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特開2023-81191部品圧着装置及び部品圧着装置の制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023081191
(43)【公開日】2023-06-09
(54)【発明の名称】部品圧着装置及び部品圧着装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20230602BHJP
   H05K 13/04 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H01L21/60 311T
H05K13/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021194936
(22)【出願日】2021-11-30
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】片野 良一郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 真五
【テーマコード(参考)】
5E353
5F044
【Fターム(参考)】
5E353BB06
5E353BB10
5E353BC02
5E353GG21
5E353JJ41
5E353MM01
5E353MM08
5E353NN15
5E353QQ11
5F044LL09
5F044PP16
5F044PP19
5F044RR10
5F044RR17
(57)【要約】
【課題】異方性導電部材の劣化を抑制できる部品圧着装置等を提供する。
【解決手段】部品圧着装置100は、異方性導電部材220を介して部品230が載置された基板200が載置されるステージ110と、複数のバックアップ部120と、複数のバックアップ部120を加熱する加熱部130と、複数の熱圧着ヘッド150と、基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を変更する移動部170と、制御部と、を備える。複数の電極は、第1ピッチで並んで配置される。複数のバックアップ部120は、第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部120との間において基板200の端部を露出させる空隙300が設けられるように配置される。制御部は、複数の熱圧着ヘッド150に熱圧着を、移動部170に当該相対位置を変更させて複数回行わせる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電極部を有し、前記複数の電極部のそれぞれに異方性導電部材を介して部品が載置された基板が載置されるステージと、
前記ステージに載置された前記基板の端部を前記基板の下方から支持する複数のバックアップ部と、
前記複数のバックアップ部を加熱する加熱部と、
前記複数のバックアップ部のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、前記複数のバックアップ部により支持された前記基板に複数の前記部品の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッドと、
前記ステージに載置された基板と前記複数のバックアップ部及び前記複数の熱圧着ヘッドとの相対位置を、前記複数の電極部の並び方向に沿って変更する移動部と、
前記複数の熱圧着ヘッド、及び、前記移動部を制御する制御部と、を備え、
前記複数の電極部は、前記基板の端部に沿って第1ピッチで並んで配置され、
前記複数のバックアップ部は、前記並び方向に沿って、前記第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部との間において前記基板の端部を露出させる空隙が設けられるように配置され、
前記制御部は、前記複数の熱圧着ヘッドに前記熱圧着を、前記移動部に前記相対位置を変更させて複数回行わせる、
部品圧着装置。
【請求項2】
前記基板の端部に冷却ガスを前記基板の下方から吹き付ける冷却部をさらに備える、
請求項1に記載の部品圧着装置。
【請求項3】
前記冷却部は、前記空隙を通して前記基板の端部に前記冷却ガスを吹き付けるように配置されている、
請求項2に記載の部品圧着装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記熱圧着が行われる部品に隣接する部品について前記熱圧着が完了している場合には、前記冷却ガスの吹き付けを行わせないように前記冷却部を制御する、
請求項2又は3に記載の部品圧着装置。
【請求項5】
前記冷却部は、複数の前記部品のいずれかの下方に位置する前記基板の端部に前記冷却ガスを吹き付けるための1以上の個別冷却部を含み、
前記制御部は、
前記熱圧着が完了していない部品の下方に位置する前記基板の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部を、前記冷却ガスの吹き付けを行わせるように制御し、
前記熱圧着が完了している部品の下方に位置する前記基板の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部を、前記冷却ガスの吹き付けを行わせないように制御する、
請求項2~4のいずれか1項に記載の部品圧着装置。
【請求項6】
複数の電極部を有し、前記複数の電極部のそれぞれに異方性導電部材を介して部品が載置された基板が載置されるステージと、
前記ステージに載置された前記基板の端部を前記基板の下方から支持する複数のバックアップ部と、
前記複数のバックアップ部を加熱する加熱部と、
前記複数のバックアップ部のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、前記複数のバックアップ部により支持された前記基板に複数の前記部品の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッドと、
前記ステージに載置された基板と前記複数のバックアップ部及び前記複数の熱圧着ヘッドとの相対位置を、前記複数の電極部の並び方向に沿って変更する移動部と、を備える部品圧着装置の制御方法であって、
前記複数の電極部は、前記基板の端部に沿って第1ピッチで並んで配置され、
前記複数のバックアップ部は、前記並び方向に沿って、前記第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部との間において前記基板の端部を露出させる空隙が設けられるように配置され、
前記複数の熱圧着ヘッドに前記熱圧着を、前記移動部に前記相対位置を変更させて複数回行わせる、
部品圧着装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置及び部品圧着装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液晶パネル又は有機EL(Electro Luminescence)パネル等のディスプレイパネル等の基板の端部に接着部材として貼着された異方性導電部材であるACF(Anisotropic Conductive Film)を介して、駆動回路等の電子部品(以下、単に「部品」と呼称する)を基板に熱圧着する部品圧着装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-201188号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板に載置された部品の数が、圧着装置が備える圧着ヘッドの数より多い場合、部品の熱圧着は複数回行われる。ここで、熱圧着の際に、熱圧着が行われていない部品、つまり、熱圧着ヘッドによって熱圧着されていない部品が載置された異方性導電部材にも、熱が伝わる。異方性導電部材が当該異方性導電部材に載置された部品の熱圧着以外のタイミングで熱が伝わると当該熱によって当該異方性導電部材が劣化する。
【0005】
本発明は、異方性導電部材の劣化を抑制できる部品圧着装置等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る部品圧着装置は、複数の電極部を有し、前記複数の電極部のそれぞれに異方性導電部材を介して部品が載置された基板が載置されるステージと、前記ステージに載置された前記基板の端部を前記基板の下方から支持する複数のバックアップ部と、前記複数のバックアップ部を加熱する加熱部と、前記複数のバックアップ部のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、前記複数のバックアップ部により支持された前記基板に複数の前記部品の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッドと、前記ステージに載置された基板と前記複数のバックアップ部及び前記複数の熱圧着ヘッドとの相対位置を、前記複数の電極部の並び方向に沿って変更する移動部と、前記複数の熱圧着ヘッド、及び、前記移動部を制御する制御部と、を備え、前記複数の電極部は、前記基板の端部に沿って第1ピッチで並んで配置され、前記複数のバックアップ部は、前記並び方向に沿って、前記第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部との間において前記基板の端部を露出させる空隙が設けられるように配置され、前記制御部は、前記複数の熱圧着ヘッドに前記熱圧着を、前記移動部に前記相対位置を変更させて複数回行わせる。
【0007】
また、本発明の一態様に係る部品圧着装置の制御方法は、複数の電極部を有し、前記複数の電極部のそれぞれに異方性導電部材を介して部品が載置された基板が載置されるステージと、前記ステージに載置された前記基板の端部を前記基板の下方から支持する複数のバックアップ部と、前記複数のバックアップ部を加熱する加熱部と、前記複数のバックアップ部のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、前記複数のバックアップ部により支持された前記基板に複数の前記部品の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッドと、前記ステージに載置された基板と前記複数のバックアップ部及び前記複数の熱圧着ヘッドとの相対位置を、前記複数の電極部の並び方向に沿って変更する移動部と、を備える部品圧着装置の制御方法であって、前記複数の電極部は、前記基板の端部に沿って第1ピッチで並んで配置され、前記複数のバックアップ部は、前記並び方向に沿って、前記第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部との間において前記基板の端部を露出させる空隙が設けられるように配置され、前記複数の熱圧着ヘッドに前記熱圧着を、前記移動部に前記相対位置を変更させて複数回行わせる。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROM等の非一時的な記録媒体で実現されてもよく、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、異方性導電部材の劣化を抑制できる部品圧着装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る部品圧着装置を示す斜視図である。
図2図2は、実施の形態に係る部品圧着装置の一部を拡大して示す側面図である。
図3図3は、実施の形態に係る基板を示す上面図である。
図4図4は、実施の形態に係る部品圧着装置の機能構成を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部、複数の熱圧着ヘッド、及び、冷却部と基板との位置関係を示す正面図である。
図6図6は、実施の形態に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部、複数の熱圧着ヘッド、及び、冷却部と基板との位置関係を示す正面図である。
図7図7は、実施の形態に係る部品圧着装置の処理手順を示すフローチャートである。
図8図8は、実施の形態の変形例に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部、複数の熱圧着ヘッド、及び、冷却部と基板との位置関係を示す正面図である。
図9図9は、実施の形態の変形例に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部、複数の熱圧着ヘッド、及び、冷却部と基板との位置関係を示す正面図である。
図10図10は、実施の形態の変形例に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部、複数の熱圧着ヘッド、及び、冷却部と基板との位置関係を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態に係る部品圧着装置等について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ及びステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸、及び、Z軸は、三次元直交座標系の三軸を表している。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。また、以下の実施の形態では、Z軸正方向を上方とし、Z軸負方向を下方として記載する場合がある。また、以下の実施の形態では、X軸方向から部品圧着装置を見た場合を側面視とし、Y軸方向から部品圧着装置を見た場合を正面視として説明する。
【0014】
また、本明細書において、矩形等の要素の形状を示す用語、及び、第1ピッチ等の数値を表す用語は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0015】
また、本明細書において、「第1」、「第2」等の序数詞は、特に断りのない限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、構成要素を区別する目的で用いられている。
【0016】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る部品搭装置の構成について説明する。
【0017】
図1は、実施の形態に係る部品圧着装置100を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る部品圧着装置を示す側面図である。
【0018】
部品圧着装置100は、異方性導電部材220を介して部品230を基板200に熱圧着する装置である。具体的には、部品圧着装置100は、加熱部130でバックアップ部120を加熱しながら、基板200に異方性導電部材220を介して載置された部品230を、図示しないヒータ等で加熱された熱圧着ヘッド150で押圧することで、部品230を基板200に熱圧着する。
【0019】
部品圧着装置100が備える、加熱部130、熱圧着ヘッド150、及び、移動部170等の各装置は、制御部180(図4参照)と図示しない制御線等によって通信可能に接続されており、制御部180によって制御されることで装置ごとに所定の作業を実行する。
【0020】
部品圧着装置100は、例えば、ディスプレイパネル等を生産するための部品実装システムの一部である。当該部品実装システムでは、例えば、基板200に設けられた電極部210に異方性導電部材220を貼着し、異方性導電部材220を介して基板200と部品230とを熱圧着させる。これにより、基板200に設けられた電極部210と部品230に設けられた電極部とが電気的に接続され、且つ、基板200と部品230とが接着されることで、基板200に部品230が実装される。
【0021】
部品圧着装置100は、例えば、図示しない基板搬送装置によって上流側の装置から搬送された基板200に異方性導電部材220を介して部品230を熱圧着(例えば、いわゆる本圧着)する。部品230が熱圧着された基板200は、例えば、当該基板搬送装置によって下流側の装置に搬送される。
【0022】
基板200としては、ガラス基板等が用いられたディスプレイパネル等が例示される。
【0023】
図3は、実施の形態に係る基板200を示す上面図である。
【0024】
基板200には、複数の電極部210が設けられている。また、複数の電極部210は、例えば、基板200の端部(本実施の形態では、Y軸正方向側の縁)に沿って第1ピッチで基板200に配置されている。本実施の形態では、基板200は、上面視で矩形である。また、本実施の形態では、基板200の端部とは、Y軸正方向側の縁部である。
【0025】
なお、基板200に配置される電極部210の数は、複数であればよく、特に限定されない。
【0026】
また、第1ピッチとは、例えば、隣り合う電極部210における上面視で電極部210の中心間距離を示す。
【0027】
異方性導電部材220としては、ACF(Anisotropic Conductive Film)が例示される。異方性導電部材220は、例えば、熱硬化性樹脂と、当該熱硬化性樹脂に含まれる金属粒子とからなる。異方性導電部材220は、加熱されることで硬化して、電極部210と部品230との導電性を確保し、且つ、基板200と部品230とを固定する。
【0028】
部品230としては、TCP(Tape Carrier Package)、FPC(Flexible Printed Circuits)等のフレキシブル部品が例示される。
【0029】
図4は、実施の形態に係る部品圧着装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0030】
部品圧着装置100は、ステージ110と、複数のバックアップ部120と、加熱部130と、複数の熱圧着ヘッド150と、冷却部160と、移動部170と、制御部180と、記憶部190と、を備える。
【0031】
ステージ110は、基板200を保持するステージである。具体的には、ステージ110には、複数の電極部210を有し、複数の電極部210のそれぞれに異方性導電部材220を介して部品230が載置された基板200が載置される。ステージ110には、例えば、上記した基板搬送装置によって搬送された基板200が載置される。ステージ110には、例えば、上面を貫通するように設けられた図示しない吸着孔が複数形成されている。吸着孔には、ステージ110に載置された基板200を吸着するための図示しない真空ポンプ等が接続されている。当該真空ポンプが吸引することで、基板200はステージ110に保持される。
【0032】
ステージ110には、基板200の端部がステージ110からはみ出た状態で、基板200が載置される。当該端部は、複数のバックアップ部120によって下方から支持される。
【0033】
また、ステージ110は、移動部170によって移動可能に設けられている。
【0034】
複数のバックアップ部120は、基板200の端部を支持するステージである。具体的には、複数のバックアップ部120は、ステージ110に載置された基板200の端部を基板200の下方から支持する。また、複数のバックアップ部120は、互いに離れて配置されている。具体的には、複数のバックアップ部120は、複数の電極部210の並び方向(本実施の形態では、Y軸方向)に沿って、第2ピッチで並んで配置される。また、複数のバックアップ部120は、隣り合うバックアップ部120との間において基板200の端部を露出させる空隙300が設けられるように配置される。これにより、隣り合うバックアップ部120の間には、空隙300が設けられる。
【0035】
なお、第2ピッチは、第1ピッチより広い間隔である。本実施の形態では、第2ピッチは、第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)である。
【0036】
空隙300は、複数のバックアップ部120の間に位置する空間である。
【0037】
なお、複数のバックアップ部120とは、例えば、複数のステージを示すが、基板200を支持する部分が複数に分かれていればよく、下方で接続された、つまり、空隙300が設けられるように複数のバックアップ部120が一体に形成されたステージであってもよい。
【0038】
加熱部130は、複数のバックアップ部120を加熱するための加熱機構(ヒータ)である。加熱部130は、例えば、電熱線で実現されるが、ペルチェ素子等で実現されてもよい。
【0039】
複数の熱圧着ヘッド150は、部品230を基板200に熱圧着するためのヘッド部である。複数の熱圧着ヘッド150は、複数のバックアップ部120のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ(つまり、上下動できるように移動可能に設けられ)、複数のバックアップ部120により支持された基板200に複数の部品230の熱圧着を行う。
【0040】
複数の熱圧着ヘッド150は、複数のバックアップ部120と対向するように配置されている。本実施の形態では、複数の熱圧着ヘッド150は、複数のバックアップ部120と同じ数であり、複数のバックアップ部120と1対1で対向している。つまり、本実施の形態では、複数の熱圧着ヘッド150は、第2ピッチで並んで配置されている。
【0041】
複数の熱圧着ヘッド150は、例えば、図示しないヒータ等によって加熱しながら異方性導電部材220介して部品230を基板200に熱圧着する。
【0042】
複数の熱圧着ヘッド150は、それぞれ、部品230を基板200に圧着するためのヘッド、当該ヘッドを加熱するためのヒータ等の加熱機構、及び、当該ヘッドを上下動させるためのガイド及びモータ等からなる駆動機構により実現される。
【0043】
冷却部160は、基板200がバックアップ部120で支持されている状態において、冷却ガスを基板200に吹き付けることで冷却ガスによって基板200を冷却する機構である。具体的には、冷却部160は、ガス管から供給された冷却ガスを、ガス吹き出し口を有するノズルから吹き出して基板200に冷却ガスを吹き付けることで、基板200を冷却する。
【0044】
冷却部160は、例えば、冷却ガスを収容するガス供給源と、ガス供給源に収容された冷却ガスを基板200に吹き付けるためのノズルに導くガス管と、当該ノズルと、当該ノズルに冷却ガスを吹き付けさせるか否かを切り替えるための電磁バルブと、から実現される。
【0045】
なお、各図には、冷却部160として複数のノズル(複数の個別冷却部)を図示しており、ガス管及びガス供給源等の図示を省略している。冷却部160は、複数の部品230のいずれかの下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための1以上の個別冷却部を含む。本実施の形態では、3つの個別冷却部は、冷却ガスを吹き付ける位置が互いに異なるように配置されている。
【0046】
個別冷却部は、例えば、それぞれ、ノズルと電磁バルブとで実現され、共通のガス供給源からガス管を介して冷却ガスが供給される。
【0047】
また、冷却部160は、基板200の端部に冷却ガスを基板200の下方から吹き付ける。なお、ここでいう基板200の端部とは、複数の部品230が配置された端部、言い換えると、複数の電極部210が設けられている端部である。具体的には、冷却部160は、基板200に対して熱圧着ヘッド150と反対側から冷却ガスを基板200に吹き付けることで基板200を冷却するように配置されている。
【0048】
また、例えば、冷却部160は、空隙300を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。
【0049】
なお、冷却部160は、基板200に吹き付ける全ての冷却ガスを空隙300を通して基板200の端部に吹き付けるように配置されていてもよいし、冷却部160は、基板200に吹き付ける一部の冷却ガスを空隙300を通して基板200の端部に吹き付けるように配置されていてもよい。例えば、冷却部160は、基板200に吹き付ける他部の冷却ガスを、複数のバックアップ部120の並び方向における複数のバックアップ部120の外側を通して基板200の端部に吹き付けるように配置されていてもよい。
【0050】
例えば、冷却部160は、ボルト等により取り外し可能にバックアップ部120及び加熱部130が配置される基台140に取り付けられている。冷却部160は、例えば、基板200がバックアップ部120で支持されている状態において、基板200に対して熱圧着ヘッド150と反対側から基板200を冷却する。
【0051】
なお、冷却ガスの種類は、特に限定されない。本実施の形態では、冷却ガスは、25℃程度の常温の空気である。
【0052】
また、冷却部160は、ガスの流量を調整するために、スピードコントローラ等を備えてもよい。
【0053】
移動部170は、ステージ110を移動させる駆動部である。移動部170は、例えば、上記した基板搬送装置によって基板200をステージ110に載置させることができる位置までステージ110を移動させる。また、移動部170は、熱圧着ヘッド150が部品230を基板200に熱圧着できる位置まで基板200を移動させる。また、移動部170は、ステージ110に載置された基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を、複数の電極部210の並び方向に沿って変更する。
【0054】
なお、複数の電極部210の並び方向とは、基板200が複数の熱圧着ヘッド150の直下(言い換えると、基板200が複数のバックアップ部120に支持される位置、又は、基板200に部品230が熱圧着される位置)に移動された際における複数の電極部210の並び方向を意味する。本実施の形態では、複数の電極部210の並び方向とはX軸方向である。
【0055】
移動部170は、例えば、ガイド及びモータ等によって、ステージ110をXY平面で任意に移動可能に構成されているとともにZ軸方向に昇降可能に構成されている。
【0056】
制御部180は、複数の熱圧着ヘッド150、冷却部160、及び、移動部170等の部品圧着装置100が備える各装置の動作、当該動作のタイミング等を制御する処理部である。制御部180は、例えば、部品圧着装置100が備える各装置と通信するための通信インターフェース、メモリに記憶され、部品圧着装置100が備える各装置を制御するための制御プログラムと、当該制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサとを備えるコンピュータにより実現される。
【0057】
なお、制御部180は、部品圧着装置100を備える部品実装ライン全体の各装置の制御を行う処理部であってもよい。例えば、制御部180は、ステージ110に基板200を搬送する基板搬送装置を制御してもよい。
【0058】
例えば、制御部180は、複数の熱圧着ヘッド150に熱圧着を、移動部170に基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を変更させて複数回行わせる。具体的には、制御部180は、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで基板200に部品230を熱圧着させた後、移動部170を制御することで基板200を複数の電極部210の並び方向に沿って移動させ、さらに、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで基板200に部品230を熱圧着させる。つまり、制御部180は、移動部170及び複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、複数の部品230のうちの1以上の第1部品を基板200に熱圧着させ、基板200を移動させた後に、複数の部品230のうちの第1部品とは異なる1以上の第2部品を基板200に熱圧着させる。
【0059】
なお、一度に基板200に熱圧着される部品230の数は、複数であればよく、特に限定されない。つまり、繰り返し行われる熱圧着の回数は、複数回であればよく、特に限定されない。複数回とは、例えば、N(上記した通り、任意の整数)回であるが、任意でよい。
【0060】
また、例えば、制御部180は、冷却部160(より具体的には、冷却部160が備える、冷却ガスを吹き付けさせるか否かを切り替えるための電磁バルブ)を制御することで、冷却部160に冷却ガスを吹き付けさせるか否か(つまり、冷却ガスのオンオフ)を切り替える制御をする。例えば、制御部180は、複数の熱圧着ヘッド150に熱圧着させる度に、冷却部160に冷却ガスを吹き付けさせる領域を減らすように冷却部160を制御する。例えば、制御部180は、熱圧着が行われる部品230に隣接する部品230について熱圧着が完了している場合には、冷却ガスの吹き付けを行わせないように冷却部160を制御する。
【0061】
図5及び図6は、実施の形態に係る部品圧着装置100が備える、複数のバックアップ部120、複数の熱圧着ヘッド150、及び、冷却部161、162、163と基板200との位置関係を示す正面図である。具体的には、図5は、基板200に対する1回目の熱圧着を示す図であり、図6は、基板200に対する2回目の熱圧着を示す図である。より具体的には、図5及び図6は、上記したN=2の場合の一例である。
【0062】
なお、図5及び図6においては、図1に示す冷却部160をノズル(具体的には、個別冷却部)毎に区別するために冷却部161、162、163と符号を付して示している。また、図5及び図6においては、図1に示す複数の部品230を部品毎に区別するために、部品231、232、233、234、235、236と符号を付して示している。図5及び図6に示す例では、冷却部161、162は、空隙300を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。また、冷却部163は、空隙300を通さずに複数のバックアップ部120の外側を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。
【0063】
まず、制御部180は、例えば、図5に示すように、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して部品231、233、235を基板200に熱圧着させる。また、このとき、制御部180は、例えば、冷却部161、162、163を制御することで、冷却部161、162、163に冷却ガスを基板200に吹き付けさせる。
【0064】
次に、制御部180は、例えば、移動部170を制御することで基板200をX軸負方向に移動させることで、基板200の位置を図5に示す位置から図6に示す位置に移動させる。
【0065】
次に、制御部180は、例えば、図6に示すように、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して部品232、234、236を基板200に熱圧着させる。また、このとき、制御部180は、例えば、冷却部161、162、163に冷却ガスを基板200に吹き付けさせない。このように、制御部180は、例えば、熱圧着が完了している部品231、233、235に対応する個別冷却部(冷却部161、162、163)については、冷却ガスの吹き付けを行わせないように制御する。例えば、制御部180は、熱圧着が完了していない部品(例えば、図5に示す状態における部品232、234、236)の下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部(図5及び図6に示す例では冷却部161、162、163)を、冷却ガスの吹き付けを行わせるように制御し、熱圧着が完了している部品(例えば、図6に示す状態における部品231、233、235)の下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部を、冷却ガスの吹き付けを行わせないように制御する。
【0066】
なお、部品231、232、233に対応する個別冷却部とは、当該部品の直下に位置する基板200の端部を冷却するための個別冷却部を示し、例えば、部品231、232、233の直下に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付ける個別冷却部である。
【0067】
記憶部190は、基板200のサイズ、基板200に実装する部品230の種類、実装位置、実装方向、各装置の動作、当該動作のタイミング、基板200を搬送するタイミング等の部品圧着処理に必要な各種データ、制御部180が実行する制御プログラム等を記憶する記憶装置である。
【0068】
記憶部190は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリにより実現される。
【0069】
[処理手順]
続いて、部品圧着装置100の処理手順について説明する。
【0070】
図7は、実施の形態に係る部品圧着装置100の処理手順を示すフローチャートである。
【0071】
まず、制御部180は、図示しない基板搬送装置及び移動部170等を制御することで、異方性導電部材220を介して部品230が載置された基板200をステージ110に載置させる(ステップS101)。
【0072】
次に、制御部180は、移動部170を制御することで、基板200の端部が熱圧着ヘッド150とバックアップ部120との間に位置するように、ステージ110を移動させ、基板200の端部をバックアップ部120に支持させる(S102)。
【0073】
次に、制御部180は、基板200への冷却ガスの吹き付けを冷却部160に開始させる(S103)。
【0074】
次に、制御部180は、熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して基板200に部品230を熱圧着ヘッド150に熱圧着させる(S104)。例えば、制御部180は、所定時間だけ熱圧着ヘッド150で部品230を熱圧着させる。なお、制御部180は、時間を計測するためのRTC(Real Time Clock)等の計時部を備えてもよい。また、制御部180は、熱圧着ヘッド150を制御することで、熱圧着ヘッド150を上昇させて部品230の熱圧着を終了させる。
【0075】
次に、制御部180は、基板200の載置されている全ての部品の熱圧着が完了したか否かを判定する(S105)。記憶部190には、例えば、1つの基板200に対して熱圧着を行う所定の回数を示す情報が予め記憶されている。制御部180は、例えば、1つの基板200に対して熱圧着した回数をカウントし、所定の回数熱圧着を実行したか否かを判定する。
【0076】
制御部180は、基板200の載置されている全ての部品の熱圧着が完了していないと判定した場合(S105でNo)、移動部170を制御することで、まだ熱圧着が完了していない部品230が熱圧着ヘッド150と対向するように位置するように、ステージ110を移動させる(S106)。
【0077】
次に、制御部180は、冷却部160による冷却ガスの吹き付け位置を決定する(S107)。記憶部190には、例えば、1つの基板200に対して行った熱圧着の回数毎に、基板200の端部の下方のどの位置に冷却ガスを吹き付けるかを示す情報、又は、どの個別冷却部から冷却ガスを吹き付けさせるかを示す情報が予め記憶されている。制御部180は、例えば、1つの基板200に対して熱圧着した回数をカウントし、カウントした回数に基づいて、基板200の端部の下方のどの位置に冷却ガスを吹き付けるか、又は、どの個別冷却部から冷却ガスを吹き付けさせるかを決定する。
【0078】
次に、制御部180は、決定した吹き付け位置に冷却ガスが吹き付けられるように冷却部160を制御し(S108)、処理をステップS104に戻す。
【0079】
制御部180は、基板200の載置されている全ての部品の熱圧着が完了したと判定した場合(S105でYes)、冷却部160に冷却ガスを吹き付けさせている場合には基板200への冷却ガスの吹き付けを冷却部160に終了させる(S109)。
【0080】
次に、制御部180は、移動部170を制御することで、基板200をバックアップ部120から離間させる(ステップS110)。
【0081】
次に、制御部180は、移動部170を制御することで、ステージ110から基板200を退避させる(ステップS111)。
【0082】
なお、ステップS107において、制御部180は、冷却部160に冷却ガスを吹き付けさせないと判定してもよい。この場合、制御部180は、ステップS108において、冷却ガスを吹き付けさせないように冷却部160を制御してもよい。
【0083】
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る部品圧着装置100は、複数の電極部210を有し、複数の電極部210のそれぞれに異方性導電部材220を介して部品230が載置された基板200が載置されるステージ110と、ステージ110に載置された基板200の端部を基板200の下方から支持する複数のバックアップ部120と、複数のバックアップ部120を加熱する加熱部130と、複数のバックアップ部120のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、複数のバックアップ部120により支持された基板200に複数の部品230の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッド150と、ステージ110に載置された基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を、複数の電極部210の並び方向に沿って変更する移動部170と、複数の熱圧着ヘッド150、及び、移動部170を制御する制御部180と、を備える。複数の電極部210は、基板200の端部に沿って第1ピッチで並んで配置される。複数のバックアップ部120は、当該並び方向に沿って、第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部120との間において基板200の端部を露出させる空隙300が設けられるように配置される。制御部180は、複数の熱圧着ヘッド150に熱圧着を、移動部170に当該相対位置を変更させて複数回行わせる。
【0084】
基板200に部品230を熱圧着する際には、例えば、加熱部130によって複数のバックアップ部120を加熱することで、基板200に設けられた異方性導電部材220を加熱する。これにより、異方性導電部材220は、熱圧着時には、加熱部130による熱が複数のバックアップ部120を介して加えられることで硬化して、電極部210と部品230との導電性を確保し、且つ、基板200と部品230とを固定する。ここで、同じ基板200に複数回熱圧着が実行される場合、基板200を支持するバックアップ部120が基板200の下方の全体を支持するように設けられていると、複数の部品全てに加熱部130からの熱が加わるため、ある部品230に対して熱圧着が実行されている間に、熱圧着が実行されていない部品230にも熱が加わる。そうすると、異方性導電部材220は硬化してしまう、つまり、異方性導電部材220が劣化してしまうため、熱圧着が実行される際に適切に基板200と部品230とが固定されなくなる。そこで、部品圧着装置100が備える複数のバックアップ部120は、当該並び方向に沿って、第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部120との間において基板200の端部を露出させる空隙300が設けられるように配置される。つまり、基板200の下方は、バックアップ部120に支持されない位置が設けられる。例えば、複数のバックアップ部120は、複数の熱圧着ヘッド150と1対1で設けられる。これによれば、基板200における、熱圧着される部品230が位置する箇所だけが複数のバックアップ部120によって支持される。つまり、基板200における、熱圧着される部品230が位置する箇所だけが加熱部130を介して複数のバックアップ部120によって加熱されることになる。そのため、熱圧着時においても、熱圧着されていない部品230の下方に位置する異方性導電部材220の劣化を抑制できる。
【0085】
また、例えば、基板200の端部に冷却ガスを基板200の下方から吹き付ける冷却部160をさらに備える。
【0086】
これによれば、冷却部160によって熱圧着時においても、熱圧着されていない部品230の下方に位置する基板200の端部を冷却することができるため、当該部品230の下方に位置する異方性導電部材220の劣化をさらに抑制できる。
【0087】
また、例えば、冷却部160は、空隙300を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。
【0088】
これによれば、複数の部品230の並び方向において複数の部品230のうち中央側に位置する部品230を冷却部160によって空隙300を通して基板200の下方から基板200の端部を簡単に冷却できる。
【0089】
また、例えば、制御部180は、熱圧着が行われる部品230に隣接する部品について熱圧着が完了している場合には、冷却ガスの吹き付けを行わせないように冷却部160を制御する。
【0090】
例えば、図6に示す例では、制御部180は、熱圧着が行われる部品234に隣接する部品233、235について熱圧着が完了しているため、冷却ガスの吹き付けを行わせないように冷却部161、162を制御する。
【0091】
熱圧着が完了している部品230については、当該部品230の下方に位置する異方性導電部材220は既に熱が加えられて硬化しているため、これ以上熱が加えられても劣化されない。そのため、これによれば、冷却ガスの不要な利用を抑制できる。
【0092】
また、例えば、冷却部160は、複数の部品230のいずれかの下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための1以上の個別冷却部を含む。また、例えば、制御部180は、熱圧着が完了していない部品230の下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部を、冷却ガスの吹き付けを行わせるように制御し、熱圧着が完了している部品230の下方に位置する基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるための個別冷却部を、冷却ガスの吹き付けを行わせないように制御する。
【0093】
これによれば、例えば、1つの基板200に対して3回以上熱圧着が行われる場合にも、冷却ガスを適切な位置に吹き付けやすくできる。そのため、これによれば、冷却ガスの不要な利用を抑制できる。
【0094】
また、実施の形態に係る部品圧着装置100の制御方法は、複数の電極部210を有し、複数の電極部210のそれぞれに異方性導電部材220を介して部品230が載置された基板200が載置されるステージ110と、ステージ110に載置された基板200の端部を基板200の下方から支持する複数のバックアップ部120と、複数のバックアップ部120を加熱する加熱部130と、複数のバックアップ部120のそれぞれの上方に昇降可能に設けられ、複数のバックアップ部120により支持された基板200に複数の部品230の熱圧着を行う複数の熱圧着ヘッド150と、ステージ110に載置された基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を、複数の電極部210の並び方向に沿って変更する移動部170と、を備える部品圧着装置100の制御方法である。複数の電極部210は、基板200の端部に沿って第1ピッチで並んで配置される。複数のバックアップ部120は、当該並び方向に沿って、第1ピッチのN倍(Nは、2以上の整数)の第2ピッチで並んで配置され、且つ、隣り合うバックアップ部120との間において基板200の端部を露出させる空隙300が設けられるように配置される。部品圧着装置100の制御方法では、複数の熱圧着ヘッド150に熱圧着を、移動部170に相対位置を変更させて複数回行わせる。
【0095】
これによれば、部品圧着装置100と同様の効果を奏する。
【0096】
[変形例]
上記した例では、部品圧着装置100は、3つのバックアップ部120、3つの熱圧着ヘッド150、及び、3つの個別冷却部を備える。部品圧着装置100が備える複数のバックアップ部120、複数の熱圧着ヘッド150、及び、個別冷却部の数は、特に限定されない。
【0097】
以下、部品圧着装置の変形例について説明する。以下で説明する変形例では、部品圧着装置は、2つのバックアップ部120、2つの熱圧着ヘッド150、及び、4つの個別冷却部(冷却部161、162、163、164)を備える。他の構成要素については、変形例に係る部品圧着装置は、上記した部品圧着装置100と同じである。
【0098】
図8図9及び図10は、実施の形態の変形例に係る部品圧着装置が備える、複数のバックアップ部120、複数の熱圧着ヘッド150、及び、冷却部161、162、163、164と基板200との位置関係を示す正面図である。具体的には、図8は、基板200に対する1回目の熱圧着を示す図であり、図9は、基板200に対する2回目の熱圧着を示す図であり、図10は、基板200に対する3回目の熱圧着を示す図である。より具体的には、図8図9及び図10は、上記したN=3の場合の一例である。
【0099】
なお、図8図9及び図10においては、図1に示す冷却部160に対応するノズル(具体的には、個別冷却部)毎に区別するために冷却部161、162、163、164と符号を付して示している。また、図8図9及び図10においては、複数の部品230を部品毎に区別するために、部品231、232、233、234、235、236と符号を付して示している。図8図9及び図10に示す例では、冷却部161、162は、空隙300を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。また、冷却部163、164は、空隙300を通さずに複数のバックアップ部120の外側を通して基板200の端部に冷却ガスを吹き付けるように配置されている。
【0100】
まず、制御部180は、例えば、図8に示すように、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して部品231、234を基板200に熱圧着させる。また、このとき、制御部180は、例えば、冷却部161、162、163、164を制御することで、冷却部161、162、163、164に冷却ガスを基板200に吹き付けさせる。
【0101】
次に、制御部180は、例えば、移動部170を制御することで基板200をX軸負方向に移動させることで、基板200の位置を図8に示す位置から図9に示す位置に移動させる。
【0102】
次に、制御部180は、例えば、図9に示すように、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して部品232、235を基板200に熱圧着させる。また、このとき、制御部180は、例えば、冷却部161、163に冷却ガスを基板200に吹き付けさせ、且つ、冷却部162、164に冷却ガスを基板200に吹き付けさせない。このように、制御部180は、例えば、熱圧着が完了していない部品233、236に対応する個別冷却部(冷却部161、163)については、冷却ガスの吹き付けを行わせるように制御し、且つ、熱圧着が完了している部品234に対応する個別冷却部(冷却部162)については、冷却ガスの吹き付けを行わせないように制御する。なお、部品圧着装置は、図9に示す状態では、熱圧着が完了している部品231に対応する個別冷却部を有さないが、当該状態において部品231に対応する個別冷却部を有していてもよい。
【0103】
次に、制御部180は、例えば、移動部170を制御することで基板200をX軸負方向に移動させることで、基板200の位置を図9に示す位置から図10に示す位置に移動させる。
【0104】
次に、制御部180は、例えば、図10に示すように、複数の熱圧着ヘッド150を制御することで、異方性導電部材220を介して部品233、236を基板200に熱圧着させる。また、このとき、制御部180は、例えば、部品231、232、234、235の熱圧着は完了しているため、冷却部161、162、163、164に冷却ガスを基板200に吹き付けさせない。
【0105】
(その他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る部品圧着装置等について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0106】
例えば、上記実施の形態では、ステージ110に載置された基板200と複数のバックアップ部120及び複数の熱圧着ヘッド150との相対位置を、複数の電極部210の並び方向に沿って変更する移動部が、ステージ110を移動させる移動部170によって実現されたが、複数の熱圧着ヘッド150及び複数のバックアップ部120を移動させる駆動機構によって実現されてもよい。
【0107】
また、上記実施の形態では、冷却部160は、複数のノズルを有しているが、1つのノズルに複数の冷却ガスの噴き出し口が掲載された構成であってもよい。
【0108】
また、例えば、上記実施の形態では、制御部180の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の非一時的な記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0109】
また、制御部180の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0110】
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
【0111】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0112】
本発明は、液晶パネルを生産する部品実装ライン等が有する、基板に部品を熱圧着する部品圧着装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0113】
100 部品圧着装置
110 ステージ
120 バックアップ部
130 加熱部
140 基台
150 熱圧着ヘッド
160、161、162、163、164 冷却部
170 移動部
180 制御部
190 記憶部
200 基板
210 電極部
220 異方性導電部材
230、231、232、233、234、235、236 部品
300 空隙
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10