられ、どの程度まで拡散吸収したのかを視覚的に確認することができる。
【0038】
(被覆シート)
被覆シート70は、トップシート10と吸収体20との間に位置し、吸収体20の少なくとも肌側表面を被覆している。被覆シート70は、吸収体20全体を被覆するものでもよい。被覆シート70には、被覆シート70の幅方向中央を長手方向に延び、水溶性着色剤及び水溶性バインダーを含有する着色エリア71を有している。本実施形態では、着色エリア71がエンボス溝60の底面に位置するように被覆シート70が配置される。より詳しくは、着色エリア71は、長手方向において吸収性物品50を、着用者の主に下腹部に当接する前側部と、前側部に連接され、着用者の主に股間部に当接する股部と、股部に連接され、着用者の主に臀部に当接する後側部とに区分したときに、主に股部の領域に長手方向に延びるように設けられる。被覆シート70は、体液をトップシート10から受けて吸収体20に伝達するとともに、体液の浸透を受けて相対的に濃い色を有する着色エリア71中の水溶性着色剤が体液の吸収体20への浸透に伴って拡散し、着色エリア71の相対的に濃い色が、拡がって相対的に薄い色になることで、吸収体20のその時点での体液吸収量を確認し、新品の吸収性物品50への取替時期を判定することができる。
【0039】
(着色エリア)
被覆シート70の着色エリア71は、全領域が着色されていてもよいが、着色部と非着色部とから構成されていてもよい。好ましい実施形態では、着色部と非着色部とが、長手方向、幅方向及び/又はこれらの方向に交差する斜め方向に、交互に配置されている。
図1及び
図2に示す本実施形態では、四角い着色部と四角い非着色部とが、格子状に交互に配置されている。この構成によれば、着色部と非着色部との間に色のコントラストが存在するが、水溶性着色剤が体液の吸収により拡散すると、着色エリア71の色がぼやけてコントラストが認識しにくくなることから、色の変化を視覚的に認知し易くなる。
【0040】
被覆シート70の材質は、特に限定されないが、好ましい実施形態では親水性の被覆シート70が用いられ、例えば、親水性不織布、パルプシート等が挙げられる。親水性不織布としては、例えば、エアスルー不織布、ポイントボンド不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、エアレイド不織布等が挙げられる。パルプシートとしては、例えば、スパンボンド不織布の片面にバルブ層を一体化したパルプ含有不織布、ティシュー、吸収紙等が挙げられる。被覆シート70の坪量は、例えば、10g/m2以上30g/m2以下の範囲である。このような被覆シート70を用いることで、水溶性着色剤をシート上に保持し易くなり、着色剤が水溶性である為、被覆シート70が疎水性の繊維から構成されている場合に比べ、水溶性着色剤の保持が良好になる。
【0041】
ここで用いられる水溶性着色剤は公知のものを1種又は2種以上を使用でき、水溶性着色剤としては、例えば、食品添加用色素が挙げられる。食品添加用の各種の水溶性色素を用いることで、尿で溶出した着色剤が着用者の股間部に付着しても、安全性を確保することができる。水溶性バインダーとしては肌に悪影響を及ぼさないものを特に制限なく使用できるが、例えば、アルギン酸ナトリウム、トラントガム、グアーガム、キサンタンガム、アラビアゴム、カラギーナン、ガラクトマンナン、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、プルプラン等の天然多糖類、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、カルボキシメチル化デンブン又はその塩、デンプン、メチルセルロース、エチルセルロース等の多糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール誘導体、不飽和カルボン酸の重合体又は共重合体の塩、不飽和カルボン酸と該不飽和カルボン酸と共重合可能な単量体との共重合体の塩等の合成高分子化合物等が挙げられる。
【0042】
図4に、着色エリア71の変形例を示す。
図4(a)乃至(d)に示すように、着色部と非着色部とが長手方向、幅方向及び/又は斜め方向に交互に形成されていればよく、着色部及び非着色部の面形状は特に限定されない。また、
図1及び
図4に示すような規則的な形状ではなく、例えば、長手方向において着色部及び非着色部のパターン(形状)の大きさを変えてもよい。より具体的には、例えば、前側部及び後側部のパターンを股部のパターンよりもきくすると、尿が初期に排泄されたことを認識し易く、また、端部も見やすいため、端部まで吸収されたことをより認識し易くなる。
【0043】
<バックシート>
バックシート30は、吸収性シート20が保持する体液が着用者の衣類を濡らさないような液不透過性を備えた基材を用いて形成されればよく、該基材としては、例えば、樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体である複合シート等が挙げられる。複合シートに用いられる不織布としては、製法を特に限定せず、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布等の単層不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布積層体、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体等の複合不織布、これらの複合材料等が挙げられる。また、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンの複合フィルム等が挙げられる。
【0044】
バックシート30の坪量は、強度及び加工性の点から、例えば15g/m2以上60g/m2以下の範囲である。また、着用時の蒸れを防止するため、バックシート30には、通気性を持たせることが好ましい。バックシート30に通気性を備えさせるためには、例えば、基材の樹脂フィルムにフィラーを配合したり、バックシート30にエンボス加工を施したりすればよい。なお、フィラーとしては炭酸カルシウムを挙げることができ、その配合方法は、公知の方法を制限なく行うことができる。
【0045】
<立体ギャザー>
立体ギャザー40は、例えば、吸収性物品50の着用者が排泄した体液の横漏れ等を防止するために、トップシート10の肌側表面の幅方向両端部において、吸収性物品50の長手方向に沿って延びるように設けてもよい。立体ギャザー40は、弾性伸縮部材40aと、撥水性及び/又は防水性のシート部材40bと、を含む。
【0046】
弾性伸縮部材40aは、シート部材40bの自由端(他端)付近に長手方向に沿って配設され、該自由端に起立性を付与し、シート部材40bの自由端及びその近傍領域を着用者の体型に合わせて変形可能にする。シート部材40bは、本実施形態では幅方向一端(固定端)がバックシート30の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向途中部がトップシート10の肌側面の幅方向両端付近に固定され、幅方向他端が起立性を有する自由端である。シート部材40bの固定端(幅方向一端)の固定位置は、本実施形態に限定されず、例えば、バックシート30の非肌側面、内部に吸収体20を収納したトップシート10とバックシート30との各縁辺の全部又は一部接合体の肌側面又は非肌側面の幅方向両端付近、トップシート10の肌側面の幅方向両端付近等が挙げられる。
【0047】
シート部材40bは撥水性及び/又は防水性を有するシートであり、例えば不織布から構成される。第1シート部材用不織布としては、疎水性繊維にて形成された撥水性及び/又は防水性(液不透過性)の不織布を特に限定なく使用でき、例えば、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布/メルトブロー不織布/スパンボンド不織布積層体である複合不織布(SMS不織布)等が挙げられる。シート部材40bの坪量は、例えば、13g/m2以上20g/m2以下の範囲である。弾性伸縮部材40aとしては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリウレタン等からなる、糸状、紐状、帯状のものを適宜使用することができる。
【0048】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態や実施例に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0049】
10 トップシート
20 吸収体
30 バックシート
40 立体ギャザー
50、50A、50B、50C、50D、50E 吸収性物品
60 エンボス溝
70 被覆シート
71 着色エリア
72 接合領域