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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081006
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】子守帯
(51)【国際特許分類】
   A47D 13/02 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
A47D13/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194640
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】310019730
【氏名又は名称】グラコ・チルドレンズ・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 和己
(57)【要約】
【課題】乳幼児を安定した姿勢で保持することのできる子守帯を提供する。
【解決手段】子守帯(1)は、乳幼児を保持するためのシート部(200)を備えている。シート部は、両側方に位置する一対の側方領域域(203,204)と、一対の側方領域から間隔をあけて配置され、上下方向に延びる中央領域(205)と、中央領域と側方領域との間に位置し、中央領域および側方領域よりも側方伸縮性が高い伸縮領域(206,207)とを有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳幼児を保持するためのシート部を備え、
前記シート部は、
両側方に位置する一対の側方領域と、
前記一対の側方領域から間隔をあけて配置され、上下方向に延びる中央領域と、
前記中央領域と前記側方領域との間に位置し、前記中央領域および前記側方領域よりも側方伸縮性が高い伸縮領域とを有している、子守帯。
【請求項2】
前記伸縮領域は、側方伸縮性を有する素材により形成されている、請求項1に記載の子守帯。
【請求項3】
前記シート部は、前記中央領域および前記伸縮領域の上側に位置して幅方向に延びる上側領域をさらに有している、請求項1または2に記載の子守帯。
【請求項4】
前記伸縮領域は上下方向に延在し、その上端部が前記上側領域に交差している、請求項3に記載の子守帯。
【請求項5】
前記中央領域は上下方向中央部がくびれた形状であり、
前記中央領域の上端の幅は前記上側領域の幅と略等しい、請求項3に記載の子守帯。
【請求項6】
乳幼児の頭部を支えるためのヘッドサポートをさらに備え、
前記上側領域は、前記ヘッドサポートとの縫合部を含む、請求項3~5のいずれかに記載の子守帯。
【請求項7】
前記シート部は、前記中央領域および前記伸縮領域の下側に位置して幅方向に延びる下側領域をさらに有している、請求項1~6のいずれかに記載の子守帯。
【請求項8】
前記伸縮領域は上下方向に延在し、その下端部が前記下側領域に交差している、請求項7に記載の子守帯。
【請求項9】
前記中央領域は上下方向中央部がくびれた形状であり、
前記中央領域の下端の幅は前記下側領域の幅と略等しい、請求項7に記載の子守帯。
【請求項10】
乳幼児を担ぐ者の腰に巻き付けられる腰ベルトをさらに備え、
前記下側領域は、前記腰ベルトとの縫合部を含む、請求項7~9のいずれかに記載の子守帯。
【請求項11】
前記シート部が、少なくとも股当て部および一対の脚当て部を有しており、
前記伸縮領域は、前記股当て部と前記脚当て部との境界線に沿って延びている、請求項1~10のいずれかに記載の子守帯。
【請求項12】
前記シート部は、乳幼児を背面から覆う乳幼児側シート部材と、乳幼児を担ぐ者と乳幼児との間に配置される親側シート部材とに分割されており、
前記一対の側方領域、前記中央領域、および前記伸縮領域は、前記乳幼児側シート部材に設けられている、請求項1~11のいずれかに記載の子守帯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、子守帯に関し、特に、縦抱きに使用可能な子守帯に関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児の身体を略垂直に立たせた縦抱き状態で使用される子守帯が、たとえば特許第6933954号公報(特許文献1)に開示されている。この子守帯は、股幅調整機能を有することを特徴としている。
【0003】
特開2005-521444号公報(特許文献2)には、乳幼児を包み込むシート部材自体の幅を調整可能とするために、背もたれの中央に上下方向に延びる切り欠きを設けた子守帯が開示されている。この子守帯は、切り欠きが最大幅を越えて移動するのを防止する安全手段として、切り欠き部の両側に結合させた布製細長辺を備えることや、切り欠きの開き度を調節する手段として、切り欠きの縁部間に延びるコードまたは紐を備えることが開示されている。
【0004】
また、特許第4861402号公報(特許文献3)には、シート部材が、横方向に互いに分離された2つの非伸縮性部分と、これらに接続された側方伸縮性を有する帯状要素とを備え、当該帯状要素が鉛直の全長で同一の幅を有する子守帯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6933954号(特開2019-76629号公報)
【特許文献2】特開2005-521444号公報
【特許文献3】特許第4861402号(特表2008-532724号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献2および3では、シート部材の幅が調整可能となっているものの、幅調整手段としての切り欠きや帯状要素がシート部材の幅方向中央領域に設けられているため、乳幼児の沈み込みが生じるおそれがあり、乳幼児を安定した姿勢で保持することができない。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、乳幼児を安定した姿勢で保持することのできる子守帯を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のある局面に従う子守帯は、乳幼児を保持するためのシート部を備えている。シート部は、両側方に位置する一対の側方領域と、一対の側方領域から間隔をあけて配置され、上下方向に延びる中央領域と、中央領域と側方領域との間に位置し、中央領域および側方領域よりも側方伸縮性が高い伸縮領域とを有している。
【0009】
好ましくは、伸縮領域は、側方伸縮性を有する素材により形成されている。
【0010】
好ましくは、シート部は、中央領域および伸縮領域の上側に位置して幅方向に延びる上側領域をさらに有している。伸縮領域は上下方向に延在し、その上端部が上側領域に交差していることが望ましい。あるいは、中央領域は上下方向中央部がくびれた形状であり、中央領域の上端の幅は上側領域の幅と略等しくてもよい。
【0011】
好ましくは、子守帯は、乳幼児の頭部を支えるためのヘッドサポートをさらに備えている。この場合、上側領域は、ヘッドサポートとの縫合部を含んでもよい。
【0012】
好ましくは、シート部は、中央領域および伸縮領域の下側に位置して幅方向に延びる下側領域をさらに有している。伸縮領域は上下方向に延在し、その下端部が下側領域に交差していることが望ましい。あるいは、中央領域は上下方向中央部がくびれた形状であり、中央領域の下端の幅は下側領域の幅と略等しくてもよい。
【0013】
好ましくは、子守帯は、乳幼児を担ぐ者の腰に巻き付けられる腰ベルトをさらに備えている。この場合、下側領域は、腰ベルトとの縫合部を含んでもよい。
【0014】
シート部は、少なくとも股当て部および一対の脚当て部を有しており、伸縮領域が、股当て部と脚当て部との境界線に沿って延びていることが望ましい。
【0015】
シート部は、乳幼児を背面から覆う乳幼児側シート部材と、乳幼児を担ぐ者と乳幼児との間に配置される親側シート部材とに分割されていてもよい。この場合、一対の側方領域、中央領域、および伸縮領域は、乳幼児側シート部材に設けられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、乳幼児を安定した姿勢で保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態に係る子守帯の概略構成を示す模式図である。
図2】本発明の実施の形態に係る子守帯の具体的な構成を示す外観図である。
図3】本発明の実施の形態に係る子守帯の具体的な構成を示す外観図である。
図4】本発明の実施の形態における乳幼児側シート部材の素材構成を示す断面図であり、(a)は無負荷状態(非使用状態)を示し、(b)は負荷状態(使用状態)を示す。
図5】本発明の実施の形態に係る子守帯の使用状態を示す外観斜視図である。
図6】子守帯が対面抱っこの状態で使用されている例を示す図である。
図7】子守帯が前向き抱っこの状態で使用されている例を示す図である。
図8】子守帯がおんぶの状態で使用されている例を示す図である。
図9】(a),(b)は、本発明の実施の形態の変形例に係る子守帯を正面側から見た外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0019】
はじめに、本実施の形態に係る子守帯の概要について説明する。本実施の形態に係る子守帯は、乳幼児を縦抱き状態で担ぐために使用される。乳幼児を担ぐ者は、子守帯の着用者であり、たとえば親などである。以下の説明では、乳幼児を担ぐ者を単に親として説明する。
【0020】
本明細書において、「縦抱き状態」とは、乳幼児の身体を略垂直に立たせた状態を意味し、乳幼児の頭を上にして乳幼児の足を下にして保持する状態である。「縦抱き」は、「抱っこ」および「おんぶ」のいずれであってもよい。「抱っこ」は、図6に示すような、親の顔と乳幼児の顔が対面する「対面抱っこ」、および、図7に示すような、乳幼児の顔が前方を向く「前向き抱っこ」のいずれであってもよい。「おんぶ」による縦抱き状態は、図8に示すように、親の背中側に乳幼児を担ぐ状態である。なお、典型的には、「対面抱っこ」が生後14日(かつ3.5Kg)~36ヶ月頃までの乳幼児、「前向き抱っこ」が7ヶ月~24ヶ月頃までの乳幼児、「おんぶ」が7ヶ月~36ヶ月頃までの乳幼児を対象とすることが想定される。
【0021】
<子守帯の概略構成>
図1は、本実施の形態に係る子守帯1の概略構成を示す模式図である。図1の矢印A1は、使用時における幅方向(左右方向)を示し、矢印A2は、使用時における上方を示す。
【0022】
図1に示されるように、子守帯1は、主に、親の両肩に掛けられるループ状の一対の肩ベルト2,3と、乳幼児を保持するためのシート部200とを備えている。
【0023】
シート部200は、乳幼児の胴部を包み込むための部材であり、一対の肩ベルト2,3に連結されている。シート部200の説明に際しては、理解を容易にするために、子守帯1を対面抱っこに使用する場合を想定して説明する。
【0024】
シート部200は、主に、乳幼児の胴部を下方および背後から支持できる大きさおよび形状を有している。また、シート部200は、全体として柔軟性を有している。そのため、親の身体(上半身)とシート部200との間に、乳幼児を安定して保持することができる。
【0025】
本実施の形態のシート部200は、両側方に位置する一対の側方領域203,204と、一対の側方領域203,204から間隔をあけて配置され、上下方向に延びる中央領域205と、中央領域205と側方領域203,204との間の位置し、これらの領域203~205よりも側方伸縮性が高い伸縮領域206,207とを有していることを特徴としている。なお、縦抱き状態の使用例を示した図6図8では、これらの領域の図示を省略している。
【0026】
「側方伸縮性が高い」とは、上下方向の伸縮性よりも幅方向の伸縮性が高いことを意味している。そのため、伸縮領域206,207は、上下方向には殆ど(または全く)伸縮しないが、幅方向に大きく伸縮可能な領域である。
【0027】
中央領域205および側方領域203,204は、比較的、側方伸縮性が低い。すなわち、中央領域205および側方領域203,204は、幅方向に若干伸縮可能であるか、または殆ど伸縮しない領域である。なお、上下方向の伸縮性に関しては、中央領域205および側方領域203,204の方が伸縮領域206,207よりも高くてもよいし、同じであってもよい。また、中央領域205および側方領域203,204の側方伸縮性の程度は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0028】
シート部200は、さらに、上側領域201および下側領域202を有していることが望ましい。上側領域201は、少なくとも中央領域205および伸縮領域206,207の上側に位置して幅方向に延び(図2参照)、一対の側方領域203,204の上側を含む全幅に亘って延びていてもよい。下側領域202は、少なくとも中央領域205および伸縮領域206,207の下側に位置して幅方向に延び、一対の側方領域203,204の下側を含む全幅に亘って延びていてもよい(図2参照)。
【0029】
上側領域201および下側領域202は、一対の側方領域203,204および中央領域205よりも側方伸縮性が低いか、または同程度の領域である。上側領域201および下側領域202は、典型的には、伸縮領域206,207の上下端部に交差して設けられている。これにより、伸縮領域206,207の上下端部(上側領域201および下側領域202との境界部付近)における幅方向の伸長が規制される。
【0030】
このように、シート部200が一対の伸縮領域206,207を有するので、縦抱き状態の乳幼児を安定した姿勢で保持することができる。つまり、本実施の形態の子守帯1によれば、保持した乳幼児の臀部の沈み込みを防止しつつ、親の身体(上半身)との間に、乳幼児の胴部をすっぽりと包み込むことができる。また、シート部200が上側領域201および下側領域202を有するので、伸縮領域206,207の上下端部がフリーとなっている形態に比べて、子守帯1の強度を向上させることができる。
【0031】
<子守帯の具体的な構成例>
図2および図3を参照して、シート部200を備えた子守帯10の構成例について説明する。図2は、使用時の子守帯10を正面側から見た外観図である。図3は、シート部200の構成を示す図であり、後述の乳幼児側シート部材5を下方に垂れ下げた状態を正面側から見た外観図である。
【0032】
本実施の形態に係る子守帯10は、基本構成として、一対の肩ベルト2,3に加え、親の腰に巻き付けられる腰ベルト7を備えている。肩ベルト2,3および腰ベルト7は、親に装着される装着部材100を構成している。
【0033】
図3に示されるように、腰ベルト7は、左右方向に延在し、親の腰に巻かれる腰当て部71と、腰当て部71の両端にそれぞれ設けられたメスバックル(被係合部)72およびオスバックル(係合部)73とを有する。オスバックル73をメスバックル72に係合させることにより、腰ベルト7が親の腰に確りと巻き付けられる。
【0034】
図3に示されるように、本実施の形態におけるシート部200は、腰ベルト7との連結箇所を境界として、乳幼児を背面から覆う第1のシート部材5と、乳幼児を担ぐ者と乳幼児との間に配置される第2のシート部材4とに分割されている。第1のシート部材5は、シート部200の主要部をなす。そのため、上述した一対の側方領域203,204、中央領域205、および伸縮領域206,207は、第1のシート部材5に設けられていることが望ましい。
【0035】
第2のシート部材4は、たとえば正面視略矩形形状であり、通気性を有する素材、たとえばメッシュ布地などで形成されている。第2のシート部材4の上端部に肩ベルト2,3の一端が縫合され、第2のシート部材4の両側部に肩ベルト2,3の他端がそれぞれ縫合され、第2のシート部材4の下端部に腰ベルト7の上端縁が縫合されている。このように、本実施の形態の第2のシート部材4は、肩ベルト2,3および腰ベルト7と一体的に設けられていることから、装着部材100を兼ねている。そのため、以下の説明では、第2のシート部材4を「親側シート部材4」と称し、第1のシート部材5を「乳幼児側シート部材5」と称する。
【0036】
親側シート部材4の両側部には帯体41,42が縫い付けられ、帯体41,42の先端部にメスバックル95,96がそれぞれ設けられている。これらのメスバックル95,96は、乳幼児側シート部材5に設けられたオスバックル97,98と着脱可能に連結する。親側シート部材4に帯体41,42が取り付けられる箇所は、肩ベルト2,3の他端の取付箇所よりも上方であることが好ましい。
【0037】
本実施の形態では、装着部材100を構成する一対の肩ベルト2,3および腰ベルト7と親側シート部材4とが一体化されているため、親は、子守帯10を容易に装着することができる。なお、肩ベルト2,3の他端は、親側シート部材4以外の部材(たとえば腰ベルト7)に縫合されていてもよい。
【0038】
乳幼児側シート部材5は、その下端部が腰ベルト7の上端縁に縫合されている。つまり、腰ベルト7の上端縁には、親側シート部材4の下端縁と乳幼児側シート部材5の下端縁とが重ねて縫い付けられている。
【0039】
乳幼児側シート部材5は、たとえば正面視略矩形形状(具体的には、縦長の変形した矩形形状)であり、使用時において親側シート部材4に対面する。乳幼児側シート部材5の外形寸法(幅および上下長さ)は、親側シート部材4よりも大きい。乳幼児側シート部材5の両側部に、帯体41,42に設けられたメスバックル95,96が係合するオスバックル97,98がそれぞれ設けられている。オスバックル97,98は、乳幼児側シート部材5の両側部に縫い付けられた一対のフランジ部5a,5bに設けられていてもよい。
【0040】
乳幼児側シート部材5は、使用状態において、側方から見て略J字状の形状となり(図5参照)、親側シート部材4の下端部との連結部分(下端部分)において、乳幼児の臀部を下から持ち上げるように支持する臀部支持部が形成される。具体的には、図2に示したように、乳幼児側シート部材5は、親側シート部材4との境界部(腰ベルト7との縫合部)に連なる股当て部51と、股当て部51の上方に連なる尻当て部52と、尻当て部52の上方に連なる背当て部53とを有している。乳幼児側シート部材5はさらに、尻当て部52および背当て部53の両側に連なる一対の側部当て部54,55と、股当て部51の両側に連なる一対の脚当て部58,59とを有している。なお、親側シート部材4の下方部分は、乳幼児の下腹部を支持する前当て部として機能してもよい。
【0041】
幅方向一方側(紙面右側)に位置する側部当て部54は、同方向に位置する脚当て部58と上下方向に連続し、幅方向他方側(紙面左側)に位置する側部当て部55は、同方向に位置する脚当て部59と上下方向に連続している。脚当て部58,59は、乳幼児の脚の付け根から太腿あたりに接する部分である。
【0042】
脚当て部58,59は、股幅調整機能を有していることが望ましい。この場合、脚当て部58,59は、変形した略三角形状であり、底辺が腰ベルト7に縫着されている。脚当て部58,59と股当て部51との間の縦方向に延びる境界線は内側が膨らむ湾曲形状となっている。脚当て部58,59には、縦方向に延びる1本または2本(複数本)の折り曲げ線が設けられており、折り曲げ線で折り曲げて、脚当て部58,59の幅を小さくすることで、乳幼児側シート部材5の下端部の幅(つまり、股幅)を、前向き抱っこに適した幅とすることができる。
【0043】
子守帯10は、乳幼児の頭部を支えるためのヘッドサポート61を備えていることが望ましい。ヘッドサポート61は、シート部200よりも高いクッション性を有している。
【0044】
本実施の形態では、乳幼児側シート部材5の上端縁の中央部にヘッドサポート61が縫合されている。乳幼児側シート部材5の上端縁の両側部には、上方に延出する左右一対の延出部62,63が縫合されている。延出部62,63の先端側(上側)にメスバックル93,94がそれぞれ設けられている。メスバックル93,94はそれぞれ、肩ベルト2,3との連結具として機能し、肩ベルト2,3の上方部分に設けられたオスバックル91,92と係合する。
【0045】
ヘッドサポート61は、幅方向に沿って延びている。延出部62,63は、ヘッドサポート61の幅方向両端部に重なるように配置され、前方(正面)から見てヘッドサポート61の幅方向両端部が延出部62,63により隠れていてもよい。
【0046】
(乳幼児側シート部材の素材について)
乳幼児側シート部材5は、伸縮性能の異なる複数の素材が縫合されて形成されている。このことについて、図4をさらに参照して説明する。図4(a)は、無負荷状態(非使用状態)の乳幼児側シート部材5の断面構造を示し、図4(b)は、負荷状態(使用状態)の乳幼児側シート部材5の断面構造を示している。なお、図4(a)に示した断面構造は、図3のIV-IV線に沿って切断した断面に相当する。
【0047】
図2および図3に示されるように、乳幼児側シート部材5は、主に、幅方向中央位置において下端縁から上端縁まで上下方向に延びる第1素材81と、幅方向両端位置において下端縁から上端縁まで上下方向に延びる一対の第2素材82と、第1素材81および第2素材82に両側部が縫合されて下端縁から上端縁まで上下方向に延びる一対の第3素材83とによって形成されている。
【0048】
この場合、第1素材81が中央領域205を構成し、一対の第2素材82が一対の側方領域203,204を構成し、一対の第3素材83が一対の伸縮領域206,207を構成する。なお、第1素材81と第3素材83との縫合部、および、第2素材82と第3素材83との縫合部は、裏面側に位置することが望ましい(図示せず)。「縫合」とは、糸を通した針などを用いて2以上の素材を線状に繋ぎ合わせることを意味し、2以上の素材の端部同士をパイピングなどの帯状の端部処理部材で包んだ状態で縫い合わせていてもよい。広義には、2以上の素材を締結材で繋ぎ合わせる(接続する)ことを意味してもよい。
【0049】
第1素材81は、柔軟性を有するが殆ど伸縮しない(低伸縮性の)素材である。そのため、図4(a),(b)に示されるように、無負荷状態における第1素材81の幅寸法L1と、負荷状態(乳幼児側シート部材5が左右両側に引っ張られた場合)の第1素材81の幅寸法L11とは、殆ど変わらないか、幅寸法L11の方が若干大きい程度である。第1素材81の規定の幅寸法L1は、たとえば5cm以上15cm以下の範囲で選択可能である。第1素材81は、ある程度の通気性を有していることが望ましく、たとえばメッシュ生地などの網目状の生地を含む、一層または複数層の生地により形成されている。
【0050】
第2素材82も同様に、柔軟性を有するが殆ど伸縮しない(低伸縮性の)素材である。そのため、図4(a),(b)に示されるように、無負荷状態における第2素材82の幅寸法L12と、負荷状態(乳幼児側シート部材5が左右両側に引っ張られた場合)の第2素材82の幅寸法L12とは、殆ど変わらないか、幅寸法L12の方が若干大きい程度である。第2素材82の規定の幅寸法L2は、典型的には、第1素材81の幅寸法L1以下であるものの、脚当て部58,59がある高さ範囲においては、第1素材81の幅寸法L1以上であってもよい。
【0051】
第2素材82は、第1素材81と同様に、たとえばメッシュ生地などの網目状の生地を含む、一層または複数層の生地により形成されていてもよい。通気性能の観点から、たとえば第2素材82よりも第1素材81の網目(通気孔)が大きいような場合には、第1素材81(中央領域205)の伸縮性が第2素材82(側方領域203,204)の伸縮性よりも若干高くてもよい。なお、第1素材81と第2素材82とは同じ素材であってもよい。乳幼児側シート部材5の脚当て部58,59が股幅調整機能を有する場合には、第2素材82の下方領域(脚当て58,59を構成する領域)は、たとえば発泡ウレタンなどの芯材を内包していてもよい。
【0052】
第3素材83は、柔軟性を有するとともに、側方伸縮性を有している。本実施の形態では、第3素材83は、上下方向(経方向)よりも幅方向(緯方向)に極めて高い伸縮性を有する伸縮編地により形成されている。
【0053】
この場合、第3素材83は、ダブルラッシェル編み機を用いて経編みされた経編地であって、図4(a),(b)に示されるように、経方向に沿って表側に湾曲して突出したリブ状の表突条部83aと、同じく経方向に沿って裏側に湾曲して突出したリブ状の裏突条部83bとを緯方向に交互に複数列連続させた形状を有しており、緯方向に沿った切断面の形状が波状に形成されている。また、並列する裏突条部83bの位相が表突条部83aのそれに対して緯方向にシフトして、各裏突条部83bが、表突条部83aの中間位置に位置するように編成されている。そのため、第3素材83を緯方向(左右方向)に引っ張ると、表突条部83aおよび裏突条部83bが緯方向に扁平状に変形することによって編地全体として緯方向に伸張され、作用させた荷重を取り除くと、収縮力によって緯方向に収縮し、元の状態に復する。
【0054】
本実施の形態の第3素材83は、表突条部83aが裏突条部83bよりも網目が大きく形成されている(図示せず)。そのため、図4(b)に模式的に示すように、第3素材83が側方に伸びた場合に(緯方向に引っ張られた場合に)、扁平状となった表突条部83aの網目が表われ、それによって、通気性を発揮することができる。
【0055】
2つの第3素材83は、第1素材81の幅分だけ、互いに離れて配置されている。2つの第3素材83は、乳幼児側シート部材5の幅方向中心線Cを中心として左右対称に配置されている。無負荷状態における第3素材83の幅はその全長において略一定であり、その幅寸法L3は、第1素材81の幅寸法L1よりも小さく、たとえば1.0cm以上3.0cm以下である。第3素材83の幅寸法L3は、1.2~2.0cm程度であることが、より望ましい。負荷状態(乳幼児側シート部材5が左右方向に引っ張られた場合)の第3素材83の最大幅寸法L13は、無負荷状態の幅寸法L3の1.5倍以上3倍以下であることが望ましい。
【0056】
なお、第3素材83は、側方伸縮性を有する素材であればよく、伸縮編地以外の素材により形成されていてもよい。
【0057】
乳幼児側シート部材5は、上記したような第1~第3素材83が幅方向に縫合されて形成されているため、股当て部51、尻当て部52、および背当て部53が、第1素材81(中央領域205)によって主に構成され、一対の脚当て部58,59および一対の側部当て部54,55が、一対の第2素材82(一対の側方領域203,204)によって主に構成される。この場合、一対の第3素材83(一対の伸縮領域206,207)は、その下方部分の少なくとも一部が、股当て部51と脚当て部58,59との境界部分に配置され、上方部分の少なくとも一部(上端部)が、背当て部53と側部当て部54,55との境界部分に配置されることが望ましい。
【0058】
本実施の形態では、第2素材82の下方領域(脚当て部58,59を構成する領域)が変形した略三角形状であるため、2本の第3素材83の下方部分は、脚当て部58,59の湾曲形状に沿うように湾曲形状となっている。具体的には、2本の第3素材83は、上端から下方へ行くほど互いに近づくように直線状に延びた一対の傾斜直線部と、一対の傾斜直線部の下端に連なり、下方へ行くほど互いに遠ざかるように湾曲した一対の湾曲部とで構成されている。この場合、左右の第3素材83間の間隔(つまり、第1素材81の幅寸法L1)は、上端部分(図2の幅Wb)または下端部分で最も大きく、脚当て部58,59に隣接する部分(図2の幅Wa)で最も小さい。
【0059】
このように、第3素材83(すなわち伸縮領域206,207)の下方部分は、股当て部51と脚当て部58,59との境界線に沿って延びていることが望ましい。なお、2本の第3素材83は、上端から下端まで真っ直ぐに延び、互いに平行に配置されてもよい(図1の伸縮領域206,207参照)。
【0060】
本実施の形態では、乳幼児側シート部材5の上方に位置するヘッドサポート61が、第1素材81および一対の第3素材83の上端縁に連結されている。具体的には、ヘッドサポート61は、第1素材81および一対の第3素材83の上端縁の全範囲に縫合されており、好ましくは、幅方向一方の第2素材82(側方領域203)と第3素材83(伸縮領域206)との接続箇所から幅方向他方の第2素材82(側方領域204)と第3素材83(伸縮領域207)との接続箇所まで連続的に縫合されている。
【0061】
一対の第2素材82の上端縁には、一対の延出部62,63がそれぞれ縫合されている。この場合、ヘッドサポート61および一対の延出部62,63を含む上方部材6が、第1~第3素材81~83の上端縁の全範囲に連続的に縫合されていてもよい。なお、延出部62,63は、第2素材82の上端部を上方に延出させることにより形成され、乳幼児側シート部材5の一部として構成されていてもよい(図5参照)。
【0062】
乳幼児側シート部材5の下方に位置する腰ベルト7は、第1~第3素材81~83の下端縁の全範囲に縫合されていることが望ましい。なお、腰ベルト7は、幅方向一方の第2素材82(側方領域203)と第3素材83(伸縮領域206)との接続箇所から幅方向他方の第2素材82(側方領域204)と第3素材83(伸縮領域207)との接続箇所までの範囲で縫合されていてもよい。
【0063】
乳幼児側シート部材5とヘッドサポート61(上方部材6)との縫合部分を「上側縫合部84」、乳幼児側シート部材5と腰ベルト7との縫合部分を「下側縫合部85」というとすると、上側縫合部84が、シート部200の上側領域201を構成し、下側縫合部85が、シート部200の下側領域202を構成する。上側縫合部84および下側縫合部85は側方伸縮性を有していないため、各素材81~83の上下端縁の幅は、負荷状態か無負荷状態かに関わらず一定となる。
【0064】
<子守帯の使用状態>
図5には、親が装着した子守帯10に、乳幼児が縦抱き状態(対面抱っこの状態)で保持されている様子が示されている。このような使用状態において、乳幼児側シート部材5の側方領域203,204(第2素材82)および中央領域205(第1素材81)は、上下方向および幅方向のいずれにも殆ど伸縮しないが、側方領域203,204と中央領域205との間の伸縮領域206,207(第3素材83)は、図5の矢印で示すように、乳幼児の荷重により外側方に伸長する。
【0065】
そのため、乳幼児側シート部材5によって、乳幼児を下方、背面および両側方から包み込むように保持することができる。また、中央領域205は適正な硬さを有しているため、中央領域が高い伸縮性を有する場合に起こり得る乳幼児の沈み込み(図5において想像線で示す)を防止することができる。したがって、月齢が低い乳幼児を対面抱っこする場合であっても、親の身体と乳幼児側シート部材5との間に乳幼児が埋もれてしまうことを防止できる。
【0066】
また、乳幼児側シート部材5は、伸縮領域206,207の伸縮を規制する上側領域201(上側縫合部84)および下側領域202(下側縫合部85)を有しているので、子守帯10自体の強度の低下を防止するとともに、乳幼児を安定した姿勢で保持することができる。
【0067】
さらに、伸縮領域206,207を構成する第3素材83は、側方に伸びた状態で通気性を発揮する素材であるため、使用状態には通気性が発揮される。したがって、本実施の形態の乳幼児側シート部材5によれば、乳幼児を快適に保持することができる。本実施の形態では、汗をかきやすい脚の付け根辺り(つまり、股当て部51と脚当て部58,59との境界部)に第3素材83が用いられるので、乳幼児の快適性を向上させることができる。
【0068】
また、本実施の形態の子守帯10は、乳幼児側シート部材5の特定部分にのみ第3素材83を用いる構成であるため、第3素材83が高コストである場合であっても、製造コストを抑えることが可能である。
【0069】
<シート部の他の構成例>
上記実施の形態では、シート部200の第2のシート部材4に肩ベルト2,3の両端が縫合されて、第2のシート部材4が装着部材100を兼ねている例(親側シート部材として機能する例)を示したが、このような例に限定されない。たとえば、シート部200の主要部をなす第1のシート部材5に、肩ベルト2,3の両端が縫合され(または、着脱可能に連結され)、第1のシート部材5と第2のシート部材4とを着脱可能に連結する連結手段を設けてもよい。あるいは、シート部200は、第2のシート部材4を有さず、第1のシート部材5のみを有していてもよい。
【0070】
図9(a),(b)は、第1のシート部材5(シート部200)の他の構成例を模式的に示す図である。図9(a),(b)に示す第1のシート部材5A,5Bのように、一対の伸縮領域206,207の上端および下端(または、その少なくとも一方)が、第1のシート部材5A,5Bの外側方を指向していてもよい。
【0071】
具体的には、図9(a)に示す子守帯10Aの第1のシート部材5Aのように、一対の伸縮領域206,207は、上下方向に略真っすぐ(平行に)延びる一対の直線部と、一対の直線部の上端に連なり、上方へ行くほど互いに遠ざかるように湾曲して外側端部に至る一対の上側湾曲部と、一対の直線部の下端に連なり、下方へ行くほど互いに遠ざかるように湾曲して外側端部に至る一対の下側湾曲部とで構成されていてもよい。
【0072】
あるいは、図9(b)に示す子守帯10Bの第1のシート部材5Bのように、一対の伸縮領域206,207は、上端および下端が外側端部に至るように全体が湾曲した一対の湾曲部により構成されていてもよい。
【0073】
一対の伸縮領域206,207がこのように配置される場合、中央領域205は上下方向中央部がくびれた形状となる。この場合、中央領域205の上端および下端の幅はそれぞれ、上側領域201および下側領域202の幅と略等しくてもよい。「略等しい」とは、両者の差が凡そ10mm以下であることをいう。また、一対の側方領域203,204は、上述の脚当て部58,59(のみ)を形成するものであってもよい。
【0074】
また、図9(a),(b)に示されるように、一対の伸縮領域206,207を第1のシート部材5A,5Bの上端縁(上側縫合部84の位置)から下方に離れて配置し、その離間部分を上側領域201としてもよい。同様に、一対の伸縮領域206,207を第1のシート部材5の下端縁(下側縫合部85の位置)から上方に離れて配置し、その離間部分を下側領域202としてもよい。
【0075】
このように、上側領域201が幅方向および上下方向に広がりをもった領域である場合、上側領域201によって、たとえば、図2に示した背当て部53およびその両側の一対の側部当て部54,55が形成されていてもよい。また、上述の延出部62,63は、上側領域201の上端両側部から上方に延出していてもよい。つまり、肩ベルト2,3の上端部との着脱箇所を、側方領域203,204側ではなく、上側領域201において実現されてもよい。
【0076】
また、上側領域201は、図9(a),(b)に示されるように、中央領域205と同一の素材(第1素材81)により一体的に設けてもよい。あるいは、図2等に示したように、伸縮領域206,207の全体が第1のシート部材5の外側端部よりも内側に配置されている形態においては、上側領域201は、一対の側方領域203,204と同一の素材(第2素材82)により一体的に設けてもよい。さらに他の形態として、上側領域201は、第1素材81の上端縁に縫合された他の素材(第4素材)と、その縫合部分とにより形成されてもよい。
【0077】
下側領域202も同様に、幅方向および上下方向に広がりをもった領域である場合、下側領域202によって、たとえば、股当て部51の下端に連なり、乳幼児の下腹部を保持する前当て部が形成されていてもよい。
【0078】
また、下側領域202は、中央領域205と同一の素材(第1素材81)により一体的に設けてもよいし、図9(a),(b)に示されるように、少なくとも第1素材81の下端縁に縫合された他の素材(第5素材)とその縫合部分とにより形成されてもよい。あるいは、図2等に示したように、伸縮領域206,207の全体が第1のシート部材5の外側端部よりも内側に配置されている形態においては、下側領域202は、一対の側方領域203,204と同一の素材(第2素材82)により一体的に設けてもよい。
【0079】
上述の第4素材および第5素材は、低伸縮性であればよく、第1素材81または第2素材82と同じ素材であってもよい。
【0080】
なお、本実施の形態では、シート部200(第1のシート部材5)が上側領域201および下側領域202の両方を有することとして説明したが、このような例に限定されず、いずれか一方のみを有していてもよい。たとえば、図2等に示したように、伸縮領域206,207の全体が第1のシート部材5の外側端部よりも内側に配置されている形態であっても、側方領域203,204の上端部に連なるように(側方領域203,204の延在方向に沿って)肩ベルト2,3が設けられる形態においては、使用時には肩ベルト2,3間の間隔によって伸縮領域206,207の伸縮をある程度規制できるため、上側領域201を有していなくてもよい。あるいは、上側領域201および下側領域202の少なくとも一方が、パイピングなどの端部処理部材を用いた縫合部(のみ)によって構成されてもよい。
【0081】
<変形例>
本実施の形態では、装着部材100が腰ベルト7を含むとして説明したが、腰ベルト7は必須ではない。腰ベルト7を備えない子守帯においては、前当て部を含む一体の(分割されていない)シート部材200が、上記領域201~207を有していればよい。また、装着部材100は、典型的には肩ベルト2,3を含むものの、たとえばベストタイプのものであれば、肩ベルト2,3も必須ではない。
【0082】
また、本実施の形態では、シート部200(第1のシート部材5)の一対の伸縮領域206,207が、側方伸縮性を有する第3素材83により形成されている例について説明したが、このような例に限定されない。たとえば、第1素材81と左右の第2素材82との間に隙間を設け、この左右の隙間により一対の伸縮領域206,207が形成されてもよい。このような場合、隙間が広がり過ぎることを防止するために、第1素材81と第2素材とに紐状材などが縫い付けられてもよい。
【0083】
なお、本実施の形態の子守帯は縦抱き専用の子守帯として説明したが、縦抱きで使用可能であれば、横抱きに使用できる子守帯にも、上述のシート部200の構成を適用可能である。
【0084】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
1 子守帯、4 親側シート部材(第2のシート部材)、5,5A,5B 乳幼児側シート部材(第1のシート部材)、7 腰ベルト、51 股当て部、52 尻当て部、53 背当て部、54,55 側部当て部、58,59 脚当て部、61 ヘッドサポート、81 第1素材、82 第2素材、83 第3素材、84 上側縫合部、85 下側縫合部、200 シート部、201 上側領域、202 下側領域、203,204 側方領域、205 中央領域、206,207 伸縮領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9