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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080531
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20230602BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20230602BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193926
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(72)【発明者】
【氏名】横田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 賢一
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087LA01
2H087MA07
2H087PA08
2H087PA09
2H087PA18
2H087PA19
2H087PA20
2H087PB09
2H087PB10
2H087PB11
2H087PB12
2H087QA02
2H087QA06
2H087QA17
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA42
2H087RA43
2H087RA44
2H087UA01
(57)【要約】
【課題】高い光学性能を有しながら、小型な光学系及び撮像装置を提供する。
【解決手段】光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群(G1)と、正の屈折力を有する第2レンズ群(G2)と、負の屈折力を有する第3レンズ群(G3)とから構成され、合焦時に、第1レンズ群(G1)及び第3レンズ群(G3)は像面に対して光軸方向に固定されており、第2レンズ群(G2)は光軸に沿って移動し、第1レンズ群(G1)は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1a群(G1a)、開口絞り、正の屈折力を有する第1b群(G1b)から構成され、所定の式を満足する。

【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから構成され、
合焦時に、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群は像面に対して光軸方向に固定されており、前記第2レンズ群は光軸に沿って移動し、
前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1a群、開口絞り、正の屈折力を有する第1b群から構成され、
以下の式を満足する光学系。
-1.10 ≦ f1a/f1 ≦ -0.05・・・・・(1)
但し、
f1a:前記第1a群の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
【請求項2】
以下の式を満足する請求項1に記載の光学系。
0.05 ≦ f1/f ≦ 4.30・・・・・(2)
但し、
f:当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離
【請求項3】
以下の式を満足する請求項1又は請求項2に記載の光学系。
1.10 ≦ (1-β2)×β3 ≦ 5.00・・・・・(3)
但し、
β2:無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
β3:無限遠合焦時の前記第3レンズ群の横倍率
【請求項4】
前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分が、以下の式を満足する請求項1から3のいずれか一項に記載の光学系。
1.60 ≦ Nd11 ≦ 2.15・・・・・(4)
但し、
Nd11:前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分のd線における屈折率
【請求項5】
前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分が、以下の式を満足する請求項1から4のいずれか一項に記載の光学系。
0.50 ≦ f11/f1a ≦ 1.70・・・・・(5)
但し、
f11:前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の焦点距離
【請求項6】
前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分が、以下の式を満足する請求項1から5のいずれか一項に記載の光学系。
-1.25 ≦ f11/f1 ≦ -0.35・・・・・(6)
但し、
f11:前記第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の焦点距離
【請求項7】
以下の式を満足する請求項1から6のいずれか一項に記載の光学系。
-3.45 ≦ f3/f ≦ -1.35・・・・・(7)
但し、
f3:前記第3レンズ群の焦点距離
f:当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学系と、当該光学系の像側に当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えた撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本件発明は、光学系及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルスチルカメラの等の固体撮像素子を用いた撮影装置が普及している。それに伴い、光学系の高性能化、小型化が進み、小型の撮像装置システムが急速に普及してきている。従来のレンズにおいて、特に全長が短く小型な光学系が望まれる監視用レンズ、ビデオカメラ用レンズ、デジタルスチルカメラ用レンズ、一眼レフレックスカメラ用レンズ、ミラーレス一眼カメラ用レンズ等では高い光学性能を保ったまま、光学系を小型化する事が課題となる。
【0003】
特許文献1は、物体側から順に正の屈折力の第1レンズ群、正の屈折力の第2レンズ群、負の屈折力の第3レンズ群より構成され、合焦の際に第2レンズ群を光軸方向に移動させる光学系の発明が開示されている。しかしながら、実施例2~5に記載のレンズにおいては、第1レンズ群の屈折力に対し、開口絞りより物体側に配置されたレンズ群の屈折力が弱いため、レンズ径が大きくなり、鏡筒の小型化の妨げとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-001641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本件発明の課題は、高い光学性能を有しながら、小型な光学系を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本件発明に係る光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから構成され、合焦時に、前記第1レンズ群及び前記第3レンズ群は像面に対して光軸方向に固定されており、前記第2レンズ群は光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1a群、開口絞り、正の屈折力を有する第1b群から構成され、以下の式を満足する。
-1.10 ≦ f1a/f1 ≦ -0.05・・・・・(1)
但し、
f1a:前記第1a群の焦点距離
f1:前記第1レンズ群の焦点距離
【0007】
また、上記課題を解決するために本件発明に係る撮像装置は、上記光学系と、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換にする撮像素子とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本件発明によれば、高い光学性能を有しながら、小型な光学系を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の光学系の断面図である。
図2】実施例1の光学系の無限遠合焦状態における縦収差図である。
図3】実施例2の光学系の断面図である。
図4】実施例2の光学系の無限遠合焦状態における縦収差図である。
図5】実施例3の光学系の断面図である。
図6】実施例3の光学系の無限遠合焦状態における縦収差図である。
図7】実施例4の光学系の断面図である。
図8】実施例4の光学系の無限遠合焦状態における縦収差図である。
図9】実施例5の光学系の断面図である。
図10】実施例5の光学系の無限遠合焦状態における収差図である。
図11】本発明の一実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本件発明に係る光学系及び撮像装置の実施の形態を説明する。但し、以下に説明する光学系及び撮像装置は本件発明に係る光学系及び撮像装置の一態様であって、本件発明に係る光学系及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0011】
1.光学系
1-1.光学構成
本件発明に係る光学系は物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから構成される。この構成によって、小型化が容易となる。
【0012】
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は、正の屈折力を有し、合焦の際に像面に対して固定されるレンズ群である限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。第1レンズ群は、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1a群、開口絞り、正の屈折力を有する第1b群から構成される。この構成、特に、第1a群(すなわち、第1レンズ群に含まれるレンズのうち開口絞りよりも前に配置される全てのレンズ)が負の屈折力を有する構成を備えることによって、諸収差を抑え、且つ小型化が容易となる。
【0013】
ここで、「レンズ群」とは、1枚又は互いに隣接する複数枚のレンズから構成され、合焦の際に光軸に沿って隣り合うレンズ群間の間隔が変化する。一つのレンズ群が複数枚のレンズから構成される場合、その一つのレンズ群に含まれる各レンズ間の光軸上の距離は合焦の際には変化しないものとする。
【0014】
第1レンズ群の第1a群は、負の屈折力を有する限り特に限定されるものではないが、第1a群の最も物体側に配置されるレンズ成分(以下、「最物体側レンズ成分」とも記載する)は、負の屈折力を有することが好ましい。ここで、「レンズ成分」とは、1枚の単レンズ、空気間隔を介することなく複数の単レンズを一体化した接合レンズ、又は、1枚の単レンズと樹脂とを、空気間隔を介することなく一体化した複合レンズなどをいう。最物体側レンズ成分が接合レンズや複合レンズである場合には、接合レンズや複合レンズ全体で負の屈折力を有していればよく、構成は特に限定されるものではない。
【0015】
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は、正の屈折力を有し、合焦の際に光軸に沿って移動するレンズ群である限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。第2レンズ群は、合焦時に高速に光軸上を移動する上で、1つのレンズ成分からなることが好ましい。また第2レンズ群は、最も像側に両凸レンズを有することが好ましい。この構成によって、収差補正をしつつ、小型化が容易となる。
【0016】
(3)第3レンズ群
第3レンズ群は、正の屈折力を有し、合焦の際に像面に対して固定されるレンズ群である限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。第3レンズ群は、最も像側に両凹レンズを配置することが好ましい。この構成によって、歪曲収差を補正しつつ全長を抑えることが容易となる。また、第3レンズ群は、小型化をする上で、1つのレンズ成分のみから構成されることが好ましい。
【0017】
(4)開口絞り
当該光学系において、開口絞りの配置は、第1レンズ群内である限り、その具体的な構成は特に限定されるものではない。開口絞りを第1レンズ群内に配置することにより、開口絞りの前後において収差を効率よく打ち消し合うことができ、光学性能の高い光学系を得る上で好ましい。
【0018】
1-2.動作
(1)合焦
当該光学系は、無限遠から近距離への合焦に際し、第2レンズ群が光軸上を移動する限り、その具体的な動作は特に限定されるものではない。また、無限遠から近距離への合焦に際し、第2レンズ群が光軸上を物体側へ移動する構成が好ましい。
【0019】
1-3. 式
当該光学系は、上述した構成を採用すると共に、次に説明する式を少なくとも1つ以上満足することが望ましい。
【0020】
1-3-1.式(1)
-1.10 ≦ f1a/f1 ≦ -0.05・・・・・(1)
但し、
f1a:第1a群の焦点距離
f1:第1レンズ群の焦点距離
【0021】
式(1)は、第1レンズ群の焦点距離と開口絞りより物体側に配置された第1a群の焦点距離の比を規定するための式である。式(1)を満足させることで、諸収差を良好に補正しつつ、小型化が容易となる。
【0022】
式(1)の下限値を下回ると、第1a群の屈折力が弱くなり、開口絞りより物体側に配置されたレンズ群の径小化が不十分となる。また、鏡筒の小型化の妨げとなる。一方、式(1)の上限値を超えると、第1a群の屈折力が強くなり、コマ収差や歪曲収差等の諸収差の補正が困難となる。
【0023】
上記効果を得る上で、式(1)の下限値は-1.00であることが好ましく、-0.95であることがより好ましい。また、式(1)の上限値は-0.10であることが好ましく、-0.20であることがより好ましい。なお、これらの好ましい下限値又は上限値を採用する場合、式(1)において等号付不等号(≦)を不等号(<)に置換してもよい。他の式についても原則として同様である。
【0024】
1-3-2.式(2)
0.05 ≦ f1/f ≦ 4.30・・・・・(2)
但し、
f:当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離
【0025】
式(2)は第1レンズ群の焦点距離と当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離の比を規定するための式である。式(2)を満足させることで、諸収差を良好に補正しつつ、第1レンズ群の小型化が容易となる。
【0026】
式(2)の下限値を下回ると、第1レンズ群の屈折力が強くなり、球面収差やコマ収差等の諸収差の補正が困難となる。一方、式(2)の上限値を超えると、第1レンズ群の屈折力が弱くなり、第2レンズ群の径小化が不十分となる。また駆動ユニットの大型化につながり、鏡筒の小型化が困難となる。
【0027】
上記効果を得る上で、式(2)の下限値は0.10であることが好ましく、0.20であることがより好ましく、1.00であることがより好ましい。また、式(2)の上限値は4.00であることが好ましく、3.70であることがより好ましい。
【0028】
1-3-3.式(3)
1.10 ≦ (1-β2)×β3 ≦ 5.00・・・・・(3)
但し、
β2:無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率
β3:無限遠合焦時の第3レンズ群の横倍率
【0029】
式(3)は合焦時に光軸上を移動する第2レンズ群のピント敏感度の絶対値、すなわち第2レンズ群が単位量動いた場合の像面移動量を規定するための式である。式(3)を満足することで、合焦の際の移動量を抑えることができ、鏡筒の小型化を図ることが容易となる。
【0030】
これに対して、式(3)の値が下限値を下回ると、合焦時に光軸上を移動する第2レンズ群の移動量が大きくなることで、光学全長の小型化が困難となる。一方、式(3)の上限値を超えると、ピント位置の位置ずれを補正するための第2レンズ群の移動量が小さくなり過ぎるため、高精度の制御が必要となり、好ましくない。
【0031】
上記効果を得る上で、式(3)の下限値は1.20であることが好ましく、1.30であることがより好ましい。また、条式(3)の上限値は4.50であることが好ましく、4.00であることがより好ましい。
【0032】
1-3-4.式(4)
1.60 ≦ Nd11 ≦ 2.15・・・・・(4)
但し、
Nd11:第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分(最物体側レンズ成分)のd線における屈折率
【0033】
式(4)は最も物体側に配置されたレンズ成分のd線における屈折率を規定した式である。式(4)を満足させることで、諸収差を良好に補正しつつ、小型化が容易となる。
【0034】
式(4)の下限値を下回ると、最物体側レンズ成分の屈折率が小さいため、前玉径が大きくなり、鏡筒径の小型化が困難となる。一方、式(4)の上限値を超えると、像面湾曲収差の補正が困難になり、高い光学性能を実現することが困難となる。なお、レンズ成分が接合レンズの時、2枚でも良いし、3枚以上のレンズの接合でも良い。また、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分が接合レンズの時には、接合レンズのうち最も物体側のレンズが式(4)を満足することが好ましい。また、接合レンズのうち負レンズが式(4)を満たすことが好ましい。また、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分が複合レンズの時には、複合レンズのうちベースとなるレンズが式(4)を満足することが好ましい。
【0035】
上記効果を得る上で、式(4)の下限値は1.65であることが好ましく、1.70であることがより好ましい。また、式(4)の上限値は2.10であることが好ましく、2.05であることがより好ましい。
【0036】
1-3-4.式(5)
0.50 ≦ f11/f1a ≦ 1.70・・・・・(5)
但し、
f11:第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分(最物体側レンズ成分)の焦点距離
【0037】
式(5)は第1レンズ群の最も物体側に配置された第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分と第1a群の焦点距離の比を規定するための式である。式(5)を満足することで、諸収差を良好に補正しつつ、小型化が容易となる。
【0038】
式(5)の下限値を下回ると、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の屈折力が強くなり、非点収差や倍率色収差等の諸収差の補正が困難となる。一方、式(5)の上限値を超えると、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の屈折力が弱くなり、前玉径の径小化が不十分となる。また、鏡筒の小型化が困難となる。
【0039】
上記効果を得る上で、式(5)の下限値は0.55であることが好ましく、0.60であることがより好ましく、0.80であることがさらに好ましい。また、式(5)の上限値は1.65であることが好ましく、1.60であることがより好ましい。
【0040】
1-3-6.式(6)
-1.25 ≦ f11/f1 ≦ -0.35・・・・・(6)
【0041】
式(6)は第1レンズ群の最も物体側に配置された第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分と第1レンズ群の焦点距離の比を規定するための式である。式(6)を満足することで、諸収差を良好に補正しつつ、小型化が容易となる。
【0042】
式(6)の下限値を下回ると、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の屈折力が弱くなり、前玉径の径小化が不十分となる。また、鏡筒の小型化が困難となる。一方、式(6)の上限値を超えると、第1レンズ群の最も物体側に配置されたレンズ成分の屈折力が強くなり、非点収差や倍率色収差等の諸収差の補正が困難となる。
【0043】
上記効果を得る上で、式(6)の下限値は-1.20であることが好ましく、-1.15であることがより好ましく、-1.00であることがさらに好ましい。また、式(6)の上限値は-0.40であることが好ましく、-0.45であることがより好ましい。
【0044】
1-3-7. 式(7)
-3.45 ≦ f3/f ≦ -1.35・・・・・(7)
但し、
f3:第3レンズ群の焦点距離
【0045】
式(7)は第3レンズ群の最も物体側に配置された第3レンズ群の焦点距離と当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離の比を規定するための式である。式(7)を満足することで、諸収差を良好に補正しつつ、小型化が容易となる。
【0046】
式(7)の下限値を下回ると、第3レンズ群の屈折力が弱くなり、後玉径の径小化が不十分となる。また、鏡筒の小型化が困難となる。一方、式(7)の上限値を超えると、第3レンズ群の屈折力が強くなり、非点収差や倍率色収差等の諸収差の補正が困難となる。
【0047】
上記効果を得る上で、式(7)の下限値は-3.40であることが好ましく、-3.30であることがより好ましい。また、式(7)の上限値は-1.40であることが好ましく、-1.50であることがより好ましく、-2.00であることがさらに好ましい。
【0048】
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係る光学系と、当該光学系によって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。なお、撮像素子は光学系の像側に設けられることが好ましい。
【0049】
ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどの固体撮像素子等も用いることができる。本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、一眼レフカメラ、ミラーレス一眼カメラ、デジタルスチルカメラ、監視カメラ、車載用カメラ、ドローン搭載用カメラ等の種々の撮像装置に適用することができる。また、これらの撮像装置はレンズ交換式の撮像装置であってもよいし、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよい。特に本発明に係る光学系はフルサイズ等のサイズの大きな撮像素子を搭載した撮像装置の光学系に好適である。当該光学系は全体的に小型で軽量、且つ、高い光学性能を有するため、このような撮像装置用の光学系としたときにも高画質な撮像画像を得ることができる。
【0050】
図11は、本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を模式的に示す図である。図11に示されるように、撮像装置1は、カメラ2及びカメラ2に着脱可能なレンズ3を有している。撮像装置1は、撮像装置の一態様である。
【0051】
カメラ2は、撮像素子としてのCCDセンサ21及びカバーガラス22を有している。CCDセンサ21は、カメラ2中における、カメラ2に装着されたレンズ3内の光学系の光軸が中心軸となる位置に配置されている。カメラ2は、カバーガラス22の代わりに、IRカットフィルター等を有していてもよい。
【0052】
次に、実施例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例0053】
(1)光学構成
図1は、本件発明に係る実施例1の光学系の無限遠合焦時の断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。
【0054】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って像側から物体側へ移動する。
【0055】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、第1a群G1a、開口絞りS、第1b群G1bから構成されている。第1a群G1aは物体側から順に、負メニスカスレンズ(最物体側レンズ成分)と、負メニスカスレンズと、両凹レンズ及び両凸レンズが接合された接合レンズとから構成され、第1b群G1bは物体側から順に、負メニスカスレンズと両凸レンズが接合された接合レンズと、正メニスカスレンズと、両凸レンズと、両凹レンズとから構成されている。
【0056】
第2レンズ群G2は、両凸レンズのみから構成されている。
【0057】
第3レンズ群G3は、物体側に非球面を有する両凹複合非球面レンズのみから構成されている。
【0058】
なお、図1において、「IP」は像面であり、具体的には、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。また、像面IPの物体側にはカバーガラスCGを備える。この点は、他の実施例で示す各レンズ断面図においても同様であるため、以後説明を省略する。
【0059】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例について説明する。以下に、「レンズデータ」、「諸元表」、「可変間隔」、「非球面係数」、「各レンズ群の焦点距離」を示す。また、各式の値(表1)は実施例5の後にまとめて示す。なお、以下の各数値実施例において、長さの単位は全て「mm」であり、角度の単位は全て「°」である。
【0060】
(レンズデータ)において、「面NO.」は物体側から数えたレンズ面の順番、「r」はレンズ面の曲率半径、「D」は光軸上のレンズ肉厚又は空気間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.56nm)における屈折率、「vd」はd線におけるアッベ数を示す。また、「面NO.」の欄において数字の次に付した「*」はそのレンズ面が非球面であることを示し、「S」はその面が開口絞りSであることを示す。「D」の欄において、「D(7)」、「D(10)」等と示すのは、当該レンズ面の光軸上の間隔が合焦時に変化する可変間隔であることを意味する。また、曲率半径の欄の「∞」は、そのレンズ面が平面であることを意味する。
【0061】
(諸元表)において、「f」は当該光学系の焦点距離、「Fno.」はFナンバー、「ω」は半画角である。それぞれ無限遠合焦時、至近合焦時における値を示す。
【0062】
(可変間隔)において、無限遠合焦時及び至近合焦時の値をそれぞれ示す。
【0063】
(非球面係数)は、次のようにして非球面形状を定義したときの非球面係数を示す。但し、xは光軸方向の基準面からの変位量、rは近軸曲率半径、Hは光軸に垂直な方向の光軸からの高さ、Kは円錐係数、Anはn次の非球面係数とする。また「非球面係数」の表において「E±XX」は指数表記を表し「×10±XX」を意味する。
【0064】
【数1】
【0065】
これらの各数値実施例における事項は他の実施例においても同様であるため、以後説明を省略する。
【0066】
また、図2に当該光学系の無限遠物体合焦時における縦収差図を示す。各図に示す縦収差図は、図面に向かって左側から順に、それぞれ球面収差(mm)、非点収差(mm)、歪曲収差(%)である。球面収差図は実線がd線(波長587.56nm)、長破線がF線(波長486.13nm)、短破線がC線(波長656.28nm)における球面収差をそれぞれ示す。非点収差図は縦軸が半画角(ω)、横軸がデフォーカスであり、実線がd線のサジタル像面(S)を示し、破線がd線のメリディオナル像面(T)をそれぞれ示す。歪曲収差図は、縦軸が半画角(ω)、横軸が歪曲収差である。これらの事項は、他の実施例において示す各収差図においても同じであるため、以後説明を省略する。
【0067】
(レンズデータ)
面NO. r D Nd vd
1 23.0814 1.3000 1.69680 55.46
2 9.5000 3.8122
3* 23.4834 0.9000 1.59201 67.02
4* 10.4049 3.3950
5 -77.3884 0.8100 1.49700 81.61
6 22.7686 2.8852 1.91268 31.83
7 -112.9005 2.5831
8S ∞ 2.0049
9 27.2055 0.8000 1.76729 25.24
10 9.2640 3.5569 1.51641 77.12
11 -47.6755 3.2862
12 -249.3209 2.7156 1.92042 21.15
13 -19.8093 0.5217
14* 51.7169 4.5570 1.49710 81.56
15* -12.1735 0.1000
16 -21.1008 0.8000 1.71309 27.86
17 20.1206 D(17)
18 33.4718 5.7074 1.49700 81.61
19 -22.6116 D(19)
20* -138.8796 0.2000 1.53610 41.21
21 -66.7308 1.0000 1.90043 37.37
22 70.0000 15.0744
23 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
24 ∞ 1.0000
【0068】
(諸元表)
f 16.4814 15.8322
Fno. 2.8843 2.8961
ω 54.9227 54.8843
【0069】
(可変間隔)
倍率 ∞ -0.1154
D(17) 3.7929 2.7838
D(19) 2.4975 3.5066
【0070】
(非球面係数)
面NO. K A4 A6 A8 A10
3 0.00000E+00 6.82780E-05 -9.99113E-07 5.12613E-09 0.00000E+00
4 0.00000E+00 7.14175E-05 -1.14562E-06 -5.34864E-09 0.00000E+00
14 0.00000E+00 -2.92014E-05 -2.49463E-07 -6.03768E-11 0.00000E+00
15 0.00000E+00 9.17837E-05 -3.87076E-07 2.46877E-09 0.00000E+00
20 0.00000E+00 -3.02348E-05 -1.12435E-07 1.17164E-10 0.00000E+00
【0071】
(各レンズ群の焦点距離)
G1 30.706
G2 28.103
G3 -44.933
【実施例0072】
(1)光学構成
図3は、本件発明に係る実施例2の光学系の無限遠合焦時の断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。
【0073】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って像側から物体側へ移動する。
【0074】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、第1a群G1a、開口絞りS、第1b群G1bから構成されている。第1a群G1aは物体側から順に、負メニスカスレンズ(最物体側レンズ成分)と、負メニスカスレンズと、両凹レンズ及び両凸レンズが接合された接合レンズとから構成され、第1b群G1bは物体側から順に、負メニスカスレンズと両凸レンズが接合された接合レンズと、両凸レンズと、両凸レンズと、両凸レンズと、両凹レンズとから構成されている。
【0075】
第2レンズ群G2は、両凸レンズのみから構成されている。
【0076】
第3レンズ群G3は、物体側に非球面を有する両凹複合非球面レンズのみから構成されている。
【0077】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例を示す。また、図4に光学系の無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0078】
(レンズデータ)
面NO. r D Nd vd
1 22.7424 1.3000 1.69680 55.46
2 8.8352 4.6915
3* 32.5332 0.9000 1.59201 67.02
4* 11.2658 2.8359
5 -406.9572 0.8100 1.49700 81.61
6 20.6064 3.2305 1.91082 35.25
7 -94.4209 3.5321
8S ∞ 2.0000
9 41.7689 0.8000 1.75211 25.05
10 10.3064 3.6808 1.49700 81.61
11 -27.2522 2.3793
12 110.4840 2.7446 1.86966 20.02
13 -22.5696 0.6460
14* 74.7953 3.8332 1.49710 81.56
15* -13.1969 0.2000
16 -23.4567 0.8000 1.78472 25.72
17 21.8059 D(17)
18 48.2189 5.1869 1.49700 81.61
19 -19.6894 D(19)
20* -176.9605 0.2000 1.53610 41.21
21 -70.9987 1.0000 1.90043 37.37
22 73.9218 15.0000
23 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
24 ∞ 1.0000
【0079】
(諸元表)
f 15.8110 15.2446
Fno. 2.8840 2.8995
ω 56.0468 56.1871
【0080】
(可変間隔)
倍率 ∞ -0.1107
D(17) 4.0290 3.0446
D(19) 2.5004 3.4848
【0081】
(非球面係数)
面NO. K A4 A6 A8 A10
3 0.00000E+00 7.26547E-05 -1.02670E-06 4.33587E-09 0.00000E+00
4 0.00000E+00 6.23251E-05 -1.15432E-06 -1.27734E-08 0.00000E+00
14 0.00000E+00 -2.26052E-05 -1.58588E-07 -8.32590E-10 0.00000E+00
15 0.00000E+00 8.36388E-05 -4.47202E-07 1.13438E-09 0.00000E+00
20 0.00000E+00 -3.87171E-05 -9.81562E-08 -3.87217E-10 0.00000E+00
【0082】
(各レンズ群の焦点距離)
G1 28.312
G2 28.862
G3 -49.017
【実施例0083】
(1)光学構成
図5は、本件発明に係る実施例3の光学系の無限遠合焦時の断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。
【0084】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って像側から物体側へ移動する。
【0085】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、第1a群G1a、開口絞りS、第1b群G1bから構成されている。第1a群G1aは物体側から順に、負メニスカスレンズ(最物体側レンズ成分)と、負メニスカスレンズと、負メニスカスレンズ及び正メニスカスレンズが接合された接合レンズとから構成され、第1b群G1bは物体側から順に、負メニスカスレンズと両凸レンズが接合された接合レンズと、両凸レンズと、両凸レンズと、両凹レンズとから構成されている。
【0086】
第2レンズ群G2は、両凸レンズのみから構成されている。
【0087】
第3レンズ群G3は、物体側に非球面を有する両凹複合非球面レンズのみから構成されている。
【0088】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例を示す。また、図6に光学系の無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0089】
(レンズデータ)
面NO. r D Nd vd
1 22.4358 1.3000 1.77250 49.62
2 8.2652 4.1325
3* 20.7394 0.9000 1.61881 63.86
4* 11.4094 2.5630
5 140.2929 0.8100 1.49700 81.61
6 17.3243 4.3457 1.90366 31.32
7 44.2243 2.5000
8S ∞ 2.4758
9 18.9894 0.8000 1.84666 23.78
10 10.9150 4.0175 1.49700 81.61
11 -26.7127 2.3720
12 49.2918 2.8745 1.86966 20.02
13 -26.5307 0.2000
14* 47.0076 2.9932 1.49710 81.56
15* -18.5096 0.2000
16 -26.0067 0.8000 1.84666 23.78
17 18.5284 D(17)
18 34.4262 5.4142 1.49700 81.61
19 -18.5986 D(19)
20* -1251.3915 0.2000 1.53610 41.21
21 -88.7095 1.0000 1.90043 37.37
22 49.2248 16.8333
23 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
24 ∞ 1.0000
【0090】
(諸元表)
f 16.1597 15.6244
Fno. 2.8840 2.9208
ω 55.2222 55.2293
【0091】
(可変間隔)
倍率 ∞ -0.1154
D(17) 3.6817 2.8587
D(19) 3.0869 3.9100
【0092】
(非球面係数)
面NO. K A4 A6 A8 A10
3 0.00000E+00 1.27560E-04 -8.33243E-07 -9.28556E-09 0.00000E+00
4 0.00000E+00 9.45114E-05 -5.25690E-07 -4.74923E-08 0.00000E+00
14 0.00000E+00 -4.15675E-05 -3.56142E-07 -9.80924E-10 0.00000E+00
15 0.00000E+00 2.82561E-05 -4.19613E-07 1.24271E-12 0.00000E+00
20 0.00000E+00 -6.36104E-05 -1.38232E-07 2.14449E-10 0.00000E+00
【0093】
(各レンズ群の焦点距離)
G1 42.008
G2 25.149
G3 -43.721
【実施例0094】
(1)光学構成
図7は、本件発明に係る実施例4の光学系の無限遠合焦時の断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。
【0095】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って像側から物体側へ移動する。
【0096】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、第1a群G1a、開口絞りS、第1b群G1bから構成されている。第1a群G1aは物体側から順に、負メニスカスレンズ(最物体側レンズ成分)と、負メニスカスレンズと、物体側に非球面を有する両凸複合非球面レンズとから構成され、第1b群G1bは物体側から順に、両凸レンズと、正メニスカスレンズと負メニスカスレンズが接合された接合レンズから構成されている。
【0097】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹非球面レンズと、両凸非球面レンズから構成されている。
【0098】
第3レンズ群G3は、物体側に非球面を有する両凹複合非球面レンズのみから構成されている。
【0099】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例を示す。また、図8に光学系の無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0100】
(レンズデータ)
面NO. r D Nd vd
1 19.8611 1.2000 1.88300 40.81
2 9.4923 5.8751
3 156.9035 1.0000 1.49700 81.61
4 10.4878 2.6977
5* 55.2977 0.2000 1.53610 41.21
6 29.4087 2.3472 1.91082 35.25
7 -84.5403 6.0300
8S ∞ 1.5000
9 25.4275 3.7629 1.49700 81.61
10 -14.7214 0.6836
11 -32.6671 4.0004 1.78590 43.93
12 -8.2866 0.7000 1.88100 40.13
13 -30.6235 D(13)
14* -64.1141 0.8000 1.80139 45.45
15* 81.9216 0.7144
16* 29.8488 6.7390 1.49700 81.61
17* -10.1153 D(17)
18* -53.8636 0.2000 1.53610 41.21
19 -40.2005 1.0000 1.64769 33.84
20 23.5243 20.2092
21 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
22 ∞ 1.0000
【0101】
(諸元表)
f 16.4811 15.8986
Fno. 2.8878 2.9113
ω 54.3806 54.6280
【0102】
(可変間隔)
倍率 ∞ -0.0905
D(13) 2.6917 2.2614
D(17) 1.9992 2.4296
【0103】
(非球面係数)
面NO. K A4 A6 A8 A10
5 0.00000E+00 4.45639E-05 8.12432E-07 -1.14394E-08 1.96460E-10
14 0.00000E+00 1.44370E-04 -2.84799E-06 -5.84227E-08 5.20571E-10
15 0.00000E+00 1.85613E-04 1.88726E-06 -1.35773E-07 1.20959E-09
16 0.00000E+00 -1.27270E-04 5.40504E-06 -9.21760E-08 4.95535E-10
17 0.00000E+00 9.44297E-05 -4.03657E-07 7.01258E-09 0.00000E+00
18 0.00000E+00 5.77689E-06 -4.71936E-07 0.00000E+00 0.00000E+00
【0104】
(各レンズ群の焦点距離)
G1 22.363
G2 21.72
G3 -24.683
【実施例0105】
(1)光学構成
図9は、本件発明に係る実施例5の光学系の無限遠合焦時の断面図である。当該光学系は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1、正の屈折力を有する第2レンズ群G2、負の屈折力を有する第3レンズ群G3、から構成されている。
【0106】
無限遠物体から近接物体への合焦の際、第2レンズ群G2が光軸に沿って像側から物体側へ移動する。
【0107】
第1レンズ群G1は、物体側から順に、第1a群G1a、開口絞りS、第1b群G1bから構成されている。第1a群G1aは物体側から順に、負メニスカスレンズ(最物体側レンズ成分)と、負メニスカスレンズと、物体側に非球面を有する両凸複合非球面レンズとから構成され、第1b群G1bは物体側から順に、両凸レンズと、両凸レンズと両凹レンズが接合された接合レンズから構成されている。
【0108】
第2レンズ群G2は、物体側から順に、両凹非球面レンズと、両凸非球面レンズから構成されている。
【0109】
第3レンズ群G3は、物体側に非球面を有する両凹複合非球面レンズのみから構成されている。
【0110】
(2)数値実施例
次に、当該光学系の具体的数値を適用した数値実施例を示す。また、図10に光学系の無限遠合焦時における縦収差図を示す。
【0111】
(レンズデータ)
面NO. r D Nd vd
1 19.1175 1.2000 1.88300 40.81
2 9.1370 6.0287
3 215.1384 1.0000 1.49700 81.61
4 10.9693 2.5426
5* 59.9342 0.2000 1.53610 41.21
6 34.0236 2.3466 1.91082 35.25
7 -59.3684 6.0321
8S ∞ 1.5000
9 35.1168 3.5416 1.49700 81.61
10 -14.9146 0.6046
11 309.6062 4.9668 1.80611 40.73
12 -8.5126 0.7000 1.88202 37.22
13 108.2794 D(13)
14* -125.0396 0.8000 1.76802 49.24
15* 115.7335 0.5563
16* 29.9394 6.8106 1.49700 81.61
17* -10.0903 D(17)
18* -57.3545 0.2000 1.53610 41.21
19 -41.4948 1.0000 1.64769 33.84
20 26.2967 19.6246
21 ∞ 2.5000 1.51680 64.20
22 ∞ 1.0000
【0112】
(諸元表)
f 16.4815 15.9592
Fno. 2.8840 2.8956
ω 54.3231 54.4370
【0113】
(可変間隔)
倍率 ∞ -0.0909
D(13) 2.6973 2.2663
D(17) 1.9988 2.4298
【0114】
(非球面係数)
面NO. K A4 A6 A8 A10
5 0.00000E+00 3.92816E-05 9.14059E-07 -1.33687E-08 2.27928E-10
14 0.00000E+00 1.60363E-04 -2.38349E-06 -6.96530E-08 5.26355E-10
15 0.00000E+00 1.94354E-04 2.08207E-06 -1.47505E-07 1.27820E-09
16 0.00000E+00 -1.09702E-04 4.61856E-06 -8.14767E-08 4.40973E-10
17 0.00000E+00 1.07871E-04 -5.40057E-07 7.25856E-09 0.00000E+00
18 0.00000E+00 1.16402E-05 -5.68300E-07 0.00000E+00 0.00000E+00
【0115】
(各レンズ群の焦点距離)
G1 42.848
G2 18.932
G3 -27.115
【0116】
(表1)
実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5
式(1)f1a/f1 -0.681 -0.800 -0.300 -0.900 -0.500
式(2)f1/f 1.863 1.791 2.600 1.357 2.600
式(3)(1-β2)×β3 1.669 1.549 1.948 3.201 3.201
式(4)Nd11 1.697 1.697 1.773 1.883 1.883
式(5)f11/f1a 1.154 0.952 1.400 1.082 0.980
式(6)f11/f1 -0.785 -0.762 -0.420 -0.974 -0.490
式(7)f3/f -2.726 -3.100 -2.706 -1.498 -1.645
f 16.482 15.811 16.160 16.481 16.482
f1 30.706 28.312 42.008 22.363 42.848
f1a -20.899 -22.652 -12.604 -20.127 -21.424
f11 -24.118 -21.563 -17.645 -21.773 -21.005
f3 -44.933 -49.017 -43.721 -24.683 -27.115
β2 0.384 0.409 0.266 0.381 0.210
β3 1.399 1.364 1.448 1.935 1.830
【産業上の利用可能性】
【0117】
本件発明に係る光学系は、例えば、フィルムカメラ、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の撮像装置の光学系として好適に適用できる。
【符号の説明】
【0118】
S ・・・開口絞り
CG ・・・カバーガラス
IP ・・・像面
G1 ・・・第1レンズ群
G2 ・・・第2レンズ群
G3 ・・・第3レンズ群
G1a ・・・第1a群
G1b ・・・第1b群
1 ・・・撮像装置
2 ・・・カメラ
3 ・・・レンズ
21 ・・・CCDセンサ 又は CMOSセンサ
22 ・・・カバーガラス 又は IRカットフィルター

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11