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特開2023-80911結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体
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  • 特開-結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体 図1
  • 特開-結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体 図2
  • 特開-結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080911
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体
(51)【国際特許分類】
   C03C 15/00 20060101AFI20230602BHJP
   C03C 23/00 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
C03C15/00 Z
C03C23/00 A
C03C15/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194479
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】501255549
【氏名又は名称】三和フロスト工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100207251
【弁理士】
【氏名又は名称】矢島 弘文
(72)【発明者】
【氏名】小泉 日▲祥▼斗
(72)【発明者】
【氏名】水島 康輔
(72)【発明者】
【氏名】今井 了
(72)【発明者】
【氏名】大橋 誠
【テーマコード(参考)】
4G059
【Fターム(参考)】
4G059AA01
4G059AA15
4G059AB01
4G059AC02
4G059BB04
4G059BB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】結晶化ガラスの表面にデザイン加工する手段を提供する。
【解決手段】結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、硝酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、
アンモニウム塩と、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、
前記結晶化ガラスを水洗いする水洗工程と、
を有することを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法において、
前記アンモニウム塩は、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウムのうちのいずれか1つであることを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項3】
請求項1に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法において、
前記アンモニウム塩は、硝酸アンモニウムであり、
前記フロスト加工工程の薬液は、硝酸アンモニウムと、フッ化水素酸と、硝酸と、水とからなることを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項4】
請求項1に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法において、
前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウムであり、
前記フロスト加工工程の薬液は、硫酸アンモニウムと、フッ化水素酸と、硝酸と、水とからなることを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項5】
請求項1に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法において、
前記アンモニウム塩は、塩酸アンモニウムであり、
前記フロスト加工工程の薬液は、塩酸アンモニウムと、フッ化水素酸と、硝酸と、水とからなることを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法において、
前記フロスト加工工程の薬液は、15℃~25℃であることを特徴とする結晶化ガラスのフロスト加工方法。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の結晶化ガラスのフロスト加工により得られた結晶化ガラスであって、
前記結晶化ガラスは、その表面に微細な凹凸面を有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項8】
請求項7に記載の結晶化ガラスにおいて、
前記微細な凹凸面は、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状の模様を有することを特徴とする結晶化ガラス。
【請求項9】
請求項8に記載の結晶化ガラスを使用して製造された携帯端末用筐体。
【請求項10】
請求項1に記載の結晶化ガラスのフロスト加工方法に用いられる薬液であって、
アンモニウム塩と、硝酸と、フッ化水素酸とを含むことを特徴とする薬液。
【請求項11】
請求項10に記載の薬液において、
前記アンモニウム塩は、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウムのうちのいずれか1つであることを特徴とする薬液。
【請求項12】
請求項10に記載の薬液において、
前記アンモニウム塩は、硝酸アンモニウムであり、
前記薬液は、硝酸アンモニウム:40~60wt%と、フッ化水素酸:10~20wt%と、硝酸:3~10wt%と、水:残余とからなることを特徴とする薬液。
【請求項13】
請求項10に記載の薬液において、
前記アンモニウム塩は、硫酸アンモニウムであり、
前記薬液は、硫酸アンモニウム:40~55wt%と、フッ化水素酸:10~20wt%と、硝酸:3~10wt%と、水:残余とからなることを特徴とする薬液。
【請求項14】
請求項10に記載の薬液において、
前記アンモニウム塩は、塩酸アンモニウムであり、
前記薬液は、塩酸アンモニウム:45~65wt%と、フッ化水素酸:10~20wt%と、硝酸:3~10wt%と、水:残余とからなることを特徴とする薬液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフロスト加工においては、フロスト加工薬液(薬液)としてフッ化水素アンモニウム(NH4HF2)、硝酸(HNO3)およびフッ化水素酸(HF)を用いることにより、ソーダガラス表面に雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を形成するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
近年のスマートフォン(スマホ)、タブレット端末や小型ノートパソコン等の小型軽量で持ち運ぶことができる携帯端末は、大容量通信が求められ、電波の高周波化が進んでいる。また、スマホケース(携帯端末用筐体)は現在金属ケースが主流であるが、金属は高周波の電波を反射するため、効率よく運用できない。
【0004】
そこで、電波を反射しない特性があるガラスでケースを作ることにより、この不具合を解消できる。電波を反射しない特性があるガラスには、デザイン性を高めるとともに指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)するため、強化できるガラスであること、表面に模様がつけられること、かつ表面に凹凸を有することが求められる。
【0005】
そのため、結晶化ガラス表面へのフロスト加工(以後、デザイン加工ともいう。)は今後、スマホの高性能化に必要な技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平2-0080351
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の技術においては、ソーダガラスと比較してエッチングレートの早い結晶化ガラスは、上述したフッ化水素アンモニウム(NH4HF2)、硝酸(HNO3)およびフッ化水素酸(HF)からなる薬液を用いることにより、デザイン加工することができないという問題がある。
【0008】
従来のフロスト加工では、薬液にフッ化水素アンモニウムを用いており、HFが入っているため液中のHF濃度のコントロールが困難であり、エッチングレートを低レートにコントロールすることが特に難しかった。
【0009】
特に強化ガラスの1つである結晶化ガラスのエッチングレートは、ソーダガラスに比べ数倍早いためエッチングレートの調整が困難であった。
【0010】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、結晶化ガラスの表面にデザイン加工をすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そのため、本発明は、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩と、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、
前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
このようにした本発明は、結晶化ガラスの表面にデザイン加工することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施例におけるデザイン加工工程の説明図
図2】実施例における結晶化ガラス表面の写真
図3】比較例における結晶化ガラス表面の写真
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明による結晶化ガラスのフロスト加工方法、それに用いる薬液、その方法により得られた結晶化ガラスおよび携帯端末用筐体の実施例を説明する。
【実施例0015】
図1は本実施例におけるデザイン加工工程の説明図である。
【0016】
図1において、デザイン加工は、前処理→フロスト加工→水洗→希硫酸洗浄→水洗・乾燥の順に5つの工程により行われる。なお、各工程で使用される薬液濃度の組成比率は重量%(wt%)である。
【0017】
まず、前処理工程を説明する。
【0018】
前処理工程は、結晶化ガラスに付いているゴミ等の異物除去およびガラス表面をライトエッチングする処理であり、前処理液により酸洗浄を行うものである。
【0019】
本実施例では、薬液濃度の組成比は硝酸:10wt%とフッ化水素酸:10wt%と水:80wt%とであり、処理時間は60秒である。
【0020】
次に、フロスト加工工程を説明する。
【0021】
フロスト加工工程は、前処理工程を終えた結晶化ガラスをフロスト加工液に浸漬して腐食させて結晶化ガラス表面にパターン(模様)を形成する加工である。
【0022】
薬液は、アンモニウム塩とフッ化水素酸と硝酸と水とからなるものを用いる。
【0023】
アンモニウム塩は、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム若しくは塩酸アンモニウムである。
【0024】
つまり、アンモニウム塩として、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩酸アンモニウムのうちのいずれか1つが薬液に含まれていればよい。
【0025】
本実施例では、薬液濃度の組成比は硝酸アンモニウム:40~60wt%とフッ化水素酸:10~20wt%と硝酸:3~10wt%と水:残余であり、処理時間は180秒である。
【0026】
このとき、薬液温度は15℃~25℃の間が望ましい。
【0027】
次に、水洗工程を説明する。
【0028】
水洗工程は、水洗水によりエッチングの進行で結晶化ガラスの表面に付着した反応生成物の除去および反応停止を促すものである。
【0029】
本実施例では、水:100%で処理時間は60秒である。
【0030】
次に、希硫酸洗浄工程を説明する。
【0031】
希硫酸洗浄工程は、希硫酸洗浄液に結晶化ガラスを浸漬することでガラス表面に付着している反応生成物を除去し洗浄するものである。
【0032】
本実施例では、希硫酸洗浄液において、薬液濃度の組成比は硫酸:4wt%と水:96wt%とであり、処理時間は60秒である。
【0033】
最後に、水洗乾燥工程として結晶化ガラスを水:100wt%の水洗水で洗浄した後、60秒間乾燥させる。
【0034】
以上説明したような工程によりデザイン加工が行われる。
【0035】
ここで、本実施例によるデザイン加工された結晶化ガラス表面と比較例として従来のフロスト加工された結晶化ガラス表面との比較を図2(a)の実施例における結晶化ガラス表面の写真と図3の比較例における結晶化ガラス表面の写真を用いて説明する。なお、図2(b)は実施例における結晶化ガラス表面の顕微鏡写真である。
【0036】
従来のフロスト加工は、前処理→フロスト加工→水洗→希硫酸洗浄液→水洗・乾燥の工程により行われた。各工程の薬液濃度の組成比は、前処理液は硝酸:5~10wt%とフッ化水素酸:2~15wt%と水:残余とし、フロスト加工液は硝酸:5~10wt%とフッ化水素酸:2~15wt%とフッ化水素アンモニウム:45~65wt%と水:残余とし、水洗水は水:100%とし、希硫酸洗浄液は硫酸:4wt%と水96wt%とした。
【0037】
本実施例によるデザイン加工は、フロスト加工工程における薬液濃度の組成比を硝酸アンモニウム:50wt%とフッ化水素酸:20wt%と硝酸:5wt%と水:25wt%とし、薬液温度を20℃とし、それ以外の各工程における諸条件は上述したものと同様にして行われた。
【0038】
従来のフロスト加工は、硝酸とフッ化水素アンモニウムを混合した薬液にガラス製品を浸けることにより、ガラス表面に光沢があり、かつ鱗模様がキラキラと輝く処理表面を得ることができる(特許文献1参照)。
【0039】
しかしながら、図3に示すように、従来の薬液により結晶化ガラスをフロスト加工する場合は、結晶化ガラス表面に均一なパターン(模様)を形成することができない。
【0040】
一方、本実施例によるデザイン加工は、エッチングレートに影響を与える液中のHFイオンを下げるために、フッ化水素アンモニウムの代わりに硝酸アンモニウム(NH4NO3)を用いることにより、液中のHF濃度のコントロールがしやすくなり、エッチングレートを適正に低く抑えることができ、図2(a)に示すように結晶化ガラス表面に均一なパターン(模様)を形成することができる。
【0041】
このように、第1の実施例では、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩としての硝酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、図2(a)に示すような微細な凹凸面を結晶化ガラスの表面に形成(デザイン加工)することができる。
【0042】
また、図2(b)に示すように、結晶化ガラス表面に微細な凹凸面としてのシダの葉状のパターン(模様)を形成することができる。
【0043】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができる。
【0044】
また、硝酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができる。
【0045】
また、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができる。
【0046】
以上説明したように、第1の実施例では、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、硝酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、結晶化ガラスの表面にデザイン加工することができるという効果が得られる。
【0047】
また、結晶化ガラス表面に微細な凹凸面としての雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を形成することができるという効果が得られる。
【0048】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができるという効果が得られる。
【0049】
また、硝酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができるという効果が得られる。
【0050】
また、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができるという効果が得られる。
【実施例0051】
第2の実施例の構成は、アンモニウム塩として硫酸アンモニウムを用いる。
【0052】
以下、第1の実施例と同様の部分は、その説明を省略する。
【0053】
本実施例では、フロスト加工工程における薬液濃度の組成比を、硫酸アンモニウム:40~55wt%とフッ化水素酸:10~20wt%と硝酸:3~10wt%と水:残余とし、薬液温度を20℃としてデザイン加工を行った。
【0054】
このように、第2の実施例でも、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩としての硫酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、微細な凹凸面を結晶化ガラスの表面に形成(デザイン加工)することができる。
【0055】
また、微細な凹凸面は、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を有する。
【0056】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができる。
【0057】
また、硫酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができる。
【0058】
また、本実施例では、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができる。
【0059】
以上説明したように、第2の実施例でも、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩としての硫酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、結晶化ガラスの表面にデザイン加工することができるという効果が得られる。
【0060】
また、結晶化ガラス表面に微細な凹凸面としての雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を形成することができるという効果が得られる。
【0061】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができるという効果が得られる。
【0062】
また、硫酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができるという効果が得られる。
【0063】
また、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができるという効果が得られる。
【実施例0064】
第3の実施例の構成は、アンモニウム塩として塩酸アンモニウムを用いる。
【0065】
以下、第1の実施例と同様の部分は、その説明を省略する。
【0066】
本実施例では、フロスト加工工程における薬液濃度の組成比を、塩酸アンモニウム:40~55wt%とフッ化水素酸:10~20wt%と硝酸:3~10wt%と水:残余とし、薬液温度を20℃としてデザイン加工を行った。
【0067】
このように、第3の実施例でも、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩としての塩酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、微細な凹凸面を結晶化ガラスの表面に形成(デザイン加工)することができる。
【0068】
また、微細な凹凸面は、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を有する。
【0069】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができる。
【0070】
また、塩酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができる。
【0071】
また、本実施例では、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができる。
【0072】
以上説明したように、第3の実施例でも、結晶化ガラスを酸洗浄する前処理工程と、アンモニウム塩としての塩酸アンモニウムと、硝酸と、フッ化水素酸とを含む薬液に前記結晶化ガラスを浸漬するフロスト加工工程と、前記結晶化ガラスを水洗いする工程と、を有することにより、結晶化ガラスの表面にデザイン加工することができるという効果が得られる。
【0073】
また、結晶化ガラス表面に微細な凹凸面としての雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を形成することができるという効果が得られる。
【0074】
また、本実施例のデザイン加工方法により得られた結晶化ガラスを用いてスマートフォンケースを作ることにより、電波を反射しない特性を有するとともに、表面に凹凸を有する模様をつけることでデザイン性を高めることができ、指紋の付着を軽減してつかみやすく(滑りにくく)することができるという効果が得られる。
【0075】
また、塩酸アンモニウム、硝酸の濃度、薬液温度を調整することで雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を変化させることができるという効果が得られる。
【0076】
また、パターン(模様)の成長スピードに合わせたエッチングレートにすることができ、雪の結晶状、霜状またはシダの葉状のパターン(模様)を結晶化ガラス表面全体に均等に分散配置することができるという効果が得られる。
【0077】
なお、第1の実施例から第3の実施例では、結晶化ガラスにデザイン加工できるとして説明したが、結晶化ガラスに限定されず、エッチングレートの早いガラス素材にデザイン加工するようにしてもよい。
図1
図2
図3