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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081045
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】計測装置及び計測方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
G01B11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194705
(22)【出願日】2021-11-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年3月9日~12日、国際物流総合展2021 in愛知にて展示 令和3年10月13日~15日、国際物流総合展第2回INNOVATION EXPOにて展示
(71)【出願人】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(74)【代理人】
【識別番号】100205648
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 秀幹
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 敬一
(72)【発明者】
【氏名】森澤 文雄
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA23
2F065AA24
2F065BB05
2F065FF02
2F065GG13
2F065HH14
2F065HH15
2F065JJ05
2F065JJ09
2F065JJ25
2F065PP15
(57)【要約】
【課題】計測装置の機長を短くしつつ、精度よくワークの検出及び計測を行う。
【解決手段】計測装置1は、ワークWを搬送する搬送面30上に照射される検出光の光軸により、ワークを検出する第一センサ5と、第一センサ5の下流側にのみ設けられ、ワークWを搬送するベルトコンベア3と、第一センサ5の上流側に設けられ、光軸への干渉を制限する入口ローラ4とを有する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを搬送する搬送面上に照射される検出光の光軸により、前記ワークを検出する第一検出手段と、
前記第一検出手段の下流側にのみ設けられ、前記ワークを搬送する搬送手段と、
前記第一検出手段の上流側に設けられ、前記光軸への干渉を制限する制限手段と、を有する、
計測装置。
【請求項2】
前記制限手段は、ローラであり、その上端は前記ワークを搬送する搬送面の高さと略同一である、
請求項1記載の計測装置。
【請求項3】
前記制限手段は、前記搬送手段と同一の駆動源により、前記搬送手段と同一速度で回転駆動する、
請求項1又は2記載の計測装置。
【請求項4】
前記第一検出手段は、鉛直方向に配設された複数の光学素子からなり、当該光学素子の一部は前記ワークを搬送する搬送面の下方に設けられている、
請求項1乃至3いずれかの項に記載の計測装置。
【請求項5】
前記ワークを検出する検出光を照射する発光部と当該検出光を受光する受光部によって構成され、前記ワークを搬送する搬送面上において前記ワークを検出する第二検出手段、をさらに有し、
前記発光部と前記受光部のいずれかが前記搬送面よりも下方に設けられており、前記検出光の光軸が搬送面に対して傾きを有する、
請求項1乃至4いずれかの項に記載の計測装置。
【請求項6】
請求項1乃至5いずれかの項に記載の計測装置による計測方法であって、
前記計測装置が、
前記搬送手段の制御により、前記ワークを前記第一検出手段に一方向に移動させて前記ワークの計測を実行する第一の計測方法と、
前記搬送手段の制御により、前記ワークを前記第一検出手段に往復移動させて前記ワークの計測を実行する第二の計測方法と、を択一的に実行する、
計測方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークを搬送しながらワークの検出とサイズの計測を行う技術に関する。
【背景技術】
【0002】
宅配便の利用が急増し、再配達が大きな問題となっている昨今、梱包荷姿のサイズをスピーディーに正確に計測することで、多忙を極める物流現場の効率化やコスト低減に寄与できる。
【0003】
例えば特許文献1では、光学ゲートを備える寸法重量測定装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5588153号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この点、ゲートセンサを備えた計測装置はその前後にベルトコンベアを設けているため、機長が長く設置の制限が大きいという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、計測装置の機長を短くしつつ、精度よくワークの検出及び計測を行える計測装置及び計測方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る計測装置は、ワークを搬送する搬送面上に照射される検出光の光軸により、前記ワークを検出する第一検出手段と、前記第一検出手段の下流側にのみ設けられ、前記ワークを搬送する搬送手段と、前記第一検出手段の上流側に設けられ、前記光軸への干渉を制限する制限手段と、を有する。
【0008】
なお、上記本発明に係る計測装置は、同様の構成を有する方法、システム、あるいはコンピュータプログラムに係る発明として構成することもできる。また、コンピュータプログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードによって提供したり、CD-ROMなどのコンピュータ読取可能な各種の記録媒体に記録して提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、計測装置の機長を短くしつつ、精度よくワークの検出及び計測を行える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る計測装置の全体を示した外観斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る計測装置が備える第一センサ及び第二センサの位置関係を模式的に示した平面図である。
図3】本発明の実施形態に係る計測装置が備える第一センサの位置関係を模式的に示した断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る計測装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る計測装置の上流部分を斜め上方からみた平面図である。
図6】本発明の実施形態に係る計測装置の側断面を示すA-A矢視図面である。
図7】本発明の実施形態に係る計測装置において、第二センサの機構の一例を示した模式図であって、(a)光軸が搬送面に対して傾きを有する場合、(b)光軸が搬送面に対して平行な場合を示した図である。
図8】本発明の実施形態に係る計測装置において、計量部の配置構成を示した部分透視図である。
図9】本発明の実施形態に係る計測方法を説明するための図であって、(a)ワークを一方向に移動させて計測する場合の様子、(b)ワークを往復移動させて計測する場合の様子、を示す。
図10】本発明の実施形態に係る計測装置に接続して使用されるソーターの一例を示した外観斜視図である。
図11】上記ソーターの設定を行うための画面の一例を示した図である。
図12】上記ソーターの設定を行うための画面の一例を示した図である。
図13】上記ソーターの設定を行うための画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る計測装置1について、図を参照して説明する。
本発明の実施形態に係る計測装置1は、ワークWを搬送しながら当該ワークWを検出し、検出値に基づいてそのサイズの計測を行う装置である。
図1は、計測装置1の外観を示し、図2及び図3は第一センサ5及び第二センサ6の位置を模式的に示している。図1乃至図3に示されるように、計測装置1は、ゲート2、ベルトコンベア3、入口ローラ4、第一センサ5、第二センサ6、表示部74、計量部81、撮像部82、報知部83、及び非常停止ボタン84を備える。
【0012】
なお、図1に示されるように、計測装置1の上流と下流には適宜、ベルトコンベア91、92等を連設することができる。例えば、下流側に設けたベルトコンベア92では、計測装置1によって計測したワークWを所定のシュート部(後述するシュート部94)に仕分けるようしてもよい。ただし、計測装置1の使用において、上流と下流にベルトコンベア91、92等を設けることは必須ではない。
【0013】
また、計測装置1は、図4に示されるように、計測装置1を制御する制御装置7として、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)71などの演算装置、フラッシュメモリ72、RAM(Random Access Memory)73などの記憶装置、及び表示部74、及びI/Oインターフェース75を備える。この制御装置7は、I/Oインターフェース75を介してベルトコンベア3、第一センサ5、第二センサ6、計量部81、撮像部82、及び報知部83に接続されている。
【0014】
なお、入口ローラ4は後述のとおり、一の実施例においては制御装置7による制御を受けないフリーローラ等の部材として構成される。一方、別の実施例においては制御装置7による制御を受ける駆動ローラ等の部材として構成され、この場合には、制御装置7はI/Oインターフェース75を介して入口ローラ4に接続する。
【0015】
CPU71は、中央演算装置であり、フラッシュメモリ72に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、計測装置1の動作を統括制御する。フラッシュメモリ72は、CPU71の補助記憶装置であって、プログラムをはじめとしてCPU71が利用する各種の情報を記憶する。RAM73は、CPU71の主記憶装置であると共に、一時的にデータを呼び出して処理するためのワークエリアである。
【0016】
計測装置1は、CPU71、フラッシュメモリ72、及びRAM73といったハードウェア資源により、ソフトウェア資源としてワークWの処理に関わる機能部を構成する。機能部は例えば、ベルトコンベア3の搬送速度等、計測装置1の設定に関する情報や、ワークWを仕分け等するための情報を記憶する記憶部、各種の情報の入出力や抽出を実行し、各機能部の機能実行に必要な情報を生成する処理部などである。
【0017】
●ゲート2
ゲート2は、ベルトコンベア3の搬送面30を跨ぐように設けられた略U字状のフレームであり、鉛直方向に伸びる一対の支柱部21と、一対の支柱部21の上端を水平方向に連結する連結部22を備える。また、連結部22と鉛直方向に対向する位置であって、間隙Sの下方には、一対の支柱部21の間に掛け渡すように横倒部材23が配設されている。
このゲート2は、ベルトコンベア3の上流側の端部と入口ローラ4の間に配設されており、この位置に設けられている間隙Sを跨いでいる。厳密には図2及び図3に示されるように、一対の支柱部21、連結部22、及び横倒部材23の内側に後述する第一センサ5が設けられているところ、第一センサ5を構成する発光部51と受光部52による光軸がベルトコンベア3や入口ローラ4によって遮られず、発光部51から発せられた検出光が間隙Sを介して受光部52に受光されるようにゲート2が配設されている。これにより、支柱部21に設けられた第一センサ5はワークWの高さと長さを計測し、連結部22と横倒部材23に設けられた第一センサ5はワークWの幅と長さと傾きとを計測することができる。その結果、ワークWの三方向のサイズが第一センサ5により計測される。
【0018】
●ベルトコンベア3
ベルトコンベア3は、ワークWを一定方向に搬送する搬送手段を構成する。このベルトコンベア3は、計測装置1を構成するものとして後述する第一センサ5の下流側にのみ設けられている。
【0019】
ベルトコンベア3は、少なくとも上流端に設けられた上流ローラ31、下流端に設けられた下流ローラ32、及び上流ローラ31と下流ローラ32に巻回された無端ベルト33を備える。上流ローラ31と下流ローラ32は、少なくともいずれかが駆動ローラであり、所定の制御手段による制御に従って駆動し、無端ベルト33を循環させる。無端ベルト33の上面側はワークWの搬送面30を構成し、その移動方向がワークWの搬送方向となる。搬送面30上に載置されたワークWは、搬送方向に沿って上流側から下流側に搬送される。
【0020】
搬送面30の両脇にはそれぞれ、搬送面30上のワークWを搬送方向にガイドする第一ガイド部34が設けられている。第一ガイド部34は、搬送方向に長さを有する長尺部材によって構成され、その上端は搬送面30よりも高い位置にある。この第一ガイド部34により、搬送面30上のワークWは、搬送面30脇から落ちることなく搬送方向に沿って搬送される。
また、図5に示されるように、一対の第一ガイド部34の上流端には、上流側から下流側に向かって一対の第一ガイド部34の間の幅が狭くなるようにテーパーが形成されており、当該テーパーが形成されている部分は第一傾斜部341を構成している。この第一傾斜部341により、ワークWが搬送面30の幅方向に偏って搬送面30上に投入された場合でも、ワークWは搬送面30の幅方向中央に寄せられる。
【0021】
図2に示されるように、第一ガイド部34には、搬送方向の上流側と下流側に後述する第二センサ6が取り付けられている。本実施形態では、一対の第一ガイド部34それぞれの搬送面30側に、第二センサ6の取付位置に応じた貫通孔34aが設けられている。第一ガイド部34の内部に取り付けられた第二センサ6の検出光は、貫通孔34aを介して外部へ照射させられるようになっている。
【0022】
●入口ローラ4
上流ローラ31のさらに上流側には、搬送方向に一定幅の間隙Sを隔てて入口ローラ4が設けられている。この入口ローラ4は、上流側から投入されたワークWをベルトコンベア3側へ搬送する搬送手段を構成すると共に、入口ローラ4のさらに上流に連設等されるベルトコンベア等により、後述する第一センサ5の光軸が遮られるといった干渉を制限するための制限手段を構成する。
なお、間隙Sの幅は、後述する第一センサ5の光軸が上流ローラ31と入口ローラ4によって干渉されず、また、入口ローラ4とベルトコンベア3の搬送面30を移動するワークWが落ち込まない程度の幅である。
【0023】
本実施形態において、入口ローラ4は、上流ローラ31と同一の径を有するローラである。
上流ローラ31と入口ローラ4の間には、ワークWが落ち込まず、また後述する第一センサ5の光軸を遮らない程度の僅かな間隙Sが設けられている。
また、入口ローラ4と上流ローラ31の上面は面一に構成されている。即ち、入口ローラ4とベルトコンベア3は、入口ローラ4の上端とベルトコンベア3の搬送面30の高さとが略同一となるように配設されている。これにより、ワークWが入口ローラ4から上流ローラ31側へ移動する際に、上流ローラ31に乗り上げたり、落ちたりしないため、第一センサ5や第二センサ6によるワークWの計測に誤差が生じるのを防ぐことができる。
【0024】
入口ローラ4と上流ローラ31は、入口ローラ4側から投入されたワークWが一定速度でベルトコンベア3側へ搬送されるように回転する。
本実施形態のでは、図6に示されるように、入口ローラ4と上流ローラ31の径が同じ径で構成され、同一の駆動源によって駆動するようになっている。即ち、入口ローラ4と上流ローラ31はそれぞれ、同一の駆動ローラ42から掛け渡されたベルト421とベルト422によって回転するようになっており、これにより入口ローラ4と上流ローラ31が同一速度で回転する。
なお、本実施形態にかかわらず、入口ローラ4と上流ローラ31を互いに独立した駆動源で駆動する駆動ローラとして構成した場合でも、入口ローラ4と上流ローラ31のいずれもが同一速度で回転するように制御することで、入口ローラ4と上流ローラ331を同一速度で回転させることもできる。
【0025】
入口ローラ4の両脇であって、ワークWの搬送方向と直交する位置には、ワークWを搬送方向にガイドする一対の第二ガイド部41が設けられている。第二ガイド部41は、略直方体状の部材によって構成され、その上端は搬送面30よりも高い位置にある。この第二ガイド部41により、入口ローラ4の上流側から投入されたワークWは、ゲート2にぶつかることなく搬送方向に沿って搬送される。
また、一対の第二ガイド部41には、上流側から下流側に向かって一対の第二ガイド部41の間の幅が狭くなるようにテーパーが形成されており、当該テーパーが形成されている部分は第二傾斜部411を構成している。この第二傾斜部411により、ワークWは搬送面30の幅方向に偏って搬送面30上に投入された場合でも、搬送面30の幅方向中央に寄せられる。
【0026】
特に本実施形態では、ベルトコンベア3の上流端近傍の第一傾斜部341に第二センサ6が設けられているところ、第二傾斜部411は、搬送方向上流側から見て第二傾斜部411により第一傾斜部341が隠れるように設けられている。これにより、入口ローラ4から投入されたワークWが、第二傾斜部411によって搬送面30の中央寄りへガイドされ、ワークWが第一傾斜部341に設けられている第二センサ6に衝突あるいは干渉しないようになっている。
【0027】
また、図2に示されるように、第二ガイド部41には第二センサ6が取り付けられている。本実施形態では、一対の第二ガイド部41それぞれの内側に、第二センサ6の取付位置に応じた貫通孔41aが設けられている。第二ガイド部41の内部に取り付けられた第二センサ6の検出光は、貫通孔41aを介して外部へ照射させられるようになっている。
【0028】
なお、本実施形態では、入口ローラ4を駆動式のローラで構成されるものしたが、これに限らず、第一センサ5の光軸への干渉を制限する共に、ベルトコンベア3へ一定の速度でワークWを送り出すことができるものであればよい。
【0029】
●第一センサ5
第一センサ5と第二センサ6は、ワークWを搬送する搬送面30上で照射される検出光の光軸により、入口ローラ4側から投入されて搬送されるワークWを検出するセンサであり、それぞれ第一検出手段及び第二検出手段を構成する。なお、第一センサ5と第二センサ6は、検出値に基づいてワークWのサイズを算出する場合にはそれぞれ、ワークWのサイズを計測する第一計測手段及び第二計測手段も構成する。
【0030】
第一センサ5は、入口ローラ4側から投入されたワークWについて、その寸法や端部を検出可能なセンサであり、ゲート2に設けられている。図2及び図3に示されるように、この第一センサ5は、複数の発光部51と受光部52からなる光学素子によって実現され、本実施形態ではフォトセンサである。発光部51はワークWを検出する検出光を受光部52に対して照射し、受光部52は当該検出光を受光する。なお、複数設けられる発光部51と受光部52それぞれについて、個別に説明する便宜のため、発光部51を発光部51-1又は発光部51-2と分けて指称し、受光部52を受光部52-1又は受光部52-2と分けて指称することがある。
【0031】
一対の支柱部21の内側には、発光部51-1と受光部52-1が搬送面30の幅方向に対向して配設されている。発光部51-1と受光部52-1は、それぞれ複数設けられ、支柱部21において鉛直方向に並んで配設されている。この発光部51-1と受光部52-1によりワークWの鉛直方向のサイズを計測できる。
また、連結部22と横倒部材23の内側にも、発光部51-2と受光部52―2が鉛直方向に対向して配設されている。発光部51-2と受光部52-2は、それぞれ複数設けられ、連結部22と横倒部材23において水平方向に並んで配設されている。この発光部51-2と受光部52-2によりワークWの水平方向のサイズを計測できる。
【0032】
第一センサ5では、発光部51から照射されたワークWの検出光を受光部52が受けて信号としている。そして、ベルトコンベア3上へ搬送されるワークWが、発光部51と受光部52の間の光軸を遮ることで発生する信号の変化を読み取り、ワークWの幅、高さ、長さ、傾きを算出するための情報を検出することができる。
【0033】
発光部51と受光部52は、鉛直方向に連続的に配置されているため、ワークWの高さ方向の端部を検出できる。第一センサ5によって検出された情報はワークWの高さ等のサイズや形状を算出ないしは計測するための情報となる。
また、発光部51と受光部52は、最も低い位置ではワークWの搬送面30よりも下方に配置されている。発光部51と受光部52は、上流ローラ31と入口ローラ4の間に配設されていることから、搬送面30の下方においても発光部51から照射された検出光を、間隙Sを介して受光部52で受光でき、これにより厚みの薄いワークWでも確実に検出できる。
【0034】
●第二センサ6
第二センサ6は、ベルトコンベア3で搬送されるワークWの移動を搬送面30上において検出したり、入口ローラ4側からのワークWの投入を検出したりするセンサであり、図2に示されるようにベルトコンベア3の第一ガイド部34及び入口ローラ4脇の第二ガイド部41に設けられている。この第二センサ6は第一センサ5と同様、複数の発光部61と受光部62からなる光学素子によって実現され、本実施形態ではフォトセンサである。発光部61はワークWを検出する検出光を受光部62に対して照射し、受光部62は当該検出光を受光する。
【0035】
発光部61と受光部62は、一対の第一ガイド部34及び第二ガイド部41の内側において搬送面30の幅方向又は入口ローラ4の長さ方向に対向して配設されている。また、発光部61と受光部62は、それぞれ複数設けられている。第二センサ6は、発光部61と受光部62の間に形成される光軸の遮断を検出することにより、入口ローラ4へのワークWの投入や搬送面30上の所定の位置におけるワークWの移動を検出できる。第二センサ6によって検出された情報は、ワークWのサイズや形状などを算出ないしは計測するための情報となるほか、入口ローラ4の設置箇所や搬送面30上におけるワークWの位置や移動速度、さらには下流に設けられたベルトコンベア等に到達するタイミングを算出するための情報ともなり、第一センサ5及び第二センサ6の検出結果をすべて考慮したうえでワークWの外形サイズや搬送角度などを算出する。
【0036】
なお、ベルトコンベア3に設けられている第二センサ6について、発光部61と受光部62のいずれか一方を搬送面30よりも上方に設け、他方を搬送面30よりも下方に設けてもよい。即ち、図7(a)に示されるように、ベルトコンベア3の搬送面30を挟んで上下に対向した位置に発光部61と受光部62を設けてもよい。これにより、発光部61から照射された検出光の光軸L1が搬送面30に対して傾きを有し、検出光は搬送面30を上方から下方へ、又は下方から上方へ横切るように照射される。
なお、図7(a)の例は、発光部61が搬送面30よりも上方に設けられ、受光部62が搬送面30よりも下方に設けられているが、発光部61が搬送面30よりも下方に設けられ、受光部62が搬送面30よりも上方に設けられていてもよい。
【0037】
ここで、第二センサ6は、発光部61から照射される検出光の光軸L1の遮蔽量と所定の閾値との比較によってワークWを検出する。ワークWが十分な大きさを有する結果、光軸の遮蔽量が所定の閾値をはっきりと上回る場合にはワークWを確実に検出できるが、ワークWの厚さが非常に薄い場合など、ワークWによる光軸の遮蔽量が所定の閾値を上回らない場合にはワークWを検出しきれない可能性がある。
【0038】
しかしながら、上記のとおり発光部61から照射された検出光の光軸L1が搬送面30に対して傾きを有するように構成すれば、ワークWによる光軸の遮蔽量を大きくすることができる。即ち、図7(b)に示されるように光軸L1が搬送面30と平行な場合には、光軸L1の遮蔽量L3はワークWの厚みと同程度にしかならないが、図7(a)に示されるように光軸L1が搬送面30に対して傾きを有する場合には、その傾きの度合いに応じて、光軸L1の遮蔽量L2がワークWの厚みよりも大きくなる。その結果、第二センサ6は、ワークWの厚さ非常に薄くてもワークWを確実に検出できる。
なお、入口ローラ4の両脇の第二ガイド部41に設けられている第二センサ6についても同様に、発光部61と受光部62のいずれか一方を入口ローラ4の上端面よりも上方に設け、他方を当該上端面よりも下方に設けてもよい。
【0039】
●表示部74
表示部74は、搬送されるワークW、あるいは計測装置1の設定や状態等に関する情報を入出力する機能部であって、タッチパネル式ディスプレイなど、データの入出力が可能なデバイスによって実現される。
【0040】
●計量部81
計量部81は、搬送されるワークWの重量を計量する。この計量部81は例えば、ベルトコンベア3の下方において、ベルトコンベア3、入口ローラ4、及びゲート2を下方から支持するようにベース10上に配設されている。そして、これらベルトコンベア3、入口ローラ4、及びゲート2ごと、搬送面30上に載置されているワークWの重量を計量する。そして、計量値からベルトコンベア3、入口ローラ4、及びゲート2の重量を差し引き、ワークWの計量値を出力する。
【0041】
なお、図8に示されるように、ベース10上に入口ローラ4を回転可能に支持する支持部材11を設け、計量部81による計量対象から入口ローラ4を除くようにしてもよい。これにより、入口ローラ4に他の装置や部材が接触等しても計量部81による計量値に影響せず、正確にワークWの重量を計量できる。また、これにより制限手段を構成する入口ローラ4は、第一センサ5、第二センサ6、及び計量部81(ロードセル)のいずれに対する干渉も制限する効果を有する。なお、図8では、計測装置1に取り付けられるカバーの図示を省略し、カバー内に配設されている計量部81が見えるようにあらわしている。
なお、計量部81による重量検出方式は特に問わないが、例えばロードセルによる重量検出方式等により実現される。
【0042】
●撮像部82
撮像部82は、ベルトコンベア3の上方に設けられており、上方から搬送面30上のワークWを撮像する。この撮像部82は、CCDカメラ等によって実現され、撮像画像に基づいた画像認識処理により、ワークWに貼付又は印字等されたバーコード等の情報のほか、平面視におけるワークWの形状やサイズ、搬送面30上におけるワークWの向きに係る情報を取得できる。
【0043】
●報知部83
報知部83は、計測装置1の制御内容やエラーの発生など、所定の状況に応じて、当該所定の状況を作業者等に報知するための機能部である。この報知部83は、本実施形態では各種の色のLEDを備えたサインランプによって構成され、所定の状況に応じたパターンや色で発光する。
なお、この報知部83はサインランプに限らず、その他の例によって構成することもでき、例えば所定の状況に応じた音声を発するブザーによって構成することもできる。
【0044】
このほか、計測装置1は、計測装置1の動作を非常時に緊急的に停止させる非常停止ボタン84は、他の機器とデータ通信可能に接続するためのインターフェース、計測装置1の電源を入れるスイッチや電力を遮断するためのブレーカーなどを適宜に備えている。
【0045】
●計測方法
続いて、本実施形態に係る計測装置1によるワークWの計測方法の一例について説明する。
図9(a)は、ベルトコンベア3の制御により、ワークWを一方向に移動させてワークWの計測を実行する第一の計測方法を模式的に示している。なお、図中、入口ローラ4及び搬送面30上の矢印はワークWの移動経路を示している。
【0046】
この例では、入口ローラ4からベルトコンベア3に向かう方向がワークWの搬送方向となるようにベルトコンベア3を制御する。
入口ローラ4側から投入されたワークWはまず、第二ガイド部41に設けられた第二センサ6と第一センサ5によって検出される。そして、搬送面30上へ搬送されると、ベルトコンベア3に設けられている第二センサ6によって検出される。
【0047】
この例では、ベルトコンベア3の下流にさらにベルトコンベア92が連設されており、ワークWはベルトコンベア3からそのままベルトコンベア92へ搬送される。ベルトコンベア92が連設されていることにより、ベルトコンベア3の最も下流に設けられている第二センサ6がワークWの下流側の端部まで検出でき、その結果、ワークWが当該計測装置1を抜けた(降りた)タイミングを特定でき、計量計測結果を確定させることができる。またこの確定に基づき計量計測結果を下流に設けられたソーター(後述するソーター93)やラベルプリンタ、ラベル貼付装置、またはサーバやクラウドといった上位装置に送信することができる。
【0048】
図9(b)は、ベルトコンベア3の制御により、ワークWを往復移動させてワークWの計測を実行する第二の計測方法を模式的に示している。
【0049】
この例では、まず入口ローラ4からベルトコンベア3に向かう方向がワークWの搬送方向となるようにベルトコンベア3を制御し、ワークWが第一センサ5を通過して搬送面30上に至ると、ベルトコンベア3から入口ローラ4に向かう方向がワークWの搬送方向となるようにベルトコンベア3を制御する。
入口ローラ4側から投入されたワークWはまず、第二ガイド部41に設けられた第二センサ6と第一センサ5によって検出される。そして、搬送面30上へ搬送されると、ベルトコンベア3に設けられている第二センサ6によって検出される。さらに、ワークWは逆方向に搬送され、再び第二ガイド部41に設けられた第二センサ6と第一センサ5によって検出される。
【0050】
この例では、図9(a)のように、ベルトコンベア3の下流にベルトコンベア92を連結しなくともワークWの端部を確実に検出し、ワークWのサイズの計測を精度よく行える。また、このように往復移動させて計測することで、サイズの大きなワークW等であっても、ワークWのサイズの計測を計測装置1のみで完結して行うことができる。
なお、この例では、第二センサ6による検出を行わず、第一センサ5のみによってワークWの検出とサイズの計測を行うことも可能である。
【0051】
上記した第一の計測方法と第二の計測方法は、ワークWの種類、あるいは計測装置1を使用する場所や状況に応じて択一的に実行できる。ただし、同じワークWについてこの二通りの計測方法を順次、適用することも可能である。
【0052】
以上の本実施形態に係る計測装置1及び当該計測装置1を用いた計測方法によれば、計測装置1の機長を短くしつつ、精度よくワークWの検出及び計測を行える。
特に、入口ローラ4が設けられていることにより、入口ローラ4の上流側に設けられる部材や装置等が第一センサ5に干渉し、当該第一センサ5の処理が妨げられることがない。また、入口ローラ4からベルトコンベア3へワークWを一定速度で送り出し、そのまま搬送させることができるので、第一センサ5は一定速度で移動するワークWを検出できる。その結果、ワークWの検出及び計測の精度を担保できる。さらに、搬送面30の下方にまで設けられている第一センサ5や、発光部61又は受光部62を搬送面30の下方に設けた第二センサ6により、厚みの薄いワークWであっても確実に検出できる。
【0053】
●ソーター93
以上の本実施形態に係る計測装置1について、図10に示されるように、下流にソーター93を設け、ワークWをシュート部94に仕分けるシュート条件を適宜に設定できるようになっていてもよい。なお、ソーター93は複数設けられ、シュート条件に応じて適宜のシュート部94にワークWが仕分けられる。
【0054】
図10は、ソーター93の一例を示している。
ソーター93には、ワークWの搬送方向に回転する複数のローラ931が設けられている。各ローラ931は搬送方向と直交する向きに長さを有し、搬送方向に沿って配設されている。
隣接するローラ931間には、ローラ931の長さ方向に沿って僅かな間隙931aが設けられており、この間隙931aからスライドシュー932が搬送面下より潜在可能に突出する。
【0055】
スライドシュー932は、ワークWを側面から押してシュート部94に送り出す部材であり、通常、搬送面下に潜在し、ワークWをシュート部95へ送り出す動作を要求する制御に応じて搬送面上へ突出する。ワークWがソーター93の搬送面上に到達すると、スライドシュー932は隣接するローラ931間の間隙931aに沿ってシュート部94側へスライドし、ワークWをシュート部94へ送り出す。ワークWをシュート部94へ送り出す動作を終了すると、スライドシュー932は再び搬送面下へ潜在し、次のワークWを仕分ける制御を受付可能に待機する。
【0056】
図11は、ソーター93の設定画面の一例を示している。この画面上からは、全ソーター93(以下の画面を参照した説明では、各ソーター93を区別して、S1、S2、S3・・・と称している)のシュート条件を一括して確認することができる。
図示の例では、シュート条件としてバーコードの桁数が示されている。この場合には例えば、ワークWに貼付あるいは印字等されたバーコードを読み取るカメラが計測装置1に設けられており、読み取られたバーコードの桁数に応じて所定のソーター93が動作するように設定できる。シュート条件にはこのほか、ワークWの重量、サイズ(長さ、幅、高さ)など、適宜の項目を選択、設定できる。
【0057】
また、各ソーター93のシュート条件(設定)を簡単に交換できるようになっている。例えば、何らかの理由でソーター93(S2)が故障して利用できなくなった場合に、ソーター93(S2)のシュート条件をソーター93(S5)へ反映することで、ソーター93(S2)へ振り分ける予定だったワークWをソーター93(S5)に振り分けることができる。画面上では、「シュートNo.の設定交換」欄にて「S2⇔S5」と設定することで、ソーター93(S2)に設定されていたシュート条件をソーター93(S5)に割り当てることができる。これにより、ソーター93(S5)のシュート条件を一から設定する必要がないため、ダウンタイムを軽減することができる。
なお、ソーター93のエラーは、スライドシュー932が搬送面上に出ているか否かを検出するなどの判定処理によって自動的に判断し、判断結果に応じてシュート条件を切り替えることもできる。
【0058】
図12は、各ソーター93を個別に設定する画面の一例を示している。
「シュートNo.」欄では、シュート条件の設定対象となるソーター93を決定できる。
「シュート条件」欄では、シュート条件の具体的な設定を行うことができる。ソーター93自体にも種類があり、ここでは、ソーター93が扱えるワークWのサイズやスライドシュー932の機構などに応じて適宜にシュート条件を設定できる。
【0059】
「ネイル速度」欄では、ワークWの仕分け時(ソート時)にソーター93から飛び出すスライドシュー932(図示では、「ネイル」と称している)の速度を設定できる。このスライドシュー932の速度には例えば、高速、中速、低速、袋、アレンジといった種類が用意されている。
「高速」は、スライドシュー932を高速で移動させるもので、ワークWの間隔が狭く、搬送速度が速い場合に利用するのが好適である。
「中速」は、スライドシュー932を中速で移動させるもので、高速と低速の中間の条件で利用するのが好適である。
「低速」は、スライドシュー932を低速で移動させるもので、ワークWの間隔が広く、搬送速度が遅い場合に利用するのが好適である。
【0060】
「袋」は、袋形状(袋物)のワークWに好適な制御で、高速でスライドシュー932をワークWに当接させつつ、所定の位置でスライドシュー932の移動を一瞬、止めることで、ワークWをシュート部94へ弾き出すように仕分けることができる。その結果、スライドシュー932がワークWを送り出した後に搬送面下へ潜在する際、袋に巻き付いたり、引っかかったりして不具合が生じるのを防ぐことができる。
「アレンジ」は、計測装置1が算出したワークWの計量計測値、傾きやバーコードから特定された品種に基づいて、上記の「高速」、「中速」、「低速」、あるいは「袋」の制御を都度使い分けるもので、細かな設定が可能である。
【0061】
図13は、計測装置1からソーター93までの距離を入力する設定画面である。
事前に計測装置1からソーター93までの距離を設定しておくことで、ワークWが正しいタイミングで各ソーター93に到達しているかを確認できる。この場合には例えば、各ソーター93の入り口(上流側の端部)にワークWの検出センサを設け、ワークWがソーター93に入ったことを検出できるようにしておく。
ここで、例えばソーター93(S1)の「計測装置⇔ソーター間距離」を「10m」と設定したとする。この条件において、計測装置1の搬送速度を「1m/sec」に設定する。計測装置1は「計測装置⇔ソーター間距離」の「10m」と、計測装置1の搬送速度「1m/sec」に基づいて、計測装置1を降りたワークWが10秒後にソーター93(S1)に到達するものと予測する。これに対し、ワークWが計測装置1を降りてから10秒後にソーター93(S1)の入り口に設けられた検出センサによって検出されれば、計測装置1は、ワークWが予測どおりに搬送されて正常な状態であると判断し、ソーター93(S1)のスライドシュー932を制御してワークWを仕分ける。
【0062】
一方、ワークWが計測装置1を降りてから9秒後に検出センサがワークWを検出した場合、計測装置1は、予測していたよりも早くワークWが到達していると認識し、計測装置1あるいは計測装置1とソーター93(S1)の間にあるベルトコンベア3等の搬送速度が1m/secに設定されていない、あるいは、外的干渉(人が触った、人がワークWを動かした、人がワークWを抜いた、又は人がワークWを追加したなど)が発生したものと判断する。この場合には、エラーを報知したり、動作手を停止したりするなどするとよい。
【0063】
さらに、ワークWが計測装置1を降りてから11秒後に検出センサがワークWを検出した場合には、計測装置1は、予測していたよりも遅くワークWが到達していると判断でき、上記と同様にエラーの報知や動作の停止を行うとよい。
【0064】
なお、計測装置1を構成するソフトウェア資源は適宜の設計によりいずれかのハードウェア資源に分散又は集約させることができるし、ハードウェア資源も物理的に一体をなす装置あるいは別体をなす装置として構成することもできる。これにより例えば、ソフトウェア資源はその一部又は全てを、中央集権的な上位の装置やコントローラにもたせるように構成することもできるし、所定のネットワークによって接続された外部のサーバにもたせることもできる。
【0065】
●実施形態総括
本発明は、ワークを搬送しながらワークの検出とサイズの計測を行う技術に関する。
【0066】
宅配便の利用が急増し、再配達が大きな問題となっている昨今、梱包荷姿のサイズをスピーディーに正確に計測することで、多忙を極める物流現場の効率化やコスト低減に寄与できる。
【0067】
例えば特許第5588153号公報では、搬送路上を移動する貨物の寸法と重量とを測定する寸法重量測定装置であって、前記貨物の搬送方向と直交する直交方向に複数の受光センサを配列し、前記直交方向から前記貨物に投影した平行光束を前記受光センサで受光して、前記貨物により遮光されて受光できない遮光受光センサの位置を検出する光学ゲートと、前記貨物の搬送路上での搬送距離を検出する搬送距離検出手段と、前記搬送距離が一定量増加するごとに、前記搬送距離に対応付けて前記光学ゲートの遮光受光センサの全ての位置を記憶し、この動作を、前記貨物が前記光学ゲートを通過するまで繰り返す記憶手段と、前記貨物が前記光学ゲートを通過した後、前記記憶手段に記憶された前記遮光受光センサの全ての位置を囲む形状の中で面積が最小となる形状を求めて、前記貨物の寸法を算出する寸法測定手段と、搬送路上を移動する前記貨物の重量を測定する重量測定手段と、を備える寸法重量測定装置が提案されている。
【0068】
この点、ゲートセンサを備えた計測装置を利用する現場からは機長の短いものが求められているところ、現場では機長の短い計測装置の上流にベルトコンベアを連設して用いられることがある。しかしながら、この場合、上流側に設けたベルトコンベアと計測装置の距離や搬送速度を一定に保つことが難しく、一定に保つことができなければワークの検出あるいは計測の精度が影響を受ける。
【0069】
そこで本発明は、計測装置の機長を短くしつつ、精度よくワークの検出及び計測を行える計測装置及び計測方法を提供することを目的の一つとする。
【0070】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る計測装置は、ワークを搬送する搬送面上に照射される検出光の光軸により、前記ワークを検出する第一検出手段と、前記第一検出手段の下流側にのみ設けられ、前記ワークを搬送する搬送手段と、前記第一検出手段の上流側に設けられ、前記光軸への干渉を制限する制限手段と、を有する。
【0071】
前記制限手段は、ローラであり、その上端は前記ワークを搬送する搬送面の高さと略同一であるものとしてもよい。
【0072】
前記制限手段は、前記搬送手段と同一の駆動源により、前記搬送手段と同一速度で回転駆動するものとしてもよい。
【0073】
前記第一検出手段は、鉛直方向に配設された複数の光学素子からなり、当該光学素子の一部は前記ワークを搬送する搬送面の下方に設けられているものとしてもよい。
【0074】
前記ワークを検出する検出光を照射する発光部と当該検出光を受光する受光部によって構成され、前記ワークを搬送する搬送面上において前記ワークを検出する第二検出手段、をさらに有し、前記発光部と前記受光部のいずれかが前記搬送面よりも下方に設けられており、前記検出光の光軸が搬送面に対して傾きを有するものとしてもよい。
【0075】
本発明の別の観点に係る計測方法は、上記計測装置による計測方法であって、前記計測装置が、前記搬送手段の制御により、前記ワークを前記第一検出手段に一方向に移動させて前記ワークの計測を実行する第一の計測方法と、前記搬送手段の制御により、前記ワークを前記第一検出手段に往復移動させて前記ワークの計測を実行する第二の計測方法と、を択一的に実行する。
【0076】
本発明によれば、、計測装置の機長を短くしつつ、精度よくワークの検出及び計測を行える。
【符号の説明】
【0077】
1 :計測装置
2 :ゲート
21 :支柱部
22 :連結部
3 :ベルトコンベア
30 :搬送面
31 :上流ローラ
32 :下流ローラ
33 :無端ベルト
34 :第一ガイド部
34a :貫通孔
341 :第一傾斜部
4 :入口ローラ
41 :第二ガイド部
411 :第二傾斜部
5 :第一センサ
51 :発光部
52 :受光部
6 :第二センサ
61 :発光部
62 :受光部
7 :制御装置
71 :CPU
72 :フラッシュメモリ
73 :RAM
74 :表示部
75 :I/Oインターフェース
81 :計量部
82 :撮像部
83 :報知部
S :間隙
W :ワーク

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13