(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080535
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】支援装置、支援方法、及び支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230602BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20230602BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 340
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193930
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 亜季子
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 公亮
(72)【発明者】
【氏名】藤本 有華
(72)【発明者】
【氏名】原田 楓子
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB66
5L049CC12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】商品を購入しようとするユーザの利便性を向上させる。支援装置、支援プログラム及び支援方法を提供する。
【解決手段】分析装置と、支援装置と、ユーザ端末と、被験者端末と、それらを接続する通信手段であるインターネットとを備える支援システムにおいて、支援装置200は、商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品毎に格納する商品データベースと、商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得する回答取得部と、ユーザにより選択された選択肢に基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定する尺度判定部と、尺度判定部が判定した1つ以上の尺度のスコアに基づいて、データベースから商品を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された商品をユーザに提示する提示部と、を備える。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品ごとに格納するデータベースと、
前記商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得する回答取得部と、
ユーザにより選択された選択肢に基づいて、前記ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定する尺度判定部と、
前記尺度判定部により判定された1つ以上の尺度のスコアに基づいて、前記データベースから商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された商品をユーザに提示する提示部と、
を備える支援装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記尺度判定部により判定された1つ以上の尺度のスコアが高い商品を前記データベースから抽出する
請求項1に記載の支援装置。
【請求項3】
前記商品又は表現の複数の選択肢のそれぞれに前記複数の尺度のスコアが付与されており、前記尺度判定部は、ユーザにより選択された選択肢に付与されている前記複数の尺度のスコアに基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる尺度を判定する
請求項1又は2に記載の支援装置。
【請求項4】
前記選択肢に付与されるスコアは、前記選択肢に対する複数の尺度についての印象を問う質問に対する被験者の回答に基づいて生成される
請求項3に記載の支援装置。
【請求項5】
前記データベースは、前記商品に対する複数の尺度についての印象を問う質問に対する被験者の回答に基づいて生成される
請求項1から4のいずれかに記載の支援装置。
【請求項6】
前記尺度判定部は、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる2つ以上の尺度を判定し、
前記抽出部は、前記尺度判定部により判定された2つ以上の尺度のそれぞれのスコアが高い商品を前記データベースから抽出し、
前記提示部は、前記抽出部により抽出された商品を、基準とした尺度ごとに提示する
請求項1から5のいずれかに記載の支援装置。
【請求項7】
前記提示部は、複数の種類の商品の抽出結果をそれぞれ提示し、いずれかの種類の商品がユーザにより選択されると、選択された商品が抽出されるときに基準とされた尺度のスコアに基づいて商品を提示する
請求項1から6のいずれかに記載の支援装置。
【請求項8】
前記提示部は、ユーザによりそれぞれ選択された複数の種類の商品を含む画像を表示し、ユーザにより別の商品が選択されると、選択された別の商品を含む画像に表示を切り替える
請求項7に記載の支援装置。
【請求項9】
コンピュータを、
ユーザに提案する商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得する回答取得部と、
ユーザにより選択された選択肢に基づいて、前記ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定する尺度判定部と、
前記尺度判定部により判定された1つ以上の尺度のスコアに基づいて、前記商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品ごとに格納するデータベースから商品を抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された商品をユーザに提示する提示部と、
として機能させるための支援プログラム。
【請求項10】
コンピュータに、
ユーザに提案する商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得するステップと、
ユーザにより選択された選択肢に基づいて、前記ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定するステップと、
判定された1つ以上の尺度のスコアに基づいて、前記商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品ごとに格納するデータベースから商品を抽出するステップと、
抽出された商品をユーザに提示するステップと、
を実行させる支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品を購入しようとするユーザを支援するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
顧客が住空間を新築したりリフォームしたりする際に、顧客が施工後の住空間をイメージできるようにするため、ウェブサイトやショールームなどにおいて様々なシミュレーションツールが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、顧客自身が住空間のシミュレーションを行う場合、住空間に配置可能な数多くの商品の中から何を基準に商品を選択すればよいのかが分からず、選択疲れを起こすことがある。また、デザインに関する知識のない顧客にとって、センスの良い住空間を主体的に作成することは困難である。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、商品を購入しようとするユーザの利便性を向上させる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の支援装置は、商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品ごとに格納するデータベースと、商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得する回答取得部と、ユーザにより選択された選択肢に基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定する尺度判定部と、尺度判定部により判定された1つ以上の尺度のスコアに基づいて、データベースから商品を抽出する抽出部と、抽出部により抽出された商品をユーザに提示する提示部と、を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、支援方法である。この方法は、コンピュータに、ユーザに提案する商品とは直接関係しない商品又は表現の複数の選択肢をユーザに提示し、ユーザにより選択された選択肢を取得するステップと、ユーザにより選択された選択肢に基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる1つ以上の尺度を判定するステップと、判定された1つ以上の尺度のスコアに基づいて、商品の印象に関する複数の尺度のスコアを商品ごとに格納するデータベースから商品を抽出するステップと、抽出された商品をユーザに提示するステップと、を実行させる。
【0008】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る支援システムの構成を示す図である。
【
図2】実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
【
図3】実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
【
図4】分析装置が被験者に対して実施する調査の例を示す図である。
【
図5】分析装置により算出されたスコアの例を示す図である。
【
図6】支援装置がユーザに対して実施するアンケートの例を示す図である。
【
図7】支援装置がユーザ端末に提示する画面の例を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る分析装置の機能ブロックを示す図である。
【
図9】実施の形態に係る支援装置の機能ブロックを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の実施の形態として、ユーザの感性や嗜好に合った商品の選択を支援する技術について説明する。本実施の形態の支援システムは、ユーザの感性や嗜好などを把握するためのアンケートを実施し、アンケートに対するユーザの回答に基づいて、ユーザの感性や嗜好に合った商品を抽出してユーザに提示する。アンケートは、ユーザが購入しようとしている商品とは直接関係しないがユーザの感性や嗜好が反映されやすい商品や表現などの複数の選択肢の中からユーザが好む選択肢を問う質問を含む。アンケートの選択肢や、選択の対象となる複数の商品には、印象を表す複数の尺度のスコアが予め付与されている。支援システムは、選択肢や商品に付与されたスコアに基づいて、アンケートにおいてユーザにより選択された選択肢と似た印象を有する商品を抽出してユーザに提示する。これにより、ユーザは、簡単なアンケートに回答するだけで、多数の商品の中から自分の感性や嗜好に合った商品を発見することができる。本実施の形態では、主に、住空間に配置される設備や建材などの商品の選択を支援する例について説明する。
【0011】
図1は、実施の形態に係る支援システム10の構成を示す。支援システム10は、分析装置100と、支援装置200と、ユーザ端末300と、被験者端末400と、それらを接続する通信手段の一例であるインターネット20とを備える。
【0012】
分析装置100は、選択対象の複数の商品や、アンケートに含まれる複数の選択肢の印象を表す複数の尺度のスコアを算出するために、商品や選択肢を被験者端末400に提示して被験者の印象を問う調査を実施する。分析装置100は、被験者による回答を被験者端末400から取得し、それらを分析して複数の商品や選択肢のそれぞれについて複数の尺度のスコアを算出する。
【0013】
支援装置200は、商品や表現などの複数の選択肢をユーザ端末300に提示し、それらの選択肢の中からユーザが好む選択肢を問うアンケートを実施する。支援装置200は、ユーザによる回答をユーザ端末300から取得し、ユーザにより選択された選択肢と似た印象を有する商品を抽出してユーザ端末300に提示する。
【0014】
図2は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
図2は、事前の準備として、分析装置100が複数の商品や選択肢のそれぞれについて複数の尺度のスコアを算出する手順を示す。
【0015】
分析装置100は、複数の商品を被験者端末400に提示する(S10)。分析装置100は、複数の商品のそれぞれの印象を問う調査に対する被験者の回答を取得する(S12)。分析装置100は、取得した回答に基づいて、それぞれの商品の印象を表す複数の尺度のスコアを算出する(S14)。
【0016】
分析装置100は、選択対象の商品とは直接関係しない商品や表現の複数の選択肢を被験者端末400に提示する(S16)。分析装置100は、複数の選択肢のそれぞれの印象を問う調査に対する被験者の回答を取得する(S18)。分析装置100は、取得した回答に基づいて、それぞれの選択肢の印象を表す複数の尺度のスコアを算出する(S20)。
【0017】
図3は、実施の形態に係る支援方法の手順を示すフローチャートである。
図3は、支援装置200がユーザの感性や嗜好に合った商品を抽出して提示する手順を示す。
【0018】
支援装置200は、選択対象の商品とは直接関係しない商品や表現の複数の選択肢をユーザ端末300に提示する(S50)。支援装置200は、ユーザにより選択された選択肢をユーザ端末300から取得する(S52)。支援装置200は、ユーザにより選択された選択肢に基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる尺度を判定する(S54)。支援装置200は、判定された尺度のスコアに基づいて商品を抽出し(S56)、抽出された商品をユーザ端末300に提示する(S58)。
【0019】
図4は、分析装置100が被験者に対して実施する調査の例を示す。
図4(a)は、選択対象の商品の印象を問う調査の例を示す。商品の一例として浴室の壁材の画像が被験者端末400に提示される。被験者は、その壁材に対して、「上質さ」、「やわらかさ」、「大胆」、「シンプル」、「シック」、「爽やか」、「スタイリッシュ」、「トラディショナル」の8つの尺度の印象をどの程度持ったかを5段階で回答する。
図4(b)は、ユーザに対して実施されるアンケートに含まれる選択肢の印象を問う調査の例を示す。アンケートの選択肢の一例として時計の画像が被験者端末400に提示される。被験者は、その時計に対して、上記の8つの尺度の印象をどの程度持ったかを5段階で回答する。なお、それぞれの尺度の印象を7段階で回答させてもよいし、3段階で回答させてもよいし、任意の段階で回答させてもよい。
【0020】
分析装置100は、複数の被験者から回答を収集し、それぞれの商品や選択肢について、8つの尺度のスコアを算出する。分析装置100は、複数の被験者による回答の平均値をスコアとしてもよいし、重み付き平均値、中央値、最頻値など、任意の統計値をスコアとしてもよい。分析装置100は、被験者の性別、年齢、職業などの属性ごとにスコアを算出してもよい。
【0021】
図5は、分析装置100により算出されたスコアの例を示す。
図5(a)は、選択対象の商品のスコアを示す。
図5(b)は、アンケートの選択肢のスコアを示す。選択対象となる全ての商品と、アンケートに含まれる全ての選択肢について、印象を表す8つの尺度のスコアが算出される。
【0022】
図6は、支援装置200がユーザに対して実施するアンケートの例を示す。
図6(a)の例では、複数の種類の時計の画像の中からユーザが好む時計の選択を受け付ける。
図6(b)の例では、複数の種類の車の画像の中からユーザが好む車の選択を受け付ける。時計や車は、提案対象である床材などの商品とは直接関係しないが、印象の異なる複数の種類の商品が存在しており、ユーザの感性や嗜好が反映されやすい。このような商品や表現を選択肢としてアンケートを実施することにより、ユーザが回答しやすくすることができ、ユーザの感性や嗜好がより強く反映された回答を得ることができる。選択肢とする商品は、日常生活においてユーザによりよく使用される商品であってもよい。例えば、選択肢は、衣類、アクセサリー、日用品などであってもよい。また、選択肢は、生活空間に配置される商品であってもよい。例えば、選択肢は、カーテン、カーペット、装飾品などであってもよい。また、選択肢は、生活空間の画像や、内装材などの建材などであってもよい。また、選択肢は、商品そのものではなく、色やパターン模様など、対象商品とは直接関係しない抽象的な表現などであってもよい。
【0023】
支援装置200は、アンケートに対するユーザの回答に基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる尺度を判定する。支援装置200は、ユーザにより選択された選択肢に対して付与されているスコアが高い尺度を基準としてもよい。例えば、
図5(b)に示した「時計1」が選択された場合、「時計1」に付与された8つの尺度のスコアのうち、最もスコアが高い「シック」や、2番目にスコアが高い「トラディショナル」を基準としてもよい。複数の選択肢が選択された場合、それらの選択肢に付与されているスコアを統計処理することにより、基準となる尺度を判定してもよい。例えば、2以上の選択肢に対して付与されているスコアの平均値が高い尺度を基準としてもよい。
【0024】
支援装置200は、判定された尺度のスコアに基づいて商品を抽出する。例えば、基準となる尺度として「シック」が判定された場合、「シック」のスコアが高い順に壁材を抽出してもよい。支援装置200は、複数の尺度で商品を抽出してもよい。例えば、基準となる尺度として「シック」と「トラディショナル」が判定された場合、「シック」のスコアが高い商品と「トラディショナル」のスコアが高い商品をそれぞれ抽出してもよい。
【0025】
図7は、支援装置200がユーザ端末300に提示する画面の例を示す。
図7は、浴室の壁材、浴槽、床材を提案するための画面を示す。支援装置200は、抽出された壁材を、基準となる尺度ごとに複数ずつ提示する。本図では、「シック」のスコアが高い壁材と、「トラディショナル」のスコアが高い壁材が複数ずつ提示されている。ユーザが好みの壁材を選択すると、支援装置200は、選択された壁材が配置された浴室の画像を提示する。また、支援装置200は、選択された壁材に合った浴槽と床材の候補を複数ずつ提示する。例えば、「シック」のスコアが高い壁材の中から壁材がユーザにより選択された場合、「シック」のスコアが高い浴槽と床材を提示する。これにより、ユーザの感性や嗜好に合った浴室全体のコーディネートを提案することができる。ユーザが好みの浴槽と床材を選択すると、支援装置200は、選択された壁材、浴槽、及び床材が配置された浴室の画像を提示する。ユーザが、別の壁材、浴槽、又は床材を選択すると、支援装置200は、選択された別の壁材、浴槽、又は床材が配置された浴室の画像に表示を切り替える。これにより、ユーザは、壁材、浴槽、床材を自由に切り替えながら浴室をシミュレーションすることができる。
【0026】
図8は、実施の形態に係る分析装置100の機能ブロックを示す。各ブロックは、ハードウェア的には、CPUやメモリをはじめとする素子や回路で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等により実現される。ここでは、それらの連携により実現される機能ブロックを描いている。これらの機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアの組合せにより様々な態様で実現できる。以降のブロック図も同様である。
【0027】
分析装置100は、通信部102、制御部110、及び記憶装置150を備える。通信部102は、インターネット20を介した、他の装置との間の通信を制御する。通信部102は、有線又は無線の任意の通信技術を用いて、他の装置との間で通信を行ってもよい。
【0028】
記憶装置150は、質問保持部151、回答保持部152、及びスコア保持部153を備える。
【0029】
質問保持部151は、選択対象の商品やアンケートの選択肢などのデータを保持する。回答保持部152は、質問に対する被験者の回答を保持する。スコア保持部153は、算出されたスコアを保持する。
【0030】
制御部110は、質問提示部111、回答収集部112、スコア算出部113、及びスコア提供部114を備える。
【0031】
質問提示部111は、質問保持部151から読み出した質問を被験者端末400に提示する。回答収集部112は、被験者端末400から送信された質問に対する回答を収集して回答保持部152に格納する。スコア算出部113は、回答保持部152に保持された回答に基づいて、それぞれの商品や選択肢の印象を表す複数の尺度のスコアを算出してスコア保持部153に格納する。スコア提供部114は、スコア保持部153に保持されたスコアを支援装置200に提供する。
【0032】
図9は、実施の形態に係る支援装置200の機能ブロックを示す。これらの機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェアの組合せにより様々な態様で実現できる。
【0033】
支援装置200は、通信部202、制御部210、及び記憶装置250を備える。通信部202は、インターネット20を介した、他の装置との間の通信を制御する。通信部202は、有線又は無線の任意の通信技術を用いて、他の装置との間で通信を行ってもよい。
【0034】
記憶装置250は、アンケート保持部251、スコア保持部252、及び商品データベース253を備える。
【0035】
アンケート保持部251は、ユーザに実施するアンケートのデータを保持する。スコア保持部252は、アンケートに含まれる選択肢のそれぞれに付与された複数の尺度のスコアを保持する。商品データベース253は、選択対象の商品に関する情報を保持する。商品データベース253は、商品のそれぞれに付与された複数の尺度のスコア、商品の種類、機能、仕様、色、サイズ、価格、設置条件などの情報や画像などを保持する。
【0036】
制御部210は、アンケート提示部211、回答取得部212、尺度判定部213、抽出部214、提示部215、選択受付部216、及びスコア取得部217を備える。
【0037】
アンケート提示部211は、アンケート保持部251に保持されたアンケートの質問と回答の選択肢をユーザ端末300に提示する。回答取得部212は、ユーザ端末300からアンケートに対するユーザの回答を取得する。
【0038】
尺度判定部213は、ユーザにより選択された選択肢と、スコア保持部252に保持されたデータに基づいて、ユーザに提案する商品を抽出するための基準となる尺度を判定する。抽出部214は、判定された尺度のスコアに基づいて商品を商品データベース253から抽出する。提示部215は、抽出された商品をユーザ端末300に提示する。
【0039】
選択受付部216は、提示部215によりユーザ端末300に提示された商品の候補の中からユーザにより選択された商品を受け付ける。提示部215は、別の種類の商品の候補として、ユーザにより選択された商品に合った商品の候補を提示する。
【0040】
スコア取得部217は、分析装置100からスコアを取得してスコア保持部252に格納する。
【0041】
本実施の形態の支援システムによれば、ユーザが住宅を購入したり、生活空間をリフォーム又はリノベーションしたり、生活空間に配置される複数の商品を同時に購入したりする場合に、同様の印象を有する複数の商品を提案することにより、ユーザに適した感性価値の高い生活空間を提供することができる。
【0042】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0043】
実施の形態では、分析装置100と支援装置200が別の装置として実現される例について説明したが、これらの装置は1つの装置によって実現されてもよい。また、支援装置200の機能の一部又は全部が、ユーザ端末300において実行されるアプリケーションなどによって実現されてもよい。これらの装置の機能の一部又は全部が、クラウドコンピューティング、分散処理、サーバクライアントモデルなど、任意の態様で実現されてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10 支援システム、20 インターネット、100 分析装置、111 質問提示部、112 回答収集部、113 スコア算出部、114 スコア提供部、151 質問保持部、152 回答保持部、153 スコア保持部、200 支援装置、211 アンケート提示部、212 回答取得部、213 尺度判定部、214 抽出部、215 提示部、216 選択受付部、217 スコア取得部、251 アンケート保持部、252 スコア保持部、253 商品データベース、300 ユーザ端末、400 被験者端末。