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特開2023-81131ルーバー材、その施工方法及びルーバー構造
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081131
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ルーバー材、その施工方法及びルーバー構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 9/36 20060101AFI20230602BHJP
   E04F 13/08 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
E04B9/36 100
E04F13/08 E
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194850
(22)【出願日】2021-11-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593123683
【氏名又は名称】株式会社オクジュー
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】熊本 辰視
(72)【発明者】
【氏名】伊賀 広之
【テーマコード(参考)】
2E110
【Fターム(参考)】
2E110AA42
2E110AB03
2E110AB04
2E110AB23
2E110CA08
2E110CA12
2E110DC12
2E110DC21
2E110DC23
2E110DC36
2E110EA01
2E110GB01Z
2E110GB06Z
2E110GB11W
2E110GB12W
2E110GB42Z
2E110GB53Z
(57)【要約】
【課題】建物の天井部に施工されるルーバー材Lの高さや幅が異なっても、そのルーバー材Lを低コストで容易に製造でき、ルーバー材Lの施工や位置調整を容易にする。
【解決手段】ルーバー材Lは、建物の天井部のストリンガー31に着脱可能に固定される固定部9を基端側に有する芯材1と、この芯材1に芯材1の先端側から被さった状態で接着剤Aにより一体的に貼り付けられた断面コ字状の化粧材20とを備えている。芯材1は、互いに対向した状態に配置された1対の側壁部2を有する一方、化粧材20の内面には、芯材1の側壁部2外面に上記接着剤Aにより接着される接着部23が設けられ、この側壁部2に、接着剤Aを溜めるための凹部24が形成されている。また、芯材1に、化粧材20の開口側端面に当接して化粧材20を芯材1に対し位置決めする張り出し部12が設けられている。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の天井部又は壁部にルーバー構造を形成するために下地材に着脱可能に施工されるルーバー材であって、
上記下地材に着脱可能に固定される固定部を基端側に有する芯材と、該芯材に、芯材の先端側から被さった状態で一体的に固定された断面コ字状の化粧材とを備え、
上記芯材は、互いに対向した状態に配置された1対の側壁部を有し、
上記化粧材の内面と上記芯材の側壁部外面とが固定されていることを特徴とするルーバー材。
【請求項2】
請求項1のルーバー材において、
芯材に、化粧材の開口側端面に当接して化粧材を芯材に対し位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とするルーバー材。
【請求項3】
請求項1又は2のルーバー材において、
芯材の側壁部外面に化粧材の内面が接着剤により貼り付けられて固定されていることを特徴とするルーバー材。
【請求項4】
請求項3のルーバー材において、
化粧材内面に、接着剤を溜めるための凹部が形成されていることを特徴とするルーバー材。
【請求項5】
請求項3又は4のルーバー材において、
接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とするルーバー材。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つのルーバー材において、
化粧材は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであることを特徴とするルーバー材。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1つのルーバー材において、
化粧部材が不燃材料からなることを特徴とするルーバー材。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1つのルーバー材が建物の天井部又は壁部の下地材に施工されていることを特徴とするルーバー構造。
【請求項9】
請求項1~7のいずれか1つのルーバー材を施工する方法であって、
芯材に化粧材を被せて固定することで、芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材を形成する工程と、
上記芯材を固定部により下地材に固定する工程とを有することを特徴とするルーバー材の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーバー材、その施工方法及びルーバー構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のルーバー材は、建物の天井部や壁部に施工されてルーバー天井やルーバー壁として利用される。例えば特許文献1に示されているように、天井ルーバーとしての複数本のルーバー材を、天井部に吊り下げられたストリンガーに対しそれと直交するように配置し、各ルーバー材を上端部でストリンガーにボルトで固定することにより、天井部を透かし構造としたものが知られている。
【0003】
また、本願の出願人は、先に、特許文献2に示されるルーバー材(化粧リブ材)を提案している。このルーバー材は、合板等の断面コ字状の中芯部材と、同形状の化粧部材とを組み合わせたものであり、中芯部材はその底部にて天井部又は壁部の下地材にビス留めされて下地材と反対側に開口する一方、この中芯部材に化粧部材が開口側から被さり、化粧部材は、側部内面にて中芯部材の側壁部外面と接着され、かつ化粧部材の側部を貫通する釘により中芯部材の側壁部に固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5920715号公報
【特許文献2】特開2020-159158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献2のものでは、中芯部材を下地材にビス留めした後、その中芯部材に化粧部材を被せて釘留めすることでルーバー材を形成するようにしており、天井部のルーバー構造の場合、ルーバー材の中芯部材を下地材(野縁)に下からビス留めする必要があり、そのビス留めによる施工が面倒になる。
【0006】
しかも、ビス留めの構造であるので、ルーバー材の位置を僅かであっても変更するときには、ビスを外さないと取り外しや移動ができず、さらには、取り外した後に下地材にビス穴が残るので、ビス穴が重なると、位置変更に制限がかかり、これらにより施工後の微調整が困難になる。しかも、ビス穴の跡が多くなると、下地材の強度を弱めることになるので、何度も位置変更ができない。
【0007】
また、施工上、中芯部材を下地材に固定した後に化粧部材を施工するので、作業が面倒になる。これらの問題があることから、改良の余地があった。
【0008】
これに対し、特許文献1に示されるルーバー材はそれ自体で完成品であり、下地材としてのストリンガーにボルトにより固定するので、特許文献2のルーバー材に比べ、施工は容易となり、位置調整も簡単である。
【0009】
しかし、その反面、特許文献1のルーバー材は、1つの部材そのもので構成されていることから、ルーバー材の高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとすると、高さや幅が異なる多種類のルーバー材が必要になる。特に、ルーバー材を押出成形材で形成するときには、複数の種類毎に押出し成形用の金型を用意せねばならず、製造の費用やコストが増大するのが避けられないことになる。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ルーバー材の構造に工夫を加えることにより、高さや幅の異なるルーバー材であっても、低コストで容易に製造でき、ルーバー材の施工や位置調整も容易にできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明では、下地材に着脱可能に固定される芯材を用い、その芯材に芯材とは別体の化粧材を固定一体化して、ルーバー材とするようにした。
【0012】
具体的には、第1の発明は、建物の天井部又は壁部にルーバー構造を形成するために下地材に着脱可能に施工されるルーバー材であって、このルーバー材は、上記下地材に着脱可能に固定される固定部を基端側に有する芯材と、この芯材に、芯材の先端側から被さった状態で一体的に固定された断面コ字状の化粧材とを備えている。そして、上記芯材は、互いに対向した状態に配置された1対の側壁部を有し、上記化粧材の内面と上記芯材の側壁部外面とが固定されていることを特徴とする。
【0013】
この第1の発明では、ルーバー材は、芯材と、その芯材に被さった状態で固定された化粧材とが一体化されたものであり、芯材の固定部において天井部や壁部の下地材に着脱可能に固定される。そのため、ルーバー材の施工時には、そのうちの芯材を固定部で下地材に固定するだけでよく、従来のようなビス留め作業は不要となり、ルーバー材の施工を容易に行うことができる。しかも、予め芯材と化粧材とを固定して一体化しておくことで、施工現場で、芯材を下地材へ固定し、その下地材へ化粧材を固定するという二度手間が不要となり、施工の作業が簡易になる。
【0014】
また、ルーバー材はその芯材の固定部にて下地材に着脱可能に固定される構造であるので、ルーバー材の位置を変更するときには、固定部での固定を緩めて位置を変えるだけでよく、その微調整を制限なく容易に行うことができる。しかも、ビス留めのように下地材にビス穴が残ることはなく、下地材の強度低下を招くこともない。
【0015】
そして、ルーバー材は、芯材と化粧材との2つの部材で形成されているので、芯材には下地材への固定の役割を持たせ、化粧材には化粧の役割を持たすことができる。そのため、ルーバー材の高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとする場合、芯材の形状は一定にして、化粧材のみを高さや幅が異なる多種類のものにすれば済み、押出成形材を用いるときのように複数種類の金型を用意する必要はなく、ルーバー材を製造費や製造コストを低減することができる。
【0016】
第2の発明は、第1の発明のルーバー材において、芯材に、化粧材の開口側端面に当接して化粧材を芯材に対し位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
この第2の発明では、芯材に化粧材を被せて固定一体化するとき、被さった状態の芯材の開口側端面を芯材の位置決め部に当接させることで、化粧材が芯材に対し位置決めされる。このことで、芯材と化粧材との2部材のルーバー材であっても、その化粧材の位置決めが容易になり、製造時や施工時の作業性が向上する。
【0018】
第3の発明は、第1又は第2の発明のルーバー材において、芯材の側壁部外面に化粧材の内面が接着剤により貼り付けられて固定されていることを特徴とする。
【0019】
この第3の発明では、芯材に被さった化粧材は芯材に対し接着剤により固定一体化されているので、化粧材に釘留めの跡は生じることはなく、ルーバー材の意匠性を高めることができる。
【0020】
第4の発明は、第3の発明のルーバー材において、化粧材内面に、接着剤を溜めるための凹部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
この第4の発明では、化粧材内面に凹部が形成され、この凹部に、化粧材を芯材に固定するための接着剤が溜められている。こうして接着剤が凹部に溜められることで、化粧材内面と芯材の側壁部外面との間に配置される接着剤が多量に確保されて、その接着剤の厚さが厚くなり、そのアンカー効果も得られて接着強度を高めることができる。
【0022】
第5の発明は、第3又は第4の発明のルーバー材において、接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とする。
【0023】
この第5の発明では、化粧材内面と芯材の側壁部外面との間に配置される接着剤が弾性接着剤であるので、仮に化粧材と芯材との間で寸法変化の差が生じても、それは接着剤で吸収されるようになり、両者の接着状態を安定して維持することができる。
【0024】
第6の発明は、第1~第5の発明のいずれか1つのルーバー材において、化粧材は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであることを特徴とする。
【0025】
この第6の発明では、細長い板状体が、その長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられて化粧材が形成されている。そのため、例えば接着剤を用いる場合、化粧材が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに接着剤を塗布し、その接着剤が塗布された板状体を折り曲げながら芯材に被せて固定することで、化粧材と芯材とを一体化してルーバー材を形成することができる。こうしてルーバー材の製造を容易に行うことができる。
【0026】
第7の発明は、第1~第6の発明のいずれか1つのルーバー材において、化粧部材が不燃材料からなることを特徴とする。こうすると、不燃材料の化粧材を使用することにより不燃性ルーバー材を容易に得ることができる。
【0027】
第8の発明はルーバー構造に係り、このルーバー構造は、第1~第7の発明のいずれか1つのルーバー材が建物の天井部又は壁部の下地材に施工されていることを特徴とする。この発明でも第1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】
第9の発明は、第1~第7の発明のいずれか1つのルーバー材の施工する方法であって、芯材に化粧材を被せて固定することで、芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材を形成する工程と、上記芯材を固定部により下地材に固定する工程とを有することを特徴とする。
【0029】
この第9の発明では、芯材に化粧材が被されてそれらが固定され、このことで芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材が形成される。一方、このルーバー材は芯材がその固定部により下地材に固定される。2つの工程を組み合わせることにより、ルーバー構造が施工される。その場合、予め芯材に化粧材を固定してルーバー材にしておくことにより、施工現場ではルーバー材を下地材に固定するだけでよく、施工時の作業性を高めることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明した如く、本発明によると、ルーバー材を、下地材に着脱可能に固定される芯材と、その芯材に被せられる化粧材とを備えた構成とし、芯材及び化粧材は、芯材の側壁部外面と化粧材内面との間で一体的に固定されるようにした。このことで、ルーバー材の下地材に対するビス留めが不要で、その位置調整を容易に行うことができるとともに、施工も容易となり、ルーバー材の施工性を高めることができる。それだけでなく、高さや幅の異なるルーバー材であっても、化粧材のみの変更によって低コストで容易に製造でき、意匠性の優れたルーバー構造の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の実施形態に係るルーバー材の断面図である。
図2図2は、ルーバー材の要部の拡大断面図である。
図3図3は、ルーバー材の分解斜視図である。
図4図4は、ルーバー材の平面図である。
図5図5は、ルーバー材の側面図である。
図6図6は、ルーバー材に固定ボルト及びナットを取り付けた図1相当図である。
図7図7は、芯材の断面図である。
図8図8は、化粧材の断面図である。
図9図9は、化粧材が展開されているときに接着剤の塗布状態を示す断面図である。
図10図10は、ルーバー天井を下側から見て示す平面図である。
図11図11は、ルーバー天井の正面図である。
図12図12は、ルーバー天井の側面図である。
図13図13は、ストリンガーの正面図である。
図14図14は、ストリンガーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0033】
図1図5は本発明の実施形態に係るルーバー材Lを示す。このルーバー材Lは、図10図12に示すように、例えば建物の天井部の下地材としてのストリンガー31,31,…(天井野縁)の下側にルーバー構造を形成するために、その各ストリンガー31に対し着脱可能に施工される。
【0034】
図13及び図14に示すように、上記ストリンガー31は、上下の水平部31a,31bの幅方向一端部同士を垂直部31cで接続した断面略L字状の例えば鉄等の金属製長尺材からなる。図11及び図12に示すように、建物内の空間の天井部から吊りボルト35,35,…が垂下し、その各吊りボルト35の下端部に、略L字状に折り曲げられたハンガー38が高さ位置調整可能に支持されており、ストリンガー31は、長さ方向の端部や中間部で、このハンガー38内に配置されてその底部に載置され、かつハンガー38のネジ孔33(図13参照)に螺合締結されるネジボルト40により上方に抜け出し不能に支持されている。このことでストリンガー31が天井部から吊り下げられている。
【0035】
ストリンガー31の下側水平部31bには、その下側水平部31bの一部を垂直部31cと反対側の他端縁部から垂直部31c近くまで有底溝状に切り欠いた複数のU字溝32,32,…が等間隔(例えば100mm)を空けて形成され、このU字溝32の位置に上記ルーバー材Lが配置されるようになっている。
【0036】
図1図5に示すように、ルーバー材Lは、上記ストリンガー31(下地材)に着脱可能に固定される芯材1と、この芯材1に、芯材1の先端側(図7で下側)から被さった状態で接着剤Aにより一体的に貼り付けられた断面コ字状の化粧材20とを備え、図4に示すように、化粧材20の長さは芯材1よりも少し長くなっており、化粧材20の両端部が芯材1から突出している。
【0037】
尚、芯材1と化粧材20との固定は、上記のように接着剤Aで貼り付けることが好ましいが、その他に両面テープ等を使用することもできる。また、化粧材20の表面に跡が見えるようになるが、フィニッシュネイル等の釘やビスを用いることもできる。
【0038】
芯材1は金属や樹脂等の長尺材で、この実施形態ではアルミニウムの押出成形材からなっている。図7に示すように、芯材1は断面矩形の角筒状のものであり、水平幅方向に互いに対向した状態に配置された1対の側壁部2,2と、両側壁部2,2の図7上端にある基端部同士を接続する上壁部3と、側壁部2の図7下端にある先端部同士を接続する下壁部4とを有し、その上下高さ(図7で上下寸法)は幅(図7で左右寸法)よりも大きくなっている。
【0039】
芯材1の基端側にある上壁部3において、その幅方向の中央には、上壁部3を貫通するスリット状のボルト挿通溝6が芯材1の長さ方向の全体に亘り連続して延びるように形成されている。また、芯材1の上下中間部には芯材1内を上下2つの空間に区画する隔壁部7が形成され、この隔壁部7上側の空間はボルト収容部8となっている。そして、図6に示すように、ボルト収容部8に固定ボルトBの頭部B1を芯材1の長さ方向端部から挿入して収容し、その固定ボルトBの軸部B2をボルト挿通溝6から芯材1上側に突出させ、その突出部分を上記ストリンガー31の下側水平部31bにおけるU字溝32に挿通させ、そのU字溝32を挿通した上端部にナットNを螺合して、ボルトBの頭部B1とナットNとの間に芯材1の上壁部3とストリンガー31の下側水平部31bとを挟み込むことで、ルーバー材Lの芯材1をストリンガー31の下側水平部31bに固定するようにしている。一方、ナットNを緩めて、ボルトBの軸部B2をU字溝32の開口から脱出させることで、ルーバー材Lの芯材1がストリンガー31の下側水平部31bから取り外されるようになっている。よって、本実施形態では、上記ボルト挿通溝6及びボルト収容部8により、上記ストリンガー31に着脱可能に固定される固定部9が構成され、芯材1は固定部9を基端側に有する。
【0040】
尚、図1及び図7に示すように、芯材1のボルト収容部8における側壁部2,2の内面には、ボルト収容部8に向かって突出する突条10,10が芯材1の長さ方向に亘って形成され、この突条10,10間の間隔は上記固定ボルトBの頭部B1の最小寸法よりも若干大に形成されており、突条10,10によりボルト収容部8内でボルトBが回転不能に回り止めされている。また、図6中、WはナットNと芯材1の上壁部3との間に介在されるワッシャ(座金)である。
【0041】
芯材1の基端側(図7で上側)の上壁部3には、上壁部3を延長するように他の部分よりも幅方向に少しだけ張り出した位置決め部としての上側張り出し部12,12(基端側張り出し部)が、また先端側(図7で下側)の下壁部4には、同様に下壁部4を延長するように幅方向に少しだけ張り出した下側張り出し部13,13(先端側張り出し部)がそれぞれ一体に突設され、上側各張り出し部12の張り出し寸法は各下側張り出し部13よりも少し大きくなっている。
【0042】
このように、上側張り出し部12,12を大きく張り出させることで、ルーバー材Lのストリンガー31(下地材)に対する固定時に、芯材1を上側張り出し部12,12にてストリンガー31と広い面積で密着させ、ルーバー材Lがストリンガー31に対してぐらつかないようにしている。
【0043】
一方、図8に示すように、上記化粧材20は、一側(上側)に開口する断面コ字状のものであり、板状の正面部20aと、この正面部20aの幅方向両端部から互いに同じ向きの上側に平行に同じ寸法だけ延びる板状の1対の側部20b,20bとを有し、これらは例えば火山性ガラス質複層板やその他の無機材料等の不燃材料からなっている。この化粧材20は、図9に示すように、長尺状の板状体の幅方向中間部に長さ方向に延びる複数の切欠きからなる折曲げ部21,21,…を形成し、その折曲げ部21(切欠き)に沿って直角に折り曲げて断面コ字状としたものであり、詳細な構造については本願の出願人が既に出願している(特開2019-085719号公報参照)。
【0044】
化粧材20の両側部20b,20b内面(後述する接着部23)間の距離は、芯材1の側壁部2,2外面間の距離よりも一定の小寸法だけ大きい。また、化粧材20の内底面である正面部20a内面から側部20b基端面(化粧材20の開口側の端面)までの距離は、芯材1において各側壁部2外面の図1で上下方向の幅よりも遙かに大きくなっている。上記化粧材20の正面部20a内面から側部20b基端面までの距離は、一定の高さ位置にある上記ストリンガー31からのルーバー材Lの高さ位置に係るものであり、芯材1の高さ位置はストリンガー31と同様に一定であるのに対し、当該距離を変えることでルーバー材Lの高さ位置が変化する。ルーバー材Lの高さ位置を高くするときには、当該距離の小さい化粧材20を、またルーバー材Lの高さ位置を低くするときには、当該距離の大きい化粧材20をそれぞれ用意する。そのため、当該距離は芯材1の側壁部21b外面の幅と同じかそれよりも大きくなっていればよい。
【0045】
化粧材20の両側部20b,20bの内面には、上記芯材1の側壁部2外面に上記接着剤Aにより接着される接着部23が形成されている。この接着部23は、化粧材20が芯材1に被せられたときに芯材1の上側張り出し部12と下側張り出し部13とに挟まれる範囲(領域)であり、接着部23に塗布された接着剤Aが接着部23以外に移動しようとしても、芯材1の上側及び下側張り出し部12,13がストッパとなってその移動が阻止される。このことで接着剤Aを接着部23に保持できるようにしている。
【0046】
図9に示すように、化粧材20が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに、この両方の接着部23,23に接着剤Aを塗布し、その接着剤Aの塗布状態の化粧材20を展開状態から閉じて断面コ字状にしながら、開口側から芯材1に先端側から被せ、化粧材20をその開口側の端面が芯材1の位置決め部としての上側張り出し部12に当接するまで少し移動させることで、接着部23と芯材1の側壁部2外面との間で接着剤Aを面方向に拡げて一定厚さ(例えば0.5~2mm)の接着剤Aの層を形成するようにしている。すなわち、芯材1の上側張り出し部12は、化粧材20の開口側の端面と当接することで、化粧材20を芯材1に対し位置決めする位置決め部となっている。
【0047】
上記接着剤Aは、変成シリコン系等の弾性接着剤を用いることが望ましい。芯材1が例えばアルミニウムの押出成形材であり、化粧材20が火山性ガラス質複層板や他の無機材料等の不燃材料であると、両者の材料の違いによる膨張率が異なり、それによって相対的な動きが生じる可能性があるが、そのときに動きの差(寸法変化の差)を吸収できるようにするためである。
【0048】
さらに、図2に拡大して示すように、化粧材20の各側部20b内面の接着部23には、化粧材20の長さ方向の全体に亘って延びる1条の溝状の凹部24が形成されており、この凹部24内に上記接着剤Aの一部を溜めるようにしている。溝状の凹部24は、例えば深さが1mm程度、幅が5mm程度である。溝状の凹部24は複数条を平行状態や交差状態に形成してもよい。また、この凹部24は、化粧材20の長さ方向の全体に亘り形成されていなくてもよく、断続して形成されていてもよい。また、溝形状に限定されず、溝形状以外の凹部24であってもよい。要は、接着部23に位置する接着剤Aを溜めるような形状であればよい。そして、凹部24は、余分な接着剤Aを溜めるとともに、接着剤Aのアンカー効果をも発現する。
【0049】
また、化粧材20の各側部20b内面において、接着部23よりも先端側には、化粧材20の長さ方向に延びる1条の凹溝部26が化粧材20の長さ方向の全体に亘り形成されている。この凹溝部26に、上記芯材1の下側張り出し部13が収容されている。凹溝部26の溝幅は下側張り出し部13の厚さよりも大きく、凹溝部26内に下側張り出し部13が隙間を空けて収容されている。この構造においても、芯材1と化粧材20との材料の違いによる膨張率の差によって相対的な動きが生じたときに、動きの差(寸法変化の差)を凹溝部26と下側張り出し部13との隙間によって吸収できるようにしている。それとともに、接着剤Aが硬化するまでの間、化粧材20が芯材1に大きく位置ずれして落下したりしないように固定する効果、さらには、化粧材20の芯材1への接着状態で、万が一、接着剤Aの劣化等によりその接着効果が無くなった場合でも、下側張り出し部13が突起として凹溝部26に引掛かることで化粧材20の脱落を防止し、ルーバー材Lを長期間に亘り安定して保持する効果がある。
【0050】
尚、図4及び図5に示すように、ルーバー材Lの長さ方向の両端部には、その芯材1及び化粧材20の端部の開口を同時に塞ぐ木口キャップ29,29が嵌合されて固定されている。
【0051】
次に、以上の構成のルーバー材Lを用いてルーバー構造の天井を施工する方法について説明する。例えば図10図12に示すように、予め、天井部には、吊りボルト35及びハンガー38によって複数本のストリンガー31,31,…が互いに平行に並べられて吊り下げられている。そして、ルーバー材Lの施工の際には、それらのストリンガー31,31,…の間に亘り、複数本のルーバー材L,L,…をストリンガー31と直交するように架け渡して固定する。
【0052】
望ましい方法としては、最初に、芯材1に化粧材20を接着剤Aにより固定して一体化することで、それら芯材1と化粧材20とが一体化されたルーバー材Lを形成する。その後、ルーバー材Lを芯材1の固定部9(ボルト挿通溝6及びボルト収容部8)において固定ポルトB及びナットNによりストリンガー31に固定する。
【0053】
具体的には、図9に示すように、化粧材20は断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にし、その板状体において化粧材20の側部20b,20b内面の接着部23に相当する部分に接着剤Aを塗布する。図9では、化粧材20の各側部20b内面に1箇所だけ接着剤Aを塗布している状態を示しているが、複数個所に塗布してもよく、塗布方法は限定されないが、凹部24やその近傍に塗布すれば、確実にアンカー効果を発現できる。
【0054】
その後、その接着剤Aの塗布状態の化粧材20の板状体を折曲げ部21,21,…で折り曲げて断面コ字状に閉じながら、その開口側から芯材1に先端側から被せ、そのときに化粧材20の側部20b内面の凹溝部26に芯材1の下側張り出し部13を収容する。この被せられた状態の化粧材20を芯材1に対し少し相対移動させ、化粧材20の開口側の端面を芯材1の位置決め部としての上側張り出し部12に当接させる。このような相対移動により、接着部23と芯材1の側壁部2外面との間で上記接着剤Aが面方向に拡がり、その接着剤Aは一定厚さ(例えば0.5~2mm)の層が形成される。こうして芯材1に化粧材20が接着されて一体化され、ルーバー材Lが形成される。
【0055】
そのとき、芯材1に上側張り出し部12が形成されているので、化粧材20を芯材1に位置決めする際に、この張り出し部12に化粧材20の開口側の端面を当接させるだけで、上側張り出し部12が位置決め部となり、その位置決め部により化粧材20を芯材1に対し容易に位置決めすることができる。つまり、ルーバー材Lが芯材1と化粧材20との2部材であっても、その化粧材20の位置決めが容易になり、このことで、ルーバー材Lの製造時等での作業性を向上させることができる。
【0056】
また、上記化粧材20の接着部23に凹部24が形成されているので、この凹部24が接着剤溜まりとして機能して接着剤Aが溜まるようになり、接着剤Aの層が安定して形成される。
【0057】
ここまでのルーバー材Lの形成は、施工現場で行ってもよいが、製造工場で行うのが好ましい。
【0058】
こうして芯材1に化粧材20が一体化されたルーバー材Lが形成されると、例えば施工現場において、図6に示すように、そのルーバー材Lの芯材1のボルト収容部8に複数の固定ボルトB,B,…の各頭部B1を芯材1(ルーバー材L)の長さ方向端部から挿入して収容し、各固定ボルトBの軸部B2を上壁部3のボルト挿通溝6から芯材1上側に突出させ、その突出した軸部B2にワッシャWを介してナットNを螺合する。そのとき、固定ボルトB、それに螺合されるナットN、ワッシャWの数は、各ルーバー材Lが取り付けられるストリンガー31の数であり、例えば1本のルーバー材Lが2本のストリンガー31,31に亘って固定される場合は2つである。図10に示すように、各ルーバー材Lが4本のストリンガー31,31,…に亘って固定される場合は、4つの固定ボルトB、ナットN及びワッシャWが用いられる。
【0059】
ナットNが螺合された固定ボルトBの軸部B2のうち、ワッシャW(ナットN)と芯材1の上壁部3との間の部分を各ストリンガー31の下側水平部31bにおけるU字溝32にその開口側から嵌入して挿通させ、その後、ナットNを螺合締結してボルトBの頭部B1とワッシャW(ナットN)との間に芯材1の上壁部3とストリンガー31の下側水平部31bとを挟み込む。このことで、各ルーバー材Lの芯材1がストリンガー31の下部に固定される。この複数のルーバー材L,L,…によってルーバー構造の天井部が形成される。
【0060】
ストリンガー31に対するルーバー材Lの位置を調整等のために変えるときには、ナットNを緩めて、ルーバー材LでのボルトBの位置をずらし、正しい位置になった後にナットNを締結してルーバー材Lをストリンガー31に固定すればよい。固定ボルトBをU字溝32の開口から脱出させると、ルーバー材Lをストリンガー31から取り外すことができる。
【0061】
予めナットNをボルトBに螺合せず、ボルトBの軸部B2をU字溝32に挿通させた後に軸部B2にワッシャWを介してナットNを螺合するようにしてもよい。この方法は、ストリンガー31の下側水平部31bにU字溝32ではなく、貫通孔が形成されている場合に採用することができるが、U字溝32の場合には必須の方法ではない。
【0062】
尚、上記方法のように、最初にルーバー材Lを形成せず、芯材1をストリンガー31に固定した後、その芯材1に化粧材20を接着固定して、ルーバー材Lを形成する方法も採用できる。しかし、施工現場で化粧材20に接着剤Aを塗布して、その化粧材20を芯材1に接着固定する必要があり、その作業が面倒となる。これに対し、先に芯材1に化粧材20を接着固定してルーバー材Lを形成しておく方法では、その接着の工程をルーバー材Lの製造工場で行うことができ、施工現場での作業が簡易になって有利である。
【0063】
したがって、この実施形態においては、ルーバー材Lは、芯材1と、その芯材1に被さった状態で接着固定された化粧材20とが一体化されたものであり、芯材1のボルト収容部8に頭部B1が収容された固定ボルトBと、そのボルトBの軸部B2に螺合されたナットNとによって天井部のストリンガー31(下地材)に着脱可能に固定される。そのため、ルーバー材Lの施工時には、芯材1に化粧材20が固定一体化されたルーバー材Lのうち、芯材1を固定ボルトB及びナットNによりストリンガー31に固定するだけで、ルーバー材Lを施工することができ、従来のようなビス留めする作業は不要となり、ルーバー材Lの施工を容易に行うことができる。しかも、上記のように、予め芯材1と化粧材20とを固定一体化してルーバー材Lにしておけば、施工現場で、芯材1をストリンガー31へ固定し、そのストリンガー31へ化粧材20を固定するという二度手間が不要となり、施工の作業が簡易になる。
【0064】
また、芯材1は、該芯材1に頭部B1が収容された固定ボルトBと、そのボルトBに螺合されるナットNとにより、ストリンガー31のU字溝32に着脱可能に締結固定される構造であるので、ルーバー材Lの長さ方向に沿った位置を変更するときには、ボルトB及びナットNによる締結を緩めて位置を変え、その位置の調整後に再度ナットNをボルトBに締結するだけでよく、その微調整を制限なく容易に行うことができる。しかも、ビス留めのようにストリンガー31にビス穴が残ることはなく、ストリンガー31の強度低下を招くこともない。
【0065】
さらに、ルーバー材Lの芯材1に被さった化粧材20は芯材1に対し接着剤Aにより固定一体化されているので、釘留めにより固定する構造のように、化粧材20に釘留めの跡は生じず、このことでルーバー材Lの意匠性を高めることができる。
【0066】
そして、ルーバー材Lは、芯材1と化粧材20との2つの部材で形成されているので、芯材1にはストリンガー31(下地材)への固定の役割を持たせ、化粧材20には化粧の役割を持たすことができる。そのため、ルーバー材Lの高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとする場合、芯材1の形状は一定にして、化粧材20のみを高さや幅が異なる多種類のものにすれば済むこととなる。すなわち、押出成形材のルーバー材を用いるときのように複数種類の金型を用意する必要はなく、ルーバー材Lを製造費や製造コストを低減することができる。
【0067】
上記ルーバー材Lにおいては、化粧材20の各側部20b内面の接着部23に、接着剤Aを溜めるための凹部24が形成されているので、この凹部24に、化粧材20を芯材1に固定するための接着剤Aが溜められる。こうして接着剤Aが凹部24に溜められることで、化粧材20内面の接着部23と芯材1の側壁部2外面との間に配置される接着剤Aが多量に確保され、その接着剤Aの層の厚さが厚くなり、アンカー効果により接着強度を高めることができる。
【0068】
しかも、上記化粧材20の側部20b内面の接着部23と、芯材1の側壁部2外面との間に配置される接着剤Aが弾性接着剤であれば、仮に化粧材20と芯材1との材料の違いにより両者の間で寸法変化の差が生じても、それは接着剤Aで吸収されるようになり、両者の接着状態を安定して維持することができる。
【0069】
また、ルーバー材Lの化粧材20は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部21,21,…に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであるので、化粧材20が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに接着剤Aを塗布し、上記のように、その接着剤Aが塗布された板状体を折り曲げながら芯材1に被せて固定することで、化粧材20と芯材1とを一体化してルーバー材Lを形成することができる。このことによって、ルーバー材Lの製造を容易に行うことができる。
【0070】
そして、ルーバー材Lの化粧材20は不燃材料であるので、この不燃材料の化粧材20によりルーバー材Lは不燃性ルーバー材となり、不燃性ルーバー材による不燃構造のルーバー天井を容易に得ることができる。
【0071】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、ルーバー材Lにおける化粧材20を火山性ガラス質複層板等の不燃材料により形成しているが、ルーバー構造に不燃性が要求されない場合は、化粧材20を不燃材料ではない材料、例えばMDF等の木質材により形成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、建物の天井部におけるストリンガー31,31,…(下地材)に複数のルーバー材L,L,…を固定して、ルーバー構造の天井部(ルーバー天井)を形成しているが、ルーバー材Lは、建物の壁部に施工されるルーバー構造の壁(ルーバー壁)にも用いることができる。その場合、建物の壁部に固定されている横方向又は縦方向の複数本の胴縁(下地材)に、複数のルーバー材L,L,…を胴縁と直交するように取付固定すればよく、その取付構造は上記実施形態と同様であり、施工方法も同様となる。このことで、ルーバー材Lが建物の壁部に施工されているルーバー壁が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ルーバー材のビス留めが不要で位置調整も容易に行うことができ、ルーバー材の施工性を高めることができるとともに、高さや幅の異なるルーバー材であっても低コストで容易に製造でき、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0074】
L ルーバー材
1 芯材
2 側壁部
3 上壁部
6 ボルト挿通溝
8 ボルト収容部
9 固定部
10 突条
12 上側張り出し部(位置決め部)
13 下側張り出し部
20 化粧材
20b 側部
21 折曲げ部
23 接着部
24 凹部
26 凹溝部
A 接着剤
B 固定ボルト
B1 頭部
B2 軸部
N ナット
31 ストリンガー(下地材)
32 U字溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2023-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルーバー材、その施工方法及びルーバー構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、この種のルーバー材は、建物の天井部や壁部に施工されてルーバー天井やルーバー壁として利用される。例えば特許文献1に示されているように、天井ルーバーとしての複数本のルーバー材を、天井部に吊り下げられたストリンガーに対しそれと直交するように配置し、各ルーバー材を上端部でストリンガーにボルトで固定することにより、天井部を透かし構造としたものが知られている。
【0003】
また、本願の出願人は、先に、特許文献2に示されるルーバー材(化粧リブ材)を提案している。このルーバー材は、合板等の断面コ字状の中芯部材と、同形状の化粧部材とを組み合わせたものであり、中芯部材はその底部にて天井部又は壁部の下地材にビス留めされて下地材と反対側に開口する一方、この中芯部材に化粧部材が開口側から被さり、化粧部材は、側部内面にて中芯部材の側壁部外面と接着され、かつ化粧部材の側部を貫通する釘により中芯部材の側壁部に固定されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5920715号公報
【特許文献2】特開2020-159158号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記特許文献2のものでは、中芯部材を下地材にビス留めした後、その中芯部材に化粧部材を被せて釘留めすることでルーバー材を形成するようにしており、天井部のルーバー構造の場合、ルーバー材の中芯部材を下地材(野縁)に下からビス留めする必要があり、そのビス留めによる施工が面倒になる。
【0006】
しかも、ビス留めの構造であるので、ルーバー材の位置を僅かであっても変更するときには、ビスを外さないと取り外しや移動ができず、さらには、取り外した後に下地材にビス穴が残るので、ビス穴が重なると、位置変更に制限がかかり、これらにより施工後の微調整が困難になる。しかも、ビス穴の跡が多くなると、下地材の強度を弱めることになるので、何度も位置変更ができない。
【0007】
また、施工上、中芯部材を下地材に固定した後に化粧部材を施工するので、作業が面倒になる。これらの問題があることから、改良の余地があった。
【0008】
これに対し、特許文献1に示されるルーバー材はそれ自体で完成品であり、下地材としてのストリンガーにボルトにより固定するので、特許文献2のルーバー材に比べ、施工は容易となり、位置調整も簡単である。
【0009】
しかし、その反面、特許文献1のルーバー材は、1つの部材そのもので構成されていることから、ルーバー材の高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとすると、高さや幅が異なる多種類のルーバー材が必要になる。特に、ルーバー材を押出成形材で形成するときには、複数の種類毎に押出し成形用の金型を用意せねばならず、製造の費用やコストが増大するのが避けられないことになる。
【0010】
本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、ルーバー材の構造に工夫を加えることにより、高さや幅の異なるルーバー材であっても、低コストで容易に製造でき、ルーバー材の施工や位置調整も容易にできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、この発明では、下地材に着脱可能に固定される芯材を用い、その芯材に芯材とは別体の化粧材を固定一体化して、ルーバー材とするようにした。
【0012】
具体的には、第1の発明は、建物の天井部又は壁部にルーバー構造を形成するために下地材に着脱可能に施工されるルーバー材であって、このルーバー材は、上記下地材に着脱可能に固定される固定部を基端側に有する芯材と、この芯材に、芯材の先端側から被さった状態で一体的に固定された断面コ字状の化粧材とを備えている。そして、上記芯材は、互いに対向した状態に配置されて連結された1対の側壁部と、これら両側壁部の先端側に両側壁部から外側に張り出すように設けられた先端側張り出し部とを有し、上記化粧材の内面には、上記芯材の先端側張り出し部を収容する凹溝部が設けられ、この凹溝部の溝幅は上記先端側張り出し部の厚さよりも大きくて、該凹溝部内に先端側張り出し部が隙間を空けて収容されており、上記化粧材の内面上記芯材の側壁部外面に接着剤により貼り付けられて固定されていることを特徴とする。
【0013】
この第1の発明では、ルーバー材は、芯材と、その芯材に被さった状態で接着固定された化粧材とが一体化されたものであり、芯材の固定部において天井部や壁部の下地材に着脱可能に固定される。そのため、ルーバー材の施工時には、そのうちの芯材を固定部で下地材に固定するだけでよく、従来のようなビス留め作業は不要となり、ルーバー材の施工を容易に行うことができる。しかも、予め芯材と化粧材とを固定して一体化しておくことで、施工現場で、芯材を下地材へ固定し、その下地材へ化粧材を固定するという二度手間が不要となり、施工の作業が簡易になる。
【0014】
また、ルーバー材はその芯材の固定部にて下地材に着脱可能に固定される構造であるので、ルーバー材の位置を変更するときには、固定部での固定を緩めて位置を変えるだけでよく、その微調整を制限なく容易に行うことができる。しかも、ビス留めのように下地材にビス穴が残ることはなく、下地材の強度低下を招くこともない。
【0015】
そして、ルーバー材は、芯材と化粧材との2つの部材で形成されているので、芯材には下地材への固定の役割を持たせ、化粧材には化粧の役割を持たすことができる。そのため、ルーバー材の高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとする場合、芯材の形状は一定にして、化粧材のみを高さや幅が異なる多種類のものにすれば済み、押出成形材を用いるときのように複数種類の金型を用意する必要はなく、ルーバー材を製造費や製造コストを低減することができる。
【0016】
また、芯材に被さった化粧材は芯材に対し接着剤により固定一体化されているので、化粧材に釘留めの跡は生じることはなく、ルーバー材の意匠性を高めることができる。
【0017】
さらに、化粧材の内面の凹溝部内に芯材の先端側張り出し部が隙間を空けて収容されている構造により、芯材と化粧材との材料の違いによる膨張率の差によって相対的な動きが生じたときに、その動きの差(寸法変化の差)を凹溝部と先端側張り出し部との隙間によって吸収できるとともに、化粧材の内面を芯材の側壁部外面に接着する上記接着剤が硬化するまでの間、化粧材が芯材に大きく位置ずれして落下したりしないように固定でき、さらには、化粧材の芯材への接着状態で、接着剤の劣化等によりその接着効果が無くなった場合でも、先端側張り出し部が突起として凹溝部に引掛かって化粧材の脱落が防止され、ルーバー材を長期間に亘り安定して保持することができる。
【0018】
第2の発明は、第1の発明のルーバー材において、芯材に、化粧材の開口側端面に当接して化粧材を芯材に対し位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とする。
【0019】
この第2の発明では、芯材に化粧材を被せて固定一体化するとき、被さった状態の芯材の開口側端面を芯材の位置決め部に当接させることで、化粧材が芯材に対し位置決めされる。このことで、芯材と化粧材との2部材のルーバー材であっても、その化粧材の位置決めが容易になり、製造時や施工時の作業性が向上する
【0020】
の発明は、第の発明のルーバー材において、化粧材内面に、接着剤を溜めるための凹部が形成されていることを特徴とする。
【0021】
この第の発明では、化粧材内面に凹部が形成され、この凹部に、化粧材を芯材に固定するための接着剤が溜められている。こうして接着剤が凹部に溜められることで、化粧材内面と芯材の側壁部外面との間に配置される接着剤が多量に確保されて、その接着剤の厚さが厚くなり、そのアンカー効果も得られて接着強度を高めることができる。
【0022】
の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明のルーバー材において、接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とする。
【0023】
この第の発明では、化粧材内面と芯材の側壁部外面との間に配置される接着剤が弾性接着剤であるので、仮に化粧材と芯材との間で寸法変化の差が生じても、それは接着剤で吸収されるようになり、両者の接着状態を安定して維持することができる。
【0024】
の発明は、第1~第の発明のいずれか1つのルーバー材において、化粧材は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであることを特徴とする。
【0025】
この第の発明では、細長い板状体が、その長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられて化粧材が形成されている。そのため、接着剤を用いる場合、化粧材が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに接着剤を塗布し、その接着剤が塗布された板状体を折り曲げながら芯材に被せて固定することで、化粧材と芯材とを一体化してルーバー材を形成することができる。こうしてルーバー材の製造を容易に行うことができる。
【0026】
の発明は、第1~第の発明のいずれか1つのルーバー材において、化粧部材が不燃材料からなることを特徴とする。こうすると、不燃材料の化粧材を使用することにより不燃性ルーバー材を容易に得ることができる。
【0027】
の発明はルーバー構造に係り、このルーバー構造は、第1~第の発明のいずれか1つのルーバー材が建物の天井部又は壁部の下地材に施工されていることを特徴とする。この発明でも第1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】
の発明は、第1~第の発明のいずれか1つのルーバー材の施工する方法であって、芯材に化粧材を被せて固定することで、芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材を形成する工程と、上記芯材を固定部により下地材に固定する工程とを有することを特徴とする。
【0029】
この第の発明では、芯材に化粧材が被されてそれらが接着固定され、このことで芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材が形成される。一方、このルーバー材は芯材がその固定部により下地材に固定される。2つの工程を組み合わせることにより、ルーバー構造が施工される。その場合、予め芯材に化粧材を固定してルーバー材にしておくことにより、施工現場ではルーバー材を下地材に固定するだけでよく、施工時の作業性を高めることができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明した如く、本発明によると、ルーバー材を、下地材に着脱可能に固定される芯材と、その芯材に被せられる化粧材とを備えた構成とし、芯材及び化粧材は、芯材の側壁部外面と化粧材内面との間で接着剤により一体的に固定されるようにした。このことで、ルーバー材の下地材に対するビス留めが不要で、その位置調整を容易に行うことができるとともに、施工も容易となり、ルーバー材の施工性を高めることができる。それだけでなく、高さや幅の異なるルーバー材であっても、化粧材のみの変更によって低コストで容易に製造でき、意匠性の優れたルーバー構造の低コスト化を図ることができる。また、芯材の側壁部の先端側に先端側張り出し部を、また化粧材の内面に凹溝部をそれぞれ設け、凹溝部内に先端側張り出し部を隙間を空けて収容するようにした。このことにより、芯材と化粧材との材料の違いによる膨張率の差によって相対的な動きが生じたときの動きの差を凹溝部と先端側張り出し部との隙間で吸収できるとともに、接着剤が硬化するまでの間、化粧材が芯材に大きく位置ずれして落下したりしないように固定でき、接着剤の劣化等によりその接着効果が無くなった場合も化粧材の脱落が防止され、ルーバー材を長期間に亘り安定して保持することができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の実施形態に係るルーバー材の断面図である。
図2図2は、ルーバー材の要部の拡大断面図である。
図3図3は、ルーバー材の分解斜視図である。
図4図4は、ルーバー材の平面図である。
図5図5は、ルーバー材の側面図である。
図6図6は、ルーバー材に固定ボルト及びナットを取り付けた図1相当図である。
図7図7は、芯材の断面図である。
図8図8は、化粧材の断面図である。
図9図9は、化粧材が展開されているときに接着剤の塗布状態を示す断面図である。
図10図10は、ルーバー天井を下側から見て示す平面図である。
図11図11は、ルーバー天井の正面図である。
図12図12は、ルーバー天井の側面図である。
図13図13は、ストリンガーの正面図である。
図14図14は、ストリンガーの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0033】
図1図5は本発明の実施形態に係るルーバー材Lを示す。このルーバー材Lは、図10図12に示すように、例えば建物の天井部の下地材としてのストリンガー31,31,…(天井野縁)の下側にルーバー構造を形成するために、その各ストリンガー31に対し着脱可能に施工される。
【0034】
図13及び図14に示すように、上記ストリンガー31は、上下の水平部31a,31bの幅方向一端部同士を垂直部31cで接続した断面略L字状の例えば鉄等の金属製長尺材からなる。図11及び図12に示すように、建物内の空間の天井部から吊りボルト35,35,…が垂下し、その各吊りボルト35の下端部に、略L字状に折り曲げられたハンガー38が高さ位置調整可能に支持されており、ストリンガー31は、長さ方向の端部や中間部で、このハンガー38内に配置されてその底部に載置され、かつハンガー38のネジ孔33(図13参照)に螺合締結されるネジボルト40により上方に抜け出し不能に支持されている。このことでストリンガー31が天井部から吊り下げられている。
【0035】
ストリンガー31の下側水平部31bには、その下側水平部31bの一部を垂直部31cと反対側の他端縁部から垂直部31c近くまで有底溝状に切り欠いた複数のU字溝32,32,…が等間隔(例えば100mm)を空けて形成され、このU字溝32の位置に上記ルーバー材Lが配置されるようになっている。
【0036】
図1図5に示すように、ルーバー材Lは、上記ストリンガー31(下地材)に着脱可能に固定される芯材1と、この芯材1に、芯材1の先端側(図7で下側)から被さった状態で接着剤Aにより一体的に貼り付けられた断面コ字状の化粧材20とを備え、図4に示すように、化粧材20の長さは芯材1よりも少し長くなっており、化粧材20の両端部が芯材1から突出している。
【0037】
尚、芯材1と化粧材20との固定は、上記のように接着剤Aで貼り付けることが好ましいが、その他に両面テープ等を使用することもできる。また、化粧材20の表面に跡が見えるようになるが、フィニッシュネイル等の釘やビスを用いることもできる。
【0038】
芯材1は金属や樹脂等の長尺材で、この実施形態ではアルミニウムの押出成形材からなっている。図7に示すように、芯材1は断面矩形の角筒状のものであり、水平幅方向に互いに対向した状態に配置された1対の側壁部2,2と、両側壁部2,2の図7上端にある基端部同士を接続する上壁部3と、側壁部2の図7下端にある先端部同士を接続する下壁部4とを有し、その上下高さ(図7で上下寸法)は幅(図7で左右寸法)よりも大きくなっている。
【0039】
芯材1の基端側にある上壁部3において、その幅方向の中央には、上壁部3を貫通するスリット状のボルト挿通溝6が芯材1の長さ方向の全体に亘り連続して延びるように形成されている。また、芯材1の上下中間部には芯材1内を上下2つの空間に区画する隔壁部7が形成され、この隔壁部7上側の空間はボルト収容部8となっている。そして、図6に示すように、ボルト収容部8に固定ボルトBの頭部B1を芯材1の長さ方向端部から挿入して収容し、その固定ボルトBの軸部B2をボルト挿通溝6から芯材1上側に突出させ、その突出部分を上記ストリンガー31の下側水平部31bにおけるU字溝32に挿通させ、そのU字溝32を挿通した上端部にナットNを螺合して、ボルトBの頭部B1とナットNとの間に芯材1の上壁部3とストリンガー31の下側水平部31bとを挟み込むことで、ルーバー材Lの芯材1をストリンガー31の下側水平部31bに固定するようにしている。一方、ナットNを緩めて、ボルトBの軸部B2をU字溝32の開口から脱出させることで、ルーバー材Lの芯材1がストリンガー31の下側水平部31bから取り外されるようになっている。よって、本実施形態では、上記ボルト挿通溝6及びボルト収容部8により、上記ストリンガー31に着脱可能に固定される固定部9が構成され、芯材1は固定部9を基端側に有する。
【0040】
尚、図1及び図7に示すように、芯材1のボルト収容部8における側壁部2,2の内面には、ボルト収容部8に向かって突出する突条10,10が芯材1の長さ方向に亘って形成され、この突条10,10間の間隔は上記固定ボルトBの頭部B1の最小寸法よりも若干大に形成されており、突条10,10によりボルト収容部8内でボルトBが回転不能に回り止めされている。また、図6中、WはナットNと芯材1の上壁部3との間に介在されるワッシャ(座金)である。
【0041】
芯材1の基端側(図7で上側)の上壁部3には、上壁部3を延長するように他の部分よりも幅方向に少しだけ張り出した位置決め部としての上側張り出し部12,12(基端側張り出し部)が、また先端側(図7で下側)の下壁部4には、同様に下壁部4を延長するように幅方向に少しだけ張り出した下側張り出し部13,13(先端側張り出し部)がそれぞれ一体に突設され、上側各張り出し部12の張り出し寸法は各下側張り出し部13よりも少し大きくなっている。
【0042】
このように、上側張り出し部12,12を大きく張り出させることで、ルーバー材Lのストリンガー31(下地材)に対する固定時に、芯材1を上側張り出し部12,12にてストリンガー31と広い面積で密着させ、ルーバー材Lがストリンガー31に対してぐらつかないようにしている。
【0043】
一方、図8に示すように、上記化粧材20は、一側(上側)に開口する断面コ字状のものであり、板状の正面部20aと、この正面部20aの幅方向両端部から互いに同じ向きの上側に平行に同じ寸法だけ延びる板状の1対の側部20b,20bとを有し、これらは例えば火山性ガラス質複層板やその他の無機材料等の不燃材料からなっている。この化粧材20は、図9に示すように、長尺状の板状体の幅方向中間部に長さ方向に延びる複数の切欠きからなる折曲げ部21,21,…を形成し、その折曲げ部21(切欠き)に沿って直角に折り曲げて断面コ字状としたものであり、詳細な構造については本願の出願人が既に出願している(特開2019-085719号公報参照)。
【0044】
化粧材20の両側部20b,20b内面(後述する接着部23)間の距離は、芯材1の側壁部2,2外面間の距離よりも一定の小寸法だけ大きい。また、化粧材20の内底面である正面部20a内面から側部20b基端面(化粧材20の開口側の端面)までの距離は、芯材1において各側壁部2外面の図1で上下方向の幅よりも遙かに大きくなっている。上記化粧材20の正面部20a内面から側部20b基端面までの距離は、一定の高さ位置にある上記ストリンガー31からのルーバー材Lの高さ位置に係るものであり、芯材1の高さ位置はストリンガー31と同様に一定であるのに対し、当該距離を変えることでルーバー材Lの高さ位置が変化する。ルーバー材Lの高さ位置を高くするときには、当該距離の小さい化粧材20を、またルーバー材Lの高さ位置を低くするときには、当該距離の大きい化粧材20をそれぞれ用意する。そのため、当該距離は芯材1の側壁部21b外面の幅と同じかそれよりも大きくなっていればよい。
【0045】
化粧材20の両側部20b,20bの内面には、上記芯材1の側壁部2外面に上記接着剤Aにより接着される接着部23が形成されている。この接着部23は、化粧材20が芯材1に被せられたときに芯材1の上側張り出し部12と下側張り出し部13とに挟まれる範囲(領域)であり、接着部23に塗布された接着剤Aが接着部23以外に移動しようとしても、芯材1の上側及び下側張り出し部12,13がストッパとなってその移動が阻止される。このことで接着剤Aを接着部23に保持できるようにしている。
【0046】
図9に示すように、化粧材20が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに、この両方の接着部23,23に接着剤Aを塗布し、その接着剤Aの塗布状態の化粧材20を展開状態から閉じて断面コ字状にしながら、開口側から芯材1に先端側から被せ、化粧材20をその開口側の端面が芯材1の位置決め部としての上側張り出し部12に当接するまで少し移動させることで、接着部23と芯材1の側壁部2外面との間で接着剤Aを面方向に拡げて一定厚さ(例えば0.5~2mm)の接着剤Aの層を形成するようにしている。すなわち、芯材1の上側張り出し部12は、化粧材20の開口側の端面と当接することで、化粧材20を芯材1に対し位置決めする位置決め部となっている。
【0047】
上記接着剤Aは、変成シリコン系等の弾性接着剤を用いることが望ましい。芯材1が例えばアルミニウムの押出成形材であり、化粧材20が火山性ガラス質複層板や他の無機材料等の不燃材料であると、両者の材料の違いによる膨張率が異なり、それによって相対的な動きが生じる可能性があるが、そのときに動きの差(寸法変化の差)を吸収できるようにするためである。
【0048】
さらに、図2に拡大して示すように、化粧材20の各側部20b内面の接着部23には、化粧材20の長さ方向の全体に亘って延びる1条の溝状の凹部24が形成されており、この凹部24内に上記接着剤Aの一部を溜めるようにしている。溝状の凹部24は、例えば深さが1mm程度、幅が5mm程度である。溝状の凹部24は複数条を平行状態や交差状態に形成してもよい。また、この凹部24は、化粧材20の長さ方向の全体に亘り形成されていなくてもよく、断続して形成されていてもよい。また、溝形状に限定されず、溝形状以外の凹部24であってもよい。要は、接着部23に位置する接着剤Aを溜めるような形状であればよい。そして、凹部24は、余分な接着剤Aを溜めるとともに、接着剤Aのアンカー効果をも発現する。
【0049】
また、化粧材20の各側部20b内面において、接着部23よりも先端側には、化粧材20の長さ方向に延びる1条の凹溝部26が化粧材20の長さ方向の全体に亘り形成されている。この凹溝部26に、上記芯材1の下側張り出し部13が収容されている。凹溝部26の溝幅は下側張り出し部13の厚さよりも大きく、凹溝部26内に下側張り出し部13が隙間を空けて収容されている。この構造においても、芯材1と化粧材20との材料の違いによる膨張率の差によって相対的な動きが生じたときに、動きの差(寸法変化の差)を凹溝部26と下側張り出し部13との隙間によって吸収できるようにしている。それとともに、接着剤Aが硬化するまでの間、化粧材20が芯材1に大きく位置ずれして落下したりしないように固定する効果、さらには、化粧材20の芯材1への接着状態で、万が一、接着剤Aの劣化等によりその接着効果が無くなった場合でも、下側張り出し部13が突起として凹溝部26に引掛かることで化粧材20の脱落を防止し、ルーバー材Lを長期間に亘り安定して保持する効果がある。
【0050】
尚、図4及び図5に示すように、ルーバー材Lの長さ方向の両端部には、その芯材1及び化粧材20の端部の開口を同時に塞ぐ木口キャップ29,29が嵌合されて固定されている。
【0051】
次に、以上の構成のルーバー材Lを用いてルーバー構造の天井を施工する方法について説明する。例えば図10図12に示すように、予め、天井部には、吊りボルト35及びハンガー38によって複数本のストリンガー31,31,…が互いに平行に並べられて吊り下げられている。そして、ルーバー材Lの施工の際には、それらのストリンガー31,31,…の間に亘り、複数本のルーバー材L,L,…をストリンガー31と直交するように架け渡して固定する。
【0052】
望ましい方法としては、最初に、芯材1に化粧材20を接着剤Aにより固定して一体化することで、それら芯材1と化粧材20とが一体化されたルーバー材Lを形成する。その後、ルーバー材Lを芯材1の固定部9(ボルト挿通溝6及びボルト収容部8)において固定ポルトB及びナットNによりストリンガー31に固定する。
【0053】
具体的には、図9に示すように、化粧材20は断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にし、その板状体において化粧材20の側部20b,20b内面の接着部23に相当する部分に接着剤Aを塗布する。図9では、化粧材20の各側部20b内面に1箇所だけ接着剤Aを塗布している状態を示しているが、複数個所に塗布してもよく、塗布方法は限定されないが、凹部24やその近傍に塗布すれば、確実にアンカー効果を発現できる。
【0054】
その後、その接着剤Aの塗布状態の化粧材20の板状体を折曲げ部21,21,…で折り曲げて断面コ字状に閉じながら、その開口側から芯材1に先端側から被せ、そのときに化粧材20の側部20b内面の凹溝部26に芯材1の下側張り出し部13を収容する。この被せられた状態の化粧材20を芯材1に対し少し相対移動させ、化粧材20の開口側の端面を芯材1の位置決め部としての上側張り出し部12に当接させる。このような相対移動により、接着部23と芯材1の側壁部2外面との間で上記接着剤Aが面方向に拡がり、その接着剤Aは一定厚さ(例えば0.5~2mm)の層が形成される。こうして芯材1に化粧材20が接着されて一体化され、ルーバー材Lが形成される。
【0055】
そのとき、芯材1に上側張り出し部12が形成されているので、化粧材20を芯材1に位置決めする際に、この張り出し部12に化粧材20の開口側の端面を当接させるだけで、上側張り出し部12が位置決め部となり、その位置決め部により化粧材20を芯材1に対し容易に位置決めすることができる。つまり、ルーバー材Lが芯材1と化粧材20との2部材であっても、その化粧材20の位置決めが容易になり、このことで、ルーバー材Lの製造時等での作業性を向上させることができる。
【0056】
また、上記化粧材20の接着部23に凹部24が形成されているので、この凹部24が接着剤溜まりとして機能して接着剤Aが溜まるようになり、接着剤Aの層が安定して形成される。
【0057】
ここまでのルーバー材Lの形成は、施工現場で行ってもよいが、製造工場で行うのが好ましい。
【0058】
こうして芯材1に化粧材20が一体化されたルーバー材Lが形成されると、例えば施工現場において、図6に示すように、そのルーバー材Lの芯材1のボルト収容部8に複数の固定ボルトB,B,…の各頭部B1を芯材1(ルーバー材L)の長さ方向端部から挿入して収容し、各固定ボルトBの軸部B2を上壁部3のボルト挿通溝6から芯材1上側に突出させ、その突出した軸部B2にワッシャWを介してナットNを螺合する。そのとき、固定ボルトB、それに螺合されるナットN、ワッシャWの数は、各ルーバー材Lが取り付けられるストリンガー31の数であり、例えば1本のルーバー材Lが2本のストリンガー31,31に亘って固定される場合は2つである。図10に示すように、各ルーバー材Lが4本のストリンガー31,31,…に亘って固定される場合は、4つの固定ボルトB、ナットN及びワッシャWが用いられる。
【0059】
ナットNが螺合された固定ボルトBの軸部B2のうち、ワッシャW(ナットN)と芯材1の上壁部3との間の部分を各ストリンガー31の下側水平部31bにおけるU字溝32にその開口側から嵌入して挿通させ、その後、ナットNを螺合締結してボルトBの頭部B1とワッシャW(ナットN)との間に芯材1の上壁部3とストリンガー31の下側水平部31bとを挟み込む。このことで、各ルーバー材Lの芯材1がストリンガー31の下部に固定される。この複数のルーバー材L,L,…によってルーバー構造の天井部が形成される。
【0060】
ストリンガー31に対するルーバー材Lの位置を調整等のために変えるときには、ナットNを緩めて、ルーバー材LでのボルトBの位置をずらし、正しい位置になった後にナットNを締結してルーバー材Lをストリンガー31に固定すればよい。固定ボルトBをU字溝32の開口から脱出させると、ルーバー材Lをストリンガー31から取り外すことができる。
【0061】
予めナットNをボルトBに螺合せず、ボルトBの軸部B2をU字溝32に挿通させた後に軸部B2にワッシャWを介してナットNを螺合するようにしてもよい。この方法は、ストリンガー31の下側水平部31bにU字溝32ではなく、貫通孔が形成されている場合に採用することができるが、U字溝32の場合には必須の方法ではない。
【0062】
尚、上記方法のように、最初にルーバー材Lを形成せず、芯材1をストリンガー31に固定した後、その芯材1に化粧材20を接着固定して、ルーバー材Lを形成する方法も採用できる。しかし、施工現場で化粧材20に接着剤Aを塗布して、その化粧材20を芯材1に接着固定する必要があり、その作業が面倒となる。これに対し、先に芯材1に化粧材20を接着固定してルーバー材Lを形成しておく方法では、その接着の工程をルーバー材Lの製造工場で行うことができ、施工現場での作業が簡易になって有利である。
【0063】
したがって、この実施形態においては、ルーバー材Lは、芯材1と、その芯材1に被さった状態で接着固定された化粧材20とが一体化されたものであり、芯材1のボルト収容部8に頭部B1が収容された固定ボルトBと、そのボルトBの軸部B2に螺合されたナットNとによって天井部のストリンガー31(下地材)に着脱可能に固定される。そのため、ルーバー材Lの施工時には、芯材1に化粧材20が固定一体化されたルーバー材Lのうち、芯材1を固定ボルトB及びナットNによりストリンガー31に固定するだけで、ルーバー材Lを施工することができ、従来のようなビス留めする作業は不要となり、ルーバー材Lの施工を容易に行うことができる。しかも、上記のように、予め芯材1と化粧材20とを固定一体化してルーバー材Lにしておけば、施工現場で、芯材1をストリンガー31へ固定し、そのストリンガー31へ化粧材20を固定するという二度手間が不要となり、施工の作業が簡易になる。
【0064】
また、芯材1は、該芯材1に頭部B1が収容された固定ボルトBと、そのボルトBに螺合されるナットNとにより、ストリンガー31のU字溝32に着脱可能に締結固定される構造であるので、ルーバー材Lの長さ方向に沿った位置を変更するときには、ボルトB及びナットNによる締結を緩めて位置を変え、その位置の調整後に再度ナットNをボルトBに締結するだけでよく、その微調整を制限なく容易に行うことができる。しかも、ビス留めのようにストリンガー31にビス穴が残ることはなく、ストリンガー31の強度低下を招くこともない。
【0065】
さらに、ルーバー材Lの芯材1に被さった化粧材20は芯材1に対し接着剤Aにより固定一体化されているので、釘留めにより固定する構造のように、化粧材20に釘留めの跡は生じず、このことでルーバー材Lの意匠性を高めることができる。
【0066】
そして、ルーバー材Lは、芯材1と化粧材20との2つの部材で形成されているので、芯材1にはストリンガー31(下地材)への固定の役割を持たせ、化粧材20には化粧の役割を持たすことができる。そのため、ルーバー材Lの高さや幅を変更してルーバー構造にバリエーションを持たせようとする場合、芯材1の形状は一定にして、化粧材20のみを高さや幅が異なる多種類のものにすれば済むこととなる。すなわち、押出成形材のルーバー材を用いるときのように複数種類の金型を用意する必要はなく、ルーバー材Lを製造費や製造コストを低減することができる。
【0067】
上記ルーバー材Lにおいては、化粧材20の各側部20b内面の接着部23に、接着剤Aを溜めるための凹部24が形成されているので、この凹部24に、化粧材20を芯材1に固定するための接着剤Aが溜められる。こうして接着剤Aが凹部24に溜められることで、化粧材20内面の接着部23と芯材1の側壁部2外面との間に配置される接着剤Aが多量に確保され、その接着剤Aの層の厚さが厚くなり、アンカー効果により接着強度を高めることができる。
【0068】
しかも、上記化粧材20の側部20b内面の接着部23と、芯材1の側壁部2外面との間に配置される接着剤Aが弾性接着剤であれば、仮に化粧材20と芯材1との材料の違いにより両者の間で寸法変化の差が生じても、それは接着剤Aで吸収されるようになり、両者の接着状態を安定して維持することができる。
【0069】
また、ルーバー材Lの化粧材20は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部21,21,…に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであるので、化粧材20が断面コ字状に折り曲げられていない展開状態の板状体にあるときに接着剤Aを塗布し、上記のように、その接着剤Aが塗布された板状体を折り曲げながら芯材1に被せて固定することで、化粧材20と芯材1とを一体化してルーバー材Lを形成することができる。このことによって、ルーバー材Lの製造を容易に行うことができる。
【0070】
そして、ルーバー材Lの化粧材20は不燃材料であるので、この不燃材料の化粧材20によりルーバー材Lは不燃性ルーバー材となり、不燃性ルーバー材による不燃構造のルーバー天井を容易に得ることができる。
【0071】
(その他の実施形態)
上記実施形態では、ルーバー材Lにおける化粧材20を火山性ガラス質複層板等の不燃材料により形成しているが、ルーバー構造に不燃性が要求されない場合は、化粧材20を不燃材料ではない材料、例えばMDF等の木質材により形成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、建物の天井部におけるストリンガー31,31,…(下地材)に複数のルーバー材L,L,…を固定して、ルーバー構造の天井部(ルーバー天井)を形成しているが、ルーバー材Lは、建物の壁部に施工されるルーバー構造の壁(ルーバー壁)にも用いることができる。その場合、建物の壁部に固定されている横方向又は縦方向の複数本の胴縁(下地材)に、複数のルーバー材L,L,…を胴縁と直交するように取付固定すればよく、その取付構造は上記実施形態と同様であり、施工方法も同様となる。このことで、ルーバー材Lが建物の壁部に施工されているルーバー壁が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、ルーバー材のビス留めが不要で位置調整も容易に行うことができ、ルーバー材の施工性を高めることができるとともに、高さや幅の異なるルーバー材であっても低コストで容易に製造でき、極めて有用で産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0074】
L ルーバー材
1 芯材
2 側壁部
3 上壁部
6 ボルト挿通溝
8 ボルト収容部
9 固定部
10 突条
12 上側張り出し部(位置決め部)
13 下側張り出し部
20 化粧材
20b 側部
21 折曲げ部
23 接着部
24 凹部
26 凹溝部
A 接着剤
B 固定ボルト
B1 頭部
B2 軸部
N ナット
31 ストリンガー(下地材)
32 U字溝
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の天井部又は壁部にルーバー構造を形成するために下地材に着脱可能に施工されるルーバー材であって、
上記下地材に着脱可能に固定される固定部を基端側に有する芯材と、該芯材に、芯材の先端側から被さった状態で一体的に固定された断面コ字状の化粧材とを備え、
上記芯材は、互いに対向した状態に配置されて連結された1対の側壁部と、両側壁部の先端側に両側壁部から外側に張り出すように設けられた先端側張り出し部とを有し、
上記化粧材の内面には、上記芯材の先端側張り出し部を収容する凹溝部が設けられ、
上記凹溝部の溝幅は上記先端側張り出し部の厚さよりも大きくて、該凹溝部内に先端側張り出し部が隙間を空けて収容されており、
上記化粧材の内面上記芯材の側壁部外面に接着剤により貼り付けられて固定されていることを特徴とするルーバー材。
【請求項2】
請求項1のルーバー材において、
芯材に、化粧材の開口側端面に当接して化粧材を芯材に対し位置決めする位置決め部が設けられていることを特徴とするルーバー材。
【請求項3】
請求項のルーバー材において、
化粧材内面に、接着剤を溜めるための凹部が形成されていることを特徴とするルーバー材。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つのルーバー材において、
接着剤は、弾性接着剤であることを特徴とするルーバー材。
【請求項5】
請求項1~のいずれか1つのルーバー材において、
化粧材は、細長い板状体が、長さ方向に延びる複数の折曲げ部に沿って断面コ字状に折り曲げられたものであることを特徴とするルーバー材。
【請求項6】
請求項1~のいずれか1つのルーバー材において、
化粧部材が不燃材料からなることを特徴とするルーバー材。
【請求項7】
請求項1~のいずれか1つのルーバー材が建物の天井部又は壁部の下地材に施工されていることを特徴とするルーバー構造。
【請求項8】
請求項1~のいずれか1つのルーバー材を施工する方法であって、
芯材に化粧材を被せて固定することで、芯材と化粧材とが一体化されたルーバー材を形成する工程と、
上記芯材を固定部により下地材に固定する工程とを有することを特徴とするルーバー材の施工方法。