(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080550
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
H01R13/639 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021193960
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000213884
【氏名又は名称】住電機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100147
【弁理士】
【氏名又は名称】山野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116366
【弁理士】
【氏名又は名称】二島 英明
(72)【発明者】
【氏名】津田 滋宏
(72)【発明者】
【氏名】児玉 至行
(72)【発明者】
【氏名】新居 弘章
【テーマコード(参考)】
5E021
【Fターム(参考)】
5E021FA08
5E021FB07
5E021FB20
5E021FB21
5E021FC36
5E021HB16
5E021HC11
5E021HC28
5E021HC35
5E021KA08
5E021KA09
5E021KA15
(57)【要約】
【課題】インレットから不用意に抜けることを確実に防止できる上に、部品の配置の自由度が高いコネクタを提供する。
【解決手段】本体部と、インレットに差し込まれる挿入部と、揺動自在な第1中間部と第1前方部と第1前方部に設けられているフックと第1後方部とを有する第1アームと、フックが挿入部の外周面から突出するように第1アームを付勢している第1付勢部材と、第1アームを第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させる解除部材と、プランジャを進退させるソレノイドと、プランジャの進退に連動して進退するスライド部材と、を備え、スライド部材は、第1前方部の裏面に当接する支持片と連結片とを有し、連結片は、プランジャ側に設けられている第1連結片と、支持片側に設けられている第2連結片と、を有し、支持片と第1連結片とは、左右方向にずれて配置されている、コネクタ。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池を備える電動装置のインレットに接続されるコネクタであって、
本体部と、
前記本体部の前方に設けられ、前記インレットに差し込まれる挿入部と、
前記本体部に揺動自在に支持されている第1中間部と、前記第1中間部から前記挿入部にわたって延びている第1前方部と、前記第1前方部に設けられているフックと、前記第1中間部よりも後方の第1後方部と、を有する第1アームと、
前記フックが前記挿入部の外周面から突出するように前記第1アームを付勢している第1付勢部材と、
前記第1アームを前記第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させるように前記第1後方部に当接する解除部材と、
プランジャを進退させるソレノイドと、
前記プランジャの進退に連動して進退するスライド部材と、を備え、
前記スライド部材は、
前記第1前方部の裏面に当接する支持片と、
前記プランジャと前記支持片とをつないでいる連結片と、を有し、
前記連結片は、
前記プランジャ側に設けられている第1連結片と、
前記支持片側に設けられている第2連結片と、を有し、
前記支持片と前記第1連結片とは、左右方向にずれて配置されている、
コネクタ。
【請求項2】
前記支持片と前記第1連結片とは、上下方向にずれて配置されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第1連結片を水平方向に案内する溝を構成するガイド部材を備え、
前記挿入部は、端子を内部に収納する端子ケースを有し、
前記ガイド部材と前記端子ケースとが一体成型されている、請求項1又は請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記端子ケースは、前記支持片を前記プランジャの進退方向に案内する溝を有する、請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記本体部は、半割れの左ケース及び右ケースを有し、
前記ソレノイドは、前記左ケースと前記右ケースの境界から前記左ケース及び前記右ケースのいずれか一方に片寄るように配置されている、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記本体部に揺動自在に支持されている第2中間部と、前記第2中間部から前記本体部と前記挿入部との境界にわたって延びている第2前方部と、前記第2前方部の先端に設けられている突起部と、を有する第2アームと、
前記突起部が前記本体部と前記挿入部との境界から突出するように前記第2アームを付勢している第2付勢部材と、を備え、
前記第1アームと前記第2アームとが並列に配置されており、
前記ソレノイドは、前記第1アームにおける前記第2アームとは左右方向の反対側に片寄るように配置されている、請求項5に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関する。
本出願は、以下の参照文献1から参考文献10に記載された全ての記載内容を援用するものである。
参照文献1は、2011年4月28日付の日本国出願の特願2011-102304である。
参照文献2は、2011年4月28日付の日本国出願の特願2011-102305である。
参照文献3は、2011年5月23日付の日本国出願の特願2011-115184である。
参照文献4は、2011年7月7日付の日本国出願の特願2011-151229である。
参照文献5は、2013年4月12日付の日本国出願の特願2013-084156である。
参照文献6は、2015年3月26日付の日本国出願の特願2015-065354である。
参照文献7は、2015年3月26日付の日本国出願の特願2015-065355である。
参照文献8は、2015年4月14日付の日本国出願の特願2015-082401である。
参照文献9は、2018年5月22日付の日本国出願の特願2018-098276である。
参照文献10は、2018年5月22日付の日本国出願の特願2018-098277である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の段落0023-0026には、コネクタの使用方法が開示されている。コネクタの先端部がインレットに差し込まれた後、コネクタのレバーが握られることで、コネクタのインレットへの嵌合が完了する。先端部がインレット差し込まれた際、先端部の外周面からフックが突出する。フックは、板ばねによって突出するように設けられている。突出したフックはインレットの凹部に引っ掛かる。次に、ソレノイドの通電駆動により解除レバーがロックされる。解除レバーがロックされることで、給電中に誤って解除レバーが操作されることが防止されている。コネクタをインレットから取り外すときは、給電終了によってソレノイドへの通電が停止されることで、解除レバーのロックが解除される。次に、解除レバーが操作されると、上記凹部に引っ掛かっているフックが引っ込む。フックが引っ込んだ状態で、コネクタがインレットから引き抜かれることで、コネクタのインレットからの取り外しが完了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のコネクタは、給電中に、衝撃、振動、又はフックを突出させる部品の破損など解除レバーの操作に関係なくフックが引っ込むようなトラブルが生じた場合、インレットから不用意に抜ける虞がある。そのため、特許文献1のコネクタは安全性の点で問題がある。その上、特許文献1のコネクタは、内部構造が複雑であり、部品の配置の自由度が低い。
【0005】
本開示は、インレットから不用意に抜けることを確実に防止できる上に、部品の配置の自由度が高いコネクタを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、
蓄電池を備える電動装置のインレットに接続されるコネクタであって、
本体部と、
前記本体部の前方に設けられ、前記インレットに差し込まれる挿入部と、
前記本体部に揺動自在に支持されている第1中間部と、前記第1中間部から前記挿入部にわたって延びている第1前方部と、前記第1前方部に設けられているフックと、前記第1中間部よりも後方の第1後方部と、を有する第1アームと、
前記フックが前記挿入部の外周面から突出するように前記第1アームを付勢している第1付勢部材と、
前記第1アームを前記第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させるように前記第1後方部に当接する解除部材と、
プランジャを進退させるソレノイドと、
前記プランジャの進退に連動して進退するスライド部材と、を備え、
前記スライド部材は、
前記第1前方部の裏面に当接する支持片と、
前記プランジャと前記支持片とをつないでいる連結片と、を有し、
前記連結片は、
前記プランジャ側に設けられている第1連結片と、
前記支持片側に設けられている第2連結片と、を有し、
前記支持片と前記第1連結片とは、左右方向にずれて配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタは、インレットから不用意に抜けることを確実に防止できる上に、部品の配置の自由度が高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態のコネクタを概略的に示す左後方斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1のコネクタの内部構造を概略的に示す左側面図である。
【
図3】
図3は、実施形態1のコネクタの内部構造を概略的に示す右側面図である。
【
図4】
図4は、実施形態1のコネクタの左ケースを取り外した状態の前方部分を概略的に示す上面図である。
【
図5】
図5は、実施形態1のコネクタの内部構造の一部を概略的に示す左前方斜視図である。
【
図6】
図6は、実施形態1のコネクタの内部構造を概略的に示す右後方斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す左側面図である。
【
図8】
図8は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図9】
図9は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す左側面図である。
【
図10】
図10は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す左側面図である。
【
図11】
図11は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図12】
図12は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す左側面図である。
【
図13】
図13は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す左側面図である。
【
図14】
図14は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図15】
図15は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図16】
図16は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図17】
図17は、実施形態1のコネクタの内部構造の要部を概略的に示す右側面図である。
【
図18】
図18は、充電器からソレノイドに通電するための回路の模式図である。
【
図19】
図19は、実施形態1のコネクタの左側面を地面に置いた状態を概略的に示す下面図である。
【
図20】
図20は、実施形態1のコネクタの右側面を地面に置いた状態を概略的に示す下面図である。
【
図21】
図21は、実施形態2のコネクタの差し込み前における信号線路の状態を示す模式図である。
【
図22】
図22は、実施形態2のコネクタの差し込み途中における信号線路の状態を示す模式図である。
【
図23】
図23は、実施形態2のコネクタの差し込み完了における信号線路の状態を示す模式図である。
【
図24】
図24は、実施形態2のコネクタにおける引き抜き操作時の信号線路の状態を示す模式図である。
【
図25】
図25は、ソレノイド駆動信号線路に第1スイッチを設けた場合の回路の一例を示す模式図である。
【
図26】
図26は、実施形態2のコネクタにおけるスライドスイッチを模式的に示す上面図である。
【
図27】
図27は、実施形態2のコネクタにおけるスライドスイッチを模式的に示す上面図である。
【
図28】
図28は、実施形態3のコネクタの前方部分を概略的に示す左後方斜視図である。
【
図30】
図30は、実施形態4のコネクタを概略的に示す部分分解斜視図である。
【
図31】
図31は、実施形態4のコネクタに備わるハンドル部を概略的に示す側面図である。
【
図32】
図32は、実施形態5のコネクタにおける把持部の内部を概略的に示す右側面図である。
【
図33】
図33は、実施形態5のコネクタにおけるケーブルの外筒部を概略的に示す横断面図である。
【
図34】
図34は、実施形態5のコネクタにおけるケーブルの外筒部を概略的に示す縦断面図である。
【
図35】
図35は、実施形態5のコネクタの左把持片の内側を概略的に示す左側面図である。
【
図40】
図40は、実施形態6のコネクタに備わる把持部の内部を概略的に示す左後方斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
《本開示の実施形態の説明》
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
【0010】
(1)本開示の一態様に係るコネクタは、
蓄電池を備える電動装置のインレットに接続されるコネクタであって、
本体部と、
前記本体部の前方に設けられ、前記インレットに差し込まれる挿入部と、
前記本体部に揺動自在に支持されている第1中間部と、前記第1中間部から前記挿入部にわたって延びている第1前方部と、前記第1前方部に設けられているフックと、前記第1中間部よりも後方の第1後方部と、を有する第1アームと、
前記フックが前記挿入部の外周面から突出するように前記第1アームを付勢している第1付勢部材と、
前記第1アームを前記第1付勢部材による付勢方向とは逆方向に揺動させるように前記第1後方部に当接する解除部材と、
プランジャを進退させるソレノイドと、
前記プランジャの進退に連動して進退するスライド部材と、を備え、
前記スライド部材は、
前記第1前方部の裏面に当接する支持片と、
前記プランジャと前記支持片とをつないでいる連結片と、を有し、
前記連結片は、
前記プランジャ側に設けられている第1連結片と、
前記支持片側に設けられている第2連結片と、を有し、
前記支持片と前記第1連結片とは、左右方向にずれて配置されている。
【0011】
上記コネクタは、支持片が第1前方部の裏面に当接するようにソレノイドが支持片を移動させることによって、フックが挿入部から引っ込むことを直接的に防止できる。そのため、給電中に、衝撃、振動、又は第1付勢部材の破損などのトラブルが生じても、フックが引っ込むことがない。即ち、フックとインレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止できる。よって、上記コネクタがインレットから不用意に抜けることを確実に防止できる。また、上記コネクタは、支持片と第1連結片とが左右方向にずれて配置されていることによって、支持片と第1連結片とが左右方向にずれることなく同一直線上に並ぶように配置されている場合に比較して、スライド部材による他の部材の配置が制約を受け難い。そして、上記コネクタは、支持片と第1連結片とが左右方向にずれていることで、他の部材が配置されるスペースを作り易い。よって、上記コネクタは、コネクタの部品の配置の自由度が高い。
【0012】
(2)上記コネクタの一形態として、
前記支持片と前記第1連結片とは、上下方向にずれて配置されているとよい。
【0013】
上記コネクタは、支持片と第1連結片とが上下方向にずれていることによって、上下方向にもスペースを作ることができる。そのため、上記コネクタは、部品の配置の自由度がより一層高い。
【0014】
(3)上記コネクタの一形態として、
前記第1連結片を水平方向に案内する溝を構成するガイド部材を備え、
前記挿入部は、端子を内部に収納する端子ケースを有し、
前記ガイド部材と前記端子ケースとが一体成型されているとよい。
【0015】
上記コネクタは、ガイド部材の溝によって第1連結片を左右方向及び上下方向にずれることなく適正な位置に移動させることができる。そのため、上記コネクタは、支持片を第1前方部の裏面の適正な位置に当接するように移動させ易い。特に、ガイド部材と端子ケースとが一体成型されていることで、ガイド部材を端子ケースに別途取り付ける場合に比較して、ガイド溝と端子ケースとが適正な位置に位置決めされる。ガイド部材と端子ケースとの取付誤差が生じないからである。そのため、上記コネクタは、第1連結片、延いては支持片を適正な位置に移動させ易い。
【0016】
(4)上記(3)のコネクタの一形態として、
前記端子ケースは、前記支持片を前記プランジャの進退方向に案内する溝を有するとよい。
【0017】
上記コネクタは、溝によって支持片を第1前方部の裏面の適正な位置に当接するように移動させることができる。
【0018】
(5)上記コネクタの一形態として、
前記本体部は、半割れの左ケース及び右ケースを有し、
前記ソレノイドは、前記左ケースと前記右ケースの境界から前記左ケース及び前記右ケースのいずれか一方に片寄るように配置されているとよい。
【0019】
上記コネクタは、上記境界から水分が本体部の内部に浸入したとしても、浸入した水分がソレノイドに直接滴下することを抑制できる。
【0020】
(6)上記(5)のコネクタの一形態として、
前記本体部に揺動自在に支持されている第2中間部と、前記第2中間部から前記本体部と前記挿入部との境界にわたって延びている第2前方部と、前記第2前方部の先端に設けられている突起部と、を有する第2アームと、
前記突起部が前記本体部と前記挿入部との境界から突出するように前記第2アームを付勢している第2付勢部材と、を備え、
前記第1アームと前記第2アームとが並列に配置されており、
前記ソレノイドは、前記第1アームにおける前記第2アームとは左右方向の反対側に片寄るように配置されているとよい。
【0021】
上記コネクタは、スライド部材と第2アームとが互いに干渉することを抑制できる。
【0022】
《本開示の実施形態の詳細》
本開示の実施形態の詳細を、図を用いて以下に説明する。図中の同一符号は同一名称物を示す。
【0023】
《実施形態1》
〔コネクタ〕
図1から
図20を参照して、実施形態1のコネクタ100を説明する。
図1に示すコネクタ100は、図示しない蓄電池を備える電動装置のインレットに接続される。電動装置の一例は、電気自動車である。コネクタ100は、図示しない充電器本体から延びるケーブル200の先端部に設けられている。コネクタ100は、本体部1と、本体部1の前方に設けられている挿入部2と、本体部1の後方に設けられているハンドル部5とを備える。ケーブル200は、本体部1の後端から本体部1の内部に導入されている。コネクタ100は、第1アーム10と第1付勢部材18と解除部材30とソレノイド40とスライド部材45とを備える。本形態のコネクタ100の特徴の一つは、スライド部材45が特定の形状で構成されている点にある。以下、各構成を詳細に説明する。以下の説明では、コネクタ100における挿入部2の側を前とし、ケーブル200の側を後とする。第1アーム10のフック13が突出している方向を上、その反対側を下ということがある。左右は、ハンドル部5を上に向けた状態のコネクタ100を後から前に見たときの左右である。
【0024】
[本体部]
本体部1は、ケーブル200が配設されると共に、コネクタ100の機械部品及び機構部品が格納される部分である。本例では、本体部1の形状は、L字状である。本体部1は、前方から後方に向かって順に、上記機械部品及び上記電気部品が格納される格納部3と、ケーブル200を把持する把持部4とを有する。
【0025】
本体部1は、本体ケース1Aによって外装されている。本体ケース1Aは、半割れの左ケース1B及び右ケース1Dを有する。左ケース1B及び右ケース1Dは、
図19、
図20に示すように、複数のネジ150で締結されることで互いに組み合わされている。本形態の左ケース1B及び右ケース1Dの外形は、左右対称である。本形態の左ケース1B及び右ケース1Dの詳細は後述する。
【0026】
本体部1は、
図1に示すように、筒状の前端部の上部に突出部1Fを備える。突出部1Fは、上方へ突出している部分で、後述する軸19を覆う軸カバー部である。突出部1Fは、切妻形の部分である。突出部1Fは、山型に湾曲した膨出面と、膨出面の両側に位置するサイド面とで形成される。サイド面は、膨出面の湾曲に沿った略三角形状である。膨出面は、上記筒状の前端部における軸方向の両側が低く、その中間部が高くなるように、一対の傾斜面を稜線部でつないで構成されている。サイド面は、本体部1の軸方向と直交する方向に対向して並列されている。この突出部1Fの各サイド面に、外部から挿脱可能な軸19が挿通される孔が形成されている。両サイド面のこの孔に軸19を架け渡すように挿通して第1アーム10を軸支し、突出部1Fの上記膨出面と両サイド面とで構成される略三角柱状の空間に第1アーム10の後述する第1中間部11が収納される。
【0027】
突出部1Fの内周面のうち第1中間部11の前方に位置する面は、本体部1側から前方に向かうに従って本体部1の内方に傾斜した誘導面1Gを有する(
図7、
図8)。詳しくは後述するものの、ソレノイド不作動時のコネクタ100の引き抜き操作において、第1中間部11をこの誘導面1Gに沿わせることで、第1アーム10を前方内方側へ誘導できる。誘導面1Gと第1中間部11との間は、第1中間部11が前方に移動可能な移動代を有する。移動代は、軸19を第1中間部11から抜脱した際、第1アーム10を前方へ誘導させ易くする。移動代は、後述する貫通孔121(
図7)に支持片47が挿通される程度の距離とする。そうすれば、ソレノイド不作動時のコネクタ100の引き抜き操作において、貫通孔121を支持片47に対応する位置に移動させることができる。
【0028】
[挿入部]
図1に示す挿入部2は、インレットに差し込まれる部分である。挿入部2は、図示を省略している端子が端子ケース2Aに収納されている。端子は、例えばJEVS G 105-1993などの規格に準拠した端子配列となっており、ここでは説明を省略する。端子ケース2Aは、
図4に示すように、切欠き2Bを有している。切欠き2Bは、
図7に示すように、フック13を挿入部2の外周面から露出させる。
【0029】
挿入部2に切欠き2Bで形成される開口面のうち第1アーム10の先端に臨む面は、ガイド面2bを有する。ガイド面2bは、後述するフック13の摺接面131と同じ方向に傾斜している。誘導面1G及び上記移動代と共にガイド面2bを有することで、ソレノイド不作動時のコネクタ100の引き抜き操作において、摺接面131がガイド面2bに摺接し、第1アーム10の先端部が挿入部2の内周側に案内される。それにより、貫通孔121に支持片47を挿通させることができる。ガイド面2bは、摺接面131と略平行となるように傾斜していることが好ましい。摺接面131がガイド面2bに摺接し易くなり、第1アーム10の先端部が挿入部2の内周側に案内され易くなるからである。
【0030】
端子ケース2Aは、
図5に示すように、溝2Eを有していることが好ましい。溝2Eは、支持片47を水平方向に案内する。この溝2Eによって、支持片47を適切な位置に移動させられる。
【0031】
[ハンドル部]
図1に示すハンドル部5は、ユーザが把持する部分である。ハンドル部5を側面視したときのハンドル部5の形状は、C字状である。ハンドル部5は、本体ケース1Aとの間にコネクタ100のユーザの手が挿し込み可能な空間Sを形成するように本体ケース1Aの前後に接続されている。ハンドル部5の第1端部が本体部1の上面に沿って延長するように形成され、第2端部が本体部1の後端に連結されている。ハンドル部5の上面にはプッシュボタンスイッチ50の一部が露出するように配置されている。ハンドル部5の第2端部側の左右側面にはLEDランプ5Mが埋め込まれている。
【0032】
[内部構造]
主に
図2から
図8を用いて、コネクタ100の内部構造を説明する。
図2から
図8はいずれもコネクタ100をインレットに差し込んで嵌合させる前の初期状態を示している。
【0033】
(第1アーム)
第1アーム10は、インレットに対して係脱する部材である。本形態の第1アーム10は、平板状の部材である。第1アーム10は、本体部1から挿入部2にわたって設けられている。第1アーム10は、第1中間部11と第1前方部12とフック13と第1後方部14とを有する。
【0034】
・第1中間部
第1中間部11は、軸19を支点として本体部1に対して揺動自在に支持されている。第1中間部11は、軸孔を有する円筒状に形成されている。この軸孔に軸19が挿通されている。軸19は、軸挿通部1H(
図1)に挿通されている。軸挿通部1Hは、本形態では突出部1Fに設けられている。軸19は、外部から挿脱可能であれば適宜な構成のものが利用できる。例えば、円柱又は円筒などの棒状体の少なくとも一端に雌ネジが形成された雌部材と、その雌ネジに螺合される雄ネジなどの雄部材との組み合わせが挙げられる。但し、本体部1の外部から挿脱可能であるが、いたずらにより容易に抜脱されないように、例えば雄部材に雄ネジを用いる場合、頭部に一文字或いは十文字の溝が形成された一般的な雄ネジなどではなく、頭部に特殊な溝が形成された雄ネジを使用することが好ましい。特殊な溝としては、例えば、星形や多角形状を有する溝が挙げられる。
【0035】
第1中間部11の中心軸の位置は、第1前方部12の上面よりも上方にある。そのため、フック13をインレットの内周面に設けられた凹部に係合させる際に、上記凹部にフック13の力が掛かり易く、フック13が上記凹部から不用意に抜け難い。第1中間部11の中心軸は、第1中間部11の中心軸とフック13の先端とを結ぶ直線がほぼ水平方向に沿う位置にあることが好ましい。
【0036】
・第1前方部
第1前方部12は、第1中間部11から挿入部2側にわたって延びている。本形態では、第1前方部12の中央部には貫通孔121が形成されている(
図4、
図6、
図7)。本形態の貫通孔121は上下に貫通している孔である。本形態とは異なり、第1前方部12には、貫通孔121の代わりに、第1前方部12の下面の一部を切欠いた凹部が形成されていてもよい。
【0037】
・フック
フック13は、挿入部2の外周面から突出している。本形態では、フック13は、第1前方部12の先端に一連に設けられている。フック13は、切欠き2Bから上方に突出している。フック13は、第1前方部12の上面から上方に突出している。フック13は、第1前方部12の先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている。フック13は、挿入部2がインレットの奥まで差し込まれたとき、インレットの上記凹部に対応する位置に位置する。フック13は、後述する第2アーム20の突起部23よりも前方に位置する。
【0038】
・第1後方部
第1後方部14は、
図8に示すように、第1中間部11から後方に延びるように設けられている。第1後方部14は、押付部15と、後端部16と、張出部17とを有する。押付部15は、第1付勢部材18の一端が押し付けられる。押付部15が第1中間部11から本体部1の径方向内方である下方に向かって傾斜して形成されている。後端部16は、押付部15の後方につながっている。後端部16は、L字状に屈曲して構成され、本体部1の径方向内方に突出している。張出部17は、
図4に示すように、後端部16の左側方に後端部16の左方に突出するようにつながっている。
【0039】
(第1付勢部材)
第1付勢部材18は、フック13が挿入部2の外周面から突出するように第1アーム10を付勢している。第1付勢部材18の一例は、捻じりバネなどである。本形態では、捻じりバネが軸19に同心状に配置されている。捻じりバネの第1端部が押付部15の上面を押し付け、第2端部が本体部1に固定されている。第1付勢部材18による第1アーム10の揺動は、第1前方部12が本体部1の内周面に当接するまで許容される。
【0040】
(第2アーム)
第2アーム20は、
図4、
図6、
図8に示すように、挿入部2がインレットに差し込まれたことを確認するための部材である。第2アーム20は、棒状の部材である。第1アーム10と第2アーム20とは、左右に並列に配置されている。第2アーム20は、第2中間部21と第2前方部22と突起部23と第2後方部24とを有する。
【0041】
・第2中間部
第2中間部21は、軸29を支点として本体部1に対して揺動自在に支持されている。第2中間部21は、軸孔を有する円筒状に形成されている。この軸孔に軸29が挿通されている。第2中間部21が支持されている軸29は、第1中間部11が支持されている軸19とは異なる軸である。軸29は、本体部1に固定されている。
【0042】
・第2前方部
第2前方部22は、第2中間部21から本体部1と挿入部2との境界にわたって延びている。
【0043】
・突起部
突起部23は、本体部1と挿入部2との境界から外側に突出している。突起部23は、挿入部2に形成された切欠き2D(
図4)から上方に突出可能である。突起部23は、第2前方部22の先端に一連に設けられている。突起部23は、第2前方部22の先端部の上面から上方に突出している。突起部23は、第2前方部22の先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている。突起部23は、挿入部2がインレットの奥まで差し込まれたとき、インレットの周縁に当接する位置に位置する。
【0044】
・第2後方部
第2後方部24は、第2中間部21から後方に延びるように設けられている。第2後方部24の後端部25は、L字状に屈曲し、下方に突出している。
【0045】
(第2付勢部)
第2付勢部材28は、突起部23が挿入部2の外周面から突出するように第2アーム20を付勢している。第2付勢部材28の一例は、捻じりバネである。本形態では、捻じりバネが軸29に同心状に配置されている。捻じりバネの第1端部が第2アーム20に固定され、第2端部が本体部1に固定されている。第2付勢部材28による第2アーム20の揺動は、第2前方部22が本体部1の内周面に当接するまで許容される。
【0046】
(解除部材)
解除部材30は、インレットの上記凹部に対するフック13の係合を解除する部材である。解除部材30は、棒状の部材である。解除部材30は、第1後方部14よりも後方において、前後方向に沿って延びている。解除部材30は、第1アーム10と平行である。本形態では、解除部材30の後端部は、プッシュボタンスイッチ50につながっている。本形態とは異なり、解除部材30の後端部は、
図21のスライドスイッチ51につながっていてもよい。解除部材30は、プッシュボタンスイッチ50の進退に連動して進退するように本体部1に支持されている。解除部材30は、先端に押当部31及び当止部32を有する(
図3、6、8)。
【0047】
・押当部
押当部31は、解除部材30が前進限まで前進したとき、後端部16に当接して後端部16を押し上げる。後端部16が押し上げられることによって、第1アーム10が第1付勢部材18による付勢方向とは逆方向に揺動される。この逆方向への揺動によって、フック13が挿入部2の内部に引っ込む。フック13が挿入部2の内部に引っ込むことによって、フック13とインレットの凹部との係合が解除される。押当部31は、先端側に向かって先細りする傾斜面を有するくさび状に形成されている。
【0048】
・当止部
当止部32は、解除部材30が前進限の手前まで前進したとき、後端部25に引っ掛けられることで、後述する第3付勢部材38による解除部材30の後退を阻止する。当止部32の位置が後端部25に引っ掛けられている位置にあるときには、押当部31は後端部16に当接しない。当止部32の位置が後端部25よりも前方に位置するときに、押当部31が後端部16に当接する。当止部32は、押当部31に並列に設けられている。押当部31は、先端側に向かって傾斜する上面を有する。解除部材30が前進したとき、当止部32の上面が傾斜しているので、後端部25を押し上げて通過できる。当止部32が後端部25を通過すると、第2付勢部材28によって後端部25が下降するように付勢されていることによって、当止部32が後端部25に引っ掛けられる。当止部32が後端部25に引っ掛けられることで、第3付勢部材38(
図2、
図3)による付勢に抗して、解除部材30の後退が阻止される。つまり、解除部材30及びプッシュボタンスイッチ50が前進した状態で固定される。そして、挿入部2がインレットの奥まで差し込まれたとき、インレットの周縁に突起部23が当接して押し込まれると、後端部25が上昇するように第2アーム20が揺動する。この揺動によって、当止部32と後端部25との引っ掛かり状態が解除され、解除部材30及びプッシュボタンスイッチ50が第3付勢部材38による付勢により後退限まで後退する。
【0049】
(第3付勢部材)
第3付勢部材38は、
図2、
図3に示すように、プッシュボタンスイッチ50を後退させる方向に付勢する。第3付勢部材38の一例は、圧縮バネである。本形態では、圧縮バネの第1端部が本体部1に固定された支持板90に固定され、第2端部がプッシュボタンスイッチ50の前端に固定されている。プッシュボタンスイッチ50を後方に付勢するように圧縮バネが取り付けられている。
【0050】
(ソレノイド)
ソレノイド40は、
図2、
図4、
図5に示すように、プランジャ41を有する。ソレノイド40は、プランジャ41を進退させる。ソレノイド40は、通電駆動時、内蔵された電磁コイルによりプランジャ41を一方向に移動させ、非通電時、内蔵されたバネによりプランジャ41を元の位置に復帰させる。本形態では、ソレノイド40は、通電駆動時、プランジャ41を前進させ、非通電時、プランジャ41を後退させる。電磁コイル及びバネの図示は省略している。ソレノイド40は、第1アーム10の後方に配置されている。本形態では、ソレノイド40は、左ケース1Bと右ケース1Dの境界から左ケース1B及び右ケース1Dのいずれか一方に片寄るように配置されている。そのため、左ケース1Bと右ケース1Dの境界から水分が本体部1の内部に浸入したとしても、浸入した水分がソレノイド40に直接滴下することを抑制できる。本形態では、ソレノイド40は、第1アーム10における第2アーム20とは反対側に片寄るように配置されている。即ち、ソレノイド40は、左ケース1B側に片寄るように配置されている。そのため、スライド部材45と第2アーム20とが互いに干渉することを抑制できる。プランジャ41は、第1アーム10の延設方向と平行に移動する。即ち、プランジャ41は、前後方向に水平移動する。初期状態では、非通電となっている。
【0051】
(スライド部材)
スライド部材45は、
図5に示すように、プランジャ41の進退に連動して進退する。スライド部材45は、支持片47と連結片46とを有する。支持片47は、上記参照文献1などの押え片に相当する部材である。支持片47は、連結片46の先端に設けられている。支持片47と連結片46とは一連に設けられている。連結片46は、支持片47とプランジャ41とをつないでいる。本形態では、連結片46は、第1連結片461と第2連結片462と第3連結片463とを有する。第1連結片461は、プランジャ41につながっている。本形態では、第1連結片461は、プランジャ41の進退方向、即ち、前後方向に延びている。第1連結片461は、後述するガイド部材60の溝61に配置されている。第2連結片462は、支持片47につながっている。本形態では、第2連結片462は、左右方向に延びている。第3連結片463は、第1連結片461と第2連結片462とをつないでいる。本形態では、第3連結片463は、上下方向に延びている。即ち、支持片47と第1連結片461とは、左右方向及び上下方向にずれて配置されている。
【0052】
支持片47は、ソレノイド40の非通電時、即ちプランジャ41が後退した状態では、貫通孔121に臨む位置に位置する。そのため、フック13が押し込まれたとき、支持片47は、貫通孔121に遊嵌状態で挿通される。支持片47は、ソレノイド40の通電駆動時、即ちプランジャ41が前進した状態では、フック13側に進出して貫通孔121からずれる。位置がずれた支持片47は、第1前方部12の裏面である下面に当接する位置に位置する。第1前方部12の裏面とは、フック13が突出する側とは反対側の面をいう。支持片47によって第1前方部12の下面が支持されることによって、フック13が引っ込むことが阻止される。即ち、フック13が挿入部2の外周面から突出した状態が維持される。そのため、フック13がインレットの凹部に係合した状態では、この係合状態を維持できる。支持片47は、第1前方部12の上記下面に当接する位置に進出し易いように、先端に向かって薄くなるテーパ状になっており、先端角部も丸められていることが好ましい。
【0053】
(ガイド部材)
ガイド部材60は、
図2、
図5、
図7に示すように、第1連結片461を水平方向に案内する溝61を構成する。この溝61によって第1連結片461を水平方向に案内することで、支持片47を水平方向に移動し易く、支持片47を第1前方部12の上記下面に適切に当接させることができる。本形態では、ガイド部材60は、U状に形成されている。ガイド部材60と端子ケース2Aとは一体成型されている。ガイド部材60と端子ケース2Aとが一体成型されていることで、支持片47の位置を適切な位置に配置し易い。
【0054】
主に
図7から
図17を用いて、コネクタ100におけるインレットへの差し込み操作、及びインレットからの引き抜き操作での内部構造の動作を説明する。
【0055】
挿入部2を差し込む前の初期状態では、
図7,
図8に示すように、フック13及び突起部23が第1付勢部材18及び第2付勢部材28による付勢により挿入部2から突出している。当止部32が第2後方部に引っ掛けられていることで、第3付勢部材38による付勢に抗って、解除部材30の後退が阻止されている。即ち、プッシュボタンスイッチ50が挿入部2側に一段階押し込まれた状態で固定される。
【0056】
[差し込み操作]
挿入部2がインレットに差し込まれると、
図9に示すように、フック13がインレットの内周面に当接する。第1付勢部材18による付勢に抗って、フック13が押し込まれる。フック13は傾斜面を有するので、挿入部2から突出していても、インレットに挿入し易い。
【0057】
挿入部2がインレットの奥まで差し込まれると、突起部23がインレットの周縁に当接する。
図11に示すように、第2付勢部材28による付勢に抗って、突起部23が押し込まれる。突起部23は傾斜面を有するので、挿入部2から突出していても、インレットに本体部1が突き当たるまで挿入し易い。突起部23が押し込まれることで、後端部25が上昇するように第2アーム20が揺動する。この揺動によって、当止部32と後端部25との引っ掛かり状態が解除される。そして、
図2、
図3に示すプッシュボタンスイッチ50が第3付勢部材38による付勢により後退限まで後退する。この後退に連動して、解除部材30が後退する。
図10、
図11に示すように、フック13はインレットの凹部に対応する位置に位置し、第1付勢部材18による付勢により挿入部2の外周面から突出する。突出したフック13がインレットの凹部に正常に係合され、コネクタ100とインレットとが完全に嵌合した状態となる。以上により、コネクタ100のインレットへの差し込み操作が完了する。このとき、コネクタ100とインレットとの間で端子同士の電気的接続も確立される。
【0058】
フック13とインレットの凹部の係合状態において、ソレノイド40が通電駆動される。
図12に示すように、プランジャ41が前進し、この前進に連動して連結片46及び支持片47が前進する。ガイド部材60を備えることで、溝61に沿って第1連結片461を移動させることができる。支持片47が、第1前方部12の下面における貫通孔121からずれた位置に進出する。
図5に示すように、端子ケース2Aに溝2Eが設けられていることで、溝2Eに沿って支持片47を移動させることができる。溝61と溝2Eとによって、支持片47を水平方向の正確な位置に進出させ易い。そして、支持片47の上面が傾斜しているので、支持片47が第1前方部12の下面に当接するように進出し易い。
図12に示すように、第1前方部12の下面が支持片47に当接するため、フック13が挿入部2から突出した状態で第1アーム10の揺動が規制される。つまり、フック13がロックされた状態となる。そのため、フック13が挿入部2から引っ込まなくなり、フック13とインレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止できる。
【0059】
ソレノイド40への通電開始は、例えば、充電器本体から車両への給電を開始するときに行うことが挙げられる。これにより、給電中に使用者がコネクタ100をインレットから誤って引き抜いたり、コネクタ100がインレットから抜け落ちたりすることを確実に防止することができる。ソレノイド40への通電中は、LEDランプ5M(
図1)が点灯する。
【0060】
図18に、充電器本体からソレノイド40に通電する回路の一例を示す。この回路では、ソレノイド40とLEDランプ5Mとが並列に接続されており、充電器本体からソレノイド40に通電する駆動信号が供給されることで、ソレノイド40が駆動すると共に、LEDランプ5Mが点灯するようになっている。
【0061】
[引き抜き操作]
(通常時)
ソレノイド40への通電が停止されると、プランジャ41が後退する。この後退に連動して連結片46及び支持片47が後退する。支持片47は、
図7に示すように、元の位置、即ち貫通孔121の下方に復帰する。よって、フック13の上記ロック状態が解除される。ソレノイド40への通電停止は、例えば、充電器本体から車両への給電を終了するときに行うことが挙げられる。
【0062】
図3に示すプッシュボタンスイッチ50が前方に押し込まれることで、解除部材30が前進する。この前進によって、
図11に示す押当部31が後端部16に当接して、後端部16が押し上げられる。押当部31は傾斜面を有するので、後端部16を押し上げ易い。この押し上げによって、
図13に示すようにフック13が下降して挿入部2から引っ込む。そのため、フック13とインレットの凹部との係合状態が解除される。
【0063】
係合状態が解除されたら、コネクタ100がインレットから引き抜かれることで、コネクタ100のインレットからの引き抜き操作が完了する。引き抜き操作完了後、
図8に示すように、第3付勢部材38の付勢によって、当止部32が後端部25に引っ掛かるまで解除部材30が後退する。
【0064】
(異常時)
上述した引き抜き操作ではフック13とインレットの凹部との係合状態を解除できない異常事態が生じた場合の対処手順と各部の動作を説明する。異常事態の一例は、解除部材30の破損などにより、後端部16を押し上げられなくなることなどである。異常事態には、ソレノイド作動時とソレノイド不作動時とがある。ソレノイド作動時とは、ソレノイド40が正常に動作して支持片47を貫通孔121に対応する位置に移動できた場合をいう。ソレノイド不作動時とは、ソレノイド40が正常に動作せず、支持片47を貫通孔121に対応する位置に移動できない場合をいう。以下、ソレノイド作動時と不作動時について順次説明する。
【0065】
・ソレノイド作動時
図10に示す軸19が第1中間部11から抜脱される。第1アーム10の本体部1への固定が解除される。第1付勢部材18が押付部15を押す。第1付勢部材18によって傾斜している押付部15が押されるので、第1アーム10が真下ではなく前方内方側へ移動する。ソレノイド40によって後退された支持片47が貫通孔121に対応した位置に位置しているため、貫通孔121に支持片47が挿通されて、フック13が挿入部2から引っ込む。よって、フック13とインレットの凹部との係合状態が解除される。この状態で、コネクタ100をインレットから引き抜くことで、コネクタ100のインレットからの引き抜き操作が完了する。
【0066】
・ソレノイド不作動時
ソレノイド不作動時におけるフック13の係合状態の手順と各部の動作は、
図14から
図17を用いて説明する。
図14から
図17は、説明の便宜上、第2アームの図示を省略し、インレット300の凹部近傍を記載している。
【0067】
図14に示す軸19が第1中間部11から抜脱される。上述と同様に、第1中間部11の固定が解除されて、第1付勢部材18が押付部15を押して第1アーム10を前方内方側へ移動させようとする。第1前方部12は支持片47に当接しているので支持片47上を摺動して、第1アーム10は本体部1の前方内方側ではなく前方へ進む。
【0068】
コネクタ100が本体部1の後方側へ引かれる。このとき、第1中間部11の前方は誘導面1Gとの間に移動代がある。フック13がインレット300の凹部に接触していて、第1前方部12が支持片47に当接している。そのため、
図15に示すように、相対的に第1アーム10が支持片47上を摺動して前方へ移動する。この第1アーム10の相対的な移動により、貫通孔121が支持片47に対応する位置まで移動する。それと共に、第1中間部11が誘導面1Gに当接し、フック13の先端が切欠き2Bの開口面に当接する。そして、第1中間部11が誘導面1Gに案内されると共に、フック13の摺接面131がガイド面2bの傾斜に沿うので、第1アーム10が前方内方側へ移動する。このとき、ガイド面2bと摺接面131とが同じ方向に傾斜していると、摺接面131がガイド面2bに沿い易い。その結果、
図16に示すように、貫通孔121に支持片47が挿通される。それに伴い、フック13が下降して挿入部2から引っ込み、フック13とインレット300の凹部との係合状態が解除される。この状態で、
図17に示すようにコネクタ100をインレット300から引き抜くことで、コネクタ100のインレット300からの引き抜き操作が完了する。
【0069】
[本体ケース]
左ケース1Bの外側面は、
図1にハッチングで示すように、前方側から後方側まで連続した左平坦面1bで形成されている。右ケース1Dの外側面は、図示は省略するものの、左ケース1Bの外側面と同様、前方側から後方側まで連続した右平坦面で形成されている。左平坦面1bと右平坦面とは、前方側から後方側に向かうほど互いに近接するように傾斜している。その上、左平坦面1bと右平坦面とは、下方側から上方側に向かうほど互いに近接するように傾斜している。ハンドル部5を含めて、連続した平坦面で形成されていてもよい。
図19に示すように、左ケース1Bを地面Gに向けて置くと、左側面11Lが地面Gに接触することになる。左側面と地面Gとの間に隙間が形成されることが抑制される。また、本体ケース1Aの左側面が地面Gに面接触することになるため、地面Gに対してコネクタ100が一定の姿勢で安定する。
図20に示すように、右ケース1Dを地面Gに向けて置いても、右側面が地面Gに接触することになる。
【0070】
左平坦面1b及び右平坦面の面積が大きいほど、左ケース1B及び右ケース1Dと地面Gとの接触面積が大きくなるため、コネクタ100が地面に置かれた状態で車両に踏まれても、左ケース1B及び右ケース1Dに作用する圧縮応力を分散できる。また、コネクタ100を地面Gに置いたときの姿勢も安定する。左平坦面1bの面積の一例は、左ケース1Bの側方からの投影面積の30%以上、35%以上、40%以上、更には45%以上である。左平坦面1bの面積の上限は、特に限定されないが、上記投影面積の例えば80%である。即ち、左平坦面1bの面積の一例は、上記投影面積の30%以上80%以下、35%以上80%以下、40%以上80%以下、45%以上80%以下である。右平坦面の面積の好適な範囲は、左平坦面1bの面積の好適な範囲と同様である。
【0071】
左平坦面1b及び右平坦面が上述したように傾斜しており、
図19、
図20に示すように、本体ケース1Aが前方側から後方側に向かって細くなっている。そのため、本体ケース1Aの後方側に設けられるハンドル部5が細くなり易いので、ハンドル部5を持ち易い。その上、
図19、
図20に示すように、本体ケース1Aとケーブル200との境界であるケーブル導入部110とケーブル200との間に形成される段差を小さくでき、延いては段差が形成されることを抑制できる。
図1では、説明の便宜上、ケーブル導入部の図示が省略されている。この段差が小さくなることで、ケーブル導入部110付近が車両に踏まれても、ケーブル導入部110付近に過剰な曲げ応力が作用することを抑制できる。段差の一例は、10mm以下、8mm以下、6mm以下、更には5mm以下である。
【0072】
本体ケース1Aの材質は、金属又は樹脂が挙げられる。金属の一例は、アルミニウム合金である。本体ケース1Aが金属で構成されていれば、コネクタ100の強度を高め易い。樹脂の一例は、ポリプロピレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などから選択される1種又は2種以上の熱可塑性樹脂が挙げられる。上記樹脂は、補強添加剤を添加した強化樹脂でもよい。補強添加剤の一例は、ガラス繊維、ガラスビーズ、及び炭素繊維などである。また、本体ケース1Aは、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂である樹脂アロイなどで構成されていてもよい。本体ケース1Aが樹脂で形成されていれば、コネクタ100の低コスト化と軽量化とを実現し易い。本形態の本体ケース1Aはアルミニウム合金で構成されている。左平坦面1b及び右平坦面1dによって、車両に踏まれても左ケース1B及び右ケース1Dに作用する圧縮応力を分散できるため、本形態とは異なり、本体ケース1Aが樹脂で構成されていてもよい。
【0073】
〔実施形態1の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、ソレノイド40によって連結片46を介して支持片47を前進させる際、ガイド部材60の溝61によって第1連結片461を適正な位置に前進させることができ、溝2Eによって支持片47を適正な位置に前進させることができる。特に、ガイド部材60と端子ケース2Aとが一体成型されていることで、ガイド部材60を端子ケース2Aに別途取り付ける場合に比較して、ガイド部材と端子ケースとの取付誤差が生じない。そのため、支持片47を第1前方部12の貫通孔121よりも前方下方の適正な位置に前進させることができる。よって、支持片47によって、フック13が挿入部2から引っ込むことを直接的に防止できる。このコネクタ100は、給電中に、衝撃、振動、又は第1付勢部材18の破損などのトラブルが生じても、フック13が引っ込むことがない。即ち、フック13とインレットの凹部との係合状態が解除されることを確実に防止できる。よって、コネクタ100がインレットから不用意に抜けることを確実に防止できる。
【0074】
本形態のコネクタ100は、支持片47と第1連結片461とが左右方向にずれて配置されていることによって、支持片47と第1連結片461とが左右方向にずれることなく同一直線上に並ぶように配置されている場合に比較して、スライド部材45による他の部材の配置が制約を受け難い。そして、本形態のコネクタ100は、支持片47と第1連結片461とが左右方向にずれていることで、他の部材が配置されるスペースを作り易い。その上、本形態のコネクタ100は、支持片47と第1連結片461とが上下方向にずれていることによって、上下方向にも他の部材が配置されるスペースを作ることができる。よって、本形態のコネクタ100は、コネクタ100の部品の配置の自由度が高い。ソレノイド40を第1アーム10の後方に配置し、プランジャ41が挿入部2側に向かって進出することで支持片47を第1前方部12の下方に進出させる構成としたことで、ソレノイド40の設置スペースを確保し易い。
【0075】
本形態のコネクタ100は、挿入部2がインレットの奥まで差し込まれたとき、プッシュボタンスイッチ50が後退限まで後退する。そのため、プッシュボタンスイッチ50が後退限まで後退したか否かによって、インレットへの差し込みが確実に行われたかどうかを確認することができる。よって、不慣れな使用者であっても、プッシュボタンスイッチ50の状態を確認することで、インレットへの差し込みを確実に行うことができる。
【0076】
本形態のコネクタ100は、コネクタを差し込んだ後にレバーを握るという特許文献1のコネクタとは異なり、コネクタ100の挿入部2をインレットに差し込むだけの動作でインレットへの差し込み操作を完了させることができる。そのため、特許文献1のコネクタに比較して、直観的に分かり易く操作性に優れる。また、コネクタ100の内部構造も部品点数が少なくシンプルな構造のため、信頼性が高く、小型化、メンテナンスの容易化、低コスト化を図ることができる。さらに、プッシュボタンスイッチ50をハンドル部5の上面に配置したことにより、インレットからの引き抜き操作を片手で行える。
【0077】
本形態のコネクタ100は、上述したソレノイド作動時の異常事態が生じた場合、軸19を第1中間部11から抜脱することで、第1アーム10の本体部1への固定を解除できる。そのため、フック13とインレットの凹部との係合状態を解除できる。また、本形態のコネクタ100は、上述したソレノイド不作動時の異常事態が生じた場合、軸19を第1中間部11から抜脱して、インレットからコネクタ100を引くことで、フック13とインレットの凹部との係合状態を解除できる。よって、異常事態が生じても、コネクタ100を分解又は破壊することなくインレットから引き抜くことができる。
【0078】
本形態のコネクタ100は、左平坦面1b及び右平坦面によって、コネクタ100を地面に置いたり落としたりした際、本体ケース1Aの側面が地面Gに面接触させられる。そのため、コネクタ100を地面Gに対して一定の姿勢でかつ安定に保つことができる。
【0079】
本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aの側面が地面Gに面接触することになるため、本体ケース1Aと地面Gとの接触面積を大きくできる。そのため、車両に踏まれても、本体ケース1Aに作用する圧縮応力を分散できる。また、本体ケース1Aの側面が地面Gに面接触することになるため、本体ケース1Aの側面と地面Gとの間の隙間が小さくなる。そのため、車両に踏まれても、本体ケース1Aに過剰な曲げ応力が作用することを抑制できる。更に、本体ケース1Aが前方側から後方側に向かって細くなっていることによって、ケーブル導入部110とケーブル200との間に形成される段差が小さくなり易い。そのため、ケーブル導入部110の付近が踏まれるようなことがあっても、踏まれた部分に過剰な曲げ応力が作用することを抑制できる。よって、車両に踏まれても、本体ケース1Aが破損し難い。
【0080】
本体ケース1Aが前方側から後方側に向かって細くなっていることによって、ハンドル部5が細くなる。そのため、ハンドル部5を手で握り易く、操作性が向上する。
【0081】
本形態のコネクタ100は、車両用のコネクタに好適に利用できる。本形態のコネクタ100は、例えば、車両以外の船舶、潜水艇、又は航空機などの移動体に用いられるコネクタに好適に利用できる。本形態のコネクタ100は、家庭、ビル、又は工場などに設置された蓄電装置のインレットに接続されるコネクタに好適に利用できる。
【0082】
《実施形態2》
〔コネクタ〕
主に
図21から
図27からを参照して、実施形態2のコネクタ100を説明する。本形態のコネクタ100は、プッシュボタンスイッチ50の代わりにスライドスイッチ51を用いている点と、第1スイッチ81と第2スイッチ82とを備えている点とが、実施形態1と相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成の説明は省略することがある。
図21から
図24は、説明の便宜上、インレット300と第1アーム10と第2アーム20とスライドスイッチ51と第1スイッチ81と第2スイッチ82とを簡略化して示している。
【0083】
[スライドスイッチ]
図21に示すように、スライドスイッチ51は、解除部材30の後端部につながっている。スライドスイッチ51は、上述した第3付勢部材38(
図2)によって後退する方向に付勢されている。スライドスイッチ51は、トリガー部52を有する。トリガー部52は、スライドスイッチ51の下面に本体部1の径方向内方に突出するように構成されている。このトリガー部52は、第2スイッチ82を押す。
【0084】
[第1スイッチ]
第1スイッチ81は、第1アーム10の揺動動作に応じて接点が開閉する。第1スイッチ81の一例は、アクチュエータがスプリング短押ボタン形のマイクロスイッチである。第1スイッチ81は、張出部17の下方に配置されている。第1揺動位置では、
図8に示す張出部17が第1スイッチ81のボタンを押して閉状態となり、第2揺動位置では、張出部17が第1スイッチ81のボタンから離れることで開状態となるように、第1スイッチ81が本体部1に取り付けられている。第1揺動位置とは、フック13が挿入部2の外周面から突出している位置である。第2揺動位置とは、フック13が挿入部2の外周面から突出していない位置である。
【0085】
[第2スイッチ]
第2スイッチ82、解除部材30の進退に応じて接点が開閉する。第2スイッチ82の一例は、アクチュエータがヒンジ・ローラ・レバー形のマイクロスイッチである。第2スイッチ82は、トリガー部52の下方に配置されている。第1スライド位置では、トリガー部52が第2スイッチ82のレバーを押して閉状態となり、第2スライド位置では、トリガー部52が第2スイッチ82のレバーから離れることで開状態となるように、第2スイッチ82が本体部1に取り付けられている。第1スライド位置とは、スライドスイッチ51が後退限まで後退した位置である。第2スライト位置とは、スライドスイッチ51が第3付勢部材38の付勢に抗した位置である。
【0086】
第1スイッチ81及び第2スイッチ82は、後述する信号線路の途中に設けられる。
【0087】
本形態のコネクタ100は、インレットと電気的に接続されることで電気信号が流れる信号線路を備える。信号線路は、接続確認信号線路とソレノイド駆動信号線路とを有する。接続確認信号線路は、コネクタ100とインレットとの電気的接続状態を確認するための信号が流れる。接続確認信号線路は、コネクタ100とインレットとが電気的に接続されることで形成される。ソレノイド駆動信号線路は、ソレノイド40に通電する駆動信号が流れる。ソレノイド駆動信号線路は、充電器本体からソレノイド40に通電する回路を形成する。本形態では、第1スイッチ81及び第2スイッチ82が接続確認信号線路に設けられている。
【0088】
図21から
図25を用いて、コネクタ100におけるインレットへの差し込み操作、及びインレットからの引き抜き操作での上記第1スイッチ81及び第2スイッチ82の動作と信号線路の状態とを説明する。差し込み操作及び引き抜き操作における内部構造の動作は実施形態1と同様である。
【0089】
上述した挿入部2を差し込む前の初期状態では、第1アーム10が上記第1揺動位置であり、かつスライドスイッチ51が上記第2スライド位置である。
図21に示すように、第1スイッチ81は、
図8に示す張出部17によりボタンが押され、閉状態となる。また、
図21に示すように、第2スイッチ82は、トリガー部52によりレバーが押されず、開状態となる。そして、コネクタ100の端子100tとインレット300の端子300tとが接触しておらず、コネクタ100とインレット300とが電気的に接続されていない。接続確認信号線路である信号線路Lは開状態となる。
【0090】
[差し込み操作]
図1に示す挿入部2がインレットに差し込まれると、
図22に示すように、フック13が押し込まれる。この状態は、コネクタ100の差し込み中の状態であり、フック13がインレット300の凹部に突出せず係合していない半嵌合状態である。
【0091】
このとき、第1アーム10が上記第2揺動位置であり、かつスライドスイッチ51が上記第2スライド位置である。
図22に示すように、第1スイッチ81は、
図8に示す張出部17によりボタンが押されず、開状態となる。また、
図22に示すように、第2スイッチ82は、トリガー部52によりレバーが押されず、開状態となる。そして、端子100tと端子300tとが接触し、コネクタ100とインレット300とが電気的に接続されている。信号線路Lは開状態となる。コネクタ100とインレット300との電気的接続が確立されていても、機械的接続が不完全な半嵌合状態の場合は、信号線路Lは開状態となる。
【0092】
図1に示す挿入部2がインレットの奥まで差し込まれると、
図23に示すように、フック13がインレット300の凹部に係合する。また、
図10、
図11に示すように、突起部23が押し込まれて当止部32と後端部25との引っ掛かり状態が解除される。この解除によって、スライドスイッチ51が第3付勢部材38による付勢により後退限まで後退する。以上により、コネクタ100のインレットへの差し込み操作が完了する。
【0093】
このとき、第1アーム10が上記第1揺動位置であり、かつスライドスイッチ51が上記第1スライド位置である。
図23に示すように、第1スイッチ81は、
図8に示す張出部17によりボタンが押され、閉状態となる。また、
図23に示すように、第2スイッチ82は、トリガー部52によりレバーが押され、閉状態となる。そして、コネクタ100とインレット300とが電気的に接続されたままである。信号線路Lは閉状態となる。このように、コネクタ100とインレット300とが機械的・電気的に確実に接続されている場合にのみ、信号線路Lは閉状態となるため、信号線路Lの状態を監視することで、コネクタ100の半嵌合状態を検知することができる。
【0094】
[引き抜き操作]
ソレノイド40への通電を停止した後、スライドスイッチ51を前進させることによって、フック13とインレットの凹部との係合状態が解除される。
【0095】
このとき、第1アーム10が上記第2揺動位置であり、かつスライドスイッチ51が上記第2スライド位置である。
図24に示すように、第1スイッチ81は、
図8に示す張出部17によりボタンが押されず、開状態となる。また、
図24に示すように、第2スイッチ82は、トリガー部52によりレバーが押されず、開状態となる。コネクタ100とインレット300とが電気的に接続されたままである。信号線路Lは開状態となる。
【0096】
その後、上述したように引き抜き操作が完了することで、コネクタ100とインレットとの電気的接続が解除される。
【0097】
ここで、何らかの不具合により、
図7に示す支持片47が前進しない異常事態において、充電中に使用者がコネクタ100をインレットから引き抜こうとした場合、
図23に示すスライドスイッチ51を前進させる。即ち、第1スイッチ81より先に第2スイッチ82が開状態となる。そのため、第2スイッチ82を設けることで、スライドスイッチ51が操作されたことを検知して、コネクタ100の引き抜き操作をより早く検知することができる。よって、充電中、使用者がスライドスイッチ51を操作してコネクタ100をインレットから引き抜こうとしたとき、充電器本体からの充電をより早く中止することができるので、より安全性を高めることが可能である。
【0098】
本形態では、第1スイッチ81を接続確認信号線路に設けた場合を例に説明したが、第1スイッチ81をソレノイド駆動信号線路に設けてもよい。具体的には、
図25に示すように、充電器本体からソレノイド40に通電する回路において、ソレノイド40に通電する駆動信号が流れるソレノイド駆動信号線路の途中に第1スイッチ81を設けることが挙げられる。この場合であっても、信号線路の状態、例えば回路の断線状態を監視することで、コネクタ100の半嵌合状態を検知することができる。また、本形態で説明したコネクタ100のように、信号線路として、接続確認信号線路とソレノイド駆動信号線路とを備える場合、第1スイッチと第2スイッチ82とを同じ信号線路に設けてもよいし、異なる信号線路に設けてもよい。信号線路としては、コネクタ100とインレットとが電気的に接続されることで電気信号が流れる線路であればよく、接続確認信号線路やソレノイド駆動信号線路に限らず、その他の信号線路を利用してもよい。なお、本形態では、第1スイッチ81と第2スイッチ82とを備える場合を例に説明したが、第1スイッチ81のみであっても安全性を十分確保することができる。第1スイッチ81のみとした場合、部品点数を少なくでき、故障率を下げることができる。
【0099】
本形態では、スライドスイッチ51を例に説明したが、実施形態1のプッシュボタンスイッチ50でも同様である。
【0100】
[その他]
図26に示すように、ハンドル部5の上面において、スライドスイッチ51が押し込まれた状態では露出し、かつスライドスイッチ51が後退限まで後退したときは露出しない箇所は、表示部95に利用することができる。例えば、この表示部95に周囲と異なる色を塗装することで、色によってスライドスイッチ51が押し込まれた状態、即ち当止部32が後端部25に引っ掛けられていることにより、解除部材30の後退が阻止されている状態であることを視覚的に容易に判別することができる。
【0101】
図27に示すように、ハンドル部5の上面において、スライドスイッチ51が押し込まれた状態では露出せず、かつスライドスイッチ51が後退限まで後退したときは露出する箇所は、表示部96に利用することができる。例えば、この表示部96に文字などを表記したり、周囲と異なる色を塗装したりすることで、文字や色によって解除部材30が後退限まで後退したことを視覚的に容易に判別することができる。
【0102】
〔実施形態2の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、信号線路の途中に、第1スイッチ81を備えることで、上述の半嵌合状態を検知することができる。よって、上記半嵌合状態の場合、充電器本体からの充電を中止することができ、安全性が高い。また、本形態のコネクタ100は、信号線路の途中に、第2スイッチ82を備えることで、スライドスイッチ51が操作されたことを検知することができる。よって、充電中、使用者が充電器本体からの充電を中止する操作を行う前に、スライドスイッチ51を操作してコネクタ100をインレットから引き抜こうとしても、充電器本体からの充電を中止することができるので、より安全性を高めることが可能である。
【0103】
本形態のコネクタ100は、表示部95,96によって、スライドスイッチ51が後退限まで後退したことを使用者が容易に判別することができる。そのため、インレットへの差し込みが確実に行われたか否かを容易に確認することができる。
【0104】
《実施形態3》
〔コネクタ〕
主に
図28、
図29を参照して、実施形態3のコネクタ100を説明する。本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aの材質が樹脂である点と、突出部1Fが軸挿通部1Hを備えておらず、軸19が外部に露出していない点が実施形態1と相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成の説明は省略することがある。
【0105】
[本体ケース]
本体ケース1Aを形成する樹脂の一例は、上述した通りである。本形態では、本体ケース1Aは、ポリブチレンテレフタレート樹脂とポリカーボネート樹脂との混合樹脂である樹脂アロイで形成されている。
【0106】
(突出部)
突出部1Fの各サイド面の内面には、
図29に示すように、軸19を支持する軸受部1Jが形成されている。各サイド面の内面にそれぞれ軸受部1Jが形成されている。両軸受部1J,1Jに軸19が架け渡されている。
図7に示すように、この軸19が第1中間部11に挿通され、第1アーム10が軸19を介して本体部1に揺動自在に支持される。
【0107】
突出部1Fは、軸19の位置を外部から識別可能な識別部1Kと、軸19が外部に露出された状態に破壊可能な脆弱部1Lと、を備える。
【0108】
・識別部
識別部1Kは、軸19の位置を本体ケース1Aの外部から識別できればその形態は特に限定されず適宜選択できる。本形態の識別部1Kは、突出部1Fの各サイド面のうち、軸19の端面に対応する位置に形成された凹部で構成している。凹部の窪み部分は、軸19の軸心の延長線上に位置することが好ましい。識別部1Kが凹部であることで、凹部の窪み部分に棒などの押し込み部材を当接させ易く、押し込み部材を本体ケース1Aの内方に押し込み易い。また、凹部の窪み部分が突出部1Fのその他の領域に比較して薄肉となって局所的に低強度となるため、窪み部分を破壊し易い。本形態とは異なり、識別部1Kは、凸部又は粗面で構成してもよい。識別部1Kが凹部、凸部、又は粗面で構成されていると、識別部1Kを視覚的及び触覚的に確認することができる。
【0109】
本形態とは異なり、識別部1Kは、本体ケース1Aの識別部1K以外の箇所の色と異なる色とすることで構成してもよい。識別部1Kは、軸19の端面を示す矢印などの記号で構成してもよい。識別部1Kが記号である場合、軸19の端面に対応する位置に識別部1Kを形成してもよいし、軸19の端面には対応せずに、その記号によって軸19の端面に対応する位置がわかる位置に識別部1Kを形成してもよい。
【0110】
・脆弱部
脆弱部1Lは、局所的に低強度に構成された部分である。脆弱部1Lによって、突出部1Fの少なくとも一部を破壊し易い。そのため、軸19が突出部1Fの外部に露出された状態にすることができる。本形態の脆弱部1Lは、各サイド面に形成された薄肉部で構成している。薄肉部は、各サイド面の一部の厚さが他部の領域の厚さよりも薄い。各サイド面の内面において、軸19の端面の周縁に向かい合う円周部分に形成された切込みによって、薄肉部が形成されている。このように、薄肉部を切込みによって形成する場合、切込みは各サイド面の内面に形成されることが好ましい。本形態とは異なり、切込みは、軸19の軸心を中心に放射状に形成してもよい。
【0111】
本形態とは異なり、脆弱部1Lは、各サイド面の外面に形成されていてもよい。例えば、脆弱部1Lとして各サイド面の外面に十字の切込みを形成した場合、切込みの交点が識別部1Kの機能を兼ねることができる。
【0112】
本形態とは異なり、脆弱部1Lは、突出部1Fと突出部1F以外の領域との境界部分に沿って形成した切込みで構成してもよい。左ケース1Bと右ケース1Dとを左右に分離可能であり、突出部1Fも同様に左右に分離可能である。よって、上記境界部分で破壊されることで、突出部1Fを左右に分離して取り外すことができ、軸19による第1中間部11の支持を解除できる。この場合、突出部1Fが識別部1Kの機能を兼ねている。
【0113】
識別部1K及び脆弱部1Lが各サイド面に設けられていることで、左右のサイド面のどちらの面からでも識別部1Kを目印にしてそのサイド面を破壊できる。よって、インレットの蓋が左開き又は右開きのいずれの場合であっても対応できる。例えば、インレットの蓋が左開きの場合、その開放した蓋側の識別部1Kや脆弱部1Lは蓋に遮蔽されるが、開放した蓋と逆側の右面にある識別部1K及び脆弱部1Lを利用すれば、軸19の抜脱にあたりインレットの蓋が邪魔とならず、作業が行い易い。
【0114】
[引き抜き操作]
(異常時)
上述したような異常事態が生じた場合の対処手順を説明する。一方のサイド面に設けられた識別部1Kに棒などの押し込み部材を当接させて、押し込み部材を本体ケース1Aの内方に押し込むと、一方のサイド面が脆弱部1Lを起点として破壊される。このとき、脆弱部1Lで囲まれる円盤状の樹脂片は、突出部1Fから分離されて、軸19の端面側に押し込まれる。さらに、押し込み部材を押し込むと、押し込み部材は軸19の一方の端面に当接し、軸19の他方の端面は他方のサイド面の内面に当接する。そして、他方のサイド面が軸部13iによって脆弱部1Lを起点として破壊される。このとき、脆弱部1Lで囲まれる円盤状の樹脂片は、突出部1Fから分離されて、突出部1Fの外方に脱離される。破壊された部分から軸19を取り出すことで、第1中間部11から軸19を抜脱することができる。軸19が抜脱された後の内部構造の動作は、実施形態1で説明した通りである。
【0115】
〔実施形態3の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、軸19が本体ケース1Aの一部として一体成型された突出部1Fで覆われていることで、軸挿通部1Hを備える実施形態1のコネクタ100に比較して、本体ケース1Aの内部に水又は埃などの異物が侵入することを抑制し易い。よって、軸19又はその他のコネクタ100の内部構造が、汚損又は発錆などにより劣化することを抑制できる。また、軸19が突出部1Fで覆われていることで、軸19が外部から容易に抜脱されない。そのため、いたずらなどで通常使用時に軸19が抜脱されることを防止し易い。
【0116】
本形態のコネクタ100は、上述の異常事態が生じた場合、軸19を第1中間部11から抜脱することで、第1アーム10の本体部1への固定を解除できる。そのため、フック13とインレットとの係合状態を解除できる。このとき、本形態のコネクタ100は、軸19が突出部1Fで覆われているものの、識別部1Kによって外部から軸19の正確な位置を識別することができる。また、本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aのうち脆弱部1Lの部分だけ容易に破壊することができるため、軸19を外部に露出させることができる。
【0117】
本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aが樹脂で形成されているため、実施形態1のコネクタ100に比較して、低コスト化と軽量化を実現できる。また、本体ケース1Aの形状が耐荷重性、具体的には耐車両荷重性に優れている。そのため、本体ケース1Aは、樹脂で形成されているものの、車両で踏まれても破損し難い。
【0118】
《実施形態4》
〔コネクタ〕
主に
図1、
図30、
図31を参照して、実施形態4のコネクタ100を説明する。本形態のコネクタ100は、ハンドル部5の露出面である外表面の特定箇所を金属面で構成した点が、実施形態1と相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成の説明は省略することがある。以下の説明では、ハンドル部5における本体ケース1A側を内側、その反対側を外側とする。
図31の「In」は内側、「OUT」は外側を示す。
【0119】
(被覆部)
本体ケース1Aは、被覆部1Eを有する。被覆部1Eは、
図1、
図31に示すように、後述するハンドル部5の前方側湾曲部5Jの外側を覆う。被覆部1Eは、本体ケース1Aの一部で構成されている。即ち、被覆部1Eの材質は、本体ケース1Aと同じ金属である。被覆部1Eは、外側に露出する金属露出面1eを有する。
【0120】
金属露出面1eは、本体ケース1Aと一体の金属で構成されている。それにより、コネクタ100の落下に伴う前方側湾曲部5Jの破損を抑制し易い。コネクタ100の落下時、地面に衝突し易い前方側湾曲部5Jの外側を被覆部1Eで覆うことで、地面に対して被覆部1Eの金属露出面1eを衝突させられるからである。そのため、地面に対して前方側湾曲部5Jが衝突することを防止できる。
【0121】
被覆部1Eは、本例のように前方側湾曲部5Jの外側、具体的には前方側湾曲部5Jの直上に設けられるプッシュボタンスイッチ50の外側の外縁よりもさらに外側に突出してプッシュボタンスイッチ50の少なくとも一部を覆うことが好ましい。そうすれば、コネクタ100の落下に伴うプッシュボタンスイッチ50の破損を抑制し易い。コネクタ100の落下時、地面に対して被覆部1Eの金属露出面1eを衝突させられることで、地面に対してプッシュボタンスイッチ50が衝突することを抑制できるからである。
【0122】
[ハンドル部]
本形態では、ハンドル部5の長手方向と直交する断面における外周輪郭外形は、矩形の角筒状である。本形態とは異なり、上記外周輪郭外形は、五角形以上の多角形の角筒状でもよい。また、本形態とは異なり、上記外周輪郭外形は、円筒状又は楕円筒状でもよい。本例のハンドル部5は、ハンドル本体部5Aとカバー部5Bとを備える。
【0123】
(ハンドル本体部)
ハンドル本体部5Aは、
図30に示すように、本体ケース1Aと一体に成形される。即ち、ハンドル本体部5Aの材質は、本体ケース1Aと同じ金属が挙げられる。ハンドル部5を側面視したときのハンドル本体部5Aの形状は、ハンドル部5と同じ形状であり、本例ではC字状である。ハンドル本体部5Aは、後述する後方側湾曲部5Kの外側面に対応する箇所、即ち後述の金属露出面5Lがその周囲よりも外側に突出している。その突出量は、カバー部5Bの厚さ以上が挙げられる。それにより、後方側湾曲部5Kの外側面がハンドル部5の露出面の一部を構成できる。突出量とカバー部5Bの厚さとが同じで、後方側湾曲部5Kの外表面とカバー部5Bの外表面とが面一であってもよいが、突出量は、本例のようにカバー部5Bの厚さよりも大きいことが好ましい。その場合、
図31に示すように、後方側湾曲部5Kの外側面がカバー部5Bの外表面よりも外側に突出する。そのため、コネクタ100の落下時に、後方側湾曲部5Kの外側面を地面に衝突させ易い。
【0124】
(カバー部)
カバー部5Bは、
図1に示すように、ハンドル本体部5Aのうち、後方側湾曲部5Kの外側面に対応する箇所、即ち後述の金属露出面5Lを除いて、実質的に全域に亘る領域を覆う。このカバー部5Bの表面がハンドル部5の露出面の大部分を構成する。カバー部5Bは、
図30に示すように、左右半割れの]字状の左カバー片5D及び右カバー片5Eを有する。左カバー片5D及び右カバー片5Eは、ハンドル本体部5Aに対して複数のネジ150で組み付けることで互いに組み合わされている。ハンドル部5を側面視したときのカバー部5Bの形状は、ハンドル本体部5Aの形状に沿った形状であり、本例ではC字状である。左カバー片5D及び右カバー片5Eには、ハンドル本体部5Aの一部を外側に露出させる切欠き5F,5Gが形成されている。
【0125】
各切欠き5F,5Gの形成箇所は、
図1、
図30に示すように、ハンドル本体部5Aのうち、後方側湾曲部5Kの外側面である後述の金属露出面5Lに対応する箇所である。各切欠き5F,5Gの形状は、
図31に示すように、本例では矩形状である。その他、各切欠き5F,5Gの形状は、台形状、三角形状、弓形状などでもよい。台形状とは、直角台形、等脚台形などが挙げられる。弓形状とは、半円形などが挙げられる。各切欠き5F,5Gの形状がいずれの形状であっても、その形状を構成する直線状の一辺が左カバー片5Dと右カバー片5Eの境界に沿うように設けることが挙げられる。
【0126】
カバー部5Bの材質は、ケーブル200の使用時の最高温度に対する耐熱性と低熱伝導性とを備える樹脂系の材料が好適に利用できる。例えば、樹脂系の材料の熱伝導率は、低いことが好ましい。コネクタ100が屋外で使用される場合には、更に、耐候性を備える樹脂系の材料が好ましい。コネクタ100が低温環境下で使用される場合には、更に耐寒性を備える樹脂系の材料が好ましい。例えば、樹脂系の材料の低温脆性を示す脆化温度は、低いことが好ましい。耐衝撃性を考慮すれば、例えば、樹脂系の材料のシャルピー衝撃強さは、高いことが好ましい。カバー部5Bの材質は、コネクタ100の使用温度を考慮して適宜選択できる。コネクタ100の使用温度は、例えば、-30℃~50℃程度である。カバー部5Bの材質は、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、又は繊維強化プラスチックなどが挙げられる。カバー部5Bの材質は、耐衝撃性をも考慮すると、ポリカーボネート樹脂が特に好適である。ハンドル部5は、把持領域5Hと、前方側湾曲部5Jと、後方側湾曲部5Kとを有する。
【0127】
(把持領域)
把持領域5Hは、ユーザが直接把持する部分、即ちユーザが手で触れる部分である。把持領域5Hは、
図31に示すように、ハンドル部5の長手の中央に設けられている。把持領域5Hは、ハンドル部5の周方向の全周に亘って構成されている。把持領域5Hの内側には、本例ではその長手方向に沿って凹凸が繰り返された表面を有する。この凹凸によって、ユーザが把持領域5Hを握った際、滑り難くすることができる。把持領域5Hの形状は、本例では外側に向かって凸となるように緩やかに湾曲する円弧状である。この形状とは、ハンドル部5を側面視したときの形状である。そのため、ユーザが把持領域5Hを把持し易い。なお、把持領域5Hの形状は、直線状であってもよい。把持領域5Hは、樹脂で構成されて、把持領域5Hの全域に亘って露出する樹脂露出面5hを有する。そのため、ユーザの手により把持領域5Hを直接把持し易い。ユーザが手で把持領域5Hを直接把持しても、ケーブル200からの伝熱により過度に熱く感じることがないからである。把持領域5Hは、ハンドル本体部5A及びカバー部5Bの長手の中央部分を有する。樹脂露出面5hは、カバー部5Bの外表面で構成されている。即ち、樹脂露出面5hの形状は、ハンドル部5の外周輪郭外形と同じ形状、本例では矩形状の角筒状である。樹脂露出面5hの材質は、カバー部5Bと同じ樹脂系の材料である。
【0128】
(前方側湾曲部)
前方側湾曲部5Jは、ハンドル部5における把持領域5Hの前方に設けられている。前方側湾曲部5Jは、内側に向かって湾曲するように形成されている。前方側湾曲部5Jの形状は、把持領域5Hと同様、外側に向かって凸となるように湾曲している。この形状とは、ハンドル部5を側面視したときの形状である。前方側湾曲部5Jの形状は、把持領域5Hよりも曲げの急な円弧状である。前方側湾曲部5Jの外側は、露出せず、被覆部1Eで覆われている。そのため、コネクタ100の落下時、地面に対して被覆部1Eを衝突させ易く、前方側湾曲部5Jが衝突することを防止できる。前方側湾曲部5Jは、ハンドル本体部5Aの前方部分とカバー部5Bの前方部分とを有する。
【0129】
(後方側湾曲部)
後方側湾曲部5Kは、ハンドル部5における把持領域5Hの後方に設けられ、内側に向かって湾曲するように形成されている。後方側湾曲部5Kの形状は、把持領域5Hや前方側湾曲部5Jと同様、外側に向かって凸となるように湾曲している。この形状とは、ハンドル部5を側面視したときの形状である。後方側湾曲部5Kの形状は、前方側湾曲部5Jよりも更に曲げの急な円弧状である。後方側湾曲部5Kは、外側に露出する金属露出面5Lを有する。金属露出面5Lは、本体ケース1Aと一体の金属で構成される。即ち、金属露出面5Lの材質は、本体ケース1Aと同じ金属である。後方側湾曲部5Kは、ハンドル本体部5Aの後方部分で構成されている。金属露出面5Lは、ハンドル本体部5Aの外表面で構成されている。金属露出面5Lは、両切欠き5F,5Gにより外側に露出している。金属露出面5Lの形状は、両切欠き5F,5Gの形状に対応した形状であり、本例では矩形状である。
【0130】
(把持領域と各湾曲部の曲げ半径の関係)
ハンドル部5の側面視において、前方側湾曲部5Jにおける外側の曲げ半径をRf、把持領域5Hにおける外側の曲げ半径をRm、後方側湾曲部5Kにおける外側の曲げ半径をRrとする。これら曲げ半径Rf、Rm、Rrの大小関係は、Rm>Rf,かつRm>Rrを満たす。そうすれば、コネクタ100の落下時、地面に対して樹脂露出面5hが衝突することを抑制し、地面に対して金属露出面1e及び金属露出面5Lを衝突させ易い。把持領域5Hの形状が直線状の場合、把持領域5Hにおける外側の曲げ半径Rmは存在しないが、Rm=∞(無限)と見做して、Rm>Rf,かつRm>Rrを満たすものと見做す。前方側湾曲部5J、把持領域5H、及び後方側湾曲部5Kの外側がそれぞれ複数の曲面で構成されている場合、曲げ半径Rfと曲げ半径Rrは、最大の曲げ半径とし、曲げ半径Rmは、最小の曲げ半径とする。本例では、曲げ半径Rf、Rm、Rrの大小関係は、Rm>Rf>Rrである。
【0131】
〔実施形態4の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、落下に伴う本体ケース1Aやハンドル部5の破損を抑制し易い。コネクタ100の落下時に地面に衝突し易い後方側湾曲部5Kの露出面と被覆部1Eの露出面とがそれぞれ、金属で構成される金属露出面5L,1eを有するからである。そのため、コネクタ100の落下時、金属露出面5L,1eを地面に衝突させられる。また、ユーザの手で把持領域5Hを直接把持し易い。把持領域5Hの露出面が樹脂で構成される樹脂露出面5hを有するため、ユーザが手で把持領域5Hを直接把持しても、ケーブル200からの伝熱に対して過度に熱く感じることがないからである。
【0132】
本形態のコネクタ100は、ケーブルの外径が例えば35mm以上、ケーブルに備わる電力線である導体の断面積が例えば65mm2以上のコネクタに好適に利用できる。コネクタ100は、電気定格が50kWを超えるコネクタに好適に利用できる。このような大電流用途のケーブルはコネクタも大型化するため、そのコネクタに本形態のコネクタ100を利用すれば、特に落下時の破損防止に効果的である。
【0133】
〔試験例〕
本形態のコネクタ100を用い、落下衝撃試験後のコネクタ100の破損状態を評価した。
【0134】
落下衝撃試験は、室温環境下で次のようにして行った。長さ2.25mのケーブル200の先端に実施形態に係るコネクタ100を接続し、ケーブル200の後端を地上1mの高さに固定した。ケーブル200がその全長に亘って地上1mの高さで地面と平行となるように、コネクタ100を持ち上げてケーブル200を引っ張った。その状態でコネクタ100を地面に落下させた。このとき、ケーブル200の後端は地上1mの高さに固定されたままである。落下回数は合計8回とした。落下1回ごとにケーブル200を軸としてコネクタ100を周方向に45°ずつ回転させて落下させた。
【0135】
その結果、コネクタ100はどの箇所も機能を害するほど破損しなかった。コネクタ100の表面を目視にて確認した。その結果、コネクタ100の表面の打痕などの疵から、金属露出面1eと金属露出面5Lとが地面に衝突したことが分かった。また、樹脂露出面5hには落下時の疵が実質的に形成されておらず、落下時に把持領域5Hは地面に衝突しなかったことが分かった。
【0136】
比較として、コネクタのハンドル部の露出面である外表面が全て樹脂で構成されている点を除き、実施形態に係るコネクタ100と同じコネクタを用意して、同じ落下衝撃試験を行った。その結果、ハンドル部が破損した。
【0137】
《実施形態5》
〔コネクタ〕
主に
図1、
図32から
図39を参照して、実施形態5のコネクタ100を説明する。本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aに対するケーブル200の固定構造が、実施形態1と相違する。以下の説明は、実施形態1との相違点を中心に行う。実施形態1と同様の構成の説明は省略することがある。
図32は、説明の便宜上、コネクタ100の右ケース1Dを取り外した状態において、把持部4の左把持片4A付近の内部を右方向から見た状態を示す。
【0138】
[ケーブル]
ケーブル200は、
図33、
図34に示すように、複数の電線210と、複数の電線210を一括して被覆するシース220とを有する複合ケーブルである。
図33に示す横断面図は、後述する外筒部250をケーブル200の軸方向と直交する方向に切断した図である。
図34の縦断面図は、外筒部250をケーブル200の軸方向に沿って切断した図である。複数の電線210は、シース220によって一体化されている。各電線210は、導体を絶縁体で被覆した絶縁電線である。ここでは、代表的に2つの電線210を示しているが、実際には、挿入部2に格納されている各端子に対応する電線が存在する。本体ケース1Aの内部に配設されるケーブル200の先端側は、
図32に示すように、シース220から電線210が露出しており、各電線210が分離され、各電線210がそれぞれ対応する各端子に接続されている。
【0139】
シース220は、一般的なケーブルシースの材料を利用できる。シース220は、ゴムなどの絶縁体で形成されている。このゴムの一例は、クロロプレンゴム(CR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM,EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム(NBR)、フッ素ゴム(FKM,FFKM)などである。
【0140】
[外筒部]
ケーブル200は、本体ケース1Aの内部に配設される長手方向の一部に外筒部250を有する。外筒部250は、
図33に示すように、ケーブル200の外周を覆っている。外筒部250の外形は非円形である。外形とは、ケーブル200の軸方向から見た外形のことである。非円形の一例は、多角形、長円形、楕円形などである。本形態では、外筒部250の外形が略正六角形である。外筒部250の外形は、4角形以上の偶数の正多角形が好ましい。
【0141】
本形態では、外筒部250は、金属製のスリーブである。外筒部250は、ケーブル200の外周面に圧着されている。円筒状の金属製のスリーブをケーブル200の所定の位置に嵌める。そのスリーブを所定の形状のダイス孔を有するダイスに通し、スリーブを径方向に圧縮する。本形態のダイス孔の形状は、略正6角形である。この圧縮によって、スリーブがケーブル200に固定されると共にスリーブの外形が所定の形状に塑性変形して、外筒部250が形成される。
【0142】
外筒部250は、樹脂又はゴムによって形成してもよい。例えば、ケーブル200の外周面に樹脂又はゴムをアウトサート成形することで、所定の形状の外筒部250を形成してもよい。また、樹脂又はゴムを所定の形状に成形した成形品をケーブル200の外周面に嵌め込むことによって、所定の形状の外筒部250を形成してもよい。上記成形品を接着剤で接着することによって外筒部250を形成してもよい。
【0143】
金属製のスリーブの圧着によって外筒部250を形成することで、樹脂やゴムのアウトサート成形によって外筒部250を形成する場合に比べて、外筒部250を容易に形成できる。また、金属製のスリーブの圧着によって、外筒部250がケーブル200を強固に把持できる。そのため、外筒部250によってケーブル200の表面部分のシース220だけでなく、ケーブル200の内部の電線210をも十分に拘束できる。スリーブを形成する金属の一例は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鉄合金、鋼、又はステンレス鋼などである。特に、軽量で強度が高く、加工性や耐食性に優れるアルミニウム合金が好適である。本形態の外筒部250は、アルミニウム合金で構成されている。
【0144】
金属製のスリーブを圧着して外筒部250を形成する場合、外筒部250の外形は、六角形以上の偶数の正多角形であることが好ましく、6角形以上で16角形以下の偶数の正多角形であることが好ましい。6角形以上の偶数の正多角形とすることで、金属製のスリーブを圧着した際、スリーブを均等に圧縮し易く、外筒部250によってケーブル200を強固に把持し易い。16角形以下の偶数の正多角形とすることで、金属製のスリーブを圧着した際、スリーブの外形を多角形に形成し易く、外筒部250の外形が円形に近付き難い。
【0145】
外筒部250の内周面には、
図34に示すように、複数の突起260が形成されている。複数の突起260は、外筒部250の軸方向に並列に設けられている。本形態では、各突起260の断面形状は、略V字状である。複数の突起260は、金属製のスリーブの内周面に断面略V字状のネジ溝を形成することによって形成できる。各突起260の高さは、シース220の厚さなどに応じて電線210を損傷させないように適宜設定すればよい。
【0146】
[把持部]
図1に示すように、ケーブル200を把持する把持部4は、本体部1の後端側を構成していて、ハンドル部5の下方に位置している。把持部4は、左右半割れの左把持片4A及び右把持片4Bを有する。左把持片4Aは左ケース1Bの一部で構成されている。右把持片4Bは右ケース1Dの一部で構成されている。即ち、把持部4の材質は、本体ケース1Aと同じ金属が挙げられる。把持部4は、本例では、アルミニウム合金で構成されている。左把持片4Aと右把持片4Bとは、互いに同一形状である。左把持片4Aと右把持片4Bとは、複数のネジで締結することで互いに組み合わせることができる。把持部4の外形形状は、適宜選択できる。本形態の把持部4の外形形状は、矩形の角筒状である。本形態とは異なり、把持部4の外形形状は、四角形超の多角形の角筒状でもよいし円筒状でもよい。
【0147】
(外筒収納部)
図32,
図35から
図37に示すように、把持部4の内面におけるケーブル200が挿通される部分には、外筒部250が収納される外筒収納部4Dが設けられている。
図32,
図35では、代表して左把持片4Aに設けられた外筒収納部4Dを示している。図示は省略するものの、右把持片4Bにも外筒収納部が設けられている。外筒収納部4Dには、
図36から
図38に示す回転止め部4E、
図36、
図37、
図39に示す抜け止め部4F、及び
図36、
図37に示す押し止め部4Gの少なくとも一つが設けられている。
【0148】
〈回転止め部〉
図36から
図38に示す回転止め部4Eは、ケーブル200の回転を抑制する。回転止め部4Eは、ケーブル200が回転しようとしたとき、外筒部250の外周面が回転止め部4Eの内周面に当て止めされるように形成されている。回転止め部4Eは、外筒収納部4Dの内周面から径方向内方に突出している。回転止め部4Eの内形は、上記非円形である。内形とは、ケーブル200の挿通方向から見た内形のことである。
【0149】
例えば、外筒部250の外形及び回転止め部4Eの内形がそれぞれ正多角形の場合であれば、外筒部250の外形の外接円が、回転止め部4Eの内形の内接円よりも大きい形状が挙げられる。回転止め部4Eの内形は、外筒部250の外形に沿った形状が好ましい。回転止め部4Eの内形を外筒部250の外形に沿った同じ形状とすることで、外筒部250の外周面と回転止め部4Eの内周面とが近接する。そのため、外筒部250の外周面と回転止め部4Eの内周面との隙間を小さくできる。よって、外筒部250の回転角度、即ちケーブル200の回転角度を小さくできる。本形態では、
図38に示すように、回転止め部4Eの内形は外筒部250の外形と同じ略正六角形である。回転止め部4Eは、
図36、
図37に示すように、外筒収納部4Dの軸方向に間隔をあけて複数設けられている。
【0150】
本形態では、
図38に示すように、回転止め片4eが左ケース1Bの外筒収納部4Dに対応する部位の内周面から径方向内方に突出するように一連に形成されている。図示は省略するものの、左ケース1Bと同様、回転止め片4eが右ケース1Dにも形成されている。左ケース1Bと右ケース1Dとを組み合わせて本体ケース1Aを構成した際、左ケース1Bの回転止め片4eと右ケース1Dの回転止め片4eとが互いに組み合わされて環状の回転止め部4Eが構成されている。
【0151】
〈抜け止め部〉
図36、
図37、
図39に示す抜け止め部4Fは、外筒部250が把持部4から抜けることを抑制する。抜け止め部4Fは、把持部4の内周面から径方向内方に突出している。抜け止め部4Fは、外筒部250の後端面と接する。抜け止め部4Fの形状は、ケーブル200が挿通でき、且つ、外筒部250の後端面と接する形状であればよい。抜け止め部4Fの形状は、例えば、抜け止め部4Fの内形の内接円が、ケーブル200の外径よりも大きく、外筒部250の外形の外接円よりも小さい形状が挙げられる。
図39に示す抜け止め部4Fの内形は、ケーブル200の外径よりも大きく、外筒部250の外形よりも小さい略円形である。
【0152】
本形態では、
図39に示すように、抜け止め片4fが左ケース1Bの外筒収納部4Dの後端側に対応する部位の内周面から径方向内方に突出するように一体に形成されている。図示は省略するものの、左ケース1Bと同様、抜け止め片4fが右ケース1Dにも形成されている。左ケース1Bと右ケース1Dとを組み合わせて本体ケース1Aを構成した際、左ケース1Bの抜け止め片4fと右ケース1Dの抜け止め片4fとが互いに組み合わされて環状の抜け止め部4Fが構成されている。
【0153】
〈押し止め部〉
図36、
図37に示す押し止め部4Gは、外筒部250が本体部1の内部に入りすぎることを抑制する。押し止め部4Gは、把持部4の内周面から径方向内方に突出している。押し止め部4Gは、外筒部250の前端面と接する。押し止め部4Gの形状は、ケーブル200が挿通でき、且つ、外筒部250の前端面と接する形状であればよい。押し止め部4Gの形状は、抜け止め部4Fの形状と同様、例えば、押し止め部4Gの内形の内接円が、ケーブル200の外径よりも大きく、外筒部250の外形の外接円よりも小さい形状が挙げられる。押し止め部4Gの内形は、
図39に示す抜け止め部4Fと同じように、ケーブル200の外径よりも大きく、外筒部250の外形よりも小さい略円形である。ここでは、押し止め部4Gの構成が
図39に示す抜け止め部4Fと同じ構成である。
【0154】
本形態では、押し止め片4gが左ケース1Bの外筒収納部4Dの前端側に対応する部位の内周面から径方向内方に突出するように一体に形成されている。図示は省略するものの、左ケース1Bと同様、押し止め片4gが右ケース1Dにも形成されている。左ケース1Bと右ケース1Dとを組み合わせて本体ケース1Aを構成した際、左ケース1Bの押し止め片4gと右ケース1Dの押し止め片4gとが互いに組み合わされて環状の押し止め部4Gが構成される。
【0155】
〔実施形態5の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、本体ケース1Aの外側のケーブル200に捻り力が加えられた場合でも、外筒部250の外周面が回転止め部4Eの内周面に当て止めされることで、ケーブル200の回転が規制される。よって、本形態のコネクタ100は、ケーブル200に捻り力が作用しても、端子と電線210との接続部の損傷を抑制できる。
【0156】
本形態のコネクタ100は、抜け止め部4Fと押し止め部4Gとによって、本体ケース1Aの内部でケーブル200の長手方向の移動を規制できる。そのため、本形態のコネクタ100は、ケーブル200に引張力が加えられた場合でも、ケーブル200の引張り方向への移動を規制できる。また、本形態のコネクタ100は、コネクタ100に対してケーブル200が押し込まれるようなことがあっても、ケーブル200の押し込み方向への移動を規制できる。そのため、本形態のコネクタ100は、ケーブル200に引張力が作用しても、ケーブル200が押し込まれることによって端子と電線210との接続部に曲げ応力が作用しても、端子と電線210との接続部の損傷を抑制できる。その上、ケーブル200が本体ケース1Aから抜けることを抑制できる。
【0157】
外筒部250がケーブル200に圧着されていることで、外筒部250によってケーブル200を強固に把持できる。特に、外筒部250の内周面に複数の突起260が形成されていることで、圧着によって突起260がケーブル200の表面のシース220に食い込むので、外筒部250によってケーブルをより強固に把持できる。そのため、ケーブル200の内部の電線210を十分に拘束できる。ケーブル200に捻回、屈曲、又は引張りなどが加えられた場合でも、外筒部250によって電線210同士がずれることを抑制できる。よって、電線210同士が互いにずれることによる応力集中の発生を抑制でき、捻回、屈曲、又は引張りなどの繰り返しによるケーブル200の部分断線を効果的に低減できる。
【0158】
外筒部250が金属製のスリーブをケーブル200に圧着することで形成されていることで、外筒部250を容易に形成できる。そのため、作業の簡便化、作業時間(タクトタイム)の短縮を図ることができる。
【0159】
《実施形態6》
〔コネクタ〕
主に、
図1、
図40から
図45を参照して、実施形態6のコネクタ100を説明する。本形態のコネクタ100は、ケーブル200と把持部4との間に着脱自在に介在されて、ケーブル200と把持部4との径差を埋める介在部材70とを備える点が、実施形態1、5のコネクタ100と相違する。以下の説明は、実施形態1、5との相違点を中心に行う。実施形態1、5と同様の構成の説明は省略することがある。
【0160】
[把持部]
把持部4は、介在部材70を介して把持するケーブル200とは外径の異なるケーブルを、介在部材70を介さず直接把持することもできる。
【0161】
本形態の把持部4は、
図43に示すように、把持部4の内周面から内側のケーブル200側に突出する複数の突起部4Hを有する。複数の突起部4Hは、ケーブル200の軸方向を分断するように並列している。後述するように介在部材70が把持部4に対して着脱自在である。そのため、介在部材70を取り外せば、突起部4Hの内径に対応した外径を有するケーブル200の外周面に突起部4Hを噛み込ませることができる。よって、複数の突起部4Hによって、ケーブル200の軸方向の動きを規制することができる。隣り合う突起部4H同士の間には、後述する介在部材70の嵌合部72が嵌まる溝が形成されている。
【0162】
突起部4Hの数は、適宜選択でき、本例では六つである。即ち、上記溝の数は、五つである。中央の溝におけるケーブル200の周方向両端には、ネジ孔150hが形成されている。ネジ孔150hには、ネジ150が挿通されている。隣り合う突起部4H同士の間隔は、適宜選択できる。本形態では、隣り合う突起部4H同士の間隔は、等間隔としている。本形態とは異なり、隣り合う突起部4H同士の間隔のうち、一部の間隔が残部の間隔よりも大きくてもよいし小さくてもよい。
【0163】
各突起部4Hの外形形状は、左把持片4Aと右把持片4Bとを組み合わせた状態で環状である。各突起部4Hの内周輪郭形状は、ケーブル200の外周形状に沿った円形状である。各突起部4Hは、2つのC字状の突片4hを組み合わせて構成している。突片4hは、
図1に示す左把持片4A及び右把持片4Bのそれぞれに形成される。
図43では、説明の便宜上、右把持片4Bの突片4hのみを示しており、
図1に示す左把持片4Aの突片は、右把持片4Bの突片4hと同様の構成であるため、図示を省略している。
【0164】
以下の説明では、外径の最も太いケーブルを太ケーブルといい、太ケーブルよりも外径の細いケーブルを細ケーブルということがある。突起部4Hの高さは、突起部4Hの内径が上記太ケーブルの外径に対応する大きさとなるようにするとよい。高さは、ケーブル200の径方向に沿った長さを言う。そのような突起部4Hであれば、外径の異なる複数種のケーブル200に対応できる。具体的には、上記細ケーブルに対しては、後述の介在部材70のストッパ部73が上記細ケーブルの外周面に噛み込むことで上記細ケーブルの軸方向の動きを規制することにより対応できる。一方、上記太ケーブルに対しては、後述するように介在部材70が着脱自在であるため介在部材70を取り外せば、突起部4Hが上記太ケーブルの外周面に噛み込むことで上記太ケーブルの軸方向の動きを規制することにより対応できる。
【0165】
各突起部4Hの断面形状は、
図45に示すように、厚さの略一様な矩形状である。断面は、ケーブル200の軸方向に沿う断面を言う。厚さは、ケーブル200の軸方向に沿った長さを言う。各突起部4Hの断面形状が上記矩形状であることによって、隣り合う突起部4H同士の間隔、即ち上記溝の幅は、深さ方向に略一様である。各突起部4Hの端面は、平面で構成されている。それにより、介在部材70のストッパ部73を重ね易い。
【0166】
なお、各突起部4Hの断面形状は、先端側が厚さの薄い台形状でもよいし三角状でもよい。それらの場合、上記溝の幅は、深さ方向に漸次狭くなり、溝の開口側が広く、溝の底側が狭い。そうすれば、介在部材70の嵌合部72を嵌め易い。
【0167】
[介在部材]
介在部材70は、
図40、
図41に示すように、ケーブル200と把持部4との間に着脱自在に介在されてケーブル200と把持部4との径差を埋める。
図40は、左把持片4Aを部分的に切欠いた状態を示す図である。介在部材70によって、把持部4の内径よりも小さい外径を有するケーブル200に対応できる。
【0168】
本形態では、介在部材70は、ケーブル200の軸方向に分離する複数の介在片71を有する。本形態とは異なり、介在部材70は、ケーブル200の軸方向に一連に形成されていてもよい。形状などによってはケーブル200の軸方向に一連に形成される介在部材70を成形することが難しい場合があるが、複数の介在片71がケーブル200の軸方向に分離していることで、各介在片71を成形し易い。複数に分離することで各介在片71のケーブル200の軸方向に沿った長さを短くできるからである。介在片71の数は、適宜選択できる。本形態の介在片71の数は、二つである。本形態とは異なり、介在片71の数は、三つ以上としてもよい。二つの介在片71は、ケーブル200の軸方向に分離している。二つの介在片71の間には、
図42に示すように、一つの上記溝が介在されている。
【0169】
本形態では、各介在片71の形状は、
図41に示すように、後述の左分割片711と右分割片712とを組み合わせた状態で円筒状である。それにより、ケーブル200と把持部4との間の全周に亘って径差を埋めることができる。各介在片71は、
図42,
図43に示すように、左右半割れの半円筒状の左分割片711と右分割片712とを組み合わせて構成されている。左分割片711と右分割片712とは、互いに同一形状である。本形態では、各介在片71は、嵌合部72とストッパ部73とを有する。
【0170】
(嵌合部)
嵌合部72は、
図42、
図45に示すように、隣り合う突起部4H同士の間の上記溝に嵌まる。それにより、嵌合部72のケーブル200の軸方向への移動が規制され、各介在片71の把持部4に対する位置決めができる。そのため、各介在片71自体のケーブル200の軸方向への移動を規制できる。
【0171】
各介在片71における嵌合部72の数は、単数でも複数でもよい。本形態では、各介在片71における嵌合部72の数は二つである。各介在片71における二つの嵌合部72は、ケーブル200の軸方向に並列しており、ストッパ部73によって互いに連結されている。各嵌合部72の外形形状は、左分割片711と右分割片712とを組み合わせた状態で円環状であり、各嵌合部72は、左右半割れの半円環状の左嵌合片721と右嵌合片722とを組み合わせて構成されている。
【0172】
(ストッパ部)
ストッパ部73は、
図44に示すように、把持部4の把持力によりケーブル200の外周面に噛み込むことでケーブル200の軸方向の動きを規制する。それにより、ストッパ部73の内径に対応した外径を有するケーブル200の軸方向への動きを規制するようにケーブル200を掴むことができる。ストッパ部73は、突起部4Hに重なるように嵌合部72に一体に形成されていて、
図42、
図45に示すように、嵌合部72から内側に突出している。
【0173】
各介在片71におけるストッパ部73の数は、「各介在片71における嵌合部72の数+1」が挙げられる。上述したように各介在片71における嵌合部72の数は、二つである。即ち、本形態の各介在片71におけるストッパ部73の数は、三つである。各ストッパ部73は、各介在片71の各嵌合部72におけるケーブル200の軸方向の両端に形成されていて、ケーブル200の軸方向を分断するように並列に配置されている。各介在片71における隣り合う嵌合部72同士の間のストッパ部73は、互いに共通であり、嵌合部72同士を連結している。
【0174】
各ストッパ部73の外形形状は、左分割片711と右分割片712とを組み合わせた状態で円環状である。各ストッパ部73は、
図44に示すように、左右半割れの半円環状の左ストッパ片731と右ストッパ片732とを組み合わせて構成されている。即ち、各ストッパ部73は、ケーブル200の周方向の略全周に亘って設けられている。本形態では、左ストッパ片731と右ストッパ片732の断面形状は、
図45に示すように、矩形状である。左ストッパ片731と右ストッパ片732の端面は、平面である。本形態とは異なり、左ストッパ片731と右ストッパ片732の断面形状は、先端が先細る三角状であってもよい。そうすれば、ケーブル200の外周面に噛み込み易い。
【0175】
(その他)
本例の各介在片71は、
図42から
図45に示すように、位置決め機構74を有することが好ましい。
【0176】
〈位置決め機構〉
位置決め機構74は、左分割片711と右分割片712同士を互いに位置決めする。位置決め機構74は、本例では、左分割片711と右分割片712の各々に一体に形成される凸部741、742と切欠き745とを有する。即ち、左分割片711は、凸部741と切欠きとを備え、右分割片712は、左分割片711の凸部741が嵌まり込む切欠き745と、左分割片711の切欠きに嵌まり込む凸部742とを備える。
図42,
図43では、説明の便宜上、切欠き745のみを示しており、左分割片711の切欠きは、切欠き745と同様の構成であるため、図示を省略している。凸部742を切欠き745に嵌め込み、凸部741を左分割片711の切欠きに嵌め込むことで、左分割片711と右分割片712とを互いに組み合わせることができる。
【0177】
本形態では、凸部741及び左分割片711の切欠きは、左分割片711の周方向の両端に一体に形成される一対のフランジ部75の互いの対向面に形成されている。また、凸部742及び切欠き745は、右分割片712の周方向の両端に一体に形成される一対のフランジ部75の互いの対向面に形成されている。即ち、左分割片711及び右分割片712はいずれも、一方のフランジ部75に凸部741が形成され、他方のフランジ部75に切欠き745が形成されている。
【0178】
凸部741及び凸部742の形状は、特に限定されない。本形態では、凸部741及び凸部742の形状は、角柱状である。本形態では、左分割片711の切欠き及び切欠き745は、各フランジ部75の表裏に貫通する貫通孔で構成している。本形態とは異なり、左分割片711の切欠き及び切欠き745は、底を有する穴、即ち凹部で構成してもよい。左分割片711の切欠き及び切欠き745の形状は、特に限定されない。左分割片711の切欠き及び切欠き745の形状は、凸部741及び凸部742の各々の形状に合う形状が挙げられる。本形態では、左分割片711の切欠き及び切欠き745の形状は、矩形状である。各フランジ部75は、ケーブル200の径方向外方に突出するように形成されている。
【0179】
(材質)
介在部材70の材質は、例えば、ケーブル200の使用時の最高温度に対する耐熱性と、ケーブル200を適切に把持できる強度とを備える樹脂系の材料が好適に利用できる。介在部材70の材質の一例は、ポリカーボネート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、又は繊維強化プラスチックなどである。
【0180】
〔実施形態6の作用効果〕
本形態のコネクタ100は、外径の異なる複数種のケーブルをその軸方向の動きを規制するように掴むことができる。各介在片71の嵌合部72により、各介在片71の把持部4に対する位置決めを行える。そのため、各介在片71自体のケーブル200の軸方向への移動を規制できる。把持部4に対して位置決めされた各介在片71がストッパ部73を有することで、ストッパ部73の内径に対応した外径を有するケーブル200をその軸方向の動きを規制するように掴むことができる。各介在片71が着脱自在なため各介在片71を取り外せば、突起部4Hの内径に対応した外径を有するケーブルをその軸方向の動きを規制するように掴むことができる。このように、本形態のコネクタ100は、少なくとも外径の異なる二種類のケーブルをその軸方向の動きを規制するように掴むことができる。内径の異なる複数種の介在部材70を用意すれば、外径の異なる三種類以上のケーブルをその軸方向の動きを規制するように掴むことができる。従って、外径の異なるケーブルごとに本体部1を用意しなくてもよく、一種類の本体部1で外径の異なる複数種のケーブルに対応できる。
【0181】
本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0182】
例えば、左ケースと右ケースとは、互いに突き合わせられる周縁の少なくとも一部に、互いに噛み合う凹凸部を有していてもよい。凹凸部はそれぞれ、上記周縁の内方側に形成されている。凹凸部は、周縁に沿って、凹部と凸部とが互い違いに配置されている。左ケースの凹凸部と右ケースの凹凸部とは、上記周縁同士を互いに突き合わせた際に互いに噛み合うように、凹部と凸部とが対応するように形成されている。
【0183】
左ケース及び右ケースの一方は、ボス部を有し、他方は、ボス部と嵌合するボス受け部を有していてもよい。例えば、左ケースに複数のボス部が形成され、右ケースに複数のボス受け部が形成されていてもよい。ボス部は、基部と基部の上面から突出する突起部とを有する。ボス受け部は、基部が嵌合する嵌合穴と、突起部が挿通される貫通孔とを有する。ボス部において、基部の径は突起部より大きく、突起部の長さは貫通孔より長い。右ケースにはボス受け部に対応する箇所に外側面から凹穴が形成されており、貫通孔が凹穴の底面に貫通している。
【0184】
ボス部がボス受け部に嵌合した際、突起部の先端が貫通孔を貫通して凹穴の底面から突出する。この状態で、右ケースの外側から、凹穴の底面から突出する突起部の先端部を軸方向に加圧しながら加熱して溶融し、突起部の先端部を円盤状に変形させる。この変形により、ボス部がボス受け部から抜けなくなり、左ケースと右ケースとが接合されて、左ケースと右ケースとが左右方向に分離できなくなる。
【0185】
左ケース及び右ケースが凹凸部を有し、本体ケースにおいて双方の凹凸部が相互に噛み合うことで、本体ケース1Aの左右方向と直交する方向の外力が作用しても、左ケース及び右ケースが相対的に水平方向にずれ難い。そのため、水平方向の外力に対する左ケース及び右ケースの継ぎ目の強度を高めることができる。よって、左ケース及び右ケースの継ぎ目で破損することを効果的に抑制できる。また、左ケース及び右ケースの一方にボス部を有し、他方にボス受け部を有し、本体ケースにおいてボス部がボス受け部に嵌合することでも、左ケース及び右ケースが相対的に水平方向にずれることを抑制できる。更には、ボス部が径の大きい基部を有し、この基部がボス受け部の嵌合穴に嵌合することから、径の大きい基部によって、水平方向の外力に対する強度を高めることができる。
【符号の説明】
【0186】
100 コネクタ
1 本体部、1A 本体ケース
1B 左ケース、1b 左平坦面、1D 右ケース、1E 被覆部
1e 金属露出面
1F 突出部、1G 誘導面、1H 軸挿通部
1J 軸受部、1K 識別部、1L 脆弱部
2 挿入部
2A 端子ケース、2B、2D 切欠き、2b ガイド面、2E 溝
3 格納部
4 把持部
4A 左把持片、4B 右把持片
4D 外筒収納部
4E 回転止め部、4e 回転止め片
4F 抜け止め部、4f 抜け止め片
4G 押し止め部、4g 押し止め片
4H 突起部、4h 突片
5 ハンドル部、5A ハンドル本体部
5B カバー部、5D 左カバー片、5E 右カバー片
5F,5G 切欠き
5H 把持領域、5h 樹脂露出面
5J 前方側湾曲部、5K 後方側湾曲部、5L 金属露出面
5M LEDランプ
10 第1アーム
11 第1中間部、12 第1前方部、121 貫通孔
13 フック、131 摺接面
14 第1後方部、15 押付部、16 後端部、17 張出部
18 第1付勢部材、19 軸
20 第2アーム
21 第2中間部、22 第2前方部、23 突起部
24 第2後方部、25 後端部、 28 第2付勢部材、29 軸
30 解除部材、31 押当部、32 当止部
38 第3付勢部材
40 ソレノイド、41 プランジャ
45 スライド部材、46 連結片
461 第1連結片、462 第2連結片、463 第3連結片
47 支持片
50 プッシュボタンスイッチ
51 スライドスイッチ、52 トリガー部
60 ガイド部材、61 溝
70 介在部材
71 介在片、711 左分割片、712 右分割片
72 嵌合部、721 左嵌合片、722 右嵌合片
73 ストッパ部、731 左ストッパ片、732 右ストッパ片
74 位置決め機構
741、742 凸部、745 切欠き、75 フランジ部
81 第1スイッチ、82 第2スイッチ
90 支持板、95、96 表示部
100t,300t 端子
110 ケーブル導入部
150 ネジ、150h ネジ孔
200 ケーブル、210 電線、220 シース
250 外筒部、260 突起
300 インレット
L 信号線路
G 地面、S 空間
【手続補正書】
【提出日】2022-01-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】