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特開2023-80907複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム
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  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図1
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図2
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3A
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3B
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3C
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3D
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3E
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図3F
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図4
  • 特開-複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080907
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20230602BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230602BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194471
(22)【出願日】2021-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】507212975
【氏名又は名称】住信SBIネット銀行株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】円山 法昭
(72)【発明者】
【氏名】有園 雄一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、方法及びプログラムを提供すること。
【解決手段】システムにおいて、コンピュータシステム210は、広告枠に広告を提示するための、広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む所望の広告条件を示す情報を受信する手段と、複数のデータベース部にアクセスすることにより、複数のデータベース部の各々に格納されている複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を媒体企業の装置に送信する手段と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、手段と、
前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、
前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段と
を備える、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なり、
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段と
を含む、請求項1に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせである、請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、
前記所望の広告条件を示す情報は、前記広告企業の装置から受信され、
前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段
をさらに備える、請求項4に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
前記広告企業は、第1の広告企業であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を管理および/または追跡する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段
をさらに備える、請求項4または請求項5に記載のコンピュータシステム。
【請求項7】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記方法は、
前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記プロセッサ部が、前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を含む、方法。
【請求項8】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【請求項9】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、手段と、
前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、
前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する手段と、
前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段と
を備える、コンピュータシステム。
【請求項10】
前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なり、
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段と
を含む、請求項9に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせである、請求項9または請求項10に記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備える、請求項9~11のいずれかに記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、
前記所望の広告条件は、前記広告企業の装置から受信され、
前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段
をさらに備える、請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
前記広告企業は、第1の広告企業であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を管理および/または追跡する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段
をさらに備える、請求項12または請求項13に記載のコンピュータシステム。
【請求項15】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記方法は、
前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記プロセッサ部が、前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、
前記プロセッサ部が、前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を含む、方法。
【請求項16】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、
前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブラウザ上でのターゲティング広告が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】DDAI(Data Driven Advertising Initiative)、“ターゲティング広告とは”、[online]、[令和3年9月30日検索]、インターネット<URL:https://www.ddai.info/about_targeting>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のターゲティング広告は、特定の個人を識別して行われているわけではないため、ターゲティング広告の精度は低いものであった。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用することによって、従来に比べて、確実であり、かつ、精度の高いターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、手段と、前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段とを備える。
【0007】
本発明の1つの実施例では、前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なり、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段とを含んでいてもよい。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせであってもよい。
【0009】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備えていてもよい。
【0010】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、前記所望の広告条件を示す情報は、前記広告企業の装置から受信され、前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段をさらに備えていてもよい。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記広告企業は、第1の広告企業であり、前記コンピュータシステムは、前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を管理および/または追跡する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段をさらに備えていてもよい。
【0012】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記方法は、前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、前記プロセッサ部が、前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、前記プロセッサ部が、前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することとを含む。
【0013】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【0014】
本発明の1つの局面において、本発明のコンピュータシステムは、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、手段と、前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する手段と、前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段とを備える。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なり、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段とを含んでいてもよい。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせであってもよい。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備えていてもよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、前記所望の広告条件は、前記広告企業の装置から受信され、前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、前記コンピュータシステムは、前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、前記広告企業は、第1の広告企業であり、前記コンピュータシステムは、前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を管理および/または追跡する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段をさらに備えていてもよい。
【0020】
本発明の1つの局面において、本発明の方法は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記方法は、前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、前記プロセッサ部が、前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、前記プロセッサ部が、前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、前記プロセッサ部が、前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することとを含む。
【0021】
本発明の1つの局面において、本発明のプログラムは、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであり、前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザに関する情報が格納されており、ユーザに関する情報の各々は、対応するユーザの識別子を含み、前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、前記媒体企業のデータベース部以外の前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することとを少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用することによって、従来に比べて、確実であり、かつ、精度の高いターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を実現するためのフローの一例を示す図
図2】複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を実現するためのシステム200の構成の一例を示す図
図3A】ユーザデータベース部261に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3B】媒体企業データベース部262に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3C】識別子データベース部263に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3D】広告枠データベース部264に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3E】提携企業Aのデータベース部231に格納されている情報の構成の一例を示す図
図3F】提携企業Bのデータベース部231に格納されている情報の構成の一例を示す図
図4】システム200において実行されるフローの一例を示す図
図5】コンピュータシステム210において実行されるフローの一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本明細書において用いられる用語を定義する。
【0025】
・「運用企業」とは、他の複数の企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を横断的に運用する企業をいう。
【0026】
・「提携企業」とは、運用企業と提携している企業をいう。
【0027】
・「媒体企業」とは、ユーザがアクセス可能な媒体を提供および/または管理している企業をいう。媒体上には、広告を提示することが可能な広告枠が設けられている。
【0028】
・「広告企業」とは、媒体企業が提供および/または管理している媒体上での広告の提示を希望する企業をいう。
【0029】
1.複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告
出願人は、複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を提案する。この新しいターゲティング広告は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を横断的に運用する運用企業と、広告が表示される場所である広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業とが協働して広告枠と個人情報とのセットを広告企業に提供し、個人情報を利用してその広告枠において広告企業の所望の広告を実施することを企図したものである。この新しいターゲティング広告によれば、運用企業および媒体企業は、以下の態様で協働する。
【0030】
運用企業は、媒体企業が提供する媒体上の広告枠を広告企業に販売する。広告企業は、広告のデータを(例えば、運用企業を介してまたは直接)媒体企業に提供する。広告企業は、所望の広告条件(例えば、広告のターゲットであるユーザを示すターゲット条件、広告を提示するタイミングを示すタイミング条件)を運用企業に提供し、運用企業は、複数の提携企業の複数のデータベース部を参照して、複数の提携企業の複数のデータベース部内の複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する。さらに、運用企業は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を、これらの識別子がどのような条件で取得された識別子であるかが分からない態様で、媒体企業に提供する。これにより、媒体企業は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子(例えば、媒体企業にユーザ登録している少なくとも1人のユーザの識別子)を取得する。さらに、媒体企業は、このようにして取得された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザが媒体企業の媒体上の広告枠を閲覧したとき(例えば、広告枠が掲載されている媒体にアクセスしたときや、広告枠が掲載されている媒体にアクセスした後、所定の時間が経過したときなど)に、取得された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザに対して、広告を広告枠上で提示することが可能である。このように、運用企業が、複数の提携企業の複数のデータベース部内に蓄積されている個人情報に基づいて所望の広告条件を満たすユーザを確認することによって、ユーザを識別した上でユーザに対して広告が広告枠上に表示されることになる。このため、従来に比べて、確実であり、かつ、精度の高いターゲティング広告を実現することが可能である。なお、ユーザの識別子は、ユーザを識別することが可能である限りにおいて、任意のものであり得る。ユーザの識別子は、例えば、メールアドレス、電話番号(例えば、ユーザが居住する家の固定電話の電話番号、ユーザが所有する携帯電話の電話番号)、メールアドレスと電話番号との組み合わせ、ユーザが所有する装置(例えば、携帯電話、車、冷蔵庫、電子レンジ)に固有のデバイスID、マイナンバーカードを所有する個人を識別する番号、または、これらの任意の組み合わせであり得るが、これらに限定されない。メールアドレスまたは携帯電話の電話番号がユーザの識別子として主に使用されてもよい。
【0031】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0032】
図1は、複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を実現するためのフローの一例を示す。なお、運用企業が、媒体企業が提供する媒体上の広告枠を販売しているものとする。広告枠は、広告枠内での広告回数および/または広告期間が設定された状態で、販売され得る。なお、図1を参照して説明される各ステップおよび処理は、コンピュータシステムまたは装置によって実行されてもよいし、企業の従業員によって実行されてもよい。以下、図1に示される各ステップを詳しく説明する。
【0033】
ステップS101:媒体企業の媒体上の広告枠における広告を希望する広告企業は、広告枠を購入するための購入要求を運用企業に送信する。広告枠の購入要求は、広告企業の所望の広告内容を示す広告データ、広告枠に広告企業の所望の広告を提示するための所望の広告条件などを含み得る。所望の広告条件は、例えば、所望の広告のターゲットを特定するためのターゲット条件、所望の広告を提示するタイミングを示すタイミング条件などを含み得る。
【0034】
ステップS102:運用企業は、広告枠の購入要求に応答して、広告枠を広告企業に販売する。このとき、運用企業は、販売された広告枠の二次流通を管理および追跡するために、販売された広告枠と、広告企業の所望の広告条件と、広告企業の所望の広告とを関連付けて記録し得る。
【0035】
ステップS103:運用企業は、複数の提携企業のうちの少なくとも1つの提携企業のデータベース部から、所望の広告条件に含まれるターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する。
【0036】
図1のステップS103は、例えば、運用企業が広告企業の所望の広告条件を広告企業から受信したことに応答して実行されてもよいし、広告企業の所望の広告条件を満たすユーザの特定を要求する特定要求を運用企業が媒体企業から受信したことに応答して実行されてもよい。運用企業は、広告企業の所望の広告条件を満たすユーザの特定を要求する特定要求を媒体企業から受信したことに応答して図1のステップS103を実行することによって、リアルタイムにターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することが可能である。
【0037】
ステップS104:運用企業は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を媒体企業に送信する。あるいは、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子をハッシュ化して得られるハッシュ値を媒体企業がユーザの識別に使用している場合には、運用企業は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子をハッシュ化し、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子に代えて、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のハッシュ値を媒体企業に送信するようにしてもよい。
【0038】
媒体企業は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子(またはそのハッシュ値)を受信したことに応答して、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する。これにより、媒体企業は、広告企業によって購入された広告枠上で広告企業の所望の広告を提示することが可能な状態となる。
【0039】
媒体企業は、特定された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザがタイミング条件を満たしたか否かを判定する。特定された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザがタイミング条件を満たしたと判定された場合には、媒体企業は、媒体企業の媒体上の広告枠において、特定された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザに対して、広告企業の所望の広告を提示する。
【0040】
ステップS105:媒体企業、広告企業、および複数の提携企業の各々は、運用企業が提供するシステムの利用料を運用企業に支払う。媒体企業がシステム利用料を支払うタイミング、広告企業がシステム利用料を支払うタイミング、および、複数の提携企業の各々がシステム利用料を支払うタイミングは、いずれも異なるものであってもよいし、いずれか2つが同時であってもよいし、すべて同時であってもよい。
【0041】
複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告の具体的な一実施形態では、媒体企業が、ポータルサイトを運営する小売企業1であり(ただし、小売企業1は、運用企業が提携する複数の提携企業のうちの1つではない)、媒体が、そのポータルサイトのアプリケーションであり、広告企業が、航空会社2であり、広告は、航空会社2のお薦めの旅行プランの広告であり、提携企業が、ECサイトを提供している販売企業3であり、販売企業3は、そのECサイト上で少なくともスーツケースを販売しており、所望の広告条件に含まれるターゲット条件が、「直近2週間以内に販売企業3のECサイトにおいてスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有する人物であること」であり、所望の広告条件に含まれるタイミング条件が、「小売企業1のポータルサイトのアプリケーションにアクセスしたとき」である場合に、
ステップ(1)運用企業は、「販売企業3」を示す情報がターゲット条件に含まれているため、販売企業3のデータベース部から、直近2週間以内にスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有する1人以上のユーザの識別子を取得し、
ステップ(2)運用企業は、ステップ(1)において取得された1人以上のユーザの識別子を小売企業1に提供し、
ステップ(3)小売企業1は、ステップ(1)において取得された1人以上のユーザの識別子のうち、小売企業1のデータベース部内に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定し、
ステップ(4)小売企業1は、小売企業1のポータルサイトのアプリケーションにアクセスしたユーザが、ステップ(3)において特定された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザであるか否かを判定し、
ステップ(5)小売企業1は、小売企業1のポータルサイトのアプリケーションにアクセスしたユーザが、ステップ(3)において特定された少なくとも1人のユーザの識別子によって識別されるユーザである場合に、そのユーザに対して航空会社2のお薦めの旅行プランを小売企業1のポータルサイトのアプリケーション上の広告枠において提示することが可能である。
【0042】
このように、本発明の新しいターゲティング広告では、複数のデータベース部内に蓄積されるユーザの識別子によってユーザを識別した上で、直近2週間以内に販売企業3のECサイトにおいてスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有するユーザに対して、航空会社2のお薦めの旅行プランの広告を、小売企業1のポータルサイトのアプリケーション上の広告枠において行うことが可能である。
【0043】
なお、ステップ(1)においてターゲット条件から「販売企業3」を示す情報を特定することは、ターゲット条件から「販売企業3」を特定することが可能な態様で航空会社2が所望の広告条件を運用企業のインターフェースに入力して所望の広告条件のターゲット条件が航空会社2から運用企業に提供されることによって、実現されてもよいし、運用企業のAI機能または機械学習機能がターゲット条件から「販売企業3」を示す情報を抽出することによって、実現されてもよい。
【0044】
代替的には、ターゲット条件が、「直近2週間以内にスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有する人物であること」である場合(すなわち、ターゲット条件が、提携企業に関する情報(提携企業を指定する情報)を含まない場合)には、ステップ(1)に代えて、ステップ(1’)において、運用企業は、複数の提携企業の複数のデータベース部の中から参照するデータベース部をランダムに決定し、決定されたデータベース部において、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得してもよいし、複数の提携企業のすべての複数のデータベース部の中から、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得してもよい。あるいは、運用企業は、「スーツケースの購入履歴または閲覧履歴」から属性・分類子「販売」を特定し、属性・分類子「販売」を有する販売企業3を含む複数の販売企業の複数のデータベース部に格納されている複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得してもよい。属性・分類子の特定は、例えば、ターゲット条件の入力が、属性・分類子を特定可能なように構成されていることによって、達成されてもよいし、ターゲット条件の記載に基づいて、運用企業のコンピュータシステムのAI機能または機械学習機能を利用して達成されてもよい。
【0045】
代替的には、検索サイトを提供している検索サイト企業4が別の提携企業として存在し、ターゲット条件が、「直近2週間以内に販売企業3のECサイトにおいてスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有し、かつ、検索サイト企業4の検索サイトにおいて旅行に関する検索履歴を有する人物であること」である場合(すなわち、ターゲット条件が、提携企業に関する情報(例えば、提携企業を指定する情報)を含まない場合)には、ステップ(1)に代えて、ステップ(1’’)において、運用企業は、「販売企業3」を示す情報がターゲット条件に含まれているため、販売企業3のデータベース部から、直近2週間以内にスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有する1人以上のユーザの識別子を取得し、「検索サイト企業4」を示す情報がターゲット条件に含まれているため、検索サイト企業4のデータベース部から、旅行に関する検索履歴を有する1人以上のユーザの識別子を取得し、直近2週間以内にスーツケースの購入履歴または閲覧履歴を有する1人以上のユーザの識別子および旅行に関する検索履歴を有する1人以上のユーザの識別子の少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として取得してもよい。
【0046】
代替的には、媒体企業が、運用企業が提携する複数の提携企業のうちの1つである場合には、ステップ(2)は省略され、ステップ(3)の動作主体は、運用企業であり、運用企業は、ステップ(3)の後かつステップ(4)の前に、ステップ(3)において特定された少なくとも1人のユーザの識別子を小売企業1に提供する。
【0047】
上述したように、提携企業のデータベース部に格納されているユーザの識別子(例えば、ユーザの携帯電話番号やメールアドレスなどの個人情報)が運用企業によって使用されるため、ユーザが提携企業の会員として登録するときに(すなわち、ユーザ自身の個人情報などを提携企業のデータベース部に登録するときに)、登録されるユーザの個人情報が運用企業によって使用され得ることをユーザが承諾することを(提携企業または運用企業のコンピュータシステムによって)ユーザが要求され得る。登録されるユーザの個人情報が運用企業によって使用され得ることをユーザが承諾した場合、運用企業は、提携企業のデータベース部から、そのユーザの個人情報を取得することが可能になる。ユーザは、その見返りとして、提携企業または運用企業から、所定のタイミングで、提携企業または運用企業に関連付けられた利益の還元を受けることが可能であってもよい。その所定のタイミングは、例えば、そのユーザの個人情報が一次流通市場における広告のために運用企業によって使用されたときであってもよく、そのユーザの個人情報が二次流通市場における広告のために運用企業によって使用されたときでもよく、その両方のときであってもよいが、これらに限定されない。そのような利益の還元がどのように実現されるのかは問わない。そのような利益の還元は、例えば、キャッシュバック、ポイント、マイル、商品、商品券などを用いて実現されてもよいが、これらに限定されない。
【0048】
2.複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を実現するためのシステムの構成
図2は、複数の提携企業の複数のデータベース部を横断的に参照してなされる新しいターゲティング広告を実現するためのシステム200の構成の一例を示す。
【0049】
図2に示される実施形態では、システム200は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を横断的に運用する運用企業が管理・運営するコンピュータシステム210と、広告が表示される広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置220~220と、運用企業と提携している複数の提携企業の装置230~230と、ユーザに対する広告の提示を希望する広告企業の装置240~240とを備える。コンピュータシステム210は、インターネット250を介して、媒体企業の装置220~220のそれぞれ、および、複数の提携企業の装置230~230のそれぞれ、および、広告企業の装置240~240のそれぞれと通信することが可能なように構成されている。ここで、N、Lは、1以上の整数であり、Mは2以上の整数である。
【0050】
コンピュータシステム210は、運用企業のための処理を実行する情報処理システムである。図2に示される実施形態では、コンピュータシステム210は、インターフェース部211と、1つ以上のCPU(Central Processing Unit)を含むプロセッサ部212と、メモリ部213とを含む。コンピュータシステム210のハードウェア構成は、その機能を実現できる限りにおいて特に限定されず、単一のマシンで構成されていてもよく、複数台のマシンを組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0051】
インターフェース部211は、媒体企業の装置220~220のそれぞれとの通信を制御し、複数の提携企業の装置230~230のそれぞれとの通信を制御し、広告企業の装置240~240のそれぞれとの通信を制御する。
【0052】
メモリ部213には、処理を実行するために必要とされるプログラムやそのプログラムを実行するために必要とされるデータ等が格納されている。ここで、プログラムをどのようにしてメモリ部213に格納するかは問わない。例えば、プログラムは、メモリ部213にプリインストールされていてもよい。あるいは、プログラムは、インターネット340などのネットワークを経由してダウンロードされることによってメモリ部213にインストールされるようにしてもよいし、光ディスクやUSBなどの記憶媒体を介してメモリ部213にインストールされるようにしてもよい。
【0053】
プロセッサ部212は、コンピュータシステム210全体の動作を制御する。プロセッサ部212は、メモリ部213に格納されているプログラムを読み出し、そのプログラムを実行する。これにより、コンピュータシステム210は、所望のステップを実行する装置として機能することが可能であり、コンピュータシステム210のプロセッサ部212は、所望の機能を達成する手段として動作することが可能である。
【0054】
コンピュータシステム210は、データベース部260に接続されている。データベース部260は、ユーザデータベース部261と、媒体企業データベース部262と、識別子データベース部263と、広告枠データベース部264とを含む。
【0055】
媒体企業の装置220~220のそれぞれは、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。媒体企業の装置220は、媒体企業のための処理を実行するように構成される。媒体企業の装置220~220のそれぞれは、例えば、コンピュータシステム210と同様の構成を有し得る。
【0056】
複数の提携企業の装置230~230のそれぞれは、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。提携企業の装置230は、提携企業のための処理を実行するように構成される。複数の提携企業の装置230~230のそれぞれは、例えば、コンピュータシステム210と同様の構成を有し得る。
【0057】
提携企業の装置230は、提携企業のデータベース部231に接続されており、・・・提携企業の装置230は、提携企業のデータベース部231に接続されている。
【0058】
広告企業の装置240~240のそれぞれは、インターネット250を介して、コンピュータシステム210と通信することが可能なように構成されている。広告企業の装置240は、広告企業のための処理を実行するように構成される。広告企業の装置240~240のそれぞれは、例えば、コンピュータシステム210と同様の構成を有し得る。
【0059】
なお、図2に示される実施形態では、媒体企業の装置220~220のそれぞれ、および、複数の提携企業の装置230~230のそれぞれ、および、広告企業の装置240~240のそれぞれがインターネット250を介してコンピュータシステム210と通信可能であると説明したが、本発明はこれに限定されない。インターネット250の代わりに任意のタイプのネットワークを用いることも可能である。
【0060】
また、図2に示される実施形態では、データベース部260は、コンピュータシステム210の外部に設けられているが、本発明はこれに限定されない。データベース部260をコンピュータシステム210の内部に設けることも可能である。データベース部260の構成は、特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部260は、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。例えば、データベース部260は、コンピュータシステム210の単一の外付けハードディスク装置として構成されてもよいし、ネットワークを介して接続されるクラウド上のストレージとして構成されてもよい。さらに、データベース部260に含まれる各データベース部の構成もまた特定のハードウェア構成には限定されない。例えば、データベース部260に含まれる各データベース部もまた、単一のハードウェア部品で構成されてもよいし、複数のハードウェア部品で構成されてもよい。
【0061】
図3Aは、ユーザデータベース部261に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0062】
ユーザデータベース部261には、ユーザに関する情報が格納されている。図3Aに示される実施形態では、ユーザに関する情報は、ユーザを識別するための情報(ユーザID)によって識別されることが可能である。ユーザに関する情報は、例えば、ユーザID、ユーザの氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレスなどを含む。ユーザデータベース部261に格納されているユーザIDは、ユーザデータベース部261内で有効である。
【0063】
図3Bは、媒体企業データベース部262に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0064】
媒体企業データベース部262には、媒体企業に関する情報が格納されている。図3Bに示される実施形態では、媒体企業に関する情報は、媒体企業を識別するための情報(媒体企業ID)によって識別されることが可能である。媒体企業に関する情報は、例えば、媒体企業の企業名、所在地、提供している媒体の名称などをさらに含む。媒体企業に関する情報は、媒体企業が提供している媒体を識別するための媒体IDに関連付けられている。
【0065】
図3Cは、識別子データベース部263に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0066】
識別子データベース部263には、ユーザデータベース部261内のユーザIDと各提携企業の各データベース部内のユーザIDとの間の対応関係を示す識別子情報が格納されている。図3Cに示される実施形態では、ユーザデータベース部261内のユーザIDと提携企業Aのデータベース部231内のユーザID(すなわち、提携企業Aのデータベース部231内において有効なユーザID)および提携企業Bのデータベース部231内のユーザIDおよび提携企業Cのデータベース部231内のユーザIDなどとの間の対応関係が、示されている。
【0067】
図3Dは、広告枠データベース部264に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0068】
広告枠データベース部264には、広告枠に関する情報が格納されている。広告枠に関する情報は、広告枠を識別するための情報(広告枠ID)によって識別されることが可能である。図3Dに示される実施形態では、広告枠に関する情報は、例えば、広告企業の所望の広告条件(例えば、広告のターゲットであるユーザを示すターゲット条件、広告を提示するタイミングを示すタイミング条件)、広告の内容を示すデータ(すなわち、広告データ)、広告の上限回数、広告の上限期間、現在広告している広告企業の名称、転売履歴などを含む。
【0069】
図3Eは、提携企業Aのデータベース部231に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0070】
提携企業Aのデータベース部231には、提携企業Aにおいて管理されているユーザに関する情報が格納されている。提携企業Aにおいて管理されているユーザに関する情報は、提携企業Aのデータベース部231内のユーザIDによって識別されることが可能である。図3Eに示される実施形態では、提携企業Aにおいて管理されているユーザに関する情報は、例えば、ユーザの氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレス、購入履歴、閲覧履歴などを含む。また、提携企業Aの属性・分類子が、提携企業Aにおいて管理されているユーザに関する情報に関連付けられていてもよい。図3Eに示される実施形態では、提携企業Aは、例えば、ECサイト上で商品を販売している販売企業であり得る。
【0071】
図3Fは、提携企業Bのデータベース部231に格納されている情報の構成の一例を示す。
【0072】
提携企業Bのデータベース部231には、提携企業Bにおいて管理されているユーザに関する情報が格納されている。提携企業Bにおいて管理されているユーザに関する情報は、提携企業Bのデータベース部231内のユーザIDによって識別されることが可能である。図3Fに示される実施形態では、提携企業Bにおいて管理されているユーザに関する情報は、例えば、ユーザの氏名、性別、生年月日、住所、電話番号、Eメールアドレス、検索履歴などを含む。また、提携企業Bの属性・分類子が、提携企業Bにおいて管理されているユーザに関する情報に関連付けられていてもよい。図3Fに示される実施形態では、提携企業Bは、例えば、検索サイトを提供する検索サイト企業であり得る。
【0073】
4.コンピュータシステムの処理
図4は、システム200において実行されるフローの一例を示す。図4に示される実施形態では、図4に示される複数のステップのうち、ステップS401は、例えば、広告企業Xの装置240のプロセッサ部によって実行され、ステップS402~S405は、例えば、運用企業のコンピュータシステム210のプロセッサ部211によって実行され、ステップS406~S408は、例えば、媒体企業Pの装置220のプロセッサ部によって実行される。以下、図4に示される各ステップを説明する。
【0074】
ステップS401:広告企業Xの装置240は、コンピュータシステム210に、媒体企業Pが提供する媒体上の広告枠を購入するための購入要求を送信する。購入要求は、広告企業Xの所望の広告条件、および、広告として提示される内容を示す広告データを含む。広告企業Xの所望の広告条件は、広告のターゲットを示すターゲット条件、および、広告を提示するタイミングを示すタイミング条件を含む。ステップS401の処理は、例えば、コンピュータシステム210が提供するインターフェース上に、広告企業Xの装置240を介して、広告枠の購入に必要な情報(例えば、媒体の名称、購入したい広告枠の位置、広告企業Xの名称、支払い方法など)を入力することによって、達成され得る。
【0075】
なお、広告企業Xの所望の広告条件は、図4のステップS404より前の任意のタイミングで、購入要求とは別個にコンピュータシステム210に送信されてもよい。広告企業Xの広告データもまた、購入要求とは別個にコンピュータシステム210に送信されてもよい。広告企業Xの広告データは、ステップS410より前の任意のタイミングで、コンピュータシステム210が提供するインターフェースを介して、媒体企業Pの装置220に転送され得る。
【0076】
ステップS402:コンピュータシステム210は、広告企業Xの装置240から、広告枠を購入するための購入要求を受信する。
【0077】
ステップS403:コンピュータシステム210は、広告企業Xに広告枠を販売するための処理を実行する。広告企業Xに広告枠を販売するための処理は、例えば、販売される広告枠の広告枠IDと広告企業の所望の広告条件と広告企業の広告データとを相互に関連付けて広告枠データベース部264内に格納することにより、販売される広告枠をコンピュータシステム210が管理可能な状態にする処理を含み得る。
【0078】
ステップS403より後かつステップS408より前の任意のタイミングで、コンピュータシステム210は、広告枠に関連付けた状態で(例えば、広告枠IDとともに)、タイミング条件を示す情報を媒体企業Pの装置220に送信し、タイミング条件を媒体企業Pに通知し得る。
【0079】
ステップS404:コンピュータシステム210は、複数の提携企業の装置230~230のそれぞれに接続される複数のデータベース部231~231にアクセスすることにより、複数のデータベース部231~231に格納されている複数のユーザの識別子のうち、広告企業Xの所望の広告条件に含まれるターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する。この処理は、例えば、コンピュータシステム210が広告企業Xの所望の広告条件を受信したことに応答して実行されてもよいし、広告企業Xの所望の広告条件を満たすユーザの特定を要求する特定要求をコンピュータシステム210が媒体企業Pの装置220から受信したことに応答して実行されてもよい。ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する処理は、例えば、複数のデータベース部231~231内において、ターゲット条件を満たす情報を含む「ユーザに関する情報」に関連付けられたユーザIDを特定して取得することによって、達成され得る。
【0080】
例えば、ターゲット条件が、少なくとも、複数の提携企業のうちの提携企業Aに関連する条件と、複数の提携企業のうちの提携企業Bに関連する条件とを含む場合、ステップS404の処理は、例えば、
提携企業Aのデータベース部231にアクセスすることにより、提携企業Aのデータベース部231に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、提携企業Aに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することと、
提携企業Bのデータベース部231にアクセスすることにより、提携企業Bのデータベース部231に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、提携企業Bに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することと、
提携企業Aに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と提携企業Bに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、提携企業Aに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび提携企業Bに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上の識別子を、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定することと
を含む。
【0081】
提携企業Aのデータベース部231に格納されている第1のグループのユーザの識別子が提携企業Bのデータベース部231において有効でない場合、および、提携企業Bのデータベース部231に格納されている第2のグループのユーザの識別子が提携企業Aのデータベース部231において有効でない場合には、コンピュータシステム210は、例えば、識別子データベース部263を参照して、提携企業Aに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子および提携企業Bに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子をそれぞれコンピュータシステム210の識別子データベース部263のユーザ識別子に変換することによって、提携企業Aに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび提携企業Bに関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上の識別子を特定する。
【0082】
例えば、ターゲット条件が、提携企業に関する条件(例えば、提携企業を指定する条件)を含まない場合、ステップS404の処理は、例えば、
複数の提携企業の複数のデータベース部の中から参照するデータベース部をランダムに決定することと、
決定されたデータベース部にアクセスすることにより、決定されたデータベース部に格納されている複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得ことと
を含む。
【0083】
あるいは、ターゲット条件が、提携企業に関する条件(例えば、提携企業を指定する条件)を含まない場合、ステップS404の処理は、例えば、複数の提携企業のすべての複数のデータベース部にアクセスすることにより、複数の提携企業のすべての複数のデータベース部に格納されている複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することを含む。
【0084】
あるいは、ターゲット条件が、提携企業に関する条件(例えば、提携企業を指定する条件)を含まない場合、ステップS404の処理は、例えば、
ターゲット条件から属性・分類子を特定することと、
特定された属性・分類子を有する複数の提携企業の複数のデータベース部に格納されている複数のユーザの識別子のうち、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を特定することと
を含む。属性・分類子の特定は、例えば、ターゲット条件の入力が、属性・分類子を特定可能なように構成されていることによって、達成されてもよいし、ターゲット条件の記載に基づいて、コンピュータシステム210のAI機能または機械学習機能を利用して達成されてもよい。
【0085】
ステップS405:コンピュータシステム210は、媒体企業Pの装置220に、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を送信する。
【0086】
あるいは、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子をハッシュ化して得られるハッシュ値を媒体企業Pの装置220がユーザの識別のために使用している場合には、コンピュータシステム210は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子をハッシュ化し、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子に代えて、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のハッシュ値を媒体企業Pの装置220に送信するようにしてもよい。
【0087】
ステップS406:媒体企業Pの装置220は、コンピュータシステム210から、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を受信する。
【0088】
ステップS407:媒体企業Pの装置220は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、媒体企業Pの装置220のデータベース部221に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する。すなわち、媒体企業Pの装置220は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子および媒体企業Pの装置220のデータベース部221に格納されている複数のユーザの識別子の両方に共通する少なくとも1人のユーザの識別子を特定する。
【0089】
ステップS408:媒体企業Pの装置220は、少なくとも1人のユーザの識別子によって識別可能なユーザがタイミング条件を満たすか否かを判定し、少なくとも1人のユーザの識別子によって識別可能なユーザがタイミング条件を満たす場合には、少なくとも1人のユーザの識別子によって識別可能なユーザに対して、広告枠において広告を提示する。
【0090】
媒体企業Pが、運用企業が提携する複数の提携企業のうちの1つである場合には、コンピュータシステム210は、複数の提携企業の複数のデータベース部231~231のうちの媒体企業Pのデータベース部231に接続されているので、図4のステップS405およびS406が省略される。その理由は、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子に基づく処理を後述のステップS407’において実行することから、もはやターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を媒体企業Pの装置220に送信する必要がないからである。さらに、この場合には、図4のステップS407が省略されることに加えて、コンピュータシステム210が、ステップS404の後に、ステップS407’を実行する(ステップS407’で実行される処理の内容は、図4のステップS407において実行される処理の内容と同様である)。具体的には、コンピュータシステム210は、ステップS407’において、媒体企業Pのデータベース部231にアクセスすることにより、ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、媒体企業Pのデータベース部231に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する。コンピュータシステム210は、ステップS407’の後かつステップS408の前の任意のタイミングで、ステップS407’において取得された少なくとも1人のユーザの識別子を媒体企業Pの装置220に送信する。
【0091】
図5は、コンピュータシステム210において実行されるフローの一例を示す。なお、広告枠が、広告企業Xに販売されており、広告の上限回数および上限期間が設定されているものとする。以下、図5に示される各ステップを説明する。
【0092】
ステップS501:広告企業Xに販売された広告枠の転売が、管理および/または追跡される。この処理は、例えば、スマートコントラクト技術によって実現されることが可能である。
【0093】
ステップS502:広告企業Xに販売された広告枠が広告企業Xから広告企業Yに転売されるか否かが判定される。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS503に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS502に戻る。
【0094】
ステップS503:広告企業Xに販売された広告枠に設定された広告の上限回数および/または上限期間が残っているか否かが判定される。この処理は、例えば、広告企業Xに販売された広告枠の広告枠IDに基づいて、広告枠データベース部264を参照して実行され得る。広告企業Xに販売された広告枠の広告枠IDは、広告枠の転売の管理および/または追跡によって特定されることが可能であり得る。判定結果が「Yes」の場合には、処理はステップS504に進み、判定結果が「No」の場合には、処理はステップS505に進む。
【0095】
ステップS504:広告企業Xから広告企業Yへの広告枠の転売が記録される。この処理は、例えば、広告枠データベース部264を参照して、広告枠データベース部264内の情報(例えば、現在広告している広告企業の名称および転売履歴)を更新することによって、達成される。
【0096】
ステップS505:広告企業Xに対するアラートが、発生させられ、広告企業Xの装置に送信される。広告企業Xに対するアラートは、例えば、広告企業Yへの転売が認められない旨を示すアラート、または、広告の上限回数および/または上限期間の残高が不足している旨を示すアラートである。
【0097】
なお、図4図5に示される実施形態では、メモリ部に格納されたプログラムをプロセッサ部が実行することによって、図4図5に示される各ステップの処理が実現される例を説明したが、本発明はこれに限定されない。図4図5に示される各ステップのうちの少なくとも一部の処理が制御回路などのハードウェア構成によって実現されてもよい。
【0098】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0099】
本発明は、複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用することによって、従来に比べて、確実であり、かつ、精度の高いターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステム、およびそのコンピュータシステムにおいて実行される方法、プログラム等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0100】
200 システム
210 コンピュータシステム
220~220 媒体企業の装置
230~230 提携企業の装置
240~240 広告企業の装置
250 インターネット
260 データベース部
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含み、前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なる、手段と、
前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、
前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段と
を備え
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段と
を含む、コンピュータシステム。
【請求項2】
前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせである、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項3】
前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備える、請求項1または請求項2に記載のコンピュータシステム。
【請求項4】
前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、
前記所望の広告条件を示す情報は、前記広告企業の装置から受信され、
前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段
をさらに備える、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項5】
前記広告企業は、第1の広告企業であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を記録する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段
をさらに備える、請求項または請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項6】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記方法は、
前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含み、前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なる、ことと、
前記プロセッサ部が、前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記プロセッサ部が、前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を含み、
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することは、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することであって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、ことと、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することであって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、ことと、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定することと
を含む、方法。
【請求項7】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含み、前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なる、ことと、
前記複数のデータベース部にアクセスすることにより、前記複数のデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記ターゲット条件を満たす前記1人以上のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせ
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することは、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することであって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、ことと、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得することであって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、ことと、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定することと
を含む、プログラム。
【請求項8】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信する手段であって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、手段と、
前記複数のデータベース部のうち、前記媒体企業のデータベース部以外の少なくとも1つのデータベース部にアクセスすることにより、前記少なくとも1つのデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段と、
前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定する手段と、
前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信する手段と
を備える、コンピュータシステム。
【請求項9】
前記ターゲット条件は、少なくとも、前記複数の提携企業のうちの第1の企業に関連する条件と、前記複数の提携企業のうちの第2の企業に関連する条件とを含み、前記第2の企業は、前記第1の企業とは異なり、
前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得する手段は、
前記第1の企業の第1のデータベース部にアクセスすることにより、前記第1のデータベース部に格納されている第1のグループのユーザの識別子のうち、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第1のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第2の企業の第2のデータベース部にアクセスすることにより、前記第2のデータベース部に格納されている第2のグループのユーザの識別子のうち、前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子を取得する手段であって、前記第2のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つである、手段と、
前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子と前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの識別子とに基づいて、前記第1の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザおよび前記第2の企業に関連する条件を満たす少なくとも1人のユーザの少なくとも両方に共通する1人以上のユーザの識別子を、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子として特定する手段と
を含む、請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項10】
前記識別子は、電話番号、または、メールアドレス、または、これらの組み合わせである、請求項または請求項に記載のコンピュータシステム。
【請求項11】
前記コンピュータシステムは、前記広告枠に前記広告を表示することを希望する広告企業に前記広告枠を販売するための処理を実行する手段をさらに備える、請求項10のいずれかに記載のコンピュータシステム。
【請求項12】
前記コンピュータシステムは、前記広告企業の装置と通信可能なようにさらに構成されており、
前記所望の広告条件は、前記広告企業の装置から受信され、
前記所望の広告条件は、前記広告を提示するタイミングを示すタイミング条件をさらに含み、
前記コンピュータシステムは、
前記広告枠に関連付けた状態で前記タイミング条件を前記媒体企業に通知する手段
をさらに備える、請求項11に記載のコンピュータシステム。
【請求項13】
前記広告企業は、第1の広告企業であり、
前記コンピュータシステムは、
前記第1の広告企業から第2の広告企業への前記広告枠の転売を記録する手段であって、前記第2に広告企業は、前記第1の広告企業と異なる、手段
をさらに備える、請求項11または請求項12に記載のコンピュータシステム。
【請求項14】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行される方法であって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記方法は、
前記プロセッサ部が、前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記プロセッサ部が、前記複数のデータベース部のうち、前記媒体企業のデータベース部以外の少なくとも1つのデータベース部にアクセスすることにより、前記少なくとも1つのデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記プロセッサ部が、前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、
前記プロセッサ部が、前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を含む、方法。
【請求項15】
複数の提携企業の複数のデータベース部に蓄積されている個人情報を利用してターゲティング広告を行うことを可能にするコンピュータシステムにおいて実行されるプログラムであって、
前記コンピュータシステムは、広告枠を提供する媒体を管理する媒体企業の装置と通信することが可能なように構成されており、前記コンピュータシステムは、前記複数の提携企業の前記複数のデータベース部に接続されており、前記複数のデータベース部の各々には、複数のユーザの識別子が格納されており前記媒体企業のデータベース部は、前記複数のデータベース部のうちの1つであり、
前記コンピュータシステムは、プロセッサ部を備え、
前記プログラムは、前記プロセッサ部によって実行されると、
前記広告枠に広告を提示するための所望の広告条件を示す情報を受信することであって、前記所望の広告条件は、前記広告のターゲットを特定するためのターゲット条件を含む、ことと、
前記複数のデータベースのうち、前記媒体企業のデータベース部以外の少なくとも1つのデータベース部にアクセスすることにより、前記少なくとも1つのデータベース部の各々に格納されている前記複数のユーザの識別子のうち、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子を取得することと、
前記媒体企業のデータベース部にアクセスすることにより、前記ターゲット条件を満たす1人以上のユーザの識別子のうち、前記媒体企業のデータベース部に格納されている少なくとも1人のユーザの識別子を特定することと、
前記少なくとも1人のユーザの識別子を前記媒体企業の装置に送信することと
を少なくとも実行することを前記プロセッサ部に行わせる、プログラム。