(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081142
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】タイヤ・ホイール組立体交換システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
B60B 29/00 20060101AFI20230602BHJP
【FI】
B60B29/00 C
B60B29/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194868
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100211395
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 裕貴
(72)【発明者】
【氏名】大澤 靖雄
(57)【要約】
【課題】車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させる。
【解決手段】本開示に係るシステムは、タイヤ・ホイール組立体交換システムであって、車両を昇降可能に構成された昇降装置と、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置と、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置と、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々と通信可能に接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得した場合に、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々を制御するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤ・ホイール組立体交換システムであって、
車両を昇降可能に構成された昇降装置と、
タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置と、
タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置と、
前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々と通信可能に接続された制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得した場合に、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々を制御するように構成されている、システム。
【請求項2】
車両に取り付けられる前の新たなタイヤ・ホイール組立体を収容するように構成された第1収容庫を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記第1収容庫に収容されている前記新たなタイヤ・ホイール組立体の収容情報を取得し、
前記収容情報を送信するように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
車両から取り外されたタイヤ・ホイール組立体を収容するように構成された第2収容庫を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記所定の作業位置の上方を少なくとも部分的に覆うように構成された屋根を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、
ユーザ入力を取得し、
前記ユーザ入力に基づいてユーザが制御の実行を許可していると判定した場合に、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の少なくとも1つを制御するように構成されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを検出するように構成された検出装置を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
車両を昇降可能に構成された昇降装置、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置、及び、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置の各々と通信可能に接続された、制御装置が実行する方法であって、
車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得することと、
前記昇降装置を制御して、前記車両を持ち上げることと、
前記締緩装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を緩ませることと、
前記着脱装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体を前記車両から取り外すことと、
前記着脱装置を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体を前記車両に取り付けることと、
前記締緩装置を制御して、前記新たなタイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締めることと、
前記昇降装置を制御して、前記車両を降ろすことと、
を含む、方法。
【請求項9】
車両を昇降可能に構成された昇降装置、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置、及び、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置の各々と通信可能に接続された、制御装置に、
車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得することと、
前記昇降装置を制御して、前記車両を持ち上げることと、
前記締緩装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を緩ませることと、
前記着脱装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体を前記車両から取り外すことと、
前記着脱装置を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体を前記車両に取り付けることと、
前記締緩装置を制御して、前記新たなタイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締めることと、
前記昇降装置を制御して、前記車両を降ろすことと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ・ホイール組立体交換システム、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術が知られている。例えば、特許文献1には、車輪ナットおよび保持具クリートを取り外し、元に戻す移動式ロボットと、車輪を掴んで取り外しかつロボットによって車輪ナットおよびクリートが元に戻される前に取替え用の車輪を位置決めする移動式の機械的ホイールハンドラと組み合わせて使用する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性の更なる向上が依然として求められている。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るシステムは、タイヤ・ホイール組立体交換システムであって、車両を昇降可能に構成された昇降装置と、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置と、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置と、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々と通信可能に接続された制御装置と、を備え、前記制御装置は、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得した場合に、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の各々を制御するように構成されている。
本開示に係るシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0007】
本開示に係るシステムは、車両に取り付けられる前の新たなタイヤ・ホイール組立体を収容するように構成された第1収容庫を備えることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する作業に掛かる時間を短縮することができる。
【0008】
本開示に係るシステムでは、前記制御装置は、前記第1収容庫に収容されている前記新たなタイヤ・ホイール組立体の収容情報を取得し、前記収容情報を送信するように構成されていることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する機会を逸することを未然に防ぐことができる。
【0009】
本開示に係るシステムは、車両から取り外されたタイヤ・ホイール組立体を収容するように構成された第2収容庫を備えることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0010】
本開示に係るシステムは、前記所定の作業位置の上方を少なくとも部分的に覆うように構成された屋根を備えることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0011】
本開示に係るシステムでは、前記制御装置は、ユーザ入力を取得し、前記ユーザ入力に基づいてユーザが制御の実行を許可していると判定した場合に、前記昇降装置、前記着脱装置、及び前記締緩装置の少なくとも1つを制御するように構成されていることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0012】
本開示に係るシステムは、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを検出するように構成された検出装置を備えることが好ましい。かかる構成を有するシステムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0013】
本開示に係る方法は、車両を昇降可能に構成された昇降装置、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置、及び、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置の各々と通信可能に接続された、制御装置が実行する方法であって、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得することと、前記昇降装置を制御して、前記車両を持ち上げることと、前記締緩装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を緩ませることと、前記着脱装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体を前記車両から取り外すことと、前記着脱装置を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体を前記車両に取り付けることと、前記締緩装置を制御して、前記新たなタイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締めることと、前記昇降装置を制御して、前記車両を降ろすことと、を含む。
本開示に係る方法によれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0014】
本開示に係るプログラムは、車両を昇降可能に構成された昇降装置、タイヤ・ホイール組立体を車両に着脱可能に構成された着脱装置、及び、タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置の各々と通信可能に接続された、制御装置に、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体が所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得することと、前記昇降装置を制御して、前記車両を持ち上げることと、前記締緩装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を緩ませることと、前記着脱装置を制御して、前記タイヤ・ホイール組立体を前記車両から取り外すことと、前記着脱装置を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体を前記車両に取り付けることと、前記締緩装置を制御して、前記新たなタイヤ・ホイール組立体の1つ以上の締結具を締めることと、前記昇降装置を制御して、前記車両を降ろすことと、を実行させる。
本開示に係るプログラムによれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、車両に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムを概略的に示す、概略図である。
【
図2】
図1に示される制御装置の構成を概略的に示す、ブロック図である。
【
図3】
図1に示される第1検出装置の構成を概略的に示す、概略図である。
【
図4】
図1に示される着脱装置の構成を概略的に示す、概略図である。
【
図5】
図1に示される締緩装置の構成を概略的に示す、概略図である。
【
図6】
図1に示されるシステムの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本開示の一実施形態に係るタイヤ・ホイール組立体交換システム、方法及びプログラムについて、図面を参照して説明する。各図において共通する部材及び部位には同一の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合があることに留意されたい。
【0018】
図1を参照して、本開示の一実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
図1は、システム1の概略構成を示す概略構成図である。システム1は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換することに用いられる、タイヤ・ホイール組立体交換システムである。
【0019】
車両2は、例えば、乗用車、トラック、又はバス等の自動車である。ただし、車両2は、自動車に限られず、任意の車両であってもよい。車両2は、運転手によって運転されてもよく、或いは任意のレベルで運転が自動化されていてもよい。自動化のレベルは、例えば、SAE(Society of Automotive Engineers)のレベル分けにおけるレベル1からレベル5のいずれかである。
【0020】
車両2は、1つ以上のタイヤ・ホイール組立体3を備える。タイヤ・ホイール組立体3は、タイヤと、タイヤが組付けられたホイールとを含む。タイヤ・ホイール組立体3は、1つ以上の締結具により、車両2に取り付けられている。締結具は、例えば、ボルト又はナットであるが、これらに限られない。
【0021】
システム1は、制御装置20と、第1検出装置30と、昇降装置40と、着脱装置50と、締緩装置60と、第2検出装置70と、第1収容庫80と、第2収容庫90と、端末装置100と、を含む。システム1において、制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100は、互いに有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0022】
例えば、システム1は、駐車場又はガソリンスタンドの一角、或いは整備工場等に設置される。制御装置20は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得した場合に、昇降装置40、着脱装置50、及び締緩装置60の各々を制御する。所定の作業位置Sは、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の交換作業が行われる位置である。これにより、昇降装置40が車両2を持ち上げ又は降ろし、着脱装置50がタイヤ・ホイール組立体3を車両2に取り付け又は車両2から取り外し、締緩装置60がタイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締め付け又は緩める。このようにして、システム1は、自動で、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換することができる。したがって、本開示に係るシステム1によれば、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0023】
図1には、説明の簡便のため、それぞれ1つずつの制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100が示されている。しかしながら、システム1は、それぞれ任意の数の制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100を含んでいてもよい。
【0024】
以下、
図1、
図2、
図3、
図4、及び
図5を参照して、システム1に含まれる、制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100について、詳細に説明する。
図2は、
図1に示される制御装置20の構成を概略的に示す、ブロック図である。
図3は、
図1に示される第1検出装置30の構成を概略的に示す、概略図である。
図4は、
図1に示される着脱装置50の構成を概略的に示す、概略図である。
図5は、
図1に示される締緩装置60の構成を概略的に示す、概略図である。
【0025】
(制御装置)
制御装置20は、例えば、1つ又は互いに通信可能な複数のコンピュータである。制御装置20は、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100の各々と通信して、これらの装置を制御する。具体的には、
図2に示されるように、制御装置20は、通信部21と、入力部22と、出力部23と、記憶部24と、制御部25と、を備える。
【0026】
通信部21は、ネットワークに接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信部21に含まれる通信インタフェースは、例えば移動体通信規格、有線LAN(Local Area Network)規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。本実施形態において、制御装置20は、通信部21を介して、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100と通信を行う。
【0027】
入力部22は、1つ以上の入力機器を含む。入力部22に含まれる入力機器は、例えばタッチパネル、電子ペン、カメラ、マイク、スイッチ、又はカードリーダ等である。入力部22は、1つ以上の入力機器を介して、ユーザ入力を受け付ける。
【0028】
出力部23は、1つ以上の出力機器を含む。出力部23に含まれる出力機器は、例えばタッチパネル、ディスプレイ、プリンタ、又はスピーカ等である。出力部23は、1つ以上の出力機器を介して、システム1に関する情報を出力する。
【0029】
記憶部24は、1つ以上のメモリを含む。記憶部24に含まれるメモリは、例えば主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能してもよい。記憶部24は、制御装置20の動作に用いられる任意の情報を記憶する。例えば、記憶部24は、システムプログラム、アプリケーションプログラム、及びデータベース等を記憶してもよい。
【0030】
制御部25は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上のプログラマブル回路、1つ以上の専用回路、又はこれらの組合せを含む。プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)若しくはGPU(Graphics Processing Unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサであるが、これらに限られない。プログラマブル回路は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)であるが、これに限られない。専用回路は、例えばASIC(Application Specific Integrated Circuit)であるが、これに限られない。制御部25は、制御装置20の各機能を制御する。
【0031】
(第1検出装置)
図3に示されるように、第1検出装置30は、1つ以上のセンサ31を備える。例えば、センサ31は、重量センサ、変位センサ、レーザセンサ、赤外線センサ、又は画像センサ(カメラ)等である。これにより、第1検出装置30は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを検出することができる。
【0032】
第1検出装置30は、第1検出装置30の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0033】
図1に示されるように、例えば、第1検出装置30は、所定の作業位置Sの範囲内の地面又は床面に設置されてもよい。かかる場合、
図3に示されるように、第1検出装置30は、平板部32と、車輪止め部33とを含んでいてもよい。例えば、第1検出装置30は、センサ31として、平板部32に、タイヤ・ホイール組立体3が乗っていることを感知するための重量センサを備えていてもよい。或いは、第1検出装置30は、センサ31として、車輪止め部33に、タイヤ・ホイール組立体3が接触していることを感知するための変位センサを備えていてもよい。これにより、交換対象となるタイヤ・ホイール組立体3が平板部32の上に乗るように、或いは、車輪止め部33に接触するように、車両2が停車されることで、第1検出装置30は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを検出することができる。このため、システム1を利用するにあたり、車両2の運転手は、第1検出装置30の上等、指定された位置に車両2を停車させるだけでよく、システム1の利便性が向上する。
【0034】
(昇降装置)
昇降装置40は、車両2を昇降可能に構成されている。昇降装置40は、1つ以上の昇降手段を備える。昇降手段は、例えば、電動式又は機械式のジャッキ又はクレーン等を含む。これにより、昇降装置40は、車両2を地面から持ち上げ、タイヤ・ホイール組立体3を交換可能にすることができ、且つ、車両2を地面に降ろすことができる。
【0035】
昇降装置40は、昇降装置40の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0036】
昇降装置40は、所定の位置に予め固定されていてもよい。
図1に示されるように、所定の位置は、第1検出装置30によって、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを検出された場合に、車両2を持ち上げることが可能な位置である。或いは、昇降装置40は、赤外線センサ等のセンサと、モータ及び車輪等の移動手段とを備え、車両2を持ち上げることが可能な位置に移動可能とされてもよい。
【0037】
(着脱装置)
着脱装置50は、タイヤ・ホイール組立体3を車両2に着脱可能に構成されている。
図4に示されるように、着脱装置50は、1つ以上の着脱手段51を備える。着脱手段51は、例えば、電動式又は機械式のタイヤリフタ又はロボットアーム等を含む。着脱装置50は、着脱手段51により、タイヤ・ホイール組立体3を保持するとともに、垂直方向又は水平方向に移動させる。これにより、着脱装置50は、車両2からタイヤ・ホイール組立体3を取り外すことができ、且つ、車両2にタイヤ・ホイール組立体3を取り付けることができる。
【0038】
例えば、着脱装置50は、ガイド52の上を互いに近づくように或いは離れるように移動可能な、2つの着脱手段51を備えていてもよい。本実施形態では、着脱手段51は、タイヤ・ホイール組立体3を保持するための保持部51Aと、保持部51Aを垂直方向又は水平方向に移動させる支持部51Bとで構成されている。これにより、着脱装置50は、2つの着脱手段51でタイヤ・ホイール組立体3を挟んで保持するとともに、垂直方向又は水平方向に移動させることで、車両2からタイヤ・ホイール組立体3を取り外し、或いは、車両2にタイヤ・ホイール組立体3を取り付ける。ただし、着脱装置50が備える着脱手段51の数は2つに限られない。例えば、着脱装置50は、1つの着脱手段51により、ホイールのハブを保持して、車両2からタイヤ・ホイール組立体3を取り外し、或いは、車両2にタイヤ・ホイール組立体3を取り付けてもよい。
【0039】
本実施形態では、着脱装置50は、モータ及び車輪等の移動手段53を備え、移動可能とされている。具体的には、
図1に矢印で示されるように、着脱装置50は、所定の作業位置S、第1収容庫80、及び第2収容庫90の間を移動可能とされている。例えば、着脱装置50は、移動手段53としてモータ及び車輪を備え、走行可能であってもよい。或いは、所定の作業位置S、第1収容庫80、及び第2収容庫90の間に設置されたレールに沿って移動可能であってもよい。
【0040】
着脱装置50は、着脱装置50の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0041】
(締緩装置)
締緩装置60は、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締緩可能に構成されている。
図5に示されるように、締緩装置60は、1つ以上の締緩手段61を備える。締緩手段61は、例えば、電動式又は機械式のレンチ又はスクリュードライバー等を含む。締緩装置60は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を、締緩手段61により、締め付け、或いは緩ませる。これにより、締緩装置60は、タイヤ・ホイール組立体3を車両2から取り外し可能な状態とすることができ、且つ、タイヤ・ホイール組立体3を車両2に固定することができる。
【0042】
本実施形態では、締緩装置60は、締緩手段61として、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締め付けることが可能で且つ緩ませることが可能な1つ以上の工具61A(図示例では4つの工具61A)と、1つ以上の工具61Aが配置されたヘッド部61Bとを備えている。ヘッド部61Bは、ヘッド部61Bの回転軸Rを中心に回転可能に構成されている。そして、
図5に破線で示されるように、ヘッド部61Bには、ヘッド部61Bの回転軸Rの延在方向から見て、回転軸Rを中心とした円周上に1つ以上の工具61Aが配置されている。ヘッド部61Bにおいて、1つ以上の工具61Aは、各々の中心軸Cがヘッド部61Bの回転軸Rと平行になるように、配置されている。これにより、締緩装置60は、ヘッド部61Bの回転軸Rを中心にヘッド部61Bを回転させることで、1つ以上の工具61Aの位置をタイヤ・ホイール組立体3の締結具の位置に合わせることができる。さらに、ヘッド部61Bは、ガイド61Cにより、締緩装置60の本体に対して垂直に移動可能とされてもよい。これにより、締緩装置60は、タイヤ・ホイール組立体3に、ヘッド部61Bの垂直方向の位置を合わせることができる。
【0043】
締緩装置60のヘッド部61Bは、交換可能であってもよい。例えば、予め配置された工具61Aの数が異なるヘッド部61Bが複数用意され、締緩装置60には、タイヤ・ホイール組立体3が備える締結具の数と等しい数の工具61Aが配置されたヘッド部61Bが取り付けられてもよい。これにより、締緩手段61が、タイヤ・ホイール組立体3の締結具を同時に締め付け、或いは緩ませることができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する作業に掛かる時間を短縮することができる。ただし、ヘッド部61Bに配置される工具61Aの数は、1つとされてもよい。これにより、締緩手段61は、タイヤ・ホイール組立体3に応じてヘッド部61Bを回転させることで、様々な数の締結具を備えるタイヤ・ホイール組立体3に対応することができる。
【0044】
締緩装置60は、モータ及び車輪等の移動手段62を備え、移動可能とされている。本実施形態では、締緩装置60は、所定の作業位置Sの範囲内を移動可能とされている。例えば、締緩装置60は、移動手段62としてモータ及び車輪を備え、走行可能であってもよい。或いは、所定の作業位置Sに設置されたレールに沿って移動可能であってもよい。
【0045】
締緩装置60は、締緩装置60の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0046】
(第2検出装置)
再び
図1を参照して、第2検出装置70は、1つ以上のセンサを備える。例えば、センサは、画像センサ(カメラ)、レーザセンサ、又は赤外線センサ等である。これにより、第2検出装置70は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の姿勢に関する情報を検出することができる。
図1に示されるように、第2検出装置70は、所定の作業位置Sに向けて配置されていてもよい。
【0047】
第2検出装置70は、第2検出装置70の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0048】
(第1収容庫)
第1収容庫80は、車両2に取り付けられる前の新たなタイヤ・ホイール組立体3を収容する。第1収容庫80は、複数のタイヤ・ホイール組立体3を収容可能であってもよい。これにより、システム1は、複数のタイヤ・ホイール組立体3の交換作業を連続的に実行することができる。第1収容庫80は、タイヤ・ホイール組立体3は縦置きで並べて収容可能であってもよい。これにより、第1収容庫80から取り出されたタイヤ・ホイール組立体3を、そのままの体勢で車両2に取り付けることができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する作業に掛かる時間を短縮することができる。ただし、新たなタイヤ・ホイール組立体3は、未使用のタイヤ又はホイールに限られず、中古タイヤ又は更生タイヤ、或いは中古ホイールを含んでいてもよい。
【0049】
第1収容庫80は、1つ以上のセンサを備える。例えば、センサは、画像センサ(カメラ)、重量センサ等である。第1収容庫80において、1つ以上のセンサは、第1収容庫80に収容されているタイヤ・ホイール組立体3の数を検出可能な位置に配置される。これにより、第1収容庫80は、第1収容庫80に収容されているタイヤ・ホイール組立体3の収容情報を検出することができる。
【0050】
第1収容庫80は、第1収容庫80の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0051】
(第2収容庫)
第2収容庫90は、車両2から取り外されたタイヤ・ホイール組立体3を収容する。第2収容庫90は、複数のタイヤ・ホイール組立体3を収容可能であってもよい。これにより、システム1は、複数のタイヤ・ホイール組立体3の交換作業を連続的に実行することができる。第2収容庫90は、タイヤ・ホイール組立体3は縦置きで並べて収容可能であってもよい。これにより、第2収容庫90は、タイヤ・ホイール組立体3を、車両2から取り外された体勢のまま収容することができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する作業に掛かる時間を短縮することができる。
【0052】
第2収容庫90は、1つ以上のセンサを備える。例えば、センサは、画像センサ(カメラ)、重量センサ等である。第2収容庫90において、1つ以上のセンサは、第2収容庫90に収容されているタイヤ・ホイール組立体3の数を検出可能な位置に配置される。これにより、第2収容庫90は、第2収容庫90に収容されているタイヤ・ホイール組立体3の収容情報を検出することができる。
【0053】
第2収容庫90は、第2収容庫90の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。
【0054】
端末装置100は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末等のコンピュータである。端末装置100は、例えば、制御装置20等のシステム1に含まれる他の装置が設置される場所から離れた場所又は施設に設置されてもよい。端末装置100は、端末装置100の各機能を制御するとともに、制御装置20と通信するために、制御装置20と同様に、通信部、入力部、出力部、記憶部、及び制御部等の機能を備えていてもよい。これにより、システム1の管理者又はユーザが、端末装置100により、制御装置20を介して、遠隔地からシステム1の稼働状況等を監視する、或いは、システム1を制御することが可能になる。
【0055】
システム1は、所定の作業位置Sの上方を少なくとも部分的に覆うように構成された屋根を備えていてもよい。これにより、車両2に取り付けらえたタイヤ・ホイール組立体3を交換する際に、タイヤ・ホイール組立体3の締結具のネジ穴等に雨水が入り込みにくくすることができる。屋根は、地面に設置されていてもよい。或いは、屋根は、締緩装置60に取り付けられていてもよい。屋根を備えていることにより、システム1は、屋内に限られず、駐車場又はガソリンスタンドの一角等の屋外に設置可能となる。屋根は、システム1に含まれる装置全体を覆うように構成されていることがより好ましい。これにより、システム1に含まれる装置に雨等が当たることによる装置の故障を未然に防ぐことができる。
【0056】
(システムの動作)
図6を参照して、本実施形態に係るシステム1の動作を説明する。
図6は、
図1に示されるシステム1の動作例を示すフローチャートである。本動作は、システム1に含まれる制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100の各々が実行する方法に相当する。
【0057】
本動作例では、
図1に示されるように、システム1によって、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが取り外され、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bが車両2に取り付けられるものとして説明する。なお、以下において、タイヤ・ホイール組立体3A及び3Bを区別しない場合には、単に「タイヤ・ホイール組立体3」と総称する。また、本動作例では、締緩装置60が備える工具61Aの数と、タイヤ・ホイール組立体3A及びBが備える締結具の数とが等しいものとして説明する。
【0058】
ステップS101:第1検出装置30が、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを検出する。
【0059】
例えば、第1検出装置30は、平板部32に配置された重量センサにより、所定量以上の荷重を検出した場合に、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していると判定する。或いは、車輪止め部33に配置された変位センサにより、所定量以上の変位を検出した場合に、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していると判定してもよい。第1検出装置30は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを検出した場合に、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を、制御装置20に送信する。これにより、システム1は、人手を介さずに、自動で、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を検出して、タイヤ・ホイール組立体3Aの交換を開始することができる。
【0060】
ステップS102:制御装置20が、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得する。
【0061】
本実施形態では、制御装置20は、第1検出装置30から、タイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を受信することで、当該情報を取得する。ただし、制御装置20は、任意の方法で、当該情報を取得してもよい。例えば、制御装置20は、車両2と通信を行い、車両2の位置情報を、タイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置Sに位置していることを示す情報として取得してもよい。制御装置20は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aが所定の作業位置に位置していることを示す情報を取得した場合に、ステップS103以降の処理を開始する。
【0062】
ステップS103:昇降装置40が、車両2を持ち上げる。
【0063】
具体的には、昇降装置40は、制御装置20から動作開始の制御命令を受信した場合に、電動式又は機械式のジャッキ等の昇降手段を動作させて、車両2を地面から持ち上げ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aを交換可能にする。制御装置20は、第1検出装置30から、タイヤ・ホイール組立体3Aが第1検出装置30に接触していないことを示す情報を受信した場合に、昇降装置40に更なる制御命令を送信して、昇降装置40に車両2をタイヤ・ホイール組立体3Aの交換可能な位置に保持させてもよい。このように、制御装置20は、昇降装置40を制御して、車両2をタイヤ・ホイール組立体3Aの交換可能な位置に持ち上げる。
【0064】
次に、ステップS104~S106において、締緩装置60が、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具を緩ませる。
【0065】
ステップS104:第2検出装置70が、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報を検出する。
【0066】
タイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報は、例えば、タイヤ・ホイール組立体3Aの位置及び向きを示す情報を含む。例えば、第2検出装置70は、制御装置20から動作開始の制御命令を受信した場合に、所定の作業位置Sに位置するタイヤ・ホイール組立体3Aの画像を撮像する。第2検出装置70は、タイヤ・ホイール組立体3Aを撮像した画像から、画像処理により、タイヤ・ホイール組立体3Aの輪郭又は締結具等の特徴点を抽出し、これらの特徴点の3次元座標を特定する。第2検出装置70は、特徴点の3次元座標に基づいて、タイヤ・ホイール組立体3Aの回転軸の3次元座標及び延在方向を特定する。第2検出装置70は、特定したタイヤ・ホイール組立体3Aの特徴点の3次元座標、並びに回転軸の3次元座標及び延在方向等の情報を、タイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報として、制御装置20に送信する。このように、制御装置20は、第2検出装置70を制御して、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報を取得する。
【0067】
ステップS105:締緩装置60が、タイヤ・ホイール組立体3Aに対する締緩装置60の位置合わせを行う。
【0068】
締緩装置60は、制御装置20から位置合わせの制御命令を受信した場合に、タイヤ・ホイール組立体3Aに対する締緩装置60の位置合わせを行う。位置合わせの制御命令には、ステップS104において第2検出装置70により検出された、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報が含まれていてもよい。
【0069】
具体的には、締緩装置60は、タイヤ・ホイール組立体3Aに対する締緩装置60の位置合わせとして、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させる。これにより、人間が手作業により締緩装置60の位置合わせを行う必要がなくなる。
【0070】
本実施形態では、締緩装置60は、はじめに、ヘッド部61Bの回転軸Rを、タイヤ・ホイール組立体3Aの回転軸と一直線上に整列させる。次に、締緩装置60は、ヘッド部61Bの回転軸Rを中心にヘッド部61Bを回転させて、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させる。このように、制御装置20は、締緩装置60を制御して、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aに対する締緩装置60の位置合わせを行う。
【0071】
なお、締緩装置60は、任意の方法により、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、タイヤ・ホイール組立体3Aが備える1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させてもよい。例えば、締緩装置60は、制御装置20から制御命令に含まれる、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報に基づいて、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、タイヤ・ホイール組立体3Aが備える1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させてもよい。或いは、締緩装置60は、レーザセンサ又は画像センサ等のセンサを備え、センサで取得した情報に基づいて、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、タイヤ・ホイール組立体3Aが備える1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させてもよい。
【0072】
ステップS106:締緩装置60が、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具を緩ませる。
【0073】
締緩装置60は、1つ以上の工具61Aを以上の工具61Aの延在方向に前進させることによって、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具のそれぞれに接触させる。締緩装置60は、1つ以上の工具61Aを回転させて、1つ以上の締結具を緩ませる。本実施形態では、締緩装置60は、4つの工具61Aを回転させて、タイヤ・ホイール組立体3の4つの締結具を同時に緩ませる。締緩装置60は、タイヤ・ホイール組立体3Aから取り外した1つ以上の締結具を、後続の工程で再度利用するために、1つ以上の工具61Aの各々により保持し続けてもよい。このように、制御装置20は、締緩装置60を制御して、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具を緩ませる。
【0074】
なお、締緩手段61が備える工具61Aの数が、例えば1つの場合等、タイヤ・ホイール組立体3Aが備える締結具の数よりも少ない場合には、締緩手段61は、ステップS104~S106の処理を繰り返すことで、タイヤ・ホイール組立体3Aの1つ以上の締結具の全てを緩ませてもよい。
【0075】
ステップS107:着脱装置50が、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外す。
【0076】
着脱装置50は、制御装置20からタイヤ・ホイール組立体3Aを取り外す制御命令を受信した場合に、所定の作業位置Sに移動する。その後、着脱装置50は、着脱手段51(本実施形態では保持部51A及び支持部51B)を制御して、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aを挟み込み、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外す。着脱装置50によるタイヤ・ホイール組立体3Aの車両2からの取り外しは、任意の方法により実現されていてもよい。例えば、タイヤ・ホイール組立体3Aを取り外す制御命令には、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3Aの姿勢に関する情報が含まれていてもよい。これにより、着脱装置50は、当該情報に基づいて、着脱手段51を制御して、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外す。或いは、着脱装置50は、レーザセンサ又は画像センサ等のセンサを備え、センサで取得した情報に基づいて、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外してもよい。着脱装置50は、車両2か取り外されたタイヤ・ホイール組立体3Aを保持する。
【0077】
着脱装置50は、さらに、車両2から取り外されたタイヤ・ホイール組立体3Aを第2収容庫90まで運搬してもよい。本実施形態では、着脱装置50は、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外された体制のまま保持し、第2収容庫90まで走行する。その後、着脱装置50は、着脱手段51を制御して、タイヤ・ホイール組立体3Aを第2収容庫90に収容する。このように、制御装置20は、着脱装置50を制御して、タイヤ・ホイール組立体3Aを車両2から取り外す。
【0078】
ステップS108:着脱装置50が、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを車両2に取り付ける。
【0079】
着脱装置50は、制御装置20から新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを取り付ける制御命令を受信した場合に、第1収容庫80まで移動する。着脱装置50は、着脱手段51を制御して、車両2に取り付けられる前の新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを第1収容庫80から取り出す。
【0080】
その後、着脱装置50は、第1収容庫80から取り出された新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを保持したまま、所定の作業位置Sまで走行する。着脱装置50は、着脱手段51を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを車両2に取り付ける。着脱装置50による新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの車両2への取り付けは、任意の方法により実現されていてもよい。例えば、着脱装置50は、ステップS107において、タイヤ・ホイール組立体3Aが車両2に取り付けられていた位置を記憶していてもよい。或いは、着脱装置50は、着脱装置50が備えるレーザセンサ又は画像センサ等のセンサで取得した情報に基づいて、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを車両2に取り付けてもよい。このように、制御装置20は、着脱装置50を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを車両2に取り付ける。
【0081】
ステップS109~S111において、締緩装置60が、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具を締め付ける。
【0082】
ステップS109:第2検出装置70が、車両2に取り付けられた新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの姿勢に関する情報を検出する。
【0083】
第2検出装置70は、ステップS104と同様に、制御装置20からの制御命令を受信した場合に、所定の作業位置Sに位置する新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの画像を撮像する。第2検出装置70は、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bを撮像した画像から、画像処理により、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの輪郭又は締結具等の特徴点を抽出し、これらの特徴点の3次元座標を特定する。第2検出装置70は、特徴点の3次元座標に基づいて、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの回転軸の3次元座標及び延在方向を特定する。第2検出装置70は、特定した新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの特徴点の3次元座標、並びに回転軸の3次元座標及び延在方向等の情報を、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの姿勢に関する情報として、制御装置20に送信する。このように、制御装置20は、第2検出装置70を制御して、車両2に取り付けられた新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの姿勢に関する情報を取得する。
【0084】
ステップS110:締緩装置60が、車両2に取り付けられた新たなタイヤ・ホイール組立体3Bに対する締緩装置60の位置合わせを行う。
【0085】
締緩装置60は、ステップS105と同様に、制御装置20から位置合わせの実行命令を受信した場合に、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bに対する締緩装置60の位置合わせを行う。具体的には、締緩装置60は、はじめに、ヘッド部61Bの回転軸Rを、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの回転軸と一直線上に整列させる。次に、締緩装置60は、ヘッド部61Bの回転軸Rを中心にヘッド部61Bを回転させて、1つ以上の工具61Aの中心軸Cの各々を、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具のいずれかの中心軸と一直線上に整列させる。
【0086】
ステップS111:締緩装置60が、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具を締め付ける。
【0087】
締緩装置60は、1つ以上の工具61Aを工具61Aの延在方向に前進させることによって、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具の取り付け位置の各々に接触させる。締緩装置60は、1つ以上の工具61Aを回転させて、1つ以上の締結具を締め付ける。このように、制御装置20は、締緩装置60を制御して、車両2に取り付けられた新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具を締め付ける。
【0088】
なお、締緩手段61が備える工具61Aの数が、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bが備える締結具の数よりも少ない場合には、締緩手段61は、ステップS109~S111の処理を繰り返すことで、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの1つ以上の締結具の全てを締め付けてもよい。
【0089】
ステップS112:昇降装置40が、車両2を降ろす。
【0090】
具体的には、昇降装置40は、制御装置20から制御命令を受信した場合に、電動式又は機械式のジャッキ等の昇降手段を動作させて、車両2を地面に降ろす。すなわち、制御装置20は、昇降装置40を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bが取り付けられた車両2を地面に降ろす。このようにして、システム1によって車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が交換されるとともに、車両2は、交換前と同様に走行可能な状態に戻される。
【0091】
システム1の動作例において上述した処理に加えて、制御装置20は、以下に例示するような処理を実行してもよい。
【0092】
制御装置20は、システム1の稼働状況を示す情報を、端末装置100に送信してもよい。システム1の稼働状況を示す情報には、例えば、システム1に含まれる装置の稼働状況、故障情報、又はエラー情報が含まれる。制御装置20は、システム1に含まれる各々の装置と通信し、各々の装置の稼働状況、故障情報、又はエラー情報を取得する。制御装置20は、取得した情報を、システム1の稼働状況を示す情報として、端末装置100に送信する。制御装置20は、取得した情報が所定の条件に当てはまる場合に、端末装置100にアラートを出力させてもよい。これにより、システム1のメンテナンス性が向上する。
【0093】
また例えば、システム1の稼働状況を示す情報には、第1収容庫80又は第2収容庫90に収容されているタイヤ・ホイール組立体3の収容情報が含まれていてもよい。具体的には、制御装置20は、第1収容庫80と通信を行い、第1収容庫80に収容されている新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの収容情報を取得し、収容情報を端末装置100に送信する。或いは、制御装置20は、第2収容庫90と通信を行い、第2収容庫90に収容されている車両2から取り外されたタイヤ・ホイール組立体3の収容情報を取得し、収容情報を端末装置100に送信してもよい。これにより、新たなタイヤ・ホイール組立体3Aの在庫不足等により、システム1において、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する機会を逸することを未然に防ぐことができる。
【0094】
また、制御装置20は、入力信号を取得し、取得した入力信号に基づいて、システム1に含まれる各々の装置を制御するか否かを判定してもよい。例えば、制御装置20は、ユーザ入力を取得し、取得したユーザ入力に基づいて、システム1に含まれる各々の装置を制御するか否かを判定してもよい。制御装置20は、例えば、制御装置20の入力部22により、ユーザ入力を受け付けてもよい。或いは、制御装置20は、端末装置100に入力されたユーザ入力を、端末装置100から受信してもよい。
【0095】
具体的には、ユーザ入力は、上述したステップS101~S112のいずれかの処理の実行を許可するユーザ入力であってもよい。制御装置20は、ユーザ入力に基づいてユーザが制御の実行を許可していると判定した場合に、昇降装置40、着脱装置50、及び締緩装置60等のシステム1に含まれる装置を制御してもよい。例えば、制御装置20は、ステップS102において、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得した場合において、更に、ステップS103以降の処理の実行を許可するユーザ入力を受信したとき、ステップS103以降の処理を実行してもよい。これにより、制御装置20は、基本的には、システム1で実行される各工程を自動で進行させるものの、所定の工程のみはユーザ入力を取得した場合に限って進行させることができる。かかる構成によれば、システム1は、システム1の管理者又はユーザ等に、システム1の安全性の確認、或いはタイヤ・ホイール組立体3の交換費用の支払いの確認等を実行する機会を与えることができる。このため、システム1の有用性が更に向上する。
【0096】
また例えば、ユーザ入力は、システム1を緊急停止させるユーザ入力であってもよい。制御装置20は、当該ユーザ入力を取得した場合には、ユーザ入力に基づいてユーザが制御の実行を許可していないと判定して、システム1による車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の交換を停止させてもよい。これにより、システム1は、システム1の管理者又はユーザ等に、システム1による車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の交換を緊急停止させ、システム1の安全性の確認等を行う機会を与えることができる。このため、システム1の有用性が更に向上する。
【0097】
ただし、入力信号は、ユーザ入力に限られない。例えば、入力信号は、車両2から送信される信号であってもよい。これにより、システム1は、車両2が自動運転車である場合等において、車両2の制御装置等に、システム1による車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3の交換を停止させる機会を与えることができる。このため、システム1の有用性が更に向上する。
【0098】
以上述べたように、本開示の一実施形態に係るシステム1は、タイヤ・ホイール組立体交換システムであって、車両2を昇降可能に構成された昇降装置40と、タイヤ・ホイール組立体3を車両2に着脱可能に構成された着脱装置50と、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置60と、昇降装置40、着脱装置50、及び締緩装置60の各々と通信可能に接続された制御装置20と、を備え、制御装置20は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得した場合に、昇降装置40、着脱装置50、及び締緩装置60の各々を制御するように構成されている。かかる構成を有するシステム1によれば、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0099】
本開示の一実施形態に係るシステム1は、車両2に取り付けられる前の新たなタイヤ・ホイール組立体3B(3)を収容するように構成された第1収容庫80を備えることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、予めホイールにタイヤを組みつけた状態のタイヤ・ホイール組立体3を保管しておくことができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する作業に掛かる時間を短縮することができる。
【0100】
本開示の一実施形態に係るシステム1では、制御装置20は、第1収容庫80に収容されている新たなタイヤ・ホイール組立体3B(3)の収容情報を取得し、取得した収容情報を送信するように構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、新たなタイヤ・ホイール組立体3Bの在庫不足により、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する機会を逸することを未然に防ぐことができる。
【0101】
本開示の一実施形態に係るシステム1は、車両2から取り外されたタイヤ・ホイール組立体3A(3)を収容するように構成された第2収容庫90を備えることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、車両2から取り外されたタイヤ・ホイール組立体3を保管しておくことができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0102】
本開示の一実施形態に係るシステム1は、所定の作業位置Sの上方を少なくとも部分的に覆うように構成された屋根を備えることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、システム1を屋外に設置することができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0103】
本開示の一実施形態に係るシステム1では、制御装置20は、ユーザ入力を取得し、ユーザ入力に基づいてユーザが制御の実行を許可していると判定した場合に、昇降装置40、着脱装置50、及び締緩装置60の少なくとも1つを制御するように構成されていることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、システム1の管理者又はユーザ等に、システム1の安全性の確認、或いはタイヤ・ホイール組立体3の交換費用の支払いの確認等を実行する機会を与えることができ、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を更に向上させることができる。
【0104】
本開示の一実施形態に係るシステム1は、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを検出するように構成された検出装置(第1検出装置30)を備えることが好ましい。かかる構成によれば、システム1は、人手を介さずに、自動で、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を検出して、タイヤ・ホイール組立体3Aの交換を実行することができる。したがって、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性が更に向上する。
【0105】
本開示の一実施形態に係る方法は、車両2を昇降可能に構成された昇降装置40、タイヤ・ホイール組立体3を車両2に着脱可能に構成された着脱装置50、及び、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置60の各々と通信可能に接続された、制御装置20が実行する方法であって、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得することと、昇降装置40を制御して、車両2を持ち上げることと、締緩装置60を制御して、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を緩ませることと、着脱装置50を制御して、タイヤ・ホイール組立体3を車両2から取り外すことと、着脱装置50を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3を車両2に取り付けることと、締緩装置60を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締めることと、昇降装置40を制御して、車両2を降ろすことと、を含む。かかる構成を有する方法によれば、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0106】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、車両2を昇降可能に構成された昇降装置40、タイヤ・ホイール組立体3を車両2に着脱可能に構成された着脱装置50、及び、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締緩可能に構成された締緩装置60の各々と通信可能に接続された、制御装置20に、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3が所定の作業位置Sに位置していることを示す情報を取得することと、昇降装置40を制御して、車両2を持ち上げることと、締緩装置60を制御して、タイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を緩ませることと、着脱装置50を制御して、タイヤ・ホイール組立体3を車両2から取り外すことと、着脱装置50を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3を車両2に取り付けることと、締緩装置60を制御して、新たなタイヤ・ホイール組立体3の1つ以上の締結具を締めることと、昇降装置40を制御して、車両2を降ろすことと、を実行させる。かかる構成を有するプログラムによれば、車両2に取り付けられたタイヤ・ホイール組立体3を交換する技術の有用性を向上させることができる。
【0107】
本開示を諸図面及び実施形態に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが可能であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各実施形態又は各実施例に含まれる構成又は機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能である。また、各実施形態に含まれる構成又は機能等は、他の実施形態又は他の実施例に組み合わせて用いることができ、複数の構成又は機能等を1つに組み合わせたり、分割したり、或いは一部を省略したりすることが可能である。
【0108】
例えば、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る制御装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る制御装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ読取可能な媒体としても実現可能である。
【0109】
また例えば、上述した実施形態において、制御装置20が実行する動作及び処理の一部又は全部を実行するように、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、又は端末装置100が構成されていてもよい。或いは、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、又は端末装置100の動作及び処理の一部又は全部を実行するように、制御装置20が構成されていてもよい。例えば、制御装置20の動作又は処理の全部を実行するように締緩装置60を構成することで、締緩装置60をシステム1の制御装置20として動作させてもよい。
【0110】
また例えば、上述した実施形態において、システム1に含まれる、制御装置20、第1検出装置30、昇降装置40、着脱装置50、締緩装置60、第2検出装置70、第1収容庫80、第2収容庫90、及び端末装置100のそれぞれの数は任意の数とされてもよい。例えば、上述したシステム1の動作では、システム1が1つの締緩装置60を含み、当該1つの締緩装置60により車両2の1つのタイヤ・ホイール組立体3を着脱するものとして説明した。しかしながら、システム1は、1つの締緩装置60を移動させて、上述したシステム1の動作を繰り返して、車両2の複数のタイヤ・ホイール組立体3を順次交換する構成とされてもよい。或いは、システム1は、複数の締緩装置60を備え、複数の締緩装置60を並行して動作させて、車両2の複数のタイヤ・ホイール組立体3を並行して交換する構成とされてもよい。
【符号の説明】
【0111】
1:システム、 2:車両、 3:タイヤ・ホイール組立体、 20:制御装置、 21:通信部、 22:入力部、 23:出力部、 24:記憶部、 25:制御部、 30:第1検出装置、 31:センサ、 32:平板部、 33:車輪止め部、 40:昇降装置、 50:着脱装置、 51:着脱手段、 51B:保持部、 52:ガイド、 53:移動手段、 60:締緩装置、 61:締緩手段、 61A:工具、 61B:ヘッド部、 61C:ガイド、 62:移動手段、 70:第2検出装置、 80:第1収容庫、 90:第2収容庫、 100:端末装置、 C:工具の中心軸、 R:ヘッド部の回転軸、 S:所定の作業位置