(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080959
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ヘアカラー商品の販売システム及び販売方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/015 20230101AFI20230602BHJP
【FI】
G06Q30/02 470
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194554
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000113274
【氏名又は名称】ホーユー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】下込 悠矢
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 萌美
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 圭実
(72)【発明者】
【氏名】唐渡 誠
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者層へのヘアカラー商品の普及を促進させる。
【解決手段】複数の利用者を対象とするヘアカラー商品の販売システムは、情報取得部と、販売中止判定部と、を備える。情報取得部は、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報を取得する。販売中止判定部は、情報取得部により取得された皮膚障害情報に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者を対象とするヘアカラー商品の販売システムであって、
ヘアカラー商品の使用に起因する前記利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報を取得する情報取得部と、
前記情報取得部により取得された前記皮膚障害情報に基づいて、前記利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する販売中止判定部と、
を備える、販売システム。
【請求項2】
請求項1に記載の販売システムであって、
前記情報取得部は、前記皮膚障害情報として、ヘアカラー商品の使用に起因する前記利用者の皮膚障害の発生可能性を評価するための質問に対する前記利用者の回答を取得し、
前記販売中止判定部は、前記情報取得部により取得された前記回答に基づいて、前記利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する、販売システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の販売システムであって、
前記情報取得部は、前記皮膚障害情報として、ヘアカラー商品についての前記利用者のパッチテストの結果を取得し、
前記販売中止判定部は、前記情報取得部により取得された前記利用者のパッチテストの結果に基づいて、前記利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する、販売システム。
【請求項4】
請求項3に記載の販売システムであって、
前記利用者に販売するヘアカラー商品についての決済金額を算出する決済部を更に備え、
前記決済部は、前記販売中止判定部により前記利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合に、当該ヘアカラー商品についての前記決済金額を減額する、販売システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の販売システムであって、
前記情報取得部により取得された前記皮膚障害情報に基づいて、前記利用者に販売するヘアカラー商品の種類を選定する種類選定部を更に備える、販売システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の販売システムであって、
前記利用者に販売されるヘアカラー商品の候補には、酸化染料中間体を実質的に含有しないヘアカラー商品が含まれる、販売システム。
【請求項7】
ヘアカラー商品の販売システムにより実行されるヘアカラー商品の販売方法であって、
ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報を取得することと、
取得された前記皮膚障害情報に基づいて、前記利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定することと、
を備える、ヘアカラー商品の販売方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘアカラー商品の販売システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアカラー商品(酸化染毛剤)の使用に起因して、かぶれ等の皮膚障害が生じる場合がある。ヘアカラー商品に含有される酸化染料中間体は、皮膚障害の原因になり得ることが知られている。
【0003】
皮膚障害を生じさせにくいヘアカラー商品も開発されている。例えば、特許文献1には、酸化染料中間体に対してアレルギーがある消費者でも使用できる可能性があるヘアカラー商品として、酸化染料中間体の含有量が制限されたヘアカラー商品に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、専門知識の乏しい一般消費者には、自身にとってどのヘアカラー商品がどの程度の皮膚障害を生じさせるおそれがあるのかを判断することが難しく、皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めてしまうことがあった。
【0006】
本開示の一局面は、皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者層へのヘアカラー商品の普及を促進させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、複数の利用者を対象とするヘアカラー商品の販売システムであって、情報取得部と、販売中止判定部と、を備える。情報取得部は、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報を取得する。販売中止判定部は、情報取得部により取得された皮膚障害情報に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する。
【0008】
このような構成によれば、消費者にとっては、自身の皮膚障害の発生可能性を踏まえてヘアカラー商品の販売が行われているという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。したがって、皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者層へのヘアカラー商品の普及を促進することが可能になる。
【0009】
本開示の一態様では、情報取得部は、皮膚障害情報として、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を評価するための質問に対する利用者の回答を取得してもよい。販売中止判定部は、情報取得部により取得された利用者の回答に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定してもよい。
【0010】
このような構成によれば、利用者にとっては、ヘアカラー商品の使用に起因する皮膚障害に関する自身の自己評価を踏まえて、ヘアカラー商品の販売が行われているという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を一層購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0011】
本開示の一態様では、情報取得部は、皮膚障害情報として、ヘアカラー商品についての利用者のパッチテストの結果を取得してもよい。販売中止判定部は、情報取得部により取得された利用者のパッチテストの結果に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定してもよい。
【0012】
このような構成によれば、パッチテストの結果の報告が利用者に求められるため、パッチテスト自体あるいはパッチテストの詳細を知らなかった消費者にとっては、ヘアカラー商品の使用前にパッチテストで皮膚障害の発生可能性を評価できることを知る機会になる。したがって、皮膚障害の発生可能性をヘアカラー商品の使用前に評価可能であることを知らないために、ヘアカラー商品の使用を諦めたままになっていた消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0013】
本開示の一態様は、利用者に販売するヘアカラー商品についての決済金額を算出する決済部を更に備えてもよい。決済部は、販売中止判定部により利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合に、当該ヘアカラー商品についての決済金額を減額してもよい。
【0014】
このような構成によれば、ヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合には決済金額が減額されるため、消費者の金銭的な不安を軽減することが可能になる。すなわち、金銭的な不安からヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0015】
本開示の一態様は、結果評価部を更に備えてもよい。情報取得部は、利用者のパッチテストの結果として、パッチテストの試験液の塗布から所定の時間経過後の利用者の肌を撮像した撮像画像を取得してもよい。結果評価部は、情報取得部により取得された撮像画像に基づいて、利用者のパッチテストの結果を評価してもよい。
【0016】
このような構成によれば、消費者にとっては、販売サービスの提供側でパッチテストの結果を評価してもらえるという安心感を得ることができる。したがって、パッチテストの結果を自ら評価しなければならないことを不安に思っている消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0017】
本開示の一態様では、情報取得部は、利用者のパッチテストの結果として、利用者の肌と、基準となる色を示す色見本と、を併せて撮像した撮像画像を取得してもよい。結果評価部は、色見本の色を基準に色補正した撮像画像に基づいて、利用者のパッチテストの結果を評価してもよい。
このような構成によれば、明るさや光源の色などの撮像環境によるパッチテストの結果の評価のばらつきを低減することができる。
【0018】
本開示の一態様では、結果評価部は、利用者の肌における試験液の塗布部の撮像画像と、利用者の肌における塗布部以外の部分の撮像画像と、に基づいて、利用者のパッチテストの結果を評価してもよい。
このような構成によれば、利用者の肌の色の違いによるパッチテストの結果の評価のばらつきを低減することができる。
【0019】
本開示の一態様では、情報取得部は、利用者のパッチテストの結果として、利用者の肌の立体形状を特定可能な撮像画像を取得してもよい。
このような構成によれば、肌の色味だけでなく腫れやぶつぶつ等の立体形状も考慮した、パッチテストの結果の評価を行うことが可能になる。
【0020】
本開示の一態様は、情報記憶部と、情報提供部と、を更に備えてもよい。情報記憶部は、情報取得部により取得された皮膚障害情報を利用者に対応付けて記憶する。情報提供部は、利用者自身によるパッチテストの結果の評価において参考になり得る参考情報を利用者に提供する。情報取得部は、利用者のパッチテストの結果として、パッチテストの試験液の塗布から所定の時間経過後の利用者の肌を撮像した撮像画像を取得してもよい。情報提供部は、参考情報として、既に情報記憶部に記憶されている第三者の撮像画像を利用者に提供してもよい。
【0021】
このような構成によれば、利用者が自身の肌の状態を第三者の撮像画像に写る肌の状態と比較することができるため、利用者自身によるパッチテストの評価の難易度を下げることが可能になる。したがって、パッチテストの結果を自身で評価しなければならないことへの不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0022】
本開示の一態様では、情報提供部は、参考情報として、既に情報記憶部に記憶されている第三者の撮像画像であって、利用者に応じて選定した撮像画像を、利用者に提供してもよい。
【0023】
ヘアカラー商品の使用により皮膚障害が生じるかどうかには、個人差がある。このため、パッチテストの結果の評価のために第三者の撮像画像を参考にする場合には、当該第三者撮像画像は、パッチテストの結果の傾向が利用者と似ている第三者の撮像画像である方が好ましい。上記のような構成によれば、利用者に応じてあらかじめ選定された第三者の撮像画像が利用者に提供されるため、利用者にとっては、パッチテストの結果をより適切に評価できるという安心感を得ることができる。したがって、パッチテストの結果を自身で評価しなければならないことへの不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を一層試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0024】
本開示の一態様では、情報提供部は、参考情報として、既に情報記憶部に記憶されている第三者の撮像画像と、第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての第三者の使用実績と、を利用者に提供してもよい。
【0025】
このような構成によれば、利用者が自身にとっての購入商品の使用可否や使用による症状の発生可能性などを推測しながら、パッチテストの結果を評価することも可能になる。すなわち、利用者にとっては、パッチテストの結果をより一層適切に評価できるという安心感を得ることができる。したがって、パッチテストの結果を自身で評価しなければならないことへの不安を抱いている消費者もヘアカラー商品をより一層試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0026】
本開示の一態様は、情報取得部により取得された皮膚障害情報に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品の種類を選定する種類選定部を更に備えてもよい。
このような構成によれば、利用者にとっては、自身の皮膚障害の発生可能性を踏まえたヘアカラー商品を選定してもらえるという安心感を得ることができる。このため、利用者がより安心してヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0027】
本開示の一態様では、利用者に販売されるヘアカラー商品の候補には、酸化染料中間体を実質的に含有しないヘアカラー商品が含まれてもよい。
酸化染料中間体を実質的に含有しないヘアカラー商品は、当該染料中間体を含有する一般的なヘアカラー商品と比較して、使用に起因する皮膚障害を生じさせにくいと考えられる。上記のような構成によれば、皮膚障害への不安度が大きい利用者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0028】
本開示の一態様は、ヘアカラー商品の販売システムにより実行されるヘアカラー商品の販売方法である。この販売方法は、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報を取得することと、取得された皮膚障害情報に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定することと、を備える。
【0029】
このような構成によれば、消費者にとっては、自身の皮膚障害の発生可能性を踏まえてヘアカラー商品の販売が行われているという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。したがって、皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者層へのヘアカラー商品の普及を促進することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】ヘアカラー商品の販売システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態の販売システムにより実行される処理を示すシーケンス図である。
【
図3】第1実施形態の販売システムにより実行される処理を示すシーケンス図である。
【
図4】第1実施形態の販売装置により実行される販売中止判定処理を示すフローチャートである。
【
図6】利用者データベースにおける利用情報を示す図である。
【
図7】第1実施形態の販売装置により実行される商品選定処理を示すフローチャートである。
【
図8】第1実施形態の販売装置により実行される参考情報提供処理を示すフローチャートである。
【
図10】第1実施形態の販売装置により実行される返金判定処理を示すフローチャートである。
【
図11】第2実施形態の販売システムにより実行される処理を示すシーケンス図である。
【
図12】第2実施形態の販売装置により実行される評価提示処理を示すフローチャートである。
【
図13】第3実施形態の端末装置により実行される一連の処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本開示の例示的な実施形態について図面を参照しながら説明する。
[1.第1実施形態]
[1-1.構成]
図1に示す販売システム1は、ヘアカラー商品を販売する販売サービスにおいて用いられるシステムである。販売サービスは、ヘアカラー商品の販売会社等の業者から複数の利用者に対して提供される。ヘアカラー商品は、永久染毛剤の1つである酸化染毛剤の商品である。ヘアカラー商品には酸化染料が含有されており、この酸化染料が酸化重合され発色されることにより毛髪が染色される。
【0032】
ヘアカラー商品には、一般的に、酸化染料中間体も含有されている。酸化染料中間体は、酸化染料を合成する過程で得られる中間生成物である。酸化染料中間体の具体例としては、p-フェニレンジアミン、p-トルイレンジアミン(トルエン-2,5-ジアミン)、N-フェニル-p-フェニレンジアミン、4,4’-ジアミノジフェニルアミン、p-アミノフェノール、o-アミノフェノール、p-メチルアミノフェノール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシエチル-p-フェニレンジアミン、o-クロル-p-フェニレンジアミン、4-アミノ-m-クレゾール、2-アミノ-4-ヒドロキシエチルアミノアニソール、1-ヒドロキシエチル-4、5-ジアミノピラゾール、それらの塩等が挙げられる。
【0033】
酸化染料中間体は、皮膚障害の原因になり得ることが知られている。具体的には、酸化染料中間体は、皮膚障害の1つであるかぶれの原因になり得る。かぶれは、原因物質との接触により起きる皮膚炎(接触皮膚炎)である。かぶれには、原因物質の持つ刺激性のために起きる刺激性のかぶれと、原因物質に対するアレルギー反応により起きるアレルギー性のかぶれと、がある。また、アレルギー性のかぶれには、原因物質との接触から比較的短時間(例えば、数分~数十分)で起きる即時型と、原因物質との接触から比較的長時間(例えば、数時間~数日)経過後に起きる遅延型と、がある。ヘアカラー商品の使用に起因してかぶれが生じるかどうかは個人差があり、人によってヘアカラー商品の使用に起因したかぶれが生じてしまう。
【0034】
そこで、本実施形態の販売サービスでは、酸化染料中間体を含有する一般的なヘアカラー商品だけでなく、酸化染料中間体を実質的に含有しないヘアカラー商品も、利用者に販売されるヘアカラー商品の候補に加えている。以下では、酸化染料中間体を含有するヘアカラー商品を中間体含有商品、酸化染料中間体を実質的に含有しないヘアカラー商品を中間体非含有商品という。中間体非含有商品は、酸化染料中間体を実質的に含有しないために、中間体含有商品と比較してかぶれを生じさせにくいと考えられる。なお、酸化染料中間体を実質的に含有しないこととは、酸化染料中間体を意図的には配合していないことを意味する。
【0035】
販売システム1は、端末装置2と、販売装置3と、を備える。端末装置2及び販売装置3は、インターネット等の広域の通信ネットワーク4を介して、互いに通信可能に構成されている。なお、
図1では端末装置2が1つのみ示されているが、実際の販売システム1では端末装置2は複数存在し、それぞれの端末装置2が販売装置3と通信する。
【0036】
端末装置2は、利用者が使用する情報端末である。本実施形態の端末装置2は、利用者が所有する汎用のスマートフォンあるいはタブレット端末である。端末装置2は、表示部21、入力部22、撮像部23、端末記憶部24、端末制御部25、及び端末通信部26を備える。
【0037】
表示部21は、画像を表示可能なディスプレイである。
入力部22は、利用者による各種入力操作を受け付けるデバイスである。本実施形態の入力部22は、タッチパネルである。
【0038】
撮像部23は、対象物を撮像可能なカメラである。
端末記憶部24は、各種情報を記憶するストレージである。本実施形態の端末記憶部24は、フラッシュメモリである。端末記憶部24には、ウェブブラウザ等の汎用のアプリケーションソフトウエアも格納されている。
【0039】
端末制御部25は、CPU251と、ROM及びRAM等の半導体メモリ252と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。CPU251が端末記憶部24に記憶されたソフトウエアを半導体メモリ252に読み出し、当該ソフトウエアに対応する処理を実行することにより、端末制御部25の各種機能が実現される。CPU251により処理が実行されると、当該処理に対応する方法が実行される。
端末通信部26は、通信ネットワーク4を介して、販売装置3と通信可能に構成されている。
【0040】
販売装置3は、本販売サービスの提供者により設けられたウェブサーバである。販売装置3は、サーバ通信部31、サーバ記憶部32、及びサーバ制御部33を備える。
サーバ通信部31は、通信ネットワーク4を介して、端末装置2と通信可能に構成されている。
【0041】
サーバ記憶部32は、各種情報を記憶するストレージである。本実施形態のサーバ記憶部32は、ハードディスクである。本実施形態のサーバ記憶部32には、各種情報として、販売サービスに用いられるウェブページ情報、販売サービスで選定対象となる複数のヘアカラー商品の情報等が記憶されている。ウェブページ情報とは、ウェブブラウザで表示されるウェブページを表す情報(例えば、HTMLコード、画像等)である。また、サーバ記憶部32には、後述する処理を実行するための各種ソフトウエアが格納されている。
【0042】
サーバ制御部33は、CPU331と、ROM及びRAM等の半導体メモリ332と、を有する周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。CPU331がサーバ記憶部32に記憶されたソフトウエアを半導体メモリ332に読み出し、当該ソフトウエアに対応する処理を実行することにより、サーバ制御部33の各種機能が実現される。CPU331により処理が実行されると、当該処理に対応する方法が実行される。
【0043】
[1-2.処理]
次に、
図2~
図9を用いて、端末装置2の端末制御部25(具体的にはCPU251)及び販売装置3のサーバ制御部33(具体的にはCPU331)により実行される、販売サービスを提供するための処理について説明する。なお、
図2及び
図3には、利用者による行為も併記されている。
【0044】
図2に示すN101では、サーバ制御部33が、販売サービスの利用者を募集する。本実施形態のサーバ制御部33は、販売サービスの提供者が電子メールアドレスを事前に取得している対象者に対して、サーバ通信部31から、販売サービスの利用者を募集する旨の電子メールを送信する。サーバ通信部31から送信された電子メールは、端末通信部26により受信される。なお、販売サービスの利用者を募集する手段は、電子メールに限定されず、例えば、不特定多数を対象としたウェブ広告であってもよいし、販売サービスの提供者による手紙の郵送であってもよい。
【0045】
N102では、販売サービスの利用を希望する対象者、つまり販売サービスの利用者が、端末装置2の入力部22を操作して、ウェブブラウザで販売サービスの専用サイトにアクセスする。これにより、N103で、端末制御部25が、販売サービスの利用を要求する旨(以下、利用要求という。)を、端末通信部26から販売装置3に送信する。
【0046】
利用要求がサーバ通信部31により受信されると、N104で、サーバ制御部33が、サーバ通信部31から端末装置2に第1アンケート画面情報を送信する。第1アンケート画面情報とは、第1アンケート画面を示すウェブページ情報である。第1アンケート画面では、利用者を第三者(例えば他の利用者)と識別するための情報である識別情報の入力が求められる。本実施形態の識別情報は、利用者ID及びパスワードである。販売サービスの利用が初めてである等、まだ利用者登録が行われていない利用者に対しては、利用者の属性を示す情報である属性情報の入力も求められる。本実施形態の属性情報は、利用者の年齢及び性別である。
【0047】
また、第1アンケート画面では、利用者に質問が提示され、当該質問に対する回答の入力が求められる。第1アンケート画面で提示される質問には、以下の(A)~(C)の質問が含まれる。
【0048】
(A)ヘアカラーアレルギーの有無を確認するための質問。
(B)ヘアカラー商品の使用経験に関する質問。
(C)ヘアカラー商品の使用に対する不安度を確認するための質問。
【0049】
上記(A)におけるヘアカラーアレルギーは、ヘアカラー商品の使用に起因したアレルギー反応を意味する。本実施形態の上記(A)の質問では、以下の(a-1)~(a-4)が尋ねられる。
【0050】
(a-1)医師によるヘアカラーアレルギーの診断有無。
(a-2)ヘアカラー商品の使用に起因したアナフィラキシー(全身じんましん、呼吸困難、息苦しさ、めまい等の気分の悪さなど)の経験有無。
(a-3)ヘアカラー商品の使用に起因した腫れ、ぶつぶつ、水ぶくれ等の症状の経験有無。
(a-4)ヘアカラー商品の使用により繰り返し起き且つ長引くかゆみの症状の経験有無。
【0051】
本実施形態の上記(B)の質問では、以下の(b-1)~(b-5)が尋ねられる。
(b-1)染毛経験の有無、経験がある場合にはその際の染毛場所。
(b-2)現在使用しているヘアカラーリング商品及びヘアケア商品のカテゴリー。
(b-3)ヘアカラー商品の使用時におけるかゆみや赤み等の症状の経験有無。
(b-4)ヘアカラー商品の使用時に経験した症状の種類、症状が出た部位、症状が出ていた期間、症状が出た頻度、症状が出た時期。
(b-5)ヘアカラー商品についてのパッチテストの実施経験の有無、及び、パッチテストの実施時における症状の有無。
【0052】
本実施形態では、上記(b-1)の質問に対する回答の候補として、美容室(美容師による染毛)・家庭(市販品を使用した染毛)・これらの併用の選択肢が提示される。また、染毛の経験が複数回ある場合には、直近又はここ最近(直近数回分)の染毛場所を回答するように利用者に指示される。
【0053】
上記(b-2)におけるヘアカラーリング商品には、ヘアカラー商品に加えて、ブリーチ(脱色剤・脱染剤)、ヘアマニキュア(半永久染毛料)、カラーシャンプー・カラートリートメント類(徐染性染毛料)、一時着色料(毛髪着色料)、メラニン前駆体を用いた染毛料、徐染性を有する一時着色料、カラースプレーやカラークリーム等の着色整髪剤などの各商品が含まれる。上記(b-2)におけるヘアケア商品には、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメントなどの各商品が含まれる。本実施形態では、上記(b-2)の質問に対する回答の候補として、これらヘアカラーリング商品及びヘアケア商品にそれぞれ含まれる商品が選択形式で提示される。
【0054】
本実施形態の上記(b-4)の質問では、ヘアカラー商品の使用時に経験した症状の種類の回答の候補として、かゆみ・赤み・痛み・腫れ・ぶつぶつ・水ぶくれ等の選択肢が提示される。ヘアカラー商品の使用時に経験した症状が出た部位の回答の候補として、毛髪の生え際・頭皮の一部・頭皮全体・顔の一部・顔全体などの選択肢が提示される。症状の種類及び症状が出た部位について、利用者は、提示された選択肢のうち該当するものを複数回答することができる。ヘアカラー商品の使用時に経験した症状が出ていた期間の回答については、ヘアカラー商品の使用中(つまり染毛の実施中)から、染毛の実施後1週間以上まで、の範囲で選択可能になっている。ヘアカラー商品の使用時に経験した症状が出た頻度の回答の候補として、ほぼ毎回起きた・ときどき起きた・ほとんど起こらなかった等の選択肢が提示される。ヘアカラー商品の使用時に経験した症状が出た時期の回答として、四季(春・夏・秋・冬)の選択肢が提示される。
【0055】
本実施形態の上記(C)の質問では、ヘアカラー商品の使用に起因するかぶれ等の皮膚障害への不安度が尋ねられる。上記(C)の質問に対する回答の候補として、不安である・どちらともいえない・特に不安でない等の選択肢が提示される。
【0056】
第1アンケート画面情報が端末通信部26により受信されると、続くN105で、端末制御部25が、ウェブブラウザで第1アンケート画面を表示する。これにより第1アンケート画面が利用者に認識される。
【0057】
N106では、利用者が、第1アンケート画面において、識別情報を入力する。具体的には、既に利用者登録が行われている場合には、利用者は、登録済みの識別情報を入力する。まだ利用者登録が行われていない場合には、利用者は、適当な識別情報を入力し、更に属性情報も入力する。利用者は、第1アンケート画面において、提示された上記(A)~(C)の質問に対する回答も入力する。
【0058】
第1アンケート画面で利用者による回答の入力が完了すると、N107で、端末制御部25が、第1アンケート画面で入力された利用者の回答(以下、第1アンケート回答という。)を、端末通信部26から販売装置3に送信する。
【0059】
第1アンケート回答がサーバ通信部31により受信されると、N108で、サーバ制御部33が、第1アンケート回答に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する。
【0060】
ここで、N108でサーバ制御部33が実行する販売中止判定処理について、
図4を用いて説明する。
【0061】
まず、S101で、サーバ制御部33は、第1アンケート回答を取得する。
続いて、S102で、サーバ制御部33は、S101で取得した第1アンケート回答に基づいて、利用者にヘアカラーアレルギーがあるかを判定する。より詳細には、上記(A)の質問に対する利用者の回答に基づいて、サーバ制御部33は、利用者にヘアカラーアレルギーがあるかを判定する。例えば、上記(a-1)~(a-4)の質問の少なくとも1つに対して肯定回答がなされている場合に、サーバ制御部33は、利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定する。さらに、本実施形態では、上記(B)の質問に対する利用者の回答にも基づいて、サーバ制御部33は、利用者にヘアカラーアレルギーがあるかを判定する。例えば、上記(b-3)あるいは(b-4)の質問に対して回答された症状等の度合いが、染毛場所(例えば、美容室か家庭かこれらの併用か)や使用したヘアカラー商品に応じた所定の基準度合いよりも酷い場合に、サーバ制御部33は、利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定する。例えば、ヘアカラー商品の使用時に経験した症状の個数が所定の基準数以上であること、症状が出た部位の頭部全体に占める範囲が所定の基準範囲以上であること、症状が出ていた期間が所定の期間以上であること、症状が出た頻度が所定の頻度以上であること、の条件の全てに合致する場合に、サーバ制御部33は、利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定する。サーバ制御部33により利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定されることは、利用者にヘアカラーアレルギーがある可能性が高いことに該当する。反対に、サーバ制御部33により利用者にヘアカラーアレルギーがないと判定されることは、利用者にヘアカラーアレルギーがある可能性が低いことに該当する。
【0062】
S102で利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定した場合、サーバ制御部33は、S103で、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定する。すなわち、サーバ制御部33は、利用者への本販売サービスの提供を中止すると判定する。
【0063】
一方、S102で利用者にヘアカラーアレルギーがないと判定した場合、サーバ制御部33は、S104で、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定する。すなわち、サーバ制御部33は、利用者への本販売サービスの提供を継続すると判定する。ただし、ここでの利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しない旨の判定は暫定的なものであり、後述するように、パッチテストの結果に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定される場合もあり得る。
S103又はS104の処理が終了すると、販売中止判定処理は終了する。
【0064】
図2に戻り、N108において、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定した場合には、サーバ制御部33は、その旨を利用者に通知して本処理を終了する。一方、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定した場合には、サーバ制御部33は、N109の処理に進む。
【0065】
N109では、サーバ制御部33は、第1アンケート回答に基づく各種情報を利用者データベースに記憶する。利用者データベースは、あらかじめサーバ記憶部32に用意されたデータベースであって、登録済みの利用者の情報を管理するためのデータベースである。
図5に示すように、利用者データベースには、利用者IDごとに、パスワード、属性情報(本実施形態では年齢及び性別)、及び1つ以上の利用情報が対応付けて記憶される。利用情報は、
図6に示すように、販売サービスの一連の利用につき1つ追加される情報群である。販売サービスの一連の利用とは、上記N102における専用サイトへのアクセスから、後述する、ヘアカラー商品の使用後のアフターフォローまでの販売サービスの利用を指す。利用情報には、第1アンケート回答に基づく情報の他、後述するパッチテストに関する情報やアフターフォローで得られた情報が含まれる。
【0066】
本実施形態のサーバ制御部33は、第1アンケート回答に基づく情報として、少なくとも、上記(B)の質問に対する回答に基づく利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性、及び、上記(C)の質問に対する回答に基づく利用者のヘアカラー商品の使用に対する不安度を、利用者データベースに記憶する。本実施形態でいうヘアカラーアレルギー予備群には、医師からヘアカラーアレルギーと診断されたことはないものの、ヘアカラー商品の使用に起因するかゆみや赤みのみの症状を経験している人が当てはまる。ただし、長引くかゆみが繰り返し起きる症状は、本実施形態では、ヘアカラーアレルギー予備群ではなくヘアカラーアレルギーに分類される。なお、利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性は、該当有無の2つの分類で表されてもよいし、該当可能性を示す3つ以上の分類で表されてもよい。
【0067】
図2に戻り、サーバ制御部33は、続くN110で、サーバ通信部31から端末装置2に第2アンケート画面情報を送信する。第2アンケート画面情報とは、第2アンケート画面を示すウェブページ情報である。第2アンケート画面では、所望する仕上がりに関する質問が利用者に提示され、当該質問に対する回答の入力が求められる。所望する仕上がりに関する質問では、例えば、所望する色味や染まり方、染めたい部位(例えば、毛髪全体、根元部分など)、許容可能な毛髪へのダメージ度合い等が尋ねられる。
【0068】
第2アンケート画面情報が端末通信部26により受信されると、N111で、端末制御部25が、ウェブブラウザで第2アンケート画面を表示する。これにより第2アンケート画面が利用者に認識される。
【0069】
N112では、利用者が、第2アンケート画面において、提示された質問に対する回答を入力する。
第2アンケート画面で利用者による回答の入力が完了すると、N113で、端末制御部25が、第2アンケート画面で入力された利用者の回答(以下、第2アンケート回答という。)を、端末通信部26から販売装置3に送信する。
【0070】
第2アンケート回答がサーバ通信部31により受信されると、N114で、サーバ制御部33が、第2アンケート回答及び前述した第1アンケート回答に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品を選定する。本実施形態では、サーバ制御部33は、利用者に販売するヘアカラー商品として、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれかを選定する。
【0071】
ここで、N108~N114でサーバ制御部33が実行する商品選定処理について、
図7を用いて説明する。
【0072】
まず、S201で、サーバ制御部33は、第1アンケート回答を取得する。そして、サーバ制御部33は、取得した第1アンケート回答に基づく各種情報を利用者データベースに記憶する。S201の処理は、上記N108~N109の処理に該当する。上記N109で述べたように、サーバ制御部33は、第1アンケート回答に基づく情報として、少なくとも、上記(B)の質問に対する回答に基づく利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性、及び、上記(C)の質問に対する回答に基づく利用者のヘアカラー商品の使用に対する不安度を、利用者データベースに記憶する。
【0073】
続いて、S202で、サーバ制御部33は、第2アンケート回答を取得する。
続いて、S203で、サーバ制御部33は、S201で取得した第1アンケート回答に基づいて、利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当するかを判定する。より詳細には、サーバ制御部33は、利用者データベースに記憶したヘアカラーアレルギー予備群の該当性に基づいて、すなわち上記(B)の質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当するかを判定する。例えば、サーバ制御部33は、上記(b-3)あるいは(b-4)の質問に対して回答された症状等の度合いが、染毛場所(例えば、美容室か家庭かこれらの併用か)や使用したヘアカラー商品に応じた所定の基準度合いよりも酷い場合に、サーバ制御部33は、利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当すると判定する。この際の判定基準は、上記S102におけるヘアカラーアレルギーがあるかを判定するための判定基準よりも、症状等の程度が軽い側に定められる。例えば、S203においても、上記S102で列挙した、ヘアカラー商品の使用時に経験した症状、症状が出た部位、症状が出ていた期間、症状が出た頻度の各要件を用いることが可能であるが、その場合、S203では、各要件についての基準値が上記S102の基準値よりも程度が軽い側に定められるか、あるいは要件の総数に対する合致数の判定基準が上記S102の判定基準よりも低く定められる。サーバ制御部33により利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当すると判定されることは、利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当する可能性が高いことに該当する。反対に、サーバ制御部33により利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当しないと判定されることは、利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当する可能性が低いことに該当する。なお、S203における判定結果は利用者には伝えられない。
【0074】
S203で利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当しないと判定した場合、サーバ制御部33は、S204で、上記S201で取得した第1アンケート回答に基づいて、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度が大きいかを判定する。より詳細には、サーバ制御部33は、利用者データベースに記憶した利用者の不安度に基づいて、すなわち上記(C)の質問に対する利用者の回答に基づいて、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度が大きいかを判定する。例えば、前述したように上記(C)の質問に対する回答の候補として不安度を示す選択肢(例えば、不安である・どちらともいえない・特に不安でない、の選択肢)が示される場合には、回答の選択肢が示す不安度があらかじめ定められた基準よりも大きい場合(例えば、「不安である」が選択された場合)に、サーバ制御部33は、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度が大きいと判定する。
【0075】
S204でヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度が大きくない(つまり、当該不安度が小さい)と判定した場合、サーバ制御部33は、S205で、利用者に販売するヘアカラー商品の種類として、中間体含有商品を選定する。また、サーバ制御部33は、上記S102で取得した第2アンケート回答に基づいて、利用者に推奨する色番の候補を選定する。
【0076】
一方、S203で利用者がヘアカラーアレルギー予備群に該当すると判定した場合、又は、S204でヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度が大きいと判定した場合には、サーバ制御部33は、S206の処理に進む。そして、S206で、サーバ制御部33は、利用者に販売するヘアカラー商品の種類として、中間体非含有商品を選定する。また、サーバ制御部33は、S205と同様にして、利用者に推奨する色番の候補などを選定する。S202~S206の処理は、上記N114の処理に該当する。
【0077】
S205又はS206の処理が終了すると、商品選定処理は終了する。
なお、各ヘアカラー商品を選定するための判定基準(本実施形態では、ヘアカラーアレルギー予備群の該当性や不安度の程度)は、例えば、後述するアフターフォローから得られた情報に基づいて適宜見直されてもよい。
【0078】
図2に戻り、サーバ制御部33は、続くN115で、サーバ通信部31から端末装置2に商品画面情報を送信する。商品画面情報とは、商品画面を示すウェブページ情報である。商品画面では、上記N114で選定されたヘアカラー商品を推奨する旨、及び、上記N114で選定されたヘアカラー商品に関する情報が、利用者に提示される。以下では、商品画面で推奨されるヘアカラー商品を、推奨商品という。推奨商品に関する情報には、推奨商品の名称(商品名)や色番などの情報、推奨商品の特徴やリスク等の説明が含まれる。N114で中間体含有商品が選定された場合、すなわち推奨商品が中間体含有商品である場合には、酸化染料中間体が含まれるために、商品の使用に起因して皮膚障害が生じるおそれがあること、使用前にはパッチテストを実施すること等が説明される。
【0079】
上記N114で中間体非含有商品が選定された場合、すなわち推奨商品が中間体非含有商品である場合には、推奨商品の特徴やリスク等に加えて、推奨商品の販売に関する条件も説明される。推奨商品が中間体非含有商品である場合に商品画面で説明される内容には、以下の(d-1)~(d-6)が含まれる。
【0080】
(d-1)皮膚障害を生じさせ得る酸化染料中間体を実質的に含有しない商品であること。
(d-2)酸化染料中間体を含む一般的なヘアカラー商品(つまり、中間体含有商品)と比較して若干劣るものの同程度の染まり・色持ちがあること。
(d-3)中間体含有商品と比較して皮膚障害を生じさせにくいと考えられるものの、酸化染料中間体以外の成分に反応して皮膚障害が生じる場合も稀にあるので、絶対に症状が出ないとは言い切れないこと。
(d-4)皮膚障害を生じさせないために、使用前に毎回必ずパッチテストを実施し、その結果を報告すること。
(d-5)もしパッチテストの結果に異常があった場合には、返金対応をすること。
(d-6)パッチテストの結果に異常がなかった場合には、商品についての感想や使用により生じた症状等の確認に協力してもらいたいこと。
【0081】
商品画面情報が端末通信部26により受信されると、N116で、端末制御部25が、ウェブブラウザで商品画面を表示する。これにより商品画面が利用者に認識される。
利用者は、商品画面において推奨商品の購入手続きを行うことができる。利用者は、購入手続きの際に希望する色番等を指定する。例えばN117で利用者が推奨商品の購入手続きを行うと、N118で、端末制御部25が、推奨商品の購入を希望する旨(以下、購入要求という。)を、端末通信部26から販売装置3に送信する。以下では、購入要求に係る推奨商品を購入商品という。
【0082】
購入要求がサーバ通信部31により受信されると、N119で、サーバ制御部33が、購入要求に応じて決済金額を算出する。具体的には、個々のヘアカラー商品にはあらかじめ商品価格が定められている。サーバ制御部33は、購入要求に係るヘアカラー商品、すなわち購入商品の商品価格を、決済金額として算出する。そして、サーバ制御部33は、購入履歴を記憶する。具体的には、サーバ制御部33は、
図6に示すように、購入商品及び決済金額を購入履歴として利用者データベースに記憶する。また、本実施形態では、サーバ制御部33は、請求処理を実行する。請求処理については説明を省略するが、この処理が実行されると、利用者に決済金額の支払いが要求される。利用者による支払手続きが完了すると、サーバ制御部33は、商品発送処理を実行する。商品発送処理についても説明を省略するが、この処理が実行されると、利用者に購入商品が発送される。
【0083】
利用者は、購入商品を入手した後、
図2に示すN120で、当該購入商品についてのパッチテストを実施する。ヘアカラー商品についてのパッチテストは、試験液の塗布から所定の時間経過後の肌の状態に基づき、ヘアカラー商品の使用に起因する皮膚障害の発生可能性を評価するための試験である。ヘアカラー商品のパッチテストにおける試験液は、ヘアカラーの第1剤と第2剤とを指定の割合で混合した混合液である。第1剤と第2剤との混合割合を含め、具体的なパッチテストの方法は、ヘアカラー商品の添付文書等に記載されている。本実施形態では、購入商品の発送に合わせて、サーバ制御部33からも電子メールでパッチテストの方法が案内される。本実施形態のパッチテストでは、上腕の内側の肌に試験液を塗布し、試験液の塗布から30分経過後及び48時間経過後の計2回、肌の状態を観察することとされている。試験液の塗布から30分経過後の肌の状態からは、ヘアカラー商品の使用に起因する即時型の皮膚障害(例えば、即時型のアレルギー性のかぶれ)が生じる可能性が示される。試験液の塗布から48時間経過後の肌の状態からは、ヘアカラー商品の使用に起因する遅延型の皮膚障害(例えば、遅延型のアレルギー性のかぶれ)が生じる可能性が示される。なお、試験液の塗布から48時間未満であっても、かゆみ、赤み、痛み、腫れ、ぶつぶつ、水ぶくれ等の症状が出てパッチテストの継続が難しい場合には、その時点でパッチテストを中止する。
【0084】
購入商品が中間体非含有商品である場合には、上記(d-4)のとおり、パッチテストの結果の報告が利用者に求められている。パッチテストの結果の報告方法は、例えば中間体非含有商品のパッケージや添付文書等に記載されたり、パッチテストの方法を案内するための電子メールに併記されたりして、利用者に指示される。本実施形態では、パッチテストの結果の報告として、利用者の肌を撮像した撮像画像を本販売サービスの専用サイトにアップロードように利用者に指示される。
【0085】
また、当該撮像画像について、利用者の肌単独の撮像画像よりも、基準となる色を示す色見本も共に写る撮像画像の方が好ましい旨が、利用者に伝えられる。撮像画像の色味は、明るさや光源の色などの撮像環境によって異なる可能性があるが、色見本が共に写っている場合には、色見本の色を基準にした撮像画像全体の色の補正が可能になるためである。色見本は、例えば、色見本自体が特徴的な形状であったり、特徴的な形状のマークに隣接していたりすることにより、撮像画像において特定可能になっている。色見本は、例えば、ヘアカラー商品のパッケージや添付文書等に印刷されたり、ヘアカラー商品に別添されたりして、利用者に提供される。さらに、利用者の肌の撮像画像について、利用者の肌の立体形状を特定可能な撮像画像の方が好ましい旨も、利用者に伝えられる。撮像画像から肌の立体形状を特定可能である場合には、試験液の塗布により腫れ、ぶつぶつ、水ぶくれ等、肌の立体形状が変化する症状が生じたかどうかが評価しやすくなるためである。肌の立体形状を特定可能な撮像画像には、例えば、角度を変えて撮像された複数の静止画、及び動画が含まれる。また例えば、奥行きを測定可能なライダが端末装置2に搭載されている場合には、当該ライダの機能を利用して撮像された撮像画像も、肌の立体形状を特定可能な撮像画像に含まれる。なお、ライダはLiDARとも表記され、Light Detection and Rangingの略である。
【0086】
利用者は、試験液の塗布から30分経過後及び48時間経過後のそれぞれの時点において、撮像部23を用いて自身の肌(より詳細には、肌における試験液の塗布部を含む範囲)を撮像する。そして、
図3に示すN121で、利用者は、ウェブブラウザで販売サービスの専用サイトにアクセスし、パッチテストの結果報告手続きを行う。すなわち、利用者は、パッチテストの結果として自身の肌の撮像画像を専用サイトにアップロードするための手続きを行う。これにより、N122で、パッチテストの結果(具体的には、利用者の肌の撮像画像)が専用サイトにアップロードされる。すなわち、端末通信部26を介して、パッチテストの結果が販売装置3に報告される。なお、かゆみ等の症状によりパッチテストの継続が難しく、試験液の塗布から48時間未満でパッチテストを中止した場合には、利用者は、パッチテストを終了した時点における自身の肌を撮像し、後述するN127の異常有無報告手続きを行う。
【0087】
専用サイトにアップロードされた利用者の肌の撮像画像がサーバ通信部31により受信されると、N123で、サーバ制御部33が、取得した撮像画像を利用者データベースに記憶する。
【0088】
続いて、サーバ制御部33は、N124で、既に利用者データベースに記憶されている第三者(すなわち、他の利用者)の撮像画像から、利用者に応じた撮像画像を選定する。ここでいう利用者に応じた撮像画像は、パッチテストの結果が利用者と類似している可能性が高い第三者の撮像画像を指す。例えば、サーバ制御部33は、利用者に応じた撮像画像として、属性情報(本実施形態では年齢及び性別)が利用者と近い第三者の撮像画像を選定する。また例えば、サーバ制御部33は、利用者に応じた撮像画像として、パッチテストに用いたヘアカラー商品が利用者と同一である第三者の撮像画像を選定する。また例えば、サーバ制御部33は、利用者に応じた撮像画像として、利用者の撮像画像に対する画像としての類似度が高い第三者の撮像画像を選定する。画像同士の類似性は、画像から抽出される、色、テクスチャ、形状といった特徴量同士の比較により算出可能である。選定される第三者の撮像画像は単数でもよいが、本実施形態のサーバ制御部33は、複数の撮像画像を選定する。
【0089】
続いて、N125で、サーバ制御部33は、サーバ通信部31から端末装置2に参考情報画面情報を送信する。参考情報画面情報とは、参考情報画面を示すウェブページ情報である。参考情報画面では、利用者によるパッチテストの結果の評価において参考になり得る参考情報として、上記N124で選定された第三者の撮像画像と、当該第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての当該第三者の使用実績と、が利用者に提供される。第三者の撮像画像及び使用実績は、その第三者の個人情報が特定されない形で利用者に提供される。提供される第三者の撮像画像は、第三者がパッチテストを実施したときの肌を撮像した撮像画像である。したがって、当該第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての当該第三者の使用実績には、例えば、当該撮像画像の撮像後、つまり当該撮像画像に係るパッチテストの実施後に、そのパッチテストと同一のヘアカラー商品を用いて染毛を実施したかどうかが含まれる。また例えば、そのパッチテストと同一のヘアカラー商品を用いて染毛を実施したときに、かぶれ等の症状が生じたかどうかも、当該第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての当該第三者の使用実績に含まれる。後述するように、染毛の実施有無や染毛による症状の発生有無に関する情報も利用者から取得され、利用者データベースに記憶されている。
【0090】
ここで、上記N123~N125でサーバ制御部33により実行される参考情報提供処理について、
図8を用いて説明する。
【0091】
まず、S301で、サーバ制御部33は、パッチテストの結果として、利用者の肌を撮像した撮像画像を取得する。
【0092】
続いて、S302で、サーバ制御部33は、S301で取得した利用者の撮像画像を利用者データベースに記憶する。S301,S302の処理は、上記N123の処理に該当する。
【0093】
続いて、S303で、サーバ制御部33は、既に利用者データベースに記憶されている第三者の撮像画像から、利用者に応じた撮像画像を選定する。S303の処理は、上記N124の処理に該当する。上記N124で述べたとおり、サーバ制御部33は、パッチテストの結果が利用者と類似している可能性が高い第三者の撮像画像を選定する。
【0094】
続いて、S304で、サーバ制御部33は、参考情報として、S303で選定した第三者の撮像画像と、当該第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての第三者の使用実績と、を利用者に提供する。S304の処理は、上記N125の処理に該当する。ここでいう第三者の使用実績の具体例は、上記N125で挙げたとおりである。
S304の処理が終了すると、参考情報提供処理は終了する。
【0095】
図3に戻り、参考情報画面情報が端末通信部26により受信されると、続くN126で、端末制御部25が、ウェブブラウザで参考情報画面を表示する。これにより参考情報画面が利用者に認識される。本実施形態の参考情報画面では、
図9に示すように、上記N124で選定された複数の第三者の撮像画像が、ヘアカラー商品の使用実績で区分されて表示される。利用者は、参考情報画面に表示された第三者の撮像画像を参考にしながら、自身のパッチテストの結果を評価することができる。
【0096】
なお、本実施形態では、上記N124でサーバ制御部33により利用者に応じた第三者の撮像画像が選定され、当該選定された撮像画像がN126で参考情報画面に表示されるが、上記N124のサーバ制御部33による撮像画像の選定は、必ずしも行われなくてもよい。例えば、参考情報画面において、利用者が設定した条件で第三者の撮像画像を選定したり並び替えたりできるように構成してもよい。
【0097】
図3に戻り、N127では、利用者が、ウェブブラウザで販売サービスの専用サイトにアクセスして、異常有無報告手続きを行う。異常有無報告手続きは、パッチテストの結果についての異常有無を本販売サービスの提供者に報告するための手続きである。すなわち、利用者は、自身のパッチテストの結果に異常があったかどうかを、販売サービスの提供者に報告する。これにより、N128で、端末制御部25が、パッチテストの結果についての異常有無を示す情報である異常有無情報を、端末通信部26から販売装置3に報告する。
【0098】
なお、上記N120において試験液の塗布から48時間未満でパッチテストを中止した場合には、利用者は、N127で、パッチテストに異常があった旨を販売サービスの提供者に報告する。その際、利用者は、パッチテストを終了した時点における自身の肌の撮像画像を販売サービスの専用サイトにアップロードする。
【0099】
異常有無情報がサーバ通信部31により受信されると、N129で、サーバ制御部33が、当該異常有無情報に応じて、パッチテストの結果に異常があった旨及び異常がなかった旨のいずれかを、利用者データベースに記憶する。異常有無情報と共に利用者の肌の撮像画像を受信した場合には、サーバ制御部33は、当該撮像画像も利用者データベースに記憶する。
【0100】
また、サーバ制御部33は、異常有無情報に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかを判定する。具体的には、パッチテストの結果に異常があった場合に、サーバ制御部33は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定する。本実施形態では、上記N119で既に利用者による支払手続きが行われているため、サーバ制御部33は、上記(d-5)のとおり返金手続きを行うことをもって購入商品の販売を取り消す。返金手続きの要件には、利用者からの購入商品の返品が含められてもよい。
【0101】
なお、本実施形態では、上記N120におけるパッチテストの実施前に上記N119で支払手続きが行われるが、パッチテストの結果に基づいて利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定されるまで、支払手続きが行われなくてもよい。この場合、本実施形態では、上記N119で商品発送処理が行われると利用者に購入商品が発送されるのに対して、例えば、パッチテストに必要なもの(例えば、パッチテスト用の専用キット等)が先に利用者に送付され、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しない旨の判定が確定した後に購入商品が利用者に送付されてもよい。
【0102】
ここで、上記N119~N130でサーバ制御部33により実行される返金判定処理について、
図10を用いて説明する。
【0103】
まず、S401で、サーバ制御部33は、利用者から購入要求を取得する。
続いて、S402で、購入要求に応じて決済金額を算出する。S401,S402の処理は、上記N119の処理に該当する。
【0104】
続いて、S403で、サーバ制御部33は、パッチテストの結果の異常に関する情報である異常情報を取得する。本実施形態では、サーバ制御部33は、異常情報として、前述した異常有無情報を取得する。S403の処理は、上記N129の処理に該当する。
【0105】
続いて、S404で、サーバ制御部33は、S403で取得した異常情報(つまり、本実施形態では異常有無情報)に基づいて、パッチテストの結果に異常があったかを判定する。サーバ制御部33によりパッチテストの結果に異常があったと判定されることは、パッチテストの結果に異常があった可能性が高いことに該当する。反対に、サーバ制御部33によりパッチテストの結果に異常がなかったと判定されることは、パッチテストの結果に異常があった可能性が低いことに該当する。
【0106】
S404でパッチテストの結果に異常があったと判定した場合には、サーバ制御部33は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定し、S405で、返金手続きを行う。S404,S405の処理は、上記N130の処理に該当する。本実施形態では、返金手続きにより、S402で算出された決済金額の全額が利用者に返金される。
【0107】
S405の処理が終了すると、返金判定処理は終了する。また、S404でパッチテストの結果に異常がなかったと判定された場合も、返金判定処理は終了する。つまり、この場合には、上記N108で行われた、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しない旨の判定が維持され、決済金額の返金は行われない。
【0108】
図3に戻り、利用者は、自身のパッチテストの結果に異常がないと評価した場合には、N131で、パッチテストと同一のヘアカラー商品、つまり購入商品を用いて染毛を実施することができる。
【0109】
染毛を実施した場合、利用者は、N132で、ウェブブラウザで販売サービスの専用サイトにアクセスし、使用報告手続きを行う。使用報告手続きは、染毛を実施した旨を本販売サービスの提供者に報告するための手続きである。
【0110】
N132で使用報告手続きが行われると、端末制御部25が、N133で、染毛を実施した旨を、端末通信部26から販売装置3に報告する。
【0111】
染毛を実施した旨がサーバ通信部31により受信されると、サーバ制御部33は、N134で、アフターフォロー画面情報をサーバ通信部31から端末装置2に送信する。アフターフォロー画面情報は、アフターフォロー画面を示すウェブページ情報である。アフターフォロー画面では、染毛に使用したヘアカラー商品(つまり、上記N117の購入手続きにより購入した中間体非含有商品)に対する満足度、中間体非含有商品の使用により生じた症状などが利用者に尋ねられる。中間体非含有商品に対する満足度には、例えば、使用前の不安度との対比による満足度、中間体非含有商品を使用した染め上がりについての満足度、中間体非含有商品の使い勝手(例えば、染め方の簡便さ等)についての満足度などが含まれる。本実施形態のアフターフォロー画面では、中間体非含有商品に関する満足度の回答の候補として、満足・やや満足・普通・やや不満・不満などの選択肢が提示される。また、中間体非含有商品の使用により生じた症状の回答の候補として、上記(b-4)のように、症状の有無、症状の種類、症状が出た部位、症状が出ていた期間等が選択形式で提示される。
【0112】
アフターフォロー画面情報が端末通信部26により受信されると、N135で、端末制御部25が、ウェブブラウザでアフターフォロー画面を表示する。これによりアフターフォロー画面が利用者に認識される。
【0113】
N136では、利用者が、アフターフォロー画面において、提示された質問に対する回答を入力する。
【0114】
アフターフォロー画面で利用者による回答の入力が完了すると、N137で、端末制御部25が、アフターフォロー画面で入力された利用者の回答(以下、アフター回答という。)を、端末通信部26から販売装置3に送信する。
【0115】
アフター回答がサーバ通信部31により受信されると、N138で、サーバ制御部33が、アフター回答から得られる利用者の満足度や商品の使用による症状等の情報を、利用者データベースに登録する。これらアフター回答から得られる各種情報は、利用者の次回以降の本販売サービスの利用において、上記N124の第三者の撮像画像を選定する際に用いることができる。例えば、サーバ制御部33は、アフター回答の内容が利用者と類似する第三者の撮像画像を選定する。また、アフター回答から得られる各種情報に基づいて、上記N114における利用者に販売するヘアカラー商品の選定基準を調整することも可能である。例えば、中間体非含有商品を使用した利用者の満足度の統計値が、あらかじめ想定されていた値よりも高い場合には、中間体非含有商品を選定するための判定基準が緩くなる方向に調整されてもよい。
【0116】
[1-3.効果]
以上詳述した第1実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1a)販売システム1では、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を示す情報である皮膚障害情報が取得される。本実施形態では、皮膚障害情報として、上記(A)のヘアカラーアレルギーの有無を確認するための質問、及び、上記(B)のヘアカラー商品の使用経験に関する質問のそれぞれに対する利用者の回答が取得される。ヘアカラー商品についての利用者のパッチテストの結果も、皮膚障害情報として取得される。そして、これらの情報に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定される。
【0117】
一般消費者の中には、ヘアカラー商品の使用に起因した皮膚障害への不安を理由に、ヘアカラー商品の使用を諦めてしまう消費者がいる。ヘアカラー商品の使用による皮膚障害の生じやすさは、ヘアカラー商品の差異だけでなく個人差もあるため、自身にとってどのヘアカラー商品がどの程度の皮膚障害を生じさせるおそれがあるのかを判断することが難しいと感じている消費者もいると考えられる。
【0118】
上記のような構成によれば、消費者にとっては、自身の皮膚障害の発生可能性を踏まえてヘアカラー商品の販売が行われているという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。したがって、皮膚障害への不安を理由にヘアカラー商品の使用を諦めていた消費者層へのヘアカラー商品の普及を促進することが可能になる。
【0119】
(1b)特に本実施形態の販売システム1では、皮膚障害情報として、ヘアカラー商品の使用に起因する利用者の皮膚障害の発生可能性を評価するための質問に対する利用者の回答(具体的には、上記(A)のヘアカラーアレルギーの有無を確認するための質問、及び、上記(B)のヘアカラー商品の使用経験に関する質問のそれぞれに対する利用者の回答)が取得される。そして、当該回答に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定される。
【0120】
ヘアカラー商品による皮膚障害には、例えばかゆみなど当事者以外に把握されにくい症状も含まれる。上記のような構成によれば、皮膚障害に関する利用者の主観的な回答を踏まえて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定される。すなわち、利用者にとっては、例えば、自らしか把握できなかった過去の症状も踏まえて、ヘアカラー商品の販売が行われているという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を一層購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0121】
(1c)さらに、本実施形態の販売システム1では、皮膚障害情報として、ヘアカラー商品についての利用者のパッチテストの結果も取得される。そして、当該パッチテストの結果に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定される。
【0122】
前述したようにヘアカラー商品の使用に起因した皮膚障害の発生可能性はパッチテストにより評価可能であるが、この点を知らないために、ヘアカラー商品の使用を諦めたままになっていることもあると考えられる。
【0123】
上記のような構成によれば、パッチテストの結果の報告が利用者に求められるため、パッチテスト自体あるいはパッチテストの詳細を知らなかった消費者にとっては、ヘアカラー商品の使用前(つまり染毛前)にパッチテストで皮膚障害の発生可能性を評価できることを知る機会になる。すなわち、このような消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することが可能になる。
【0124】
また、上記のような構成によれば、パッチテストの結果が利用者に求められるため、パッチテストを知らないために又は知っているものの意識的にパッチテストを省略してヘアカラー商品を使用してしまうことを防ぐことができる。すなわち、ヘアカラー商品の使用前に、パッチテストにより利用者の皮膚障害の発生可能性が見積もられるため、ヘアカラー商品の使用による皮膚障害の発生を未然に防ぐことも可能になる。
【0125】
(1d)販売システム1では、利用者に販売するヘアカラー商品の決済金額が算出される。利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合には、当該決済金額が減額される。本実施形態では、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかがパッチテストの結果に基づき判定される前に、購入商品についての支払手続きが行われる。このため、パッチテストの結果に基づき利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合には、減額された金額分(本実施形態では、決済金額の全額)が利用者に返金される。
【0126】
上記(1c)でも述べたとおり、ヘアカラー商品の使用に起因した皮膚障害の発生可能性はパッチテストにより評価可能である。しかし、消費者の中には、パッチテストの結果に異常がありヘアカラー商品の使用を断念することになれば、ヘアカラー商品の代金が無駄になってしまうという金銭的な不安もあって、ヘアカラー商品の購入を諦めてしまう消費者もいると考えられる。
【0127】
上記のような構成によれば、ヘアカラー商品の販売を中止すると判定された場合、例えばパッチテストの結果に異常があった場合には、決済金額が減額されるため、消費者の金銭的な不安を軽減することが可能になる。すなわち、このような不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0128】
(1e)販売システム1では、パッチテストの結果として、パッチテストの試験液の塗布から所定の時間経過後(本実施形態では、30分経過後及び48時間経過後)の利用者の肌を撮像した撮像画像が取得される。取得された撮像画像は、利用者データベースに記憶される。そして、既に利用者データベースに記憶されている第三者の撮像画像が、利用者自身によるパッチテストの評価において参考になり得る参考情報として、利用者に提供される。
【0129】
消費者の中には、パッチテストの結果を適切に評価できるか不安に思い、ヘアカラー商品の使用を諦めてしまっている消費者もいると考えられる。実際、ヘアカラー商品についてのパッチテストでは、含有される染料や顔料等の影響で肌が染まってしまうために、試験液の塗布による赤み等が生じているかどうかを評価し難い場合もある。
【0130】
上記のような構成によれば、利用者が自身の肌の状態を第三者の撮像画像に写る肌の状態と比較することができるため、利用者自身によるパッチテストの評価の難易度を下げることが可能になる。すなわち、パッチテストの結果を自ら評価しなければならないことへの利用者の不安を軽減することが可能になる。したがって、このような不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0131】
(1f)特に本実施形態の販売システム1では、利用者に応じて選定された第三者の撮像画像が、参考情報として利用者に提供される。前述したように、ここでいう利用者に応じた撮像画像は、パッチテストの結果が利用者と類似している可能性が高い第三者の撮像画像である。
【0132】
上記(1a)でも述べたように、ヘアカラー商品の使用により皮膚障害が生じるかどうかには、個人差がある。このため、パッチテストの結果の評価のために第三者の撮像画像を参考にする場合には、当該第三者撮像画像は、パッチテストの結果の傾向が利用者と似ている第三者の撮像画像である方が好ましい。例えば、複数の第三者の撮像画像の中から利用者自身が自らとパッチテストの結果の傾向が似ていると推測される第三者の撮像画像を選定することも可能であるが、利用者によっては、どのような条件で選定してよいかわからないと感じる可能性も考えられる。
【0133】
上記のような構成によれば、あらかじめ販売システム1で利用者に応じて選定された第三者の撮像画像が利用者に提供されるため、利用者にとっては、パッチテストの結果をより適切に評価できるという安心感を得ることができる。したがって、パッチテストの結果を自身で評価しなければならないことへの不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を一層試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0134】
(1g)さらに、本実施形態の販売システム1では、第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての第三者の使用実績も、参考情報として利用者に提供される。
このような構成によれば、利用者が自身にとっての購入商品の使用可否や使用による症状の発生可能性などを推測しながら、パッチテストの結果を評価することも可能になる。すなわち、利用者にとっては、パッチテストの結果をより一層適切に評価できるという安心感を得ることができる。したがって、パッチテストの結果を自身で評価しなければならないことへの不安を抱いている消費者もヘアカラー商品をより一層試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0135】
(1h)販売システム1では、前述した皮膚障害情報に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品の種類が選定される。本実施形態では、上記(B)のヘアカラー商品の使用経験に関する質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品の種類が選定される。また、本実施形態では、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれかが選定される。
【0136】
ヘアカラー商品は、配合成分の種類や各成分の配合量によって、商品ごとの皮膚障害を生じさせ得る度合いに違いがある。例えば、中間体非含有商品は、中間体含有商品と比較して皮膚障害を生じさせにくいと考えられる。しかし、このように商品ごとに皮膚障害を生じさせ得る度合いが異なることを知らない、あるいは中間体非含有商品のように皮膚障害を比較的生じさせにくいヘアカラー商品があることを知らない消費者もいると考えられる。また、上記(1a),(1f)でも述べたように、商品ごとの違いに加えて消費者ごとの体質等の違いも、ヘアカラー商品の使用による皮膚障害が生じてしまうかどうかに影響する。このため、自身にとってどのヘアカラー商品がどの程度皮膚障害を生じさせる可能性があるのか判断することが難しい、どのヘアカラー商品を選べばよいかわからない、などと感じる消費者もいると考えられる。
【0137】
上記のような構成によれば、利用者にとっては、自身の皮膚障害の発生可能性を踏まえたヘアカラー商品を選定してもらえるという安心感を得ることができる。このため、利用者がより安心してヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0138】
(1i)特に本実施形態の販売システム1では、上記(C)のヘアカラー商品の使用に対する不安度を確認するための質問に対する回答も、利用者から取得される。そして、皮膚障害情報だけでなく、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度にも基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品の種類が選定される。
【0139】
このような構成によれば、不安度が高い利用者に対して、皮膚障害を比較的生じさせにくいと考えられるヘアカラー商品を選定することも可能になる。利用者にとっては、自身の不安を伝えることで、他のヘアカラー商品と比較して皮膚障害を生じさせにくいヘアカラー商品を選定してもらえるという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている利用者もより一層安心してヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0140】
(1j)販売システム1では、利用者に販売されるヘアカラー商品の候補に中間体非含有商品が含まれる。
このような構成によれば、利用者の皮膚障害の発生可能性に応じて、中間体非含有商品、つまり皮膚障害を生じさせにくいと考えられるヘアカラー商品を選定することが可能になる。利用者にとっては、皮膚障害を生じさせにくいと考えられるヘアカラー商品が候補に含まれていることは、仮に皮膚障害への不安があっても販売サービスを利用してみようと思う理由になり得る。すなわち、皮膚障害への不安度が大きい利用者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0141】
なお、第1実施形態では、上記S101,S201,S202,S301の処理が、情報取得部としての処理の一例に該当する。上記S102,S404の処理が、販売中止判定部としての処理の一例に該当する。上記S203~S206の処理が、種類選定部としての処理の一例に該当する。上記S302の処理が、情報記憶部としての処理の一例に相当する。上記S303~S304の処理が、情報提供部としての処理の一例に相当する。上記S402,S405の処理が、決済部としての処理の一例に相当する。
【0142】
[2.第2実施形態]
[2-1.構成]
第2実施形態の構成は、
図1に示す第1実施形態の構成と基本的に同様であるため、相違点について以下に説明する。
【0143】
第2実施形態では、サーバ記憶部32に、肌の撮像画像から導かれるパッチテストの結果の異常有無について学習した学習済みモデルがあらかじめ用意されている。この学習済みモデルは、パッチテストの結果に異常があると評価された場合の肌の撮像画像と、パッチテストの結果に異常がないと評価された場合の肌の撮像画像と、を含む大量の撮像画像を学習データとして用いた機械学習により生成されたものである。また、この学習済みモデルは、パッチテストに用いたヘアカラー商品の種類や色番等の情報を含めて学習したものであってもよいし、パッチテストに用いたヘアカラー商品の種類や色番等で別々に学習したものであってもよい。サーバ制御部33は、パッチテストの試験液の塗布から所定の時間経過後の利用者の肌の撮像画像を学習済みモデルに入力することで、当該撮像画像に係るパッチテストの結果に異常がある可能性を表す確率値を算出することが可能である。以下では、この確率値を異常確率値という。
【0144】
[2-2.処理]
第2実施形態の処理も、第1実施形態の処理と基本的に同様であるため、相違点について以下に説明する。
【0145】
図11に示すように、第2実施形態でも、N101~N123の処理は、第1実施形態と同様である。ただし、第2実施形態では、N123でパッチテストの結果として利用者の肌の撮像画像を取得し、当該撮像画像を利用者データベースに記憶すると、サーバ制御部33は、N124の処理ではなくN201の処理に進む。
【0146】
サーバ制御部33は、N201で、利用者の肌の撮像画像に基づいてパッチテストの結果を評価する。具体的には、サーバ制御部33は、利用者の肌の撮像画像を前述した学習済みモデルに入力し、当該撮像画像に係るパッチテストの結果についての異常確率値を算出する。
【0147】
なお、サーバ制御部33は、利用者の肌の撮像画像に含まれる、利用者の肌におけるパッチテストの試験液の塗布部が写る部分(以下、塗布部画像という。)と、利用者の肌における当該塗布部以外の部分が写る部分(以下、非塗布部画像という。)と、の双方に基づいて、パッチテストの結果を評価してもよい。例えば、サーバ制御部33は、塗布部画像及び非塗布部画像を用いて異常確率値をそれぞれ算出した後、塗布部画像を用いて算出した異常確率値を、非塗布部画像を用いて算出した異常確率値で補正してもよい。また例えば、サーバ制御部33は、パッチテストの結果に異常があると評価された場合の塗布部画像及び非塗布部画像と、パッチテストの結果に異常がないと評価された場合の塗布部画像及び非塗布部画像と、を学習した学習済みモデルを用いて、異常確率値を算出してもよい。
【0148】
また、第1実施形態で述べたように、利用者の肌の撮像画像については、利用者の肌単独の撮像画像よりも、基準となる色を示す色見本も共に写る撮像画像の方が好ましい旨が、利用者に伝えられてもよい。例えば、サーバ制御部33は、利用者の肌と色見本とを併せて撮像した撮像画像を取得した場合には、色見本の色を基準に撮像画像の色を補正し、この補正後の撮像画像に基づいて当該撮像画像に係るパッチテストの結果を評価してもよい。つまり、サーバ制御部33は、この補正後の撮像画像を学習済みモデルに入力して異常確率値を算出してもよい。
【0149】
また、第1実施形態で述べたように、利用者の肌の撮像画像については、利用者の肌の立体形状を特定可能な撮像画像の方が好ましい旨も、利用者に伝えられてもよい。例えば、サーバ制御部33は、利用者の肌の立体形状を特定可能な撮像画像を取得した場合には、立体形状についても学習した学習済みモデルを用いて、異常確率値を算出してもよい。
【0150】
N201において、サーバ制御部33は、パッチテストの結果の評価、すなわち算出した異常確率値を、利用者データベースに記憶する。
【0151】
続いて、N202で、サーバ制御部33は、サーバ通信部31から端末装置2に評価画面情報を送信する。評価画面情報とは、評価画面を示すウェブページ情報である。評価画面では、サーバ制御部33によるパッチテストの結果の評価が利用者に提示される。本実施形態では、サーバ制御部33による異常確率値に基づく判定結果が、利用者に提示される。サーバ制御部33は、異常確率値が所定の閾値以上である場合に、パッチテストの結果に異常があると判定する。すなわち、本実施形態の評価画面では、サーバ制御部33によるパッチテストの結果の評価として、パッチテストの結果の異常有無が利用者に提示される。また、サーバ制御部33は、パッチテストの結果に異常があると判定した場合に、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定する。このため、評価画面において、パッチテストの結果に異常がある旨が提示される場合には、返金手続きが行われる旨も併せて利用者に伝えられる。
【0152】
なお、サーバ制御部33によるパッチテストの結果の評価として、本実施形態では異常確率値に基づく2分類の判定結果(つまり、パッチテストの結果の異常有無)が利用者に提示されるが、異常確率値に基づく3分類以上の判定結果(つまり、パッチテストの結果の異常可能性)が利用者に提示されてもよいし、異常確率値自体が利用者に提示されてもよい。
【0153】
評価画面情報が端末通信部26により受信されると、N203で、端末制御部25が、ウェブブラウザで評価画面を表示する。これにより評価画面が利用者に認識される。
【0154】
ここで、上記N123,N201~N203でサーバ制御部33により実行される評価提示処理について、
図12を用いて説明する。
【0155】
まず、S501で、サーバ制御部33は、パッチテストの結果として、利用者の肌を撮像した撮像画像を取得する。
続いて、S502で、サーバ制御部33は、S501で取得した利用者の撮像画像を利用者データベースに記憶する。S501,S502の処理は、上記N123の処理に該当する。
【0156】
続いて、S503で、サーバ制御部33は、S501で取得した利用者の撮像画像に基づいて、当該撮像画像に係るパッチテストの結果を評価する。前述したように、サーバ制御部33は、学習済みモデルを用いて、当該撮像画像に係るパッチテストの結果についての異常確率値を算出する。そして、サーバ制御部33は、算出した異常確率値を利用者データベースに記憶する。S503の処理は、上記N201の処理に該当する。
【0157】
続いて、S504で、サーバ制御部33は、パッチテストの結果の評価を利用者に提示する。S504の処理は、上記N202,N203の処理に該当する。上記N202,N203で述べたように、本実施形態では、サーバ制御部33は、パッチテストの結果の評価として、S503で算出した異常確率値に基づくパッチテストの結果の異常有無を、利用者に提示する。
S504の処理が終了すると、評価提示処理は終了する。
【0158】
図11に戻り、サーバ制御部33は、N201でパッチテストの結果に異常があると判定した場合には、N130で返金手続きを行う。N130の処理は、第1実施形態と同様である。
【0159】
ここで、上記N119~N123,N201~N203,N130でサーバ制御部33により実行される返金判定処理について説明する。第2実施形態の返金判定処理は、基本的には、
図10に示す第1実施形態の返金判定処理と同様である。
【0160】
ただし、第2実施形態では、S403において、サーバ制御部33は、異常情報として、異常有無情報ではなく上記S503で算出した異常確率値を取得する。S403の処理は、上記N201の処理に該当する。
【0161】
そして、続くS404では、サーバ制御部33は、S403で取得した異常確率値を用いて、パッチテストの結果に異常があるかを判定する。具体的には、S403で取得した異常確率値が所定の閾値以上である場合に、サーバ制御部33は、パッチテストの結果に異常があると判定する。
【0162】
S404でパッチテストの結果に異常があると判定した場合には、サーバ制御部33は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定し、第1実施形態と同様に、S405で返金手続きを行う。S404,S405の処理は、上記N130の処理に該当する。
【0163】
S405が終了すると、返金判定処理は終了する。S404でパッチテストの結果に異常がないと判定された場合も、返金判定処理は終了する。
【0164】
図11に戻り、評価画面においてパッチテストの結果に異常がない旨の判定結果を通知された利用者は、N131で、パッチテストと同一のヘアカラー商品、つまり購入商品を用いて染毛を実施することができる。以降、N138までの処理は、第1実施形態と同様である。
【0165】
[2-3.効果]
以上詳述した第2実施形態によれば、第1実施形態における(1a)~(1d),(1h)~(1j)の効果と同様の効果を奏し、更に以下の効果を奏する。
【0166】
(2a)第2実施形態では、販売システム1において(具体的には、サーバ制御部33により)、パッチテストの試験液の塗布から所定の時間経過後の利用者の肌を撮像した撮像画像に基づいて、利用者のパッチテストの結果が評価される。
【0167】
上記(1e)で述べたように、消費者の中には、パッチテストの結果を自ら評価しなければならないことを不安に思っている消費者もいると考えられる。上記のような構成によれば、消費者にとっては、販売サービスの提供側でパッチテストの結果を評価してもらえるという安心感を得ることができる。したがって、このような不安を抱いている消費者もヘアカラー商品を試しやすい販売サービスを実現することができる。
【0168】
(2b)特に、色見本の色を基準に色補正した撮像画像に基づいて、利用者のパッチテストの結果が評価される場合には、明るさや光源の色などの撮像環境による評価のばらつき(具体的には、算出される異常確率値のばらつき)を低減することができる。
【0169】
(2c)塗布部画像と非塗布部画像とに基づいて、利用者のパッチテストの結果が評価される場合には、利用者の肌の色の違いによる評価のばらつきを低減することができる。また例えば、塗布部画像と非塗布部画像とが同じ1枚の撮像画像から作成される場合には、撮像環境や撮像部23の設定による評価のばらつきを低減することも可能になる。
【0170】
(2d)利用者の肌の立体形状を特定可能な撮像画像に基づいて、利用者のパッチテストの結果が評価される場合には、色味だけでなく腫れやぶつぶつ等の立体形状も考慮した評価を行うことが可能になる。このため、立体形状を特定困難な撮像画像に基づく場合と比較して、利用者のパッチテストの結果をより精度よく評価することができる。
【0171】
なお、第2実施形態では、上記S101,S201,S202,S501の処理が、情報取得部としての処理の一例に該当する。上記S102,S404の処理が、販売中止判定部としての処理の一例に該当する。上記S203~S206の処理が、種類選定部としての処理の一例に該当する。上記S402,S405の処理が、決済部としての処理の一例に相当する。上記S503の処理が、結果評価部としての処理の一例に相当する。
【0172】
[3.第3実施形態]
[3-1.構成]
第3実施形態の構成は、
図1に示す第1実施形態の構成と基本的に同様であるため、相違点について以下に説明する。
【0173】
第3実施形態では、端末装置2の端末記憶部24に、利用者が本販売サービスを利用するための専用のアプリケーションソフトウエア(以下、専用アプリという。)が記憶されている。また、端末記憶部24には、利用者のスケジュールを管理するための汎用のアプリケーションソフトウエア(以下、カレンダーアプリという。)や、利用者の生体情報を記録するための汎用のアプリケーションソフトウエア(以下、健康管理アプリという。)等も記憶されている。
【0174】
[3-2.処理]
第3実施形態では、利用者は、端末装置2で専用アプリを使用することにより本販売サービスを利用することができる。利用者により専用アプリが立ち上げられると、端末制御部25(具体的にはCPU251)により処理が実行される。専用アプリが起動している状態において端末制御部25により実行される処理の流れを、
図13を用いて説明する。
【0175】
まず、S601で、端末制御部25は、第1アンケートを実施する。具体的には、端末制御部25は、上記N104~N107のように、上記(A)~(C)の質問を表示部21に表示し、入力部22を介して当該質問に対する利用者の回答を取得する。そして、端末制御部25は、上記N108のように、上記(A)の質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者にヘアカラーアレルギーがあるかを判定する。本実施形態では、端末制御部25は、上記(B)の質問に対する利用者の回答にも基づいて、利用者にヘアカラーアレルギーがあるかを判定する。上記(A)及び(B)の質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者にヘアカラーアレルギーがあると判定した場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定し、その旨を表示部21に表示する。そして、端末制御部25は、本処理を終了する。一方、上記(A)及び(B)の質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者にヘアカラーアレルギーがないと判定した場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定し、S602の処理に進む。
【0176】
S602で、端末制御部25は、第2アンケートを実施する。具体的には、端末制御部25は、上記N110~N113のように、所望する仕上がりに関する質問を表示部21に表示し、入力部22を介して当該質問に対する利用者の回答を取得する。
【0177】
続いて、S603で、端末制御部25は、上記N114のように、S601及びS602で取得した利用者の回答に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品を選定する。本実施形態の端末制御部25は、利用者に販売するヘアカラー商品として、第1実施形態と同様に、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれかを選定する。そして、端末制御部25は、上記N115~N116のように、選定したヘアカラー商品を推奨商品として表示部21に表示する。上記N115で商品画面の説明として述べたように、端末制御部25は、推奨商品に関する情報も表示部21に表示する。推奨商品に関する情報の詳細は、第1実施形態と同様である。
【0178】
利用者は、表示部21に推奨商品が表示されている状態において、入力部22を用いて当該ヘアカラー商品の購入手続きを行うことができる。上記N117~N118のように、利用者により推奨商品の購入手続きが行われ、S604で当該推奨商品の購入要求を取得すると、端末制御部25は、S605の処理に進む。
【0179】
S605で、端末制御部25は、上記N119のように、購入要求に係るヘアカラー商品(つまり、購入商品)の決済金額を算出する。そして、端末制御部25は、算出した決済金額を表示部21に表示する。
【0180】
利用者は、表示部21に決済金額が提示されている状態において、入力部22を用いて支払手続きを行うことができる。端末制御部25は、入力部22を介して購入商品の支払手続きが行われた旨を取得すると、この旨を端末通信部26から販売装置3に送信する。購入商品の支払手続きが行われた旨がサーバ通信部31により受信されると、サーバ制御部33により購入履歴(具体的には、購入商品及び決済金額)が利用者データベースに記憶される。そして、サーバ制御部33により発送処理が行われ、購入商品が利用者に発送される。
【0181】
利用者は、購入商品を入手した後、上記N120のように、当該購入商品についてのパッチテストを実施する。このとき、利用者は、専用アプリを利用してパッチテストのサポートを受けることができる。パッチテストのサポートには、例えば、パッチテストの方法のレクチャー、パッチテストにおいて肌を観察するタイミングの通知、パッチテストの結果報告用の肌の撮像方法のアドバイス、利用者によるパッチテストの結果の評価のための参考情報の提供が含まれる。このように、専用アプリによりパッチテストの実施がサポートされる。
【0182】
利用者が専用アプリでパッチテストのサポートを受けることを希望した場合、端末制御部25は、S606で、パッチテストの方法のレクチャーを行う。例えば、端末制御部25は、パッチテストの試験液の作り方やパッチテストの手順等を示す動画を表示部21に表示する。この動画は、端末装置2の端末記憶部24にあらかじめ記憶されていてもよいし、販売装置3との通信により取得されてもよい。利用者は、表示部21に表示された動画を参考にしながら、パッチテストを実施することができる。
【0183】
また、端末制御部25は、パッチテストを開始した旨(言い換えれば、パッチテストの試験液を肌に塗布した旨)を報告するように、表示部21を介して利用者に指示する。S607で、端末制御部25は、入力部22を介して、パッチテストを開始した旨の報告(以下、開始報告という。)を受け付ける。
【0184】
S607で開始報告を受けてから30分を経過した時点において、端末制御部25は、S608で、利用者の体調を確認するための1回目の状態確認である1次状態確認を行う。具体的には、端末制御部25は、例えば、体調に問題がないかを利用者に呼びかけるポップアップ通知を、表示部21に表示する。なお、1次状態確認は、ポップアップ通知以外、例えばアラーム等によるものであってもよい。
【0185】
入力部22を介して体調に問題がある旨の回答を取得した場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定する。そして、端末制御部25は、パッチテストを終了すべきことを表示部21に表示する。本実施形態では、既に利用者による支払手続きが行われているため、端末制御部25は、後述するS614の処理に進み、返金対応が必要である旨(以下、要返金通知という。)を販売装置3に送信する。
【0186】
一方、入力部22を介して体調に問題がない旨の回答を取得した場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定し、S609の処理に進む。そして、端末制御部25は、S609で、現時点におけるパッチテストの結果の報告として肌の撮像を行うように、表示部21を介して利用者に指示する。利用者は、専用アプリが起動している状態で、撮像部23を用いて自身の肌を撮像可能である。このとき、肌におけるパッチテストの試験液の塗布部を収めるべき範囲が、撮像部23により撮像されている映像上に重ねて表示される。
【0187】
なお、肌の撮像に際して、第1実施形態で述べたように、肌単独ではなく色見本と共に撮像する方が好ましいことが、表示部21に表示されてもよい。この場合、撮像部23により撮像されている映像上に、肌の塗布部に対する色見本を収めるべき位置や大きさが、重ねて表示されてもよい。また、肌の立体形状を特定可能な形式で撮像する方が好ましいことが、表示部21に表示されてもよい。この場合、立体形状を特定可能な撮像画像として複数の静止画を撮像するときの位置合わせの目安となる画像や、当該撮像画像として動画を撮像するときに端末装置2を移動させるべき軌道などが、撮像部23により撮像されている映像上に重ねて表示されてもよい。
【0188】
撮像部23を用いた利用者の肌の撮像が完了すると、端末制御部25は、パッチテストを継続するように、表示部21を介して利用者に指示する。また、端末制御部25は、利用者の肌の撮像画像を、端末通信部26から販売装置3に送信する。送信された当該撮像画像は、サーバ通信部31により受信され、サーバ制御部33により利用者データベースに記憶される。
【0189】
S607で開始報告を受けてから48時間を経過した時点において、端末制御部25は、S610で、利用者の体調を確認するための2回目の状態確認である2次状態確認を行う。2次状態確認の方法は、S608の1次状態確認と同様である。
【0190】
入力部22を介して体調に問題がある旨の回答を取得した場合には、端末制御部25は、S608と同様に、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定し、パッチテストを終了すべきことを表示部21に表示する。そして、端末制御部25は、後述するS614の処理に進み、要返金通知を販売装置3に送信する。
【0191】
一方、入力部22を介して体調に問題がない旨の回答を取得した場合には、端末制御部25は、S608と同様に、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定し、S611の処理に進む。そして、端末制御部25は、S611で、S609と同様に、肌の撮像を行うように表示部21を介して利用者に指示する。撮像部23を用いた利用者の肌の撮像が完了すると、端末制御部25は、利用者の肌の撮像画像を、端末通信部26から販売装置3に送信する。送信された当該撮像画像は、サーバ通信部31により受信され、サーバ制御部33により利用者データベースに記憶される。
【0192】
続いて、端末制御部25は、利用者によるパッチテストの結果の評価のための参考情報を提供してほしい旨(以下、情報提供要求という。)を、販売装置3に送信する。サーバ通信部31により情報提供要求が受信されると、上記N124と同様に、サーバ制御部33により、既に利用者データベースに記憶されている第三者の撮像画像の中から、利用者に応じた第三者の撮像画像が選定される。そして、上記N125のように、サーバ制御部33により、利用者に応じて選定された第三者の撮像画像と、当該第三者の撮像画像に対応するヘアカラー商品についての当該第三者の使用実績とが、参考情報として端末装置2に送信される。端末制御部25は、S612で、端末通信部26を介して取得した参考情報(具体的には、第三者の撮像画像及び使用実績)を、上記N126のように、表示部21に表示する。利用者は、表示部21に表示された参考情報を参考にしながら、自身のパッチテストの結果を評価することができる。
【0193】
また、端末制御部25は、パッチテストの結果についての異常有無を報告するように、表示部21を介して利用者に指示する。S613で、入力部22を介して、パッチテストの結果に異常があった旨の報告を受けた場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定する。前述したように、本実施形態では、既に利用者による支払手続きが行われているため、端末制御部25は、続くS614で、要返金通知を販売装置3に送信する。要返金通知がサーバ通信部31により受信されると、上記N130と同様に、サーバ制御部33により返金手続きが行われる。
【0194】
一方、S613で、入力部22を介して、パッチテストの結果に異常がなかった旨の報告を受けた場合には、端末制御部25は、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止しないと判定する。そして、S615で、端末制御部25は、染毛時期のアドバイスを行う。ヘアカラー商品の使用による皮膚障害が生じるかどうかは、利用者の体調等にも影響されるため、端末制御部25は、例えば、カレンダーアプリや体調管理アプリから得られる情報に基づいて、染毛に推奨する時期あるいは推奨しない時期を推測し、その時期を表示部21に表示する。
【0195】
利用者は、表示部21に表示された染毛時期を参考に、上記N131のように、購入商品を用いて染毛を実施することができる。そして、利用者は、上記N132のように、入力部22を用いて染毛を実施した旨を報告する。
【0196】
端末制御部25は、S616で染毛を実施した旨の報告を受けると、S617で、アフターフォローを行う。具体的には、端末制御部25は、上記N134~N137のように、染毛に使用したヘアカラー商品に対する満足度やヘアカラー商品の使用により生じた症状などを利用者に尋ねる質問を表示部21に表示し、入力部22を介して利用者の回答を取得する。そして、端末制御部25は、取得した利用者の回答を、端末通信部26から販売装置3に送信する。送信された当該利用者の回答がサーバ通信部31により受信されると、当該回答から得られる利用者の満足度や商品の使用による症状等の情報が、サーバ制御部33により利用者データベースに登録される。これらの情報は、本販売サービスで第1実施形態と同様にして利用される。
【0197】
[3-3.効果]
以上詳述した第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏し、更に以下の効果を奏する。
【0198】
(3a)第3実施形態では、専用アプリによりパッチテストの実施がサポートされる。具体的には、端末制御部25により、パッチテストの方法のレクチャー、パッチテストにおいて肌を観察するタイミングの通知、パッチテストの結果報告用の肌の撮像方法のアドバイス、利用者によるパッチテストの結果の評価のための参考情報の提供が行われる。
【0199】
消費者の中には、パッチテストを自身で適切に実施できるかを不安に思っている消費者もいると考えられる。上記のような構成によれば、利用者にとっては、専用アプリを利用することによりパッチテストの実施のサポートを受けることができるため、より安心してパッチテストを実施することが可能になる。すなわち、パッチテストの実施に関して不安を抱いている消費者も、より一層安心してヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0200】
(3b)第3実施形態では、専用アプリにより染毛時期のアドバイスが行われる。具体的には、端末制御部25により、カレンダーアプリや体調管理アプリなど、専用アプリと異なる汎用のアプリケーションソフトウエアから得られる情報に基づいて、染毛に推奨する時期あるいは推奨しない時期が、表示部21を介して利用者に提示される。
【0201】
前述したように、ヘアカラー商品の使用による皮膚障害が生じるかどうかは、利用者の体調等にも影響される。上記のような構成によれば、利用者にとっては、ヘアカラー商品の使用による皮膚障害がより発生しにくい染毛時期を提示してもらえるという安心感を得ることができる。このため、皮膚障害への不安を抱いている利用者もより一層安心してヘアカラー商品を購入しやすい販売サービスを実現することができる。
【0202】
[4.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0203】
(4a)上記実施形態では、利用者に販売されるヘアカラー商品の種類に、中間体含有商品及び中間体非含有商品が含まれる。しかし、利用者に販売されるヘアカラー商品には、必ずしも中間体含有商品が含まれなくてもよく、例えば中間体非含有商品のみが含まれてもよい。つまり、販売サービスは、中間体非含有商品のみを販売するサービスであってもよい。
【0204】
(4b)販売サービスが中間体非含有商品を販売することを前提にする場合、例えば、販売サービスの対象者が、ヘアカラー商品の使用に起因する皮膚障害への不安度が高い層に限定されてもよい。ヘアカラー商品の使用に起因する皮膚障害への不安度は、対象者に事前のアンケートを行う等して見積もることが考えられる。販売サービスの対象者を皮膚障害への不安度が高い層に限定することで、皮膚障害を生じさせにくいことが期待されるヘアカラー商品(つまり、中間体非含有商品)を、このような商品を望んでいる消費者に提供しやすくすることができる。
【0205】
(4c)上記実施形態では、利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性、及び、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度に応じて、利用者に販売されるヘアカラー商品が選定される。具体的には、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれかが選定される。しかし、利用者に販売されるヘアカラー商品の種類を選定するための要件は、利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性及び不安度に限定されない。例えば、利用者のヘアカラーアレルギー予備群の該当性のみに応じて、利用者に販売されるヘアカラー商品の種類が選定されてもよい。また、中間体非含有商品は中間体含有商品と比較して染毛後のカラーバリエーションがやや少ないため、例えば、ヘアカラー商品の使用に対する利用者の不安度と利用者が所望する染毛後の色味との兼ね合いから、利用者に販売されるヘアカラー商品の種類が選定されてもよい。
【0206】
また例えば、利用者による販売サービスの利用が2回目以降である場合など、当該利用者のパッチテストの結果やアフターフォローでの回答が既に利用者データベースに記憶されている場合には、これらの情報にも基づき、今回の販売サービスの利用において利用者に販売されるヘアカラー商品の種類が選定されてもよい。例えば、パッチテストの結果に異常がなかった旨が記憶されている場合でも、対応する利用者の肌の撮像画像に基づく、パッチテストの結果に異常がないとされる範囲内での試験液に対する肌の反応度合いの分類に応じて、今回の販売サービスの利用において利用者に販売されるヘアカラー商品の種類が選定されてもよい。このような分類にあたっては、対応する利用者の肌の撮像画像に加えて又は代えて、対応するアフターフォローでの利用者の回答が用いられてもよい。
【0207】
(4d)上記実施形態では、利用者に販売されるヘアカラー商品に、中間体含有商品及び中間体非含有商品の双方が含まれる。しかし、利用者に販売されるヘアカラー商品は、例えば、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれか一方であってもよい。また例えば、一般的なヘアカラー商品(つまり、中間体含有商品)と比較して酸化染料中間体の含有量が少量に制限されているヘアカラー商品が含まれてもよい。このようなヘアカラー商品は、酸化染料中間体が実質的に含有されていないヘアカラー商品(つまり、中間体非含有商品)と比較すると使用による皮膚障害を生じさせやすい可能性があるものの、一般的なヘアカラー商品と比較すると当該皮膚障害を生じさせにくいことが期待される。
【0208】
(4e)上記実施形態では、利用者に販売されるヘアカラー商品として、中間体含有商品及び中間体非含有商品のいずれかが選定される。そして、選定されたヘアカラー商品が表示部21を介して利用者に推奨される。このとき、例えば、選定されたヘアカラー商品に加えて、シャンプーやトリートメント等のヘアカラー商品以外の商品が利用者に推奨されてもよい。例えば、中間体非含有商品が選定された場合には、使用による皮膚障害が生じにくいと考えられるシャンプーやトリートメント等が利用者に推奨されてもよい。また例えば、ヘアカラー商品の販売を中止すると判定された利用者に対して、ヘアカラー商品よりも皮膚障害を生じさせにくいと考えられるヘアマニキュアやカラートリートメント類等の他の商品が推奨されてもよい。
【0209】
(4f)上記第2実施形態では、利用者の肌の撮像画像に基づきサーバ制御部33によりパッチテストの結果が評価される。具体的には、上記第2実施形態のサーバ制御部33は、パッチテストの結果について異常有無の2択で評価する。しかし、サーバ制御部33は、パッチテストの結果について、例えば、異常あり・異常不明・異常なしの3択で評価してもよい。このとき、例えば、異常不明と評価した場合に、サーバ制御部33は、医師の判断を仰ぐための処理を実行してもよい。
【0210】
このような構成によれば、より正確にパッチテストの結果を評価することが可能になる。また、パッチテストの結果の評価の正確性を高めるために全てのパッチテストの結果について医師に判断を仰ぐ場合と比較して、コストを低く抑えることができる。
【0211】
(4g)また例えば、上記第2実施形態のような、利用者の肌の撮像画像に基づくサーバ制御部33によるパッチテストの結果の評価を、医師による診断に活用することも考えられる。例えば、リモート診察など医師が対面では患者を診察しない場合には、診断の精度が低下する可能性も考えられるが、上記のようにサーバ制御部33によるパッチテストの結果の評価を活用することで、診断の精度の低下を抑制することが可能になる。
【0212】
(4h)上記実施形態では、利用者の販売サービスの利用開始からヘアカラー商品の選定までに、利用者に対して2回のアンケート(第1アンケート及び第2アンケート)が実施されるが、アンケートの回数は特に限定されない。例えば、上記実施形態における第1アンケート及び第2アンケートが1回にまとめて実施されてもよいし、3回以上に分けて行われてもよい。例えば、上記実施形態のように、上記(A)の質問に対する利用者の回答に基づいて、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止するかが判定される場合、まず上記(A)のみが利用者に尋ねられてもよい。また例えば、上記(A)~(C)の質問の一部のみが利用者に尋ねられてもよい。
【0213】
(4i)上記実施形態では、上記(C)のヘアカラー商品の使用に対する不安度として、ヘアカラー商品の使用に起因するかぶれ等の皮膚障害への不安度が利用者に尋ねられる。しかし、ヘアカラー商品の使用に対する不安度は、ヘアカラー商品の使用に起因するかぶれ等の皮膚障害への不安度に限定されず、例えば、以下のような不安度が利用者に尋ねられてもよい。
【0214】
・ヘアカラー商品の機能面に関する不安度。
例えば、ヘアカラー商品の使用による、染まり、仕上がり、色持ち、褪色抑制度合い、染毛後の毛髪の手触りや感触、染毛による地肌の汚れ具合、染毛による毛髪へのダメージ、染毛時の刺激などに関する不安度。
【0215】
・ヘアカラー商品の使用前(つまり、染毛前)の情緒面の不安度。
例えば、他人から白髪の自分がどう見られているか不安、白髪の仕組みがわからない不安、染めるタイミングがわからない不安、自身に合う適切な白髪染めがわからない不安、白髪染めを使用する自分を他人に見られる不安、白髪染めをしていることを他人に知られる不安など。
【0216】
・ヘアカラー商品の使用中(つまり、染毛中)の情緒面の不安度。
例えば、自身のやり方が正しいかわからずに染める不安、仕上がりのイメージが掴めないまま染める不安、事前に考えることが多すぎて簡単には染毛に入れない不安、染毛後の片づけ等にも手間がかかる不安など。
【0217】
・ヘアカラー商品の使用後(つまり、染毛後)の情緒面の不安度。
例えば、白髪との付き合い方がわからない不安、染毛によりしっかりと「-(マイナス)」を「0(ゼロ)」にできるかという不安、染毛により「0(ゼロ)」を「+(プラス)」にしたいものの本当にできるかという不安、染毛によって犠牲になり得る毛髪の若さや美しさへの不安、白髪を染めても印象が何も変わらないのではないかという不安、本筋ではないことまで気にしなければならない煩わしさに関する不安など。
【0218】
(4j)上記実施形態では、販売システム1において端末装置2あるいは販売装置3により各種処理が実行されることにより、販売サービスが利用者に提供される。しかし、端末装置2あるいは販売装置3により実行される処理の一部が、人により代行されてもよい。例えば、端末装置2あるいは販売装置3により第1アンケート及び第2アンケートが実施されたのち、販売サービスの提供側のオペレータ等が、上記N114のように、各アンケートに対する利用者の回答に基づいて、利用者に販売するヘアカラー商品を選定してもよい。その後、オペレータ等が、例えば電話等により、上記N115~N116のように、推奨するヘアカラー商品に関する説明を利用者に行ってもよい。同様に、利用者によるヘアカラー商品の使用後に、オペレータ等が、上記N134~N137のように、アフターフォローとして満足度や商品の使用による症状等を利用者に聴取してもよい。
【0219】
(4k)上記実施形態では、利用者に対するアンケートは選択回答方式であるが、自由回答方式であってもよい。自由回答方式の場合、例えば、チャットボットや電話の自動応答の機能が用いられてもよい。
【0220】
(4l)上記第3実施形態では、利用者によるパッチテストの開始後に、利用者の体調の確認として1次状態確認及び2次状態確認が行われる。パッチテストの実施により利用者の体調に問題が生じた場合には、皮膚科医等の医師の診察を受けた方がよいことも考えられる。そこで、例えば、利用者からパッチテストを開始した旨の報告(つまり、開始報告)を受けたときに、端末制御部25は、利用者がパッチテストを開始した旨を医師に通知するための処理を実行してもよい。この処理において、端末制御部25は、通知先の医師として、例えば、利用者の現在位置からの距離が近い医師や、ヘアカラーアレルギーに詳しい医師を選定してもよい。
【0221】
また例えば、端末制御部25は、心拍数等の生体情報を測定可能且つ端末装置2と通信可能なデバイスを装着してパッチテストを実施するように、表示部21を介して利用者に指示してもよい。この場合、端末制御部25は、例えば、利用者の生体情報が異常値に達したときに利用者の体調に問題が生じたと判定して、医師にその旨を通報するための処理を実行してもよい。
【0222】
このような構成によれば、パッチテストの実施により利用者の体調に問題が生じた場合に、利用者が早期に医師の診察を受けることが可能になる。
【0223】
(4m)上記第3実施形態では、パッチテストの方法のレクチャーとして、パッチテストの試験液の作り方やパッチテストの手順等を示す動画が表示部21に表示される。このような動画等による方法のレクチャーは、ヘアカラー商品の使用、つまり染毛に関しても行われてもよい。
【0224】
また例えば、ヘアカラー商品の使用後、つまり染毛後に、染毛された毛髪の撮像画像を提供するように利用者に指示されてもよい。そして、染毛された利用者の毛髪の撮像画像に基づいて、染毛の方法を改善するためのレクチャーが行われてもよい。
【0225】
(4n)上記第3実施形態では、専用アプリと、カレンダーアプリや体調管理アプリといった専用アプリ以外の汎用のアプリケーションソフトウエアと、が連携することにより、染毛時期のアドバイスが行われる。このような染毛時期のアドバイス以外にも、専用アプリ以外の汎用のアプリケーションソフトウエアから得られる情報が利用されてもよい。例えば、ヘアカラー商品の使用によりかぶれ等の症状が生じた場合に、カレンダーアプリ等から得られる染毛の履歴に基づき、かぶれ等の症状が生じた条件等が検証されてもよい。
【0226】
(4o)上記第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、利用者自身によるパッチテストの結果の評価において参考になり得る参考情報が利用者に提供される。しかし、上記第3実施形態のように専用アプリが用いられる場合でも、上記第2実施形態のように、販売システム1においてパッチテストの結果が評価され、その評価が利用者に提示されてもよい。
【0227】
(4p)上記実施形態のパッチテストでは、試験液の塗布から30分経過後及び48時間経過後の計2回、肌の状態を観察することとされている。しかし、肌の状態を観察するタイミングは、試験液の塗布から30分経過後及び48時間経過後に限定されず、例えば、48時間以上経過後にも肌の状態を観察することとしてもよい。利用者によっては、試験液の塗布から48時間以上経過後、例えば72時間経過後に、かぶれ等の症状が生じる可能性も考えられるためである。
【0228】
(4q)上記実施形態では、上記(A)又は(B)の質問に対する利用者の回答に基づいて、ヘアカラーアレルギーがあると判定された場合に、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定される。このようにヘアカラーアレルギーがあると判定された利用者は、ヘアカラー商品に含有される成分以外の成分に対してもアレルギー反応を起こす可能性がある。そこで、例えば、ヘアカラーアレルギーがあると判定された利用者に対して、ヘアカラー商品の販売を中止する旨に加えて、ヘアカラー商品に含有される成分以外の成分に対してもアレルギー反応を起こす可能性がある旨が注意喚起されてもよい。また例えば、ヘアカラーアレルギーがあると判定された利用者に対して、アレルギーに関する情報が提供されてもよいし、アレルギーを確認するための血液検査が推奨されてもよいし、ヘアカラー商品に含有される成分以外の成分についてのパッチテストの専用キットが利用者に送付されてもよい。
【0229】
(4r)上記実施形態では、上記(A)又は(B)の質問に対する利用者の回答に基づいて、ヘアカラーアレルギーがあると判定された場合に、利用者へのヘアカラー商品の販売を中止すると判定される。すなわち、ヘアカラーアレルギーがあると判定された利用者に対しては、中間体含有商品も中間体非含有商品も販売されない。しかし、前述したように、中間体非含有商品は、一般的なヘアカラー商品(つまり、中間体含有商品)よりも使用による皮膚障害を生じさせにくいと考えられる。そこで、例えば、一般的なヘアカラー商品を使用したときに皮膚障害が生じた経験のある利用者、言い換えればヘアカラーアレルギーがあると判定され得る利用者であっても、医師により中間体非含有商品であれば使用してもよいと診断されている場合には、利用者へのヘアカラー商品の販売が中止されず、中間体非含有商品が推奨されてもよい。
【0230】
(4s)上記実施形態では、端末装置2として、利用者が所有する汎用のスマートフォン及びタブレット端末を例示した。端末装置2の具体例としては、この他に、利用者が所有する汎用のスマートフォン又はタブレット端末に装着して用いられる付属端末、利用者が使用可能な汎用のパーソナルコンピュータ、本販売サービスの専用の情報端末なども挙げられる。
【0231】
(4t)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。
【0232】
(4u)本開示は、前述した販売システム1の他、販売システム1を構成する端末装置2(具体的には端末制御部25)あるいは販売装置3(具体的にはサーバ制御部33)、端末制御部25あるいはサーバ制御部33としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した媒体など、種々の形態で実現することができる。
【符号の説明】
【0233】
1…販売システム、2…端末装置、21…表示部、22…入力部、23…撮像部、24…端末記憶部、25…端末制御部、26…端末通信部、3…販売装置、31…サーバ通信部、32…サーバ記憶部、33…サーバ制御部、4…通信ネットワーク。