(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080834
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230602BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194360
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】507039084
【氏名又は名称】株式会社テンダ
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 洋充
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 勝彦
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA02
(57)【要約】
【課題】RPAの導入を促して既存システムの活性化を図ること。
【解決手段】ロボット管理部51は、複数の作業を既存システムKSに対して実行可能なソフトウェアのロボットR1乃至Rmを管理する。入力情報取得部52は、複数の作業に必要となる入力情報がディーラーによりディーラー端末3に入力された場合、その入力情報をディーラー端末3から取得する。ロボット実行部53は、ロボットR1乃至Rmに対して、入力情報を用いて、既存システムKSに対して複数の作業を実行させる。結果提供部54は、複数の作業及び既存システムKSにおける所定処理の結果を示す処理結果情報をディーラー端末3に提供する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより、ユーザのために所定処理を実行する別システムと、前記ユーザにより操作されるユーザ端末と、夫々通信を行う情報処理装置において、
前記複数の作業を前記所定のインターフェースを介して前記別システムに対して実行可能な1以上のソフトウェアのロボットを管理するロボット管理手段と、
前記複数の作業に必要となる入力情報が前記ユーザの操作により前記ユーザ端末に入力された場合、前記入力情報を前記ユーザ端末から取得する入力情報取得手段と、
1以上の前記ロボットに対して、前記入力情報を用いて前記複数の作業を実行させるロボット実行手段と、
前記1以上のロボットの前記複数の作業の実行の結果として、前記別システムにより前記所定処理が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を前記ユーザ端末に提供する結果提供手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記ロボット実行手段は、
前記入力情報の取得から、前記複数の作業に伴う前記別システムにおける前記所定処理の実行までの間において所定のエラーが発生した場合、さらに、前記1以上のロボットに前記所定のエラーへの対応を実行させ、
前記結果提供手段は、前記所定のエラーの内容及びその対応について、前記処理結果情報に含めて又はそれとは別に、前記ユーザ端末に提供する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記入力情報は電子メールに添付されて前記ユーザ端末から所定のメールサーバに送信され、
前記入力情報取得手段は、前記電子メールに添付された前記入力情報を前記メールサーバからダウンロードすることで、当該入力情報を取得する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより、ユーザのために所定処理を実行する別システムと、前記ユーザにより操作されるユーザ端末と、夫々通信を行う情報処理装置が実行する情報処理方法において、
前記複数の作業を前記所定のインターフェースを介して前記別システムに対して実行可能な1以上のソフトウェアのロボットを管理するロボット管理ステップと、
前記複数の作業に必要となる入力情報が前記ユーザの操作により前記ユーザ端末に入力された場合、前記入力情報を前記ユーザ端末から取得する入力情報取得ステップと、
1以上の前記ロボットに対して、前記入力情報を用いて前記複数の作業を実行させるロボット実行ステップと、
前記1以上のロボットの前記複数の作業の実行の結果として、前記別システムにより前記所定処理が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を前記ユーザ端末に提供する結果提供ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項5】
所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより、ユーザのために所定処理を実行する別システムと、前記ユーザにより操作されるユーザ端末と、夫々通信を行うコンピュータに、
前記複数の作業を前記所定のインターフェースを介して前記別システムに対して実行可能な1以上のソフトウェアのロボットを管理するロボット管理ステップと、
前記複数の作業に必要となる入力情報が前記ユーザの操作により前記ユーザ端末に入力された場合、前記入力情報を前記ユーザ端末から取得する入力情報取得ステップと、
1以上の前記ロボットに対して、前記入力情報を用いて前記複数の作業を実行させるロボット実行ステップと、
前記1以上のロボットの前記複数の作業の実行の結果として、前記別システムにより前記所定処理が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を前記ユーザ端末に提供する結果提供ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サービスの提供者から所定処理を実行するための既存システムをユーザに導入しても、各種オペレーション(複数の作業)をユーザの担当者が行うことは手間がかかることから、既存システムの利用の活性化がなされていなかった。
【0003】
そこで、ユーザが管理する情報処理装置に対して、RPA(Robotic Process Automation/ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入することが増加してきている。
「RPA」とは、AI(人工知能)やルールエンジン等の技術が適用されたソフトウェアのロボットが、主にホワイトカラーのデスクワーク(例えば定型作業)を代行して自動化する概念をいう。
RPAによれば、企業等における業務の効率化、生産性の向上、人的ミスの防止、コスト削減、人材不足の解消等を実現させることが期待されており、関連する技術も提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、RPAの導入が進んでいない状況にある。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、RPAの導入を促して既存システムの活性化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより、ユーザのために所定処理を実行する別システムと、前記ユーザにより操作されるユーザ端末と、夫々通信を行う情報処理装置において、
前記複数の作業を前記所定のインターフェースを介して前記別システムに対して実行可能な1以上のソフトウェアのロボットを管理するロボット管理手段と、
前記複数の作業に必要となる入力情報が前記ユーザの操作により前記ユーザ端末に入力された場合、前記入力情報を前記ユーザ端末から取得する入力情報取得手段と、
1以上の前記ロボットに対して、前記入力情報を用いて前記複数の作業を実行させるロボット実行手段と、
前記1以上のロボットの前記複数の作業の実行の結果として、前記別システムにより前記所定処理が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を前記ユーザ端末に提供する結果提供手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、RPAの導入を促して既存システムの活性化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るRPA実行サーバを含む情報処理システムにより、実現可能な本サービスの概要を示すイメージ図である。
【
図2】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るRPA実行サーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示す情報処理システムのうちRPA実行サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図3のRPA実行サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図4の機能的構成を有するRPA実行サーバを含む
図2の情報処理システムが実行する処理のフローの具体例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
まず、
図1を適宜参照して、本発明の一実施形態に係る情報処理装置が適用される情報処理システム(後述する
図2参照)の適用対象となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0012】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るRPA実行サーバを含む情報処理システムにより、実現可能な本サービスの概要を示すイメージ図である。
【0013】
従来より、乗用車販売のディーラーDの担当者は、当該ディーラーDにより管理されている端末(以下、「ディーラー端末」と呼ぶ)を用いて各種操作をしているものとする。なお、ディーラー端末としては、
図2以降で後述するディーラー端末3が用いられる。例えば、担当者は、ディーラー端末を操作することで、顧客Cに対する提案書(データ)を作成して、顧客Cにより管理されている端末(以下、「顧客端末」と呼ぶ)に対してSMS(Short Message Service)で送信していたものとする。
ここで、乗用車に関する各種情報(例えば、メーカー、年式、グレード等)が条件として入力されると、当該条件に基づいて当該乗用車に関する各種提案(例えば車検等のメンテナンスや新車への乗り換え等)を内容とする提案書(データ)を自動生成するシステム(ツール)として、提案書作成システムKS1が従来よりディーラーDにより使用されていたものとする。
また、予約された未来の日時に、指定されたデータを、予約された宛先に対してSMSにより自動送信するシステム(ツール)として、予約送信システムKS2が従来よりディーラーDにより使用されていたものとする。
【0014】
即ち、従来、ディーラーDの担当者は、ディーラー端末を操作して、提案書作成システムKS1にアクセスして、顧客Cの乗用車についての条件を入力した後、提案書作成システムKS1に対して求められる各種オペレーション(複数の作業)を行っていた。提案書作成システムKS1は、このような各種オペレーション(複数の作業)を受付けて、顧客Cに対する提案書(データ)を生成していた。
【0015】
ここで、各種オペレーション(複数の作業)としては、例えば提案書作成システムKS1に対しては次のようなものが存在する。
提案書作成システムKS1にログイン情報を入力してログインする、という作業が存在する。
提案書作成システムKS1のログイン画面上において異常が発生した後ある程度待機しても次へ進まない場合には異常終了させる、という作業が存在する。
提案書作成システムKS1に対して提案書の作成に必要な条件を入力する、という作業が存在する。
提案書作成システムKS1に対して提案書の作成を開始させるための指示(例えば、作成ボタンの押下操作)をする、という作業が存在する。
提案書作成システムKS1に対するログアウト等の作業が存在する。
提案書作成システムKS1に対する操作(通常作業)の中でエラーが発生した場合には当該エラー発生の処理をスキップさせる等の措置を行う、という作業が存在する。
【0016】
従来、乗用車販売のディーラーDはIT化が遅れており、かつ、上述の条件を提案書作成システムKS1に入力させるという作業(操作)を含め各種オペレーション(複数の作業)を担当者が行うことは手間がかかることから、提案書作成システムKS1と予約送信システムKS2とからなる既存システムKSの利用が活性化されていなかった。
そこで、本サービスの提供者が管理するクラウド上のサービスとして、上述の提案書作成システムKS1に対して求められる各種オペレーション(複数の作業)をRPAで自動的に行う、といった本サービスがディーラーDに対して提供される。
ここで、本サービスの特徴としては、RPAを実行するソフトウェアのロボットR1乃至Rmは、ディーラーD(サービス提供者にとってのユーザ)のディーラー端末において管理されるのではなく、サービス提供者により管理されるクラウド上のサーバ1(以下、「RPA実行サーバ1」と呼ぶ)により管理される点である。
【0017】
このようなクラウド上で管理されるロボットR1乃至RmによりRPAが実行される本サービスの流れについて、以下、説明する。
【0018】
図1に示すように、ステップST1において、ディーラーDの担当者は、ディーラー端末を操作して、顧客Cの乗用車に関する各種情報(例えば、メーカー、年式、グレード等)を条件として、既存の汎用的な表計算アプリケーションソフトウェアのシート(以下、「条件入力シート」と呼ぶ)に入力する。
【0019】
ここで、本サービスの提供者により管理されているメールサーバ2に対して、条件入力シートが添付された電子メールを自動送信する機能(以下、「自動送信機能」と呼ぶ)がディーラー端末に備えられているものとする。また、
図1に示すように、この自動送信機能を発揮させるためのソフトウェアボタンBT(以下、「実行ボタンBT」と呼ぶ)が、ディーラー端末の画面に表示されているものとする。
ステップST2において、ディーラーDの担当者は、ディーラー端末を操作して、実行ボタンBTを押下する。すると、ディーラー端末は、条件入力シートを電子メールに添付し、当該電子メールをメールサーバ2に自動送信する。
【0020】
ここで、電子メールの宛先はロボットR1乃至Rm(のうち1以上)になっている。以下、説明の便宜上、電子メールの宛先は1つのロボットRk(kは1乃至mのうち何れかの整数値)であったものとする。
ロボットRkは、この電子メールを受信して、当該電子メールに添付された条件入力シートを用いて、提案書作成システムKS1に対して各種オペレーション(複数の作業)を実行する。これにより、提案書作成システムKS1により提案書が自動作成されることになる。
このようなロボットRkによる一連の処理(即ちRPA部分)は、詳細には、次のステップST3乃至ST5の処理として実行される。
【0021】
ステップST3において、ロボットRkは、電子メールに添付された条件入力シートに入力されている情報をダウンロードする。
ステップST4において、ロボットRkは、提案書作成システムKS1にアクセスして、各種オペレーション(各種作業)を実行する。これにより、提案書作成システムKS1は、提案書(データ)を自動生成する。
そして、ロボットRkは、当該提案書(データ)を所定時刻に顧客端末に対して予約送信システムKS2により自動送信させる旨の予約送信をセットする。
ステップST5において、ロボットRkは、ステップST3及びST4の処理結果(件数/イレギュラー処理のみ)を示す情報(以下、「処理結果情報」と呼ぶ)を、電子メールにてディーラー端末に送信する。
【0022】
ステップST6において、予約送信システムKS2は、ステップST4においてセットされた所定時刻に、ステップST4において生成された提案書(データ)をSMSメールにより顧客端末に送信する。
【0023】
このようにして、RPAといえば従来ディーラー端末3側に導入するものであった概念を覆して、本サービスの提供者側のRPA実行サーバ1で管理して実行させるようにした。
これにより、RPAの導入を促して既存システムKSの活性化を図ることが可能になる。
【0024】
次に、
図2を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るRPA実行サーバ1を含む情報処理システムの構成について説明する。
図2は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るRPA実行サーバを含む情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0025】
図2に示す情報処理システムは、RPA実行サーバ1と、メールサーバ2と、ディーラー端末3-1乃至3-n(nは1以上の整数値)と、顧客端末4-1乃至4-p(pは1以上の整数値)と、既存システムKSとを含むように構成されている。
RPA実行サーバ1、メールサーバ2、ディーラー端末3-1乃至3-n、顧客端末4-1乃至4-p、及び既存システムKSの夫々は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。なお、SMSが利用される場合には、ネットワークNWとして、所定のキャリアが管理しているネットワークが利用される。
【0026】
RPA実行サーバ1は、本サービスの提供者により管理される情報処理装置であり、ロボットR1乃至Rmを管理し、メールサーバ2、ディーラー端末3-1乃至3-n、及び既存システムKSの夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0027】
メールサーバ2は、本サービスの提供者により管理される情報処理装置であり、ロボットR1乃至Rmの夫々に対するメールアカウント(以下、「ロボット専用メールアカウント」と呼ぶ)を管理し、ディーラー端末3-1乃至3-nのうち何れかとロボットR1乃至Rmのうちの何れかとの間でやり取りされる電子メールを送受信する。
【0028】
ディーラー端末3-1乃至3-nの夫々は、nのディーラーDの夫々により操作される情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
以下、ディーラー端末3-1乃至3-nの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「ディーラー端末3」と呼ぶ。
【0029】
ディーラーDの担当者は、ディーラー端末3のブラウザ機能により表示される、本サービスの利用者向けの専用のWebサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)から本サービスを利用することができる。
なお、以下、断りのない限り、「ディーラーDがディーラー端末3を操作する」と表現している場合、それは、ディーラーが、ディーラー端末3のブラウザ機能により表示される専用サイトから本サービスを利用することを意味している。
また、ディーラーDは、本サービスの利用者向けの専用のアプリがインストールされたディーラー端末3を用いて本サービスを利用することもできる。
【0030】
顧客端末4-1乃至4-pの夫々は、pの顧客Cの夫々により操作される情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
以下、顧客端末4-1乃至4-pの夫々を個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて「顧客端末4」と呼ぶ。
【0031】
既存システムKSは、
図1で上述した提案書作成システムKS1及び予約送信システムKS2を含むように構成される。
【0032】
図3は、
図2に示す情報処理システムのうちRPA実行サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0033】
RPA実行サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0034】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0035】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0036】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図2のメールサーバ2、ディーラー端末3、顧客端末4、既存システムS等)との間で通信を行う。
【0037】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア31が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア31から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア31は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0038】
なお、図示はしないが、
図2のメールサーバ2、ディーラー端末3、及び顧客端末4も、
図3に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、メールサーバ2、ディーラー端末3、及び顧客端末4のハードウェア構成の説明については省略する。
【0039】
このような
図3のRPA実行サーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、各種処理の実行が可能になる。その結果、本サービスの提供者は、ディーラーDに対し、上述の本サービスを提供することができる。
以下、
図4を参照して、本実施形態に係るRPA実行サーバ1の機能的構成について説明する。
【0040】
図4は、
図3のRPA実行サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【0041】
図4に示すように、RPAサーバ1のCPU11において、ロボット管理部51と、入力情報取得部52と、ロボット実行部53と、結果提供部54とが機能する。
また、RPAサーバ1の記憶部18の一領域にはロボットDB61が設けられている。ロボットDB61には、ロボットR1乃至Rmが格納されている。
ロボット管理部51は、ロボットDB61に格納されたロボットR1乃至Rmを管理する。
【0042】
既存システムKSに対する複数の作業(オペレーション)に必要となる入力情報が、ディーラーD(担当者)の操作によりディーラー端末3に入力されて送信された場合、入力情報取得部52は、当該入力情報を通信部19を介して取得する。
具体的には例えば、
図1の例では、入力情報とは、条件入力シートに入力された情報である。また、条件入力シートは電子メールに添付されてディーラー端末3からメールサーバ2に送信される。そこで、入力情報取得部52は、当該電子メールに添付された入力情報をメールサーバ2から通信部19を介してダウンロードすることで、当該入力情報を取得する。
【0043】
ロボット実行部53は、ロボットR1乃至Rmのうち1以上に対して、入力情報取得部52により取得された入力情報(条件入力シートに入力された情報)を用いて、既存システムKSに対して複数の作業(オペレーション)を実行させる。
【0044】
結果提供部54は、ロボットR1乃至Rmのうち1以上による複数の作業(オペレーション)の実行の結果として既存システムKSにより所定処理(
図1の例では提案書の自動生成等)が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を、通信部19を介してディーラー端末3に提供する。
【0045】
なお、ロボット実行部53は、入力情報取得部52による入力情報の取得から、前記複数の作業に伴う既存システムKSにおける前記所定処理の実行までの間において所定のエラー(イレギュラーを含む)が発生した場合、さらに、ロボットR1乃至Rmのうち1以上に所定のエラーへの対応を実行させる。
この場合、結果提供部54は、所定のエラーの内容及びその対応について、処理結果情報に含めて又はそれとは別に、通信部19を介してディーラー端末3に提供する。
【0046】
例えば、上述の例では入力情報は、条件入力シートとして電子メールに添付されて送信されてくる。このような電子メールに関するエラー及びその対応としては、例えば次のようなものが存在する。
具体的には例えば、電子メールの送信者のアドレスが、本サービスの提供者と契約した者(ディーラーD)のものではないというエラーが存在する。このようなエラーに対して、ロボット実行部53は、提案書の作成処理をしない旨のアラートを出すと共に、当該送信者のアドレスに対して「契約者リストにない送信者からのメールのため、該当メールの提案書の作成処理をスキップしました」というメッセージを電子メールとして返信する、といった対応を行う。
また例えば、電子メールの添付ファイルが、存在しない、条件入力シートでない、又は、複数存在する、というエラーが存在する。このようなエラーに対して、ロボット実行部53は、その旨、及び、条件入力シートを添付ファイルとして再送してもらう旨を本文とする電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応を行う。
【0047】
また例えば、既存システムKSにアクセスするためのネットワークNW、又は既存システムKSに関するエラーが存在する。
具体的には例えば、ネットワークNWが瞬断するというエラーが存在する。このようなエラーに対して、ロボット実行部53は、第1の処理として、処理中データースキップして、所定期間(例えば最大待機期間1分)待機して、続行できる場合には処理を続行して、スキップした項番内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。また、ロボット実行部53は、第1の処理が不可の場合(待機後も続行不可の場合)、既存システムKSに対する作業(全体処理)自体を異常終了して、本サービスの提供者にその旨を通知する、といった対応をする。これにより、本サービスの提供者による手動対応(原因特定、お知らせ、再実行)となる。
また例えば、ネットワークNWがネットワーク不良により、一切の処理が行えない、といったエラーが存在する。また例えば、既存システムKSの画面デザインが変わったり、仕様が変更になったことにより、一切の処理が行えない、といったエラーが存在する。このようなエラーの場合についても、ロボット実行部53は、既存システムKSに対する作業(全体処理)自体を異常終了して、本サービスの提供者にその旨を通知する、といった対応をする。これにより、本サービスの提供者による手動対応(原因特定、お知らせ、再実行)となる。
【0048】
また例えば、条件入力シートに関するエラーが存在する。
具体的には例えば、条件入力シートのフォーマットが標準と異なるといったエラーが存在する。この場合、ロボット実行部53は、「条件入力シートのフォーマットが不正です。正しい形式の条件入力シートのデータを添付の上再送信してください」といったメッセージ内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。
また例えば、条件入力シート(所定個数の条件が1行毎に入力される場合において)、入力された情報の行数が規定を超えているといったエラーが存在する。この場合、ロボット実行部53は、「添付ファイルの条件入力シートが規定行数を超えています。行数調整後の条件入力シートを添付の上再送信してください」といったメッセージ内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。
また例えば、提案書作成システムKS1がプルダウン形式のユーザインターフェースにて各種条件を入力させる場合において、条件入力シートの入力値が、存在しないプルダウンの選択値であるというエラーが存在する。この場合、ロボット実行部53は、当該提案書作成システムKS1に対して当該条件を入力する作業をスキップし、その旨の内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。
また例えば、クライアントIDが契約者(ディーラーD)と異なるクライアントIDであるというエラーが存在する。この場合、ロボット実行部53は、提案書作成システムKS1に対する処理(作業)のうち、クライアントIDが必要となるものについてはスキップし、「クライアントID:○○○は契約者リストにないため処理をスキップしました」といったメッセージ内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。
また例えば、提案書作成システムKS1に対して所定条件の入力が不良であったというエラーが存在する。この場合、ロボット実行部53は、提案書作成システムKS1に対する処理(作業)のうち、当該所定条件の入力ついてはスキップし、「提案書作成システムKS1上の入力操作時にエラー発生のため該当データ(項番:〇〇)処理をスキップしました」といったメッセージ内容を含む電子メールをディーラー端末3に対して送信する、といった対応をする。
【0049】
次に、
図5を参照して、上述の
図4の機能的構成を有するRPA実行サーバ1が実行する処理のフローの具体例について説明する。
図5は、
図4の機能的構成を有するRPA実行サーバを含む
図2の情報処理システムが実行する処理のフローの具体例を示す概念図である。
【0050】
図5に示すように、ステップS1において、ディーラー端末3は、ディーラーDの担当者の操作により、顧客Cの乗用車に関する各種情報(例えば、メーカー、年式、グレード等)を示す条件が条件入力シートに入力されたあと、実行ボタンBT(
図1)が押下されると、当該条件入力シートを取得する。
ステップS2において、ディーラー端末3は、条件入力シートを電子メールに添付し、当該電子メールをメールサーバ2に自動送信する処理(メール自動送信処理)を開始させ、条件入力シートを添付データとし、宛先をロボットRk(
図1の例にあわせている)とする電子メールを自動生成する。
ステップS3において、ディーラー端末3は、条件入力シートが添付された電子メールをメールサーバ2に送信する。これにより、当該電子メールは、メールサーバ2のロボット専用メールアカウント(ロボットR1乃至Rm毎にアカウントが区別されているならばロボットRkのアカウント)に受信される。
【0051】
ステップS4において、RPA実行サーバ1の入力情報取得部52は、メールサーバ2のロボット専用メールアカウントを確認し、電子メールに添付された条件入力シート(それに入力されている各種条件を示す情報)をダウンロードする。
【0052】
ステップS5において、RPA実行サーバ1のロボット実行部53は、既存システムKSの提案書作成システムKS1にアクセスして、ロボットRkに対して各種オペレーションを実行させる。これにより、提案書作成システムKS1は、提案書(データ)を自動生成する。
【0053】
具体的には例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1にログイン情報を入力してログインする。
例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1のログイン画面上に異常発生して所定期間(例えば1分間)待機しても次へ進まない場合異常終了させる。なお、この場合、処理はステップS7において、その旨が電子メールにてディーラー端末3に送信される。
例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1に対して、提案書の作成に必要な条件(ステップS4においてダウンロードされた情報)を入力する。
例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1に対して、提案書の作成を開始させるための指示(例えば、作成ボタンの押下操作)をする。
例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1に対するログアウト等を行う。
例えば、ロボットRkは、提案書作成システムKS1に対する操作(通常作業)の中でエラー発生の場合には、当該エラー発生の処理をスキップさせる等の措置を行う。
【0054】
その後、ステップS5としてさらに、RPA実行サーバ1のロボット実行部53は、ロボットRkに対して、当該提案書(データ)を所定時刻に顧客端末に対して予約送信システムKS2により自動送信させる旨の予約送信をセットさせる。
【0055】
ステップS6において、RTA実行サーバ1の結果提供部54は、ステップST3及びST4の処理結果(件数/イレギュラー処理のみ)を示す処理結果情報を、電子メール(以下、「結果メール」と呼ぶ)にてディーラー端末3に送信する。
【0056】
ステップS7において、既存システムKSの予約送信システムKS2は、ステップST4においてセットされた所定時刻に、ステップST4において生成された提案書(データ)をSMSメールにより顧客端末4に送信する。
【0057】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0058】
例えば、上述の実施形態では、ディーラーDが顧客Cに対して提案書を送信すべく、提案書作成システムKS1と予約送信システムKS2とからなる既存システムKSが採用されたが特にこれに限定されない。ディーラーDに限らず本サービスの提供者にとってのユーザのために、所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより所定処理を実行する別システムであれば足りる。
【0059】
また、
図2に示すシステム構成、
図3に示すRPA実行サーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0060】
また、
図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に
図4の例に限定されない。
【0061】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に限定されず、任意でよい。
例えば、
図4の例において、入力情報取得部52、ロボット実行部53、及び結果提供部54はRPA実行サーバ1において機能するとされたが、本サービスの提供者が管理する図示せぬ他情報処理装置で機能するようにされてもよい。具体的には例えば、ロボットR1乃至Rmの夫々毎に1台ずつ専用の他情報処理装置を設け、これらm台の他情報処理装置の夫々において、入力情報取得部52、ロボット実行部53、及び結果提供部54が機能するようにしてもよい。
【0062】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0063】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0064】
このようなプログラムを含む記録媒体は、広告主にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で広告主に提供される記録媒体等で構成される。
【0065】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0066】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図3のRPA実行サーバ1)は、
所定のインターフェースを介して複数の作業を受付けることにより、ユーザ(例えば
図1のディーラーD)のために所定処理(例えば提案書を自動作成して顧客Cに予約送信する処理)を実行する別システム(例えば
図2の提案書作成システムKS1と予約送信システムKS2とからなる既存システムKS)と、前記ユーザにより操作されるユーザ端末(例えば
図2のディーラー端末3)と、夫々通信を行う情報処理装置(例えば
図2のRPA実行サーバ1)において、
前記複数の作業を前記所定のインターフェースを介して前記別システムに対して実行可能な1以上のソフトウェアのロボット(例えば
図4のロボットR1乃至Rm)を管理するロボット管理手段(例えば
図4のロボット管理部51)と、
前記複数の作業に必要となる入力情報(例えば
図1の条件入力シート)が前記ユーザの操作により前記ユーザ端末に入力された場合、前記入力情報を前記ユーザ端末から取得する入力情報取得手段(例えば
図4の入力情報取得部52)と、
1以上の前記ロボットに対して、前記入力情報を用いて前記複数の作業を実行させるロボット実行手段(例えば
図4のロボット実行部53)と、
前記1以上のロボットの前記複数の作業の実行の結果として、前記別システムにより前記所定処理が実行された場合において、前記複数の作業及び前記所定処理の結果を示す処理結果情報を前記ユーザ端末に提供する結果提供手段(例えば
図4の結果提供部54)と、
を備えれば足りる。
【0067】
このようにして、RPAといえば従来ユーザ端末側に導入するものであった概念を覆して、本サービスの提供者側の情報処理装置(例えば
図2のRPA実行サーバ1)で管理して実行させるようにすることができる。
これにより、ユーザに対して、RPAの導入を促して別システム(既存システム)の活性化を図ることが可能になる。
【0068】
また、前記ロボット実行手段は、
前記入力情報の取得から、前記複数の作業に伴う前記別システムにおける前記所定処理の実行までの間において所定のエラーが発生した場合、さらに、前記1以上のロボットに前記所定のエラーへの対応を実行させ、
前記結果提供手段は、前記所定のエラーの内容及びその対応について、前記処理結果情報に含めて又はそれとは別に、前記ユーザ端末に提供する、
ようにしてもよい。
【0069】
また、前記入力情報は電子メールに添付されて前記ユーザ端末から所定のメールサーバに送信され、
前記入力情報取得手段は、前記電子メールに添付された前記入力情報を前記メールサーバからダウンロードすることで、当該入力情報を取得する、
ようにしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1・・・RPA実行サーバ、2・・・メールサーバ、3,3-1乃至3-n・・・ディーラー端末、4,4-1乃至4-p・・・顧客端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、31・・・リムーバブルメディア、51・・・ロボット管理部、52・・・入力情報取得部、53・・・ロボット実行部、54・・・結果提供部、61・・・ロボットDB、R1乃至Rm・・・ロボット、KS・・・既存システム、KS1・・・提案書作成システム、KS2・・・予約送信システム