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特開2023-81102音声入力装置、無線通信装置セット及び電子機器セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081102
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】音声入力装置、無線通信装置セット及び電子機器セット
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20230602BHJP
   H04B 1/034 20060101ALI20230602BHJP
   H04B 1/3827 20150101ALI20230602BHJP
   H04R 1/10 20060101ALI20230602BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20230602BHJP
   G06F 3/16 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H04B1/04 C
H04B1/034 B
H04B1/3827 130
H04R1/10 101A
H04R1/10 101B
H04R1/10 104E
G06F3/01 510
G06F3/16 500
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194803
(22)【出願日】2021-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-13
(71)【出願人】
【識別番号】000101662
【氏名又は名称】アルインコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100135703
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 英隆
(72)【発明者】
【氏名】杉本 龍司
(72)【発明者】
【氏名】國分 二郎
【テーマコード(参考)】
5D005
5E555
5K011
5K060
【Fターム(参考)】
5D005BB08
5D005BB11
5E555AA11
5E555AA76
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC02
5E555CA10
5E555CA31
5E555CA41
5E555CA44
5E555CA47
5E555CB19
5E555CB22
5E555CB64
5E555CC01
5E555EA09
5E555FA00
5K011AA10
5K011LA08
5K060CC04
5K060DD07
5K060LL04
5K060LL26
(57)【要約】
【課題】例えばワイヤレスイヤホンのPTTボタンによるPTT操作を必要とせず、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現する。
【解決手段】音声入力装置は、入力される音声を第1の音声信号に変換する音声入力部と、前記第1の音声信号に従って無線信号を変調して無線送信する無線変調送信部と、無線通信装置又は電子機器からの無線信号を無線受信して第2の音声信号を復調する無線受信復調部と、前記第2の音声信号を音声に変換する音声出力部とを備える。前記音声入力装置は、ユーザの一部の部位が所定の距離内に近接したときに第1の検出信号を出力する近接センサと、前記第1の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号を送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する制御部とを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される音声を第1の音声信号に変換する音声入力部と、
前記第1の音声信号に従って無線信号を変調して無線送信する無線変調送信部とを備え、
前記無線通信装置又は前記電子機器に無線接続される音声入力装置であって、
前記音声入力装置は、
ユーザの一部の部位が所定の距離内に近接したときに第1の検出信号を出力する近接センサと、
前記第1の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号を送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する制御部とを備える、音声入力装置。
【請求項2】
前記音声入力装置はさらに、
前記音声入力装置の振動又は衝撃を検出する振動衝撃センサであって、前記振動又は衝撃を検出したときに第2の検出信号を出力する振動衝撃センサを備え、
前記制御部は、前記第1の検出信号と第2の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号と第2の検出信号が同時に出力されているときに、前記送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する、請求項1に記載の音声入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記送信操作信号を無線送信するように、前記無線変調送信部を制御する、
請求項1又は2に記載の音声入力装置。
【請求項4】
前記音声入力装置はさらに、
無線通信装置又は電子機器からの無線信号を無線受信して第2の音声信号を復調する無線受信復調部と、
前記第2の音声信号を音声に変換する音声出力部とを備える、
請求項1~3のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置。
【請求項5】
前記音声入力装置は、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン、もしくは、ワイヤレスヘッドセットである、請求項1~4のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置。
【請求項6】
請求項1~5のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置と、
前記無線通信装置とを備える、無線通信装置セット。
【請求項7】
請求項1~5のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置と、
前記電子機器とを備える、電子機器セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばマイクロホン付きワイヤレスイヤホン、ワイヤレスヘッドセットなどの音声入力装置と、前記音声入力装置及び無線通信装置を備える無線通信装置セットと、前記音声入力装置及び電子機器を備える電子機器セットとに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯して無線通信を行うことが可能な携帯用無線機が知られており、音声を送信するときに押下するPTTボタンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図2は、従来例に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2と、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。なお、図2では、インナーイヤー型イヤホンについて図示している。
【0004】
図2において、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2のイヤホン筐体30は例えば矩形柱形状を有し、その底部にマイクロホン11が設けられ、その上部側面にイヤホンモジュール(音声再生部又は音声出力部)16が設けられる。ここで、イヤホンモジュール16の孔に円筒形状のイヤーピース31が装着されている。また、イヤホンモジュール16の装着位置とは対向する、イヤホン筐体30の側面にPTT(Push To Talk)ボタン32が設けられている。ここで、PTTは、送信ボタンであるPTTボタン32を押している時に音声送信状態となる、音声通話の方式であって、PTT操作は音声入力時に、音声を入力して送信する操作をいう。
【0005】
マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2は携帯用無線機1と、例えばブルートゥース(登録商標)などの近接無線通信方式で無線接続される。PTTボタン32が押下されていないとき、携帯用無線機1が他の無線機から受信した音声信号が、携帯用無線機1からマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2に無線送信されてイヤホンモジュール16からその音声信号の音声が出力される。一方、PTTボタン32が押下されたとき、マイクロホン11に入力されるユーザの音声は音声信号に変換されて携帯用無線機1に無線送信された後、他の無線機に転送される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5316381号公報(請求項8、段落0026)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上のように構成されたマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2に無線接続される携帯用無線機1を使用する際、PTT操作で送信するときは、無線機1を腰部装着もしくはポケットやカバンに収納するため、主にマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32を使用してPTT操作を行う。
【0008】
ここで、小型のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2は耳に装着する用途のため、より小型の筐体での製品化が重要となるが、その際、本体小型化に伴いボタンのサイズも小型になるため、さらには耳に装着したワイヤレスイヤホン2のボタン位置を目視で確認することは不可能という理由から、ワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32によるPTT操作が困難になるという問題点があった。
【0009】
本発明の目的は以上の問題点を解決し、例えばワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32によるPTT操作を必要とせず、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現することができる音声入力装置、及び、前記音声入力装置に接続される無線機などの無線通信装置と前記音声入力装置とを備える無線通信装置セット、並びに、前記音声入力装置に接続されるスマートホンなどの電子機器と前記音声入力装置とを備える電子機器セットとに関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る音声入力装置は、
入力される音声を第1の音声信号に変換する音声入力部と、
前記第1の音声信号に従って無線信号を変調して無線送信する無線変調送信部とを備え、
前記無線通信装置又は前記電子機器に無線接続される音声入力装置であって、
前記音声入力装置は、
ユーザの一部の部位が所定の距離内に近接したときに第1の検出信号を出力する近接センサと、
前記第1の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号を送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0011】
従って、本発明に係る音声入力装置によれば、例えばワイヤレスイヤホンのPTTボタンによるPTT操作を必要とせず、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現することができる音声入力装置、及び前記音声入力装置に接続される無線機などの無線通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態1に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aと、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。
図2】従来例に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2と、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。
図3図1のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aと携帯用無線機1の各構成例を示すブロック図である。
図4図3の制御部10により実行される無線通信制御処理を示すフローチャートである。
図5】実施形態2に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Bと、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。
図6図5のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Bと携帯用無線機1の各構成例を示すブロック図である。
図7図6の制御部10Aにより実行される無線通信制御処理を示すフローチャートである。
図8】変形例に係るワイヤレスヘッドセット5の外観を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態及び変形例について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0014】
(発明者の知見)
「発明が解決しようとする課題」において上述のように、「小型のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2は耳に装着する用途のため、より小型の筐体での製品化が重要となるが、その際、本体小型化に伴いボタンのサイズも小型になるため、さらには耳に装着したワイヤレスイヤホン2のボタン位置を目視で確認することは不可能という理由から、ワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32によるPTT操作が困難になる」という問題点があった。
【0015】
この問題点を解決するため、本発明者らは、例えばマイクロホン付きワイヤレスイヤホン、ワイヤレスヘッドセットなどの音声入出力装置又は音声入力装置において、近接センサを用いたPTT操作システムを提案する。以下、具体的な実施形態及び変形例について説明する。
【0016】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aと、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。ここで、携帯用無線機1は無線通信装置の一例である。
【0017】
図1において、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aのイヤホン筐体30は例えば直方体柱形状を有し、その底部にマイクロホン(音声入力部)11が設けられ、その上部側面にイヤホンモジュール16が設けられる。ここで、イヤホンモジュール16(音声再生部又は音声出力部)の孔に円筒形状のイヤーピース31が装着されている。また、イヤホンモジュール16の装着位置とは対向する、イヤホン筐体30の側面にPTT(Push To Talk)操作を検出するための近接センサ17が設けられている。近接センサ17は例えば人間の指などのユーザの一部の部位が所定の距離内に近接したときにオンとなり検出信号を送信操作信号として出力する一方、近接していないときにオフとなり検出信号の出力を停止し、これにより、送信操作信号はオフと判断される。ここで、近接センサ17としては、例えば赤外線を用いた対物センサの発光部及び受光部などで構成される近接センサ、もしくは、誘導型近接センサ又は静電誘導型近接センサなどがあるが、人間の指などのユーザの一部の部位が近接したことを検出するものであれば、形式は問わない。
【0018】
マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aは携帯用無線機1と、例えばブルートゥース(登録商標)などの近接無線通信方式で無線接続される。近接センサ17がオフとなったとき、PTT操作はオフと判断され、携帯用無線機1が他の無線機から受信した音声信号が、携帯用無線機1からマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aに無線送信されてイヤホンモジュール16からその音声信号の音声が出力される。一方、近接センサ17がオンのとき、PTT操作はオンと判断され、マイクロホン11に入力されるユーザの音声は音声信号に変換されて携帯用無線機1に無線送信された後、他の無線機に転送される。
【0019】
図3図1のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aと携帯用無線機1の各構成例を示すブロック図である。
【0020】
図3において、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aは、マイクロホン(音声入力部)11と、音声信号増幅部12と、送信アンテナ13Aを有する無線変調送信部13と、受信アンテナ14Aを有する無線受信復調部14と、音声信号増幅部15と、イヤホンモジュール16と、近接センサ17と、制御部10とを備えて構成される。制御部10は、近接センサ17からの検出信号に基づいて、無線変調送信部13及び無線受信復調部14の動作を制御する。
【0021】
マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aのマイクロホン11に入力されたユーザの音声は音声信号に変換された後、音声信号増幅部12を介して無線変調送信部13に入力される。無線変調送信部13は、近接センサ17のオン時の検出信号に基づいて出力される、制御部10からの送信操作信号に基づいて、送信動作状態となり、入力される音声信号に従って、例えばブルートゥース(登録商標)などの近接無線通信方式を用いて、無線搬送波をデジタル変調した後電力増幅して、変調された無線信号を送信アンテナ13Aから携帯用無線機1に送信する。なお、変調された無線信号には、送信操作信号が含まれる。
【0022】
一方、制御部10からの受信指示信号に基づいて、無線受信復調部14は受信状態となり、受信アンテナ14Aで受信された、携帯用無線機1からの無線信号を、前記近接無線通信方式を用いて受信して、低雑音増幅、デジタル復調などの信号処理を行って、音声信号を復調した後、音声信号増幅部15を介してイヤホンモジュール16に出力する。イヤホンモジュール16は入力される音声信号を音声に変換して出力する。
【0023】
携帯用無線機1は、受信アンテナ22Aを有する無線受信復調部22と、マイクロホン23と、音声信号増幅部24と、送信アンテナ25Aを有する無線変調送信部25と、受信アンテナ26Aを有する無線受信復調部26と、送信アンテナ27Aを有する無線変調送信部27と、音声信号増幅部28と、スピーカ29と、スイッチSW1,SW2と、PTTキー21Pを含むキーボード21と、制御部20とを備えて構成される。制御部20は、PTTキー21Pのオン時のキーボード21からの送信操作信号又は無線受信復調部22で復調された送信操作信号に基づいて、無線変調送信部25,27及び無線受信復調部22,26の動作を制御する。また、制御部20は、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aを無線接続しているときは、スイッチSW1,SW2を連動して接点a側に切り替える一方、無線接続していないときは、スイッチSW1,SW2を連動して接点b側に切り替える。
【0024】
携帯用無線機1の受信アンテナ22Aで受信された、ワイヤレスイヤホン2Aからの無線信号は無線受信復調部22に入力され、無線受信復調部22は、受信された無線信号に対して、低雑音増幅、デジタル復調などの信号処理を行って、音声信号及び送信操作信号を復調し、音声信号をスイッチSW1の接点a側を介して無線変調送信部25に出力し、送信操作信号を制御部20に出力する。無線変調送信部25は制御部20からの送信操作信号に基づいてオンとなり、入力される音声信号に従って、所定の変調方式(例えば、デジタル簡易無線方式、FM等のアナログ変調方式など)を用いて、無線搬送波を変調した後電力増幅し、変調された無線信号を送信アンテナ25Aから他の無線機1Pに送信する。また、ワイヤレスイヤホン2Aを使用せず、スイッチSW1が接点b側に切り替えられているときは、マイクロホン23に入力される音声は音声信号に変換された後、スイッチSW1の接点b側を介して無線変調送信部25に入力され、同様に、変調送信動作が行われる。
【0025】
受信アンテナ26Aで受信された、他の無線機1Pからの無線信号は無線受信復調部26に入力され、無線受信復調部26は、受信された無線信号に対して、低雑音増幅、デジタル復調などの信号処理を行って、音声信号を復調してスイッチSW2の接点a側を介して無線変調送信部27に出力する。無線変調送信部27は制御部20からの送信操作信号に基づいてオンとなり、入力される音声信号に従って、前記近接無線通信方式を用いて、無線搬送波をデジタル変調した後電力増幅し、変調された無線信号を送信アンテナ27Aからワイヤレスイヤホン2Aに送信する。また、ワイヤレスイヤホン2Aを使用せず、スイッチSW2が接点b側に切り替えられているときは、無線受信復調部26からの音声信号は、スイッチSW2の接点b側及び音声信号増幅部28を介してスピーカ29に出力され、スピーカ29から音声信号の音声が出力される。
【0026】
図4は、図3の制御部10により実行される無線通信制御処理を示すフローチャートである。
【0027】
図4のステップS1において、初期化処理を行い、具体的には、無線変調送信部13の送信動作を停止し、近接センサ17をリセットする。次いで、ステップS2において、近接センサ17はオンか否かが判断され、YESのときはステップS3に進む一方、NOのときはステップS5に進む。ステップS3では、無線変調送信部13は送信中か否かが判断され、YESのときはステップS2に戻る一方、NOのときはステップS4に進む。ステップS4では、無線変調送信部13の送信動作を開始させ、ステップS5において、無線変調送信部13は送信中か否かが判断され、YESのときはステップS6に進む一方、NOのときはステップS2に戻る。ステップS6において、無線変調送信部13の送信動作を停止させた後、ステップS2に戻る。
【0028】
以上のように構成されたマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aによれば、従来例に係るワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32(図2)を近接センサ17のセンシング部分に置き換えることで、「目視不可の小さいボタンを押す」の操作から「近接センサのセンシング部分を含めた本体全体を手で覆う」という操作に置き変わり、PTT操作を比較的容易に行うことが可能となる。
【0029】
従って、本実施形態に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aによれば、近接センサ17を備えることで、例えばワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32によるPTT操作を必要とせず、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現することができる。
【0030】
(実施形態2)
実施形態1に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aの近接センサ17のセンシング部分がユーザの操作でなく別の要因で覆われた場合(例えば、毛髪や帽子などで不用意に覆われた場合など)PTT操作が誤作動してしまう。そこで、実施形態2では、近接センサ17搭載のマイクロホン付きワイヤレスイヤホンに対して振動衝撃センサ18を併用搭載することを特徴とする。
【0031】
図5は、実施形態2に係るマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Bと、それと無線通信を行う携帯用無線機1との外観を示す斜視図である。図5のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Bは、図1のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Aに比較して、イヤホン筐体30内に、振動衝撃センサ18を設けたことを特徴とする。以下、相違点について説明する。
【0032】
図6は、図5のマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2Bと携帯用無線機1の各構成例を示すブロック図である。図6の構成は、図3の構成に比較して、以下の点が異なる。
(1)振動衝撃センサ18をさらに設けた。
(2)制御部10に代えて、さらに振動衝撃センサ18の検出信号に基づいて送信動作を制御する制御部10Aを備える。ここで、制御部10Aは、近接センサ17の検出信号及び振動衝撃センサ18の検出信号に基づいて、PTT操作のオン/オフを判断する。その詳細は、図7の無線通信制御処理に記載する。
【0033】
図5及び図6において、振動衝撃センサ18は、例えば加速度センサであって、当該振動衝撃センサ18に所定値以上の加速度が印加されて振動又は衝撃が印加されたときに、出力電圧が変化し、その変化に基づいて、オン又はオフの検出信号を制御部10Aに出力する。
【0034】
図7は、図6の制御部10Aにより実行される無線通信制御処理を示すフローチャートである。
【0035】
図7のステップS1Aにおいて、初期化処理が実行され、具体的には、無線変調送信部13の送信動作を停止し、近接センサ17をリセットし、振動衝撃センサ18をリセットする。次いで、ステップS2において、近接センサ17はオンか否かが判断され、YESのときはステップS7に進む一方、NOのときはステップS2に戻る。ステップS7において、振動衝撃センサ18はオンか否かが判断され、YESのときはステップS3に進む一方、NOのときはステップS2に戻る。さらに、ステップS3において、無線変調送信部13は送信中か否かが判断され、YESのときはステップS8に進む一方、NOのときはステップS9に進む。ステップS8では、無線変調送信部13の送信動作を停止させた後、ステップS2に戻る。ステップS9では、無線変調送信部13の送信動作を開始させた後、ステップS2に戻る。
【0036】
上述したように、近接センサ17のセンシング部分がユーザの操作でなく別の要因で覆われた場合(例えば、毛髪や帽子などで不用意に覆われた場合など)PTT操作が誤作動してしまう。そこで、近接センサ17搭載のワイヤレスイヤホンに振動衝撃センサ18をさらに搭載することにより、PTT操作での送信開始/停止条件を「近接センサ17のセンシング部分が覆われている」および「振動又は衝撃の発生」を同時に検出した場合にする。つまり、ユーザがその手を近接させかつ「本体全体を軽く叩く」という操作が発生した場合のみに、PTT操作をオンとすることで、PTT操作を容易にしつつ、PTT操作の誤作動を対策することが可能となる。
【0037】
以上説明したように、実施形態2によれば、近接センサ17及び振動衝撃センサ18をともに備えることで、例えばワイヤレスイヤホン2のPTTボタン32によるPTT操作を必要とせず、前記の誤動作を防止し、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現することができる。
【0038】
(変形例)
以上の図1及び5では、インナーイヤー型イヤホンについて図示しているが、本発明はこれに限らず、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2Bをカナル型イヤホン、もしくは図8のワイヤレスヘッドセットで構成してもよい。これらのマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2B及びワイヤレスヘッドセットは音声入出力装置又は音声入力装置(音声入出力装置において、構成要素14~16を備えなくてもよい)の一例である。なお、「ヘッドセット」の定義として、マイクロホンとイヤホンのセットをいう場合もあり、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2Bという場合もある。
【0039】
図8は変形例に係るワイヤレスヘッドセット5の外観を示す斜視図である。
【0040】
図8において、左右のヘッドホン筐体51L,51Rはそれぞれ略円柱形状を有し、各ヘッドホン筐体51L,51Rが接続回転軸52RL,52RRで回転可能となるように、ケース接続部52CL,52CRを介してスライダ機構を有する下部ケース52L,52Rが連結される。各下部ケース52L,52Rは金属フレーム54で連結され、金属フレーム54の中間部に上部ケース53が設けられ、各ヘッドホン筐体51L,51Rは前記スライダ機能によりそれらの間の距離が変化可能で、各下部ケース52L,52R間で伸縮可能となる。
【0041】
左右のヘッドホン筐体51L,51Rの各内側には、イヤホンモジュール(音声再生部又は音声出力部)16L,16Rが設けられ、これらのイヤホンモジュール16L,16Rにはヘッドホンパッド55L,55Rが装着される。
【0042】
例えば、ケース接続部52CLの中央部にはそこから延在する延長ロッド11Rが設けられ、その先端にマイクロホン11Aが設けられる。また、例えば、ヘッドホン筐体51Lの外側には、実施形態1,2に係る近接センサ17及び振動衝撃センサ18が設けられる。なお、振動衝撃センサ18は実施形態2の回路構成を適用する場合に設けられる。
【0043】
図8のワイヤレスヘッドセット5の回路構成は、図3(実施形態1)又は図6(実施形態2)と同様に構成される。
【0044】
以上説明したように、図8の変形例に係るワイヤレスヘッドセット5によれば、近接センサ17を備え、もしくは振動衝撃センサ18をさらに備えることで、例えばワイヤレスイヤホンのPTTボタンによるPTT操作を必要とせず、前記の誤動作を防止し、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
以上詳述したように、本発明に係る音声入力装置によれば、例えばワイヤレスイヤホンのPTTボタンによるPTT操作を必要とせず、従来例に比較して簡単な操作で確実なPTT操作を実現できる。
【0046】
以上の実施形態及び変形例では、携帯用無線機1に無線接続されるマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2B及びワイヤレスヘッドセット5について説明しているが、本発明はこれに限らず、携帯電話機、スマートホン、パーソナルコンピュータなどの電子機器に接続されるマイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2B及びワイヤレスヘッドセット5などの音声入力装置又は音声入出力装置に広く適用できる。ここで、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン2A,2B又はワイヤレスヘッドセット5と、携帯用無線機1又は電子機器とを組み合わせて、無線通信装置セット又は電子機器セットとして構成して、製造販売してもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 携帯用無線機
1P 他の無線機
2,2A,2B マイクロホン付きワイヤレスイヤホン
5 ワイヤレスヘッドセット
10, 10A 制御部
11,11A マイクロホン(音声入力部)
11R 延長ロッド
12 音声信号増幅部
13 無線変調送信部
13A 送信アンテナ
14 無線受信復調部
14A 受信アンテナ
15 音声信号増幅部
16,16L,16R イヤホンモジュール(音声再生部又は音声出力部)
17 近接センサ
18 振動衝撃センサ
20 制御部
21 キーボード
21P PTTキー
22 無線受信復調部
22A 受信アンテナ
23 マイクロホン
24 音声信号増幅部
25 無線変調送信部
25A 送信アンテナ
26 無線受信復調部
26A 受信アンテナ
27 無線変調送信部
27A 送信アンテナ
28 音声信号増幅部
29 スピーカ
30 イヤホン筐体
31 イヤーピース
32 PTTボタン
51L,51R ヘッドホン筐体
52L,52R 下部ケース
52CL,52CR ケース接続部
52RL,52RR 接続回転軸
53 上部ケース
54 金属フレーム
55L,55R ヘッドホンパッド
SW1,SW2 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-04-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力される音声を第1の音声信号に変換する音声入力部と、
前記第1の音声信号に従って無線信号を変調して無線送信する無線変調送信部とを備え、
線通信装置又は子機器に無線接続される音声入力装置であって、
前記音声入力装置は、
ユーザの一部の部位が所定の距離内に近接したときに第1の検出信号を出力する近接センサと、
前記第1の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号を送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する制御部と、
前記音声入力装置の振動又は衝撃を検出する振動衝撃センサであって、前記振動又は衝撃を検出したときに第2の検出信号を出力する振動衝撃センサとを備え、
前記制御部は、前記第1の検出信号と第2の検出信号に基づいて、前記第1の検出信号と第2の検出信号が同時に出力されているときに、前記送信操作信号として判断し、前記無線変調送信部を動作させるように制御する、音声入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記送信操作信号を無線送信するように、前記無線変調送信部を制御する、
請求項に記載の音声入力装置。
【請求項3】
前記音声入力装置はさらに、
前記無線通信装置又は前記電子機器からの無線信号を無線受信して第2の音声信号を復調する無線受信復調部と、
前記第2の音声信号を音声に変換する音声出力部とを備える、
請求項1又は2に記載の音声入力装置。
【請求項4】
前記音声入力装置は、マイクロホン付きワイヤレスイヤホン、もしくは、ワイヤレスヘッドセットである、請求項1~のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置。
【請求項5】
請求項1~のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置と、
前記無線通信装置とを備える、無線通信装置セット。
【請求項6】
請求項1~のうちのいずれか1つに記載の音声入力装置と、
前記電子機器とを備える、電子機器セット。