(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080702
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】名刺管理システム及び名刺管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/907 20190101AFI20230602BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20230602BHJP
G06F 16/908 20190101ALI20230602BHJP
【FI】
G06F16/907
G06Q10/10
G06F16/908
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194185
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】599108242
【氏名又は名称】Sky株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】寺田 行宏
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】桑原 僚子
【テーマコード(参考)】
5B175
5L049
【Fターム(参考)】
5B175BA01
5B175DA10
5B175FB02
5B175GA03
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】複数のユーザが高い利便性で利用することができ、複数のユーザのそれぞれと名刺の情報とを適切に関連付けて管理することが可能な名刺管理の技術を提供する。
【解決手段】操作端末は、アカウント受付処理#1と、実行指令受付処理#2と、読取装置に読取処理を実行させる名刺情報取得処理#3とを順次行い、その完了後、アカウント情報と名刺情報とを管理サーバへ送信する名刺情報送信処理#4と、継続読取指令及び操作終了指令を含む次処理の指令を受け付ける次処理受付処理#5とを実行する。継続読取指令を受け付けた場合には実行指令受付状態となり、操作終了指令を受け付けた場合及び待機時間継続して次処理の指令が受け付けられなかった場合にはアカウント指定解除処理#6を実行した後、アカウント受付状態となる。管理サーバは、アカウント情報と名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の名刺情報を管理する管理サーバと、
前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、
前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムであって、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、を実行し、
前記次処理受付処理において、前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記次処理受付処理において前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた待機時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となり、
前記管理サーバは、前記名刺情報送信処理により送信されてきた前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶する、名刺管理システム。
【請求項2】
前記操作端末と一体又は別体に設けられ、当該操作端末を操作中の前記ユーザの顔が撮影範囲に含まれるように設けられたユーザ撮影装置をさらに備え、
前記操作端末は、
前記ユーザ撮影装置による撮影画像中に前記ユーザの顔が含まれているか否かを判定する顔判定処理を実行し、
前記次処理受付状態で、前記顔判定処理により前記撮影画像中に前記ユーザの顔が含まれていないと判定される状態が、前記待機時間よりも短い時間に設定された設定時間継続した場合にも、前記アカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となる、請求項1に記載の名刺管理システム。
【請求項3】
前記操作端末は、
前記顔判定処理において、前記撮影画像中に含まれる前記ユーザの顔が別人の顔に変化したか否かも判定し、
前記次処理受付状態で、前記撮影画像中に含まれる前記ユーザの顔が別人の顔に変化したと判定した場合には、前記待機時間及び前記設定時間が経過したか否かに拘わらず、前記アカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となる、請求項2に記載の名刺管理システム。
【請求項4】
前記管理サーバは、複数の前記ユーザの前記アカウント情報が登録されたアカウント情報データベースを備え、前記操作端末に対して、前記アカウント情報データベースに登録されている前記アカウント情報のリストであるアカウント情報リストを送信し、
前記操作端末は、前記管理サーバから受信した前記アカウント情報リストに基づいて、前記アカウント情報が既に登録された前記ユーザのリストを選択可能に表示することで前記アカウント受付状態となり、前記ユーザのリストからの選択により前記アカウント受付処理を実行する、請求項1から3の何れか一項に記載の名刺管理システム。
【請求項5】
前記名刺情報取得処理では、前記読取処理の完了後、前記ユーザによる追加情報の入力を受け付ける追加入力受付状態となって前記追加情報の入力を受け付ける追加入力受付処理を実行し、
前記追加入力受付処理により前記追加情報の入力が受け付けられた場合、前記名刺情報送信処理では、当該追加情報を、前記アカウント情報及び前記名刺情報と共に前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバは、前記名刺情報送信処理により送信されてきた前記アカウント情報と前記名刺情報と前記追加情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶する、請求項1から4の何れか一項に記載の名刺管理システム。
【請求項6】
前記次処理受付状態で受け付け可能な前記次処理には、直前の前記読取処理により取得された前記名刺情報を削除する指令である削除指令がさらに含まれ、
前記操作端末は、前記次処理受付処理において、前記削除指令を受け付けた場合には、直前の前記読取処理により取得された前記名刺情報を削除し、前記次処理受付状態となる、請求項1から5の何れか一項に記載の名刺管理システム。
【請求項7】
複数の名刺情報を管理する管理サーバと、
前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、
前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムにおいて、前記操作端末における名刺管理機能をコンピュータに実現させる名刺管理プログラムであって、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、をコンピュータに実行させて、
前記管理サーバに、前記名刺情報送信処理により送信される前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶させ、
前記次処理受付処理では、
前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた設定時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となる、名刺管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の名刺情報を取得して管理する名刺管理システム、及び名刺管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2014-153939号公報(特許文献1)には、複数のユーザが情報を供給可能な名刺の情報のデータベースを設けて、複数のユーザ間で名刺の情報を共有することができるシステムの一例が開示されている。顧客の名刺は、各ユーザが顧客から受け取るものであるから、名刺の情報は各ユーザに関連付けられると共に、各ユーザが当該データベースへの登録を行うことが好ましい。特許文献1では、各ユーザにアカウントを設定し、アカウントによって各ユーザを識別するようにして各ユーザに関連付けた状態でデータベースに名刺の情報を格納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように、ユーザごとにアカウントが設定されている場合、前回システムを利用したユーザのアカウントが指定された状態が維持されていると、前回のユーザに関連付けて名刺の情報がデータベースに保存されるおそれがある。次のユーザは、前回のユーザのアカウントの指定を解除した後に自分のアカウントを指定する必要があり、操作に手間が掛かることになる。このようにアカウントの指定が維持されたまま放置されてしまう原因としては、アカウントの指定に手間が掛かるために、アカウントの再指定を面倒と考えるユーザがアカウントの指定を維持した状態でシステムの操作端末から離れるようなケースがあることも考えられる。このため、ユーザごとに設定されたアカウントの指定や解除についてユーザが煩わしさを覚えないことが好ましい。
【0005】
上記背景に鑑みて、複数のユーザが高い利便性で利用することができ、複数のユーザのそれぞれと名刺の情報とを適切に関連付けて管理することが可能な名刺管理の技術の提供が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記に鑑みた名刺管理システムは、
複数の名刺情報を管理する管理サーバと、
前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、
前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムであって、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、を実行し、
前記次処理受付処理において、前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記次処理受付処理において前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた待機時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となり、
前記管理サーバは、前記名刺情報送信処理により送信されてきた前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶する。
【0007】
例えば、前のユーザのアカウントが指定された状態が維持されていた場合、次のユーザは、前のユーザのアカウントの指定を解除する操作を行ってから自身のアカウントの指定を行う必要があり、操作の手間を要することになる。しかし、本構成によれば、前のユーザがシステムを利用しない場合には、ユーザ自身により或いは自動的に、適切にアカウント指定解除処理が実行される。このため、上記のような手間が生じにくく、ユーザの利便性を高めることができる。また、アカウント指定解除処理により、適切にアカウント受付状態となるため、操作端末が複数のユーザにより使用される場合でも、ユーザが、他のユーザのアカウントを用いて操作端末を操作する可能性を低減させることができる。そして、誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバに記憶される可能性を低減できる。このように、本構成によれば、複数のユーザが高い利便性で利用することができ、複数のユーザのそれぞれと名刺の情報とを適切に関連付けて管理することが可能な名刺管理の技術を提供することができる。
【0008】
上述した名刺管理システムの種々の技術的特徴は、名刺管理プログラムにも適用可能である。以下にその代表的な態様を例示する。名刺管理プログラムは、上述した名刺管理システムの特徴を備えた各種の機能をコンピュータに実現させることが可能である。当然ながら名刺管理プログラムも、上述した名刺管理プログラムの作用効果を奏することができる。さらに、名刺管理システムの好適な態様として、下記に例示する種々の付加的特徴も、名刺管理プログラムに組み込むことが可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。
【0009】
1つの好適な態様として、複数の名刺情報を管理する管理サーバと、前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムにおいて、前記操作端末における名刺管理機能をコンピュータに実現させる名刺管理プログラムは、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、をコンピュータに実行させて、
前記管理サーバに、前記名刺情報送信処理により送信される前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶させ、
前記次処理受付処理では、
前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた設定時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となる。
【0010】
名刺管理システム及び名刺管理プログラムのさらなる特徴と利点は、図面を参照して説明する例示的且つ非限定的な実施形態についての以下の記載から明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】名刺管理システムのシステム構成の一例を示す図
【
図2】操作端末のシステム構成の一例を示す模式的ブロック図
【
図3】名刺管理プログラムの一例を示すフローチャート
【
図4】次処理受付処理の第2の例を示すフローチャート
【
図5】次処理受付処理の第3の例を示すフローチャート
【
図7】操作端末のシステム構成の他の例を示す模式的ブロック図
【
図8】アカウント受付状態の画面表示の一例を示す図
【
図11】次処理受付状態の画面表示の他の例を示す図
【
図12】アカウント受付状態の画面表示の他の例を示す図
【
図13】実行指令受付状態の画面表示の他の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、名刺管理システム及び名刺管理プログラムの実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、名刺管理システム100のシステム構成の一例を示している。
図1に示すように、名刺管理システム100は、複数の名刺情報を管理する管理サーバ1と、名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末2と、操作端末2と一体又は別体に設けられて名刺Cの情報を読み取って名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置3とを備えている。名刺管理システム100は、好ましくは複数の操作端末2を備えており、それぞれの操作端末2と、管理サーバ1とはネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。尚、ネットワーク5は、有線、無線の双方を含む。例えば、不図示の中継装置と管理サーバ1とが有線ネットワークで接続され、操作端末2と中継装置とが無線ネットワークで接続されていてもよい。管理サーバ1はデータベース6を備えており、ここではデータベース6として、名刺情報データベース61と、アカウント情報データベース62とを例示している。
【0013】
また、
図1に例示する形態においては、操作端末2は、操作端末2と一体又は別体に設けられて当該操作端末2を操作中のユーザの顔が撮影範囲に含まれるように設けられたユーザ撮影装置4をさらに備えている。本実施形態では、以下、操作端末2が、ユーザ撮影装置4を備えている場合を例として説明するが、操作端末2は必ずしもユーザ撮影装置4を備えていなくてもよい。
【0014】
本実施形態では、
図2に示すように、操作端末2は、入出力装置7と、演算装置8と、記憶装置9と、通信装置10と、内蔵カメラ11とが一体化された携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)2aを例示している。このような携帯情報端末2aは、例えばタブレット端末、スマートフォンなどである。入出力装置7は、入力部71及び出力部72を備えたタッチパネル7aにより構成されている。演算装置8は、中核となる少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み、DSP(Digital Signal Processor)、内蔵カメラ11のドライブ回路、その他の周辺素子を備えて構成されている。記憶装置9は、SRAM、フラッシュメモリ等に構成された携帯情報端末2aの内蔵ストレージである。通信装置10は、例えば携帯情報端末2aに内蔵された無線LANアダプタである。もちろん、通信装置10として有線LANアダプタを備えていてもよい。内蔵カメラ11は、携帯情報端末2aのタッチパネル7aの側に撮影画角の中心が設定されたフロントカメラ4aと、タッチパネル7aとは反対側、即ち背面側に撮影画角の中心が設定されたバックカメラ3aとを備えている。バックカメラ3aは、上述した読取装置3に相当し、フロントカメラ4aは、ユーザ撮影装置4に相当する。
【0015】
尚、操作端末2は、このような一体化された端末装置ではなく、複数の機器を備えたシステムとして構成されていてもよい。
図7は、パーソナルコンピュータ等を中核としたコンピュータシステム2bにより構成された操作端末2の一例を示している。演算装置8は、例えばパーソナルコンピュータの本体に内蔵されたマザーボードであり、中核となる少なくとも1つのマイクロプロセッサを含み、DSP(Digital Signal Processor)、その他の周辺素子を備えて構成されている。そして、入力装置73は、キーボードやマウスなどであり、出力装置74は、ディスプレイである。記憶装置9は、例えば、パーソナルコンピュータの本体に内蔵されたHDD(Hard Disc Drive)や、SSD(Solid State Drive)である。もちろん、記憶装置9は、本体の外部に接続されたHDDやSSDであってもよい。通信装置10は、例えばパーソナルコンピュータの本体に内蔵された無線LANアダプタや有線LANアダプタである。
【0016】
スキャナ3bは、本例ではパーソナルコンピュータの本体とは別体の画像読取装置であり、名刺Cを読み取ることが可能なように当該本体に接続されている。スキャナ3bは、単機能のイメージスキャナでも良いし、複写機能及びプリント機能と共にスキャン機能も備えた複合機であってもよい。スキャナ3bは、読取装置3に相当する。Webカメラ4bは、本例ではパーソナルコンピュータの本体とは別体のカメラであり、パーソナルコンピュータを使用するユーザの顔を撮影可能なように当該本体に接続されている。Webカメラ4bは、ユーザ撮影装置4に相当する。尚、ここでは、いわゆるデスクトップ型のパーソナルコンピュータを中核としたコンピュータシステム2bを例示したが、コンピュータシステム2bは、ノート型(ラップトップ型)のパーソナルコンピュータを中核として構成されていてもよい。また、読取装置3等が、操作端末2と一体か別体かについては、適宜組み合わせることができる。例えば、ノート型のパーソナルコンピュータの場合、ユーザ撮影装置4に相当するカメラがディスプレイのベゼル等に組み込まれていてもよい。
【0017】
以下、名刺管理システム100及び名刺管理プログラムの実施形態を詳細に説明するが、名刺管理プログラムは、名刺管理システム100における上記のような操作端末2における名刺管理機能をコンピュータ(演算装置8)に実現させるプログラムである。名刺管理機能は、演算装置8を中核とするハードウェアと、ソフトウェア(名刺管理プログラム)との協働により実現される。
【0018】
図3のフローチャートは名刺管理プログラムの一例を示している。このフローチャートは、名刺管理システム100において名刺を管理する手順にも相当する。
図3に示すように、名刺管理システム100の操作端末2は、アカウント受付処理#1と、実行指令受付処理#2と、名刺情報取得処理#3と、名刺情報送信処理#4と、次処理受付処理#5と、アカウント指定解除処理#6とを実行する。換言すれば、操作端末2は、名刺管理プログラムにおけるアカウント受付処理#1と、実行指令受付処理#2と、名刺情報取得処理#3と、名刺情報送信処理#4と、次処理受付処理#5と、アカウント指定解除処理#6とをコンピュータ(演算装置8)に実行させて操作端末2における名刺管理機能をコンピュータに実現させる。
【0019】
アカウント受付処理#1は、ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、ユーザのアカウントの指定を受け付ける処理である。
図8はアカウント受付状態のタッチパネル7a又は出力装置74(ディスプレイ)の画面表示の一例を示している(以下の説明では単に画面表示と称する場合がある。)。第1領域E1には、ユーザのアカウントが一覧表示されている。ここでは、20人分のアカウントが同時に一覧表示される形態を例示している。第2領域E2にはソフトウェアキーボードが表示されており、アカウント名(ユーザ名)の先頭からの文字を入力することにより、アカウントの絞り込み検索が可能となっている。第3領域E3には、名刺管理システム100を運用する会社等におけるユーザの所属先が示されている。対応する所属先を選択することによって、所属先に応じたアカウントの絞り込み検索が可能となっている。
【0020】
実行指令受付処理#2は、アカウント受付処理#1の後、読取処理#31の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、読取処理#31の実行指令を受け付ける処理である。
図9は、実行指令受付状態の画面表示の一例を示している。
図8に例示するアカウント受付状態において、例えば“U1”で示されるアカウントが選択されると、選択アカウントU1の表示形態が他のアカウントの表示形態と異なるものに変更される。例えば、選択アカウントU1とその他のアカウントの表示色が異なる色となる。或いは、選択アカウントU1以外のアカウントの表示を淡くする(いわゆるグレーアウト状態にする)ものであってもよい。表示形態を異ならせることによって、選択されたアカウントを明確に示すことができる。尚、アカウントの選択操作は、タッチパネル7aへの指先等によるタッチ操作、出力装置74(ディスプレイ)の場合にはマウスのクリック操作やキーボードによるカーソル操作とエンター入力などにより行われる(以下同様)。
【0021】
また、実行指令受付状態となると、
図8に例示するアカウント受付状態では、グレーアウト状態で表示されて操作指示することができなかったスキャン開始ボタンS1が明るく表示されて操作指示可能な状態となる(
図9参照)。即ち、スキャン開始ボタンS1は、読取装置3による読取処理#31の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となる。
【0022】
名刺情報取得処理#3は、実行指令受付処理#2の後、読取装置3に読取処理#31を実行させる処理である。ユーザが実行指令受付状態のスキャン開始ボタンS1を操作することにより、読取処理#31が実行される。読取装置3により名刺Cから読み取られた情報は名刺情報である。
【0023】
名刺情報送信処理#4は、名刺情報取得処理#3(読取処理#31)の完了後、アカウント受付処理#1により指定されたユーザのアカウントを示すアカウント情報と、読取処理#31によって読み取られた名刺情報とを管理サーバ1へ送信する処理である。管理サーバ1は、名刺情報送信処理#4により送信されてきたアカウント情報と名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベース61に記憶する。即ち、操作端末2において実行される名刺管理プログラムは、管理サーバ1に、名刺情報送信処理#4により送信されるアカウント情報と名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベース61に記憶させる。
【0024】
尚、実行指令受付処理#2はアカウント受付処理#1に続いて実行され、名刺情報取得処理#3は実行指令受付処理#2に続いて実行されることが好ましい。しかし、名刺情報送信処理#4は、名刺情報取得処理#3の完了後であれば、名刺情報取得処理#3に続いて実行されなくてもよい。例えば、以下に説明する次処理受付処理#5に続いて実行されてもよい。名刺情報送信処理#4の実行時期については、後述する。
【0025】
次処理受付処理#5は、名刺情報取得処理#3の完了後、次の名刺Cに対する読取処理#31の実行指令である継続読取指令、及び、操作端末2の操作終了の指令である操作終了指令を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、次処理の指令を受け付ける処理である。
図10は、次処理受付状態の画面表示の一例を示している。継続読取指令は、継続読取ボタンS2が操作されることにより指示される。操作終了指令は、操作終了ボタンS5が操作されることにより指示される。
図10には、後述する削除指令を指示する削除ボタンS3も選択可能に表示されている形態を例示しているが、削除ボタンS3は無くてもよい。
【0026】
次処理受付処理#5において、継続読取指令を受け付けた場合には、再び実行指令受付状態となる(#55→$3→実行指令受付処理#2)。次処理受付処理#5において、操作終了ボタンS5が操作された場合には、アカウント受付処理#1によるユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理#6を実行した後、再びアカウント受付状態となる(#54→アカウント指定解除処理#6→アカウント受付処理#1)。また、次処理受付処理#5において、次処理受付状態で予め定められた待機時間継続して次処理の指令が受け付けられなかった場合にも、アカウント受付処理#1によるユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理#6を実行した後、再びアカウント受付状態#1となる(#52→アカウント指定解除処理#6→アカウント受付処理#1)。尚、待機時間は、例えば5~10秒程度である。
【0027】
次処理受付処理#5は、一例として以下のように実行される。まず、次処理受付状態となった後、待機時間を経過したか否かが判定される(#52)。待機時間を経過していた場合には、アカウント指定解除処理#6が実行され、アカウント受付処理#1に遷移してアカウント受付状態となる。待機時間を経過していない場合には、次に、操作終了指令が指示されているか否かが判定される(#54)。操作終了指令が指示されている場合には、アカウント指定解除処理#6が実行され、アカウント受付処理#1に遷移してアカウント受付状態となる。操作終了指令が指示されていない場合には、継続読取指令が指示されているか否かが判定される(#55)。操作終了指令が指示されている場合には、実行指令受付処理#2に遷移して実行指令受付状態となる。継続読取指令が指示されていない場合には、次処理受付処理#5が継続される。尚、
図3に例示した次処理受付処理#5の順序は一例であり、#52、#54、#55は、この順序でなくてもよい。
【0028】
また、
図10に例示するように、次処理受付状態で受け付け可能な次処理には、直前の読取処理#31により取得された名刺情報を削除する指令である削除指令がさらに含まれていると好適である。削除指令は、削除ボタンS3が操作されることにより指示される。フローチャートの例示は省略するが、操作端末2は、次処理受付処理#5において、削除指令を受け付けた場合には、直前の読取処理#31により取得された名刺情報を削除し、再び次処理受付状態となる。削除指令を有することにより、読取処理#31により取得された名刺情報が不要である場合や、読取処理#31をやり直す場合等に、削除指令を選択できるため、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0029】
次処理受付処理#5における次処理の選択を容易にするため読取装置3により読み取られた名刺Cの画像が表示されると好適である。特に、削除ボタンS3が備えられるような場合には、名刺情報としての撮影画像の確認を容易にするため、名刺Cの画像が表示されると好適である。
【0030】
尚、
図3を参照して上述した形態では、名刺情報取得処理#3(読取処理#31)に続いて名刺情報送信処理#4が実行され、名刺情報送信処理#4に続いて次処理受付処理#5が実行される例を示した。しかし、上述したように、名刺情報送信処理#4は、名刺情報取得処理#3の完了後であれば、名刺情報取得処理#3に続いて実行されなくてもよく、例えば、次処理受付処理#5の後、アカウント指定解除処理#6の前に実行されてもよい。
【0031】
特に、次処理受付処理#5において指示可能な次処理に削除指令が含まれる場合、次処理受付処理#5の前に名刺情報送信処理#4が実行されると不要な情報が管理サーバ1に送信されることになる。その後、削除指令が指示された場合、管理サーバ1に対して削除要求を送信することも可能ではあるが、通信資源や時間のロスを招くことになる。従って、削除指令が指示されずに次処理受付処理#5が完了した場合に、名刺情報送信処理#4が実行されると好適である。また、名刺情報送信処理#4の実行に際しては、「サーバに名刺データをアップロードしますか?」など、送信するか否かをユーザに確認する画面表示があってもよい。当然ながら、アカウント指定解除処理#6の前に名刺情報送信処理#4が自動的に実行されることを妨げるものではない。
【0032】
次処理受付処理#5の後で名刺情報送信処理#4が実行される場合、1枚の名刺に関する名刺情報に対して都度、名刺情報送信処理#4が実行されても良いし、複数の名刺に関する名刺情報をまとめて、名刺情報送信処理#4が実行されてもよい。例えば、アカウント指定解除処理#6の前に名刺情報送信処理#4が実行される場合、複数の名刺情報が管理サーバ1にまとめて送信されると好適である。
【0033】
また、名刺情報取得処理#3では、読取処理#31の完了後、ユーザによる追加情報の入力を受け付ける追加入力受付状態となって追加情報の入力を受け付ける追加入力受付処理#32を実行可能であってもよい。操作端末2は、追加入力受付処理S32により追加情報の入力が受け付けられた場合、名刺情報送信処理#4では、当該追加情報を、アカウント情報及び名刺情報と共に管理サーバ1へ送信する。管理サーバ1は、名刺情報送信処理#4により送信されてきたアカウント情報と名刺情報と追加情報とを関連付けた状態で名刺情報データベース61に記憶する。読取装置3により名刺を読み取って得られる名刺情報に加えて、ユーザが入力した追加情報も名刺情報に関連付けて記憶させることができる。
【0034】
尚、追加情報とは、例えばユーザが入力する任意のメモ、手書きの情報、名刺Cに示された顧客の顔写真の色調の調整等である。手書きの情報とは、名刺Cに書き込まれた手書きメモや、タッチパネル7aに対して手書き入力された情報である。また、名刺情報には、名刺Cの画像情報の他、光学式文字認識(OCR)により認識されたテキストデータを含むと好適である。名刺Cに書き込まれた手書きのメモについては、OCRでは認識が困難であるため、追加情報として、ユーザによるマニュアル操作で追加されると好適である。
【0035】
図11は、次処理受付状態の画面表示の他の例を示している。
図10に示した例と比較すると、追加入力ボタンS4が追加されている。例えば、追加入力受付処理#32は、次処理受付状態が継続している間、実行可能である。この場合、次処理受付処理#5において、「追加入力が有るか?」という判定が実行され、「有り」と判定された場合(例えば追加入力ボタンS4が操作された場合)に、追加入力受付処理S32が実行されてもよい。
【0036】
以上説明したように、本実施形態の名刺管理システム100(名刺管理プログラム)では、前のユーザがシステムを利用しない場合には、ユーザ自身により或いは自動的に、適切にアカウント指定解除処理#6が実行される。例えば、前のユーザのアカウントが指定された状態が維持されていた場合、次のユーザは、前のユーザのアカウントの指定を解除する操作を行ってから自身のアカウントの指定を行う必要があり、操作の手間を要することになる。しかし、適切にアカウント指定解除処理#6が実行されることで、そのような手間が生じにくく、ユーザの利便性を高めることができる。また、アカウント指定解除処理#6により、適切にアカウント受付状態となるため、操作端末2が複数のユーザにより使用される場合でも、ユーザが、他のユーザのアカウントを用いて操作端末2を操作する可能性を低減させることができる。そして、誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバ1に記憶される可能性を低減できる。
【0037】
ところで、上述したように、名刺管理システム100は、操作端末2を操作中のユーザの顔が撮影範囲に含まれるように設けられたユーザ撮影装置4をさらに備えている。操作端末2は、ユーザ撮影装置による撮影画像中にユーザの顔が含まれているか否かを判定する顔判定処理を実行し、次処理受付状態で、顔判定処理により撮影画像中にユーザの顔が含まれていないと判定される状態が、待機時間よりも短い時間に設定された設定時間継続した場合にも、アカウント指定解除処理36を実行した後、アカウント受付状態となってもよい。設定時間は、例えば3~5秒程度である。
【0038】
図6に示すように、操作端末2は、ユーザ撮影装置4により操作端末2を操作中のユーザの顔を撮影する顔撮影処理#11と、ユーザ撮影装置4による撮影画像中にユーザの顔が含まれているか否かを判定する顔判定処理#12とを、
図3に示すフローと並行して実行する。ユーザ撮影装置4による撮影範囲は、固定的に設定されている。例えば操作端末2を操作するユーザの顔が、操作端末2を操作するための標準位置(例えば携帯情報端末2aのタッチパネル7aの正面に対向する位置)にある状態において、当該ユーザの顔が撮影範囲に含まれる。ユーザが操作端末2の操作を終えた場合には、操作端末2の前から離れるため、当該ユーザの顔はユーザ撮影装置4の撮影範囲に含まれなくなる。
【0039】
次処理受付処理#5では、顔判定処理#12の判定結果を参照し、撮影画像中にユーザの顔が含まれていないと判定される状態が、設定時間継続しているか否かを判定することができる(
図4:#53)。
図4は、この判定(#53)を含む、次処理受付処理#5の一例を示している。
図4に示すように、次処理受付状態となって待機時間を経過していない場合であっても、待機時間よりも短い設定時間を経過している場合には、アカウント指定解除処理#6を実行した後、再びアカウント受付状態#1となる(#53→$2→アカウント指定解除処理#6→アカウント受付処理#1)。設定時間は、例えば、3~5秒程度である。設定時間を経過していない場合は、
図3を参照して上述した通りであるから説明を省略する。
【0040】
即ち、顔撮影処理#11が実行されることで、次処理受付状態で、待機時間が経過する前であっても、ユーザが操作端末2を操作する状態ではなくなったことを判定して、アカウント指定解除処理#6を実行することができる。例えば、ユーザが次の名刺Cを取り出す等の作業を行っているのではなく、利用を終了したと判定し易く、次のユーザが利用する前に、アカウント受付状態に遷移させ、当該次のユーザがすぐにシステムを利用可能な状態とすることができる。即ち、ユーザの切り替えを迅速に行うことができるので、利便性をより高めることができる。また、設定時間は待機時間よりも短い時間に設定されているため、他のユーザにより誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバ1に記憶される可能性をさらに低減できる。
【0041】
このように顔判定処理#12が実行される場合、操作端末2は、顔判定処理#12において、撮影画像中に含まれるユーザの顔が別人の顔に変化したか否かを判定してもよい。そして、次処理受付状態で、撮影画像中に含まれるユーザの顔が別人の顔に変化したと判定された場合には、操作端末2は、待機時間及び設定時間が経過したか否かに拘わらず、アカウント指定解除処理#6を実行した後、アカウント受付状態となってもよい。
【0042】
例えば、次処理受付処理#5では、顔判定処理#12におけるこの判定結果を参照し、撮影画像中に含まれるユーザが他のアカウントのユーザであるか否かを判定することができる。
図5は、この判定(#51)を含む、次処理受付処理#5の一例を示している。
図5に示すように、次処理受付状態において、撮影画像中に含まれるユーザが他のアカウントのユーザであると判定されると、待機時間及び設定時間が経過したか否かに拘わらず、好ましくは判定後、直ちに次処理受付処理#5を終了し、アカウント指定解除処理#6を実行した後、再びアカウント受付状態#1となる(#51→$2→アカウント指定解除処理#6→アカウント受付処理#1)。撮影画像中に含まれるユーザが他のアカウントのユーザではない場合は、
図3又は
図4を参照して上述した通りであるから説明を省略する。
【0043】
図5に例示するようなステップ#51を備えることで、操作端末2は、待機時間及び設定時間の経過を待つことなく、次処理受付状態で操作端末2を操作するユーザが別人に代わったことを判定して、迅速にアカウント指定解除処理#6を実行することができる。同じように顔判定処理#12の判定結果を利用していても、設定時間の経過を待つ場合に比べて、さらにユーザの切り替えを迅速に行うことができるので、操作の利便性をより高めることができる。例えば、次のユーザが利用待ちをしていたような場合でも、迅速にアカウント指定解除処理#6が実行されてアカウント受付状態となるため、当該ユーザがすぐにシステムを利用することができ、利便性をより高めることができる。また、連続して異なるユーザがシステムを利用する場合でも、アカウント指定解除処理#6が適切に実行されるため、誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバ1に記憶される可能性をさらに低減できる。
【0044】
尚、
図4及び
図5を参照して上述した形態においても、アカウント指定解除処理#6の前(次処理受付処理#5の終了後であってアカウント指定解除処理#6の実行前)に、名刺情報送信処理#4が実行される形態とすることができる。つまり、
図4及び
図5を参照して上述した形態において、「アカウント指定解除処理#6を実行した後、アカウント受付状態となる」は、「名刺情報送信処理#4を経てアカウント指定解除処理#6を実行した後、アカウント受付状態となる」という形態も含む。
【0045】
尚、顔判定処理#12における顔の判定は、1つの態様として、アカウント受付処理#1の実行時における撮影画像に含まれる顔を基準とすることができる。即ち、アカウントの所有者であるユーザの顔であるか否かに拘わらず、アカウント受付処理#1の実行時における撮影画像に含まれる顔(操作端末2を操作するユーザの顔)を、そのアカウントの所有者の顔として扱うことができる。この場合、各ユーザの顔の情報を、例えばアカウント情報データベース62に格納する必要がない。しかし、少なくとも操作端末2を利用するユーザが、操作端末2から離れたことや、操作端末2を利用するユーザが交代したことは適切に判定することができる。当然ながら、各アカウントと当該アカウントを所有するユーザの顔とが関連付けられた状態で、アカウント情報データベース62に記憶されていてもよい。この場合は、より信頼性の高い顔判定処理#12を実行し、名刺管理システム100もより高い信頼性の元で運用することができる。
【0046】
また、ユーザ撮影装置4は、操作端末2が携帯情報端末2aの場合には、多くの場合、操作端末2に備えられているが、操作端末2がコンピュータシステム2bの場合には、備えられていない場合も多い。従って、上述したように操作端末2は、ユーザ撮影装置4を備えていなくてもよい。また、操作端末2がユーザ撮影装置4を備えている場合であっても、
図6に例示したようなユーザの顔を判定するための一連の処理は必ずしも実行されなくてもよい。そして、その場合には、当然ながら、
図4及び
図5を参照して説明したように、次処理受付処理#5が顔判定処理#12の結果に基づく判定処理を実行しなくてもよい。
【0047】
ところで、本実施形態では、上述したように、管理サーバ1は、複数のユーザのアカウント情報が登録されたアカウント情報データベース62を備えている。管理サーバ1は、操作端末2に対して、アカウント情報データベース62に登録されているアカウント情報のリストであるアカウント情報リストを送信する。操作端末2は、管理サーバ1から受信したアカウント情報リストに基づいて、アカウント情報が既に登録されたユーザのリストを選択可能に表示することでアカウント受付状態となり、ユーザのリストからの選択によりアカウント受付処理#1を実行する。従って、本実施形態では、操作端末2がアカウント情報データベース62に登録されたユーザの操作のみを受け付けるようにできる。これにより、操作端末2に対して不正な操作が行われる可能性を低減することができる。
【0048】
尚、管理サーバ1において、名刺情報とアカウント情報とを関連付けた状態で名刺情報データベース61に記憶するだけであれば、必ずしもアカウント情報データベース62を備えていなくてもよい。操作端末2の側にアカウント情報が登録され、当該アカウント情報と名刺情報とが関連付けられて管理サーバ1に送信される形態であってもよい。
【0049】
ところで、顧客の名刺Cは、各ユーザが顧客から受け取るものであるから、名刺の情報は各ユーザに関連付けられると共に、各ユーザが名刺情報データベース61への登録を行うことが好ましい。上述したように、本実施形態では、適切に各ユーザに関連付けた状態で名刺情報データベース61に情報を登録することができる。また、顧客の名刺Cに記載された情報は、各顧客の個人情報であり、また、収集された複数の名刺Cの情報は、企業にとっての重要な営業情報でもある。従って、名刺情報データベース61への情報の登録や更新については、高いセキュリティを有していることが好ましい。
図8及び
図9の画面表示を例示した上記の説明においては、選択されたアカウントが操作端末2を操作するユーザのものであるか否かを判定していない形態を例示した。しかし、アカウント受付処理#1において、アカウントの認証が実行されると好適である。
【0050】
例えば、アカウント情報データベース62に、ユーザの顔の情報がそれぞれのアカウントに関連付けて記憶しておくことができる。そして、操作端末2にユーザ撮影装置4が備えられている場合、アカウント受付処理#1においてアカウントが選択された際に、当該アカウントに関連付けてアカウント情報データベース62に記憶された顔と、アカウント受付処理#1の実行時のユーザ撮影装置4による撮影画像中のユーザの顔とを照合することができる。これにより、ユーザのアカウントの認証を行った上で、名刺管理システム100を利用可能とすることができる。
【0051】
また、本実施形態では、アカウントの設定を容易にするために、
図8に例示したように複数の候補からアカウントが選択可能な形態を例示した。しかし、例えば、
図12に示すように、アカウント(ユーザ名)を入力するアカウント入力ボックスB1と、パスワードを入力するパスワード入力ボックスB2とが設けられ、アカウントとパスワードを入力することによって、名刺管理システム100の利用が許可される形態であってもよい。この場合には、例えば
図13に例示するように、名刺管理システム100の利用が許可された後の画面において、スキャン開始ボタンS1が表示される。
図12は、アカウント受付処理#1の実行時におけるアカウント受付状態の画面表示の一例を示している。また、
図13は、実行指令受付処理#2の実行時における実行指令受付状態の画面表示の一例を示している。このように、アカウント入力ボックスB1とパスワード入力ボックスB2とが設けられる場合、アカウント指定解除処理#6が実行されると、全ての設定がクリアされて、アカウント受付状態となる。
【0052】
〔実施形態の概要〕
以下、上記において説明した名刺管理システム100及び名刺管理プログラムの概要について簡単に説明する。
【0053】
1つの好適な態様として、名刺管理システムは、
複数の名刺情報を管理する管理サーバと、
前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、
前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムであって、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、を実行し、
前記次処理受付処理において、前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記次処理受付処理において前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた待機時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となり、
前記管理サーバは、前記名刺情報送信処理により送信されてきた前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶する。
【0054】
例えば、前のユーザのアカウントが指定された状態が維持されていた場合、次のユーザは、前のユーザのアカウントの指定を解除する操作を行ってから自身のアカウントの指定を行う必要があり、操作の手間を要することになる。しかし、本構成によれば、前のユーザがシステムを利用しない場合には、ユーザ自身により或いは自動的に、適切にアカウント指定解除処理が実行される。このため、上記のような手間が生じにくく、ユーザの利便性を高めることができる。また、アカウント指定解除処理により、適切にアカウント受付状態となるため、操作端末が複数のユーザにより使用される場合でも、ユーザが、他のユーザのアカウントを用いて操作端末を操作する可能性を低減させることができる。そして、誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバに記憶される可能性を低減できる。このように、本構成によれば、複数のユーザが高い利便性で利用することができ、複数のユーザのそれぞれと名刺の情報とを適切に関連付けて管理することが可能な名刺管理の技術を提供することができる。
【0055】
上述した名刺管理システムの種々の技術的特徴は、名刺管理プログラムにも適用可能である。以下にその代表的な態様を例示する。名刺管理プログラムは、上述した名刺管理システムの特徴を備えた各種の機能をコンピュータに実現させることが可能である。当然ながら名刺管理プログラムも、上述した名刺管理プログラムの作用効果を奏することができる。さらに、名刺管理システムの好適な態様として、下記に例示する種々の付加的特徴も、名刺管理プログラムに組み込むことが可能であり、当該プログラムはそれぞれの付加的特徴に対応する作用効果も奏することができる。
【0056】
1つの好適な態様として、複数の名刺情報を管理する管理サーバと、前記名刺情報の入力を行うためのユーザによる操作を受け付ける操作端末と、前記操作端末と一体又は別体に設けられ、名刺の情報を読み取って前記名刺情報を取得する読取処理を行う読取装置と、を備えた名刺管理システムにおいて、前記操作端末における名刺管理機能をコンピュータに実現させる名刺管理プログラムは、
前記操作端末は、
前記ユーザのアカウントの指定を受け付け可能なアカウント受付状態となって、前記ユーザのアカウントの指定を受け付けるアカウント受付処理と、
前記アカウント受付処理の後、前記読取処理の実行指令を受け付け可能な実行指令受付状態となって、前記読取処理の実行指令を受け付ける実行指令受付処理と、
前記実行指令受付処理の後、前記読取装置に前記読取処理を実行させる名刺情報取得処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、前記アカウント受付処理により指定された前記ユーザのアカウントを示すアカウント情報と、前記読取処理によって読み取られた前記名刺情報とを前記管理サーバへ送信する名刺情報送信処理と、
前記名刺情報取得処理の完了後、次の名刺に対する前記読取処理の実行指令である継続読取指令、及び、前記操作端末の操作終了の指令である操作終了指令、を含む次処理の指令を受け付け可能な次処理受付状態となって、前記次処理の指令を受け付ける次処理受付処理と、をコンピュータに実行させて、
前記管理サーバに、前記名刺情報送信処理により送信される前記アカウント情報と前記名刺情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶させ、
前記次処理受付処理では、
前記継続読取指令を受け付けた場合には、前記実行指令受付状態となり、
前記操作終了指令を受け付けた場合、及び、前記次処理受付状態で予め定められた設定時間継続して前記次処理の指令が受け付けられなかった場合には、前記アカウント受付処理による前記ユーザのアカウントの指定を解除するアカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となる。
【0057】
また、名刺管理システムは、前記操作端末と一体又は別体に設けられ、当該操作端末を操作中の前記ユーザの顔が撮影範囲に含まれるように設けられたユーザ撮影装置をさらに備え、前記操作端末は、前記ユーザ撮影装置による撮影画像中に前記ユーザの顔が含まれているか否かを判定する顔判定処理を実行し、前記次処理受付状態で、前記顔判定処理により前記撮影画像中に前記ユーザの顔が含まれていないと判定される状態が、前記待機時間よりも短い時間に設定された設定時間継続した場合にも、前記アカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となると好適である。
【0058】
この構成によれば、次処理受付状態で、待機時間が経過する前であっても、ユーザが操作端末を操作する状態ではなくなったことを判定して、アカウント指定解除処理を実行することができる。例えば、ユーザが次の名刺を取り出す等の作業を行っているのではなく、利用を終了したと判定し易く、次のユーザが利用する前に、アカウント受付状態に遷移させ、当該次のユーザがすぐにシステムを利用可能な状態とすることができる。即ち、ユーザの切り替えを迅速に行うことができるので、利便性をより高めることができる。また、設定時間は待機時間よりも短い時間に設定されているため、他のユーザにより誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバに記憶される可能性をさらに低減できる。
【0059】
また、上記のように顔判定処理が実行される場合、前記操作端末は、前記顔判定処理において、前記撮影画像中に含まれる前記ユーザの顔が別人の顔に変化したか否かも判定し、前記次処理受付状態で、前記撮影画像中に含まれる前記ユーザの顔が別人の顔に変化したと判定した場合には、前記待機時間及び前記設定時間が経過したか否かに拘わらず、前記アカウント指定解除処理を実行した後、前記アカウント受付状態となると好適である。
【0060】
本構成によれば、待機時間及び設定時間の経過を待つことなく、次処理受付状態で操作端末を操作するユーザが別人に代わったことを判定して、即座にアカウント指定解除処理を実行することができる。このため、さらにユーザの切り替えを迅速に行うことができるので、操作の利便性をより高めることができる。例えば、次のユーザが利用待ちをしていたような場合でも、即座にアカウント指定解除処理が実行されてアカウント受付状態となるため、当該ユーザがすぐにシステムを利用することができ、利便性をより高めることができる。また、連続して異なるユーザがシステムを利用する場合でも、アカウント指定解除処理が実行されるため、誤ったアカウントと名刺情報が関連付けられた状態で管理サーバに記憶される可能性をさらに低減できる。
【0061】
また、前記管理サーバは、複数の前記ユーザの前記アカウント情報が登録されたアカウント情報データベースを備え、前記操作端末に対して、前記アカウント情報データベースに登録されている前記アカウント情報のリストであるアカウント情報リストを送信し、前記操作端末は、前記管理サーバから受信した前記アカウント情報リストに基づいて、前記アカウント情報が既に登録された前記ユーザのリストを選択可能に表示することで前記アカウント受付状態となり、前記ユーザのリストからの選択により前記アカウント受付処理を実行すると好適である。
【0062】
本構成によれば、操作端末がアカウント情報データベースに登録されたユーザの操作のみを受け付けるようにできる。従って、操作端末に対して不正な操作が行われる可能性を低減することができる。
【0063】
前記名刺情報取得処理では、前記読取処理の完了後、前記ユーザによる追加情報の入力を受け付ける追加入力受付状態となって前記追加情報の入力を受け付ける追加入力受付処理を実行し、前記追加入力受付処理により前記追加情報の入力が受け付けられた場合、前記名刺情報送信処理では、当該追加情報を、前記アカウント情報及び前記名刺情報と共に前記管理サーバへ送信し、前記管理サーバは、前記名刺情報送信処理により送信されてきた前記アカウント情報と前記名刺情報と前記追加情報とを関連付けた状態で名刺情報データベースに記憶すると好適である。
【0064】
この構成によれば、読取装置により名刺を読み取って得られる名刺情報に加えて、ユーザが入力した追加情報も名刺情報に関連付けて記憶させることができる。従って、名刺管理システムに蓄積される情報の中身を充実させ、名刺管理システムの利便性をさらに高めることができる。
【0065】
前記次処理受付状態で受け付け可能な前記次処理には、直前の前記読取処理により取得された前記名刺情報を削除する指令である削除指令がさらに含まれ、前記操作端末は、前記次処理受付処理において、前記削除指令を受け付けた場合には、直前の前記読取処理により取得された前記名刺情報を削除し、前記次処理受付状態となると好適である。
【0066】
この構成によれば、読取処理により取得された名刺情報が不要である場合や、読取処理をやり直す場合等に、削除指令を選択できるため、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【符号の説明】
【0067】
1 :管理サーバ
2 :操作端末
3 :読取装置
4 :ユーザ撮影装置
6 :データベース
36 :アカウント指定解除処理
61 :名刺情報データベース
62 :アカウント情報データベース
C :名刺
#1 :アカウント受付処理
#2 :実行指令受付処理
#3 :名刺情報取得処理
#4 :名刺情報送信処理
#5 :次処理受付処理
#6 :アカウント指定解除処理
#12 :顔判定処理
#31 :読取処理
#32 :追加入力受付処理