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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080537
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/00 20060101AFI20230602BHJP
   G06K 7/08 20060101ALI20230602BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
G06K7/00 004
G06K7/00 021
G06K7/08 040
G06K7/10 376
G06K7/10 416
G06K7/10 232
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193939
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】原 崚太
(72)【発明者】
【氏名】藤本 将也
(57)【要約】
【課題】二次元コードや一次元コードの読み取り機能を備え、且つ、カード挿入口の周りを光らせる演出を行うカードリーダを提供する
【解決手段】カードリーダ1は、カードリーダ本体5と、カードリーダ本体5に固定されるリジッド基板11と、リジッド基板11の表面に配置される発光素子10と、リジッド基板11をカードリーダ本体5とは反対側から覆う光透過性のカバー部材14と、一次元コードまたは二次元コードを撮像するコード撮像部15を有する。カバー部材14には、Y方向に延びるカード挿入口3が設けられている。コード撮像部15は、カバー部材14に保持され、カード挿入口3に対してY方向で隣り合う位置に配置される。リジッド基板11の表面に配置される第1フレキシブルプリント基板13は、NFC通信用のアンテナ9を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードリーダ本体と、
前記カードリーダ本体に固定される基板と、
前記基板の表面に配置される発光素子と、
前記基板を前記カードリーダ本体とは反対側から覆う光透過性のカバー部材と、
一次元コードまたは二次元コードを撮像するコード撮像部と、を有し、
前記カバー部材には、カード挿入口が設けられ、
前記コード撮像部は、前記カバー部材に保持され、前記カード挿入口に対して前記カード挿入口の長手方向で隣り合う位置に配置されることを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
前記コード撮像部は、カメラモジュールおよび発光部を備え、
前記発光部と前記カメラモジュールは、前記長手方向に並んでいることを特徴とする請求項1に記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記発光部は、前記カメラモジュールに対して前記カード挿入口とは前記長手方向で反対側に配置されることを特徴とする請求項2に記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記カメラモジュールの光軸、前記発光部の中心、および前記カード挿入口の中央が同一直線上に並ぶことを特徴とする請求項2または3に記載のカードリーダ。
【請求項5】
前記基板の表面に配置される非接触通信用のアンテナを備えることを特徴とする請求項2から4の何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記基板に設けられたカード通過口を囲む第1部分を備える第1フレキシブルプリント基板を有し、
前記アンテナは、前記第1部分に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のカードリーダ。
【請求項7】
前記発光素子は、前記第1フレキシブルプリント基板を介して、前記カードリーダ本体に設けられた制御基板に接続されることを特徴とする請求項6に記載のカードリーダ。
【請求項8】
前記第1フレキシブルプリント基板は、前記第1部分と前記発光部とを接続する第2部分、および前記カードリーダ本体に接続される第3部分を備え、
前記発光部は、前記第2部分および前記第3部分を介して、前記制御基板に接続されることを特徴とする請求項7に記載のカードリーダ。
【請求項9】
前記カメラモジュールと前記カードリーダ本体とを接続する第2フレキシブルプリント基板を有することを特徴とする請求項6から8の何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記基板に固定されるフランジ部と、前記フランジ部から突出した突出部と、を備え、
前記突出部は前記長手方向に延びており、前記突出部の前記長手方向の一方側の端に前記コード撮像部を保持する保持部が設けられ、
前記カード挿入口は、前記突出部の先端面において、前記保持部に対して前記長手方向で隣り合う位置に開口することを特徴とする請求項2から9の何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項11】
前記コード撮像部は、前記突出部の内側に配置されるホルダを備え、
前記カメラモジュールおよび前記発光部は、前記ホルダによって斜め下向きの姿勢で保
持され、前記保持部の先端面に設けられた開口部から撮像することを特徴とする請求項10に記載のカードリーダ。
【請求項12】
前記コード撮像部は、斜め下方に傾いていることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のカードリーダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード挿入口を備えるカードリーダに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、磁気カードや接触式ICカードをカード挿入口から装置内部へ挿入してカードに対する情報の読み書きを行うカードリーダにおいて、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)などの非接触通信によって非接触式ICカードやスマートフォンなどから情報を読み取る非接触式情報処理装置として使用できるように構成した装置が開示される。
【0003】
特許文献1に記載の非接触式情報処理装置では、カード挿入口の周りを発光させる演出を行う。そのため、カード挿入口に対応する細長い開口が設けられた基板にLEDが搭載されており、基板を覆うように取り付けられたベゼル(カバー部材)にカード挿入口が設けられている。従って、LEDへの通電によりベゼル全体が拡散光を発する態様で光るため、カード挿入口の視認性を高まるとともに、演出効果が得られる。基板には、LEDが接続される回路と、非接触通信により情報を読み取るためのループアンテナを備えた回路が実装される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-57725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
非接触で情報を読み取る手段としては、NFCの他に、QRコード(登録商標)などの二次元コードやバーコードなどの一次元コードなどを読み取る手段が用いられているが、特許文献1の装置は、二次元コードや一次元コードを読み取る手段を備えていない。二次元コードや一次元コードを読み取る手段としては、一般的に、ハンディタイプのコード撮像部が使用されるが、手で持って操作する必要があり、使い勝手が悪い。そこで、カード挿入口の周りに固定式のコード撮像部を設けることが提案されている。
【0006】
しかしながら、固定式のコード撮像部を設けると、カード挿入口が設けられたベゼルが大型化し、カードリーダの外形が大型化する場合がある。このような場合、既存のカードリーダに対するコード撮像部の追加が難しく、二次元コードや一次元コードの読み取り機能の追加が難しいという問題がある。
【0007】
例えば、本願出願人は、特願2020-112496において、カード挿入口の下方に固定式のコード撮像部を設けたカードリーダを提案している。しかしながら、特許文献1の構成において、このような位置にコード撮像部を追加すると、ベゼルの上下の高さが大型化するので、カードリーダの外形が大型化し、取付相手の装置(ゲーム装置など)への影響が大きい。従って、コード撮像部の追加が難しい。
【0008】
以上の問題に鑑みて、本発明の課題は、二次元コードや一次元コードを容易に読み取ることができるカードリーダを提供するとともに、カード挿入口の周りを光らせる演出を行う既存のカードリーダに対するコード撮像部の追加の影響を少なくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のカードリーダは、カードリーダ本体と、前記カードリーダ本体に固定される基板と、前記基板の表面に配置される発光素子と、前記基板を前記カードリーダ本体とは反対側から覆う光透過性のカバー部材と、一次元コードまたは二次元コードを撮像するコード撮像部と、を有し、前記カバー部材には、カード挿入口が設けられ、前記コード撮像部は、前記カバー部材に保持され、前記カード挿入口に対して前記カード挿入口の長手方向で隣り合う位置に配置されることを特徴とする。
【0010】
本態様では、カード挿入口が設けられたカバー部材が光透過性であり、カバー部材の内側には、発光素子を配置した基板が配置される。従って、カード挿入口の周りを発光させる演出を行うことができる。また、本態様では、カバー部材において、カード挿入口に対して長手方向に隣り合う位置にコード撮像部が保持される。このような位置にコード撮像部を配置すると、コード撮像部の存在がわかりやすく、一次元コードまたは二次元コードを読み取る際に、コード撮像部に媒体をかざしやすい。また、この配置を採用すると、スリット状のカード挿入口の位置をその長手方向にずらすだけでコード撮像部の配置スペースを確保できるので、カバー部材の外形への影響が少ない。また、発光素子を搭載した基板やカードリーダ本体側の構成についても、カード挿入口をずらした側にシフトさせるだけでよい。従って、カードリーダの外形への影響も少なく、取付相手の装置への影響が少ない。よって、既存のカードリーダに対するコード撮像部の追加の影響を少なくすることができる。
【0011】
本態様において、前記コード撮像部は、カメラモジュールおよび発光部を備え、前記発光部と前記カメラモジュールは、前記長手方向に並んでいることが好ましい。このようにすると、コード撮像部は、長手方向と直交する方向の寸法を小さくしやすい。従って、カバー部材の外形への影響を少なくすることができる。
【0012】
本態様において、前記発光部は、前記カメラモジュールに対して前記カード挿入口とは前記長手方向で反対側に配置されることが好ましい。このようにすると、カード挿入口から発光部を離すことができるので、カード挿入口の正面にいる利用者がコード撮像部を利用して一次元コードまたは二次元コードを読み取らせるときに、発光部の光をまぶしく感じにくい。
【0013】
本態様において、前記カメラモジュールの光軸、前記発光部の中心、および前記カード挿入口の中央が同一直線上に並ぶことが好ましい。このようにすると、カバー部材の長手方向と直交する方向の寸法を小さくしやすい。従って、カバー部材の外形への影響を少なくすることができる。
【0014】
本態様において、前記基板の表面に配置される非接触通信用のアンテナを備えることが好ましい。このようにすると、NFC(近距離無線通信)による情報の読み取り、および、一次元コードや二次元コードの読み取りの両方が可能になるので、利便性が高い。
【0015】
本態様において、前記基板に設けられたカード通過口を囲む第1部分を備える第1フレキシブルプリント基板を有し、前記アンテナは、前記第1部分に設けられていることが好ましい。このようにすると、アンテナの設置が容易である。
【0016】
この場合に、前記発光素子は、前記第1フレキシブルプリント基板を介して、前記カードリーダ本体に設けられた制御基板に接続されることが好ましい。このようにすると、アンテナ設置および発光素子への配線接続を共通のフレキシブルプリント基板によって行うことができる。従って、発光機能およびアンテナへの配線接続が容易であり、組立容易性が高まる。
【0017】
また、本態様において、前記第1フレキシブルプリント基板は、前記第1部分と前記発光部とを接続する第2部分、および前記カードリーダ本体に接続される第3部分を備え、前記発光部は、前記第2部分および前記第3部分を介して、前記制御基板に接続されることが好ましい。このようにすると、アンテナ設置および発光素子への配線接続に加えて、コード撮像部の発光部への配線接続についても共通のフレキシブルプリント基板によって行うことができる。従って、発光機能および複数の非接触通信機能を設けるための配線接続が容易であり、組立容易性が高まる。
【0018】
本態様において、前記カメラモジュールと前記カードリーダ本体とを接続する第2フレキシブルプリント基板を有することが好ましい。このように、カメラモジュールへの配線接続を発光素子への接続およびアンテナ設置用の配線部材とは別の配線部材(第2フレキシブルプリント基板)で行うようにすると、カメラモジュールからの撮像データをカメラ用の制御回路に接続しやすい。従って、NFC(近距離無線通信)用のアンテナと発光による演出機能を備えた機種へのコード撮像部の追加が容易である。
【0019】
本態様において、前記カバー部材は、前記基板に固定されるフランジ部と、前記フランジ部から突出した突出部と、を備え、前記突出部は前記長手方向に延びており、前記突出部の前記長手方向の一方側の端に前記コード撮像部を保持する保持部が設けられ、前記カード挿入口は、前記突出部の先端面において、前記保持部に対して前記長手方向で隣り合う位置に開口することが好ましい。このようにすると、カバー部材の外形を変えることなくコード撮像部の配置スペースを確保しやすい。
【0020】
本態様において、前記コード撮像部は、前記突出部の内側に配置されるホルダを備え、前記カメラモジュールおよび前記発光部は、前記ホルダによって斜め下向きの姿勢で保持され、前記保持部の先端面に設けられた開口部から撮像することが好ましい。このようにすると、コード撮像部に一次元コードまたは二次元コードが設けられた媒体をかざしやすい。また、一次元コードまたは二次元コードを読み取るときに発光部のまぶしさを感じにくい。
【0021】
本態様において、前記コード撮像部は、斜め下方に傾いていることが好ましい。このようにすると、このようにすると、コード撮像部に一次元コードまたは二次元コードが設けられた媒体をかざしやすい。また、一次元コードまたは二次元コードを読み取るときに発光部のまぶしさを感じにくい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、カード挿入口が設けられたカバー部材が光透過性であり、カバー部材の内側には、発光素子を配置した基板が配置される。従って、カード挿入口の周りを発光させる演出を行うことができる。また、本発明では、カバー部材において、カード挿入口の長手方向に隣り合う位置にコード撮像部が保持される。このような位置にコード撮像部を配置すると、コード撮像部の存在がわかりやすく、一次元コードまたは二次元コードを読み取る際に、コード撮像部に媒体をかざしやすい。また、このような位置にコード撮像部を配置すると、スリット状のカード挿入口の位置をその長手方向にずらすだけでコード撮像部の配置スペースを確保できるので、カバー部材の外形への影響が少ない。また、発光素子を搭載した基板やカードリーダ本体側の構成についても、カード挿入口をずらした側にシフトさせるだけでよい。従って、カードリーダの外形への影響も少なく、取付相手の装置への影響が少ない。よって、既存のカードリーダに対するコード撮像部の追加の影響を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明を適用したカードリーダの平面図および正面図である。
図2図1のカードリーダのカード挿入部の分解斜視図である。
図3】リジッド基板、コード撮像部、第1フレキシブルプリント基板、および第2フレキシブルプリント基板の分解斜視図である。
図4】XY面で切断したコード撮像部の断面図である。
図5】XZ面で切断したコード撮像部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(全体構成)
以下、図面を参照しながら、本発明を適用したカードリーダ1の実施形態を説明する。図1(a)は、本発明を適用したカードリーダ1の平面図である。図1(b)は、本発明を適用したカードリーダ1の正面図である。図2は、図1のカードリーダ1のカード挿入部4の分解斜視図である。図3は、リジッド基板11、コード撮像部15、第1フレキシブルプリント基板13、および第2フレキシブルプリント基板16の分解斜視図である。
【0025】
本明細書において、XYZの3方向は互いに直交する方向である。X方向はカードリーダ1の前後方向である。カード2はカードリーダ1に対してX1方向に挿入され、カードリーダ1からX2方向に取り出される。Y方向はカードリーダ1の幅方向であり、Y方向の一方側をY1、他方側をY2とする。Z方向はカードリーダ1の高さ(厚さ)方向であり、Z方向の一方側をZ1、他方側をZ2とする。
【0026】
図1に示すカードリーダ1は、カード2(図2参照)に記録されたデータの読取やカード2へのデータの記録を行うための装置である。例えば、カードリーダ1は、カジノやゲームセンター等に配置されるゲーム装置等に搭載される。
【0027】
カード2は、例えば、厚さが0.7~0.8mm程度の略長方形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の裏面には、磁気データが記録される磁気ストライプ(図示省略)が形成されている。また、カード2には、ICチップが内蔵されており、カード2の表面には、ICチップの外部接続端子(図示省略)が形成されている。なお、カード2には、磁気ストライプまたは外部接続端子のいずれか一方のみが形成されても良い。また、カード2は、厚さが0.18~0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードであっても良いし、所定の厚さの紙カード等であっても良い。
【0028】
図1図2に示すように、カードリーダ1の前端(X2方向の端部)には、カード2が挿入されるカード挿入口3が開口する。カードリーダ1は、カード挿入口3が形成されたカード挿入部4と、カード挿入口3と繋がるカード通路が形成されたカードリーダ本体5を備える。カードリーダ本体5は、カード通路へ挿入されたカード2の磁気ストライプに記録された磁気データの読取りや磁気データの書込みを行う磁気ヘッドや、カード2のICチップの外部接続端子に接触してカード2とデータの通信を行うIC接点ブロック等を備える。
【0029】
図1(a)に示すように、カード挿入部4は、カードリーダ本体5のX2方向の端部に配置される。カードリーダ本体5のZ1方向の端部には、制御基板6が取り付けられている。制御基板6には、カードリーダ1を制御するCPU等が実装されている。
【0030】
図2に示すように、カード挿入部4は、複数の発光素子10が実装されるリジッド基板11と、リジッド基板11のX1側に配置されるベースプレート12とを備える。本形態では、ベースプレート12とカードリーダ本体5のフレームとが一体である。リジッド基板11とベースプレート12の間には、図示しない絶縁シートが配置される。ベースプレート12およびリジッド基板11は、Y方向を長辺方向とする略長方形の平板状である。複数の発光素子10は、リジッド基板11のX2側の表面に配置される。
【0031】
また、カード挿入部4は、リジッド基板11のX2側の表面に配置される第1フレキシブルプリント基板13と、カード挿入口3が形成されるカバー部材14と、カバー部材14に保持されるコード撮像部15と、コード撮像部15に接続される第2フレキシブルプリント基板16を備える。カバー部材14は、リジッド基板11、第1フレキシブルプリント基板13、およびコード撮像部15をベースプレート12とは反対側(X2方向)から覆う。
【0032】
図2に示すように、ベースプレート12には、カバー部材14に設けられた位置決め突起(図示せず)が嵌まる位置決め穴7a、7bが設けられており、リジッド基板11には、位置決め穴7a、7bの先端と重なる部位を切り欠いた切欠き部11b、11cが形成されている。カバー部材14およびリジッド基板11は、対角位置の2箇所がネジ8a、8bによってベースプレート12に設けられたボス部にねじ止めされる。
【0033】
リジッド基板11、ベースプレート12、および第1フレキシブルプリント基板13には、それぞれ、カード通過口11a、12a、13aが形成されている。また、カバー部材14には、カード2が挿入されるカード挿入口3が形成されている。カード通過口11a、12a、13aは、Y方向を長手方向とする長円状であり、カード挿入口3とX方向に重なる。カード通過口11a、12a、13aは、カード2が通過するカード挿入路を構成する。
【0034】
発光素子10は、LEDであり、カバー部材14に向かって光を照射する。リジッド基板11のX2側の表面において、カード通過口11aのZ1側およびZ2側には、それぞれ、Y方向に並ぶ3個の発光素子10が実装される。カード通過口11aのZ1側およびZ2側において、3個の発光素子10は、それぞれ、カード通過口11aのY方向の中央およびY方向の両端に配置される。リジッド基板11は、第1フレキシブルプリント基板13を介して、カードリーダ本体5の制御基板6と電気的に接続される。制御基板6に実装されたLED制御回路により、発光素子10の発光強度が制御される。
【0035】
図3に示すように、第1フレキシブルプリント基板13は、リジッド基板11より一回り小さい平面状の第1部分17と、第1部分17のY1側の端部に接続される第2部分18と、第1部分17のZ1側の縁からX1側へ屈曲した2本の第3部分19、20を備える。
【0036】
第1部分17は、リジッド基板11のX2側の表面に配置され、カード通過口13aを全周で囲む。第1部分17にはNFC通信用のアンテナ9が設けられている。第1部分17において、アンテナ9の外周側には、6個の発光素子10のうちの1つと重なる部分を切り欠いた1箇所の開口部17a、および、他の5個の発光素子10のそれぞれと重なる部分を切り欠いた5箇所の切欠き部17bが設けられている(図3参照)。
【0037】
図3に示すように、第1部分17は、カード通過口13aのY1側へ延びる延出部17cを備える。第2部分18は、延出部17cのZ2側の縁からX2側へ屈曲してコード撮像部15に接続される。第3部分20は、延出部17cのZ1側の縁からX1側へ屈曲し、カードリーダ本体5の制御基板6に接続される。また、第3部分19は、カード通過口13aのY方向の中央に近い位置において、第1部分17のZ1側の縁からX1側へ屈曲し、制御基板6に接続される。
【0038】
カバー部材14は、半透明の光透過性材料で形成される。本形態では、カバー部材14は、乳白色の光透過性材料で形成されている。なお、カバー部材14は、灰色等の乳白色以外の色であっても良い。図1図2に示すように、カバー部材14は、平板状かつ略長
方形の枠状のフランジ部21と、フランジ部21の中央からX2方向に突出する突出部22を備える。突出部22は、Y方向に細長い形状をしており、カード挿入口3の外周側を囲む。発光素子10は、カバー部材14の突出部22と重なる位置に配置される。
【0039】
カバー部材14は、上記のように、ネジ8a、8bによってリジッド基板11と共にベースプレート12に固定される。カバー部材14は、フランジ部21を貫通する取付孔21aを備える。取付孔21aに通したねじ(図示せず)をカードリーダ1が搭載される相手側装置(例えば、ゲーム装置)にねじ止めすることにより、カードリーダ1は相手側装置に固定される。取付孔21aはY方向に長い長孔であり、突出部22のY方向の両側の2箇所に設けられている。リジッド基板11およびベースプレート12は、取付孔21aとX方向に重なる箇所が切り欠かれている。
【0040】
カードリーダ1は、カバー部材14のフランジ部21のX2側の表面が、カードリーダ1が取り付けられる相手側装置への取付面となる。カバー部材14は、相手側装置にカードリーダ1が取り付けられた状態では、相手側装置の前面パネルに設けられた開口部から突出部22のみが露出した状態となる。
【0041】
相手側装置がカジノやゲームセンター等に設置されるゲーム装置であるとき、カードリーダ1にカード2が差し込まれたままの状態でカードリーダ1が使用される。カードリーダ1にカード2が差し込まれているときには、発光素子10はカバー部材14に向かって光を照射し、カード挿入口3の周りが光る。
【0042】
カバー部材14の突出部22は、カード挿入口3のZ1側、Y2側、およびZ1側を囲む枠部23を備える。枠部23は、カード挿入口3のZ1側においてY方向に延びる上枠部23aと、カード挿入口3のZ2側においてY方向に延びる下枠部23bと、カード挿入口3のY2側においてZ方向に延びて上枠部23aと下枠部23bとを接続する縦枠部23cを備える。
【0043】
(コード撮像部)
図4は、XY面で切断したコード撮像部15の断面図であり、図1(b)のA-A位置で切断した断面図である。図5は、XZ面で切断したコード撮像部15の断面図であり、図1(b)のB-B位置で切断した断面図である。図1(b)、図2に示すように、コード撮像部15は、カード挿入口3とY方向に隣り合うに位置に配置される。コード撮像部15は、カード挿入部4に対してX2方向に配置される媒体から一次元コードまたは二次元コードを撮像する。図2図5に示すように、Z1方向を上方とし、Z2方向を下方とするとき、コード撮像部15は斜め下方に傾いている。
【0044】
図1図2に示すように、カバー部材14において、突出部14bのY1側の端部には、コード撮像部15を保持する保持部24が設けられている。保持部24は、上枠部23aと下枠部23bのY1側の端に接続され、カード挿入口3のY1側を囲む。保持部24のX2側の先端面25は、鉛直面であるYZ面に対して斜め下向きに傾斜した傾斜面である。コード撮像部15は、保持部24の内側に収容され、先端面25に設けられた矩形の開口部26から斜め下方を撮像する。
【0045】
コード撮像部15は、カメラモジュール27および発光部28と、カメラモジュール27および発光部28を保持するホルダ29と、保持部24の先端面25に設けられた開口部26に嵌まるカバープレート30を備える。カバープレート30には、発光部28に対向する第1光透過部31、および、カメラモジュール27に対向する第2光透過部32が設けられている。第1光透過部31および第2光透過部32は、透明な素材からなる。なお、カバープレート30全体が透明な素材で形成されていてもよい。
【0046】
カメラモジュール27および発光部28は、Y方向に並んでいる。より詳細には、カメラモジュール27の光軸Lおよび発光部28の中心Pは、カード挿入口3のZ方向の中央を通りY方向に延びる中央線M上に位置する(図1(b)参照)。発光部28は、カメラモジュール27に対してカード挿入口3とは反対側に配置される。
【0047】
図3図4に示すように、ホルダ29は、XZ面に平行な第1側板29a、第2側板29b、および第3側板29cを備える。第1側板29aと第2側板29bの間には、カメラモジュール27を背面側から支持する支持板29dが配置される。第2側板29bと第3側板29cの間には、発光部28を背面側から支持する支持板29eが配置される。支持板29d、29eは、YZ面に対して傾いており、Z1方向を上方、Z2方向を下方としたとき、斜め下方を向くように傾いている。カメラモジュール27は、支持板29dに固定されることにより、光軸Lが斜め下向きとなる姿勢で保持される(図5参照)。発光部28は、支持板29eに固定されることにより、カメラモジュール27と同様に斜め下向きとなる姿勢で保持される。
【0048】
発光部28は、LEDなどの発光素子である。発光部28には、第1フレキシブルプリント基板13の第2部分18が接続される。発光部28は、第2部分18および第3部分20に設けられた配線を介してカードリーダ本体5の制御基板6に接続される。発光部28は、第2部分18の裏面に固定された補強板34を介して支持板29eに固定される。発光部28の光は、第1光透過部31からカバープレート30のX2方向に配置される媒体に向けて照射される。
【0049】
カメラモジュール27の底部には、第2フレキシブルプリント基板16が接続される。カメラモジュール27は、第2フレキシブルプリント基板16に設けられた配線を介してカードリーダ本体5の制御基板6に接続される。カメラモジュール27は、第2光透過部32を介して媒体に付された一次元コードまたは二次元コードを撮像する。
【0050】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のカードリーダ1は、カードリーダ本体5と、カードリーダ本体5に固定されるリジッド基板11と、リジッド基板11の表面に配置される発光素子10と、リジッド基板11をカードリーダ本体5とは反対側から覆う光透過性のカバー部材14と、一次元コードまたは二次元コードを撮像するコード撮像部15を有する。カバー部材14には、Y方向に延びるカード挿入口3が設けられている。コード撮像部15は、カバー部材14に保持され、カード挿入口3に対してY方向で隣り合う位置に配置される。
【0051】
本形態では、カード挿入口3が設けられたカバー部材14が光透過性であり、カバー部材14の内側には、発光素子10を配置したリジッド基板11が配置される。発光素子10は、カード挿入口3を囲むように配置される。従って、カード挿入口3の周りを発光させる演出を行うことができる。
【0052】
また、本形態では、カバー部材14において、カード挿入口3に対してY方向(カード挿入口3の長手方向)で隣り合う位置にコード撮像部15が保持される。従って、コード撮像部15の存在がわかりやすく、一次元コードまたは二次元コードを読み取る際に、コード撮像部15に媒体をかざしやすい。また、このような位置であれば、カバー部材14の外形に影響を及ぼさずに、コード撮像部15の設置スペースを確保しやすい。すなわち、スリット状のカード挿入口3をその長手方向にずらすことによってカード挿入口3の横にコード撮像部15の配置スペースを確保できるので、コード撮像部15を設けたことによるカバー部材14の外形への影響が少ない。また、発光素子10を搭載したリジッド基
板11やカードリーダ本体5側の構成についても、カード挿入口3をずらした側に部品の配置をシフトさせるだけでよい。従って、カードリーダ1の外形への影響も少なく、カードリーダ1が搭載される装置(例えば、ゲーム装置)への影響が少ない。よって、既存のカードリーダ1からの設計変更によるコード撮像部15の追加が容易である。
【0053】
本形態のカードリーダ1では、コード撮像部15は、カメラモジュール27および発光部28を備える。発光部28とカメラモジュール27は、Y方向に並んでいるため、コード撮像部15のZ方向の寸法が大きくなりにくい。従って、Z方向の寸法が小さいカバー部材14の外形に対するコード撮像部15の追加の影響が少ない。
【0054】
本形態では、コード撮像部15の発光部28は、カメラモジュール27に対してカード挿入口3とはY方向で反対側に配置される。このように、カード挿入口3から遠い側に発光部28が配置されていることにより、カード挿入口3の正面にいる利用者がコード撮像部15を利用するときに、発光部28の光をまぶしく感じにくい。
【0055】
本形態では、カメラモジュール27の光軸L、発光部28の中心P、およびカード挿入口3の中央が同一直線上に並ぶ。このように、カード挿入口3、カメラモジュール27、および発光部28のZ方向の中心Pを合わせることにより、カバー部材14のZ方向の寸法が大きくなりにくい。例えば、本形態では、カバー部材14の突出部22にこれらの構成が設けられているので、突出部22のZ方向の高さが大きくなりにくい。ゲーム装置などの装置にカードリーダ1を搭載する際、カバー部材14は、突出部22だけが露出するように取り付けられる。従って、突出部22の外形が大型化しないようにすることで、カードリーダ1が搭載される装置への影響を少なくすることができる。
【0056】
本形態のカードリーダ1は、リジッド基板11の表面に配置される非接触通信用のアンテナ9を備える。従って、一次元コードや二次元コードの読み取りに加えて、NFC(近距離無線通信)による情報の読み取りが可能になるので、利便性が高い。
【0057】
本形態のカードリーダ1は、リジッド基板11に設けられたカード通過口11aを囲む第1部分17を備える第1フレキシブルプリント基板13を有する。非接触通信用のアンテナ9は、第1部分17に設けられているため、アンテナ9の設置が容易である。
【0058】
本形態では、演出用の発光素子10は、第1フレキシブルプリント基板13を介して、カードリーダ本体5に設けられた制御基板6に接続される。従って、アンテナ9設置および演出用の発光素子10への配線接続を共通のフレキシブルプリント基板によって行うことができるため、配線接続が容易であり、組立容易性が高い。
【0059】
また、第1フレキシブルプリント基板13は、第1部分17と発光部28とを接続する第2部分18、およびカードリーダ本体5に接続される第3部分19を備え、コード撮像部15の発光部28は、第2部分18および第3部分19を介して、制御基板6に接続される。従って、アンテナ9設置および発光素子10への配線接続に加えて、コード撮像部15の発光部28への配線接続についても共通のフレキシブルプリント基板によって行うことができるので、配線接続が容易であり、組立容易性が高い。
【0060】
本形態のカードリーダ1は、カメラモジュール27とカードリーダ本体5とを接続する第2フレキシブルプリント基板16を有する。カメラモジュール27への配線接続を発光素子10への接続およびアンテナ9設置用の配線部材とは別の配線部材(第2フレキシブルプリント基板16)で行うようにすると、カメラモジュール27からの撮像データをカメラ用の制御回路に接続しやすい。従って、NFC(近距離無線通信)用のアンテナ9と発光による演出機能を備えた機種へのコード撮像部15の追加が容易である。
【0061】
本形態では、カバー部材14は、リジッド基板11に固定されるフランジ部21と、フランジ部21から突出した突出部22を備える。突出部22はY方向に延びており、突出部22のY2方向の端にコード撮像部15を保持する保持部24が設けられ、カード挿入口3は、突出部22の先端面において、保持部24に対してY1方向で隣り合う位置に開口する。このような構成により、カバー部材14および突出部22の外形を大きく変えることなく、コード撮像部15の配置スペースを確保できる。
【0062】
本形態では、コード撮像部15は、斜め下方に傾いているので、コード撮像部15に対して一次元コードまたは二次元コードが設けられた媒体をかざしやすい。また、一次元コードまたは二次元コードを読み取るときに発光部28のまぶしさを感じにくい。すなわち、本形態のコード撮像部15は、突出部22の内側に配置されるホルダ29を備えており、カメラモジュール27および発光部28は、ホルダ29によって斜め下向きの姿勢で保持され、保持部24の先端面25に設けられた開口部26から撮像する。このような構成により、カメラモジュール27および発光部28を斜め下向きに設置することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…カードリーダ、2…カード、3…カード挿入口、4…カード挿入部、5…カードリーダ本体、6…制御基板、7a、7c…位置決め穴、8a、8b…ネジ、9…アンテナ、10…発光素子、11…リジッド基板、11a…カード通過口、11b、11c…切欠き部、12…ベースプレート、11a…カード通過口、13…フレキシブルプリント基板、13a…カード通過口、14…カバー部材、15…コード撮像部、16…フレキシブルプリント基板、17a…開口部、17b…切欠き部、17c…延出部、17…第1部分、18…第2部分、19…第3部分、20…第3部分、21…フランジ部、21a…取付孔、22…突出部、23…枠部、23a…上枠部、23b…下枠部、23c…縦枠部、24…保持部、25…先端面、26…開口部、27…カメラモジュール、28…発光部、29…ホルダ、29a…第1側板、29b…第2側板、29c…第3側板、29d、29e…支持板、30…カバープレート、31…第1光透過部、32…第2光透過部、34…補強板、L…カメラモジュールの光軸、M…中央線、P…発光部の中心
図1
図2
図3
図4
図5