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特開2023-80916色提案方法、眼鏡の作製方法、色提案装置、プログラム、及び測定方法
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  • 特開-色提案方法、眼鏡の作製方法、色提案装置、プログラム、及び測定方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080916
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】色提案方法、眼鏡の作製方法、色提案装置、プログラム、及び測定方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20230602BHJP
   G02C 7/02 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
G02C13/00
G02C7/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194487
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】504300103
【氏名又は名称】三井化学ファイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】三沢 伝美
(72)【発明者】
【氏名】岩 毅
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 潤
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006BA06
2H006BC06
2H006DA05
(57)【要約】
【課題】対象者へ提案する色を精度よく決定できるようにする。
【解決手段】対象者の体の安定性を測定する測定装置20から、対象者が特定の色を見ている状態の安定性を示す安定性情報を、複数の特定の色別に取得する。そして、複数の安定性情報を用いて、対象者に提案すべき色である提案色を決定する。この決定は、例えば色提案装置10を用いて行われる。そして提案色は、例えば、対象者が装着する装着物の色を決定する際に用いられる。装着物の一例は眼鏡である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得し、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する、色提案方法。
【請求項2】
請求項1に記載の色提案方法において、
前記安定性情報は、前記対象者の重心の軌跡を用いて生成されている、色提案方法。
【請求項3】
請求項2に記載の色提案方法において、
前記安定性情報は、前記軌跡の外周によって囲まれる領域の面積、前記対象者の左右方向における前記外周の幅である第1幅、前記対象者の前後方向における前記外周の幅である第2幅、及び、前記第1幅及び前記第2幅を2辺とする長方形の面積、の少なくとも一つを含む、色提案方法。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の色提案方法において、
前記軌跡の長さ、前記対象者の左右方向における前記軌跡の長さ、及び前記対象者の前後方向における前記軌跡の長さ、の少なくとも一つを用いて前記提案色を決定する、色提案方法。
【請求項5】
対象者が特定の色を見ている状態における前記対象者の歩幅を含む安定性情報を、複数の前記特定の色別に生成し、
当該歩幅の測定結果を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する、色提案方法。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の色提案方法において、
前記安定性情報を生成する際、
前記対象者は、前記特定の色のカラーレンズを装着しており、
前記カラーレンズを取り換えることにより、前記特定の色を変更する、色提案方法。
【請求項7】
請求項6に記載の色提案方法において、
少なくとも一つの前記安定性情報を生成する際において、前記対象者が同時に装着する2つの前記カラーレンズの色は互いに異なる、色提案方法。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の色提案方法において、
さらに、前記提案色を用いて、前記対象者が装着する装着物の色を決定する、色提案方法。
【請求項9】
請求項8に記載の色提案方法において、
前記装着物はカラーレンズを有する眼鏡又はカラーコンタクトレンズである、色提案方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の色提案方法において、
前記複数の安定性情報を用いて複数の候補色を決定し、当該複数の候補色を用いて前記提案色を決定する、色提案方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法を用いて、前記対象者に提供すべきカラーレンズの色を特定し、
当該色を有するカラーレンズを用いて眼鏡を作製する、眼鏡の作製方法。
【請求項12】
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得する取得部と、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する提案色決定部と、
を備える色提案装置。
【請求項13】
コンピュータに、
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得する取得機能と、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する提案色決定機能と、
を持たせるプログラム。
【請求項14】
対象者が、両足で立った状態から歩行を開始した時の、少なくとも1歩目及び2歩目の歩幅を測定し、
前記少なくとも1歩目及び2歩目の歩幅及び前記対象者の伸長を用いて前記対象者の移動機能の低下の有無を判断する、測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色提案方法、眼鏡の作製方法、色提案装置、プログラム、及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、以下の方法により眼鏡用レンズの色を決定することが記載されている。まず、対象者に互いに異なる色の色紙を持ってもらい、この色紙を見てもらう。そして、対象者に、体幹バランスが良かった2つの色紙を選んでもらう。そして、この2つの色紙の色を用いて、レンズの色を決定する。
【0003】
また特許文献2には、2つの選択色を取得し、この2つの選択色と色決定用データベースとを用いてレンズの色を決定する装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6556967号公報
【特許文献2】特開2020-112697号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
体の安定性は、その人の主観では精度よく判断できないことがある。この場合、特許文献1に記載の方法では、対象者に提案する色を精度よく決定できない恐れがある。
【0006】
本発明の目的の一例は、対象者へ提案する色を精度よく決定できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得し、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する、色提案方法が提供される。
【0008】
本発明の一態様によれば、対象者が特定の色を見ている状態における前記対象者の歩幅を含む安定性情報を、複数の前記特定の色別に生成し、
当該歩幅の測定結果を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する、色提案方法が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、
上記方法によって提案色を決定し、この提案色を用いて前記対象者に提供すべきカラーレンズの色を特定し、
当該色を有するカラーレンズを用いて眼鏡を作製する、眼鏡の作製方法が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得する取得部と、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する提案色決定部と、
を備える色提案装置が提供される。
【0011】
本発明の一態様によれば、コンピュータに、
対象者の体の安定性を測定する測定装置から、前記対象者が特定の色を見ている状態における前記安定性を示す安定性情報を、複数の前記特定の色別に取得する取得機能と、
前記複数の安定性情報を用いて、前記対象者に提案すべき色である提案色を決定する提案色決定機能と、
を持たせるプログラムが提供される。
【0012】
本発明の一態様によれば、対象者が、両足で立った状態から歩行を開始した時の、少なくとも1歩目及び2歩目の歩幅を測定し、
前記少なくとも1歩目及び2歩目の歩幅及び前記対象者の伸長を用いて前記対象者の移動機能の低下の有無を判断する、測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明の一態様によれば、対象者へ提案する色を精度よく決定できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態に係る色提案装置及びレンズセットの使用環境を説明するための図である。
図2】色提案装置の機能構成の一例を示す図である。
図3】安定性情報の第1例を説明するための図である。
図4】安定性情報の第2例を説明するための図である。
図5】安定性情報の第3例を説明するための図である。
図6】色提案装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図7】安定性情報を処理した結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0016】
図1は、実施形態に係る色提案装置10及びレンズセット40の使用環境を説明するための図である。色提案装置10は、対象者にとって望ましい色を提案する。以下、この色を提案色と記載する。提案色を決定する際、測定装置20及びレンズセット40も用いられる。
【0017】
具体的には、体の安定性が増す色は人によって異なる。そして、人がこの色を有する装着物を装着すると、その人の体の安定性は増す。装着物の一例は、カラーレンズを有する眼鏡(サングラスを含む)やカラーコンタクトレンズであるが、服や手袋などの衣料品であってもよい。例えばこの装着物を装着してゴルフなどのスポーツを行うと、成績は向上する。
【0018】
上記した色、すなわち提案色を決定する処理は、例えば以下のように行われる。まず、対象者は眼鏡30を装着する。また測定装置20が準備される。
【0019】
測定装置20は、対象者の体の安定性を測定する装置である。測定装置20の一例は、対象者の重心揺動を測定する装置であるが、対象者の歩幅を測定する装置であってもよい。なお、測定装置20はこれらに限定されない。
【0020】
眼鏡30のレンズ42はカラーレンズであり、その場で取り換え可能になっている。レンズ42はレンズセット40の一部である。レンズセット40は、2枚のレンズ42からなるレンズ組を複数有している。複数のレンズ組の色は互いに異なる。本実施形態において、色の濃度が異なる場合も、異なる色として扱う。
【0021】
そして、色提案装置10を操作する人は、対象者が眼鏡30を装着した状態で、測定装置20に、対象者の体の安定性を測定させる。測定装置20は、測定結果を示す情報、すなわち安定性情報を生成する。安定性情報は、色提案装置10に入力される。色提案装置10は、測定装置20が生成した安定性情報を、測定時のレンズ42の色に紐づけて記憶する。この際、レンズ42の色は、例えば、色提案装置10を操作する人によって入力される。
【0022】
上記した処理は、レンズ42を取り換えながら行われる。これにより、複数の色に対して体の安定性が測定される。その結果、色提案装置10は、複数の色別に安定性情報を記憶することができる。そして色提案装置10は、これらの情報を用いて提案色を決定する。例えば色提案装置10は、最も体が安定していることを示している安定性情報を特定し、この安定性情報に対応する色を提案色にする。そして、この提案色を用いて、対象者の装着物の色が決定される。例えば装着物の色は、提案色そのもの、又はこの提案色に近い色になる。
【0023】
なお、安定性情報が生成される際、眼鏡30に嵌められた2つのレンズ42の色は同じである場合が多いが、少なくとも一つの安定性情報が生成される際に、2つのレンズ42の色は互いに異なっていてもよい。
【0024】
ここで、フレーム及びカラーレンズが一体になっている眼鏡を複数準備しておいてもよい。これら複数の眼鏡のカラーレンズの色は、互いに異なる。この場合、上記した処理は、眼鏡を取り換えながら行われる。
【0025】
なお、安定性情報の具体例については、他の図を用いて後述する。
【0026】
また、安定性情報を生成する際、レンズセット40は用いられなくてもよい。この場合、対象者は、測定対象となっている色を有する物体、例えば色紙を見る。この物体は、測定中は対象者に保持されていてもよい。
【0027】
また、レンズセット40を用いて色の提案を行う際、色提案装置10及び測定装置20の少なくとも一方は用いられなくてもよい。この場合、例えば対象者は、眼鏡30を掛けた状態で体の安定性を実感し、実感結果を申告するか、または安定性情報として色提案装置10に入力する。この入力は、対象者以外の人が行ってもよい。なお、実感結果が申告された場合、提案色の決定は人によって行われてもよい。
【0028】
なお、色提案装置10は、例えば、眼鏡店、スポーツ用品店、スポーツジム、カラーセラピストのオフィス、エステサロン、心理カウンセリング、及び鍼灸院の少なくとも一つに設置される。ただし、色提案装置10は、クラウドサーバであってもよい。この場合、上記した場所には、色提案装置10と通信する端末が設置される。
【0029】
図2は、色提案装置10の機能構成の一例を示す図である。色提案装置10は、取得部110及び提案色決定部120を備えている。また、色提案装置10は記憶部130を利用可能である。記憶部130は、色提案装置10に含まれていてもよいし、色提案装置10の外部に位置していてもよい。
【0030】
取得部110は複数の安定性情報を取得する。上記したように、安定性情報は色別に生成されている。取得部110は、安定性情報を、その安定性情報が生成されたときに用いられた色を示す色情報とともに取得し、取得した情報を記憶部130に記憶させる。安定性情報は、測定装置20から色提案装置10に、通信により入力されてもよいし、人を介して色提案装置10に入力されてもよい。後者の場合、安定性情報は、リムーバブルメディアを介して色提案装置10に入力されてもよい。色情報は、例えば人によって色提案装置10に入力される。
【0031】
提案色決定部120は、取得部110が取得した複数の安定性情報を用いて、上記した提案色を決定する。例えば提案色決定部120は、最も体が安定している色を提案色としてもよいし、体の安定性が高い順に所定数(例えば2つ)の色を選択し、これらの色を平均又は加重平均することにより、提案色を決定してもよい。後者の場合、提案色を決定するための演算式やテーブルは、記憶部130に記憶されている。そして提案色決定部120は、記憶部130に記憶されている情報を用いて提案色を決定する。
【0032】
ここで、提案色が眼鏡のカラーレンズの色を決定するために用いられ、かつ、最も体が安定しているときの2つのレンズ42の色が互いに異なる場合、提案情報は、右目用の色と左目用のレンズの色のそれぞれを示していてもよい。
【0033】
提案色決定部120は、決定した提案色を示す提案情報を、例えばディスプレイ、印刷装置、及び携帯端末の少なくとも一つに出力する。ただし、提案情報の出力先はこれらに限定されない。
【0034】
色提案装置10を用いて眼鏡のレンズの色を決定する場合、眼鏡の作製者は、提案情報が示す色を有するレンズ42をレンズフレームに嵌める。ここで、レンズ42に色別の識別情報が付与されている場合、提案情報は、この識別情報であってもよい。この場合、眼鏡の作成者は、この識別情報を有するレンズ42を準備し、このレンズ42を用いて眼鏡を作製する。ここで、右目用のレンズ42と左目用のレンズ42の色が互いに異なる場合もある。
【0035】
図3は、安定性情報の第1例を説明するための図である。本図に示す例において、測定装置20は、対象者の重心揺動を測定する。そして安定性情報は、対象者が両足で立っている状態における重心揺動の測定結果を示している。色提案装置10が取得した状態において、安定性情報は、重心の軌跡を示すチャート(図3)でもよいし、このチャートを処理した情報であってもよい。後者の場合、安定性情報は、以下の(1)~(7)の少なくとも一つを含む。
【0036】
(1)重心の軌跡の外周(最外部)によって囲まれる領域の面積。この場合、この面積が小さくなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(2)対象者の左右方向における重心の軌跡の外周の幅。この場合、この幅が小さくなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(3)対象者の前後方向における重心の軌跡の外周の幅。この場合、この幅が小さくなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(4)上記(2)及び(3)を2辺とする長方形の面積(矩形面積)。この場合、この面積が小さくなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(5)重心の軌跡の長さ(全長)。すなわち重心の単位時間当たりの移動距離を積分した値。この場合、これが短くなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(6)対象者の左右方向における軌跡の長さ、すなわち重心の単位時間当たりの移動距離のうち対象者の左右方向の成分を求め、この成分を積分した値。この場合、これが短くなるにつれて、体の安定性は高くなる。
(7)対象者の前後方向における軌跡の長さ、すなわち重心の単位時間当たりの移動距離うち対象者の前後方向の成分を求め、この成分を積分した値。この場合、これが短くなるにつれて、体の安定性は高くなる。
【0037】
なお、上記した(1)~(7)は、例えば、アニマ株式会社製の重心揺動計である「グラビコーダGW-5000」を用いて測定できる。
【0038】
また色提案装置10が取得した状態において安定性情報が重心の軌跡を示すチャートである場合、提案色決定部120は、このチャートを処理することにより、上記(1)~(7)の少なくとも一つを生成し、生成した情報を用いて提案色を決定する。
【0039】
図4は、安定性情報の第2例を説明するための図である。本図に示す例において、測定装置20は歩幅を測定する装置である。具体的には、対象者は、両足で立っている状態から歩き出す。この際、対象者は、通常よりも歩幅を広くするのが好ましい。測定装置20は、この時の歩幅を測定する。この際、少なくとも2歩目の歩幅が測定されるが、さらに1歩目の歩幅が測定されてもよい。
【0040】
そして安定性情報は、例えば、1歩目及び2歩目の歩幅であってもよいし、2歩目の歩幅のみであってもよい。体の安定性が低い場合、1歩目の足が着地する際、体のバランスが崩れる。このため、2歩目の歩幅は小さくなる。提案色決定部120は、1歩目と2歩目の歩幅の差が小さくなるにつれて、体の安定性は高いと判断する。また提案色決定部120は、2歩目の歩幅が大きくなるにつれて、体の安定性は高いと判断する。また、1歩目の歩幅及び2歩目の歩幅の平均値を算出し、この平均値が大きくなるにつれて、体の安定性は高いと判断してもよい。なお、安定性情報は、1歩目及び2歩目の歩幅の合計値であってもよい。
【0041】
なお、安定性情報が上記した歩幅を含む場合、安定性情報を生成する際に測定装置20が用いられなくてもよい。この場合、例えば対象者が上記した動作(例えば歩行)を行う領域に目盛りを設け、この目盛りを人が読むことにより、安定性情報が生成されてもよい。
【0042】
また安定性情報として歩幅を用いる場合、対象者は、歩行時に歩幅を広げることを意識する。このため、対象者の股関節の可動域は広がりやすくなる。
【0043】
また、上記した1歩目及び2歩目の歩幅及び対象者の伸長を用いると、対象者の移動機能の低下の有無を判断できる。この場合、対象者は、歩幅の測定時には眼鏡30を装着していなくてもよい。
【0044】
例えば、「(1歩目の歩幅+2歩目の歩幅)/対象者の伸長」を指標として算出し、この指標が基準値を下回る場合に、対象者の移動機能が低下していると判断する。この基準値は、複数段階設定されていてもよい。例えば指標が第1段階の基準値(例えば1.3)以上の場合、移動機能の低下は生じていないと判断する。一方、指標が第1段階の基準値(例えば1.3)未満かつ第2段階の指標(例えば1.1)以上の場合、移動機能の低下が始まっていると判断する。さらに、指標が第2段階の基準値未満の場合、移動機能の低下が進行していると判断する。なお、指標は、さらに3歩目以降の歩幅を用いて算出されてもよい。
【0045】
図5は、安定性情報の第3例を説明するための図である。本図に示す例において、安定性情報は、目を閉じた状態での片足立ちの継続時間を示している。ここで、上げていた足が床についたり、軸となっている足が移動した場合に、片足立ちは終了したと判断する。そして、この継続時間が長くなるにつれて、体の安定性は高くなる。本図に示す例において、測定装置20は用いられない。そして、安定性情報は人によって色提案装置10似入力される。
【0046】
図6は、色提案装置10のハードウェア構成例を示す図である。色提案装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0047】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0048】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0049】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0050】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカードなどのリムーバブルメディア、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は色提案装置10の各機能(例えば取得部110及び提案色決定部120)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は記憶部130としても機能する。
【0051】
入出力インタフェース1050は、色提案装置10と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。例えば色提案装置10は、入出力インタフェース1050を介して測定装置20と通信する。
【0052】
ネットワークインタフェース1060は、色提案装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。色提案装置10は、ネットワークインタフェース1060を介して測定装置20と通信してもよい。
【0053】
図7は、安定性情報を処理した結果の一例を示す図である。本図に示す例において、測定装置20として、重心の揺動を測定する装置が使用されている。そして、7人の人(A~F)に対して、6種類のレンズ42を用いて重心の揺動を測定した。そして、安定性情報として、重心の軌跡の外周面積を用いた。各人の測定結果において、外周面積が小さい順に、1番色、2番色、・・・、6番色とした。また、縦軸は、各色の外周面積を、1番色の外周面積で割った値を用いた。すなわち、縦軸の値が大きくなるにつれて、外周面積は大きくなり、体は不安定であったことになる。
【0054】
本図に示すように、すべての人において、レンズ42の色によって体の安定性は異なっていた。このため、すべての人において、提案色が存在し、かつ、レンズセット40を用いた検査を行うことにより、提案色が特定できることが分かった。
【0055】
以上、本実施形態によれば、提案色を特定する際、測定装置20による測定結果が用いられる。このため、提案色を精度よく決定できる。また、体の安定性を測定する際に眼鏡30を用いると、人の視野は安定してその色に覆われる。このため、眼鏡30及びレンズセット40を用いると、安定性の測定結果の信頼性は向上する。その結果、提案色を精度よく決定できる。
【0056】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0057】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0058】
10 色提案装置
20 測定装置
30 眼鏡
40 レンズセット
42 レンズ
110 取得部
120 提案色決定部
130 記憶部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7