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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081130
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】X線診断装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/04 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
A61B6/04 332P
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194848
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】吉田 洋
(72)【発明者】
【氏名】秋山 真己
(72)【発明者】
【氏名】大橋 俊平
(72)【発明者】
【氏名】戸塚 祐希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄也
(72)【発明者】
【氏名】平澤 正志
(72)【発明者】
【氏名】楢原 兼成
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093CA16
4C093ED01
4C093EE02
4C093FA36
4C093FA42
4C093FA54
(57)【要約】
【課題】ケーブルの取り回しの煩雑さを低減すること。
【解決手段】実施形態に係るX線診断装置は、寝台と、給電部とを備える。前記寝台は、操作部を着脱可能に保持する保持部材が設けられる。前記給電部は、前記保持部材に設けられ、前記操作部に給電する。前記操作部は、前記保持部材に沿って装着位置を変更可能である。前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を着脱可能に保持する保持部材が設けられた寝台と、
前記保持部材に設けられた前記操作部に給電するための給電部と
を具備し、
前記操作部は、前記保持部材に沿って装着位置を変更可能であり、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能である、
X線診断装置。
【請求項2】
前記給電部は、前記保持部材に沿った複数の位置に配置される複数の電極部を有し、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿って配置された前記複数の電極部の位置それぞれで電気的に接続可能である、
請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項3】
前記給電部は、前記保持部材に沿って配置される電極部を有し、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置それぞれで電気的に接続可能である、
請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項4】
前記保持部材により保持された前記操作部は、前記給電部の極性の異なる2つの電極部それぞれとの接触により前記給電部と電気的に接続可能である、請求項3に記載のX線診断装置。
【請求項5】
前記給電部の極性の異なる2つの電極部それぞれは、前記保持部材の互いに異なる面に設けられる、請求項4に記載のX線診断装置。
【請求項6】
前記保持部材により保持された前記操作部は、前記給電部の電極部との接触により前記給電部と電気的に接続可能である、請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項7】
前記保持部材により着脱可能に保持され、前記保持部材により保持された状態で前記給電部の電極部を覆うカバー部材をさらに備える、請求項4から請求項6のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項8】
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、非接触で電気的に接続可能である、請求項1から請求項3のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項9】
前記保持部材又は前記操作部に設けられ、前記操作部が前記保持部材に装着されたことを検出する検出部と、
前記検出部により前記操作部の前記保持部材への装着が検出されたとき、前記給電部により前記操作部への給電を開始する給電制御部と
をさらに備える、請求項1から請求項8のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項10】
前記給電部は、前記保持部材に沿って移動可能に構成された電極部を有し、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿って移動された前記電極部の位置それぞれで電気的に接続可能である、
請求項1に記載のX線診断装置。
【請求項11】
前記給電部の電極部とともに設けられ、前記操作部と通信するための通信部をさらに備え、
前記通信部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能である、
請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項12】
前記操作部と無線通信するための通信部をさらに備える、請求項1から請求項10のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項13】
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも1つのサブコンソールとを有し、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、前記保持部材に沿って変更可能な前記メインコンソールの装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能であり、
前記保持部材により保持された前記少なくとも1つのサブコンソールと、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、ケーブルを介して電気的に接続される、
請求項1から請求項12のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項14】
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも2つのサブコンソールとを有し、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、前記保持部材に沿って変更可能な前記メインコンソールの装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能であり、
前記保持部材により保持された前記少なくとも2つのサブコンソールのうちの少なくとも1つのサブコンソールと、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、ケーブルを介して電気的に接続され、
前記保持部材により保持された前記少なくとも2つのサブコンソールのうちのいずれか1つのサブコンソールは、他のサブコンソールにケーブルを介して電気的に接続され、前記他のサブコンソールを介して前記保持部材により保持された前記メインコンソールと電気的に接続される、
請求項1から請求項12のうちのいずれか一項に記載のX線診断装置。
【請求項15】
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも1つのサブコンソールとを有し、
前記メインコンソール及び前記少なくとも1つのサブコンソールのそれぞれは、前記複数の電極部のそれぞれに接続可能な同型のコネクタが先端に設けられ、他のケーブルと連結可能な連結部材が設けられたケーブルを有する、
請求項2に記載のX線診断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、X線診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、被検体にX線を照射し、被検体を透過したX線に基づいてX線投影画像を得るX線診断装置が知られている。当該X線診断装置においては、術者や技師がCアームなどを操作するためのテーブルサイドコンソールが、例えば寝台のサイドレールに引っ掛けて配置可能に構成されている。
【0003】
このような中、当該コンソールの自由な設置のために、コンソール及び寝台の間を接続する電源及び信号のケーブルとして、長さに余裕のあるケーブルが使用される場合があった。しかしながら、ケーブルの長さによっては、ケーブルが寝台の下に垂れ下がるなど、清潔性や煩雑さの観点で問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-105606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書等に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、ケーブルの取り回しの煩雑さを低減することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るX線診断装置は、寝台と、給電部とを備える。前記寝台は、操作部を着脱可能に保持する保持部材が設けられる。前記給電部は、前記保持部材に設けられ、前記操作部に給電する。前記操作部は、前記保持部材に沿って装着位置を変更可能である。前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るX線診断装置の構成例を示す図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る寝台における給電部及び通信部の構成の一例を示す図である。
図3図3は、第1の実施形態に係るサイドレールにおける電極配置の一例を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態に係るテーブルサイドコンソールの一例を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る寝台における、サイドレールへのテーブルサイドコンソールの取り付けの一例を示す図である。
図6図6は、第2の実施形態に係るサイドレールにおける電極配置の一例を示す図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る寝台における給電部及び通信部の構成の一例を示す図である。
図8図8は、第4の実施形態に係る寝台における給電部の構成の一例を示す図である。
図9図9は、第4の実施形態に係るサイドレールにおける電極配置の一例を示す図である。
図10図10は、第5の実施形態に係る寝台における給電部の構成の一例を示す図である。
図11図11は、第7の実施形態に係る寝台における給電部の構成の一例を示す図である。
図12図12は、第8の実施形態に係る寝台における給電部の構成の一例を示す図である。
図13図13は、第9の実施形態に係る寝台における、サイドレールへのテーブルサイドコンソールの取り付けの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら各実施形態に係るX線診断装置を説明する。なお、以下の説明において、既出の図に関して前述したものと同一又は略同一の機能を有する構成要素については、同一符号を付し、必要な場合にのみ重複説明する。また、同じ部分を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比率が異なって表されている場合もある。また、例えば図面の視認性を確保する観点から、各図面の説明において主要な構成要素だけに参照符号を付し、同一又は略同一の機能を有する構成要素であっても参照符号を付していない場合もある。
【0009】
以下に説明する各実施形態では、医用画像診断装置の一例としてX線診断装置を例示するが、これに限らない。各実施形態に係る技術は、X線診断装置の他の医用画像診断装置に適用されても構わない。他の医用画像診断装置としては、X線コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)装置、磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置、SPECT装置とX線CT装置とが一体化されたSPECT-CT装置、PET装置とX線CT装置とが一体化されたPET-CT装置などの種々の医用画像診断装置があり得る。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係るX線診断装置100の構成例を示す図である。X線診断装置100は、被検体Pから収集したデータに基づいて医用画像データを生成する医用画像診断装置の一例である。なお、以下においては、説明を具体的にするため、X線診断装置100は循環器用X線診断装置である場合を例として説明する。
【0011】
X線診断装置100は、撮像部3、寝台5、駆動部7、操作部9、X線高電圧装置11、処理回路21、記憶回路23、表示部25及び入力インターフェース27を有する。なお、処理回路21、記憶回路23及び入力インターフェース27は、例えばコンソール装置10に内蔵される。撮像部3は、被検体PにX線を照射するX線管13と、X線を検出するX線検出器17と、X線絞り15と、保持装置19とを有する。撮像部3は、支持アームをさらに有する。寝台5には、撮像部3及び寝台5を動作させるための操作部9が設けられる。撮像部3及び寝台5を駆動する駆動部7は、撮像系移動駆動部71と、天板移動駆動部73とを有する。
【0012】
X線高電圧装置11は、変圧器(トランス)及び整流器等の電気回路と、高電圧発生装置と、X線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、X線管13に印加する高電圧及びX線管13に供給するフィラメント電流を発生する機能を有する。X線制御装置は、X線管13が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行う。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であっても構わない。なお、X線高電圧装置11は、保持装置19に設けられてもよい。
【0013】
X線管13は、X線高電圧装置11からの高電圧の印加及びフィラメント電流の供給により、陰極(フィラメント)から陽極(ターゲット)に向けて熱電子を照射することでX線を発生する真空管である。熱電子がターゲットに衝突することによりX線が発生される。X線管13には、例えば、回転する陽極に熱電子を照射することでX線を発生させる回転陽極型のX線管がある。なお、X線管13は、回転陽極型に限定されず、任意の方式のX線管が適用可能である。
【0014】
X線絞り15は、X線管13におけるX線放射窓の前面に設けられる。X線絞り15は、例えば、鉛などの金属板で構成された4枚の絞り羽根を有する。絞り羽根は、操作部9や入力インターフェース27を介して操作者により入力された関心領域に応じて、図示しない駆動装置により駆動される。X線絞り15は、駆動装置によりこれらの絞り羽根をスライドさせることで、X線が遮蔽される領域を任意のサイズに調節する。調整された絞り羽根により、X線絞り15は、開口領域外のX線を遮蔽する。これにより、X線絞り15は、X線管13が発生したX線を、被検体Pの関心領域に照射されるように絞り込む。
【0015】
X線検出器17は、X線管13により発生されたX線を検出する。X線検出器17は、例えば、フラットパネルディテクタ(Flat Panel Detector:以下、FPDと呼ぶ)である。FPDは、複数の半導体検出素子を有する。半導体検出素子にはX線を直接的に電気信号に変換する直接変換方式と、X線を蛍光体で光に変換し、その光を電気信号に変換する間接変換方式とがある。FPDには、いずれの方式が用いられてもよい。X線の入射に伴って複数の半導体検出素子で発生された電気信号は、図示していないアナログディジタル変換器(Analog to Digital converter:以下、A/D変換器と呼ぶ)に出力される。A/D変換器は、電気信号をディジタルデータに変換する。A/D変換器は、ディジタルデータを、処理回路21に出力する。なお、X線検出器17として、イメージインテンシファイア(Image Intensifier)が用いられてもよい。
【0016】
保持装置19は、X線管13及びX線検出器17を支持するC型アームである。保持装置19は、図示しないモータにより、寝台5上に横臥する被検体Pの周りを回転移動する。ここで、保持装置19は、直交する3軸であるXYZ軸に関してそれぞれ回転可能に支持され、図示しない駆動部によって、各軸周りに回転する。
【0017】
処理回路21は、操作部9又は入力インターフェース27から出力される入力操作の電気信号に応じて、X線診断装置100全体の動作を制御する。例えば、処理回路21は、ハードウェア資源として、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリとを有する。
【0018】
処理回路21において実行される各種処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路23へ記憶されている。処理回路21は、記憶回路23からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の各回路は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0019】
具体的には、処理回路21は、メモリに展開されたプログラムを実行するプロセッサにより、動作制御機能211、画像生成機能212、接続検出機能213、通信制御機能214及び電源供給機能215を実行する。ここで、接続検出機能213を実現する処理回路21は、検出制御部の一例である。また、通信制御機能214を実現する処理回路21は、通信部の一例である。また、電源供給機能215を実現する処理回路21は、給電制御部の一例である。
【0020】
なお、動作制御機能211、画像生成機能212、接続検出機能213、通信制御機能214及び電源供給機能215は、単一の処理回路で実現される場合に限らない。複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより動作制御機能211、画像生成機能212、接続検出機能213、通信制御機能214及び電源供給機能215を実現するものとしても構わない。
【0021】
また、処理回路21は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)やフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA)、他の複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)などのプロセッサにより実現されてもよい。
【0022】
動作制御機能211は、操作部9又は入力インターフェース27を介して操作者から受け付けた入力操作に基づいて、駆動部7やX線高電圧装置11、X線絞り15、記憶回路23、表示部25等を制御する。具体的には、動作制御機能211は、記憶回路23に記憶されている制御プログラムを読み出して処理回路21内のメモリ上に展開し、展開された制御プログラムに従ってX線診断装置100の各部を制御する。例えば動作制御機能211は、画像生成機能212により生成された、X線投影画像データなどの各種の画像データに基づき、ディスプレイ251に画像を表示する表示制御機能を含む。
【0023】
画像生成機能212は、X線検出器17からの出力に基づいて画像データを生成する。具体的には、画像生成機能212は、X線検出器17からの出力に基づいて投影データ(X線減衰像のデータ)を生成する。次いで、画像生成機能212は、操作部9又は入力インターフェース27からの入力信号を受けて、X線検出器17の出力信号に対して欠陥画素補正やゲイン補正、オフセット補正等の処理を行なってX線投影画像を生成する。X線投影画像は、被検体Pに関する透視画像や撮影画像を含む医用画像に相当する。画像生成機能212は、X線投影画像を用いて合成処理や減算(サブトラクション)処理等を行なう。画像生成機能212は、生成されたX線投影画像を、記憶回路23に出力する。
【0024】
接続検出機能213は、サイドレール53又は操作部9に設けられたタクトスイッチ91の出力に基づいて、操作部9がサイドレール53に装着されたことを検出する。
【0025】
通信制御機能214は、寝台5と操作部9との間における、電極部63,65とともに設けられた通信部による通信を制御する。通信制御機能214は、接続検出機能213により操作部9のサイドレール53への装着が検出されたとき、寝台5と操作部9との間の通信を開始又は許可する。
【0026】
電源供給機能215は、インターフェース6を介した操作部9への給電を制御する。電源供給機能215は、接続検出機能213により操作部9のサイドレール53への装着が検出されたとき、インターフェース6を介した操作部9への給電を開始又は許可する。
【0027】
記憶回路(メモリ)23は、種々の情報を記憶するHDD(Hard disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、集積回路記憶装置等の記憶装置又はこれらの記憶装置を複数組み合わせた回路である。記憶回路23は、例えば、一次保存用のストレージと、長期保存用のストレージとを有する。なお、一次保存用のストレージに逐次的に一次保存される医用画像は、例えば一定の周期で更新される。また、記憶回路23は、例えば、投影データ(X線減衰像)や画像データ、処理回路21によって読み出されて実行される各種機能に対応するプログラムを記憶する。記憶回路23は、HDDやSSD等以外にも、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の可搬性記憶媒体や、RAM(Random Access Memory)等の半導体メモリ素子等との間で種々の情報を読み書きする駆動装置であってもよい。また、記憶回路23は、ネットワークで接続された外部記憶装置内にあってもよい。さらに、記憶回路23は、複数の記憶装置を含む場合にあっては、その一部がネットワークネットワークを介して接続された記憶装置であってもよい。
【0028】
表示部25は、医用画像などを表示するディスプレイ251、ディスプレイ251に表示用の信号を供給する内部回路、ディスプレイ251と内部回路とをつなぐコネクタやケーブルなどの周辺回路から構成されている。内部回路は、画像データに被写体情報や投影データ生成条件等の付帯情報を重畳して表示データを生成する。次いで、内部回路は、得られた表示データに対してD/A変換とTVフォーマット変換とを行なう。内部回路は、これらの変換が実行された表示データを、医用画像としてディスプレイ251に表示する。これに加え、表示部25は、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)等を表示する。
【0029】
ディスプレイ251としては、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro Luminescence Display)、プラズマディスプレイ又は他の任意のディスプレイが、適宜使用可能である。また、ディスプレイ251は、デスクトップ型でもよいし、処理回路21と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、ディスプレイ251として、1又は2以上のプロジェクタが用いられてもよい。
【0030】
入力インターフェース27は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路21に出力する。例えば、入力インターフェース27は、撮像部3と寝台5とのうち少なくとも一つを動作させるための操作、X線の発生に関するX線条件、画像生成機能212により実行される画像処理に関する条件等を操作者から受け付ける。入力インターフェース27としては、例えば、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、フットスイッチ、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等が適宜、使用可能となっている。入力インターフェース27は、例えば、検査室とは異なる操作室に設置されたコンソール装置10に搭載される。
【0031】
なお、本実施形態において、入力インターフェース27は、マウス、キーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、タッチパッド及びタッチパネルディスプレイ等の物理的な操作部品を有するものに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路21へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース27の例に含まれる。なお、入力インターフェース27は、処理回路21と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
【0032】
図2は、第1の実施形態に係る寝台5における給電部及び通信部の構成の一例を示す図である。寝台5には、図2に示すように、支持部51及びサイドレール53が設けられている。
【0033】
支持部51は、サイドレール53を支持する。支持部51は、例えば中空の部材であり、内部に接続ライン61が配置される。
【0034】
サイドレール53は、寝台5の側方に設けられ、寝台5の長手方向(図2ではy方向)に沿って延びている。サイドレール53は、操作部9を着脱可能に保持する。ここで、サイドレール53は、保持部材の一例である。サイドレール53は、レール状の保持部材と表現されてもよい。
【0035】
また、寝台5には、給電部及び通信部としてのインターフェース6が設けられている。一例として、インターフェース6は、操作部9に給電するための電力を出力する電源インターフェースである。また、一例として、インターフェース6は、操作部9及び処理回路21の間で通信するための通信インターフェースである。インターフェース6は、接続ライン61により、サイドレール53に設けられた電極部63に電気的に接続されている。接続ライン61は、給電部の一例である。
【0036】
図3は、第1の実施形態に係るサイドレール53における電極部63の配置の一例を示す図である。
【0037】
電極部63は、図3に示すように、サイドレール53の例えば下方(図3では-z側)に設けられている。電極部63は、操作部9に給電するためのサイドレール53に設けられた給電部の一例である。電極部63は、サイドレール53により保持された操作部9との接触により、操作部9と電気的に接続される。電極部63は、例えば電力供給用の接点と、信号送受信用の接点とを有する。つまり、電極部63は、操作部9と通信するためのサイドレール53に設けられた通信部の一例でもある。
【0038】
また、サイドレール53には、図3に示すように、電極カバー55が設けられている。電極カバー55は、サイドレール53により着脱可能に保持される。電極カバー55は、サイドレール53により保持された状態で電極部63を覆うように形成されている。ここで、電極カバー55は、カバー部材の一例である。
【0039】
このように電極カバー55が電極部63の近くに設けられていることにより、テーブルサイドコンソールとしての操作部9と接続するための電極が使用されていないときには、当該電極が露出しないように覆うことができる。このため、器具や人体などの導電体が電極部63に接触してショートすることを抑制できる。
【0040】
なお、本実施形態では、サイドレール53の例えば下方(図3では-z側)に電極部63が設けられる場合を例示したが、これに限らない。電極部63は、サイドレール53の他の面に設けられていてもよい。例えば、サイドレール53の背面側(+x側)に電極部63を設けることにより、器具や人体などの導電体が電極部63に接触し難い構成とすることができる。
【0041】
なお、本実施形態では、寝台5の側方に設けられ、寝台5の長手方向(図2ではy方向)に沿って延びるサイドレール53を例示するが、これに限らない。本実施形態に係る技術は、寝台5において天板に載置された患者の左側(-x側)、右側(+x側)及び足側(+y側)のレールそれぞれに対して適用可能である。これらの各レールもまた、保持部材の一例である。
【0042】
図4は、第1の実施形態に係るテーブルサイドコンソールとしての操作部9の一例を示す図である。図5は、第1の実施形態に係る寝台における、サイドレール53へのテーブルサイドコンソールとしての操作部9の取り付けの一例を示す図である。
【0043】
操作部9は、操作者からの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して、インターフェース6を介して、処理回路21に出力する。また、操作部9は、操作者からの各種操作を受け付けるためのGUI等を表示する。操作部9は、例えば処理回路21と優先又は無線で通信可能なタブレット端末等で構成される。
【0044】
なお、操作部9としては、入力インターフェース27と同様に、種々の入力デバイスが適宜、使用可能となっている。また、操作部9は、表示部25と同様に、種々の表示デバイスが適宜、使用可能となっている。
【0045】
操作部9は、図4及び図5に示すように、サイドレール53により着脱可能に保持される。一例として、操作部9は、上側取付部90a及び下側取付部90bを有する。操作部9は、上側取付部90aをサイドレール53の上側(+z側)に引っ掛けた状態で、下側取付部90bをサイドレール53の下側(-z側)に嵌めることにより、サイドレール53に装着することができる。
【0046】
なお、上側取付部90a及び下側取付部90bの少なくとも一方は、操作部9の本体部(-x側)に対して、y軸周りに回転可能に構成されていてもよい。この場合、操作部9は、本体部の背面側(+x側)をサイドレール53に接触させた状態で、上側取付部90a及び下側取付部90bの少なくとも一方を回転させてサイドレール53を挟み込むことにより、サイドレール53に装着することができる。
【0047】
これらの構成によれば、操作部9は、サイドレール53に沿って、すなわちy方向に任意の位置でサイドレール53に装着することができる。また、操作部9は、サイドレール53に沿って装着位置を任意に変更することができる。
【0048】
また、図3及び図5に示すように、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のうちの電極部63が設けられた位置に操作部9が装着されることにより、操作部9と電極部63との間を接触させて電気的に接続することができる。これにより、インターフェース6及び操作部9の間を電気的に接続することができるので、サイドレール53の所定位置に装着された操作部9への給電が実現する。同様に、サイドレール53の所定位置に装着された操作部9と処理回路21との間の通信が実現する。
【0049】
なお、操作部9は、バッテリーを搭載していてもよい。この場合、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のいずれの位置に装着しても、操作部9を使用することができる。
【0050】
操作部9の本体部の背面には、図4及び図5に示すように、サイドレール53への装着を判別するタクトスイッチ91が設けられている。ここで、タクトスイッチ91は、検出部の一例である。タクトスイッチ91は、操作部9の本体部の背面がサイドレール53の側面へ接触することによりオンされるように構成されている。接続検出機能213は、タクトスイッチ91がオンされたことに応じて、操作部9がサイドレール53に装着されたことを検出する。つまり、タクトスイッチ91は、操作部9がサイドレール53に装着されたことを検出する。
【0051】
タクトスイッチ91がオンのとき、通信制御機能214は、操作部9との間の通信を開始又は許可する。また、電源供給機能215は、インターフェース6を介した操作部9への給電を開始又は許可する。一方で、タクトスイッチ91がオフのときには、操作部9がサイドレール53から離れていると判断することができるため、安全性を考慮して電源供給及び信号の送受信は行われない。
【0052】
なお、本実施形態ではタクトスイッチ91が設けられた操作部9を例示するが、これに限らない。タクトスイッチ91は、サイドレール53側に設けられていてもよいし、操作部9とサイドレール53との両側に設けられていても構わない。
【0053】
また、タクトスイッチ91に代えて、ひずみセンサなどを用いた接触センサを用いて操作部9がサイドレール53に装着されたことを検出する検出部を実現する構成としてもよい。
【0054】
なお、タクトスイッチ91などの操作部9がサイドレール53に装着されたことを検出する構成は必須ではなく、X線診断装置100に設けられていなくても構わない。
【0055】
以上説明したように、実施形態に係るX線診断装置100においては、寝台5のサイドレール53内に、操作部9と接続するための電極部63が設けられている。
【0056】
この構成によれば、術者や技師がCアームなどを操作するためのテーブルサイドコンソールを寝台5のサイドレール53に引っ掛けて配置する場合であっても、コンソールのケーブルが寝台5の下に垂れ下がることを抑制することができる。したがって、実施形態に係るX線診断装置100によれば、清潔性を向上し、かつ、ケーブルの取り回しの煩雑さを低減することができる。また、長いケーブルを使用することなく、コンソールの自由な設置を実現することができる。
【0057】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。図6は、第2の実施形態に係るサイドレール53における電極部65の配置の一例を示す図である。
【0058】
第1の実施形態では、操作部9がサイドレール53に設けられた電極部63に接触することにより、インターフェース6及び操作部9の間が電気的に接続される場合を例示したが、これに限らない。サイドレール53には、図6に示すように、給電及び信号の送受信が可能な非接触型の電極部65が設けられていてもよい。
【0059】
なお、非接触型の電極部65を用いた信号の送受信は、Bluetooth(登録商標)や赤外線などの任意の無線通信規格を用いて実施され得る。寝台5において、無線通信用のアンテナ回路は、例えば、サイドレール53や寝台5の支柱近傍に設けられていればよい。ここで、無線通信用のアンテナ回路は、操作部9と無線通信するための通信部の一例である。
【0060】
本実施形態に係るX線診断装置100によれば、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のうちの電極部65が設けられた位置の近傍に操作部9が装着された場合であっても、操作部9と電極部63との間を電気的に接続することができる。
【0061】
また、本実施形態に係るX線診断装置100では、非接触型の電極部65が利用されることから、電極部65の操作部9との接点がサイドレール53の外部に露出しない。このため、接点への汚れの付着による接触不良の発生を抑制できる。また、電極部65の接点に人体や器具などの導電体が接触してショートすることを抑制できる。また、ショート対策のための電極カバー55を不要とすることができるため、操作部9を移動させるたびに電極カバー55を着脱する必要がなく、操作者の手間を低減することができる。また、電極カバー55を不要とすることができるため、部品点数を低減して低コスト化を図ることもできる。
【0062】
また、本実施形態に係るX線診断装置100において、操作部9にバッテリーを搭載した場合、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のいずれの位置に装着しても、通信を伴う操作及び処理を行うことができる。
【0063】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。図7は、第3の実施形態に係る寝台5における給電部及び通信部の構成の一例を示す図である。
【0064】
第1の実施形態では、操作部9がサイドレール53の1つの所定位置に設けられた電極部63に接触することにより、インターフェース6及び操作部9の間が電気的に接続される場合を例示したが、これに限らない。サイドレール53には、図7に示すように、複数の電極部63が設けられていてもよい。
【0065】
本実施形態に係るX線診断装置100においては、図7に示すように、サイドレール53に沿った複数の位置に複数の電極部63が配置されている。これにより、操作部9は、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のうちのサイドレール53に沿った複数の位置それぞれでインターフェース6に電気的に接続可能である。
【0066】
このように、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置のうちのサイドレール53に沿った複数の電極部63の位置それぞれで操作部9をインターフェース6に電気的に接続可能であるため、操作部9の設置位置を自由に変えることができる。
【0067】
なお、本実施形態に係るX線診断装置100において、電極部63の数は、2つであってもよいし、4以上の複数であっても構わない。
【0068】
なお、本実施形態に係るX線診断装置100において、接触型の電極部63に限らず、非接触型の電極部65が利用されても構わない。
【0069】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。図8は、第4の実施形態に係る寝台5における給電部の構成の一例を示す図である。図9は、第4の実施形態に係るサイドレール53における電極部63a,63bの配置の一例を示す図である。
【0070】
第1の実施形態では、操作部9がサイドレール53の1つの所定位置に設けられた電極部63に接触することにより、インターフェース6及び操作部9の間が電気的に接続される場合を例示したが、これに限らない。サイドレール53には、図8に示すように、サイドレール53に沿って電極部63a,63bが設けられていてもよい。なお、以下の説明において、電極部63a,63bを総称して電極部63と記載する場合もある。
【0071】
本実施形態に係るX線診断装置100においては、図8に示すように、サイドレール53に沿って電極部63a,63bが配置されている。
【0072】
電極部63a,63bは、極性の異なる2つの電極部である。図8及び図9に示す例では、電極部63a,63bは、それぞれ、+側,-側の電極部である。+側の電極部63a,63bは、それぞれ、+側及び-側の接続ライン61a,61bを介して+側及び-側のインターフェース6a,6bに電気的に接続されている。
【0073】
したがって、サイドレール53により保持された操作部9は、極性の異なる2つの電極部63a,63bのそれぞれとの接触により、+側及び-側のインターフェース6a,6bと電気的に接続可能である。
【0074】
この構成によれば、サイドレール53により保持された操作部9は、サイドレール53に沿って変更可能な装着位置それぞれで、インターフェース6と電気的に接続可能であり、操作部9の設置位置を自由に変えることができる。
【0075】
なお、図9は、極性の異なる2つの電極部63a,63bがサイドレール53の同一の面(図9では下側(-z側)の面)に設けられている場合を例示するが、これに限らない。極性の異なる2つの電極部63a,63bは、サイドレール53の互いに異なる面に設けられていてもよい。一例として、極性の異なる2つの電極部63a,63bの一方はサイドレール53の上側(図9では+z側)に設けられ、他方はサイドレール53の下側(図9では-z側)に設けられる。別の一例として、極性の異なる2つの電極部63a,63bの一方はサイドレール53の上側(図9では+z側)又は下側(図9では-z側)に設けられ、他方はサイドレール53の外側(図9では-x側)又はサイドレール53の内側(図9では+x側)に設けられる。
【0076】
このように、極性の異なる2つの電極部63a,63bを離れて配置することにより、ショートを抑制することができる。
【0077】
なお、本実施形態に係るX線診断装置100においては、操作部9とインターフェース6との間の通信は、電極部63を介して行われてもよいし、無線通信により行われても構わない。
【0078】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第4の実施形態との相違点を説明する。図10は、第5の実施形態に係る寝台5における給電部の構成の一例を示す図である。
【0079】
第4の実施形態では、操作部9がサイドレール53に沿って設けられた電極部63に任意の位置で接触することにより、インターフェース6及び操作部9の間が電気的に接続される場合を例示したが、これに限らない。図10に示すように、非接触型の電極部65がサイドレール53に沿って設けられていてもよい。
【0080】
この構成によれば、第2の実施形態に係るX線診断装置100及び第4の実施形態に係るX線診断装置100と同様の効果が得られる。
【0081】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。
【0082】
第1の実施形態では、操作部9がサイドレール53に沿って設けられた電極部63に任意の位置で接触することにより、インターフェース6及び操作部9の間の電力供給及び通信が実現する場合を例示したが、これに限らない。操作部9及び電極部63の接触によりインターフェース6から操作部9へ給電するとともに、インターフェース6及び操作部9の間では無線通信が行われてもよい。
【0083】
この構成によれば、サイドレール53における接続ライン61の取り回し量を低減することができる。また、操作部9にバッテリーが搭載されている場合には、使用前後に電極部63への接触により給電されていればよく、電極部63の位置によらず操作部9をサイドレール53に装着して使用することができる。なお、本実施形態に係る技術は、上述の各実施形態に係るX線診断装置100に適用可能である。
【0084】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。図11は、第7の実施形態に係る寝台における給電部の構成の一例を示す図である。
【0085】
本実施形態に係る寝台5のサイドレール53には、可動式の電極部63が設けられている。なお、電極部63に代えて、可動式の非接触型の電極部65がサイドレール53に設けられていてもよい。可動式の電極部63は、サイドレール53に沿って移動可能に構成されている。
【0086】
可動式の電極部63とインターフェース6との間の接続ライン61は、図11に示すように、支持案内部材67を用いて格納されている。
【0087】
支持案内部材67には、本体内にケーブルなどを通す空間が設けられている。支持案内部材67は、電極部63が設けられたり、電極部63が設けられた部材に連結されたりする移動端と、インターフェース6側の固定端とを有し、移動端及び固定端の間で本体内に通したケーブルなどを支持案内する。支持案内部材67としては、例えばケーブルベア(登録商標)やフレキシブルチューブなどが適宜利用可能である。
【0088】
なお、支持案内部材67は、表面に凹凸や隙間が少ない構造を有する。これにより、支持案内部材67の清潔性や清掃性を向上させることができる。
【0089】
なお、支持案内部材67は、X線診断装置100の操作部9のケーブルだけでなく、他モダリティのユニットのケーブルを合わせて格納することができる。これにより、X線診断装置100とともに使用され得る他モダリティのケーブルについても、垂れ下がりを抑制することができる。
【0090】
このように、本実施形態に係るX線診断装置100においては、電極部63がサイドレール53に沿って移動可能に構成されるとともに、接続ライン61が支持案内部材67により保持されている。
【0091】
この構成であっても、サイドレール53により保持された操作部9は、サイドレール53に沿って変更可能な操作部9の装着位置のうちのサイドレール53に沿って移動された電極部63の位置それぞれで、電極部63に電気的に接続可能である。また、接続ライン61が支持案内部材67により保持されるため、ケーブルが寝台下に垂れ下がらないようにすることができる。
【0092】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第1の実施形態との相違点を説明する。図12は、第8の実施形態に係る寝台5における給電部の構成の一例を示す図である。
【0093】
本実施形態に係るテーブルサイドコンソールとしての操作部9は、図12に示すように、メインコンソールとしての操作部9aと、少なくとも1つのサブコンソールとしての操作部9b,9c,9dを含む。なお、以下の説明において、各操作部9a,9b,9c,9dを総称して操作部9と記載する場合もある。
【0094】
メインコンソールとしての操作部9aは、第1の実施形態に係る操作部9と同様であるとする。このとき、サブコンソールとしての操作部9b,9c,9dは、図12に示すように、それぞれ、ケーブルを用いて実現される接続ライン62a,62b,62cを介してサイドレール53により保持されたメインコンソールとしての操作部9aに電気的に接続されている。この場合、接続ライン62dは、後の説明のために例示しているケーブルであり、不要なケーブルである。
【0095】
なお、サブコンソールとしての操作部9dは、図12に示すように、ケーブルを用いて実現される接続ライン62dを介してサイドレール53により保持されたサブコンソールとしての操作部9cに電気的に接続されていてもよい。つまり、サブコンソールとしての操作部9b,9c,9dは、それぞれ他のサブコンソールを介してメインコンソールに接続されていてもよい。
【0096】
このように、操作部9は、複数のコンソールにより構成されていてもよい。また、メインコンソールとしての操作部9aは、インターフェース6との通信を担いつつ、サブコンソールとしての各操作部9b,9c,9dからの信号の中継を担っていてもよい。
【0097】
なお、サブコンソールとしての各操作部9b,9c,9dへの給電は、上述の各実施形態と同様にして、サイドレール53に設けられた電極部63,65から行われればよい。もちろん、各サブコンソールとしての操作部9b,9c,9dへの給電を、メインコンソールとしての操作部9aを介して行っても構わない。
【0098】
また、サブコンソールとしての各操作部9b,9c,9dは、それぞれメインコンソールとしての操作部9aを介さずに、無線通信によりインターフェース6と直接通信してもよいし、サイドレール53に設けられた電極部63,65を介してインターフェース6と直接通信してもよい。
【0099】
また、メインコンソールとしての操作部9aと、サブコンソールとしての各操作部9b,9c,9dとの間の通信を、無線通信により行うこともできる。この場合、ケーブルを用いて実現される接続ライン62a,62b,62c,62dは不要である。なお、ケーブルを用いて実現される接続ライン62a,62b,62c,62dによりメインコンソールなどと通信するように構成されたサブコンソールと、無線通信によりメインコンソールとしての操作部9aなどと通信するように構成されたサブコンソールとが混在していてもよい。
【0100】
なお、本実施形態に係る技術は、上述の各実施形態に係るX線診断装置100に対して適用可能である。
【0101】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態に係るX線診断装置100について説明する。ここでは、主に第3の実施形態との相違点を説明する。図13は、第9の実施形態に係る寝台5における、サイドレール53へのテーブルサイドコンソールとしての操作部9の取り付けの一例を示す図である。
【0102】
本実施形態に係るテーブルサイドコンソールとしての操作部9は、図13に示すように、メインコンソールとしての操作部9aと、少なくとも1つのサブコンソールとしての操作部9b,9cを含む。
【0103】
本実施形態に係るテーブルサイドコンソールとしての各操作部9は、図13に示すように、複数の電極部63,65のそれぞれに接続可能な同型のコネクタ93が先端に設けられ、他のケーブルと連結可能な連結部材69が設けられたケーブルを有する。図13に示す例では、操作部9aのケーブルの先端に設けられたコネクタ93aと、操作部9bのケーブルの先端に設けられたコネクタ93bと、操作部9cのケーブルの先端に設けられたコネクタ93cとは、同型のコネクタ93である。
【0104】
また、本実施形態に係るサイドレール53には、複数の電極部63,65にコネクタ93それぞれが接続可能なケーブル接続口が設けられている。換言すれば、本実施形態に係るサイドレール53には、複数の同型のケーブル接続口が設けられている。この構成によれば、各操作部9を、任意のケーブル接続口に接続することができる。
【0105】
また、各操作部9のケーブルには、一定間隔ごとに連結部材69が設けられている。連結部材69としては、例えば磁性体や面ファスナ、粘着テープなどが適宜利用可能である。
【0106】
このようにケーブルに連結部材を設けることにより、ケーブルを介してサイドレール53に各操作部9を接続する場合であっても、複数のケーブル同士をまとめることができる。したがって、本実施形態に係る技術によれば、ケーブルが寝台5の下に垂れ下がることを抑制することができる。
【0107】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ケーブルの取り回しの煩雑さを低減することができる。
【0108】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0109】
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
【0110】
(付記1)
操作部を着脱可能に保持する保持部材が設けられた寝台と、
前記保持部材に設けられた前記操作部に給電するための給電部と
を備え、
前記操作部は、前記保持部材に沿って装着位置を変更可能であり、
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能である、
X線診断装置。
【0111】
(付記2)
前記給電部は、前記保持部材に沿った複数の位置に配置される複数の電極部を有していてもよい。
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿って配置された前記複数の電極部の位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
【0112】
(付記3)
前記給電部は、前記保持部材に沿って配置される電極部を有していてもよい。
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
【0113】
(付記4)
前記保持部材により保持された前記操作部は、前記給電部の極性の異なる2つの電極部それぞれとの接触により前記給電部と電気的に接続可能であってもよい。
【0114】
(付記5)
前記給電部の極性の異なる2つの電極部それぞれは、前記保持部材の互いに異なる面に設けられていてもよい。
【0115】
(付記6)
前記保持部材により保持された前記操作部は、前記給電部の電極部との接触により前記給電部と電気的に接続可能であってもよい。
【0116】
(付記7)
前記保持部材により着脱可能に保持され、前記保持部材により保持された状態で前記給電部の電極部を覆うカバー部材をさらに備えていてもよい。
【0117】
(付記8)
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、非接触で電気的に接続可能であってもよい。
【0118】
(付記9)
前記保持部材又は前記操作部に設けられ、前記操作部が前記保持部材に装着されたことを検出する検出部をさらに備えていてもよい。
前記検出部により前記操作部の前記保持部材への装着が検出されたとき、前記給電部により前記操作部への給電を開始する給電制御部をさらに備えていてもよい。
【0119】
(付記10)
前記給電部は、前記保持部材に沿って移動可能に構成された電極部を有していてもよい。
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿って移動された前記電極部の位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
【0120】
(付記11)
前記給電部の電極部とともに設けられ、前記操作部と通信するための通信部をさらに備えていてもよい。
前記通信部と、前記保持部材により保持された前記操作部とは、前記保持部材に沿って変更可能な前記操作部の装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
【0121】
(付記12)
前記操作部と無線通信するための通信部をさらに備えていてもよい。
【0122】
(付記13)
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも1つのサブコンソールとを有していてもよい。
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、前記保持部材に沿って変更可能な前記メインコンソールの装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
前記保持部材により保持された前記少なくとも1つのサブコンソールと、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、ケーブルを介して電気的に接続されていてもよい。
【0123】
(付記14)
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも2つのサブコンソールとを有していてもよい。
前記給電部と、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、前記保持部材に沿って変更可能な前記メインコンソールの装着位置のうちの前記保持部材に沿った複数の位置それぞれで電気的に接続可能であってもよい。
前記保持部材により保持された前記少なくとも2つのサブコンソールのうちの少なくとも1つのサブコンソールと、前記保持部材により保持された前記メインコンソールとは、ケーブルを介して電気的に接続されていてもよい。
前記保持部材により保持された前記少なくとも2つのサブコンソールのうちのいずれか1つのサブコンソールは、他のサブコンソールにケーブルを介して電気的に接続され、前記他のサブコンソールを介して前記保持部材により保持された前記メインコンソールと電気的に接続されていてもよい。
【0124】
(付記15)
前記操作部は、メインコンソールと、少なくとも1つのサブコンソールとを有していてもよい。
前記メインコンソール及び前記少なくとも1つのサブコンソールのそれぞれは、前記複数の電極部に接続可能な同型のコネクタが先端に設けられ、他のケーブルと連結可能な連結部材が設けられたケーブルを有していてもよい。
【符号の説明】
【0125】
3 撮像部
5 寝台
6,6a,6b インターフェース
7 駆動部
9,9a,9b,9c 操作部
10 コンソール装置
11 X線高電圧装置
13 X線管
15 X線絞り
17 X線検出器
19 保持装置
21 処理回路
23 記憶回路
25 表示部
27 入力インターフェース
51 支持部
53 サイドレール
55 電極カバー
61,61a,61b,62a,62b,62c,62d 接続ライン
63,63a,63b,65 電極部
67 支持案内部材
69 連結部材
71 撮像系移動駆動部
73 天板移動駆動部
90a 上側取付部
90b 下側取付部
91 タクトスイッチ
93a,93b,93c コネクタ
100 X線診断装置
211 動作制御機能
212 画像生成機能
213 接続検出機能
214 通信制御機能
215 電源供給機能
251 ディスプレイ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13