(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081037
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】有効成分発生装置
(51)【国際特許分類】
B60H 3/00 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
B60H3/00 F
B60H3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194691
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】宮岡 武志
(72)【発明者】
【氏名】治儀 政弘
(72)【発明者】
【氏名】村上 英之
【テーマコード(参考)】
3L211
【Fターム(参考)】
3L211AA01
3L211BA09
3L211BA10
3L211DA74
3L211DA93
3L211EA02
3L211GA74
(57)【要約】
【課題】テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる有効成分発生装置を提供する。
【解決手段】有効成分発生装置1は、有効成分を発生する有効成分発生器10と、有効成分発生器10を制御する制御部50と、を備える。有効成分発生器10は、車両2内のアームレスト4に設けられるテーブル収納部80内にて有効成分を発生する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分を発生する有効成分発生器と、
前記有効成分発生器を制御する制御部と、
を備え、
前記有効成分発生器は、車両内のアームレストに設けられるテーブル収納部内に向けて前記有効成分を発生する
有効成分発生装置。
【請求項2】
前記テーブル収納部は、人の手が触れるテーブルを収納可能であり、
前記有効成分発生器は、前記テーブル収納部の内部に設けられている
請求項1に記載の有効成分発生装置。
【請求項3】
さらに、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されているか否かを検知するための第1検知部を備え、
前記制御部は、前記第1検知部の検知に基づいて、前記有効成分発生器を制御する
請求項2に記載の有効成分発生装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第1検知部によって前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていることを検知した場合に、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させる
請求項3に記載の有効成分発生装置。
【請求項5】
さらに、前記制御部によって駆動制御されるファンを備え、
前記制御部は、前記有効成分発生器から有効成分を発生させるときに、前記ファンを駆動させる
請求項2~4のいずれか1項に記載の有効成分発生装置。
【請求項6】
さらに、前記有効成分を流す方向を切り替える方向切替部を備え、
前記制御部は、前記方向切替部を制御することで、前記有効成分が流れる方向を制御する
請求項5に記載の有効成分発生装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されている場合、前記テーブル収納部内に前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御する
請求項6に記載の有効成分発生装置。
【請求項8】
さらに、前記アームレストに近接する物体を検知するための第2検知部を備え、
前記制御部は、前記第2検知部が前記物体を検知した場合に、第1の時間の間、前記物体に向けて前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御する
請求項7に記載の有効成分発生装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記テーブル収納部内に前記有効成分を流すときよりも前記物体に向けて前記有効成分を流すときのほうが、前記ファンの風量が大きくなるように前記ファンを駆動させる
請求項8に記載の有効成分発生装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記第1の時間を経過した後に、前記物体に向けて前記有効成分が流れないように、かつ、前記テーブル収納部内に前記有効成分が流れるように前記方向切替部を制御する
請求項8または9に記載の有効成分発生装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていない場合、前記車両の車室内に前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御する
請求項6に記載の有効成分発生装置。
【請求項12】
さらに、前記アームレストに近接する物体を検知するための第2検知部を備え、
前記制御部は、前記第2検知部が前記物体を検知した場合に、第1の時間の間、前記物体に向けて前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御する
請求項11に記載の有効成分発生装置。
【請求項13】
前記制御部は、前記車両の車室内に前記有効成分を流すときよりも前記物体に向けて前記有効成分を流すときのほうが、前記ファンの風量が大きくなるように前記ファンを駆動させる
請求項12に記載の有効成分発生装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第1の時間を経過した後に、前記物体に向けて前記有効成分が流れないように、かつ、前記車両の車室内に前記有効成分が流れるように前記方向切替部を制御する
請求項12または13に記載の有効成分発生装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第1検知部によって前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていないことを検知した場合に、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させ、前記テーブル収納部内に前記有効成分を充填させる
請求項3に記載の有効成分発生装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記車両のイグニッションがオフされてから第2の時間の間、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させる
請求項1~15のいずれか1項に記載の有効成分発生装置。
【請求項17】
前記テーブル収納部に収納される前記テーブルは、前記車両に搭載される機器を操作するための入力部を備える
請求項1~16のいずれか1項に記載の有効成分発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有効成分を発生する有効成分発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気を清浄する空気清浄器が知られている。この種の空気清浄器の一例として、特許文献1には、座席のアームレストの使用時および収納時を問わず、車室内の空気の浄化を行なう車両用空気清浄器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
座席のアームレストには、テーブルを収納するテーブル収納部が設けられる場合があるが、従来技術では、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことについて、開示されていない。
【0005】
そこで、本開示では、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる有効成分発生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る有効成分発生装置は、有効成分を発生する有効成分発生器と、前記有効成分発生器を制御する制御部と、を備え、前記有効成分発生器は、車両内のアームレストに設けられるテーブル収納部内に向けて前記有効成分を発生する。
【0007】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。また、記録媒体は、非一時的な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の有効成分発生装置は、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、テーブルがテーブル収納部に収納されているときの車両内の状態を示す図である。
【
図2】
図2は、テーブルがテーブル収納部から外に出されているときの車両内の状態を示す図である。
【
図3】
図3は、テーブルおよびテーブル収納部の概略的な動きを示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係る有効成分発生装置を模式的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る有効成分発生装置のブロック構成図である。
【
図6】
図6は、テーブルがテーブル収納部に収納されている場合の有効成分の流れを示す図である。
【
図7】
図7は、テーブルがテーブル収納部に収納されていない場合の有効成分の流れを示す図である。
【
図8】
図8は、アームレストに物体が近接している場合の有効成分の流れを示す図である。
【
図9】
図9は、実施の形態に係る有効成分発生装置の動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施の形態に係る有効成分発生装置の動作の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(本開示の概要)
本開示の一態様に係る有効成分発生装置は、有効成分を発生する有効成分発生器と、前記有効成分発生器を制御する制御部と、を備え、前記有効成分発生器は、車両内のアームレストに設けられるテーブル収納部内にて前記有効成分を発生する。
【0011】
この構成によれば、例えば、テーブル収納部内にテーブルが収納されたときに、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。これにより、有効成分を用いてテーブルを清潔にすることができる。
【0012】
また、前記テーブル収納部は、人の手が触れるテーブルを収納可能であり、前記有効成分発生器は、前記テーブル収納部の内部に設けられていてもよい。
【0013】
この構成によれば、例えばテーブルがテーブル収納部内に収納されたときに、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。これにより、テーブル収納部内の有効成分発生器を用いてテーブルを清潔にすることができる。
【0014】
また、有効成分発生装置は、さらに、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されているか否かを検知するための第1検知部を備え、前記制御部は、前記第1検知部の検知に基づいて、前記有効成分発生器を制御してもよい。
【0015】
この構成によれば、第1検知部の検知に基づいて、有効成分発生器を用いてテーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0016】
また、前記制御部は、前記第1検知部によって前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていることを検知した場合に、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させてもよい。
【0017】
この構成によれば、第1検知部で、テーブルが収納されたことを確実に検知したうえで、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0018】
また、有効成分発生装置は、さらに、前記制御部によって駆動制御されるファンを備え、前記制御部は、前記有効成分発生器から有効成分を発生させるときに、前記ファンを駆動させてもよい。
【0019】
この構成によれば、有効成分発生器で発生した有効成分を、ファンの風を用いて移動させることができる。そのため、テーブルなどの対象物が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0020】
また、有効成分発生装置は、さらに、前記有効成分を流す方向を切り替える方向切替部を備え、前記制御部は、前記方向切替部を制御することで、前記有効成分が流れる方向を制御してもよい。
【0021】
この構成によれば、方向切替部を用いて、有効成分の流す方向を切り替えることができる。そのため、テーブルだけでなく、例えば、テーブル以外の物または人が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0022】
また、前記制御部は、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されている場合、前記テーブル収納部内に前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御してもよい。
【0023】
この構成によれば、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0024】
また、有効成分発生装置は、さらに、前記アームレストに近接する物体を検知するための第2検知部を備え、前記制御部は、前記第2検知部が前記物体を検知した場合に、第1の時間の間、前記物体に向けて前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御してもよい。
【0025】
この構成によれば、テーブルだけではなく、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0026】
また、前記制御部は、前記テーブル収納部内に前記有効成分を流すときよりも前記物体に向けて前記有効成分を流すときのほうが、前記ファンの風量が大きくなるように前記ファンを駆動させてもよい。
【0027】
この構成によれば、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0028】
また、前記制御部は、前記第1の時間を経過した後に、前記物体に向けて前記有効成分が流れないように、かつ、前記テーブル収納部内に前記有効成分が流れるように前記方向切替部を制御してもよい。
【0029】
この構成によれば、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やした後に、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0030】
また、前記制御部は、前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていない場合、前記車両の車室内に前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御してもよい。
【0031】
この構成によれば、テーブルが収納部に収納されていない場合に、車室内に有効成分が流れるようにすることができる。
【0032】
また、有効成分発生装置は、さらに、前記アームレストに近接する物体を検知するための第2検知部を備え、前記制御部は、前記第2検知部が前記物体を検知した場合に、第1の時間の間、前記物体に向けて前記有効成分が流れるように、前記方向切替部を制御してもよい。
【0033】
この構成によれば、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0034】
また、前記制御部は、前記車両の車室内に前記有効成分を流すときよりも前記物体に向けて前記有効成分を流すときのほうが、前記ファンの風量が大きくなるように前記ファンを駆動させてもよい。
【0035】
この構成によれば、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0036】
また、前記制御部は、前記第1の時間を経過した後に、前記物体に向けて前記有効成分が流れないように、かつ、前記車両の車室内に前記有効成分が流れるように前記方向切替部を制御してもよい。
【0037】
この構成によれば、アームレストに近接した物体が有効成分に触れる機会を増やした後に、車室内に有効成分が流れるようにすることができる。
【0038】
また、前記制御部は、前記第1検知部によって前記テーブルが前記テーブル収納部に収納されていないことを検知した場合に、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させ、前記テーブル収納部内に前記有効成分を充填させてもよい。
【0039】
これによれば、テーブルがテーブル収納部に収納されていない状態からテーブル収納部に収納された状態になったときに、短時間でテーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0040】
また、前記制御部は、前記車両のイグニッションがオフされてから第2の時間の間、前記有効成分発生器から前記有効成分を発生させてもよい。
【0041】
これによれば、イグニッションがオフされた後もテーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0042】
また、前記テーブル収納部に収納される前記テーブルは、前記車両に搭載される機器を操作するための入力部を備えていてもよい。
【0043】
これによれば、上記入力部を備えたテーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0044】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0045】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0046】
また、各図では、車両の前後方向に沿う軸をX軸とし、車両の幅方向に沿う軸をY軸とし、鉛直方向に沿う軸をZ軸としている。車両は、例えば自動車であるが、それに限られず、電車および新幹線などの移動体であればよい。
【0047】
(実施の形態)
[有効成分発生装置の構成]
実施の形態に係る有効成分発生装置は、有効成分を発生させることでテーブルなどの対象物が有効成分に触れる機会を増やすことができる装置である。有効成分発生装置は、例えば、テーブル収納部内に向けて有効成分を発生すること、アームレストに近接する物体(例えば、手など)を検知した場合に前記物体に向けて有効成分が流れるようにすること、テーブルがテーブル収納部に収納されていない場合に車両の車室内に有効成分が流れるようにすることの少なくとも1つを実行することで、テーブルなどの対象物が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0048】
有効成分発生装置の構成を説明する前に、テーブル、および、テーブルを収納するテーブル収納部などの構成について説明する。
【0049】
図1は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されているときの車両2内の状態を示す図である。
図2は、テーブル90がテーブル収納部80から外に出されているときの車両2内の状態を示す図である。
【0050】
テーブル収納部80は、テーブル90を収納するための箱状のケース81および蓋82を有している。ケース81の上部には開口が設けられ、開口上には蓋82が設けられる。ケース81と蓋82との間には、適度な空気の逃げ穴または吸気口が設けられていてもよい。テーブル収納部80では、蓋82を用いて開口を開閉することで、テーブル90を収納可能となっている。テーブル収納部80は、例えば、車両2内の座席横のアームレスト4に設けられる。
【0051】
アームレスト4には、有効成分発生装置を稼働するための稼働スイッチ60、および、アームレスト4に物体(例えば、座席に座った人の手)が近接されているか否かを検知するセンサ(後述する第2検知部32)が設けられている。また、アームレスト4には、有効成分を車室内に放出するために、鉛直方向に有効成分を放出する吹き出し口86、および、水平方向に有効成分を放出する吹き出し口87が設けられている。各吹き出し口86、87は、羽根を有しており、吹き出し方向を変えたり、吹き出し口を閉じたりすることができる。
【0052】
テーブル90は、例えば、電気機器を使うユーザの操作入力を受け付けるユーザインターフェースである。テーブル90は、例えば、室内の照明装置、空調装置、座席ヒータ、映像装置または音響装置などの電気機器の操作を行うための入力部91を備える。入力部91は、例えば、テーブルの載置面におけるタッチ入力を受け付ける静電容量式のタッチセンサと、タッチセンサでタッチ入力を受け付けた場合にタッチセンサの検出結果に応じた指示を示す情報を電気機器等に送信する送信制御部と、を有する。テーブル90は、例えば手動によって、テーブル収納部80から出し入れされる。なお、テーブル90は、手動に限られず、車両2に搭載された機器によって自動でテーブル収納部80から出し入れされてもよい。テーブル90は、操作入力用のテーブルに限られず、食事用または作業用のテーブルであってもよい。
【0053】
図3は、テーブル90およびテーブル収納部80の概略的な動きを示す図である。
図3には、車両2の正面側からテーブル90およびテーブル収納部80を見たときの断面が示されている。なお、同図では、蓋82の図示を省略している。
【0054】
テーブル収納部80は、スライド機構83および回転機構84を有している(
図3の(a)参照)。スライド機構83は、テーブル収納部80のケース81の内側面に取り付けられている。スライド機構83は、回転機構84および回転機構84に取り付けられたテーブル90を鉛直方向に移動可能とする機構である。回転機構84は、車両2の前後方向に沿う水平軸を中心にテーブル90を回転移動可能とする機構である(
図3の(b)参照)。テーブル90は、これらのスライド機構83および回転機構84を介して、テーブル収納部80に出し入れされる。
【0055】
テーブル90は、タッチ入力などの操作入力を受け付け、操作入力に応じた信号を電気機器またはECU(Electronic Control Unit)に送信し、操作入力に応じた処理を実行させる。テーブル90による操作入力は例えばタッチ入力等によって行われる。そのため、テーブルが有効成分に触れる機会を増やし、有効成分を用いてテーブルを清潔にするとよい。
【0056】
図4は、実施の形態に係る有効成分発生装置1を模式的に示す図である。
図5は、有効成分発生装置1のブロック構成図である。
図4には、有効成分発生装置1を
図1に示すIV-IV線で見たときの模式的な断面図が示されている。
図4には、蓋82が閉じられた状態が示されている。
【0057】
図4および
図5に示すように、有効成分発生装置1は、有効成分発生器10と、ファン20と、第1検知部31および第2検知部32と、方向切替部40と、制御部50と、を備えている。なお、有効成分発生装置1は、
図5に示すように、稼働スイッチ60、および、補助電源71を備えていてもよい。
【0058】
有効成分発生装置1は、例えば、車両2のイグニッションがオンになっているときは、車両2の本体電源から供給された電力によって稼働し、イグニッションがオフになっているときは、補助電源71から供給された電力によって稼働する。
【0059】
稼働スイッチ60は、有効成分発生装置1の稼働状態のオンオフを切り替えるためのスイッチである。稼働スイッチ60は、アームレスト4の上面に設けられるが、それに限られず、アームレスト4の側面または吹き出し口87と同じ面に設けられていてもよい。また、稼働スイッチ60は、テーブル90に設けられていてもよいし、テーブル90と異なる他の操作パネルに設けられていてもよい。稼働スイッチ60がオンされることで、有効成分発生器10を含む有効成分発生装置1が稼働状態となる。
【0060】
有効成分発生器10は、有効成分を発生させる。なお、本開示の「有効成分」は、一例として、有効成分は、OHラジカルを含んだ帯電微粒子液、OHラジカル、O2ラジカル、マイナスイオン、プラスイオン、オゾン、または硝酸イオンなどを意味する。これらの有効成分は、除菌、脱臭、保湿、保鮮、またはウイルスの不活化にとどまらず、様々な場面で有用な効果を奏する基となる。
【0061】
有効成分発生器10は、テーブル収納部80の内部に設けられ、テーブル収納部80内にて有効成分を発生する。例えば、有効成分発生器10は、テーブル収納部80のケース81の内側面に固定され、車両2の前後方向に沿う水平軸を中心に拡散するように有効成分を発生する。
【0062】
ファン20は、有効成分発生器10の真上、真下、または、真横に配置され、ケース81の内側面に固定される。例えば、ファン20は、鉛直方向の高さ位置が吹き出し口87と同じ高さ位置となるように配置される。ファン20は、水平方向に沿う空気の流れを発生させることで、空気の流れとともに、有効成分発生器10で発生した有効成分を移動させる。ファン20は、制御部50の駆動指令に基づいて、送風時の風量が変更される。なお、風量の変更にともなって風速も変更される。
【0063】
方向切替部40は、有効成分の流れる方向を切り替える装置である。方向切替部40は、ファン20によって送り出された有効成分の流れを案内する案内板41と、案内板41に接続された案内板駆動部42と、を有している。案内板41は、車両2の幅方向に沿う回転軸と、回転軸に放射状に接続された4枚の板とによって構成されている。4枚の板のうちの1枚の板には、有効成分を通過させるための貫通穴である通過口41aが設けられている。案内板41は、吹き出し口86とケース81とを繋ぐ通路86aの入口、および、吹き出し口87とケース81とを繋ぐ通路87aの入口に配置されている。言い換えると、案内板41は、通路86aおよび通路87aとケース81との間に配置されている。案内板駆動部42は、モータなどのアクチュエータであり、案内板41を回転移動させることで、案内板41の通過口41aの位置を変更する。
【0064】
方向切替部40は、制御部50の駆動指令に基づいて案内板41の通過口41aの位置を動かし、有効成分の流れる方向を切り替える。例えば、方向切替部40は、通路86aおよび通路87aの両方を閉じることで、テーブル収納部80内に有効成分を充填させる。また、方向切替部40は、通路86aを開き、通路87aを閉じることで、テーブル収納部80内の有効成分を吹き出し口86から放出させる。また、方向切替部40は、通路87aを開き、通路86aを閉じることで、テーブル収納部80内の有効成分を吹き出し口87から放出させる。
【0065】
第1検知部31は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されているか否かを検知するためのセンサである。例えば、第1検知部31は、テーブル90の下部を検出する近接センサであり、ケース81の内側面に設けられている。第1検知部31は、テーブル90を検出する代わりに、スライド機構83の可動部の下端または回転機構84の下端を検出してもよい。第1検知部31は、常開(Normally Open)接点であってもよいし、常閉(Normally Close)接点であってもよい。第1検知部31で検知した検知信号は、制御部50に送信される。
【0066】
第2検知部32は、アームレスト4に近接する物体(例えば、人の手)を検知するためのセンサである。第2検知部32は、例えば、赤外線センサ等であり、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が置かれているか否かを検知する。第2検知部32は、アームレスト4の上面に設けられるが、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が置かれている場合、吹き出し口87の近くにも物体(例えば、人の手)が位置するものと考えられる。なお、第2検知部32は、アームレスト4の上面に限られず、吹き出し口87の近くに設けられていてもよい。第2検知部32は、常開接点であってもよいし、常閉接点であってもよい。第2検知部32で検知した検知信号は、制御部50に送信される。
【0067】
制御部50は、有効成分発生装置1の動作を制御するプロセッサである。制御部50は、稼働スイッチ60、第1検知部31および第2検知部32から出力された信号に基づいて、有効成分発生器10、ファン20および方向切替部40の作動を制御する。
【0068】
制御部50には、メモリ55が設けられ、メモリ55には、有効成分発生装置1を作動するためのプログラムが格納されている。また、メモリ55には、テーブル収納部80内に向けて有効成分を発生するテーブルモードm1、車室内に有効成分が流れるようにする車室モードm2、および、アームレスト4に近接する物体を検知した場合に物体に向けて有効成分が流れるようにする物体モードm3などのモードに関する情報が保存されている。
【0069】
テーブルモードm1とは、テーブル90がテーブル収納部80に収納された状態において、テーブル収納部80内に有効成分が流れるように方向切替部40の向きを制御するモードである。車室モードm2とは、テーブル90がテーブル収納部80から外に出された状態にて、車室内に有効成分が流れるように方向切替部40の向きを制御するモードである。物体モードm3とは、物体(例えば、人の手)がアームレスト4に近接した状態にて、物体に有効成分が流れるように方向切替部40の向きを制御するモードである。制御部50は、これらのテーブルモードm1、車室モードm2および物体モードm3のいずれかのモードに基づいて、有効成分の流れる量および有効成分の流れる方向を切り替える。
【0070】
図6は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されている場合の有効成分の流れを示す図である。
図6には、有効成分発生装置1がテーブルモードm1である状態が示されている。
【0071】
制御部50は、第1検知部31から出力された検知信号に基づいて、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていると判断した場合、テーブルモードm1を実行する。つまり、制御部50は、テーブル収納部80内に有効成分が流れるように(破線矢印参照)、有効成分発生器10、ファン20および方向切替部40を制御する。この場合、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を一番小さい第1レベルにし、かつ、案内板41を用いて通路86aおよび87aの両方を閉じることで、テーブル収納部80内に有効成分を循環させる。この制御動作により、テーブル収納部80内のテーブル90に有効成分が吹き付けられ、テーブル90を清潔にする。
【0072】
図7は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていない場合の有効成分の流れを示す図である。
図7には、有効成分発生装置1が車室モードm2である状態が示されている。
【0073】
制御部50は、第1検知部31から出力された検知信号に基づいて、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていないと判断した場合、車室モードm2を実行する。つまり、制御部50は、車室内に有効成分が流れるように(破線矢印参照)、有効成分発生器10、ファン20および方向切替部40を制御する。この場合、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を第1レベルよりも風量の大きい第2レベルにし、かつ、案内板41を用いて通路86aを開き、通路87aを閉じることで、吹き出し口86を介して車室内に有効成分を放出させる。この制御動作により、車室内の空気分子に有効成分が吹き付けられ、車室内を清潔にする。なお、車室モードm2にて、通路86aを開き、通路87aを閉じたときは、テーブル収納部80内にも一部の有効成分が流れる。
【0074】
図8は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接している場合の有効成分の流れを示す図である。
図8には、有効成分発生装置1が物体モードm3である状態が示されている。物体モードm3は、テーブルモードm1および車室モードm2よりも優先的に実行されるモードである。
【0075】
図8の(a)には、テーブル90がテーブル収納部80に収納され、かつ、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が配置されているときの有効成分の流れが示されている。
図8の(b)には、テーブル90がテーブル収納部80に収納されておらず、かつ、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が配置されているときの有効成分の流れが示されている。
図8の(a)および(b)は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が配置されているという点で共通している。
【0076】
制御部50は、第2検知部32から出力された検知信号に基づいて、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していると判断した場合、物体モードm3を実行する。つまり、制御部50は、物体(例えば、人の手)に向かって有効成分が流れるように(破線矢印参照)、有効成分発生器10、ファン20および方向切替部40を制御する。この場合、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を第2レベルよりも風量の大きい第3レベルにし、かつ、案内板41を用いて通路87aを開き、通路86aを閉じることで、吹き出し口87を介して物体(例えば、人の手)に有効成分を放出させる。
【0077】
制御部50は、第2検知部32が物体(例えば、人の手)を検出してから第1の時間t1の間、物体モードm3を実行する。第1の時間t1は、例えば、5秒以上15秒以下である。この制御動作により、物体(例えば、人の手)に有効成分が吹き付けられる。なお、物体モードm3にて、通路87aを開き、通路86aを閉じたときは、テーブル収納部80内にも一部の有効成分が流れる。
【0078】
また、制御部50は、第1の時間t1を経過した後、物体モードm3を元のモードに戻す。具体的には、制御部50は、物体モードm3の前がテーブルモードm1であった場合に、第1の時間t1を経過した後に、物体モードm3をテーブルモードm1に変更する。また、制御部50は、物体モードm3の前が車室モードm2であった場合に、第1の時間t1を経過した後に、物体モードm3を車室モードm2に変更する。
【0079】
補助電源71は、車両2の電気系統がオフになったときに、有効成分発生装置1を稼働させるための電源である。
【0080】
例えば、制御部50は、車両2のイグニッションがオフされてから第2の時間t2の間、有効成分発生装置1を稼働させて有効成分を発生させる。第2の時間t2は、第1の時間t1よりも長い時間であり、例えば、5分以上15分以下である。この場合、有効成分発生装置1は、補助電源71から供給された電力に基づいて稼働される。なお、有効成分発生装置1は、車両本体からの電力供給が可能であれば、車両2の電気系統がオフになった場合であっても、車両本体から供給された電力で稼働されてもよい。
【0081】
このように本実施の形態の有効成分発生装置1は、有効成分を発生する有効成分発生器10と、有効成分発生器10を制御する制御部50と、を備え、有効成分発生器10は、車両2内のアームレスト4に設けられるテーブル収納部80内にて有効成分を発生する。
【0082】
この構成によれば、例えば、テーブル収納部80内にテーブル90が収納されたときに、テーブルが有効成分に触れる機会を増やすことができる。これにより、有効成分を用いてテーブル90を清潔にすることができる。
【0083】
[有効成分発生装置の動作]
実施の形態に係る有効成分発生装置1の動作について説明する。
【0084】
図9は、有効成分発生装置1の動作を示すフローチャートである。
【0085】
まず、稼働スイッチ60がオンされることで、有効成分発生装置1が稼働状態となる(ステップS10)。なお、稼働スイッチ60がオフにされていると有効成分発生装置1は稼働状態とならない。
【0086】
有効成分発生装置1が稼働されている状態において、制御部50は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されているか否かを判断する(ステップS20)。例えば制御部50は、第1検知部31がテーブル90を検知している場合に、テーブル90が収納されていると判断し、第1検知部31がテーブル90を検知していない場合に、テーブル90が収納されていないと判断する。
【0087】
制御部50は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていると判断した場合(S20にてYes)、有効成分発生装置1をテーブルモードm1で作動させる(ステップS31。
図6参照)。例えば、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を第1レベルにし、方向切替部40の案内板41を用いて通路86aおよび87aの両方を閉じることで、テーブル収納部80内に有効成分を循環させる。ステップS31により、テーブル収納部80内のテーブル90に有効成分が吹き付けられ、テーブル90を清潔にする。制御部50は、有効成分発生装置1にてテーブルモードm1が実行されたことを、履歴情報としてメモリ55に保存する。
【0088】
次に、制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接したか否かを判断する(ステップS40)。例えば制御部50は、第2検知部32が物体(例えば、人の手)を検知している場合に、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接したと判断し、第2検知部32が物体(例えば、人の手)を検知していない場合に、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していないと判断する。
【0089】
制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していないと判断した場合(S40にてNo)、ステップS20に戻り、引き続き有効成分発生装置1の動作を制御する。
【0090】
制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していると判断した場合(ステップS40にてYes)、有効成分発生装置1を物体モードm3で作動させる(ステップS50。
図8の(a)参照)。例えば、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を第3レベルにし、方向切替部40の案内板41を用いて通路87aを開き、通路86aを閉じることで、吹き出し口87を介して物体(例えば、人の手)に有効成分を放出させる。制御部50は、物体モードm3が実行される第1の時間t1の間、物体(例えば、人の手)に向けて有効成分が流れるように方向切替部40を制御する。ステップS50により、物体(例えば、人の手)に有効成分が吹き付けられ、物体(例えば、人の手)を清潔にする。制御部50は、有効成分発生装置1にて物体モードm3が実行されたことを、履歴情報としてメモリ55に保存する。
【0091】
制御部50は、第1の時間t1を経過した後、物体モードm3を元のモードに戻す(ステップS60)。この場合、元のモードがテーブルモードm1であるので、制御部50は、物体モードm3をテーブルモードm1に変更する。そして、制御部50は、ステップS20に戻り、引き続き有効成分発生装置1の動作を制御する。
【0092】
一方、ステップS20において制御部50は、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていないと判断した場合(S20にてNo)、有効成分発生装置1を車室モードm2で作動させる(ステップS32。
図7参照)。例えば、制御部50は、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、ファン20の風量を第2レベルにし、方向切替部40の案内板41を用いて通路86aを開き、通路87aを閉じることで、吹き出し口86を介して車室内に有効成分を放出させる。ステップS32により、車室内の空気分子に有効成分が吹き付けられ、車室内を清潔にする。制御部50は、有効成分発生装置1にて車室モードm2が実行されたことを、履歴情報としてメモリ55に保存する。
【0093】
次に、制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接したか否かを判断する(ステップS40)。制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していないと判断した場合(S40にてNo)、ステップS20に戻り、引き続き有効成分発生装置1の動作を制御する。
【0094】
制御部50は、アームレスト4に物体(例えば、人の手)が近接していると判断した場合(S40にてYes)、有効成分発生装置1を物体モードm3で作動させる(ステップS50。
図8の(b)参照)。制御部50は、物体モードm3が実行される第1の時間t1の間、物体(例えば、人の手)に向けて有効成分が流れるように方向切替部40を制御する。ステップS50により、物体(例えば、人の手)の手に有効成分が吹き付けられ、物体(例えば、人の手)を清潔にする。制御部50は、有効成分発生装置1にて物体モードm3が実行されたことを、履歴情報としてメモリ55に保存する。
【0095】
制御部50は、第1の時間t1を経過した後、物体モードm3を元のモードに戻す(ステップS60)。この場合、元のモードが車室モードm2であるので、制御部50は、物体モードm3を車室モードm2に変更する。そして、制御部50は、ステップS20に戻り、引き続き有効成分発生装置1の動作を制御する。
【0096】
これらステップS10~S60に示す有効成分発生装置1の動作によって、テーブル90などの対象物が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0097】
[有効成分発生装置の動作の他の例]
次に、有効成分発生装置1の動作の他の例について説明する。この例では、車両2のイグニッションがオフされたときの有効成分発生装置1の動作について説明する。
【0098】
図10は、有効成分発生装置1の動作の他の例を示すフローチャートである。
【0099】
まず、制御部50は、車両2のイグニッションがオフされているか否かを判断する(ステップS80)。制御部50は、イグニッションがオフされていないと判断した場合(ステップS80にてNo)、ステップS80に戻り、引き続き有効成分発生装置1の動作を制御する。なお、車両2のイグニッションがオフされているか否かは、車両2から送信されるイグニッションのオンオフを示す信号に基づいて判断される。
【0100】
制御部50は、イグニッションがオフされたと判断した場合(ステップS80にてYes)、イグニッションがオフされてから第2の時間t2の間、有効成分発生装置1を作動させて有効成分を発生させる(ステップS90)。例えば、制御部50は、テーブルモードm1で有効成分発生装置1を作動させる。なお、制御部50は、メモリ55に保存されたモードに関する履歴情報のうち、最新のモードで有効成分発生装置1を作動させてもよい。例えば、制御部50は、イグニッションがオフされたときのモードが車室モードm2である場合に、車室モードm2で第2の時間t2の間、有効成分発生装置1を作動させてもよい。
【0101】
制御部50は、第2の時間t2を経過した後、有効成分発生装置1の作動を停止する。
【0102】
これらステップS80およびS90に示す有効成分発生装置1の動作によって、イグニッションがオフされた後も車両2内にてテーブル90などの対象物が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0103】
(その他の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る有効成分発生装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、上記実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を上記実施の形態に施したものも、本開示の範囲内に含まれてもよい。
【0104】
本実施の形態では、テーブル90がテーブル収納部80に収納されている場合に、有効成分発生器10から有効成分を発生させる例を示したが、それに限られない。例えば、制御部50は、第1検知部31によってテーブル90がテーブル収納部80に収納されていないことを検知した場合に、有効成分発生器10から有効成分を発生させ、案内板41で通路86aおよび87aの両方を閉じ、テーブル収納部80内に有効成分を充填させてもよい。これによれば、テーブル90がテーブル収納部80に収納されていない状態からテーブル収納部80に収納された状態になったときに、短時間でテーブル90が有効成分に触れる機会を増やすことができる。
【0105】
実施の形態の
図3では、テーブル90がスライド機構83および回転機構84を介して出し入れされる例を示したが、スライド機構83および回転機構84は必ずしも必要ではない。例えば、ケース81の内側面において鉛直方向に延びるガイドレールまたは溝が設けられ、そのガイドレールまたは溝に沿ってテーブル90が出し入れされてもよい。
【0106】
また、例えば、上記実施の形態において、有効成分発生装置1が備える処理部の各構成要素は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の非一時的な記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0107】
また、有効成分発生装置1の処理部は、ECU等とともに1つのプロセッサとして実現されてもよい。
【0108】
なお、以下のような場合も本開示に含まれる。
【0109】
(1)上記の少なくとも1つの装置は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクユニット、ディスプレイユニット、キーボード、マウス等から構成されるコンピュータシステムである。そのRAM又はハードディスクユニットには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、上記の少なくとも1つの装置は、その機能を達成する。ここでコンピュータプログラムは、所定の機能を達成するために、コンピュータに対する指令を示す命令コードが複数個組み合わされて構成されたものである。
【0110】
(2)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模集積回路)から構成されているとしてもよい。システムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集積して製造された超多機能LSIであり、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含んで構成されるコンピュータシステムである。上記RAMには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
【0111】
(3)上記の少なくとも1つの装置を構成する構成要素の一部又は全部は、その装置に脱着可能なICカード又は単体のモジュールから構成されているとしてもよい。ICカード又はモジュールは、マイクロプロセッサ、ROM、RAM等から構成されるコンピュータシステムである。ICカード又はモジュールは、上記の超多機能LSIを含むとしてもよい。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムにしたがって動作することにより、ICカード又はモジュールは、その機能を達成する。このICカード又はこのモジュールは、耐タンパ性を有するとしてもよい。
【0112】
(4)本開示は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよいし、コンピュータプログラムからなるデジタル信号であるとしてもよい。
【0113】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号をコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、CD(Compact Disc)-ROM、DVD、DVD-ROM、DVD-RAM、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、半導体メモリ等に記録したものとしてもよい。また、これらの記録媒体に記録されているデジタル信号であるとしてもよい。
【0114】
また、本開示は、コンピュータプログラム又はデジタル信号を、電気通信回線、無線又は有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
【0115】
また、プログラム又はデジタル信号を記録媒体に記録して移送することにより、又はプログラム又はデジタル信号をネットワーク等を経由して移送することにより、独立した他のコンピュータシステムにより実施するとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0116】
本開示は、車両用の有効成分発生装置として有用である。
【符号の説明】
【0117】
1 有効成分発生装置
2 車両
4 アームレスト
10 有効成分発生器
20 ファン
31 第1検知部
32 第2検知部
40 方向切替部
41 案内板
41a 通過口
42 案内板駆動部
50 制御部
55 メモリ
60 稼働スイッチ
71 補助電源
80 テーブル収納部
81 ケース
82 蓋
83 スライド機構
84 回転機構
86、87 吹き出し口
86a、87a 通路
90 テーブル
91 入力部
m1 テーブルモード
m2 車室モード
m3 物体モード
t1 第1の時間
t2 第2の時間