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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023080988
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】自動取引装置
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/235 20190101AFI20230602BHJP
【FI】
G07D11/235
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194602
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】箕野 諭
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA06
3E141AA07
3E141AA08
3E141BA07
3E141CA01
3E141DA01
3E141DA05
3E141FC05
3E141FE01
3E141FF09
3E141FG01
3E141FJ08
(57)【要約】
【課題】これまで強制的に中止していた入力取引において、顧客が最初から操作をやり直す必要がなく、利便性を向上させることができ、入金を完了させるまでにかかる時間を短縮できるようにする。
【解決手段】本発明に係る自動取引装置は、現金を受け付ける入金部と、入金部に投入された現金を鑑別する鑑別部と、操作者の存在又は不在を検知する検知部と、入金取引を制御する制御部とを有し、制御部は、鑑別部による鑑別結果に応じて、入金部に投入された現金を返却すると判断し、かつ、検知部が操作者の不在を検知したときに入金取引を中止することを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金を受け付ける入金部と、
前記入金部に投入された現金を鑑別する鑑別部と、
操作者の存在又は不在を検知する検知部と、
入金取引を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、前記鑑別部による鑑別結果に応じて、前記入金部に投入された現金を返却すると判断し、かつ、前記検知部が前記操作者の不在を検知したときに、前記入金取引を中止する
ことを特徴とする自動取引装置。
【請求項2】
前記検知部は前記自動取引装置の前方に存在する前記操作者を検知する近接センサであり、
前記制御部は、前記入金部に投入された現金を返却すると判断し、かつ、前記近接センサから、前記操作者の不在を示す非検知信号を取得すると、前記入金取引を中止する
ことを特徴とする請求項1に記載の自動取引装置。
【請求項3】
前記操作者の顔を撮影するカメラをさらに有し、
前記検知部は、前記カメラが撮影した画像データを解析して、前記操作者の顔を認識する画像処理部を含むものであり、
前記制御部は、前記入金部に投入された現金を返却すると判断し、かつ、前記画像処理部による顔認識の処理結果に基づいて、前記入金取引の開始時に検知した顔情報が変化しているとき、前記操作者の不在を検知して、前記入金取引を中止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動取引装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記鑑別部によりリジェクトと判断された現金の数量が、事前に設定された閾値以上のとき、前記入金部に投入された現金を返却すると判断することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項5】
前記入金取引の画面を表示する表示部と、
前記入金取引の際に、顧客に取引終了まで待機することを促す画面を前記表示部に表示させる表示制御部と
を備えることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の自動取引装置。
【請求項6】
取引に必要な情報の取得方式として、前記入金取引中にカードを装置内に取り込まない方式を採用した請求項1~5のいずれかに記載の自動取引装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動取引装置に関し、例えば、金融機関の店舗、駅、空港等に設置されるATM(Auto Teller Machine)等の自動取引装置に適用できる。
【背景技術】
【0002】
例えばATM等の自動取引装置は、取引の安全のために、例えば障害発生時に顧客の入れ替わりを検知すると、取引を中止している。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されている自動取引装置は、出金処理の際に障害が発生して、顧客が不在であることを検知したときに、出金取引を中止することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-72950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されている自動取引装置は、出金取引の際に障害が発生した時のものであるが、入金リジェクトが発生した時も同様に取引の安全のために、入金取引を中止することが考えられる。
【0006】
しかしながら、その場合、顧客が継続して入金操作を希望するとき、当該入金取引は終了しているので、最初から入金操作をやり直す必要があり、顧客にとっては不便になってしまう。また、最初から入金操作をやり直すので、取引時間がかかってしまい、他の顧客の待ち時間も増えることになる。
【0007】
そのため、上述した課題に鑑み、強制的に中断していた入金取引において、顧客が最初から入金操作をやり直す必要がなく、利便性を向上させることができ、入金を完了させるまでにかかる時間を短縮できる自動取引装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するために、本発明に係る自動取引装置は、(1)現金を受け付ける入金部と、(2)入金部に投入された現金を鑑別する鑑別部と、(3)操作者の存在又は不在を検知する検知部と、(4)入金取引を制御する制御部とを有し、制御部は、鑑別部による鑑別結果に応じて、入金部に投入された現金を返却すると判断し、かつ、検知部が操作者の不在を検知したときに入金取引を中止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、取引の安全を確保しつつ、顧客が最初から入金操作をやり直す必要がなく、利便性を向上させることができ、入金を完了させるまでにかかる時間を短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施形態に係る自動取引装置における入金取引の処理を示すフローチャートである。
図2】第1の実施形態に係る自動取引装置の外観斜視図である。
図3】第1の実施形態に係る自動取引装置の内部構成を示す構成図である。
図4】第1の実施形態に係る自動取引装置における紙幣入出金部の紙幣取扱機構の概略構成を示す構成図である。
図5】第2の実施形態に係る自動取引装置の外観斜視図である。
図6】第2の実施形態に係る自動取引装置の内部構成を示す構成図である。
図7】第2の実施形態に係る自動取引装置における入金取引の処理を示すフローチャートである。
図8】変形実施形態に係る自動取引装置における入金取引の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る自動取引装置の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
第1の実施形態は、ICチップ搭載のカード(例えば、キャッシュカード、クレジットカード、デビットカード等)をカード入出口に差し込んで抜いてから、暗証番号の入力や取引種別の選択等の操作を受け付けるDIP(ディップ)式のカードリーダを搭載したATMに適用する場合を例示する。なお、本発明は、磁気ストライプ搭載のカードをスライドさせてから、暗証番号入力等の操作を受け付けるSWIPE(スワイプ)式のカードリーダを搭載したATMにも適用できる。
【0013】
(A-1)第1の実施形態の構成
(A-1-1)自動取引装置の外観構成
図2は、第1の実施形態に係る自動取引装置の外観斜視図である。
【0014】
図2において、第1の実施形態に係る自動取引装置10の外観構成は、筐体11、通帳入出口12、カード入出口13、明細票排出口14、紙幣入出口15、硬貨入出口16、操作表示部17、人感センサ19を有する。
【0015】
自動取引装置10は、例えば金融機関の店舗、コンビニエンスストア、小売店舗、駅や空港などの施設等に設置され、例えば、預け入れ、引き出し、振り込み等の取引を行なう自動取引装置である。
【0016】
自動取引装置10は、カード入出口13に差し込まれたICチップ搭載カードのICチップからカード情報を読み取り、顧客によりカードが抜かれた後、自動取引装置10は、操作表示部17に操作画面を表示し、暗証番号の入力や取引種類を受け付け、取引種別に応じた取引内容の情報を取得する。そして、自動取引装置10は、回線NTを通じてホストサーバ(図示しない)との間で電文通信をして取引処理を行なう。
【0017】
人感センサ19は、自動取引装置10の前方に存在する人(顧客、操作者)を検知する。人感センサ19の設置位置は、自動取引装置10を利用する者を検知可能な位置であれば、特に限定されない。また、1個の人感センサ19に限らず、複数の人感センサ19を備えてもよく、いずれかの人感センサ19がON信号を検知したときに、人が存在しているものとして扱ってもよい。
【0018】
カード入出口13は、DIP式のカードリーダのカード出入口であり、顧客により、取引に用いられるカードが挿入されて、カードの抜き取りが行われる。
【0019】
通帳入出口12は、顧客から通帳の挿入を受け付けたり、顧客へ通帳を返却(排出)したりする。明細票排出口14は、取引に関する情報が用紙に印字された明細票を排出する。
【0020】
紙幣入出口15は、顧客から取引に係る紙幣の投入を受け付けたり、顧客へ取引に係る紙幣の排出をしたりする。なお、この実施形態では、紙幣投入口と紙幣排出口とが物理的に同一である場合を例示するが、紙幣投入口と紙幣排出口とが物理的に異なるものであってもよい。
【0021】
硬貨入出口16は、顧客から取引に係る硬貨の投入を受け付けたり、顧客へ取引に係る硬貨の排出をしたりする。なお、この実施形態では、硬貨投入口と硬貨排出口とが物理的に同一である場合を例示するが、硬貨投入口と硬貨排出口とが物理的に異なるものであってもよい。
【0022】
操作表示部17は、取引操作画面を表示したり、顧客による操作情報を受け付けたりするものであり、例えばタッチパネル機能を有するディスプレイを用いることができる。ここでは、操作表示部17がタッチパネル型ディスプレイである場合を例示するが、これに限定されず、例えば、物理的なボタンや、別に設けたディスプレイ(補助的な表示部等)を備えてもよい。また、操作表示部17は、非接触型の操作表示部を適用してもよい。
【0023】
(A-1-2)自動取引装置の内部構成
図3は、第1の実施形態に係る自動取引装置10の内部構成を示す構成図である。図3において、自動取引装置10は、制御部1、通帳処理部2、カード処理部3、明細票処理部4、紙幣入出金部5、硬貨入出金部6、記憶部7、通信部8、人感センサ19を有する。
【0024】
なお、自動取引装置10の内部構成は、図3に例示する要素に限定されない。例えば、自動取引装置10は、顧客の存在を検出するため、例えば操作表示部17で顧客の手の接触等を感知するセンサを備えてもよい。また例えば、自動取引装置10は、指紋、虹彩、顔認証等の生体認証のため、指紋、虹彩、顔等を撮像する撮像部(例えばカメラ等)を備え、生体認証処理が可能なものであってもよい。また、自動取引装置10は、例えば書面の一方の面の画像を読み取って取引処理をするための光学文字認識手段(OCR:Optical Character Recognition)を備えてもよい。また、自動取引装置10は、QRコード(登録商標)等の2次元コードを読み取るコード読み取り手段を備えるようにしてもよい。
【0025】
制御部1は、自動取引装置10の各種機能を司る処理部又は装置である。制御部1は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、制御部1が処理プログラム(例えば、情報処理プログラム、取引プログラム等)を実行することにより、自動取引装置10における各種機能が実現される。
【0026】
制御部1は、通帳処理部2、カード処理部3、明細票処理部4、紙幣入出金部5、硬貨入出金部6、記憶部7、通信部8、人感センサ19等の構成要素と接続しており、各構成要素との間でデータの授受を行なう。制御部1は、各構成要素から取得したデータを用いて取引に応じた処理を行なう。
【0027】
制御部1は、自動取引処理を行なう取引処理部101と、操作表示部17に表示する表示画面を制御する表示制御部102とを有する。
【0028】
取引処理部101は、現金(紙幣、硬貨)の引き出し取引、顧客の口座への現金の預け入れ取引、顧客の口座から指定口座への口座振込や現金振込等の振込取引、残高照会などの所定の取引処理を行なう。
【0029】
表示制御部102は、取引処理部101が行なう取引種類に応じて、取引手順に従った表示画面を操作表示部17に表示するものであり、操作表示部17から入力された情報に応じて順次表示画面を表示する。
【0030】
記憶部7は、取引に係る処理プログラムを記憶したり、制御部1による処理に必要なデータや、制御部1の処理で得られた取引に関する情報を記憶したりする。
【0031】
検知部たる、人感センサ19は、自動取引装置10の前方に人の存在を検知したときには、検知信号(ON信号)を制御部1に出力し、人の存在を検知していないときには、非検知信号(例えばOFF信号)を制御部1に出力する。人感センサ19は、自動取引装置10の前方に存在する人(利用者)を検知できるのであれば様々な種類のセンサを適用することができ、例えば、赤外線センサ、近接センサ等を適用することができる。
【0032】
通信部8は、回線NTを介して、ホストサーバ(図示しない)との間で取引電文を含む情報を授受する。回線NTを介した通信制御(通信プロトコル)は、特に限定されず、インターネットプロトコル(IP)等を適用できる。
【0033】
通帳処理部2は、通帳入出口12から挿入された通帳に付されている記録媒体(例えば、磁気ストライプ等)から通帳情報を読み取って制御部1に与えたり、取引に関する記帳情報を通帳に記帳して通帳入出口12に排出したりする。
【0034】
カード処理部3は、DIP式のカードリーダであり、カード入出口13からカードが挿入されると、そのカード搭載のICチップからカード情報を読み取って制御部1に与える。
【0035】
明細票処理部4は、取引情報を媒体(例えば用紙等)に印刷した明細票を明細票排出口14から排出する。明細票処理部4は、例えば、取引日、取引種別、取引金額、残高などの情報を明細票に印字する。
【0036】
紙幣入出金部5は、入金取引のときには、紙幣入出口15から挿入された紙幣の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、紙幣入出金部5は、出金取引のときには、出金すべき紙幣を金種別のカセットから繰り出して、紙幣入出口15から排出する。
【0037】
硬貨入出金部6は、入金取引のときには、硬貨入出口16から投入された硬貨の真贋鑑別や計数処理を行ない、金種別のカセットに搬送する。また、硬貨入出金部6は、出金処理のときには、出金すべき硬貨を金種別のカセットから繰り出して、硬貨入出口16から排出する。
【0038】
(A-1-3)自動取引装置10における紙幣入出金部5の紙幣取扱機構
図4は、第1の実施形態に係る自動取引装置10における紙幣入出金部5の紙幣取扱機構の概略構成を示す構成図である。
【0039】
図4において、自動取引装置10の紙幣搬送機構は、紙幣入出口15、認識部21、一時保留部25、複数(図1では4個)の金種別カセット23a~23d、搬送部22を有する。
【0040】
紙幣入出口15は、顧客により投入された紙幣を受け付けたり、顧客に対して出金する紙幣を排出したりする機構である。紙幣入出口15は、投入された紙幣を1枚ずつ分離して搬送部22に繰り出す分離手段(例えば、分離ローラ機構)を有する。また、紙幣入出口15は、搬送部22からの紙幣を集積する集積手段も有する。
【0041】
搬送部22は、紙幣搬送機構の各構成要素の間で紙幣を搬送する部分である。搬送部22は、複数の搬送ローラ50を有し、制御部1の指示に応じて、搬送ローラ50を動作させて紙幣を搬送する。例えば、搬送ローラ50は、搬送部22の搬送路を挟んで、互いに対向する位置に配置されており、回転することにより搬送路を動かして紙幣を搬送する。搬送部22は、ある構成要素から別の構成要素までの間、一方向に紙幣を搬送するだけでなく、必要に応じて構成要素間で双方向に紙幣を搬送することができる。
【0042】
また、搬送部22は、その分岐点に切替ブレードが配置されており、切替ブレードが紙幣の搬送先を切り替える構成になっている。また、搬送部22は、適宜間隔を空けて、搬送センサを配置している。搬送センサは、紙幣の搬送状態を感知するものであり、例えば、紙幣の存在を検知すると検知信号(ON信号)を出力し、紙幣の存在を検知していないときには非検知信号(OFF信号)を出力する。
【0043】
認識部21は、搬送部22により搬送される紙幣の鑑別や計数処理や記番号識別処理等を行う。認識部21は、例えば、カメラ等を含む光学センサ、磁気センサ等を有しており、通過する紙幣の光学情報や磁気情報を認識する。認識部21は、紙幣の真偽判定(真券、偽造券等の判定)、正損判定(汚損券、破損券、損壊券、外形異常券、折れ券等、又は正券の判定)、金種判定等の判定基準に関する情報を保持している。認識部21は、判定種別毎に、前記判定基準に関する情報を保持している。認識部21は、前記判定基準に関する情報と、通過する紙幣のセンシングデータとを用いて、当該通過する紙幣が、リジェクトすべき紙幣か又はそうでないかを判定する。認識部21は、リジェクトすべき紙幣か否かを示す判定結果を、制御部1に通知する。
【0044】
一時保留部25は、搬送部22を介して一時的に紙幣を集積して、紙幣を保留する部分である。一時保留部25の構造は、様々な構造を適用できる。例えば、一時保留部25は、紙幣をテープと共にドラムに巻き付けて収納するテープ方式を適用できる。また、一時保留部25が紙幣を繰り出す場合、一時保留部25は、ドラムとテープを巻き取るリールとを紙幣収納時とは逆方向に回転させることで、ドラムの周側面からテープと共に紙幣を引き剥がし、これを搬送部22に引き渡す。
【0045】
金種別カセット23a~23dは、金種毎に紙幣を収納する媒体収納庫である。金種別カセット23a~23dは、入金時に、入金された紙幣を収納し、その後出金時に、すでに収納されている紙幣を出金する還流型リサイクル用カセットを適用できる。例えば、金種別カセット23a~23dは、内部に図示しない昇降可能なステージがあり、このステージ上に紙幣を集積する機構を備えている。また、金種別カセット23a~23dは、ステージ上の紙幣を1枚ずつ分離して搬送部22に繰り出す分離ローラを有する。また、金種別カセット23a~23dの個数は特に限定されず、さらに金種別カセット23a~23dの用途も、運用に応じて様々なものとすることができる。
【0046】
(A-2)第1の実施形態の動作
図1は、第1の実施形態に係る自動取引装置10における入金取引の処理を示すフローチャートである。
【0047】
自動取引装置10は待機状態である(S101)。入金取引を希望する顧客は、ICチップ搭載カードをカード入出口13に差し込み、その後、顧客はカードを抜き取る。
【0048】
このとき、自動取引装置10では、DIP式のカードリーダであるカード処理部3が、挿入されたIC搭載カードを検知すると(S102)、カード処理部3はカードに搭載されているICチップからカード情報を読み取り(S103)、カード処理部3はカード情報を制御部1に通知する。
【0049】
カードの抜き取り後、制御部1の表示制御部102は、暗証番号入力画面を操作表示部17に表示して、顧客により暗証番号が入力される(S104)。次に、表示制御部102は取引メニュー画面を操作表示部17に表示し(S105)、取引メニュー画面上で、顧客により入金取引が選択される(S106)。
【0050】
取引内容として入金取引が選択されると、制御部1の取引処理部101が、入金取引に応じた処理を行ない、紙幣入出口15ではシャッターが開き(S107)、自動取引装置10は紙幣投入を受け付ける。
【0051】
そして、顧客により紙幣入出口15に紙幣が投入され、紙幣投入が終了すると(S108)、シャッターが閉じて(S109)、紙幣状態を判定するために、投入された紙幣は、1枚ずつ搬送部22に繰り出されて、認識部21に向けて搬送される。
【0052】
認識部21は、光学センサ等により、搬送路を通過する紙幣の状態をセンシングする。また認識部21は紙幣を鑑別する鑑別部としても機能する。そして、認識部21は、事前に設定されている判定基準に関する情報を参照して、通過する紙幣状態を判定する(S110)。つまり、認識部21は、紙幣がリジェクト紙幣であるか否かを1枚ずつ判定する。認識部21を通過した紙幣は、搬送部22によって一時保留部25に搬送されて一時的に保持される。認識部21により、リジェクト紙幣と判定された紙幣は、紙幣入出口15に搬送される。
【0053】
そして、認識部21は、今回の入金取引で投入された紙幣の判定結果を用いて、リジェクト判定された紙幣と、事前に設定された閾値とを比較して、リジェクト紙幣枚数が閾値以上であるか否かを判定する(S111)。
【0054】
制御部1の取引処理部101は、認識部21から取得する判定結果と、人感センサ19からの出力信号とに基づいて、リジェクト紙幣枚数が閾値以上であり(S111/YES)、人感センサ19からの信号が検知信号(ON信号)から非検知信号(OFF信号)に切り替わったとき(S112/NO)、すなわち操作者の不在を検知したとき、取引処理部101は、現在の入金取引を中断する(S113)。
【0055】
すなわち、取引処理部101は現在実行している入金取引を強制的に終了する。このとき、今回の入金取引で投入された紙幣は、例えば一時保留部25から図示しないリジェクトカセットへ搬送される。その後、制御部1は、次の取引のために待機状態となる(S101)。
【0056】
S112において、人感センサ19からの信号が検知信号(ON信号)のままであるとき(S112/YES)、取引処理部101は処理をS107に移行する。このとき、投入された全ての紙幣は一時保留部25から紙幣入出口15に搬送され、その後、紙幣入出口15のシャッターが開き、顧客に返却される。これにより取引処理部101は、引き続き、顧客による入金取引を実施できるようにする。
【0057】
他方、リジェクト紙幣枚数が閾値未満である場合(S111/NO)、入金計数の結果を操作者に確認させて、操作者が計数結果を確認したら、取引処理部101は、認識部21による紙幣計数の結果を用いて入金取引に関する電文をホストサーバに送信して入金取引を行なう(S115)。取引処理部101がホストサーバから応答電文を取得すると、明細票処理部4が、取引処理部101の指示に基づいて取引内容を明細票に印字して明細票排出口14から排出し(S116)、今回の入金取引が終了する(S117)。その後、制御部1は、次の取引のために待機状態となる(S101)。
【0058】
ここで、S111で用いられる閾値は、入金取引で投入された紙幣のうち、リジェクト紙幣が多く含まれるときに、全ての紙幣を返却するか否かを判断するために用いられるものである。前記閾値は、事前に設定されている。
【0059】
つまり、リジェクト紙幣の枚数が前記閾値以上であれば、取引処理部101は投入された全ての紙幣を返却し、リジェクト紙幣の枚数が前記閾値未満であれば、取引処理部101は入金取引を継続する。
【0060】
リジェクト紙幣の枚数が前記閾値以上であるとき、取引処理部101に投入された全ての紙幣を返却することになるが、入金取引が中断する前に、顧客が立ち去ってしまうことがある。特に、カードの挿抜後に、顧客が入金操作を行なうDIP式のカードリーダを搭載した自動取引装置10の場合、カードを抜き取った顧客が、紙幣を投入したことで、入金取引が終了したものと思い込んでしまい、その場から立ち去ってしまうことがある。
【0061】
その場合、全ての紙幣を正しい顧客に返却できないことが生じ得る。そこで、従来は、リジェクト紙幣が前記閾値以上である場合、自動取引装置は入金取引を中断していた。これにより、他人に紙幣が持ち去られることや、次の顧客が継続して入金取引を行なう場合には、その他人の口座に入金されてしまうことを回避していた。
【0062】
しかし、従来のように、リジェクト紙幣が前記閾値以上である場合に、自動取引装置が入金取引を中断してしまうと、自動取引装置が待機状態となるため、顧客が入金操作を継続実施できず、顧客は最初から入金操作を改めて行なうことになる。
【0063】
そこで、第1の実施形態では、リジェクト紙幣が前記閾値以上であって、かつ自動取引装置の前に顧客がいなくなったことを確認したときに、入金取引を中断するようにする。
【0064】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、リジェクト紙幣が前記閾値以上であって、人感センサの出力が非検知信号(OFF信号)であるとき、取引制御部は入金取引を中断し、人感センサの出力が検知信号(ON信号)であるとき、取引制御部は入金取引を中断せず、継続操作を可能とすることができる。そのため、顧客は最初から入金操作をやり直す必要がなく、利便性向上の効果が得られる。また、入金を完了させるまでにかかる時間が短縮されるため、次の顧客の待ち時間が短くなる効果もある。
【0065】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る自動取引装置の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0066】
第2の実施形態も、本発明を、DIP式のカードリーダを搭載したATMに適用する場合を例示する。
【0067】
(B-1)第2の実施形態の構成
第2の実施形態に係る自動取引装置を「自動取引装置10A」と表現して説明する。
【0068】
第2の実施形態に係る自動取引装置10Aは、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を備えているが、以下では自動取引装置10Aに特有の構成及び処理を図面を参照しながら説明する。
【0069】
図5は、第2の実施形態に係る自動取引装置の外観斜視図である。図5において、第2の実施形態に係る自動取引装置10Aの外観構成は、筐体11、通帳入出口12、カード入出口13、明細票排出口14、紙幣入出口15、硬貨入出口16、操作表示部17、カメラ51を有する。
【0070】
図6は、第2の実施形態に係る自動取引装置10Aの内部構成を示す構成図である。図6において、自動取引装置10Aは、制御部1、通帳処理部2、カード処理部3、明細票処理部4、紙幣入出金部5、硬貨入出金部6、記憶部7、通信部8、画像処理部52を有する。
【0071】
カメラ51は、自動取引装置10Aを利用する顧客を撮影する撮像装置である。
【0072】
検知部たる、画像処理部52は、カメラ51が撮影した画像データを解析して、顔認識を行なう。ここでは、自動取引装置10Aを利用する顧客が存在していることを判断するために、画像処理部52がカメラ画像から顔認識を行なうものとする。したがって、顔認識処理は、既存の方法を広く適用することができる。
【0073】
画像処理部52は、自動取引装置10Aを利用する顧客の顔を認識しており、その顔認識に関する情報を制御部1に通知する。これにより、制御部1は、画像処理部52からの顔認識に関する情報に基づいて、取引が開始した時に認識された顔が取引が終了する前までに認識した顔で変化したときには、顧客が変わり、今回の取引の顧客は存在していないものと判断する。
【0074】
画像処理部52はスタンドアロンで動作している場合を例示する。つまり、画像処理部52は、カメラ51からの画像に基づいて常時又は定期的に顔認識を行ない、顔認識に関する情報を、常時又は定期的に制御部1に通知する。
【0075】
なお、画像処理部52は、例えば、CPU、ROM、RAM、EEPROM、入出力インタフェース等を有し、CPUが処理プログラム(例えば、顔認識プログラム等)を実行することにより、顔認識処理を実現する。
【0076】
(B-2)第2の実施形態の動作
図7は、第2の実施形態に係る自動取引装置10Aにおける入金取引の処理を示すフローチャートである。
【0077】
カメラ51は、自動取引装置10Aを利用する操作者(顧客)を撮影できる位置に配置されており、撮影動作をしている。画像処理部52は、カメラ51からの撮影画像を解析して顔認識を行なう。
【0078】
例えば、画像処理部52は、カメラ51からの画像データに基づいて、顔の目、鼻、口などの特徴点を検出し、顔領域の位置及び大きさを特定する。そして、画像処理部52は、操作者の顔を認識したとき、顔認識に関する情報を制御部1に通知する。これにより、制御部1は、画像処理部52の顔認識に関する情報を取得することができる。
【0079】
ここで、画像処理部52は、顔の特徴点、顔領域の位置及び大きさに基づいて特定した顔を、1個の検出情報とする。つまり、画像処理部52は、第1の顔と、第1の顔とは特徴が異なる第2の顔(別の顔)とを同時に認識したときには、それぞれの顔(第1の顔、第2の顔)を区別する。例えば、画像処理部52は、認識した第1の顔及び第2の顔のそれぞれに、識別可能な識別番号を付して、それぞれ別の顔であることを区別してもよい。
【0080】
また、画像処理部52は、カメラ画像において、複数の顔を認識することもできる。さらに、画像処理部52は、カメラ画像に人が存在しておらず、顔を認識していないこともある。
【0081】
図7において、自動取引装置10Aは待機状態である(S101)。自動取引装置10Aでは、DIP式のカードリーダであるカード処理部3が、顧客により挿入されたIC搭載カードを検知すると(S102)、カード処理部3はカードに搭載されているICチップからカード情報を読み取り(S103)、カード処理部3はカード情報を制御部1に通知する。
【0082】
その後、表示制御部102は、暗証番号入力画面を操作表示部17に表示して、顧客により暗証番号が入力される(S104)。
【0083】
次に、表示制御部102は取引メニュー画面を操作表示部17に表示し(S105)、取引メニュー画面上で、顧客により入金取引が選択される(S106)。
【0084】
入金取引が選択されると、取引処理部101が入金取引に応じた処理を行ない、紙幣入出口15ではシャッターが開き(S107)、自動取引装置10は紙幣投入を受け付ける。顧客により紙幣入出口15に紙幣が投入され、紙幣投入が終了すると(S108)、シャッターが閉じ(S109)、投入された紙幣は、1枚ずつ認識部21に向けて搬送される。
【0085】
認識部21は、光学センサ等により、搬送路を通過する紙幣の状態をセンシングする。また認識部21は紙幣を鑑別する鑑別部としても機能する。そして、認識部21は、事前に設定されている判定基準に関する情報を参照して、通過する紙幣状態を判定する(S110)。認識部21を通過した紙幣は、搬送部22によって一時保留部25に搬送されて一時的に保持される。認識部21により、リジェクト紙幣と判定された紙幣は、紙幣入出口15に搬送される。
【0086】
そして、認識部21は、今回の入金取引で投入された紙幣の判定結果を用いて、リジェクト判定された紙幣と、事前設定の閾値とを比較して、リジェクト紙幣枚数が閾値以上であるか否かを判定する(S111)。
【0087】
取引処理部101は、認識部21からの判定結果と、画像処理部52からの信号とに基づいて、リジェクト紙幣枚数が閾値以上であり(S111/YES)、画像処理部52からの顔認識に関する情報に基づいて、取引の開始時の認識した顔を基準として、そこから現時点までの間で、認識した顔が変化したとき(S201/YES)、すなわち操作者の不在を検知したとき、取引処理部101は、現在の入金取引を中断する(S113)。制御部1は、次の取引のために待機状態となる(S101)。なお、「認識した顔が変化した」には、現時点で顔を認識していない状態も含む。つまり、顧客が立ち去ってしまい、自動取引装置10Aの前には誰もおらず、顔認識できない状態も「認識した顔が変化した」に含まれるものとする。
【0088】
S201において、画像処理部52からの顔認識に関する情報に基づいて、取引の開始から現時点までの間で、認識した顔が変化していないとき(S201/NO)、取引処理部101は処理をS107に移行する。このとき、投入された全ての紙幣は紙幣入出口15に搬送され、その後、紙幣入出口15のシャッターが開き、顧客に返却される。これにより取引処理部101は、引き続き、顧客による入金取引を実施できるようにする。
【0089】
他方、リジェクト紙幣枚数が閾値未満である場合(S111/NO)、入金計数の結果を操作者に確認させて、操作者が計数結果を確認したら、取引処理部101は、認識部21の紙幣計数結果を用いて入金取引に関する電文をホストサーバに送信して入金取引を行なう(S115)。そして、明細票処理部4が、明細票に印字して明細票排出口14から排出し(S116)、今回の入金取引が終了する(S117)。その後、制御部1は、次の取引のために待機状態となる(S101)。
【0090】
(B-3)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、リジェクト紙幣枚数が閾値以上であって、カメラ画像から顔を認識できなくなったときや認識した顔が取引開始時から変化したとき、取引制御部は入金取引を中断し、取引開始時から継続して同一の顧客(操作者)の顔を認識したとき、取引制御部は入金取引を中断せず、継続操作を可能とすることができる。そのため、顧客は最初から入金操作をやり直す必要がなく、利便性向上の効果が得られる。また、入金を完了させるまでにかかる時間が短縮されるため、次の顧客の待ち時間が短くなる効果もある。
【0091】
(C)第3の実施形態
次に、本発明に係る自動取引装置の第3の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0092】
第3の実施形態では、自動取引装置が、入金取引が終了するまで、自動取引装置の前にとどまっていることを顧客に注意喚起させる画面を表示する。
【0093】
第3の実施形態は、第1の実施形態又は第2の実施形態のいずれの自動取引装置にも適用できるが、以下では、第1の実施形態の自動取引装置10に適用する場合を例示する。したがって、第3の実施形態においても、第1の実施形態の図2図4を用いて説明する。
【0094】
図8は、第3の実施形態に係る自動取引装置10における入金取引の処理を示すフローチャートである。
【0095】
図8に示すフローチャートは、基本的には、図1のフローチャートと同じなので、ここでは、第3の実施形態に特有の処理を中心に説明する。
【0096】
図8のS106で、操作表示部17において顧客により入金取引が選択されると(S106)、表示制御部102が、操作表示部17に、取引が完了するまで、立ち去らずにそのまま待機してほしいことを促す注意画面61を表示する(S301)。
【0097】
このように、自動取引装置10が注意画面61を表示することにより、顧客が紙幣を投入した後に、顧客がすぐに立ち去ってしまうことを防ぐことができる。つまり、入金取引でリジェクト紙幣の枚数が多い場合であっても、自動取引装置10の前に顧客を留めておくことが期待できるので、顧客に対して入金操作の継続実施を促すことができる。
【0098】
なお、S301より後の処理は、第1の実施形態で説明したため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0099】
図8では、注意画面61に確認ボタンがあり、確認ボタンが押下されることで次のステップに進む場合を例示するが、取引が終わるまで待機することを顧客に注意させることができるのであれば、これに限らない。
【0100】
また、図8がポップアップ画面であり、メイン画面上に、図8のポップアップ画面が表示されるようにしてもよい。例えば、S107でシャッターが開き、取引が中断するまでの間、図8のポップアップ画面が、操作表示部17に表示されるようにしてもよい。
【0101】
(D)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態について言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0102】
(D-1)入金取引において顧客が、紙幣を投入した後に取引が継続しているのにも関わらず立ち去ってしまうことは、特にDIP式のカードリーダを搭載した自動取引装置であるときに生じ得る。そのため、上述した第1~第3の実施形態はDIP式のカードリーダを搭載した自動取引装置であることを前提に説明した。
【0103】
しかし、取引中にカードを装置内に取り込んだままにする形態の自動取引装置以外の自動取引装置で適用できる。
【0104】
また例えば、QRコード(登録商標)に紐づけされている内容で取引を行なうもの、また例えば、生体認証の照合をして本人確認を行なって取引内容を行なうもの、更に例えば、近距離無線通信等で、スマートフォン等の端末と情報の授受をして取引を行なうものにも適用できる。このように、自動取引装置がカードレスで取引を行なう場合にも本発明は適用でき、上述した実施形態と同様の効果を奏する。
【0105】
(D-2)上述した第1~第3の実施形態は、入金取引において、投入した全ての紙幣を返却する場合の一例として、リジェクト枚数が閾値以上であることを説明した。
【0106】
しかし、「入金取引において、投入した全ての紙幣を返却する」は、これに限らず、顧客が入金を取り消して、全ての投入紙幣を返却する場合も含まれる。
【0107】
(D-3)上述した第2の実施形態では、画像処理部52が、顔認証処理を行なう場合を例示した。しかし、画像処理部52は、カメラ51からの画像フレームのうち、互いに前後するフレーム間で、対応する画素の画素値の差分を取り、その差分値が閾値以上であるか否かにより判断してもよい。つまり、顧客が立ち去り居なくなったときや、別の顧客が画像に映ったときには、フレームの画素値が変化するので、互いに前後するフレーム間の画素差分値に基づいて検出することもできる。その場合でも、上述した第2の実施形態の効果を奏する。
【0108】
(D-4)第1の実施形態と第2の実施形態とを組み合わせて、取引処理部が、人感センサ19からの出力信号と、カメラ画像から顔を認識した顔認識結果とに基づいて、自動取引装置の前に人が存在しているか否かを判定するようにしてもよい。
【0109】
例えば、取引処理部は、人感センサ19からの信号が非検知信号(OFF信号)であり、及び又は、認識した顔が変化したときに、今回の入金取引を中断するようにしてもよい。
【0110】
他方、例えば、取引処理部は、人感センサ19からの信号が検知信号(ON信号)である、又は、認識した顔が変化しないときに、図1のS107に移行するようにしてもよい。
【0111】
(D-5)上述した第1~第3の実施形態では、紙幣を入金する場合を例示したが、硬貨を入金する場合にも適用することができ、その場合にも、第1~第3の実施形態の効果を有効に奏する。
【符号の説明】
【0112】
10及び10A…自動取引装置、1…制御部、101…取引処理部、102…表示制御部、2…通帳処理部、3…カード処理部、4…明細票処理部、5…紙幣入出金部、6…硬貨入出金部、7…記憶部、8…通信部、11…筐体、12…通帳入出口、13…カード入出口、14…明細票排出口、15…紙幣入出口、16…硬貨入出口、17…操作表示部、19…人感センサ、21…認識部、22…搬送部、23a~23d…金種別カセット、25…一時保留部、50…搬送ローラ、51…カメラ、52…画像処理部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8