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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080723
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】電源制御回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/00 20060101AFI20230602BHJP
   F16T 1/48 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H02M3/00 B
F16T1/48 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194218
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000137889
【氏名又は名称】株式会社ミヤワキ
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100136353
【弁理士】
【氏名又は名称】高尾 建吾
(72)【発明者】
【氏名】吉川 成雄
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA14
5H730AS04
5H730AS05
5H730FG01
5H730XC19
(57)【要約】
【課題】電力消費量を削減することが可能な電源制御回路を得る。
【解決手段】操作スイッチ11がオン操作されることにより、スイッチング素子13がオン状態となってイネーブル端子20にオン信号が入力され、それによってDC/DCコンバータ12はマイコン3への所定電圧V2の供給を開始し、操作スイッチ11がオフ操作されることにより、スイッチング素子13がオフ状態となってイネーブル端子20にオフ信号が入力され、それによってDC/DCコンバータ12はマイコン3への所定電圧V2の供給を停止する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池から負荷回路への駆動電源の供給を制御する電源制御回路であって、
ユーザによってオン操作又はオフ操作される操作スイッチと、
イネーブル端子を有し、前記電池からの出力電圧を昇圧又は降圧した所定電圧を、前記駆動電源として前記負荷回路に供給する電圧変換回路と、
前記イネーブル端子に接続されたスイッチング素子と、
を備え、
前記操作スイッチがオン操作されることにより、前記スイッチング素子がオン状態となって前記イネーブル端子にオン信号が入力され、それによって前記電圧変換回路は前記負荷回路への前記所定電圧の供給を開始し、
前記操作スイッチがオフ操作されることにより、前記スイッチング素子がオフ状態となって前記イネーブル端子にオフ信号が入力され、それによって前記電圧変換回路は前記負荷回路への前記所定電圧の供給を停止する、電源制御回路。
【請求項2】
保持回路をさらに備え、
前記負荷回路は第1入力ポートを有し、
前記保持回路は、前記電圧変換回路から出力された前記所定電圧に基づいて、前記スイッチング素子のオン状態を保持するための保持電圧を生成し、当該保持電圧を前記第1入力ポートに入力し、
前記操作スイッチのオン操作によって前記電圧変換回路が前記負荷回路への前記所定電圧の供給を開始した後は、前記電池からの出力電流の一部が前記第1入力ポートに入力されることにより、前記スイッチング素子のオン状態が継続される、請求項1に記載の電源制御回路。
【請求項3】
前記負荷回路は第2入力ポートを有し、
前記操作スイッチのオフ操作によって前記電圧変換回路が前記負荷回路への前記所定電圧の供給を停止した後は、前記電池からの出力電流が前記第2入力ポートに入力される、請求項1又は2に記載の電源制御回路。
【請求項4】
前記負荷回路は、前記スイッチング素子がオン状態であるかオフ状態であるかに拘わらず、前記電池からの前記出力電圧の電圧値に応じたモニタ電圧が入力される第3入力ポートを有する、請求項1~3のいずれか一つに記載の電源制御回路。
【請求項5】
前記負荷回路は、スチームトラップを診断するための可搬型の計測装置が備える制御回路を含む、請求項1~4のいずれか一つに記載の電源制御回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池から負荷回路への駆動電源の供給を制御する電源制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気配管系を備えたプラント等においては、熱交換又は放熱等によって配管系内に復水(ドレン)が生じることがある。この復水を配管系内に滞留させると運転効率が低下する原因となるため、一般には、配管系の適所にスチームトラップを設置し、このスチームトラップによって復水を配管系の外部に排出するようにしている。
【0003】
経年劣化又は作動不良等によってスチームトラップのシール性能が損なわれると、蒸気配管系内の蒸気がスチームトラップを介して外部に漏出し、無駄な蒸気損失を招くこととなる。そのため、1年に1回等の定期的に、スチームトラップの状態を点検する作業が行われる。
【0004】
下記特許文献1には、スチームトラップの状態を診断するための計測装置及び診断装置が開示されている。計測装置は可搬型の計測装置であり、診断装置はタブレット端末又はノートパソコン等であり、計測装置と診断装置とは相互に無線通信が可能である。計測装置は、各スチームトラップの表面温度を計測する温度センサと、各スチームトラップの振動強度を計測する振動センサと、温度センサ及び振動センサから出力された計測データを記憶する記憶部と、当該計測データを診断装置に送信する通信部と、表示部とを備えている。診断装置は、計測装置から受信した計測データに基づいて各スチームトラップの状態(正常又は異常)を診断し、その診断の結果を示す診断データを計測装置に送信する。計測装置は、診断装置から受信した診断データに基づいて、各スチームトラップに関する診断の結果を表示部に表示する。
【0005】
図5は、背景技術に係る計測装置が備える回路構成の一部を簡略化して示す回路図である。計測装置は、アルカリ乾電池等の電池102と、マイクロコントローラ(以下「マイコン」と略す)103と、電池102からマイコン103への駆動電源の供給を制御する電源制御回路101とを備えている。電源制御回路101は、DC/DCコンバータ111と、抵抗素子112と、操作スイッチ113とを有している。マイコン103は、電源ポート121と入力ポート122とを有している。電源ポート121は、DC/DCコンバータ111と抵抗素子112との間のノードN51に接続されている。入力ポート122は、抵抗素子112と操作スイッチ113との間のノードN52に接続されている。DC/DCコンバータ111は、電池102からの出力電圧を昇圧又は降圧した所定電圧を、駆動電源としてマイコン103の電源ポート121に供給する。
【0006】
マイコン103は、その動作モードとして、スリープモード及びアクティブモードを有している。スリープモードは、マイコン103の全ての機能のうち有効な機能を制限することによって消費電力量を削減するモードである。アクティブモードは、マイコン103の全ての機能を有効化するモードである。
【0007】
マイコン103がスリープモードの状態でユーザが操作スイッチ113をオン操作すると、マイコン103は、入力ポート122への入力電圧値の変化によってオン操作の実行を検出し、自身をスリープモードからアクティブモードへ復帰する。アクティブモードにおけるマイコン103の駆動電源は、DC/DCコンバータ111から電源ポート121に供給される。
【0008】
マイコン103がアクティブモードの状態でユーザが操作スイッチ113をオフ操作すると、マイコン103は、入力ポート122への入力電圧値の変化によってオフ操作の実行を検出し、自身をアクティブモードからスリープモードへ移行する。スリープモードにおけるマイコン103の駆動電源は、アクティブモードと同様に、DC/DCコンバータ111から電源ポート121に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2018-84418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
背景技術に係る計測装置では、スリープモードにおけるマイコン103の駆動電源は、DC/DCコンバータ111から電源ポート121に供給される。つまり、スリープモードであってもDC/DCコンバータ111は駆動している。DC/DCコンバータ111は、変換損失等に起因して電流消費量が比較的大きい(数mAレベルである)。従って、背景技術に係る計測装置では、スリープモードであっても電池102の残容量の消費が大きいため、実際に計測装置を用いてスチームトラップの点検作業を行う際に、電池切れの頻度が高くなる可能性があった。
【0011】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、電力消費量を削減することが可能な電源制御回路を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様に係る電源制御回路は、電池から負荷回路への駆動電源の供給を制御する電源制御回路であって、ユーザによってオン操作又はオフ操作される操作スイッチと、イネーブル端子を有し、前記電池からの出力電圧を昇圧又は降圧した所定電圧を、前記駆動電源として前記負荷回路に供給する電圧変換回路と、前記イネーブル端子に接続されたスイッチング素子と、を備え、前記操作スイッチがオン操作されることにより、前記スイッチング素子がオン状態となって前記イネーブル端子にオン信号が入力され、それによって前記電圧変換回路は前記負荷回路への前記所定電圧の供給を開始し、前記操作スイッチがオフ操作されることにより、前記スイッチング素子がオフ状態となって前記イネーブル端子にオフ信号が入力され、それによって前記電圧変換回路は前記負荷回路への前記所定電圧の供給を停止する。
【0013】
本態様によれば、操作スイッチがオフ操作されることにより、スイッチング素子がオフ状態となってイネーブル端子にオフ信号が入力され、それによって電圧変換回路は負荷回路への所定電圧の供給を停止する。これにより、電力消費量が比較的大きい電圧変換回路の駆動を停止できるため、電源制御回路における電力消費量を削減することが可能となる。
【0014】
上記態様において、保持回路をさらに備え、前記負荷回路は第1入力ポートを有し、前記保持回路は、前記電圧変換回路から出力された前記所定電圧に基づいて、前記スイッチング素子のオン状態を保持するための保持電圧を生成し、当該保持電圧を前記第1入力ポートに入力し、前記操作スイッチのオン操作によって前記電圧変換回路が前記負荷回路への前記所定電圧の供給を開始した後は、前記電池からの出力電流の一部が前記第1入力ポートに入力されることにより、前記スイッチング素子のオン状態が継続される。
【0015】
本態様によれば、保持回路の動作によってスイッチング素子のオン状態が継続されることにより、電圧変換回路から負荷回路への所定電圧の供給を適切に継続することができる。
【0016】
上記態様において、前記負荷回路は第2入力ポートを有し、前記操作スイッチのオフ操作によって前記電圧変換回路が前記負荷回路への前記所定電圧の供給を停止した後は、前記電池からの出力電流が前記第2入力ポートに入力される。
【0017】
本態様によれば、電圧変換回路から負荷回路への所定電圧の供給が停止された後も、電池から負荷回路の第2入力ポートへ必要最小限の駆動電源を供給することができる。
【0018】
上記態様において、前記負荷回路は、前記スイッチング素子がオン状態であるかオフ状態であるかに拘わらず、前記電池からの前記出力電圧の電圧値に応じたモニタ電圧が入力される第3入力ポートを有する。
【0019】
本態様によれば、スイッチング素子がオン状態及びオフ状態のいずれであっても、第3入力ポートに入力されるモニタ電圧によって、電池の残容量を簡易に管理することができる。
【0020】
上記態様において、前記負荷回路は、スチームトラップを診断するための可搬型の計測装置が備える制御回路を含む。
【0021】
本態様によれば、スチームトラップを診断するための可搬型の計測装置の電力消費量を削減することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、電力消費量を削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施の形態に係る計測装置が備える回路構成の一部を簡略化して示す回路図である。
図2】電源制御回路の動作を示す回路図である。
図3】電源制御回路の動作を示す回路図である。
図4】電源制御回路の動作を示す回路図である。
図5】背景技術に係る計測装置が備える回路構成の一部を簡略化して示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る計測装置が備える回路構成の一部を簡略化して示す回路図である。計測装置は、スチームトラップを診断するための可搬型の計測装置である。診断対象のスチームトラップに対して作業者が計測装置のプローブを押し当てることにより、計測装置は当該スチームトラップの温度及び振動を計測する。計測装置は、計測した温度及び振動に基づいて当該スチームトラップの状態(正常又は異常)を診断する診断機能を備えていても良い。あるいは、当該診断機能は、計測装置と通信可能な診断装置が備えていても良い。
【0026】
図1を参照して、計測装置は、アルカリ乾電池等の電池2と、マイクロコントローラ(以下「マイコン」と略す)3を含む負荷回路と、電池2からマイコン3への駆動電源の供給を制御する電源制御回路1とを備えている。計測装置の動作を制御する制御回路としてのマイコン3は、CPU等の演算装置と、ROM又はRAM等の記憶装置とを含んで構成されている。負荷回路は、マイコン3のほかに、周辺回路及びアナログ回路を含んでいても良い。
【0027】
電源制御回路1は、DC/DCコンバータ12と、抵抗素子14,15,17,21,22と、ダイオード16,18と、スイッチング素子13と、操作スイッチ11とを有している。DC/DCコンバータ12は、イネーブル端子20を有している。マイコン3は、電源ポート30と、第1入力ポート31と、第2入力ポート32と、第3入力ポート33とを有している。
【0028】
この例において、スイッチング素子13は、NチャネルMOSFETであり、ノードN2に接続されたゲートと、ノードN4に接続されたドレインと、イネーブル端子20に接続されたソースとを有している。ノードN2は、ノードN1及びノードN3に接続されている。
【0029】
電池2の負極はGNDに接続されており、電池2の正極はノードN1に接続されている。DC/DCコンバータ12の入力はノードN1に接続されており、DC/DCコンバータ12の出力はノードN6に接続されている。抵抗素子14の一端はノードN3に接続されており、抵抗素子14の他端はノードN4に接続されている。抵抗素子15の一端はノードN4に接続されており、抵抗素子15の他端はダイオード16のアノードに接続されている。ダイオード16のカソードはノードN5に接続されている。ノードN5はノードN7に接続されている。
【0030】
抵抗素子17の一端はノードN6に接続されており、抵抗素子17の他端はダイオード18のアノードに接続されている。ダイオード18のカソードはノードN7に接続されている。抵抗素子17及びダイオード18は保持回路を構成する。
【0031】
抵抗素子21の一端はノードN3に接続されており、抵抗素子21の他端はノードN8に接続されている。抵抗素子22の一端はノードN8に接続されており、抵抗素子22の他端はGNDに接続されている。
【0032】
操作スイッチ11の一端はノードN5に接続されており、操作スイッチ11の他端はGNDに接続されている。
【0033】
電源ポート30はノードN6に接続されており、第1入力ポート31はノードN7に接続されており、第2入力ポート32はノードN4に接続されており、第3入力ポート33はノードN8に接続されている。
【0034】
第3入力ポート33には、スイッチング素子13がオン状態であるかオフ状態であるかに拘わらず、電池2からの出力電圧の電圧値に応じたモニタ電圧が入力される。モニタ電圧の電圧値は、電池2からの出力電圧の電圧値が、抵抗素子21,22の抵抗値の比によって分割された電圧値として得られる。マイコン3は、スイッチング素子13がオン状態及びオフ状態のいずれであっても、第3入力ポート33に入力されたモニタ電圧によって、電池2の残容量を簡易に管理することができる。マイコン3は、例えば、モニタ電圧の電圧値が、マイコン3を駆動可能な最低電圧値よりわずかに大きいしきい値未満となった場合に、ユーザに電池2の交換を促すアラートを出力する。
【0035】
マイコン3は、その動作モードとして、スリープモード及びアクティブモードを有している。スリープモードは、マイコン3の全ての機能のうち有効な機能を制限することによって消費電力量を削減するモードである。アクティブモードは、マイコン3の全ての機能を有効化するモードである。
【0036】
DC/DCコンバータ12は、マイコン3がアクティブモードの状態において、電池2からの出力電圧を昇圧又は降圧した所定電圧を、駆動電源としてマイコン3の電源ポート30に供給する。なお、マイコン3がスリープモードの状態において、DC/DCコンバータ12は駆動を停止しており、DC/DCコンバータ12からマイコン3への上記所定電圧の供給は停止されている。
【0037】
図2~4は、電源制御回路1の動作を示す回路図である。図2は、マイコン3がスリープモードの状態でユーザが操作スイッチ11をオン操作した際の動作を示している。図3は、マイコン3がアクティブモードを継続している状態での動作を示している。図4は、マイコン3がアクティブモードの状態でユーザが操作スイッチ11をオフ操作した際の動作を示している。
【0038】
図2を参照して、マイコン3がスリープモードの状態でユーザが操作スイッチ11をオン操作すると、矢印A1aで示すように、電池2から、抵抗素子14、抵抗素子15、ダイオード16、及び操作スイッチ11をこの順に介して、GNDに電流が流れる。これにより、スイッチング素子13がオン状態となって、ノードN4からイネーブル端子20にオン信号としての電流が入力される。イネーブル端子20にオン信号が入力されることによって、DC/DCコンバータ12は駆動を開始する。DC/DCコンバータ12は、電池2からの出力電圧V1を昇圧又は降圧した所定電圧V2を、マイコン3の電源ポート30へ供給する。
【0039】
上記の通り、抵抗素子17及びダイオード18は保持回路を構成する。DC/DCコンバータ12から電源ポート30への所定電圧V2の供給が開始されると、矢印A1bで示すように、DC/DCコンバータ12からの出力電流の一部は、抵抗素子17及びダイオード18をこの順に介して、マイコン3の第1入力ポート31に流れる。保持回路は、所定電圧V2の電圧値が抵抗素子17及びダイオード18で電圧降下した後の電圧値として、スイッチング素子13のオン状態を保持するための保持電圧を生成する。当該保持電圧は第1入力ポート31に入力される。保持回路は、第1入力ポート31の保持電圧を、ユーザが操作スイッチ11を離した後においても自己保持する。これにより、マイコン3の起動処理、つまりスリープモードからアクティブモードへの復帰が完了する。
【0040】
図3を参照して、マイコン3がアクティブモードを継続している状態では、矢印A2で示すように、電池2からの出力電流の一部は、抵抗素子14、抵抗素子15、及びダイオード16をこの順に介して、マイコン3の第1入力ポート31に流れる。第1入力ポート31はスイッチング素子13のオン状態を保持するための保持電圧を保持しているため、矢印A2で示す経路を電流が流れることによって、スイッチング素子13のオン状態は継続され、イネーブル端子20へのオン信号の入力も継続され、DC/DCコンバータ12から電源ポート30への駆動電源の供給も継続される。
【0041】
図4を参照して、マイコン3がアクティブモードの状態でユーザが操作スイッチ11をオフ操作すると、マイコン3は、第1入力ポート31への入力電圧値の変化によってオフ操作の実行を検出し、自身をアクティブモードからスリープモードへ移行する。スリープモードにおいて、保持回路は、第1入力ポート31における保持電圧の保持を停止する。その結果、図3の矢印A2で示した経路の電流が停止されることによって、スイッチング素子13はオフ状態となり、イネーブル端子20へのオン信号の入力も停止され(つまりオフ信号が入力され)、DC/DCコンバータ12から電源ポート30への駆動電源の供給も停止される。操作スイッチ11のオフ操作によってDC/DCコンバータ12から電源ポート30への駆動電源の供給が停止された後は、矢印A3で示すように、スリープモードを実行するための必要最小限の駆動電源が、電池2から抵抗素子14を介して第2入力ポート32に供給される。スリープモード時の駆動電源は、数μA~数十μAレベルの電流消費量に相当し、アクティブモード時の数mAレベルの電流消費量よりも十分に小さい。
【0042】
本実施の形態に係る電源制御回路1によれば、操作スイッチ11がオフ操作されることにより、スイッチング素子13がオフ状態となってイネーブル端子20にオフ信号が入力され、それによってDC/DCコンバータ12(電圧変換回路)はマイコン3への所定電圧V2の供給を停止する。これにより、電力消費量が比較的大きいDC/DCコンバータ12の駆動を停止できるため、電源制御回路1における電力消費量を削減することが可能となる。
【0043】
また、本実施の形態に係る電源制御回路1によれば、保持回路の動作によってスイッチング素子13のオン状態が継続されることにより、DC/DCコンバータ12からマイコン3への所定電圧V2の供給を適切に継続することができる。
【0044】
また、本実施の形態に係る電源制御回路1によれば、DC/DCコンバータ12からマイコン3への所定電圧V2の供給が停止された後も、電池2からマイコン3の第2入力ポート32へ必要最小限の駆動電源を供給することができる。
【0045】
また、本実施の形態に係る電源制御回路1によれば、スイッチング素子13がオン状態及びオフ状態のいずれであっても、第3入力ポート33に入力されるモニタ電圧によって、電池2の残容量を簡易に管理することができる。
【0046】
また、本実施の形態に係る電源制御回路1によれば、スチームトラップを診断するための可搬型の計測装置の電力消費量を削減することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 電源制御回路
2 電池
3 マイコン
12 DC/DCコンバータ
13 スイッチング素子
17 抵抗素子
18 ダイオード
20 イネーブル端子
31 第1入力ポート
32 第2入力ポート
33 第3入力ポート
図1
図2
図3
図4
図5