(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080914
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ロール状ペーパータオル包装体の製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
B65D85/672
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194483
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000183462
【氏名又は名称】日本製紙クレシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光
(72)【発明者】
【氏名】大岡 康伸
(72)【発明者】
【氏名】大篭 幸治
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA03
3E037BA09
3E037BB08
3E037BB20
3E037BC01
3E037CA06
(57)【要約】
【課題】4ロール包装体が2個包装されたロール状ペーパータオル包装体において、持ち運び時にフィルムが破れにくく、適度なタイト性を持つことによって持ち運びやすさと美粧性に優れ、包装体内のロール状ペーパータオルが潰れにくく、包装体内でロール状ペーパータオルを安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体の製造方法を提供する。
【解決手段】ロール状ペーパータオルを4ロール第一フィルムに挿入し、シールしてガゼット包装する工程と、4ロール包装体を2個、第二フィルムに挿入し、シールしてガゼット包装する工程を含み、第一ガゼット折り部の傾斜角が15°以上50°以下、第二ガゼット折り部の傾斜角が25°以上55°以下であり、幅方向と奥行方向の寸法比が1.5:1以上2.6:1以下、ロール状ペーパータオルの巻き固さが2mm以上10mm以下である、ロール状ペーパータオル包装体の製造方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルを、縦方向に2ロール、横方向に2ロールの合計4ロールを全て軸方向が揃った状態で、筒状で一方がシールされた第一フィルムに他方から挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で4ロール包装体を製造する工程と、
前記4ロール包装体を2個、前記ロール状ペーパータオルの軸方向が高さ方向と略平行で、幅方向に4個並ぶように配置された状態で、筒状で一方がシールされた第二フィルムに他方から順番に挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で包装してロール状ペーパータオル包装体を製造する工程を含む、ロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、
前記4ロール包装体における第一ガゼット折り部の傾斜角が15°以上50°以下、ロール状ペーパータオル包装体における第二ガゼット折り部の傾斜角が25°以上55°以下であり、
ロール状ペーパータオル包装体の底面における幅方向と奥行方向の寸法比が1.5:1以上2.6:1以下であり、
前記ロール状ペーパータオルの巻き固さが2mm以上10mm以下であり、
(前記4ロール包装体×2の重量/前記第二フィルムの坪量)が30(g/(g/m2))以上100(g/(g/m2))以下であることを特徴とする、ロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【請求項2】
ロール状ペーパータオル包装体の幅方向の寸法が400mm以上480mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上260mm以下、高さ方向の寸法が260mm以上300mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【請求項3】
前記4ロール包装体の幅方向の寸法が190mm以上240mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上240mm以下、高さ方向の寸法が255mm以上295mm以下であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【請求項4】
前記4ロール包装体はガゼット包装により形成された取っ手部を含む第一シール部を、ロール状ペーパータオル包装体はガゼット包装により形成された第二シール部をそれぞれ有し、
前記第二フィルムに前記4ロール包装体を2個挿入する工程において、前記第一シール部の延伸する方向と前記4ロール包装体を挿入する方向が略直角であり、前記ロール状ペーパータオルの軸方向と、前記第二シール部の延伸する方向とが略平行であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【請求項5】
前記ロール状ペーパータオルのコアを除くロール重量が100g以上550g以下、巻長が7m以上24m以下、ロール密度が0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【請求項6】
前記第二フィルムの厚さが25μm以上60μm以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、8ロールのロール状ペーパータオル包装体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、トイレットロールやキッチンタオルロール等のロール製品を複数個包装したロール製品包装体として、ポリエチレン等の筒状フィルムにガゼット(ガセットとも称する)を対称的に折り込んで本体としたものが知られている。
【0003】
こうしたガゼット包装体は、持ち運び時等にフィルムが破れにくく包装体美粧性に優れたフィルムとするために、タイト性や内容物の仕様について適宜検討がなされてきた。また、このような包装体の複数個をさらにガゼット包装した二重包装体も知られている。
【0004】
ロール製品包装体に関する技術の先行技術文献としては、例えば、特許文献1には偶数個の衛生紙ロールを、フィルムでキャラメル包装してなる衛生紙ロールパッケージであって、衛生紙ロールの巻長が15~60m、ロール密度が0.10~0.21g/cm3、フィルムの厚さが18~45μm、衛生紙ロールがその軸方向Lに垂直な方向Pに2列で並び、衛生紙ロールパッケージを軸方向が水平となるように載置し、隣接する2列の衛生紙ロールを跨いで、第1定規を渡し、その板面がフィルムに接するように置いて基準線とし、次いで、2列の衛生紙ロールを跨いで包装されたフィルムの上に第2定規を、第2定規の幅方向が軸方向に垂直になるように載せたとき、基準線から第2定規の先端までの距離で測定される前記フィルムの最大凹み量Dが3~25mmである衛生紙ロールパッケージが開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、包装袋に、衛生薄葉紙の2plyのシートを巻いたロール製品を複数個収納してなるロール製品パッケージであって、ロール製品が軸方向を上下にして一列に2個並べた段を2段重ねて包装袋にガゼット包装してなり、包装袋は長辺から上方に向かってそれぞれ切妻屋根型に延びて接合された把持部を有し、ロール製品の巻長が63~103m、コアを含む1ロールの質量が200~370gであり、(包装袋内の4個のロール製品の質量)/(フィルムの坪量)が25~80(g/(g/m2))であり、長辺から把持部までの包装袋の傾斜角θが25~45度であり、長辺同士の間隔が105~134mmであるロール製品パッケージが開示されている。
【0006】
さらに、特許文献3には、樹脂製フィルムで個包装された複数個のトイレットロールが、ガセット包装における上部融着部と下部融着部との間において周面突合せで二列に配列されているとともに、上部融着部及び下部融着部がトイレットロールの周面に対向する位置にあり、外装フィルムの最も上部融着部側に位置する一対のトイレットロールの隣接位置よりも上部融着部側に位置する範囲に、易裂開線が上下方向に沿って延在するように配された基端部と、この基端部の側部側に近接する位置から、易裂開線が下部融着部方向に向かうにしたがって離間距離が漸次拡開するように一対配されてなる拡開部とを有する、上部融着部側に向かって略凸形状の開封開始部が形成されている、トイレットロール包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2018-090270号公報
【特許文献2】特許第6590596号
【特許文献3】特開2021-054520号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来のロール製品包装体(内装)をさらに複数個包装した二重包装体(外装)では、内装のサイズに対する外装のサイズ(フィルムタイト性)が大きすぎると、ロール製品が外装の中で崩れ、持ち運び時の安定したロール製品の保持に劣る。逆に内装のサイズに対する外装のサイズが小さすぎると、包装時に内装と外装が擦れて包装不良や美粧性の低下、持ち運び時のフィルム破れにつながる。
また、ロール製品の巻きが柔らかすぎると内装のフィルムタイト性に劣り、また、持ち運びのしやすさにも劣る。逆に巻きが固すぎると内装のフィルムタイト性は良くなるが、ロール製品の紙厚や吸水量が下がり品質に劣る。
【0009】
このように、従来のロール製品包装体(内装)をさらに複数個包装した二重包装体(外装)では、持ち運びのしやすさ、包装体の破れにくさや美粧性、内部のロール製品の保持性、ロール製品の潰れにくさを高水準で両立することが困難であった。ロール状ペーパータオル、特に不織布製ロールタオルは1ロールが大きく、また質量も重いために、この傾向が顕著となる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ロール状ペーパータオルが4個包装された包装体が、さらに2個包装されたロール状ペーパータオル包装体において、持ち運び時にフィルムが破れにくく、適度なタイト性を持つことによって持ち運びやすさと美粧性に優れ、包装体内のロール状ペーパータオルが潰れにくく、包装体内でロール状ペーパータオルを安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討を行い、所定の工程で4ロール包装体を2個包装するロール状ペーパータオル包装体の製造方法において、4ロール包装体における第一ガゼット折り部の傾斜角及びロール状ペーパータオル包装体における第二ガゼット折り部の傾斜角のそれぞれの数値範囲を規定し、更にロール状ペーパータオル包装体の幅方向と奥行方向の寸法比及びロール状ペーパータオルの巻き固さ、及び第二フィルムの坪量に対する4ロール包装体×2の重量の比率を規定することで、ロール状ペーパータオルが4個包装された包装体が、さらに2個包装されたロール状ペーパータオル包装体において、持ち運び時にフィルムが破れにくく、適度なタイト性を持つことによって持ち運びやすさと美粧性に優れ、包装体内のロール状ペーパータオルが潰れにくく、包装体内でロール状ペーパータオルを安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体とすることができ、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明は、以下のものを提供する。
【0012】
(1)本発明の第1の態様は、ペーパータオルがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオルを、縦方向に2ロール、横方向に2ロールの合計4ロールを全て軸方向が揃った状態で、筒状で一方がシールされた第一フィルムに他方から挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で4ロール包装体を製造する工程と、上記4ロール包装体を2個、上記ロール状ペーパータオルの軸方向が高さ方向と略平行で、幅方向に4個並ぶように配置された状態で、筒状で一方がシールされた第二フィルムに他方から順番に挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で包装してロール状ペーパータオル包装体を製造する工程を含む、ロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、上記4ロール包装体における第一ガゼット折り部の傾斜角が15°以上50°以下、ロール状ペーパータオル包装体における第二ガゼット折り部の傾斜角が25°以上55°以下であり、ロール状ペーパータオル包装体の底面における幅方向と奥行方向の寸法比が1.5:1以上2.6:1以下であり、上記ロール状ペーパータオルの巻き固さが2mm以上10mm以下であり、(上記4ロール包装体×2の重量/上記第二フィルムの坪量)が30(g/(g/m2))以上100(g/(g/m2))以下であることを特徴とする、ロール状ペーパータオル包装体の製造方法である。
【0013】
(2)本発明の第2の態様は、(1)に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、ロール状ペーパータオル包装体の幅方向の寸法が400mm以上480mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上260mm以下、高さ方向の寸法が260mm以上300mm以下であることを特徴とするものである。
【0014】
(3)本発明の第3の態様は、(1)又は(2)に記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、上記4ロール包装体の幅方向の寸法が190mm以上240mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上240mm以下、高さ方向の寸法が255mm以上295mm以下であることを特徴とするものである。
【0015】
(4)本発明の第4の態様は、(1)から(3)のいずれかに記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、上記4ロール包装体はガゼット包装により形成された取っ手部を含む第一シール部を、ロール状ペーパータオル包装体はガゼット包装により形成された第二シール部をそれぞれ有し、上記第二フィルムに上記4ロール包装体を2個挿入する工程において、上記第一シール部の延伸する方向と上記4ロール包装体を挿入する方向が略直角であり、上記ロール状ペーパータオルの軸方向と、上記第二シール部の延伸する方向とが略平行であることを特徴とするものである。
【0016】
(5)本発明の第5の態様は、(1)から(4)のいずれかに記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、上記ロール状ペーパータオルのコアを除くロール重量が100g以上550g以下、巻長が7m以上24m以下、ロール密度が0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下であることを特徴とするものである。
【0017】
(6)本発明の第6の態様は、(1)から(5)のいずれかに記載のロール状ペーパータオル包装体の製造方法であって、上記第二フィルムの厚さが25μm以上60μm以下であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ロール状ペーパータオルが4個包装された包装体が、さらに2個包装されたロール状ペーパータオル包装体において、持ち運び時にフィルムが破れにくく、適度なタイト性を持つことによって持ち運びやすさと美粧性に優れ、包装体内のロール状ペーパータオルが潰れにくく、包装体内でロール状ペーパータオルを安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明のロール状ペーパータオル包装体の製造方法の工程を示す図である。
【
図2】本発明の製造方法により製造されるロール状ペーパータオル包装体の全体を示す斜視図である。
【
図3】本発明の製造方法により製造されるロール状ペーパータオル包装体に含まれる、1個の4ロール包装体の全体を示す斜視図である。
【
図4】本発明の製造方法により製造されるロール状ペーパータオル包装体に含まれる、1個のロール状ペーパータオルの全体を示す斜視図である。
【
図5】本発明の製造方法により製造される4ロール包装体の側面を示す側面図、及びロール状ペーパータオル包装体を上部から見た平面を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。また、包装体の幅方向とは、図中、符号Xで示す方向、包装体の奥行方向とは、図中、符号Yで示す方向、包装体の高さ方向とは、図中、符号Zで示す方向である。
【0021】
1.ロール状ペーパータオル包装体の製造方法
図1は、本発明の一実施形態におけるロール状ペーパータオル包装体100の製造方法の工程を示す図である。以下、
図1(a)~(d)を参照しながら説明する。
まず
図1(a)及び
図1(b)に示すように、ペーパータオル1xがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオル1を、縦方向に2ロール、横方向に2ロールの合計4ロールを全て軸方向が揃った状態で、筒状で一方がシールされた第一フィルム11に他方から挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で4ロール包装体10を製造する。なお、
図1(b)において4ロール包装体10をロール状ペーパータオル1の軸方向が高さ方向(Z軸方向)と略平行となるように起立させているが、作業の簡略化のために、ロール状ペーパータオル1の軸方向が奥行方向と略平行のまま(4ロール包装体10が横倒しの状態のまま)
図1(c)に示す工程を行ってもかまわない。
次に、
図1(c)及び
図1(d)に示すように、4ロール包装体10を2個、ロール状ペーパータオル1の軸方向が高さ方向(Z軸方向)と略平行で、幅方向(X軸方向)に4個並ぶように配置された状態で、筒状で一方がシールされた第二フィルム12に他方から順番に挿入し、他方をシールすることによりガゼット包装で包装してロール状ペーパータオル包装体100を製造する。
以下、本発明の製造方法により製造されるロール状ペーパータオル包装体100、4ロール包装体10及びロール状ペーパータオル1に関して、詳細に説明する。
【0022】
2.ロール状ペーパータオル包装体
図2は、本発明の製造方法により製造されるロール状ペーパータオル包装体100の全体を示す斜視図である。本発明のロール状ペーパータオル包装体100は、ペーパータオル1xがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオル1を、幅方向に2ロール、奥行方向に2ロールの合計4ロールが全て高さ方向に軸を向けた状態で、第一フィルム11によってガゼット包装で包装された4ロール包装体10と、4ロール包装体10を2個、ロール状ペーパータオル1が幅方向に4個並ぶように配置された状態で全体をガゼット包装で包装する第二フィルム12と、を含む。
【0023】
このとき、ロール状ペーパータオル包装体100の幅方向の寸法が400mm以上480mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上260mm以下、高さ方向の寸法が260mm以上300mm以下であることが好ましく、幅方向の寸法が420mm以上470mm以下、奥行方向の寸法が200mm以上250mm以下、高さ方向の寸法が265mm以上295mm以下であることがより好ましく、幅方向の寸法が430mm以上460mm以下、奥行方向の寸法が210mm以上240mm以下、高さ方向の寸法が270mm以上290mm以下であることが更に好ましい。ロール状ペーパータオル包装体100の各方向の寸法が上記数値範囲内であることにより、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持でき、持ち運びやすく、美粧性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
また、ロール状ペーパータオル包装体100の底面における幅方向と奥行方向の寸法比が1.5:1以上2.6:1以下であり、1.6:1以上2.4:1以下であることが好ましく、1.7:1以上2.2:1以下であることがより好ましい。幅方向と奥行方向の寸法比が上記数値範囲内であることにより、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持でき、持ち運びやすく、美粧性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0024】
また、第二フィルム12の材質は、特に制限はないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレンがより好ましく、ポリエチレンを主体とすることが更に好ましく、ポリエチレン100%であることが最も好ましい。さらに、第二フィルム12の厚さは25μm以上60μm以下であることが好ましく、30μm以上51μm以下であることがより好ましく、35μm以上47μm以下であることが更に好ましい。厚さが25μm未満であると、第二フィルム12が破れやすくなる。厚さが60μmを超えると、包装不良が起こりやすくなり、ロール状ペーパータオル包装体100の美粧性に劣る。なお、フィルムの厚さは、JIS K 7130に準拠して測定する。
また、第二フィルム12の坪量は20g/m2以上53g/m2以下であることが好ましく、30g/m2以上48g/m2以下であることがより好ましく、35g/m2以上43g/m2以下であることが更に好ましい。
【0025】
3.4ロール包装体
図3は、本発明のロール状ペーパータオル包装体100に含まれる、1個の4ロール包装体10の全体を示す斜視図である。4ロール包装体10は、ペーパータオル1xがロール状に巻き取られたロール状ペーパータオル1を、幅方向に2ロール、奥行方向に2ロールの合計4ロールが全て高さ方向に軸を向けた状態で、第一フィルム11によってガゼット包装で包装されたものである。
このとき、4ロール包装体10の幅方向の寸法が190mm以上240mm以下、奥行方向の寸法が190mm以上240mm以下、高さ方向の寸法が255mm以上295mm以下であることが好ましく、幅方向の寸法が200mm以上233mm以下、奥行方向の寸法が200mm以上233mm以下、高さ方向の寸法が260mm以上290mm以下であることがより好ましく、幅方向の寸法が210mm以上226mm以下、奥行方向の寸法が210mm以上226mm以下、高さ方向の寸法が265mm以上285mm以下であることが更に好ましい。各方向の寸法が上記数値範囲内であることにより、4ロール包装体10が適度なタイト性を持つことで包装体内のロール状ペーパータオル1を安定して保持でき、ロール製品がつぶれにくく、美粧性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0026】
第一フィルム11の材質は、特に制限はないが、第二フィルム12と同じであることが好ましい。さらに、第一フィルム11の厚さは20μm以上55μm以下であることが好ましく、25μm以上45μm以下であることがより好ましく、30μm以上40μm以下であることが更に好ましい。厚さが上記数値範囲内であることにより、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
なお、第一フィルム11の坪量は特に限定されないが、13g/m2以上39g/m2以下であることが好ましく、18g/m2以上33g/m2以下であることがより好ましく、22g/m2以上27g/m2以下であることが更に好ましい。
【0027】
また、
図1、
図2及び
図3に示すように、4ロール包装体10はガゼット包装により形成された取っ手部113を含む第一シール部111を、ロール状ペーパータオル包装体100はガゼット包装により形成された第二シール部121をそれぞれ有し、第二フィルム12に4ロール包装体10を2個挿入する工程において、第一シール部111の延伸する方向(Y軸方向)と4ロール包装体10を挿入する方向(X軸方向)が略直角であり、ロール状ペーパータオル1の軸方向(Z軸方向)と、第二シール部121の延伸する方向(Z軸方向)とが略平行であることが好ましい。このようにロール状ペーパータオル包装体100の中に4ロール包装体10を挿入することにより、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0028】
また、4ロール包装体10×2の重量は650g以上1900g以下であることが好ましく、850g以上1600g以下であることがより好ましく、950g以上1450g以下であることが更に好ましい。このとき、4ロール包装体10×2の重量は、ロール状ペーパータオル包装体100から第二フィルム12の重量を除いた重量である。
さらに、(4ロール包装体10×2の重量/第二フィルム12の坪量)が30(g/(g/m2))以上100(g/(g/m2))以下であり、40(g/(g/m2))以上80(g/(g/m2))以下であることが好ましく、45(g/(g/m2))以上70(g/(g/m2))以下であることがより好ましい。(4ロール包装体10×2の重量/第二フィルム12の坪量)が上記数値範囲内であることにより、第二フィルム12が破れにくいロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0029】
図5はそれぞれ、
図5(a)が4ロール包装体10の側面を示す側面図、
図5(b)がロール状ペーパータオル包装体100を上部から見た平面を示す平面図である。このとき、
図5(a)に示す4ロール包装体10における第一ガゼット折り部112の傾斜角θ1が15°以上50°以下であり、20°以上45°以下であることが好ましく、25°以上40°以下であることがより好ましい。また、
図5(b)に示すロール状ペーパータオル包装体100における第二ガゼット折り部122の傾斜角θ2が25°以上55°以下であり、30°以上50°以下であることが好ましく、35°以上45°以下であることがより好ましい。傾斜角θ1及びθ2がいずれも上記数値範囲内であることにより、持ち運びがしやすく、美粧性に優れ、包装体内でロール状ペーパータオル1が潰れにくく、かつ、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0030】
なお、第一ガゼット折り部112の傾斜角θ1の測定方法としては、まず4ロール包装体10の第一シール部111を静かに持ち上げる。この際、第一シール部111に取っ手部113がある場合は、取っ手部113を使用する。そして持ち上げてから10秒後に、持ち上げたまま第一ガゼット折り部112の斜辺の長さを定規で測定する。
このとき、第一ガゼット折り部112の斜辺の長さについて、ロール状ペーパータオル1の断面の円周に沿う形で包装されている第一フィルム11の内、第一シール部111を持ち上げた際にロール状ペーパータオル1に接しなくなった箇所から第一シール部111までの最短長さ(距離)を左右それぞれ測定し、平均した値を第一ガゼット折り部112の斜辺の長さ(PL-1)とする。さらに、第一シール部111を持ち上げた際の頂点(第一シール部111)からロール状ペーパータオル1に沿うように形成される平面部分までの第一ガゼット折り部112の高さ(H-1)を実測する。最後に、それらの値を用いてsinθ1=H-1/PL-1から、傾斜角θ1を算出する。
また、第二ガゼット折り部122の傾斜角θ2の測定方法に関しても、ロール状ペーパータオル包装体100及び第二シール部121を用いる以外は、上記の方法と同様に第二ガゼット折り部122の斜辺の長さ(PL-2)及び第二ガゼット折り部122の高さ(H-2)を測定し、最後にそれらの値を用いてsinθ2=H-2/PL-2から、傾斜角θ2を算出する。
【0031】
このとき、PL-1は110mm以上170mm以下であることが好ましく、115mm以上160mm以下であることがより好ましく、120mm以上145mm以下であることが更に好ましい。H-1は30mm以上130mm以下であることが好ましく、40mm以上115mm以下であることがより好ましく、50mm以上110mm以下であることが更に好ましい。PL-2は115mm以上195mm以下であることが好ましく、125mm以上175mm以下であることがより好ましく、135mm以上160mm以下であることが更に好ましい。H-2は50mm以上160mm以下であることが好ましく、65mm以上135mm以下であることがより好ましく、80mm以上115mm以下であることが更に好ましい。
PL-1及びH-1、並びにPL-2及びH-2がいずれも上記の数値範囲内であることにより、傾斜角θ1及び傾斜角θ2をそれぞれ上記の数値範囲内とすることができ、それにより持ち運びがしやすく、美粧性に優れ、包装体内でロール状ペーパータオル1が潰れにくく、かつ、包装体内でロール状ペーパータオル1を安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0032】
3.ロール状ペーパータオル
図4は、本発明のロール状ペーパータオル包装体100に含まれる、1個のロール状ペーパータオル1の全体を示す斜視図である。本発明のロール状ペーパータオル1は、ペーパータオル1xが、ロール状に巻き取られたロール状ペーパータオル1である。なお、ペーパータオル1xは、ペーパータオル1xの最外巻の端縁1eから、MD(流れ)方向における等間隔において、CD(幅)方向にミシン目を施されていることが好ましい(図示しない)。
このとき、MD(Machine Direction)方向とはペーパータオル1xが巻き取られる方向(ペーパータオル1xが製造される方向であり、流れ方向とも称する)であり、CD(Cross Direction)方向とはMD方向に直交する方向(幅方向とも称する)である。
なお、本発明におけるペーパータオル1xは、様々な紙製品として用いることができ、ワイパー又はキッチンタオルの用途で使用することが好ましいが、キッチンタオルの用途で使用することがより好ましい。また、本願発明は、ワイパー又はキッチンタオルの用途で使用される紙タオルであるが、不織布製タオルとして使用されても良い。
【0033】
また、
図4に示すように、ペーパータオル1xの表面のうち、ロール外側に指向した表面を表面1a(ペーパータオル1xの表面)と称し、ロール中心部に指向した表面を裏面1b(ペーパータオル1xの裏面)と称する。なお、後述する水流交絡を行う場合は、ペーパータオル1xにおいて、含有される合成繊維の量は、ペーパータオル1xの表面側(すなわち表面1a側)が多く、裏面1b側が少ないことが好ましい。
【0034】
(巻長及び巻直径)
ロール状ペーパータオル1の巻長は7m以上24m以下であることが好ましく、10m以上22m以下であることがより好ましく、13m以上18m以下であることが更に好ましい。巻長が上記数値範囲内であることにより、ロール状ペーパータオル1が適度な巻き固さとなり、かつ、第一フィルム11及び第二フィルム12がいずれも適度なタイト性を持つことになるため、ロール状ペーパータオル1が潰れにくく、持ち運びやすさや美粧性、ロール状ペーパータオル1の保持性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
また、ロール状ペーパータオル1の巻直径DRは75mm以上160mm以下であることが好ましく、100mm以上140mm以下であることがより好ましく、108mm以上130mm以下であることが更に好ましい。
【0035】
巻長は以下の方法で測定する。まず、ロール状ペーパータオル1においてミシン目とミシン目の間のシート状となるペーパータオル1xについて、10枚分の長さを実測する。その後、ロール状ペーパータオル1におけるペーパータオル1xの枚数を実測し、巻長は10枚分の長さとペーパータオル1xの枚数から比例計算で求める。例えば、10枚分の長さが1.80m、ペーパータオル1xの枚数が150枚の場合、1.80m×(150/10)=27mとなる。また、ロールの巻直径DRは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のロール状ペーパータオル1を測定し、測定結果を平均する。なおミシン目がない場合は、巻長を実測する。
【0036】
(巻き固さ)
また、ロール状ペーパータオル1の巻き固さが2mm以上10mm以下であり、3mm以上9m以下であることが好ましく、4mm以上8mm以下であることがより好ましい。ロール状ペーパータオル1の巻き固さが上記数値範囲内であることにより、ロール状ペーパータオル1が適度な巻き固さとなり、かつ、第一フィルム11及び第二フィルム12がいずれも適度なタイト性を持つことになるため、ロール状ペーパータオル1が潰れにくく、持ち運びやすさや美粧性、ロール状ペーパータオル1の保持性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0037】
(ロール幅及びロール重量)
ロール状ペーパータオル1のロール幅は180mm以上350mm以下であることが好ましく、210mm以上325mm以下であることがより好ましく、240mm以上300mm以下であることが更に好ましい。
また、ロール状ペーパータオル1のコアを除くロール重量は100g以上550g以下であることが好ましく、160g以上430g以下であることがより好ましく、200g以上400g以下であることが更に好ましい。ロール重量を上記の数値範囲内にすることで、第一フィルム11及び第二フィルム12がいずれも破れにくいロール状ペーパータオル包装体100を得ることができる。
なお、ロール重量は、コア(芯の紙管)を含まないロール幅280mmあたりの1ロールの重量とする。ロール幅が280mmでない場合は、比例計算により280mmあたりの重量に換算する。また、ロール状ペーパータオル1のコアを含むロール重量は110g以上570g以下であることが好ましく、170g以上450g以下であることがより好ましく、210g以上420g以下であることが更に好ましい。
【0038】
(ロール密度)
ロール状ペーパータオル1のロール密度は0.05g/cm3以上0.19g/cm3以下であることが好ましく、0.07g/cm3以上0.17g/cm3以下であることがより好ましく、0.09g/cm3以上0.15g/cm3以下であることが更に好ましい。ロール密度が上記数値範囲内であることにより、ロール状ペーパータオル1が適度な巻き固さとなり、かつ、第一フィルム11及び第二フィルム12がいずれも適度なタイト性を持つことになるため、ロール状ペーパータオル1が潰れにくく、持ち運びやすさや美粧性、ロール状ペーパータオル1の保持性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
【0039】
ロール密度は、(ロール重量)÷(ロールの体積)で表される。ロール重量は、ロール幅280mmあたりのロール状ペーパータオル1の重量である。ロール体積は[{ロールの外径(巻直径DR)部分の断面積}-(コア外径DI部分の断面積)]×ロール幅(280mmあたりに換算する)で表される。例えば、ロール幅280mmあたりのロール重量(コアを除く)が330g、巻直径DRが120mm、コア外径DIが38mmの場合、ロール密度=0.12g/cm3となる。ロール状ペーパータオル1にコアがない場合は、中心の空洞部の直径をコア外径DIとする。
【0040】
(コア外径)
また、本発明のロール状ペーパータオル1のコア(芯の紙管)の外径であるコア外径DIは、25mm以上55mm以下であることが好ましく、32mm以上47mm以下であることがより好ましく、36mm以上42mm以下であることが更に好ましい。コア外径DIが上記数値範囲内であることにより、ロール状ペーパータオル1の巻直径DRを調整しやすくなり、ロール状ペーパータオル1が適度な巻き固さとなり、かつ、第一フィルム11及び第二フィルム12がいずれも適度なタイト性を持つことになるため、ロール状ペーパータオル1が潰れにくく、持ち運びやすさや美粧性、ロール状ペーパータオル1の保持性に優れるロール状ペーパータオル包装体100とすることができる。
コア外径DIは、ムラテックKDS株式会社製ダイヤメータールールを用いて測定する。測定は、10個のロール状ペーパータオル1を測定し、測定結果を平均する。また、コアがないロール状ペーパータオル1の場合、ロール状ペーパータオル1の中心の空洞部の直径をコア外径DIとみなす。
【0041】
4.ペーパータオル
本発明のロール状ペーパータオル1において、ペーパータオル1xは、パルプ繊維を含有するが、不織布製タオルとする場合は、更に合成繊維を含有してもよい。パルプ繊維としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)等、一般的なパルプ繊維を用いることができる。パルプ繊維におけるNBKPとLBKPの含有割合は、NBKP:LBKP=50:50~100:0が好ましく、NBKP:LBKP=70:30~100:0がより好ましく、NBKP:LBKP=90:10~100:0が更に好ましく、NBKP:LBKP=100:0が最も好ましい。NBKPとしては、例えばラジアータパイン、スラッシュパイン、サザンパイン、ロッジポールパイン、スプルース及びダグラスファーからなる繊維が好ましい。なお、NBKPの代わりにNUKP、LBKPの代わりにLUKPを用いることもできる。
また、合成繊維としては、例えばナイロン、ビニロン、ポリエステル、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等が挙げられるが、中でもポリエチレン、ポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好ましい。合成繊維として使用される不織布は制限がないが、スパンボンド不織布が好ましい。
【0042】
ペーパータオル1xを不織布製タオルとする場合は、ペーパータオル1xにおける合成繊維の割合(含有割合)が5%以上50%以下であることが好ましく、9%以上41%以下であることがより好ましく、12%以上28%以下であることが更に好ましい。また、ペーパータオル1xにおけるパルプ繊維の割合(含有割合)が50%以上95%以下であることが好ましく、59%以上91%以下であることがより好ましく、72%以上88%以下であることが更に好ましい。合成繊維の割合及びパルプ繊維の割合がいずれも上記数値範囲内であることにより、不織布製タオルとして使用しやすいペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1とすることができる。
【0043】
さらに、ペーパータオル1xには、一般的な湿潤紙力剤を含有することが好ましい。湿潤紙力剤(固形分(有効成分)換算)の含有率は、パルプ繊維(絶乾)に対して、0.05%以上1.0%以下が好ましく、0.1%以上0.5%以下がより好ましく、0.2%以上0.4%以下が更に好ましい。
また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、ペーパータオル1xに耐熱安定剤、滑剤等を配合することができる。耐熱安定剤としては、例えば、BHT(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール)等のフェノール系安定剤等が挙げられる。
【0044】
(坪量)
ペーパータオル1xの坪量(合成繊維及びパルプ繊維の合計坪量)は、特に制限されないが、40g/m2以上150g/m2以下であることが好ましく、48g/m2以上110g/m2以下であることがより好ましく、55g/m2以上80g/m2以下であることが更に好ましい。ペーパータオル1xの坪量が上記数値範囲内であることにより、紙製タオル又は不織布製タオルのいずれでも使用しやすいペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1とすることができる。
【0045】
また、ペーパータオル1xに含まれる合成繊維の坪量は、特に制限されないが、4g/m2以上40g/m2以下であることが好ましく、7g/m2以上30g/m2以下であることがより好ましく、10g/m2以上20g/m2以下であることが更に好ましい。さらに、ペーパータオル1xに含まれるパルプ繊維の坪量は、特に制限されないが、33g/m2以上120g/m2以下であることが好ましく、38g/m2以上90g/m2以下であることがより好ましく、45g/m2以上75g/m2以下であることが更に好ましい。合成繊維の坪量及びパルプ繊維の坪量がいずれも上記数値範囲内であることにより、不織布製タオルとして使用しやすいペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1とすることができる。
なお、ペーパータオル1xの坪量はJIS P 8124に基づいて測定するが、合成繊維及びパルプ繊維の坪量は、後述する水流交絡した後に個別に測定することが困難であるため、例えば、以下の方法で測定する。
【0046】
まず、0.1M酢酸水溶液と0.1M酢酸ナトリウム水溶液を調製する。約830gの0.1M酢酸水溶液と約160gの0.1M酢酸ナトリウム水溶液を混合してpHが4となるようにし、これを酢酸緩衝液とする。この酢酸緩衝液にセルラーゼオノズカp1500(ヤクルト薬品工業株式会社製)を添加量が1重量%となるように添加する。
セルラーゼオノズカp1500を添加した酢酸緩衝液50mlと、ペーパータオル1x0.5gとをバイアル瓶に入れて、しっかりと蓋をする。次に、180rpm、40℃の条件で24時間振とうした後、バイアル瓶から合成繊維を採取し、合成繊維の質量を測定する。(合成繊維及びパルプ繊維を含む)ペーパータオル1xの質量(0.5g)と採取した合成繊維の質量から、下記式により、合成繊維及びパルプ繊維のそれぞれの坪量を算出する。
合成繊維の坪量=
ペーパータオル1xの坪量×(合成繊維の質量/ペーパータオル1xの質量)
パルプ繊維の坪量=
ペーパータオル1xの坪量×[(ペーパータオル1xの質量-合成繊維の質量)/ペーパータオル1xの質量]
【0047】
(紙厚)
ペーパータオル1xの紙厚は200μm以上1400μm以下であることが好ましく、400μm以上1200μm以下であることがより好ましく、500μm以上1000μm以下であることが更に好ましい。ペーパータオル1xの紙厚が上記数値範囲内であることにより、紙製タオル又は不織布製タオルのいずれでも使用しやすいペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1とすることができる。なお、紙厚はシックネスゲージ(株式会社尾崎製作所製のダイヤルシックネスゲージ「PEACOCK」)を用いて測定する。測定条件は、測定荷重3.7kPa、測定子直径30mmで、測定子と測定台の間に試料を置き、測定子を1秒間に1mm以下の速度で下ろしたときのゲージを読み取る。また、測定を10回繰り返して測定結果を平均する。なお、測定は3枚のペーパータオル1xを重ねて測定し、値を1/3にして、紙厚の値とする。
【0048】
(シート長)
ペーパータオル1xのシート長は160mm以上330mm以下であることが好ましく、180mm以上305mm以下であることがより好ましく、200mm以上280mm以下であることが更に好ましい。ペーパータオル1xのシート長が上記数値範囲内であることにより、紙製タオル又は不織布製タオルのいずれでも使用しやすいペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1とすることができる。シート長は、ロール状ペーパータオル1のミシン目とミシン目の間の1枚のペーパータオル1xにおける、MD方向の長さを実測した値である。
【0049】
なお、ペーパータオル1x及びロール状ペーパータオル1の製造方法としては、ペーパータオル1xが合成繊維及びパルプ繊維を含むキッチンタオルである場合は、例えば(1)所定のスパンボンド不織布にパルプ繊維を積層して水流交絡、(2)ミシン目加工、(3)ロール巻取り加工の順で製造することができる。
このとき、ロール状ペーパータオル1を不織布製タオルとして用いる場合は、製造方法の(1)水流交絡において、合成繊維にパルプ繊維を水流交絡することで、合成繊維及びパルプ繊維を含む不織布を得ることができる。水流交絡の方法に関しては、例えば、特開2018-193634号公報に記載された方法で行うことが好ましい。
【0050】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが、当業者に明らかである。また、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【実施例0051】
以下、本発明について、実施例を挙げて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に示す実施例に何ら限定されるものではない。
【0052】
表1及び表2に記載された実施例1~15及び比較例1~6のロール状ペーパータオル包装体を作製した。
全ての実施例及び比較例のロール状ペーパータオル包装体に関して上述の各パラメーターを測定し、かつ、下記の各評価を行った。全ての測定結果及び評価を表1及び表2に示す。
【0053】
第二フィルムの破れにくさ:ロール状ペーパータオル包装体を持ち上げたときの第二フィルムの破れにくさについて、下記の通り評価を行った。
第二フィルムが破れやすく、裂け目も大きくなりやすい:×
第二フィルムがやや破れやすく、裂け目も少し大きくなるが問題ない:△
第二フィルムが破れにくく、裂け目も小さい:○
第二フィルムがほとんど破れず、裂け目ほとんどできない:◎
【0054】
持ち運びのしやすさ:ロール状ペーパータオル包装体を持ち運んだときの持ち運びのしやすさについて、下記の通り評価を行った。
サイズが大きすぎたり、ロール状ペーパータオル包装体の縦横比が大きすぎたりして包装体の持ち運びがしにくい:×
サイズが少し大きかったり、ロール状ペーパータオル包装体の縦横比が少し大きかったりして包装体の持ち運びが少ししにくいが問題ない:△
サイズがやや大きかったり、ロール状ペーパータオル包装体の縦横比がやや大きかったりするが包装体の持ち運びはしやすい:○
サイズが適度な大きさであり、ロール状ペーパータオル包装体の縦横比も適切で包装体の持ち運びがとてもしやすい:◎
【0055】
美粧性:ロール状ペーパータオル包装体の美粧性ついて、下記の通り評価を行った。
フィルムのタイト性に劣り、美粧性にも劣る:×
フィルムのタイト性に少し劣り、美粧性にも少し劣る:△
フィルムのタイト性に優れ、美粧性にも優れる:○
フィルムのタイト性にとても優れ、美粧性にもとても優れる:◎
【0056】
ロール製品の保持性:ロール状ペーパータオル包装体の中のロール状ペーパータオルの保持性について、下記の通り評価を行った。
ロール状ペーパータオルがフィルム内で大きく動きやすく、保持性に劣る:×
ロール状ペーパータオルがフィルム内で動きやすく、保持性に少し劣るが問題ない:△
ロール状ペーパータオルがフィルム内で動きにくく、保持性に優れる:○
ロール状ペーパータオルがフィルム内でほとんど動かず、保持性にとても優れる:◎
【0057】
ロール製品の潰れにくさ:ロール状ペーパータオル包装体を持ち運んだ後に取り出したときのロール状ペーパータオルの状態について、下記の通り評価を行った。
ロール状ペーパータオルが潰れやすく、大きく潰れたものが多い:×
ロール状ペーパータオルが少し潰れやすく、潰れたものがいくつかあるが使用上問題ない:△
ロール状ペーパータオルが少し潰れにくく、潰れたものがわずかにあるが、使用上問題ない:○
ロール状ペーパータオルが潰れにくく、潰れたものはほとんどない:◎
【0058】
【0059】
【0060】
以上より、本発明に係る製造方法によれば、ロール状ペーパータオルが4個包装された包装体が、さらに2個包装されたロール状ペーパータオル包装体において、持ち運び時にフィルムが破れにくく、適度なタイト性を持つことによって持ち運びやすさと美粧性に優れ、包装体内のロール状ペーパータオルが潰れにくく、包装体内でロール状ペーパータオルを安定して保持できるロール状ペーパータオル包装体とすることができる。