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  • 特開-ヒートポンプシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008047
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ヒートポンプシステム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/41 20180101AFI20230112BHJP
   F25B 1/00 20060101ALI20230112BHJP
   F25B 30/06 20060101ALI20230112BHJP
   F24F 11/42 20180101ALI20230112BHJP
   F24F 11/84 20180101ALI20230112BHJP
   F24F 3/00 20060101ALI20230112BHJP
   F24D 5/12 20060101ALI20230112BHJP
   F24D 19/10 20060101ALI20230112BHJP
   F25B 47/02 20060101ALI20230112BHJP
   F24F 140/20 20180101ALN20230112BHJP
【FI】
F24F11/41
F25B1/00 399Y
F25B30/06 T
F24F11/42
F24F11/84
F24F3/00 B
F24D5/12
F24D19/10 C
F25B47/02 550Z
F24F140:20
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021111292
(22)【出願日】2021-07-05
(71)【出願人】
【識別番号】390002886
【氏名又は名称】株式会社長府製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔平
【テーマコード(参考)】
3L053
3L071
3L073
3L260
【Fターム(参考)】
3L053BA01
3L071AC05
3L071AE02
3L071BC02
3L073DD08
3L073DF03
3L260AB06
3L260AB09
3L260BA03
3L260BA36
3L260CB37
3L260CB62
3L260DA09
3L260FA02
3L260FB25
3L260FB28
3L260FB32
3L260FB54
(57)【要約】
【課題】空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置との同時運転を可能として負荷を分散することができるだけでなく、暖房感を維持して空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うことができるヒートポンプシステムを提供する。
【解決手段】空気熱ヒートポンプ装置1の空気熱側熱交換器7と地中熱ヒートポンプ装置2の地中熱側熱交換器24とを、放熱器3に並列に接続する。空気熱ヒートポンプ装置1の空気熱側熱媒体循環路14に、放熱器3をバイパスするバイパス路17と、熱媒体の流れを放熱器3側とバイパス路17側とで切り換える切換弁装置18とを設ける。制御装置4は、空気熱ヒートポンプ装置1のデフロスト運転を行うとき、切換弁装置18を作動させ、空気熱側熱交換器7から放熱器3への熱媒体の流動を停止させて、バイパス路17と空気熱側熱交換器7とで熱媒体を循環させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気熱を熱源とする空気熱ヒートポンプ装置と、地中熱を熱源とする地中熱ヒートポンプ装置と、前記両ヒートポンプ装置から得られる熱を利用可能とする放熱器と、前記各ヒートポンプ装置の運転を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所定の条件に応じて前記空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うヒートポンプシステムにおいて、
前記空気熱ヒートポンプ装置に設けられた空気熱側熱交換器と前記放熱器とを接続して熱媒体が循環する空気熱側熱媒体循環路と、前記地中熱ヒートポンプ装置に設けられた地中熱側熱交換器と前記放熱器とを接続して熱媒体が循環する地中熱側熱媒体循環路とが、前記放熱器に並列に接続され、
前記空気熱側熱媒体循環路には、前記放熱器をバイパスするバイパス路と、前記空気熱側熱交換器から導出された熱媒体の流れを前記放熱器側とバイパス路側とで切り換える切換弁装置とが設けられ、
前記制御装置は、前記空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うとき、前記切換弁装置を作動させることにより、前記空気熱側熱媒体循環路における熱媒体の前記放熱器への流動を停止させると共に前記バイパス路と前記空気熱側熱交換器との間で熱媒体を循環させることを特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項2】
請求項1記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置とによる暖房運転中に、前記空気熱ヒートポンプ装置を暖房運転からデフロスト運転に変更するとき、地中熱ヒートポンプ装置により前記放熱器へ向かう熱媒体の温度を増加させて暖房運転を継続させることを特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項3】
請求項1又は2記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、地中熱ヒートポンプ装置を停止させた状態での空気熱ヒートポンプ装置による暖房運転中に、前記空気熱ヒートポンプ装置を暖房運転からデフロスト運転に変更するとき、地中熱ヒートポンプ装置による暖房運転を開始することを特徴とするヒートポンプシステム。
【請求項4】
請求項2又は3記載のヒートポンプシステムにおいて、
前記制御装置は、前記空気熱ヒートポンプ装置をデフロスト運転から暖房運転に変更したとき、前記バイパス路と前記空気熱側熱交換器との間で循環する熱媒体が所定温度になるまで、空気熱側熱媒体循環路における熱媒体の前記放熱器への流動を停止させることを特徴とするヒートポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気熱と地中熱とを利用するヒートポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気熱を熱源とする空気熱ヒートポンプ装置と、地中熱を熱源とする地中熱ヒートポンプ装置とを備えて暖房を行うヒートポンプシステムが知られている。
【0003】
この種のヒートポンプシステムとして、下記特許文献1のものは、空気熱ヒートポンプ装置が備える空気熱側熱交換器と、地中熱ヒートポンプ装置が備える地中熱側熱交換器とを放熱器に直列に接続している。
【0004】
これによれば、暖房出力が小さい場合は、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置とのうち、熱源として採熱効率のよい何れか一方のみを作動させて暖房運転を行い、暖房出力が大きい場合は、両方のヒートポンプ装置を同時に作動させて所望の暖房出力を得ることができる。
【0005】
また、他のヒートポンプシステムとして、下記特許文献2のものは、空気熱ヒートポンプ回路と地中熱ヒートポンプ回路とで共通の冷媒が循環する冷媒循環路を備え、該冷媒循環路に設けられた単一の熱交換器が放熱器に接続されている。
【0006】
このものでは、空気からの採熱と地中からの採熱とで効率のよい方を選択することで、外気温度が低い時期から高い時期まで効率的に採熱することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014-035109号公報
【特許文献2】特開2006-125769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1のものは、空気熱側熱交換器と地中熱側熱交換器とが直列に接続されているため、空気熱ヒートポンプ装置がデフロスト運転を行うと、暖房中の熱媒体が空気熱側熱交換器で冷却されて放熱器へ向かって流れ、暖房感が損なわれるという不都合がある。
【0009】
また、上記特許文献2のものは、空気からと地中からとの何れか一方の採熱を選択して暖房運転運転を行うものであって、空気熱ヒートポンプ回路のみで独立したのデフロスト運転が行えず、外気温度の判定によってデフロスト運転しないように熱源回路を切り替える必要がある。
【0010】
このため、デフロスト運転に先立つ熱源回路の切り換えは、装置の据付状態等に影響される外気温度だけでは判断できなず、着霜への対応も不十分である。
【0011】
また、圧縮機の特性によって効率が優れる回転数が存在し、空気熱と地中熱の熱源温度の優位性だけで一方の熱源で単独運転しても、一方の圧縮機のみにかかる負荷が大きくなり、効率よく運転できるとは限らない。
【0012】
上記の点に鑑み、本発明は、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置との同時運転を可能として負荷を分散することができるだけでなく、暖房感を維持して空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うことができるヒートポンプシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的を達成するために、本発明は、空気熱を熱源とする空気熱ヒートポンプ装置と、地中熱を熱源とする地中熱ヒートポンプ装置と、前記両ヒートポンプ装置から得られる熱を利用可能とする放熱器と、前記各ヒートポンプ装置の運転を制御する制御装置とを備え、前記制御装置は、所定の条件に応じて前記空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うヒートポンプシステムにおいて、前記空気熱ヒートポンプ装置に設けられた空気熱側熱交換器と前記放熱器とを接続して熱媒体が循環する空気熱側熱媒体循環路と、前記地中熱ヒートポンプ装置に設けられた地中熱側熱交換器と前記放熱器とを接続して熱媒体が循環する地中熱側熱媒体循環路とが、前記放熱器に並列に接続され、前記空気熱側熱媒体循環路には、前記放熱器をバイパスするバイパス路と、前記空気熱側熱交換器から導出された熱媒体の流れを前記放熱器側とバイパス路側とで切り換える切換弁装置とが設けられ、前記制御装置は、前記空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うとき、前記切換弁装置を作動させることにより、前記空気熱側熱媒体循環路における熱媒体の前記放熱器への流動を停止させると共に前記バイパス路と前記空気熱側熱交換器との間で熱媒体を循環させることを特徴とする。
【0014】
本発明のヒートポンプシステムは、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置とを放熱器に並列に接続したことにより、負荷の偏りを低減して効率よく運転することができる。
【0015】
そして、空気熱ヒートポンプ装置のデフロスト運転を行うとき、空気熱側熱媒体循環路の熱媒体はバイパス路を流れて、放熱器へは向かうことがない。これによれば、デフロスト運転に伴って空気熱側熱交換器で冷却された熱媒体が放熱器へ供給されることがなく、暖房感の低下を抑えることができる。
【0016】
また、本発明において、前記制御装置は、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置とによる暖房運転中に、前記空気熱ヒートポンプ装置を暖房運転からデフロスト運転に変更するとき、地中熱ヒートポンプ装置により前記放熱器へ向かう熱媒体の温度を増加させて暖房運転を継続させることを特徴とする。
【0017】
これによれば、空気熱ヒートポンプ装置と地中熱ヒートポンプ装置とで行われていた暖房運転が、地中熱ヒートポンプ装置のみによる暖房運転となっても、放熱器側での暖房感の低下を防止することができる。
【0018】
また、本発明において、前記制御装置は、地中熱ヒートポンプ装置を停止させた状態での空気熱ヒートポンプ装置による暖房運転中に、前記空気熱ヒートポンプ装置を暖房運転からデフロスト運転に変更するとき、地中熱ヒートポンプ装置による暖房運転を開始することを特徴とする。
【0019】
これによれば、空気熱ヒートポンプ装置により行われていた暖房運転が停止しても、地中熱ヒートポンプ装置による暖房運転を開始して暖房状態を継続されることができるので、放熱器側での暖房感の低下を防止することができる。
【0020】
更に本発明において、前記制御装置は、前記空気熱ヒートポンプ装置をデフロスト運転から暖房運転に変更したとき、前記バイパス路と前記空気熱側熱交換器との間で循環する熱媒体が所定温度になるまで、空気熱側熱媒体循環路における熱媒体の前記放熱器への流動を停止させることを特徴とする。
【0021】
これによれば、空気熱ヒートポンプ装置をデフロスト運転によって温度が低下した熱媒体が空気熱側熱媒体循環路に残留していても、この熱媒体の温度を上昇させることができ、デフロスト運転による影響をなくして、暖房感を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態であるヒートポンプシステムの構成を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のヒートポンプシステムは、屋外に設置される空気熱ヒートポンプ装置1と、屋外に設置される地中熱ヒートポンプ装置2と、屋内に設置される放熱器3と、両ヒートポンプ装置1,2の運転を制御する制御装置4とを備えている。
【0024】
空気熱ヒートポンプ装置1は、フロンガス等の冷媒ガスが循環する空気採熱冷媒循環路5を備えている。空気採熱冷媒循環路5には、空気熱交換器6と、第1負荷側熱交換器7とが設けられている。第1負荷側熱交換器7は本発明における空気熱側熱交換器に相当する。
【0025】
空気採熱冷媒循環路5は、空気熱交換器6と第1負荷側熱交換器7とを接続する切替側通路8と膨張側通路9とによって構成されている。これにより、空気熱交換器6と第1負荷側熱交換器7との間を冷媒が循環する。
【0026】
切替側通路8には、四方弁10及び圧縮機11が設けられている。四方弁10は、切替側通路8に対して圧縮機11の吸入側と吐出側との接続を切り替える。暖房運転と冷房運転、或いは、暖房運転とデフロスト運転とを切り替えるとき、四方弁10の切り替える。
【0027】
膨張側通路9には、膨張弁12が設けられている。膨張弁12は、膨張側通路9に配設され、上流側の冷媒を断熱膨張させて下流側へ送り出す。
【0028】
空気熱交換器6は、ファン13によって強制的に外気(空気)を通過させることによって空気から採熱し、空気採熱冷媒循環路5内の冷媒との熱交換を行う。
【0029】
第1負荷側熱交換器7は、水(湯である場合も含む)を熱媒体とする第1熱媒体循環路14に接続されており、第1熱媒体循環路14には放熱器3が接続されている。第1熱媒体循環路14は、本発明における空気熱側熱媒体循環路に相当する。
【0030】
第1熱媒体循環路14は、第1送り通路15と第1戻り通路16とによって構成されている。第1送り通路15と第1戻り通路16との間には、放熱器3をバイパスするバイパス路17が設けられている。
【0031】
第1送り通路15とバイパス路17との接続部には三方弁18が設けられている。三方弁18は、第1負荷側熱交換器7から出た第1送り通路15の水(熱媒体)の流れを、放熱器3側とバイパス路17側とで切り替える。三方弁18は、本発明における切換弁装置に相当する。
【0032】
第1戻り通路16のバイパス路17との接続部の上流側(放熱器3側)には、第1戻り通路16を開閉する第1開閉弁19が設けられている。第1戻り通路16のバイパス路17との接続部の下流側(第1負荷側熱交換器7側)には、水タンク20及び第1負荷側循環ポンプ21が配設されている。水タンク20は、第1熱媒体循環路14の循環水を所定量貯留し、水が膨張した時には、水タンク20から溢れた水を図示省略した排出路から外部へ排出する。第1負荷側循環ポンプ21は、水タンク20から循環水を吸入して、下流側(第1負荷側熱交換器7の方)へ吐出する。
【0033】
地中熱ヒートポンプ装置2は、フロンガス等の冷媒ガスが循環する地中採熱冷媒循環路22を備えている。地中採熱冷媒循環路22には、地中熱交換器23と、第2負荷側熱交換器24とが設けられている。第2負荷側熱交換器24は本発明における地中熱側熱交換器に相当する。
【0034】
地中採熱冷媒循環路22は、地中熱交換器23と第2負荷側熱交換器24とを接続する切替側通路25と膨張側通路26とによって構成されている。これにより、地中熱交換器23と第2負荷側熱交換器24との間を冷媒が循環する。
【0035】
切替側通路25には、四方弁27及び圧縮機28が設けられている。膨張側通路26には、膨張弁29が設けられている。なお、四方弁27、圧縮機28、及び膨張弁29は、前述した空気採熱冷媒循環路5における四方弁10、圧縮機11、及び膨張弁12と同様のものであるので、これらの説明を省略する。
【0036】
地中熱交換器23は、地中採熱用の熱媒体である水が循環する地中採熱水循環路30に接続されている。地中採熱水循環路30は地中に延びる採熱部31と循環ポンプ32とを備えており、採熱部31で地中熱を採熱した水が循環ポンプ32により地中熱交換器23へ送られる。
【0037】
第2負荷側熱交換器24は、水(湯である場合も含む)を熱媒体とする第2熱媒体循環路33に接続されており、第2熱媒体循環路33には放熱器3が接続されている。第2熱媒体循環路33は、本発明における地中熱側熱媒体循環路に相当する。
【0038】
第2熱媒体循環路33は、第2送り通路34と第2戻り通路35とによって構成されている。第2送り通路34は、第1熱媒体循環路14の第1送り通路15に接続され、第2戻り通路35は、第1熱媒体循環路14の第1戻り通路16に接続されている。これにより、第2負荷側熱交換器24と第1負荷側熱交換器7とは放熱器3に対して並列に接続されている。
【0039】
第2送り通路34には、第2送り通路34を開閉する第2開閉弁36が設けられている。第2戻り通路35には、水タンク37及び第2負荷側循環ポンプ38が配設されている。水タンク37は、第1熱媒体循環路14の水タンク20と同様に、第2熱媒体循環路33の循環水を所定量貯留し、水が膨張した時には、水タンク37から溢れた水を図示省略した排出路から外部へ排出する。第2負荷側循環ポンプ38は、水タンク37から循環水を吸入し、下流側(第2負荷側熱交換器24の方)へ吐出する。
【0040】
制御装置4は、空気熱ヒートポンプ装置1と地中熱ヒートポンプ装置2とを制御することにより、放熱器3を介し冷暖房運転や空気熱ヒートポンプ装置1のデフロスト運転を制御する。
【0041】
ここで、本発明の要旨であるデフロスト運転に関する制御について説明する。冬季や、標高の高い地域等では、空気熱ヒートポンプ装置1の空気熱交換器6に着霜することがある。そこで、霜を除去するために、制御装置4は、空気熱ヒートポンプ装置1のデフロスト運転を行う。
【0042】
制御装置4は、空気熱ヒートポンプ装置1において暖房運転からデフロスト運転に切り替えるとき、第1熱媒体循環路14の第1送り通路15の三方弁18をバイパス路17に切り替え、第1戻り通路16の第1開閉弁19を閉弁させる。これにより、デフロスト運転に伴って第1負荷側熱交換器7から送出される冷水が、バイパス路17によって放熱器3がバイパスされ、放熱器3への供給が防止される。
【0043】
そして、制御装置4は、デフロスト運転に切り替わる際に、空気熱ヒートポンプ装置1と地中熱ヒートポンプ装置2との両方によって暖房運転を行っていた場合には、デフロスト運転への切り替え時に、放熱器3に供給される水の温度が低下しないように、地中熱ヒートポンプ装置2の圧縮機28の回転数を所定の値まで増加させる。
【0044】
或いはまた、制御装置4は、デフロスト運転に切り替わる際に、地中熱ヒートポンプ装置2が停止していて、空気熱ヒートポンプ装置1のみで暖房運転を行っていた場合には、放熱器3に供給される水の温度が低下しないように、地中熱ヒートポンプ装置2による暖房運転を開始させる。
【0045】
更に、制御装置4は、デフロスト運転が終了したとき、空気熱ヒートポンプ装置1の暖房運転を開始する一方、第1送り通路15の循環水温が所定の温度(暖房運転時に放熱器3に供給される水の温度)になるまで、バイパス路17によって放熱器3がバイパスされた状態を維持する。その後、第1送り通路15の循環水温が所定の温度になった時点で、制御装置4は、第1熱媒体循環路14の第1送り通路15の三方弁18を放熱器3側(バイパス路17を閉じる側)に切り替え、第1戻り通路16の第1開閉弁19を開弁させる。これにより、第1送り通路15に残留していたデフロスト運転によって生成された冷水が加熱され、放熱器3への冷水の供給を確実に防止することができる。
【符号の説明】
【0046】
1…空気熱ヒートポンプ装置、2…地中熱ヒートポンプ装置、3…放熱器、4…制御装置、7…第1負荷側熱交換器(空気熱側熱交換器)、14…第1熱媒体循環路(空気熱側熱媒体循環路)、15…第1送り通路(空気熱側熱媒体循環路)、17…バイパス路、18…三方弁(切換弁装置)、24…第2負荷側熱交換器(地中熱側熱交換器)、33…第2熱媒体循環路(地中熱側熱媒体循環路)。
図1